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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173871
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20221115BHJP
   G01D 11/24 20060101ALI20221115BHJP
   G01D 13/02 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G01D11/24 K
G01D13/02 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079865
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】捧 拓也
【テーマコード(参考)】
3D344
【Fターム(参考)】
3D344AA11
3D344AA21
3D344AB01
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】 加飾部材や表示板の位置ずれによって視認性や商品性が低下してしまうことを抑止できる車両用表示装置を提供する.
【解決手段】 車両情報を表示する表示部(指標部12)を有する表示板1と、この表示板1上に位置決めされ、前記表示部の外側に設けられる加飾部材3とを備え、この加飾部材3には、表示板1の対向面から突出して設けられる複数の位置決め突起33を設け、表示板1には、位置決め突起33に対応してそれぞれ設けられる長孔15を設け、それぞれの長孔15に挿通した位置決め突起33は、加飾部材3の中心側に隙間G1を設けて、長孔15に位置決めされる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両情報を表示する表示部を有する表示板と、
この表示板上に位置決めされ、前記表示部の外側に設けられる加飾部材とを備え、
この加飾部材には、前記表示板の対向面から突出して設けられる複数の位置決め突起を設け、
前記表示板には、前記位置決め突起に対応してそれぞれ設けられる長孔を設け、
それぞれの前記長孔に挿通した前記位置決め突起は、前記加飾部材の中心側に隙間を設けて、前記長孔に位置決めされる車両用表示装置。
【請求項2】
前記表示板は、前記加飾部材との境界に沿った意匠が印刷される請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記加飾部材に沿って前記表示板に印刷された指標部と、前記表示板上に回動する指針とによって計測値を指示表示し、
前記加飾部材は、前記指針の回転軸を中心として同心円上に設けられる請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記位置決め突起は、前記回転軸を中心に90度の間隔で、3個または4個設けられる請求項3に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
車両情報を表示する表示部を有する表示板と、
この表示板上に位置決めされ、前記表示部の外側に設けられる加飾部材とを備え、
この加飾部材には、前記表示板の対向面から突出して設けられる複数の位置決め突起を設け、
前記表示板には、前記位置決め突起に対応してそれぞれ設けられる長孔を設け、
それぞれの前記長孔に挿通した前記位置決め突起は、前記加飾部材の中心から外側方向に隙間を設けて、前記長孔に位置決めされる車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両情報を表示する車両用表示装置に関し、例えば、インストルメントパネルに搭載される車両用計器に好適である。
【背景技術】
【0002】
従来、表示板の前方側に見返し部材やリングなどの加飾部材が配置され、特に表示板と加飾部材とを位置決めしてなる車両用表示装置に関して、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の計器装置は、導光体に位置決めとなる筒状体を前後方向に向かって突設し、文字板(表示板)に筒状体に対応する位置決め孔を形成し、計器ケース内に筒状体に対応する第1の位置決めピンを突設し、見返し板(加飾部材) の裏面に筒状体に対応する第2の位置決めピンを突設する。そして、文字板の位置決め孔を筒状体に挿通し、計器ケースと導光体とを組み付けることにより第1の位置決めピンが筒状体内に挿入され、見返し板と導光体とを組み付けることにより第2の位置決めピンが筒状体内に挿入されるというものである。
【0003】
この様に構成することにより、計器ケースと文字板と見返し板とは、導光体を介して位置決めがなされる。これにより、特許文献1の図2に示す様に、文字板の表示部に見返し板の境目(窓部)が重なっているような場合であっても、見返し板と文字板との位置ずれが抑えられるため、境目に対する表示部の位置がほぼ均一となり、表示部の視認性が低下することが抑えられるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-73460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の計器装置においては、導光体に文字板(表示板)と見返し板(加飾部材)を位置決めしたものである。即ち、文字板は導光体に設けられた筒状体の外壁に位置決めされ、見返し板は第2の位置決めピンが筒状体の内壁に位置決めされるというものである。この際、筒状体の外壁と文字板の位置決め孔との間に位置ずれが生じ、筒状体の内壁と第2の位置決めピンとの間に位置ずれが生じ、両方の位置ずれが相反する方向に位置ずれした場合、当該箇所に於ける見返し板と文字板との位置ずれ量が最大となってしまう。その結果、境目に対する表示部の位置が不均一となり、視認性や商品性が低下してしまうという虞がある。
【0006】
そこで本発明の目的は、上述課題に着目し、加飾部材や表示板の位置ずれによって視認性や商品性が低下してしまうことを抑止できる車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両用表示装置は、車両情報を表示する表示部を有する表示板と、
この表示板上に位置決めされ、前記表示部の外側に設けられる加飾部材とを備え、
この加飾部材には、前記表示板の対向面から突出して設けられる複数の位置決め突起を設け、
前記表示板には、前記位置決め突起に対応してそれぞれ設けられる長孔を設け、
それぞれの前記長孔に挿通した前記位置決め突起は、前記加飾部材の中心側に隙間を設けて、前記長孔に位置決めされる。
【0008】
また、前記表示板は、前記加飾部材との境界に沿った意匠が印刷される。
【0009】
また、前記加飾部材に沿って前記表示板に印刷された指標部と、前記表示板上に回動する指針とによって計測値を指示表示し、
前記加飾部材は、前記指針の回転軸を中心として同心円上に設けられる。
【0010】
また、前記位置決め突起は、前記回転軸を中心に90度の間隔で、3個または4個設けられる。
【0011】
また、車両情報を表示する表示部を有する表示板と、
この表示板上に位置決めされ、前記表示部の外側に設けられる加飾部材とを備え、
この加飾部材には、前記表示板の対向面から突出して設けられる複数の位置決め突起を設け、
前記表示板には、前記位置決め突起に対応してそれぞれ設けられる長孔を設け、
それぞれの前記長孔に挿通した前記位置決め突起は、前記加飾部材の中心から外側方向に隙間を設けて、前記長孔に位置決めされる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加飾部材や表示板の位置ずれによって視認性や商品性が低下してしまうことを抑止できる車両用表示装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態における車両用表示装置の車載状態を示す図。
図2】同上実施形態における車両用表示装置の要部の正面図。
図3図2のIII-III断面図。
図4】同上実施形態における表示板を示す図。
図5】同上実施形態における加飾部材における表示板との対向面側を示す斜視図。
図6図2のVI-VIの要部断面図。
図7】別例における車両用表示装置の要部の正面図。
図8】別例における車両用表示装置の要部の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態として、自動車に搭載される車両用表示装置に適用したものを例に挙げて、添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、車両用表示装置Aが、自動車(車両)Bに実装されたものを示す。車両用表示装置Aは、ユーザー(車両利用者)が運転状態で表示を視認できるように、運転席に対向して設けられる。この場合、車両用表示装置Aは、車両の運転席に対向位置でインストルメントパネルCに設けられ、運転席に着座したユーザーは、ステアリングD越しに車両用表示装置Aが出力する表示を確認できる。また、車両用表示装置Aは、車両情報や経路案内、音響関連情報などの表示出力を行うことができる。また、車両利用者は、車両用表示装置Aによる表示内容に従って、ステアリングDに設けられるスイッチD1を操作することで、表示操作(画面切り換え)や各種設定を行うこともできる。
【0016】
車両用表示装置Aは、この場合、図2,3に示すように、表示板1と指針2と加飾部材3とを設け車両の走行速度を示す指針式計器を例にあげるが、他にも図示しない液晶表示パネルや警告灯,スピーカ等を備え、各種車両情報をユーザーに出力できる構成を備えている。また、車両用表示装置Aは、透明な保護カバー4とケース5との間の収容空間に、これら指針式計器や回路基板6等の部品を収容保持している。なお、液晶表示パネルは、車外を撮影した映像や走行距離などの各種車両情報、空気調和器の設定、経路案内、音響操作などを行うための表示デバイスである。
【0017】
表示板1は、図3,4に示すように、合成樹脂材のシート状の基材11に指標部(表示部)12や模様(意匠)13が印刷され、更に、軸孔14や長孔15が形成されている。表示板1は、回路基板6との間隔を保持するためのスペーサ(図示しない)に保持される。
【0018】
基材11は、一様な厚みの透光性の合成樹脂材を適用しており、表面(表示面)側に背景となる黒色印刷層11aを設けるとともに、この黒色印刷層11aを設けずに透過する透過部の形状によって指標部12や模様13を形成している。
【0019】
指標部12は、指針2によって指示されることで走行速度値を示す数値や「km/h」の単位を示す表示部であり、前述のように黒色印刷層11aを設けない所謂抜き印刷によって形成しており、後述する光源によって透過照明可能に設けられる。指標部12には、基材11の表面または裏面に有色の透光性印刷層を設けることで、所望の色(例えば、白色)で表示できる。
【0020】
模様13は、加飾部材3の内側に設けられる表示板1の意匠で、この場合、加飾部材3との境界Sに沿って軸孔14や指標部12を囲うように同心円上に設けれ、背景色(黒色)と異なる色を用いた印刷で形成される。この場合、指標部12と同様に光源によって透過照明可能に設けられる。模様13は、複数色の印刷層にて形成することもでき、また、目盛り形状に形成することで、指針2に指示されて車両情報を示す表示部としての作用を兼ねることもできる。
【0021】
軸孔14は、指針2の回転軸が挿通する開口であり、指標部12や模様13,加飾部材3の中央部に形成されている。図3に示すように軸孔14を介して、指針2を照明できる。
【0022】
長孔15は、加飾部材3と表示板1との相対的な位置を定めるための位置決め部として作用し、図4に示すように、該中央部方向を長手とするスリット形状にて形成され、この中心部(回転軸部)を中心に90度(垂直)の間隔で、(点線で示す)加飾部材3に重なる位置、即ち加飾部材3によって覆い隠れる位置に4個形成され、表示板1の面方向における加飾部材3の位置を定めることができる。
【0023】
指針2は、表示板1とともに車両情報を指示表示し、この場合、走行速度に応じた角度へ回動し指標部12の所望の位置を指示するもので、指示部21と、キャップ部22と、回転軸23と、駆動源24と、を設けている。
【0024】
指示部21は、光透過可能な合成樹脂材からなる導光部材であり、回転軸23から指標部12へ向けて指示できる。指示部21の回転軸23側には、回転軸23と連結する軸支部や、軸孔14を介して光源からの光を導入する入口面、指示部21の先端側に光を反射する反射面が形成されている。
【0025】
キャップ部22は、軸孔14や回転軸23が車両用表示装置Aの外側から見えないように覆い隠す有色(この場合、表示板1の背景色と同じ色)で遮光性の合成樹脂材からなる。
【0026】
回転軸23は、回路基板6に実装される駆動源24による回転を指示部21に伝えるもので、表示板1面と垂直に駆動源24から表示板1の軸孔14の中央に延びるように設けられる。
【0027】
駆動源24は、モーターを適用でき、回路基板6上の回路から供給される駆動信号に基づいて、所望の角度分だけ回転軸23を介して指示部21を回動させることで、指示部21が指示する指標部12位置を変化させることができる。ユーザーは、指示部21の指示位置と指標部12とを対比判読することで、計測値(車両の走行速度)を読み取ることができる。
【0028】
加飾部材3は、表示板1の指標部12からなる表示部の外側に、指標部12を囲うように、回転軸23位置を中心とする同心円上で環状に設けられる。加飾部材3は、透光性の合成樹脂材の導光部31と、この導光部31の表面側に金属メッキ等の塗装部32と、が施され、裏面側(表示板1との対向面側)には、各長孔15の位置に対応する位置決め突起33が設けられる。導光部31は、この場合、図2,5に示すように、回転軸(軸孔14)23側に延びる目盛り部34が連続して形成されており、ユーザーは、計測値を対比判読する場合に指標として用いることができる。
【0029】
図6は長孔15のひとつを通り、図4の一点鎖線上で且つ図2のVI-VI断面を示す図で、位置決め突起33は、表示板1の長孔15の軸孔14(回転軸23)側(内側)とその反対である外側にそれぞれ隙間G1,G2とが設けられる位置に挿通されるとともに、この断面方向と垂直な方向へは、長孔15の内壁面に当接して位置規制される。
【0030】
また、加飾部材3は、加飾部材3に沿って表示板1に設けられる模様13と一部が重なるように設けられる。これにより、加飾部材3の内側の模様13は、加飾部材3との境界Sから内側に形成された一定の幅Wがユーザーから視認できる。
【0031】
なお、表示板1と加飾部材3とは、異なる材質や形状で形成されているため、熱や経年変化の影響によって、膨張または収縮した場合、それぞれの寸法変化量が異なることから、表示板1と加飾部材3とが相対的に位置ずれを生じてしまう。この場合、上述した長孔15と位置決め突起33との構成によれば、回転軸(軸孔14)23位置を中心に膨張または収縮できるように、位置決め突起33と長孔15の内壁との間に隙間G1,G2が設けられている。このため、表示板1及びまたは加飾部材3が変形しても、加飾部材3の中心位置が軸孔14位置のままで変形するため、同じ同心円上に設けられる指標部12や模様13とが位置ずれ量が部分的に大きくならず一様になる。従って、該変形が生じても加飾部材3が偏心してみえるなど表示品質が低下してしまうことを防止できる。特に加飾部材3に沿って設けられる模様13の幅が均一になり、また加飾部材3の目盛り部34と指標部12との位置関係も偏心したように見えないため、視認性や商品性を維持できる。
【0032】
保護カバー4は、アクリル等の透明な合成樹脂を適用でき、指針2に直接触れることができないように表示面側を覆うとともに、上下に傾斜面(曲面)が形成されて、車両用表示装置Aを視認するユーザーが映り込んでしまったり、太陽光など車両外光がユーザーの目側へ反射してしまうことを防止できる。
【0033】
ケース5は、凹形状で遮光性の合成樹脂材を適用でき、保護カバー4とともに、表示板1や指針2,加飾部材3,回路基板6などの部品を収容しつつ外部から直接触れることができないように保護する。ケース5と保護カバー4とは、フックによる係止やビス止めによって、内部に該部品の収容空間を形成できるように篏合保持される。なお、ケース5は、遮光性部材であればよく、金属材を適用することもできる。
【0034】
回路基板6は、ガラスエポキシ樹脂などの板材に銅箔の配線パターンが形成されてなり、表示板1の指標部12や模様13や、指針2の指示部21,加飾部材3の導光部31を照明するため、表示板1側に対向して配置される発光ダイオードからなる光源51と、駆動源24と、駆動源24への駆動信号を生成するプログラム演算部を設けた制御回路素子(図示しない)と、電源や計測値情報を車両用表示装置Aの外部からケーブルを介して供給するための外部コネクタ(図示しない)を備えている。回路基板6は、表示板1面と一定間隔おいて平行に設けれ、ケース5に保持される。
【0035】
斯かる車両用表示装置Aは、車両情報を表示する表示部(指標部12)を有する表示板1と、この表示板1上に位置決めされ、前記表示部の外側に設けられる加飾部材3とを備え、この加飾部材3には、表示板1の対向面から突出して設けられる複数の位置決め突起33を設け、表示板1には、位置決め突起33に対応してそれぞれ設けられる長孔15を設け、それぞれの長孔15に挿通した位置決め突起33は、加飾部材3の中心側に隙間G1を設けて、長孔15に位置決めされる。
【0036】
従って、変形により表示板1に対して加飾部材3が位置ずれを生じた場合であっても、加飾部材3の中心位置を維持できる。このため、指標部12の中心と加飾部材3の中心との位置関係を崩さずに表示バランスを維持できる。このため、位置ずれの印象を与えずに視認性や商品性の低下を抑止できる。
【0037】
また、表示板1は、加飾部材3との境界Sに沿った模様(意匠)13が印刷される場合であっても、部分的な位置ずれでなく一様に変化することで、位置ずれの印象を与えずに視認性や商品性の低下を抑止できる。
【0038】
また、加飾部材3に沿って表示板1に印刷された指標部12と、前記表示板上に回動する指針2とによって、計測値を指示表示し、加飾部材3は、指針2の回転軸23を中心として同心円上に設けられる構造において、変形により表示板1に対して加飾部材3が位置ずれを生じた場合であっても、表示板1上における加飾部材3の相対的な中心位置を維持できる。また、指標部12の中心位置と加飾部材3の中心位置とを同じ回転軸23に合わせてあるため、部分的な位置ずれが生じにくい構造となる。
【0039】
また、車両情報を表示する表示部(指標部12)を有する表示板1と、この表示板1上に位置決めされ、前記表示部の外側に設けられる加飾部材3とを備え、この加飾部材3には、表示板1の対向面から突出して設けられる複数の位置決め突起33を設け、表示板1には、位置決め突起33に対応してそれぞれ設けられる長孔15を設け、それぞれの長孔15に挿通した位置決め突起33は、加飾部材3の中心から外側方向に隙間G2を設けて、長孔15に位置決めされる。従って、変形により表示板1に対して加飾部材3が位置ずれを生じた場合であっても、加飾部材3の中心を維持できる。このため、指標部12の中心と加飾部材3の中心との位置関係を崩さずに表示バランスを維持できる。このため、位置ずれの印象を与えずに視認性や商品性の低下を抑止できる。
【0040】
以上、本実施形態について説明したが、本発明は上述実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。本発明は、インストルメントパネルCに搭載される表示装置として好適であり、例えば、図1に示すインストルメントパネルCの上部位置に設けられるディスプレイEや、車両Bの外を撮影した画像を表示するモニタや、後席の乗車者用のモニタに適用する構成であってもよく、上述実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、上述実施形態にあっては、加飾部材3の位置決め突起33を加飾部材3の中心から90度おきに4個設けて、対応する長孔15に位置決めさせる構成を示したが、図7に示すように、同中心から90度おきに長孔150と位置決め突起330を3個設ける構成でも良い。また、加飾部材が環状でなくても良く、例えば、図7のように、表示部の外側で外観が同心円上の円弧状であれば、上述実施形態と同様の効果を得ることができる。即ち、位置決め突起330は、回転軸23を中心に90度の間隔で、3個または4個設ける構造でも良く、加飾部材300の変形方向を簡易に定めることができる。
【0042】
また、加飾部材の変形例として、図8に示すように、目盛り121等の表示部(指標部)の外側に設けられる加飾部材301も同様の上述実施形態の長孔151と位置決め突起331を適用することで、同様の効果を得ることができ、この場合、温度等による変形が生じた際に、加飾部材301の上部と、これに沿って設けられる表示板101の目盛り121との間隔を一様にできるため、表示品質の低下を抑止できる。なお、図7,8は、上述実施形態と同様の箇所について同じ符号を付して詳細な説明を省いている。
【0043】
また、本発明は、例えば、自動車やオートバイ、あるいは農業機械や建設機械を備えた移動体に搭載される車両用表示装置として好適である。
【符号の説明】
【0044】
1 表示板
11 基材
11a黒色印刷層
12 指標部(表示部)
13 模様(意匠)
14 軸孔
15 長孔
2 指針
21 指示部
22 キャップ部
23 回転軸
24 駆動源
3 加飾部材
31 導光部
32 塗装部
33 位置決め突起
34 目盛り部
4 保護カバー
5 ケース
6 回路基板 51光源
A 車両用表示装置
B 自動車(車両)
C インストルメントパネル
D ステアリング
D1 スイッチ
G1,G2 隙間
S 境界
W 幅

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8