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特開2022-173850配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法
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  • 特開-配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法 図1
  • 特開-配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法 図2
  • 特開-配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法 図3
  • 特開-配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法 図4
  • 特開-配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法 図5
  • 特開-配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173850
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/48 20060101AFI20221115BHJP
   H05B 3/02 20060101ALI20221115BHJP
   F16L 53/38 20180101ALI20221115BHJP
【FI】
H05B3/48
H05B3/02 A
F16L53/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079826
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米倉 孝
【テーマコード(参考)】
3H025
3K092
【Fターム(参考)】
3H025AA13
3H025AB01
3K092PP11
3K092QA02
3K092QB26
3K092QC37
3K092QC59
3K092TT37
3K092VV03
(57)【要約】
【課題】本願は、電熱ヒータ線を設けた配管の設置を容易にする配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、配管ユニットであって、両端に他の配管を延設するための接続部を有する配管と、電源接続用端子が配管の一端側に配置され、他の電熱ヒータ線を接続可能な延長用給電端子が配管の他端側に配置された状態で配管に取り付けられた電熱ヒータ線と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に他の配管を延設するための接続部を有する配管と、
電源接続用端子が前記配管の一端側に配置され、他の電熱ヒータ線を接続可能な延長用給電端子が前記配管の他端側に配置された状態で前記配管に取り付けられた電熱ヒータ線と、を備える、
配管ユニット。
【請求項2】
前記電源接続用端子は、配線用差込接続器の差込プラグであり、
前記延長用給電端子は、前記配線用差込接続器のプラグ受けである、
請求項1に記載の配管ユニット。
【請求項3】
前記電熱ヒータ線は、前記電源接続用端子からの電力で発熱する発熱部と、前記電源接続用端子からの電力を前記延長用給電端子へ送電する送電部と、を有する、
請求項1又は2に記載の配管ユニット。
【請求項4】
前記配管を前記電熱ヒータ線と共に覆う保温材を更に備える、
請求項1から3の何れか一項に記載の配管ユニット。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の配管ユニットを、配管の設置箇所へ複数配置する配置工程と、
複数の前記配管ユニットのうち何れか一つの配管ユニットが有する前記配管の接続部を、複数の前記配管ユニットのうち前記何れか一つの配管ユニットに隣接する他の何れか一つの配管ユニットが有する前記配管の接続部に接続する配管接続工程と、
前記何れか一つの配管ユニットが有する前記電熱ヒータ線の前記電源接続用端子を、前記他の何れか一つの配管ユニットが有する前記電熱ヒータ線の前記延長用給電端子に接続する電熱ヒータ線接続工程と、を有する、
配管ユニットの施工方法。
【請求項6】
前記配置工程では、複数の前記配管ユニットを直列に配置する、
請求項5に記載の配管ユニットの施工方法。
【請求項7】
前記配管同士の接続部分を前記電熱ヒータ線同士の接続部分と共に保温材で覆う保温材取付工程を更に有する、
請求項5又は6に記載の配管ユニットの施工方法。
【請求項8】
両端に他の配管を延設するための接続部を有する配管の一端側に配置される電源接続用端子と、
他の電熱ヒータ線を接続可能であり、前記配管の他端側に配置される延長用給電端子と、を備える、
電熱ヒータ線。
【請求項9】
両端に他の配管を延設するための接続部を有する配管を準備する準備工程と、
電源接続用端子を前記配管の一端側に配置し、他の電熱ヒータ線を接続可能な延長用給電端子を前記配管の他端側に配置した状態で前記配管に電熱ヒータ線を取り付ける取付工程と、を有する、
配管ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配管には、保温材や凍結防止用の電熱ヒータ線が取り付けられる場合がある(例えば、特許文献1-3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5211039号公報
【特許文献2】特許第6479042号公報
【特許文献3】特開平8-17553公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配管に保温材と電熱ヒータ線の両方を取り付ける場合、電熱ヒータ線を配管へ取り付けた後に、配管の外周面に保温材を取り付けることになる。よって、例えば、配管を設置する箇所における現場作業を低減するために、配管に保温材と電熱ヒータ線の両方を予め取り付けた配管ユニットを工場等で製作する場合には、現場で連結された各配管ユニットの電熱ヒータ線を、各配管ユニットの付近に設置した電源へそれぞれ繋ぐ必要がある。
【0005】
しかし、配管ユニットが設置される箇所には、電源が設置されていない場合がある。例えば、配管を加温する電熱ヒータ線は、冬季の寒冷外気に晒されやすい屋外の配管に設置されることが多い。このような屋外には、常設される電源が少ない。
【0006】
そこで、本願は、電熱ヒータ線を設けた配管の設置を容易にする配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、両端に他の配管を延設するための接続部を有する配管に、電源接続用端子を配管の一端側に配置し、他の電熱ヒータ線を接続可能な延長用給電端子を配管の他端側に配置した状態で、電熱ヒータ線を配管に取り付けることにした。
【0008】
詳細には、本発明は、配管ユニットであって、両端に他の配管を延設するための接続部を有する配管と、電源接続用端子が配管の一端側に配置され、他の電熱ヒータ線を接続可能な延長用給電端子が配管の他端側に配置された状態で配管に取り付けられた電熱ヒータ線と、を備える。
【0009】
上記の配管ユニットであれば、配管に取り付けられた電熱ヒータ線が、電源接続用端子の他にも、延長用給電端子を有している。そして、電源接続用端子が配管の一端側に配置されるのに対し、延長用給電端子は、配管の他端側に配置されている。このため、当該配管ユニット同士を接続する際、一方の配管ユニットの電源接続用端子を、他方の配管ユニットの延長用給電端子へ接続するだけで、各配管ユニットの電熱ヒータ線の接続作業を完
了することができる。よって、このような配管ユニットであれば、電熱ヒータ線が複数ある場合であっても、各電熱ヒータ線を電源へそれぞれ接続する必要がないため、現場における設置作業が容易である。
【0010】
なお、電源接続用端子は、配線用差込接続器の差込プラグであり、延長用給電端子は、配線用差込接続器のプラグ受けであってもよい。これによれば、電熱ヒータ線の電源接続用端子を、他の電熱ヒータ線の延長用給電端子と、現場に設置された配線用差込接続器の何れに対しても接続可能となる。
【0011】
また、電熱ヒータ線は、電源接続用端子からの電力で発熱する発熱部と、電源接続用端子からの電力を延長用給電端子へ送電する送電部と、を有するものであってもよい。これによれば、発熱部で配管を加温すると共に、送電部で電力を供給することができる。
【0012】
また、配管を電熱ヒータ線と共に覆う保温材を更に備えるものであってもよい。これによれば、電熱ヒータ線による配管の加温を効果的に行うことができる。
【0013】
また、本発明は、施工方法の側面から捉えることもできる。すなわち、本発明は、例えば、配管ユニットの施工方法であって、上記配管ユニットを、配管の設置箇所へ複数配置する配置工程と、複数の配管ユニットのうち何れか一つの配管ユニットが有する配管の接続部を、複数の配管ユニットのうち何れか一つの配管ユニットに隣接する他の何れか一つの配管ユニットが有する配管の接続部に接続する配管接続工程と、何れか一つの配管ユニットが有する電熱ヒータ線の電源接続用端子を、他の何れか一つの配管ユニットが有する電熱ヒータ線の延長用給電端子に接続する電熱ヒータ線接続工程と、を有するものであってもよい。この場合、配置工程では、複数の配管ユニットを直列に配置してもよい。また、配管同士の接続部分を電熱ヒータ線同士の接続部分と共に保温材で覆う保温材取付工程を更に有してもよい。
【0014】
また、本発明は、電熱ヒータ線であって、両端に他の配管を延設するための接続部を有する配管の一端側に配置される電源接続用端子と、他の電熱ヒータ線を接続可能であり、配管の他端側に配置される延長用給電端子と、を備えるものであってもよい。
【0015】
また、本発明は、配管ユニットの製造方法であって、両端に他の配管を延設するための接続部を有する配管を準備する準備工程と、電源接続用端子を配管の一端側に配置し、他の電熱ヒータ線を接続可能な延長用給電端子を配管の他端側に配置した状態で配管に電熱ヒータ線を取り付ける取付工程と、を有するものであってもよい。
【発明の効果】
【0016】
上記の配管ユニット、配管ユニットの施工方法、電熱ヒータ線、及び配管ユニットの製造方法であれば、電熱ヒータ線を設けた配管の設置を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係る電熱ヒータ線を示した図である。
図2図2は、配管ユニットの製作方法の一例を示した図である。
図3図3は、配管ユニットの据え付け方法の一例を示した図である。
図4図4は、ライザーユニットの一例を示した図である。
図5図5は、ビルディングの建設過程の一例を示した図である。
図6図6は、電源の設置箇所を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態
の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0019】
図1は、実施形態に係る電熱ヒータ線を示した図である。電熱ヒータ線1は、図1に示すように、一本線状の電熱ヒータ線であり、通電によって発熱する発熱部分2と、発熱部分2の長手方向における両端のうちの一端に延設される電源側非発熱部分3及び他端に延設される延長側非発熱部分4と、電源側非発熱部分3の端部に設けられる差込プラグ5と、延長側非発熱部分4の端部に設けられるプラグ受け6と、を備える。電熱ヒータ線1は、これらの構成要素を一本状に一体化したものである。
【0020】
発熱部分2は、通電されると発熱する発熱抵抗体を内蔵した電熱ヒータ線である。発熱部分2は、柔軟性を有する素材で形成されている。よって、発熱部分2は、加熱対象物に巻き付け等が可能である。
【0021】
電源側非発熱部分3と延長側非発熱部分4は、平行な2本の導線を絶縁材で被覆した電線である。電源側非発熱部分3と延長側非発熱部分4は、柔軟性を有する素材で形成されている。よって、電源側非発熱部分3と延長側非発熱部分4は、市販の電気ケーブルのように自在に曲がる。
【0022】
差込プラグ5は、配線用差込接続器の差込プラグである。換言すると、差込プラグ5は、いわゆるコンセントに差し込み可能なプラグである。よって、差込プラグ5は、建物の壁にあるコンセントや、延長ケーブルの端部にあるプラグ受けに差し込み可能であり、電源接続用端子として機能する。
【0023】
プラグ受け6は、配線用差込接続器のプラグ受けである。換言すると、プラグ受け6は、いわゆるコンセントに差し込み可能なプラグ用のプラグ受けである。よって、プラグ受け6は、差込プラグ5を差し込み可能であり、延長用給電端子として機能する。
【0024】
電熱ヒータ線1は、上記のような形態となっている。このため、発熱部分2には、発熱抵抗体の他に、電源側非発熱部分3と延長側非発熱部分4(これらは、本願でいう「送電部」の一例である)に内蔵されている導線同士を接続し、電源側非発熱部分3から延長側非発熱部分4へ給電するための2本の導線が内蔵されている。そして、電熱ヒータ線1同士を直列で接続することにより、長尺の物品の加温に利用可能である。
【0025】
以下、電熱ヒータ線1の適用例について説明する。以下に示す適用例は、寒冷地に設置される配管の加温に適用する場合について例示する。図2は、配管ユニットの製作方法の一例を示した図である。配管ユニットUを製作する際は、図2(A)に示すように、まず、配管11の外周面12に電熱ヒータ線1を巻き付ける。電熱ヒータ線1は、発熱部分2が発熱するので、発熱部分2が外周面12に密着するように電熱ヒータ線1を配管11へ巻き付けることが好ましい。また、電熱ヒータ線1は、配管11全体が概ね均一に加温されるように、巻き付け方向や巻き付けの間隔を統一した方が好ましい。
【0026】
電熱ヒータ線1を配管11の外周面12に巻き付けた後は、図2(B)に示すように、電熱ヒータ線1を巻き付けた配管11の外周面12を覆うように保温材14を取り付ける。保温材14は、例えば、熱抵抗値の大きいグラスウール等の保温材を、ステンレス板やガルバリウム板等の保護材で囲ったものである。保温材14は、配管11の主要部分を覆っているが、図2(B)に示されるように、フランジ13(本願でいう「接続部」の一例である)やその付近を露出させている。したがって、配管ユニットUは、配管11に保温材14が取り付けられた状態であっても、保温材14から露出しているフランジ13の部分で、他の配管ユニットと接続可能である。
【0027】
また、保温材14は、配管11の主要部分のみを覆う保温材であるため、外周面12に巻き付けられた電熱ヒータ線1の差込プラグ5とプラグ受け6も、フランジ13の付近で露出している。よって、配管ユニットUは、配管11に保温材14が取り付けられた状態であっても、保温材14から露出しているフランジ13の付近で、差込プラグ5やプラグ受け6を他の配管ユニットUの電熱ヒータ線1や電源に接続することができる。なお、保温材14から露出する部分の電熱ヒータ線1の長さは、他の配管ユニットUの電熱ヒータ線1と接続可能なようにするため、保温材14からフランジ13までの間の長さよりも長いことが好ましい。また、配管11同士の中心軸周りにおける相対的な取り付け角は、現場の据え付け作業時に多少増減する場合があるため、少なくとも20度程度の角度の誤差を許容できる長さの余裕を電熱ヒータ線1に確保しておくことが好ましい。保温材14から露出する部分の電熱ヒータ線1の長さが、このような長さであれば、フランジ13の部分で他の配管ユニットUの電熱ヒータ線1と接続可能であり、且つ、電熱ヒータ線1の長さが過度に余らない。なお、電熱ヒータ線1の端部が、他の電熱ヒータ線14が接続されない終端部分となる場合は、プラグ受け6の孔を塞ぐ樹脂製キャップ等のカバーを装着してもよい。
【0028】
図3は、配管ユニットUの据え付け方法の一例を示した図である。工場等で製作された配管ユニットUは、設置箇所へ運び込まれる。そして、設置箇所に設けられた配管サポート等に載せられ、他の配管ユニットUに直列に配置される(本願でいう「配置工程」の一例である)。配管ユニットU同士を連結する際は、図3(A)に示されるように、各配管ユニットUのフランジ13同士を突き合わせる。フランジ13同士の間には、ゴム製のガスケット等が適宜用いられる。各配管ユニットUのフランジ13同士を突き合わせた後は、図3(B)に示されるように、フランジ13同士をボルト及びナットで締結し(本願でいう「配管接続工程」の一例である)、差込プラグ5をプラグ受け6へ差し込む(本願でいう「電熱ヒータ線接続工程」の一例である)。差込プラグ5とプラグ受け6は、電極が結露水等で浸水するのを防ぐために、自己融着テープ等で防水措置を施すことが好ましい。フランジ13同士をボルト及びナットで締結し、差込プラグ5をプラグ受け6へ差し込んで電熱ヒータ線1同士を接続した後は、図3(C)に示されるように、接続部分を保温材15で覆う(本願でいう「保温材取付工程」の一例である)。
【0029】
配管ユニットUは、例えば、ビルディングの建設現場に適用可能である。図4は、ライザーユニットの一例を示した図である。ビルディングの建設現場では、例えば、図4に示すようなライザーユニットRが用いられる。ライザーユニットとは、ビルディングに上下方向に延設される複数の配管類を一纏めにユニット化したものであり、例えば、竪管ユニットとも呼ばれる。ライザーユニットRは、クレーン等を使って構築されたビルディングの構造体に取り付けられる。ライザーユニットRは、給排水用の配管やその他の資材(例えば、通信ケーブルや電線等)をまとめたものであり、ビルディングの上下方向に延在するように配設される。配管ユニットUは、このようなライザーユニットRに組み付け可能である。このようなライザーユニットRにおいては、高温の配管や低温の配管が近接することになるため、上述したような保温材14等が適宜用いられたり、或いは、通信ケーブルや電線等に適宜の耐熱処理が施されたりする。また、このようなライザーユニットRにおいては、通信ケーブルのような引張強度の弱いケーブル類を支持するために、配管へ巻き付けたり配管に沿わせたりすることが行われる。
【0030】
配管ユニットUは、以下のような順序でビルディングに設置される。図5は、ビルディングの建設過程の一例を示した図である。
【0031】
図5(A)に示されるように、ビルディング21の建設現場においては、クレーンC等を使って構造体22の構築が行われる。そして、図5(B)に示されるように、構造体22を構築する過程で、ライザーユニットRが構造体22に取り付けられる。そして、クレ
ーンCを使った構造体22の構築が進むと、図5(C)に示されるように、ライザーユニットRを取り付けた構造体22の構築がやがて完了する。
【0032】
このようなビルディング21の建設現場においては、各ライザーユニットRの配管ユニットU同士を連結する際、フランジ13同士をボルト及びナットで締結すると共に、差込プラグ5をプラグ受け6へ差し込む。そして、配管ユニットU同士の接続部分を保温材15で覆う。これにより、ビルディング21に取り付けられた各配管ユニットUは、差込プラグ5とプラグ受け6により、互いに接続された状態となる。よって、各配管ユニットUの電熱ヒータ線1は、個別に電源へ接続しなくても、電源側に繋がっている他の電熱ヒータ線1から電力の供給を受けることができる。したがって、各配管ユニットUの電熱ヒータ線1は、回路上で最も電源側に位置する電熱ヒータ線1の差込プラグ5が、コンセント等の配線用差込接続器に差し込まれることにより、電力の供給を受けて発熱することができる。
【0033】
図6は、電源の設置箇所を比較した図である。図6(A)では、従来例の電熱ヒータ線101を外周面12に取り付けた場合について例示している。また、図6(B)では、実施形態の電熱ヒータ線1を外周面12に取り付けた場合について例示している。図6では、理解を容易にするため、保温材14と保温材15の図示を省略している。
【0034】
従来例の電熱ヒータ線101は、差込プラグ105を有しており、実施形態の電熱ヒータ線1が有するプラグ受け6に相当するものは備わっていない。このため、従来例の電熱ヒータ線101は、個別にコンセントPへ繋ぐ必要がある。よって、配管11を設置する箇所には、図6(A)に示すように、多数のコンセントPを設ける必要がある。
【0035】
一方、実施形態の電熱ヒータ線1は、他の電熱ヒータ線1が有する差込プラグ5を接続するためのプラグ受け6を有している。よって、電熱ヒータ線1は、他の電熱ヒータ線1へ電力を供給可能である。このため、実施形態の電熱ヒータ線1は、個別にコンセントPへ繋ぐ必要が無い。したがって、図6(A)と図6(B)を見比べると判るように、配管11の付近に設けるコンセントPの個数を抑制することができる。
【0036】
なお、上述した電熱ヒータ線1は、例えば、以下のように変形することができる。
【0037】
電熱ヒータ線1は、例えば、温度制御用のサーモスタットを各々有していてもよい。この場合、各電熱ヒータ線1は、オンオフ制御による自律的な自動温度制御を行うことが可能である。
【0038】
また、電熱ヒータ線1は、プラグ受け6を2口以上有していてもよい。この場合、外周面12が2つ以上の経路に分岐する場合であっても、各経路の電熱ヒータ線1へそれぞれ給電可能である。
【0039】
また、上記実施形態では、ビルディング21に配管ユニットUを設ける場合について例示したが、工場、病院、商業施設、プラント、その他各種の構造物に適用可能である。また、上記実施形態では、配管ユニットUを竪管として設置する場合を例示したが、配管ユニットUは、横或いは斜めに設置してもよい。
【符号の説明】
【0040】
U・・配管ユニット
R・・ライザーユニット
C・・クレーン
P・・コンセント
1・・電熱ヒータ線
2・・発熱部分
3・・電源側非発熱部分
4・・延長側非発熱部分
5・・差込プラグ
6・・プラグ受け
11・・配管
12・・外周面
13・・フランジ
14・・保温材
15・・保温材
21・・ビルディング
22・・構造体
101・・電熱ヒータ線
105・・差込プラグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6