(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173855
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】サドル分岐継手、管分岐方法、及び流体機器
(51)【国際特許分類】
F16L 41/12 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
F16L41/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079835
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】594165734
【氏名又は名称】イハラサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】深谷 信二
【テーマコード(参考)】
3H019
【Fターム(参考)】
3H019DA03
3H019DA04
3H019DA10
3H019DA19
(57)【要約】
【課題】サドル分岐継手や流体機器を安価で汎用性の高い部品を用いて構成できるようにし、なおかつ現場での施工を簡単にできるようにする。
【解決手段】母管Pの外周面に予め形成された開口Oに取り付けられる分岐継手10と、分岐継手10を母管Pに固定する固定機構20とを備え、分岐継手10は、開口Oに嵌め込まれて当該分岐継手10を母管Pに対して位置決めする位置決め突起12を有するようにした。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
母管の外周面に予め形成された開口に取り付けられる分岐継手と、
前記分岐継手を前記母管に固定する固定機構とを備え、
前記分岐継手は、前記開口に嵌め込まれて当該分岐継手を前記母管に対して位置決めする位置決め突起を有している、サドル分岐継手。
【請求項2】
前記位置決め突起は、円環状をなし、前記開口の内周面全周に亘って接する、請求項1記載のサドル分岐継手。
【請求項3】
前記分岐継手には、Oリングを嵌め込むためのリング状溝が前記位置決め突起の周囲に形成されている、請求項1又は2記載のサドル分岐継手。
【請求項4】
前記固定機構は、
前記開口を跨ぐように前記分岐継手に設けられたサドルと、
前記母管の外周面における前記開口の裏側に装着される冶具とを有し、
前記冶具及び前記サドルの一方を他方に取り付けることにより、前記分岐継手が前記母管に押し当てられて固定される、請求項1乃至3のうち何れか一項に記載のサドル分岐継手。
【請求項5】
前記サドルは、平板状をなし、前記分岐継手が貫通する貫通孔を有する、請求項4記載のサドル分岐継手。
【請求項6】
前記冶具は、
前記母管の外周面に装着される円弧状の装着部と、
前記装着部の周方向両端部それぞれから折れ曲がって前記サドルが取り付けられる一対の取付部とを有する、請求項4又は5記載のサドル分岐継手。
【請求項7】
母管の外周面の所定箇所に開口を形成する開口ステップと、
前記開口に分岐継手を取り付ける取付ステップと、
固定機構を用いて前記分岐継手を前記母管に固定する固定ステップとを備え、
前記取付ステップにおいて、前記分岐継手に形成された位置決め突起を、前記開口に嵌め込むことで、前記分岐継手を前記母管に対して位置決めする、管分岐方法。
【請求項8】
母管の外周面に予め形成された開口に取り付けられる機器本体と、
前記機器本体を前記母管に固定する固定機構とを備え、
前記機器本体は、前記開口に嵌め込まれて当該機器本体を前記母管に対して位置決めする位置決め突起を有している、流体機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サドル分岐継手、管分岐方法、及び流体機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば既設の母管から水道を引く際には、特許文献1に示すようなサドル分岐継手と称されるものが用いられている。
【0003】
このサドル分岐継手は、母管を挟み込む一対のサドルと、一方のサドルに形成された開口に取り付けられる分岐継手とを備えている。
【0004】
施工時には、一対のサドルを母管に固定し、一方のサドルに形成された開口を介して穿孔機により母管に孔を開ける。そして、開口に分岐継手を取り付けて、この分岐継手に新たな水道管を接続することで管分岐が完了する。
【0005】
しかしながら、このようなサドル分岐継手は、母管に固定されるとともに穿孔機が取り付けられるサドルに機械的強度が必要であり、高価な専用品となり、しかも現場での施工が大掛かりになる。
【0006】
なお、上述した問題は、管分岐の施工時に限らず、例えば既設の配管に開口を形成して、その開口に流量計、圧力計など種々の流体機器を取り付ける施工時にも起こり得る問題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、サドル分岐継手や流体機器を安価で汎用性の高い部品を用いて構成できるようにし、なおかつ現場での施工を簡単にできるようにすることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明に係るサドル分岐継手は、母管の外周面に予め形成された開口に取り付けられる分岐継手と、前記分岐継手を前記母管に固定する固定機構とを備え、前記分岐継手は、前記開口に嵌め込まれて当該分岐継手を前記母管に対して位置決めする位置決め突起を有していることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成されたサドル分岐継手によれば、母管の外周面に予め形成された開口に取り付けられて用いられるので、例えば穿孔機が取り付けられるもの程の機械的強度は必要なく、安価で汎用性の高い部品を用いて構成することができる。しかも、分岐継手が、開口に嵌め込まれる位置決め突起を有するので、現場での管分岐の施工を簡単なものとすることができ、ひいては複雑な回路を持つシステムをも容易に構築することが可能となる。
【0011】
母管に対して分岐継手を位置決めするための一態様としては、例えば母管の開口の内周面に沿って複数の位置決め突起を間欠的に設ける態様を挙げることができるが、分岐継手をより安定して位置決めできるようにするためには、前記位置決め突起は、円環状をなし、前記開口の内周面全周に亘って接することが好ましい。
【0012】
母管を流れる流体の漏れを防ぐためには、前記分岐継手には、Oリングを嵌め込むためのリング状溝が前記位置決め突起の周囲に形成されていることが好ましい。
【0013】
前記固定機構の具体的な態様としては、前記開口を跨ぐように前記分岐継手に設けられたサドルと、前記母管の外周面における前記開口の裏側に装着される冶具とを有し、前記冶具及び前記サドルの一方を他方に取り付けることにより、前記分岐継手が前記母管に押し当てられて固定される態様を挙げることができる。
【0014】
サドルを安価に製造するためには、前記サドルが、平板状をなし、前記分岐継手が貫通する貫通孔を有するものが好ましい。
【0015】
前記冶具の具体的な構成としては、前記母管の外周面に装着される円弧状の装着部と、前記装着部の周方向両端部それぞれから折れ曲がって前記サドルが取り付けられる一対の取付部とを有するものを挙げることができる。
このような構成であれば、例えば配管の固定に用いられる汎用のU型金具等を冶具として用いることができ、サドル分岐継手を安価で汎用性の高いものにすることができる。
【0016】
また、本発明に係る管分岐方法は、母管の外周面の所定箇所に開口を形成する開口ステップと、前記開口に分岐継手を取り付ける取付ステップと、固定機構を用いて前記分岐継手を前記母管に固定する固定ステップとを備え、前記取付ステップにおいて、前記分岐継手に形成された位置決め突起を、前記開口に嵌め込むことで、前記分岐継手を前記母管に対して位置決めすることを特徴とする方法である。
このような管分岐方法によれば、上述したサドル分岐継手と同様の作用効果を奏し得る。
【0017】
さらに、本発明に係る流体機器は、母管の外周面に予め形成された開口に取り付けられる機器本体と、前記機器本体を前記母管に固定する固定機構とを備え、前記機器本体は、前記開口に嵌め込まれて当該機器本体を前記母管に対して位置決めする位置決め突起を有していることを特徴とするものである。
このように構成された流体機器によれば、母管の外周面に予め形成された開口に取り付けられて用いられるので、例えば穿孔機が取り付けられるもの程の機械的強度は必要なく、安価で汎用性の高い部品を用いて構成することができる。しかも、機器本体が、開口に嵌め込まれる位置決め突起を有するので、現場での取付作業を簡単なものとすることができる。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明によれば、サドル分岐継手や流体機器を安価で汎用性の高い部品を用いて構成できるようにし、なおかつ現場での施工を簡単なものとすることができ、ひいては複雑な回路を持つシステムをも容易に構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態におけるサドル分岐継手の断面図。
【
図2】同実施形態におけるサドル分岐継手の斜視図。
【
図3】同実施形態におけるサドル分岐継手の分解断面図。
【
図4】同実施形態におけるサドル及び分岐継手の斜視図。
【
図5】同実施形態におけるサドル分岐継手を用いて管分岐の施工手順。
【
図6】同実施形態におけるサドル分岐継手を用いて管分岐の施工手順。
【
図7】その他の実施形態におけるサドル分岐継手の断面図。
【
図8】その他の実施形態におけるサドル分岐継手の斜視図。
【
図9】その他の実施形態におけるサドル分岐継手の分解斜視図。
【
図10】その他の実施形態におけるサドルの斜視図。
【
図11】その他の実施形態における流体機器の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
本実施形態のサドル分岐継手は、例えば既設の母管から水道管などの分枝管を新たに引く際に用いられるものであり、既設の母管と新設される分岐管との間に介在してこれらを接続するものである。
【0022】
具体的にこのサドル分岐継手100は、
図1及び
図2に示すように、母管Pの外周面に予め形成された開口Oに取り付けられる分岐継手10と、サドル30を用いて分岐継手10を母管Pに固定する固定機構20とを備える。
【0023】
分岐継手10は、
図1に示すように、内部流路10Lが形成されたものであり、その内部流路10Lの一端開口10aが母管Pの内部に連通するとともに、他端開口10bが分岐管の内部に連通するものである。
【0024】
本実施形態の分岐継手10は、直線状の内部流路10Lが形成されているが、例えば内部流路10Lが途中で分岐して一端開口10aに流入した流体を複数の他端開口10bに分流するように構成されていても良い。
【0025】
固定機構20は、
図1及び
図2に示すように、分岐継手10が乗せられるサドル30と、このサドル30が取り付けられる冶具40と、サドル30及び冶具40の一方を他方に取り付ける締結具50とから構成されている。
【0026】
サドル30は、
図1及び
図2に示すように、分岐継手10と一体又は別体に設けられており、母管Pの開口Oを跨ぐように配置される。
【0027】
本実施形態のサドル30は、
図3に示すように、分岐継手10とは別体であり、例えば樹脂などにより形成された平板状をなすものである。このサドル30の中央部には、厚み方向に貫通してなる貫通孔31が形成されている。そして、この貫通孔31に分岐継手10の外周面に形成された段部11が嵌まり込むことで、分岐継手10がサドル30に乗せられて取り付けられる。
【0028】
また、このサドル30には、上述した貫通孔31とは別の複数箇所にネジ穴30hが形成されている。本実施形態では、貫通孔31を挟み込む位置に一対のネジ穴30hが形成されている。ただし、ネジ穴30hの位置や数は適宜変更して構わない。
【0029】
冶具40は、
図1に示すように、サドル30との間で母管P及び分岐継手10を挟み込むものであり、例えば金属製の板状部材を変形させたものである。
【0030】
本実施形態の冶具40は、
図3に示すように、例えば配管の固定に用いられるU型金具と称されるものを用いて構成されており、具体的には母管Pの外周面に装着される装着部41と、サドル30が取り付けられる一対の取付部42とを有する。
【0031】
装着部41は、円弧状部分を有するものであり、母管P及び分岐継手10が収容される収容空間41Sを形成している。この収容空間41Sの幅寸法、すなわち装着部41の内周面の対向距離L1は、母管Pの外径L2と等しく、ここでは分岐継手10の端部の外径L3とも等しい。かかる構成により、装着部41は、母管Pの外周面に接して装着されるとともに、分岐継手10の端部外周面にも接して装着される。
【0032】
取付部42は、装着部41の両端部それぞれから折れ曲がっており、ここでは平板板状をなす。この取付部42には、複数箇所にネジ穴42hが形成されている。本実施形態では、一対の取付部42それぞれにおいて、上述したサドル30のネジ穴30hに対応する箇所にネジ穴42hが形成されている。
【0033】
上述した構成により、複数箇所のネジ穴30h、42hに締結具50たるネジを通して、冶具40及びサドル30の一方を他方に取り付けることができる。そして、このネジを締め付けることにより、冶具40とサドル30との距離が縮まり、分岐継手10が母管Pに押し当てられて固定される。
【0034】
然して、上述した分岐継手10を母管Pの開口Oに取り付ける際の作業性の向上を図るべく、本実施形態の分岐継手10は、
図1、
図3、及び
図4に示すように、母管Pの開口Oに嵌め込まれて、分岐継手10を母管Pに対して位置決めする位置決め突起12を有している。
【0035】
この位置決め突起12は、
図4に示すように、円環状をなし、分岐継手10の内部流路10Lの一端開口10aを囲うように設けられている。そして、この位置決め突起12は、
図1に示すように、母管Pの開口Oに差し込まれて、その開口Oを形成する内周面O1全周に亘って接する。また、本実施形態の位置決め突起12は、母管P内の流体の流れを阻害しないようにするべく、母管P内には突出しない寸法としてあり、より具体的には母管Pの内周面に沿う形状をなしている。
【0036】
さらに、本実施形態の分岐継手10は、
図1、
図3、及び
図4に示すように、上述した位置決め突起12の周囲に形成されたリング状溝13をさらに有しており、このリング状溝13に母管Pと分岐継手10と間の気密性を担保するためのOリング60が嵌め込まれるように構成されている。
【0037】
このリング状溝13は、分岐継手10の母管Pを向く端面を管軸方向に凹ませてなるものである。すなわち、このリング状溝13を形成することにより、このリング状溝13よりも径方向内側が位置決め突起12として形成される。
【0038】
また、上述したようにリング状溝13を形成することにより、このリング状溝13よりも径方向外側には、円環状をなす外周突起14が形成される。この外周突起14の内周面は、母管Pの外周面に沿う形状をなしており、分岐継手10に母管Pを通した後にこの分岐継手10を母管Pの管軸方向に沿って開口Oまで動かす際のガイド面として機能する。
【0039】
次に、上述したサドル分岐継手100を用いた管分岐方法について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
【0040】
まず、母管Pの外周面における所定箇所に開口Oを形成する(S1)。なお、開口Oの具体的な形成方法としては、例えば母管Pの外周面における所定箇所にピストンを火薬等により高速移動させて削り取る方法や、母管Pの外周面における所定箇所を穿孔機により穿孔する方法などが挙げられる。
【0041】
次に、サドル30と冶具40との一方を他方に取り付ける(S2)。具体的には、サドル30及び冶具40に設けられたネジ穴30h、42hに締結具50を通して僅かに締め付けることにより、サドル30と冶具40との隙間Zを空けた状態を保つ。
【0042】
この状態において、冶具40の装着部41が形成する収容空間41Sを介して、分岐継手10をサドル30の貫通孔31に嵌め込む(S3)。なお、分岐継手10のリング状溝13には、S3の前にOリング60を嵌め込んでおいても良いし、S3の後にOリング60を嵌め込んでも良い。これにより、分岐継手10、サドル30、冶具40、及びOリング60が一体的になる。
【0043】
次いで、上述した収容空間41Sに母管Pを通し、この母管Pの外周面に分岐継手10の外周突起14を沿わせながら、分岐継手10を母管Pの管軸方向に沿って開口Oまで移動させ、この開口Oに分岐継手10の位置決め突起12を差し込む(S4)。この際、上述したように、外周突起14の内周面が、分岐継手10を母管Pの管軸方向に沿ってスムーズに動かすためのガイド面として機能する。これにより、分岐継手10が母管Pに対して位置決めされる。
【0044】
最後に、上述した締結具50を締め付けてサドル30と冶具40との距離Xを縮めることにより、分岐継手10が母管Pに押し当てられて固定され、これにより管分岐の施工が完了する(S5)。
【0045】
このように構成されたサドル分岐継手100によれば、母管Pの外周面に予め形成された開口Oに取り付けられて用いられるので、例えば穿孔機が取り付けられるもの程の機械的強度は必要なく、安価で汎用性の高い部品を用いて構成することができる。
しかも、分岐継手10が、開口Oに嵌め込まれる位置決め突起12を有するので、現場での管分岐の施工を簡単なものとすることができ、ひいては複雑な回路を持つシステムをも容易に構築することが可能となる。
【0046】
また、位置決め突起12が円環状をなすので、分岐継手10をより安定して位置決めすることができる。
【0047】
さらに、リング状溝13にOリング60を嵌め込むことで、母管Pと分岐継手10との間の気密性を高めることができ、母管Pを流れる流体の漏れを確実に防ぐことができる。
【0048】
そのうえ、冶具40として、例えば配管の固定に用いられる汎用のU型金具を用いているので、サドル分岐継手100を安価で汎用性の高いものにすることができる。
【0049】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0050】
例えば、前記実施形態では、分岐継手10とサドル30とが別体の態様を説明したが、
図7~
図9に示すように、分岐継手10とサドル30とが一体のものであっても良い。
【0051】
また、前記実施形態では、サドル30と冶具40との一方を他方に取り付けてから、分岐継手10をサドル30の貫通孔31に嵌め込み、その後、収容空間41Sに母管Pを通して、母管Pの開口Oに位置決め突起12を差し込んでいたが、この作業手順は適宜変更して構わない。
例えば、まず始めに、分岐継手10にOリング60を設けるとともに、この分岐継手10の位置決め突起12を母管Pの開口Oに差し込み、母管Pに対して分岐継手10を位置決めする。そして、この分岐継手10をサドル30と冶具40とで挟み込むことで、分岐継手10を母管Pに固定しても良い。
【0052】
さらに、前記実施形態では、位置決め突起12が円環状をなすものであったが、
図10に示すように、母管Pに形成された開口Oの内周面O1に沿って複数の位置決め突起12が間欠的に設けられていても良い。
【0053】
さらに、サドル30は、前記実施形態では平板状のものであったが、ブロック状又は湾曲形状をなすものであっても良い。
【0054】
加えて、以下に述べる流体機器も本発明の1つである。
すなわち、本発明に係る流体機器200は、
図11に示すように、母管Pの外周面に予め形成された開口Oに取り付けられる機器本体70と、機器本体70を母管Pに固定する固定機構20とを備え、機器本体70は、開口Oに嵌め込まれて当該機器本体70を母管Pに対して位置決めする位置決め突起12を有しているものであっても良い。
【0055】
この流体機器200は、上述したサドル分岐継手100における分岐継手10を機器本体70に置き換えた構成であり、機器本体70としては、開閉弁やチェック弁などの種々のバルブ、圧力センサ、混合器、撹拌機などを挙げることができる。
【0056】
このように構成された流体機器によれば、母管Pの外周面に予め形成された開口Oに取り付けられて用いられるので、例えば穿孔機が取り付けられるもの程の機械的強度は必要なく、安価で汎用性の高い部品を用いて構成することができる。しかも、機器本体70が、開口Oに嵌め込まれる位置決め突起12を有するので、現場での取付作業を簡単なものとすることができる。
【0057】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0058】
100・・・サドル分岐継手
P ・・・母管
O ・・・開口
10 ・・・分岐継手
10L・・・内部流路
10a・・・一端開口
10b・・・他端開口
11 ・・・段部
12 ・・・位置決め突起
13 ・・・リング状溝
14 ・・・外周突起
20 ・・・固定機構
30 ・・・サドル
40 ・・・冶具
41 ・・・装着部
42 ・・・取付部
50 ・・・締結具
60 ・・・Oリング
70 ・・・機器本体