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特開2022-173864電子機器、ネットワークシステム、およびネットワーク構築方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173864
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】電子機器、ネットワークシステム、およびネットワーク構築方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/22 20090101AFI20221115BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20221115BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221115BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20221115BHJP
   H04W 4/48 20180101ALI20221115BHJP
【FI】
H04W8/22
G06F21/44
H02J7/00 P
H04W84/10 110
H04W4/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079852
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇野 佐登志
【テーマコード(参考)】
5G503
5K067
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5K067AA34
5K067BB21
5K067EE02
5K067EE16
5K067EE25
(57)【要約】
【課題】新たなモジュールを容易に追加すること。
【解決手段】電子機器は、近距離無線通信機能及び第1機能を有し、保守端末によって認証された第1機能部と、近距離無線通信機能及び第1機能とは異なる第2機能を有し、保守端末によって認証された第1機能部とは異なる第2機能部とを、少なくとも備える。第1機能部と、第2機能部とは、近距離無線通信機能を用いて、メッシュネットワークを形成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離無線通信機能及び第1機能を有し、保守端末によって認証された第1機能部と、
前記近距離無線通信機能及び前記第1機能とは異なる第2機能を有し、前記保守端末によって認証された前記第1機能部とは異なる第2機能部とを、少なくとも備え、
前記第1機能部と、前記第2機能部とは、前記近距離無線通信機能を用いて、メッシュネットワークを形成している、
電子機器。
【請求項2】
前記第1機能部及び前記第2機能部は、それぞれ、前記近距離無線通信機能とは異なる機能によって前記保守端末に認証されている、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記近距離無線通信機能は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信を行うように構成されている、
請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1機能部または前記第2機能部は、電気自動車のバッテリを充電する充電部である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
電子機器に搭載される機能部を認証する保守端末と、
前記電子機器に搭載され、近距離無線通信機能及び第1機能を有し、前記保守端末によって認証された第1機能部と、
前記電子機器に搭載され、前記近距離無線通信機能及び前記第1機能とは異なる第2機能を有し、前記保守端末によって認証された前記第1機能部とは異なる第2機能部とを、含み、
前記第1機能部と、前記第2機能部とは、前記近距離無線通信機能を用いて、メッシュネットワークを形成している、
ネットワークシステム。
【請求項6】
電子機器に搭載する近距離無線通信機能を有する第1機能部から認証形態に関する第1認証形態情報を取得するステップと、
前記第1認証形態情報に基づいて、前記第1機能部を認証するステップと、
前記近距離無線通信機能を有し、前記電子機器に搭載する前記第1機能部とは異なる第2機能部から認証形態に関する第2認証形態情報を取得するステップと、
前記第2認証形態情報に基づいて、前記第2機能部を認証するステップと、
前記第1機能部と、前記第2機能部との間で、前記近距離無線通信機能を用いて、メッシュネットワークを形成するステップと、
を含む、ネットワーク構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器、ネットワークシステム、およびネットワーク構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが所有するモバイル装置と、電気自動車(EV)との間で通信を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、電気自動車が停車した場合などにおいて、無線通信プロトコルを介して、電気自動車から充電状態情報を受信することのできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2014-504132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
EV充電器などの装置は、表示部などの各機能がモジュール化されている。各機能は、それぞれが異なるインターフェースで結ばれている。また、各モジュールは、それぞれがCPU(Central Processing Unit)およびメモリを持つことがあり、製品の工場出荷時に固有の識別情報を設定する必要がある。そのため、新しい機能を持ったモジュールを後から追加しようとした場合、既存のモジュールの設計を見直さなければならない可能性もあり、手間がかかる。
【0005】
本開示は、新たなモジュールを容易に追加することのできる電子機器、ネットワークシステム、およびネットワーク構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の電子機器は、近距離無線通信機能及び第1機能を有し、保守端末によって認証された第1機能部と、前記近距離無線通信機能及び前記第1機能とは異なる第2機能を有し、前記保守端末によって認証された前記第1機能部とは異なる第2機能部とを、少なくとも備え、前記第1機能部と、前記第2機能部とは、前記近距離無線通信機能を用いて、メッシュネットワークを形成している。
【0007】
本開示の電子機器において、前記第1機能部及び前記第2機能部は、それぞれ、前記近距離無線通信機能とは異なる機能によって前記保守端末に認証されている。
【0008】
本開示の電子機器において、前記近距離無線通信機能は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信を行うように構成されている。
【0009】
本開示の電子機器において、前記第1機能部または前記第2機能部は、電気自動車のバッテリを充電する充電部である。
【0010】
本開示のネットワークシステムは、電子機器に搭載される機能部を認証する保守端末と、前記電子機器に搭載され、近距離無線通信機能及び第1機能を有し、前記保守端末によって認証された第1機能部と、前記電子機器に搭載され、前記近距離無線通信機能及び前記第1機能とは異なる第2機能を有し、前記保守端末によって認証された前記第1機能部とは異なる第2機能部とを、含み、前記第1機能部と、前記第2機能部とは、前記近距離無線通信機能を用いて、メッシュネットワークを形成している。
【0011】
本開示のネットワーク構築方法は、電子機器に搭載する近距離無線通信機能を有する第1機能部から認証形態に関する第1認証形態情報を取得するステップと、前記第1認証形態情報に基づいて、前記第1機能部を認証するステップと、前記近距離無線通信機能を有し、前記電子機器に搭載する前記第1機能部とは異なる第2機能部から認証形態に関する第2認証形態情報を取得するステップと、前記第2認証形態情報に基づいて、前記第2機能部を認証するステップと、前記第1機能部と、前記第2機能部との間で、前記近距離無線通信機能を用いて、メッシュネットワークを形成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、新たなモジュールを容易に追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る保守端末の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る保守端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態に係る保守端末が充電認証部を認証する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図5図5は、実施形態に係る保守端末が充電部を認証する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、実施形態に係る保守端末が表示部を認証する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本開示に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0015】
[実施形態]
図1を用いて、実施形態に係るネットワークシステムについて説明する。図1は、実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
【0016】
図1に示すように、ネットワークシステム1は、充電装置10と、保守端末12とを含む。充電装置10と、保守端末12とは、ネットワークNを介して、通信可能に接続されている。ネットワークNは、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)であるがこれに限定されない。
【0017】
[充電装置]
充電装置10は、充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26と、を備える。充電装置10は、本開示に係る電子機器の一種である。充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26とは、本開示に係る第1機能部または第2機能部の一種である。以下の説明では、電子機器は、充電装置10であるものとして説明するが、本開示はこれに限定されない。また、第1機能部または第2機能部は、充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26であるものとして説明するが、本開示はこれに限定されない。
【0018】
充電認証部20は、ユーザに充電装置10の使用を認証する。充電認証部20は、例えば、ユーザが所有する認証情報が記憶されたIDカードを読み取ることでユーザに充電装置10の使用を許可するか否かの認証を行う。認証情報には、ユーザが充電装置10の使用を許可する旨の情報、ユーザの車両に関する情報などが含まれる。なお、充電認証部20の認証方式は、パスワードによる認証や、顔または指紋などによる生体認証であってもよい。
【0019】
充電部22は、電気自動車のバッテリを充電する。充電部22は、例えば、図示しない給電回路、充電プラグ、入力ケーブル、および出力ケーブルなどを含む。例えば、入力ケーブルおよび出力ケーブルの一端は、給電回路に接続されている。入力ケーブルの他端は、図示しない外部電源に接続される。充電プラグは、出力ケーブルの他端に設けられている。充電プラグは、電気自動車に接続される。
【0020】
表示部24は、各種情報を表示する。表示部24は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。
【0021】
通信部26は、充電装置10と、外部装置との間の通信を実行する。通信部26は、例えば、Wi-Fi(登録商標)などの通信モジュールで構成することができる。
【0022】
充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26とは、例えば、それぞれが独立したCPUなどの制御部を備える。充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26とは、それぞれ、近距離無線通信機能を有する。充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26とは、近距離無線通信機能により、メッシュネットワークを形成している。充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26とは、例えば、BLEによるメッシュネットワークを形成している。充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26とは、保守端末12により認証されている。充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26とは、保守端末12に認証されることで、メッシュネットワークを形成する。
【0023】
本実施形態では、充電認証部20と、充電部22と、表示部24と、通信部26とは、同一のインターフェースで接続されている。すなわち、本実施形態では、充電装置10に搭載される各機能部のインターフェースが統一されている。これにより、充電装置10に新たな機能部を追加して、充電装置10の機能を拡張することが容易となる。
【0024】
[保守端末]
図2を用いて、実施形態に係る保守端末の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る保守端末の構成例を示すブロック図である。
【0025】
保守端末12は、カメラ30と、入力部32と、出力部34と、記憶部36と、通信部38と、制御部40と、を備える。保守端末12は、例えば、スマートフォン、タブレット端末などの携帯型の端末装置で構成される。
【0026】
カメラ30は、例えば、保守端末12の背面に設けられる。カメラ30は、保守端末12の背面に対向する対象物を撮像するように構成される。カメラ30は、静止画像および動画像の少なくとも一方を撮像するように構成されている。
【0027】
入力部32は、保守端末12に対する各種操作を受け付ける。入力部32は、例えば、ボタン、スイッチ、タッチパネルなど各種の入力装置で構成されてよい。
【0028】
出力部34は、各種情報を出力する出力装置である。出力部34は、例えば、各種情報を表示する表示部、音声を出力するスピーカなどを含む。
【0029】
記憶部36は、制御部40の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0030】
通信部38は、外部の各種の装置の情報の送受信を行う通信装置である。通信部38は、第1通信部38aと、第2通信部38bとを備える。
【0031】
第1通信部38aは、近距離無線通信を実行する機能を有する近距離無線通信部である。第1通信部38aは、例えば、ネットワークNを介して、充電装置10と通信可能に接続されている。第1通信部38aは、例えば、充電装置10に搭載される各機能部からビーコン信号を受信する。第1通信部38aは、例えば、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、無線LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)などの通信規格に対応していてよい。第1通信部38aは、その他の通信規格に対応していてもよい。
【0032】
第2通信部38bは、遠距離無線通信を実行する機能を有する遠距離無線通信部である。遠距離無線通信としては、例えば、携帯電話網などによる通信が挙げられる。遠距離無線通信は、その他の形式の通信であってもよい。
【0033】
制御部40は、保守端末12の各部を制御する。制御部40は、例えば、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部36に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部40は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部40は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0034】
制御部40は、取得部50と、招待部52と、判定部54と、出力制御部56と、依頼部58と、認証部60と、を備える。
【0035】
取得部50は、各種情報を取得する。取得部50は、例えば、充電装置10の製造などの際に、充電装置10に搭載される予定の各機能部から第1通信部38aを介してビーコン信号を取得する。
【0036】
招待部52は、充電装置10の製造などの際に、充電装置10に搭載される予定の各機能部に対して、第1通信部38aを介してインビテーション情報を送信する。本実施形態において、インビテーション情報は、充電装置10に各機能部を組み込む処理を開始するための情報であり得る。
【0037】
判定部54は、充電装置10の製造などの際に、充電装置10に搭載される予定の各機能部の認証形態を判定する。判定部54の詳細については、後述する。
【0038】
出力制御部56は、出力部34を制御して、各種情報を出力する。出力制御部56は、例えば、出力部34を制御して、判定部54による機能部の認証形態の判定結果に関する情報を出力する。出力制御部56の詳細については、後述する。
【0039】
依頼部58は、充電装置10の製造などの際に、各機能部に対して依頼情報を、第1通信部38aを介して送信する。依頼部58は、各機能部に対して、判定部54による認証形態の判定結果に応じた依頼情報を、第1通信部38aを介して各機能部に対して送信する。依頼部58の詳細については、後述する。
【0040】
認証部60は、充電装置10の製造などの際に、各機能部の認証を行う。認証部60は、例えば、各機能部の依頼情報に対する応答結果に基づいて、認証を行う。認証部60の詳細については、後述する。
【0041】
[保守端末の処理]
図3を用いて、実施形態に係る保守端末12の処理の流れについて説明する。図3は、実施形態に係る保守端末12の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0042】
取得部50は、充電装置10に搭載される予定の機能部を認識する(ステップS10)。具体的には、取得部50は、充電装置10に搭載される予定の機能部から、第1通信部38aを介してビーコン信号を取得することで、機能部を認識する。そして、ステップS12に進む。
【0043】
招待部52は、認識された機能部に対してインビテーション情報を送信する(ステップS12)。招待部52が認識された機能部に対して、第1通信部38aを介してインビテーション情報を送信することで、充電装置10に機能部を追加する処理が開始される。そして、ステップS14に進む。
【0044】
取得部50は、インビテーション情報を取得した機能部から機能部情報を取得する(ステップS14)。具体的には、取得部50は、第1通信部38aを介して、インビテーション情報を取得した機能部から機能部情報を取得する。機能部情報は、機能部の認証形態に関する情報を少なくとも含む。そして、ステップS16に進む。
【0045】
判定部54は、機能部情報に基づいて、機能部の認証形態を判定する(ステップS16)。認証形態としては、所定のコードを表示する形態、所定のコードを設定する形態、所定の回数、光を発光する形態などが例示されるが、これらに限定されない。判定部54は、例えば、機能部が各種の情報を表示する表示部を有している場合には、認証形態は所定のコードを表示する形態であると判定する。判定部54は、例えば、機能部が近距離無線通信を行うNFC(Near Field Communication)を有する場合には、認証形態は所定のコードを設定する形態であると判定する。判定部54は、例えば、機能部が光を発光するLED(Light Emitting Diode)などを有する場合には、認証形態は所定の回数光を発光する形態であると判定する。そして、ステップS18に進む。
【0046】
出力制御部56は、出力部34を制御して、機能部の認証形態をユーザに通知する(ステップS18)。出力制御部56は、例えば、機能部の認証形態が所定のコードを表示する形態、所定のコードを設定する形態、所定の回数、光を発光する形態などであることを示すメッセージを出力部34に表示させる。出力制御部56は、例えば、機能部を認証するためにユーザが行う必要のある動作を示すメッセージを出力部34に表示させる。そして、ステップS20に進む。
【0047】
依頼部58は、機能部の認証形態に応じた認証コードを依頼する(ステップS20)。依頼部58は、例えば、機能部の認証形態が所定のコードを表示する形態である場合には、所定の4桁のコードを表示させる依頼を行う。依頼部58は、例えば、機能部の認証形態が所定のコードを設定する形態である場合には、所定の4桁のコードを設定させる依頼を行う。依頼部58は、例えば、認証部の認証形態が光を発光する形態である場合には、所定回数、光を発光させる依頼を行う。そして、ステップS22に進む。
【0048】
取得部50は、認証コードを取得する(ステップS22)。取得部50は、例えば、機能部が所定のコードを表示する場合には、カメラ30から所定のコードを表示した状態の機能部の映像データを取得する。取得部50は、例えば、機能部が所定のコードを設定する場合には、第1通信部38aを介して、機能部に設定されたコードを取得する。取得部50は、例えば、機能部が所定の回数光を発光する場合には、カメラ30から所定の回数光を発光した状態の機能部の映像データを取得する。そして、ステップS24に進む。
【0049】
認証部60は、認証コードは適切であるか否かを判定する(ステップS24)。具体的には、認証部60は、ステップS20で依頼した認証コードと、ステップS22で取得した認証コードとが一致した場合に、認証コードは適切であると判定する。認証コードは適切であると判定された場合(ステップS24;Yes)、ステップS26に進む。認証コードは適切であると判定されない場合(ステップS24;No)、ステップS32に進む。
【0050】
ステップS24でYesと判定された場合、認証部60は、認証情報を送信する(ステップS26)。具体的には、認証部60は、充電装置10に搭載されることが認証されたことを示す認証情報を、第1通信部38aを介して、機能部に送信する。そして、ステップS28に進む。
【0051】
取得部50は、認証完了通知を取得する(ステップS28)。取得部50は、例えば、認証情報に対する応答を示す認証完了通知を、第1通信部38aを介して、機能部から取得する。そして、ステップS30に進む。
【0052】
制御部40は、初期情報を設定する(ステップS30)。制御部40は、機能部から認証完了通知を取得すると、機能部との間で初期情報を設定する。これにより、機能部は、メッシュネットワークのノードとなる。そして、図3の処理を終了する。
【0053】
ステップS24でNoと判定された場合、認証部60は、機能部は不適切であると判定する(ステップS32)。具体的には、認証部60は、充電装置10に搭載されようとしている機能部は不適切であると判定し、充電装置10への搭載を不許可とする。そして、図3の処理を終了する。
【0054】
本実施形態では、保守端末12は、位置情報を特定する機能及び認証処理を行うユーザを特定する機能などを備えていてもよい。これにより、保守端末12は、認証処理は予め定めた特定の場所で認証処理が行われていること、及び予め定めたユーザにより認証処理が行われていることを判別することができる。その結果、セキュリティを強化することができる。
【0055】
[認証処理]
図4と、図5と、図6とを用いて、充電装置10の各機能部を認証する処理の流れについて説明する。図4は、実施形態に係る保守端末12が充電認証部20を認証する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図5は、実施形態に係る保守端末12が充電部22を認証する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図6は、実施形態に係る保守端末12が表示部24を認証する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0056】
(充電認証部の認証処理)
図4に示すように、充電認証部20は、充電装置10に搭載される際に、保守端末12に対してビーコン信号を送信する(ステップS40)。保守端末12は、充電認証部20からビーコン信号を受信することで、充電認証部20を認識する。
【0057】
保守端末12は、充電認証部20を認識すると、充電認証部20に対して、インビテーション情報を送信する(ステップS42)。
【0058】
充電認証部20は、インビテーション情報を受信すると、充電認証部20に関する充電認証部情報を保守端末12に送信する(ステップS44)。充電認証部情報は、充電認証部20の認証形態に関する情報を少なくとも含む。充電認証部情報は、第1認証形態情報または第2認証形態情報の一種である。
【0059】
保守端末12は、充電認証部20から受信した充電認証部情報に基づいて、充電認証部20の認証形態を判定する(ステップS46)。ステップS46では、保守端末12は、充電認証部20の認証形態がNFCであると判定する。
【0060】
保守端末12は、出力部34にメッセージを表示させる(ステップS48)。具体的には、保守端末12は、保守端末12の特定位置を充電認証部20に接触させる旨のメッセージを出力部34に表示させる。保守端末12は、例えば、「保守端末12の背面を充電認証部20に接触させてください。」といったメッセージを表示する。ユーザは、保守端末12に表示されたメッセージに従って、保守端末12の背面を充電認証部20に接触させることができる。
【0061】
保守端末12は、コード設定依頼を充電認証部20に送信する(ステップS50)。具体的には、保守端末12は、4桁のコードの設定依頼を充電認証部20に送信する。
【0062】
充電認証部20は、保守端末12からのコード設定依頼に基づいて、コードを設定する(ステップS52)。
【0063】
保守端末12は、充電認証部20に設定されたコードを近距離無線通信により読み込む(ステップS54)。
【0064】
保守端末12は、認証情報を充電認証部20に送信する(ステップS56)。具体的には、保守端末12は、充電認証部20に設定を依頼したコードと、読み込んだコードとが一致した場合に、認証情報を充電認証部20に送信する。
【0065】
充電認証部20は、認証情報を受信すると、認証完了通知を保守端末12に送信する(ステップS58)。
【0066】
充電認証部20が保守端末12に認証完了通知を送信することで、保守端末12と、充電認証部20との間で、初期情報の設定が行われる(ステップS60)。これにより、充電認証部20は、メッシュネットワークのノードとなる。そして、図4の処理を終了する。
【0067】
(充電部の認証処理)
次に、保守端末12が充電部22を認証する処理の流れについて説明する。図5に示すように、充電部22は、充電装置10に搭載される際に、保守端末12に対してビーコン信号を送信する(ステップS70)。保守端末12は、充電部22からビーコン信号を受信することで、充電部22を認識する。
【0068】
保守端末12は、充電部22を認識すると、充電部22に対して、インビテーション情報を送信する(ステップS72)。
【0069】
充電部22は、インビテーション情報を受信すると、充電部22に関する充電部情報を保守端末12に送信する(ステップS74)。充電部情報は、充電部22の認証形態に関する情報を少なくとも含む。充電部情報は、第1認証形態情報または第2認証形態情報の一種である。
【0070】
保守端末12は、充電部22から受信した充電部情報に基づいて、充電部22の認証形態を判定する(ステップS76)。ステップS76では、保守端末12は、充電部22の認証形態がLEDであると判定する。
【0071】
保守端末12は、カメラ30を起動する(ステップS78)。保守端末12は、出力部34にメッセージを表示させる(ステップS80)。具体的には、保守端末12は、充電部22に対して、カメラ30を向けさせる旨のメッセージを出力部34に表示させる。保守端末12は、例えば、「カメラ30を、充電部22に向けてください。」といったメッセージを表示する。ユーザは、保守端末12に表示されたメッセージに従って、カメラ30を充電部22に向けることができる。
【0072】
保守端末12は、コード表示依頼を充電部22に送信する(ステップS82)。具体的には、保守端末12は、LEDの発光回数を示すコード表示依頼を充電部22に送信する。
【0073】
充電部22は、保守端末12からのコード表示依頼に基づいて、LEDを所定回数発光させる(ステップS84)。
【0074】
保守端末12は、カメラ30によりLEDを撮像して、LEDの発光回数を判定する(ステップS86)。
【0075】
保守端末12は、認証情報を充電部22に送信する(ステップS88)。具体的には、保守端末12は、充電部22に依頼したLEDの発光回数と、判定した発光回数とが一致した場合に、認証情報を充電部22に送信する。
【0076】
充電部22は、認証情報を受信すると、認証完了通知を保守端末12に送信する(ステップS90)。
【0077】
充電部22が保守端末12に認証完了通知を送信することで、保守端末12と、充電部22との間で、初期情報の設定が行われる(ステップS92)。これにより、充電部22は、メッシュネットワークのノードとなる。そして、図5の処理を終了する。
【0078】
(表示部の認証処理)
次に、保守端末12が表示部24を認証する処理の流れについて説明する。図6に示すように、表示部24は、充電装置10に搭載される際に、保守端末12に対してビーコン信号を送信する(ステップS100)。保守端末12は、ビーコン信号を受信することで、表示部24を認識する。
【0079】
保守端末12は、表示部24を認識すると表示部24に対して、インビテーション情報を送信する(ステップS102)。
【0080】
表示部24は、インビテーション情報を受信すると、表示部24に関する表示部情報を保守端末12に送信する(ステップS104)。表示部情報は、表示部24の認証形態に関する情報を少なくとも含む。表示部情報は、第1認証形態情報または第2認証形態情報の一種である。
【0081】
保守端末12は、表示部24から受信した表示部情報に基づいて、表示部24の認証形態を判定する(ステップS106)。ステップS106では、保守端末12は、表示部24の認証形態がLCDであると判定する。
【0082】
保守端末12は、カメラ30を起動する(ステップS108)。保守端末12は、出力部34にメッセージを表示させる(ステップS110)。具体的には、保守端末12は、表示部24に対して、カメラ30を向けさせる旨のメッセージを出力部34に表示させる。保守端末12は、例えば、「カメラ30を、表示部24に向けてください。」といったメッセージを表示する。ユーザは、保守端末12に表示されたメッセージに従って、カメラ30を表示部24に向けることができる。
【0083】
保守端末12は、コード表示依頼を表示部24に送信する(ステップS112)。具体的には、保守端末12は、4桁のコードを示すコード表示依頼を表示部24に送信する。
【0084】
表示部24は、保守端末12からのコード表示依頼に基づいて、4桁のコードを表示する(ステップS114)。
【0085】
保守端末12は、カメラ30により表示部24を撮像して、表示部24に表示された4桁のコードを判定する(ステップS116)。
【0086】
保守端末12は、認証情報を表示部24に送信する(ステップS118)。具体的には、保守端末12は、表示部24に依頼した4桁のコードと、判定した4桁のコードとが一致した場合に、認証情報を表示部24に送信する。
【0087】
表示部24は、認証情報を受信すると、認証完了通知を保守端末12に送信する(ステップS120)。
【0088】
表示部24が保守端末12に認証完了通知を送信することで、保守端末12と、表示部24との間で、初期情報の設定が行われる(ステップS122)。これにより、表示部24は、メッシュネットワークのノードとなる。そして、図6の処理を終了する。
【0089】
本実施形態では、図4から図6に示したように、充電装置10に搭載される各機能部を、各機能部に応じた認証方法によって認証することができる。具体的には、本実施形態では、保守端末12により各機能部を認証する際に、ユーザは保守端末12の表示させるメッセージに従うことで、保守端末12と対話をするように各機能部を認証することができる。これにより、本実施形態では、充電装置10に各機能部を組み込む処理が容易になる。本実施形態では、図4から図6に示した認証方法に限定されず、その他の方法を用いて、各機能部を認証してもよい。
【0090】
本実施形態では、充電装置10に各機能部を組み込む際に、保守端末12を用いて各機能部の認証を行い、認証された機能部のみが充電装置10に組み込まれる。本実施形態では、充電装置10に組み込まれた各機能部は、BLEなどの近距離無線通信によりメッシュネットワークを形成する。各機能部は、メッシュネットワークのノード装置となり、それぞれ相互通信することが可能になる。これにより、本実施形態では、新たな機能部を追加して充電装置10の機能を拡張することが容易となる。
【0091】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0092】
1 ネットワークシステム
10 充電装置
12 保守端末
20 充電認証部
22 充電部
24 表示部
26,38 通信部
30 カメラ
32 入力部
34 出力部
36 記憶部
38a 第1通信部
38b 第2通信部
40 制御部
50 取得部
52 招待部
54 判定部
56 出力制御部
58 依頼部
60 認証部
図1
図2
図3
図4
図5
図6