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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173828
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】給水装置
(51)【国際特許分類】
   E03B 5/00 20060101AFI20221115BHJP
   F04B 53/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
E03B5/00 B
F04B53/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079789
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 哲則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 章太
(72)【発明者】
【氏名】坂野 聖治
【テーマコード(参考)】
3H071
【Fターム(参考)】
3H071AA02
3H071CC21
3H071CC36
3H071DD82
3H071DD89
(57)【要約】
【課題】 給水装置から放射される騒音を低減する。
【解決手段】 シュラウドケース17の下部シュラウド17Bのうち、少なくとも第1架台20A及び第2架台20Bが固定された部位は、設置床Fに接触してポンプ装置7を支えるように構成されている。これにより、当該給水装置1では、ポンプ装置7の自重を下部シュラウド17Bにて受ける構造ではなく、設置床Fがポンプ装置7の自重を受ける構造となる。そして、下部シュラウド17Bは、シュラウド本体17Aの下面を閉塞するように覆うので、ポンプ装置7の振動に起因して発生した騒音やシュラウドケース17内で発生した結露水(凝縮水)が、給水装置1の下部から外部に漏れ出ることを防止するカバーとして機能する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ装置と、
弾性変形可能な弾性支持体を介して前記ポンプ装置を支持する架台と、
前記ポンプ装置の上方及び前後左右を覆うシュラウド本体、及び前記シュラウド本体の下方を覆う下部シュラウドであって、前記架台の下部が固定された下部シュラウドを有するシュラウドケースと、
前記シュラウドケースに設けられた固定部であって、設置床に固定されたアンカーボルトが挿入される固定部とを備え、
前記下部シュラウドのうち少なくとも前記架台が固定された部位は、設置床に接触して前記ポンプ装置を支えるように構成されている給水装置。
【請求項2】
前記下部シュラウドは、前記設置床と接触する面が平面に構成された鋼板であることを特徴である請求項1に記載の給水装置。
【請求項3】
前記下部シュラウド及び前記固定部は、1枚の鋼板にて構成されている請求項2に記載の給水装置。
【請求項4】
前記ポンプ装置は、第1ポンプ及び第2ポンプを有して構成され、
前記架台は、前記第1ポンプの下方側に配置された第1架台、及び前記第2ポンプの下方側に配置された第2架台とを備え、
前記第1架台と前記第2架台とは、互いに離間した位置にて前記下部シュラウドに固定されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の給水装置。
【請求項5】
前記ポンプ装置の吸込側に連通する吸込配管、及び当該ポンプ装置の吐出し側に連通する吐出し配管を備え、
前記吸込配管及び前記吐出し配管のうち給水対象物に設けられた配管に接続される部位を接続部としたとき、当該接続部が水平方向に向けて開口している請求項1ないし4のいずれか1項に記載の給水装置。
【請求項6】
前記架台は、前記下部シュラウドに溶接にて固定されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の給水装置では、2台の電動ポンプ及び当該2台のポンプの自重を支える架台を有し、それらが箱状のケース内に収納されている。架台を支えるケースの底板部は、空隙を介して設置床から浮いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-67048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、架台を支える底板部が空隙を介して設置床から浮いた構造であるため、底板部を2台のポンプの自重を支えるに十分な剛性を有する構造とする必要がある。本開示は、当該点に鑑みた給水装置の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
給水装置は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、ポンプ装置(7)と、弾性変形可能な弾性支持体(24)を介してポンプ装置(7)を支持する架台(20)と、ポンプ装置(7)の上方及び前後左右を覆うシュラウド本体(17A)、及びシュラウド本体(17A)の下方を覆う下部シュラウド(17B)であって、架台(20)の下部が固定された下部シュラウド(17B)を有するシュラウドケース(17)と、シュラウドケース(17)に設けられた固定部(17G)であって、設置床(F)に固定されたアンカーボルト(B1)が挿入される固定部(17G)とを備え、下部シュラウド(17B)のうち少なくとも架台(20)が固定された部位は、設置床(F)に接触してポンプ装置(7)を支えるように構成されていることである。
【0006】
これにより、当該給水装置では、ポンプ装置(7)の自重を下部シュラウド(17B)にて受ける構造ではなく、設置床がポンプ装置(7)の自重を受ける構造となる。そして、下部シュラウド(17B)は、ポンプ装置(7)の振動に起因して発生した騒音やシュラウドケース(17)内で発生した結露水(凝縮水)が、給水装置の下部から外部に漏れ出ることを防止するカバーとして機能する。
【0007】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る給水装置の給水回路を示す図である。
図2】第1実施形態に係る給水装置の給水回路の実装を示す図である。
図3】第1実施形態に係る給水装置の給水回路の実装を示す図である。
図4】第1実施形態に係る給水装置の給水回路の実装を示す図である。
図5】第1実施形態に係るシュラウドケースを示す図である。
図6】第1実施形態に係るシュラウドケースの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0010】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示すものではない。
【0011】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された給水装置は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0012】
(第1実施形態)
<1.給水装置の概要>
本実施形態は、直結式給水装置に本開示に係る給水装置の一例が適用されたものである。直結式給水装置とは、水道圧を利用して給水可能な給水装置である。このため、当該給水装置1は、受水槽等の貯水装置を備えていない。
【0013】
<1.1 給水装置の概略構成>
本実施形態に係る給水装置は、図1に示されるように、流入接続部3A、送水接続部3B、ポンプ装置7、バイパス管9、蓄圧器13、逆流防止装置15及びシュラウドケース17等を少なくとも備えている。
【0014】
流入接続部3A、送水接続部3B、ポンプ装置7、バイパス管9、蓄圧器13及び逆流防止装置15は、配管19A~19D等を介して接続されている。なお、配管19A(以下、吸込配管19Aと記す。)は、流入接続部3Aとポンプ装置7の吸込側とを接続する。
【0015】
配管19B(以下、吐出し配管19Bと記す。)は、送水接続部3Bとポンプ装置7の吐出し側とを接続する。なお、本実施形態に係る配管19A~19Dは、いわゆる金属製の配管は勿論のこと、エルボ等の継ぎ手及びフレキシブルホース等の可撓性を有する管も含まれる意味である。
【0016】
流入接続部3Aは、水道配管(図示せず。)が接続される部位であって、水平方向に向けて開口した部位である。具体体には、流入接続部3Aは、ポンプ装置7の吸込側から水平方向に延びる吸込配管19Aの先端に設けられている(図2参照)。
【0017】
送水接続部3Bは、給水用の水を送出する送水用配管(図示せず。)に接続されるであって、水平方向に向けて開口した部位である。具体体には、ポンプ装置7の吐出し側から水平方向に延びる吐出し配管19Bの先端に設けられている(図3参照)。
【0018】
水道配管及び送水用配管は、建物等の給水対象物に設けられた配管の一例である。なお、本実施形態に係る流入接続部3A及び送水接続部3Bは、シュラウドケース17内に位置している。つまり、吸込配管19A及び吐出し配管19Bの先端は、シュラウドケース17内に止まっている。
【0019】
<1.2 ポンプ装置>
図1に示されるように、ポンプ装置7は、複数台のポンプ(本実施形態では、第1ポンプ7A及び第2ポンプ7B)、吸込側開閉ユニット71及び吐出側開閉ユニット72等を少なくとも有している。
【0020】
第1ポンプ7A及び第2ポンプ7Bそれぞれは、流入接続部3Aから送水接続部3Bに至る給水経路に対して並列配置されている。つまり、当該給水経路は、第1ポンプ7Aを経由して送水接続部3Bに至る給水経路、及び第2ポンプ7Bを経由して送水接続部3Bに至る給水経路を有する。
【0021】
第1ポンプ7A及び第2ポンプ7Bは、図2に示される電動モータ7C、7Dにより駆動される。電動モータ7C、7D、つまりポンプ装置7の作動は、制御部(図示せず。)により制御される。当該制御部は、制御盤7E内に収納されている。
【0022】
<1.3 吸込側開閉ユニット(図1参照)>
吸込側開閉ユニット71は、ポンプ装置7の吸込部を構成する。つまり、吸込側開閉ユニット71は、第1ポンプ7Aの吸込口及び第2ポンプ7Bの吸込口に連通しているとともに、各吸込口と流入接続部3A側との連通状態を切り替えるための開閉弁の一例である。
【0023】
本実施形態に係る吸込側開閉ユニット71は、吸込三方弁71A、吸込二方弁71B及び吸込側合流管71C等を有して構成されている。吸込三方弁71Aは、第1ポンプ7Aの吸込口及び吸込配管19Aに接続された三方Tポートボール弁にて構成されている。
【0024】
吸込二方弁71Bは、第2ポンプ7Bの吸込口に接続された二方Lポートボール弁にて構成されている。吸込側合流管71Cは、吸込三方弁71Aと吸込二方弁71Bとを連結する。
【0025】
<1.4 吐出側開閉ユニット(図1参照)>
吐出側開閉ユニット72は、ポンプ装置7の吐出し部を構成する。つまり、吐出側開閉ユニット72は、第1ポンプ7Aの吐出し口及び第2ポンプ7Bの吐出し口に連通しているとともに、各吐出し口と送水接続部3B側との連通状態を切り替えるための開閉弁の一例である。
【0026】
本実施形態に係る吐出側開閉ユニット72は、第1吐出三方弁72A、第2吐出二方弁72B及び吐出側合流管72C等を有して構成されている。第1吐出三方弁72Aは、第1ポンプ7Aの吐出し口及び吐出し配管19Bに接続された三方Lポートボール弁にて構成されている。
【0027】
第2吐出二方弁72Bは、第2ポンプ7Bの吐出し口に接続された二方Lポートボール弁にて構成されている。吐出側合流管72Cは、第1吐出三方弁72Aと第2吐出二方弁72Bとを連結する。
【0028】
吐出側開閉ユニット72は、吸込側開閉ユニット71に対して手前側(正面側)に配置されている(図4参照)。そして、本実施形態では、第1吐出三方弁72Aと吸込三方弁71Aとが連動作動し、かつ、第2吐出二方弁72Bと吸込二方弁71Bとが連動作動するように構成されている。
【0029】
<1.5 逆流防止装置(図1参照)>
逆流防止装置15は、吸込配管19Aの途中に設けられている。当該逆流防止装置15は、吸込側開閉ユニット71側から流入接続部3A側に向けて水が流通することを規制し、流入接続部3A側から吐出側開閉ユニット72側に水が流通することを許容する。
【0030】
<1.6 蓄圧器(図1参照)>
蓄圧器13は、ポンプ装置7が停止しているときに、給水圧を保持するため装置(例えば、アキュムレータ)である。当該蓄圧器13は、ポンプ装置7の吐出し部、つまり吐出し配管19Bの途中に接続されている。
【0031】
<1.7 バイパス管(図1参照)>
バイパス管9は、逆流防止装置15から流出した水をポンプ装置7を迂回させて送水接続部3B側に導く迂回経路を構成する管である。本実施形態に係るバイパス管9は、吸込側合流管71Cと吐出側合流管72Cとを繋ぐ管である。
【0032】
<2.給水装置の実装構造>
<2.1 架台>
ポンプ装置7は、図2及び図3に示されるように、少なくとも1つ(本実施形態では、複数)の弾性支持体24を介して架台20により支持されている。各弾性支持体24は、弾性変形可能な材質にて構成されている。なお、本実施形態に係る各弾性支持体24は、金属製のバネが内蔵されたゴム製の防振材である。
【0033】
本実施形態に係る架台20は、第1架台20A及び第2架台20B等を有して構成されている。第1架台20Aは、第1ポンプ7Aの下方側に配置されている。第2架台20Bは、第2ポンプ7Bの下方側に配置されている。
【0034】
このため、第1架台20Aは主に第1ポンプ7Aを支持し、第2架台20Bは主に第2ポンプ7Bを支持する。そして、第1架台20Aと第2架台20Bとは、互いに離間した位置に配置されている。
【0035】
第1架台20A及び第2架台20Bは、共に1枚の鋼板が略コの字状に折り曲げられた形状である。第3架台20C(図2参照)は、吸込配管19Aを支持する部材である。本実施形態に係る第3架台20Cは、防振ゴムを介して吸込配管19Aを支持している。
【0036】
<2.2 シュラウドケース>
シュラウドケース17は、図2図4に示されるように、ポンプ装置7、制御盤7E及び配管19A~19D等を覆うように収納する覆い部材である。なお、本実施形態に係るシュラウドケース17は、図5に示されるように、薄型の箱状のケースである。
【0037】
シュラウドケース17は、シュラウド本体17A及び下部シュラウド17B等を少なくとも有して構成されている。シュラウド本体17Aは、ポンプ装置7の上方及び前後左右を覆う部材である。
【0038】
なお、本実施形態に係るシュラウド本体17Aは、上方側が閉塞された角筒状に構成されている。具体的には、図6に示されるように、シュラウド本体17Aは、前面側シュラウド17C、背面パネルシュラウド17D及びスカートシュラウド17E等を有して構成されている。
【0039】
前面側シュラウド17Cは、背面パネルシュラウド17D及びスカートシュラウド17Eに対して着脱自在なカバーであって、ポンプ装置7の前面側の覆うカバーである。なお、前面側シュラウド17Cの内壁面には吸音材17F(図4参照)が配置されている。
【0040】
吸音材17Fは、発泡材等の多孔質部材にて構成されたものである。なお、当該吸音材17Fは、前面側シュラウド17Cの内壁面のうち、少なくともポンプ7A、7B及び電動モータ7C、7Dと対向する部位に貼付されている。
【0041】
背面パネルシュラウド17Dは、ポンプ装置7の背面側を覆う板状の部材である。スカートシュラウド17Eは、架台20、つまり第1架台20A、第2架台20B及び第3架台20Cの前後左右を覆う角筒状の覆い部材である。
【0042】
本実施形態では、背面パネルシュラウド17Dとスカートシュラウド17Eとは、一体化されて一部品として構成されている。なお、制御盤7Eは、背面パネルシュラウド17Dに固定されている。
【0043】
スカートシュラウド17Eの側面(本実施形態では、左側面)には、水道配管及び送水用配管が挿入される挿入穴17H、17J、及びシュラウドケース17内に溜まった結露水等を排出するための排水口17K等が設けられている。
【0044】
下部シュラウド17Bは、シュラウド本体17Aの下方を覆うとともに、シュラウドケース17の底部を構成する部材である。なお、下部シュラウド17Bは、スカートシュラウド17Eの下端に溶接にて固定さている。
【0045】
下部シュラウド17Bの上面には、第1架台20A、第2架台20B及び第3架台20Cの下部が溶接にて固定されている。そして、下部シュラウド17Bのうち少なくとも第1架台20A及び第2架台20Bが固定された部位は、図2に示されるように、設置床Fに接触してポンプ装置7を支えるように構成されている。
【0046】
具体的には、下部シュラウド17Bは、少なくとも設置床Fと接触する面(本実施形態では、下部シュラウド17B全体)が平面に構成された鋼板にて構成されている。なお、設置床Fとは、例えば、給水装置1が設置される平坦なコンクリート製の部位である。
【0047】
シュラウドケース17の下部には、少なくとも1つ(本実施形態では、複数)の固定部17Gが設けられている。固定部17Gは、設置床Fに固定されたアンカーボルトB1(図3参照)が挿入される部位である。
【0048】
なお、本実施形態に係る複数の固定部13Eは、下部シュラウド17Bと共に1枚の鋼板にて構成されている。具体的には、当該鋼板の左端側及び右端側それぞれに固定部17Gが設けられている。
【0049】
<3.本実施形態に係る給水装置の特徴>
本実施形態に係るシュラウドケース17の下部シュラウド17Bのうち、少なくとも第1架台20A及び第2架台20Bが固定された部位は、設置床Fに接触してポンプ装置7を支えるように構成されている。
【0050】
これにより、本実施形態に係る給水装置1では、ポンプ装置7の自重を下部シュラウド17Bにて受ける構造ではなく、設置床Fがポンプ装置7の自重を受ける構造となる。このため、本実施形態の下部シュラウド17Bは、厚さ2mmの鋼板製である。
【0051】
下部シュラウド17Bは、シュラウド本体17Aの下面を閉塞するように覆うので、ポンプ装置7の振動に起因して発生した騒音やシュラウドケース17内で発生した結露水(凝縮水)が、給水装置1の下部から外部に漏れ出ることを防止するカバーとして機能する。
【0052】
そして、第1架台20A及び第2架台20B(以下、総称する場合には、架台20と記す。)が固定された部位が設置床Fに接触しているので、架台20に伝達されたポンプ装置7の振動が、給水装置1に比べて十分に大きな質量を有する設置床Fに伝達されて吸収され得る。
【0053】
ところで、水道配管及び送水用配管が水平方向に延び、かつ、流入接続部3A及び送水接続部3Bが下向きに開口した給水装置においては、エルボを用いて接続部3A、3Bの向きを水平方向に変換する必要がある。
【0054】
このため、流入接続部3A及び送水接続部3Bが下向きに開口した給水装置においては、エルボを配置可能な空間をシュラウドケース17内に確保する必要があるため、シュラウドケース17の高さ寸法の小型化を図ることが困難であった。
【0055】
これに対して、本実施形態では、流入接続部3A及び送水接続部3Bが水平方向に向けて開口しているので、本実施形態に係る給水装置1ではエルボを必要としない。これにより、本実施形態に係る給水装置1は、流入接続部3A及び送水接続部3Bが下向きに開口した給水装置に比べて高さ寸法を小型にすることが可能となる。
【0056】
なお、本実施形態に係る給水装置1は、流入接続部3A及び送水接続部3Bが下向きに開口した給水装置に比べて小型になるので、給水装置1、つまりシュラウドケース17(特に、前面側シュラウド17C及び背面パネルシュラウド17D)の表面積が小さくなる。延いては、騒音を放射する放射部が小さくなるので、騒音が低下し得る。
【0057】
本実施形態では、第1架台20Aと第2架台20Bとが互いに離間した位置に配置されている。これにより、例えば、第1ポンプ7Aで発生した振動が第2ポンプ7B側に伝達されてしまうことが抑制される。延いては、2つのポンプ7Aの振動が合成されて大きな振動及び騒音が発生することが抑制され得る。
【0058】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る流入接続部3A及び送水接続部3Bは、シュラウドケース17内に位置していた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、流入接続部3A及び送水接続部3Bがシュラウドケース17の外部に位置する構成であってもよい。
【0059】
上述の実施形態に係る架台20は、第1架台20A及び第2架台20Bにより構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、1つの架台にてポンプ装置7を支持する構成であってもよい。
【0060】
上述の実施形態では、第1架台20Aと第2架台20Bとが互いに離間した位置に配置されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第1架台20Aと第2架台20Bと接触した状態であってもよい。
【0061】
上述の実施形態では、弾性支持体24を介してポンプ装置7が架台20に支持される構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、弾性支持体24が廃止された構成であってもよい。
【0062】
上述の実施形態では、第1架台20Aは第1ポンプ7Aの下方側に配置され、第2架台20Bは第2ポンプ7Bの下方側に配置されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0063】
すなわち、当該開示は、例えば、第1架台20Aにて吸込配管19Aを支持し、第2架台20にて吐出し配管19Bを支持することにより、配管19A、19Bを介してポンプ装置7を支持する構成であってもよい。
【0064】
上述の実施形態では、架台20が下部シュラウド17Bに溶接にて固定されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、突起部と穴との係合等のように機械的な固定手法にて架台20が下部シュラウド17Bに固定されていてもよい。
【0065】
上述の実施形態では、下部シュラウド17B及び固定部17Gは、1枚の平坦な鋼板にて構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、下部シュラウド17Bを構成する鋼板に補強部が設けられた構成であってもよい。
【0066】
上述の実施形態では、下部シュラウド17Bを平坦な鋼板製とすることにより、架台20が固定された部位が設置床Fに接触可能な構成とした。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、下部シュラウド17Bのうち架台20が固定された部位にリブ等の突起部が設けられ、当該突起部が設置床Fに接触する構成であってもよい。
【0067】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1… 給水装置 3A…流入接続部 3B… 送水接続部
7… ポンプ装置 7A…第1ポンプ 7B… 第2ポンプ
7C、7D… 電動モータ 7E…制御盤
9… バイパス管 13…蓄圧器 15… 逆流防止装置
17… シュラウドケース 17A…シュラウド本体
17B… 下部シュラウド 17C…前面側シュラウド
17D… 背面パネルシュラウド 17E… スカートシュラウド
17G… 固定部 19A~19D…吸込配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6