(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173825
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】直結式給水装置
(51)【国際特許分類】
E03B 5/00 20060101AFI20221115BHJP
F04B 23/02 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
E03B5/00 B
F04B23/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079786
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 哲則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 章太
(72)【発明者】
【氏名】坂野 聖治
【テーマコード(参考)】
3H071
【Fターム(参考)】
3H071AA01
3H071BB13
3H071CC14
3H071DD12
3H071DD14
3H071DD31
3H071DD73
3H071DD76
(57)【要約】
【課題】 効率の良い直結給水が可能な直結式給水装置の一例を開示する。
【解決手段】 給水装置1は、水道配管が接続される流入部3と給水用の水を送出する給水部5とがバイパス管9にて直接的に繋がった構成となる。したがって、当該給水装置1では、バイパス管9で発生する圧力損失が小さくなり得る。延いては、当該給水装置1では、直結給水時の給水効率が向上し得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道圧を利用して給水可能な直結式給水装置において、
水道配管が接続される流入部、及び給水用の水を送出する給水部と、
複数台のポンプを有し、前記流入部から前記給水部に至る給水経路に対して当該複数のポンプが並列配置されたポンプ装置であって、当該複数のポンプの吸込口に連通する吸込部、及び当該複数のポンプの吐出し口に連通する吐出し部を有するポンプ装置と、
前記流入部から前記吸込部に至る吸込経路の途中に設けられ、前記吸込部から前記流入部に向けて水が流通することを規制する逆流防止装置と、
前記吸込経路のうち前記逆流防止装置より下流側に接続されたバイパス管であって、前記逆流防止装置から流出した水を前記ポンプ装置を迂回させて前記給水部側に導く迂回経路を構成するバイパス管と、
前記吐出し部から前記給水部に至る吐出経路に接続され、給水圧を保持するための蓄圧器と、
前記バイパス管を流通する水が前記吐出経路側から前記吸込経路側に向けて流通することを規制する逆止弁と
を備える直結式給水装置。
【請求項2】
前記バイパス管のうち前記逆止弁より下流側には、前記迂回経路を開閉する開閉弁が設けられている請求項1に記載の直結式給水装置。
【請求項3】
前記吐出経路と前記蓄圧器とを接続する接続経路には、当該接続経路を開閉する開閉弁が設けられており、
前記バイパス管の前記給水部側は、前記接続経路のうち前記開閉弁と前記蓄圧器との間に接続されている請求項1に記載の直結式給水装置。
【請求項4】
前記バイパス管の少なくとも一部は、フレキシブルホースにて構成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の直結式給水装置。
【請求項5】
前記バイパス管は、前記吸込部の上流側と前記吐出し部の下流側とを接続している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の直結式給水装置。
【請求項6】
前記逆流防止装置は、水の流入口及び流出口が水平方向に開口した第1逆流防止装置、及び前記第1逆流防止装置の上方側に配置され、水の流入口及び流出口が水平方向に開口した第2逆流防止装置を有し、
前記第1逆流防止装置及び前記第2逆流防止装置は、前記吸込経路において並列配置されており、
前記ポンプ装置は、第1ポンプ及び第2ポンプを有し、かつ、当該第1ポンプの中心軸線及び当該第2ポンプの中心軸線が鉛直方向と平行であり、
前記吸込部は、前記第1逆流防止装置の下流側が接続された第1吸込部であって下方に向けて開口した第1吸込部、及び前記第2逆流防止装置の下流側が接続された第2吸込部であって水平方向に開口した第2吸込部を有しており、
前記吸込経路は、前記逆流防止装置の上流側に設けられた分岐部にて分岐して前記第1逆流防止装置の上流及び前記第2逆流防止装置の上流側に繋がっており、
さらに、前記吸込経路のうち前記分岐部から上方に向かう部位、及び前記吸込経路のうち前記第1吸込部から下方に向かう部位が直線状である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の直結式給水装置。
【請求項7】
前記吸込部は、
前記第1ポンプの吸込口に接続された三方Tポートボール弁にて構成された吸込三方弁、
前記第2ポンプの吸込口に接続された二方Lポートボール弁に構成された吸込二方弁、及び
前記吸込三方弁と前記吸込二方弁とを連結するとともに、前記第1逆流防止装置の下流側が接続された吸込側合流管を有し、かつ、
前記吸込側合流管の中間部に前記第1吸込部が設けられ、前記吸込三方弁により前記第2吸込部が構成されている請求項6に記載の直結式給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水道圧を利用した給水が可能な直結式給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の直結式給水装置は、第1ポンプ、第2ポンプ及びバイパス管を備えている。そして、当該バイパス管は、第1ポンプの吸込口と吐出し口とを接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直結式給水装置では、給水需要が小さい場合に、第1ポンプ及び第2ポンプを稼働させることなく、水道圧をそのまま利用した給水(以下、直結給水という。)が可能である。
【0005】
そして、バイパス管は、直結給水を行うための給水経路を構成する。そこで、本開示は、効率の良い直結給水が可能な直結式給水装置の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
水道圧を利用して給水可能な直結式給水装置は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
【0007】
すなわち、当該構成要件は、水道配管が接続される流入部(3)、及び給水用の水を送出する給水部(5)と、複数台のポンプ(7A、7B)を有し、流入部(3)から給水部(5)に至る給水経路に対して当該複数台のポンプ(7A、7B)が並列配置されたポンプ装置(7)であって、当該複数台のポンプ(7A、7B)の吸込口に連通する吸込部(71)、及び当該複数台のポンプ(7A、7B)の吐出し口に連通する吐出し部(72)を有するポンプ装置(7)と、流入部(3)から吸込部(71)に至る吸込経路の途中に設けられ、吸込部(71)から流入部(3)に向けて水が流通することを規制する逆流防止装置(15)と、吸込経路のうち逆流防止装置(15)より下流側に接続されたバイパス管(9)であって、逆流防止装置(15)から流出した水をポンプ装置(7)を迂回させて給水部(5)側に導く迂回経路を構成するバイパス管(9)と、バイパス管(9)を流通する水が吐出経路側から吸込経路側に向けて流通することを規制する逆止弁(11)と、吐出し部(72)から給水部(5)に至る吐出経路に接続され、給水圧を保持するための蓄圧器(13)とである。
【0008】
これにより、当該直結式給水装置では、水道配管が接続される流入部(3)と給水用の水を送出する給水部(5)とが直接的に繋がった構成となる。
【0009】
これに対して、特許文献1に記載の直結式給水装置に係るバイパス管は、第1ポンプの吐出し口と第2ポンプの吐出し口とを接続する吐出側合流管を経由して給水部に至る構成である。
【0010】
したがって、当該直結式給水装置では、特許文献1に記載の直結式給水装置に比べて、バイパス管で発生する圧力損失が小さくなり得る。延いては、当該直結式給水装置では、特許文献1に記載の直結式給水装置に比べて、直結給水時の給水効率が向上し得る。
【0011】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る給水装置の給水回路を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る給水装置の給水回路の実装を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る給水装置の給水回路の実装を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る給水装置の給水回路の実装を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係る給水装置の給水回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0014】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0015】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された給水装置は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0016】
(第1実施形態)
<1.給水装置の概要>
本実施形態は、直結式給水装置に本開示に係る給水装置の一例が適用されたものである。直結式給水装置とは、水道圧を利用して給水可能な給水装置である。このため、当該給水装置1は、受水槽等の貯水装置を備えていない。
【0017】
<1.1 給水装置の構成>
本実施形態に係る給水装置は、
図1に示されるように、流入部3、給水部5、ポンプ装置7、バイパス管9、逆止弁11、蓄圧器13及び逆流防止装置15等を少なくとも備えている。
【0018】
流入部3は、水道配管が接続される部位である。給水部5は、給水用の水を建物等に送出する送出部である。なお、ポンプ装置7、バイパス管9、逆止弁11、蓄圧器13及び逆流防止装置15は、
図2に示されるように、1つのケース17内に収納されている。
【0019】
<1.2 ポンプ装置>
図1に示されるように、ポンプ装置7(二点鎖線で囲まれた装置)は、複数台のポンプ(本実施形態では、第1ポンプ7A及び第2ポンプ7B)、吸込側開閉ユニット71並びに吐出側開閉ユニット72等を少なくとも有している。
【0020】
第1ポンプ7A及び第2ポンプ7Bそれぞれは、流入部3から給水部5に至る給水経路に対して並列配置されている。つまり、当該給水経路は、第1ポンプ7Aを経由して給水部5に至る給水経路、及び第2ポンプ7Bを経由して給水部5に至る給水経路を有する。
【0021】
第1ポンプ7A及び第2ポンプ7Bは、
図2に示される電動モータ7C、7Dにより駆動される。第1ポンプ7Aの中心軸線L1と第2ポンプ7Bの中心軸線L2とは、互いに平行であって、鉛直方向と一致している。
【0022】
電動モータ7C、7D、つまりポンプ装置7の作動は、制御部(図示せず。)により制御される。当該制御部は、制御盤7E内に収納されている。なお、本実施形態に係る制御盤7Eは、ケース17内に収納されている。
【0023】
<1.3 吸込側開閉ユニット(
図1参照)>
吸込側開閉ユニット71(細線で囲まれた装置)は、ポンプ装置7の吸込部を構成する。つまり、吸込側開閉ユニット71は、第1ポンプ7Aの吸込口S1及び第2ポンプ7Bの吸込口S2に連通しているとともに、各吸込口S1、S2と流入部3側との連通状態を切り替えるための開閉弁の一例である。
【0024】
本実施形態に係る吸込側開閉ユニット71は、吸込三方弁71A、吸込二方弁71B及び吸込側合流管71C等を有して構成されている。吸込三方弁71Aは、第1ポンプ7Aの吸込口S1に接続された三方Tポートボール弁にて構成されている。
【0025】
吸込二方弁71Bは、第2ポンプ7Bの吸込口S2に接続された二方Lポートボール弁にて構成されている。吸込側合流管71Cは、吸込三方弁71Aと吸込二方弁71Bとを連結する。
【0026】
<1.4 吐出側開閉ユニット(
図1参照)>
吐出側開閉ユニット72(細線で囲まれた装置)は、ポンプ装置7の吐出し部を構成する。つまり、吐出側開閉ユニット72は、第1ポンプ7Aの吐出し口D1及び第2ポンプ7Bの吐出し口D2に連通しているとともに、各吐出し口D1、D2と給水部5側との連通状態を切り替えるための開閉弁の一例である。
【0027】
本実施形態に係る吐出側開閉ユニット72は、第1吐出二方弁72A、第2吐出二方弁72B及び吐出側合流管72C等を有して構成されている。第1吐出二方弁72A、は、第1ポンプ7Aの吐出し口D1に接続された二方Lポートボール弁にて構成されている。
【0028】
第2吐出二方弁72Bは、第2ポンプ7Bの吐出し口D2に接続された二方Lポートボール弁にて構成されている。吐出側合流管72Cは、第1吐出二方弁72Aと第2吐出二方弁72Bとを連結する。
【0029】
なお、第1ポンプ7Aの吐出し口D1と第1吐出二方弁72Aとの間には、第1逆止弁73Aが設けられている。第1逆止弁73Aは、吐出し口D1に向けて水が流通することを規制し、当該流通の向きと反対向きの流通を許容する。
【0030】
第2ポンプ7Bの吐出し口D2と第2吐出二方弁72Bとの間には、第2逆止弁73Bが設けられている。第2逆止弁73Bは、吐出し口D2に向けて水が流通することを規制し、当該流通の向きと反対向きの流通を許容する。
【0031】
本実施形態に係る第1吐出二方弁72A、第2吐出二方弁72B、吸込三方弁71A及び吸込二方弁71Bは、作業員等により手動操作される操作バルブである。第1吐出二方弁72A及び第2吐出二方弁72Bは、ケース17において、吸込三方弁71A及び吸込二方弁71Bに対して手前側(正面側)に配置されている(
図4参照)。
【0032】
なお、手前側(正面側)とは、ケース17に装着されたカバー17A(
図3参照)が配置された側をいう。カバー17Aは、ケース17に着脱自在に装着され、ケース17の正面側を覆うものである。
【0033】
具体的には、第1吐出二方弁72Aと吸込三方弁71Aとは、双方のボール弁(図示せず。)の回転中心軸線がケース17の前後方向に一致するように、前後方向にずれて配置されている。
【0034】
第2吐出二方弁72Bと吸込二方弁71Bとは、双方のボール弁(図示せず。)の回転中心軸線がケース17の前後方向に一致するように、前後方向にずれて配置されている。そして、第1吐出二方弁72Aと吸込三方弁71Aとが連動作動し、かつ、第2吐出二方弁72Bと吸込二方弁71Bとが連動作動するように構成されている。
【0035】
<1.5 逆流防止装置(
図1参照)>
逆流防止装置15(二点鎖線で囲まれた装置)は、流入部3から吸込部に至る吸込経路、換言すれば、流入部3から吸込側開閉ユニット71に至る吸込経路の途中に設けられている。
【0036】
当該逆流防止装置15は、吸込側開閉ユニット71側から流入部3側に向けて水が流通すること、つまり吸込経路を水が逆流することを規制し、かつ、流入部3側から吐出側開閉ユニット72側に水が流通することを許容する。
【0037】
本実施形態に係る逆流防止装置15は、第1逆流防止装置15A及び第2逆流防止装置15B等を有している。第1逆流防止装置15A及び第2逆流防止装置15Bは、前記吸込経路において並列配置されている。
【0038】
このため、吸込経路は、逆流防止装置15、つまり第1逆流防止装置15A及び第2逆流防止装置15Bの上流側に設けられた分岐部B1にて分岐して第1逆流防止装置15Aの上流側及び第2逆流防止装置15Bの上流側に繋がっている。
【0039】
吸込部、つまり吸込側開閉ユニット71は、第1吸込部71D及び第2吸込部71Eが設けられている。第1吸込部71Dは、第1逆流防止装置15Aの下流側が接続された部位である。第2吸込部71Eは、第2逆流防止装置15Bの下流側が接続された部位である。
【0040】
具体的には、第1吸込部71Dは、
図2に示されるように、吸込側合流管71Cの中間部に設けられ、かつ、下方に向けて開口している。第2吸込部71Eは、水平方向に開口し、かつ、吸込三方弁71Aの開口により構成されている。
【0041】
そして、第1逆流防止装置15Aは、水の流入口及び流出口が水平方向に向けて開口するようにケース17内に配置されている。第2逆流防止装置15Bは、第1逆流防止装置15Aの上方側に配置され、水の流入口及び流出口が水平方向に向けて開口するようにケース17内に配置されている。
【0042】
さらに、吸込経路のうち分岐部B1から上方に向かう部位P1、及び吸込経路のうち第1吸込部71Dから下方に向かう部位P2が直線状となり、かつ、分岐部B1が第1逆流防止装置15Aに対して水平方向にずれた部位に位置するように構成されている。
【0043】
このため、本実施形態では、分岐部B1、部位P1、第2逆流防止装置15B、部位P2及び第1逆流防止装置15Aそれぞれの中心線は、長方形等の矩形状を描いている。なお、それらの中心線は、同一の仮想鉛直平面上に位置している(
図4参照)。
【0044】
逆流防止装置15の上流側及び下流側には、
図1に示されるように、吸込経路を開閉するための開閉弁等が設けられている。具体的には、第1逆流防止装置15Aの上流側には第1開閉弁19Aが設けられている。
【0045】
第1逆流防止装置15Aの下流側には第2開閉弁19Bが設けられている。第2逆流防止装置15Bの上流側には第3開閉弁19Cが設けられている。第2逆流防止装置15Bの下流側の開閉弁は、吸込三方弁71A及び吸込二方弁71Bにより構成されている。
【0046】
<1.6 蓄圧器(
図1参照)>
蓄圧器13は、ポンプ装置7が停止しているときに、給水圧を保持するため装置(例えば、アキュムレータ)である。当該蓄圧器13は、ポンプ装置7の吐出し部、つまり吐出側開閉ユニット72から給水部5に至る吐出経路に接続されている。
【0047】
吐出経路と蓄圧器13とを接続する接続経路には、当該接続経路を開閉する開閉弁19Fが設けられている。吐出経路のうち蓄圧器13より下流側に第4開閉弁19Dが設けられている。
【0048】
<1.7 バイパス管(
図1参照)>
バイパス管9は、吸込経路のうち逆流防止装置15より下流側に接続された管であって、逆流防止装置15から流出した水をポンプ装置7を迂回させて給水部5側に導く迂回経路を構成する管である。
【0049】
具体的には、本実施形態に係るバイパス管9は、吸込経路のうち第1逆流防止装置15Aの下流側であって第2開閉弁19Bより上流側の部位と蓄圧器13より上流側の部位とを繋ぐ管である。
【0050】
逆止弁11は、バイパス管9を流通する水が吐出経路側から吸込経路側に向けて流通することを規制し、かつ、吸込経路側から吐出経路側に向けて流通することすることを許容する。本実施形態に係る逆止弁11は、第1逆流防止装置15Aの流出口と部位P2とを繋ぐエルボ継手Ef(
図2参照)内に配置されている。
【0051】
バイパス管9のうち逆止弁11より下流側には、開閉弁19Eが設けられている。開閉弁19Eは、迂回経路を開閉する弁である。なお、開閉弁19A~19Eは、作業者等により手動操作される操作バルブである。
【0052】
本実施形態では、バイパス管9の少なくとも一部は、可撓性を備えるフレキシブルホース9Aにて構成されている。具体的には、バイパス管9のうち逆止弁11(エルボ継手Ef)から開閉弁19Eに至る範囲がフレキシブルホース9Aにて構成されている。
【0053】
<1.8 その他構成>
上述したように、第1吐出二方弁72A及び第2吐出二方弁72Bは、ケース17において、吸込三方弁71A及び吸込二方弁71Bに対して手前側(正面側)に配置されている。
【0054】
このため、吸込側開閉ユニット71が取り外された状態においては、
図3に示されるように、吐出側開閉ユニット72が露出する。つまり、吐出側開閉ユニット72は、吸込側開閉ユニット71より奥側に配置されている。
【0055】
<2.メンテナンス作業時の開閉弁等の操作(
図1参照)>
修理や交換等のメンテナンス作業の際には、先ず、作業者は、メンテナンス作業の対象となる機器の上流側に配置された開閉弁、及び当該機器の下流側に配置された開閉弁を閉じて止水状態とする。
【0056】
次に、作業者は、当該機器を給水経路から取り外す、又は当該機器を分解する等して当該機器のメンテナンスを行う。そして、作業者は、メンテナンスが終了したときに、操作した開閉弁を開く。具体的には、以下の通りである。
【0057】
例えば、第1逆流防止装置15Aのメンテナンスを行う場合には、作業者は、先ず、第1開閉弁19A及び第2開閉弁19Bを閉じた後に、第1逆流防止装置15Aのメンテナンスを行う。
【0058】
例えば、第2逆流防止装置15Bのメンテナンスを行う場合には、作業者は、先ず、第3開閉弁19Cを閉じ、かつ、吸込三方弁71Aにより第2逆流防止装置15Bの下流側を閉じた後に、第2逆流防止装置15Bのメンテナンスを行う。
【0059】
例えば、逆止弁11のメンテナンスを行う場合には、作業者は、先ず、第1開閉弁19A、第2逆止弁19B及び開閉弁19Eを閉じた後に、逆止弁11のメンテナンスを行う。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る給水装置では、ポンプ装置7を停止させることなく、第1逆流防止装置15A、第2逆流防止装置15B及び逆止弁11等のメンテナンスが可能となる。つまり、作業者は、断水を発生させることなく、それらの機器のメンテナンスを行うことができる。
【0061】
<3.本実施形態に係る給水装置の特徴>
本実施形態に係る給水装置1では、
図1に示されるように、水道配管が接続される流入部3と給水用の水を送出する給水部5とがバイパス管9により直接的に繋がった構成となる。
【0062】
これに対して、特許文献1に記載の給水装置に係るバイパス管は、第1ポンプの吐出し口と第2ポンプの吐出し口とを接続する吐出側合流管を経由して給水部に至る構成である。
【0063】
したがって、本実施形態に係る給水装置1では、特許文献1に記載の給水装置に比べて、バイパス管9で発生する圧力損失が小さくなり得る。延いては、当該給水装置1では、特許文献1に記載の給水装置に比べて、直結給水時の給水効率が向上し得る。
【0064】
本実施形態に係るバイパス管9は、
図1に示されるように、吸込部(吸込側開閉ユニット71)の上流側と吐出し部(吐出側開閉ユニット72)の下流側とを接続する。
【0065】
これにより、第1ポンプ7A及び第2ポンプ7Bのうちいずれか一方のポンプがメンテナンスのために停止状態となり、他方のポンプが稼働する状態であっても、本実施形態では、バイパス管9を利用した直結給水、及び蓄圧器13の圧力保持能力を利用した給水が可能である。
【0066】
本実施形態に係る給水装置1では、
図2に示されるように、分岐部B1、部位P1、第2逆流防止装置15B、部位P2及び第1逆流防止装置15Aそれぞれの中心線が長方形等の矩形状を描いている。
【0067】
したがって、ケース17で実現される現実の給水経路は、
図1に示される配管図と同様な簡素な構成となる。延いては、通水抵抗の増大が抑制され得るとともに、給水装置1の組立性及びメンテナンス性が向上し得る。
【0068】
本実施形態に係る逆止弁11は、エルボ継手Ef内に配置されている。エルボ継手Efの下方側には、
図2に示されるように、比較的大きな空間が存在する。したがって、本実施形態に係る給水装置1では、逆止弁11のメンテナンスをする際の作業がし易い。
【0069】
(第2実施形態)
本実施形態に係る給水装置は、
図5に示されるように、バイパス管9の給水部5側が、接続経路のうち開閉弁19Fと蓄圧器13との間に接続されている。これにより、本実施形態では、開閉弁19Eが廃止され、かつ、バイパス管9のうち逆止弁11から接続経路との接続部までの範囲がフレキシブルホースにて構成されている。
【0070】
なお、その他の構成は、上述の実施形態に係る給水装置1と同じである。上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
【0071】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る吸込部、つまり吸込側開閉ユニット71は、吸込三方弁71A、吸込二方弁71B及び吸込側合流管71C等を有して構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0072】
すなわち、当該開示は、例えば、吸込二方弁71Bが吸込三方弁71Aと同一の三方弁にて構成され、吸込側合流管71Cの第1吸込部71Dが廃止され、かつ、当該第1吸込部71Dが当該三方弁に設定された構成でもよい。なお、当該構成における部位P2の中心線は、第2ポンプ7Bの中心軸線L2と一致する。
【0073】
上述の実施形態に係る吐出し部、つまり吐出側開閉ユニット72は、第1吐出二方弁72A、第2吐出二方弁72B及び吐出側合流管72C等を有して構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0074】
上述の実施形態では、分岐部B1、部位P1、第2逆流防止装置15B、部位P2及び第1逆流防止装置15Aそれぞれの中心線が長方形等の矩形状を描き、かつ、それらの中心線は、同一の仮想鉛直平面上に位置していた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0075】
上述の実施形態に係る逆止弁11は、第1逆流防止装置15Aの流出口11Aと部位P2とを繋ぐエルボ継手Ef内に配置されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、逆止弁11がバイパス管9の途中に設けられた構成であってもよい。
【0076】
上述の実施形態に係るバイパス管9の少なくとも一部は、フレキシブルホース9Aにて構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、バイパス管9全体が金属管又は樹脂製の管にて構成されていてもよい。
【0077】
上述の実施形態に係るバイパス管9は、吸込部(吸込側開閉ユニット71)の上流側と吐出し部(吐出側開閉ユニット72)の下流側とを接続する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、吸込側合流管71Cと吐出側合流管72Cとを直接的に繋ぐ管にてバイパス管9が構成されていてもよい。
【0078】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
1… 給水装置 3…流入部 5… 給水部
7… ポンプ装置 7A…第1ポンプ 7B… 第2ポンプ
9… バイパス管 9A…フレキシブルホース
11… 逆止弁 13…蓄圧器 15… 逆流防止装置
15A… 第1逆流防止装置 15B…第2逆流防止装置