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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173895
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20221115BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20221115BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B15/02
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079941
(22)【出願日】2021-05-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立川 秀明
【テーマコード(参考)】
2H100
【Fターム(参考)】
2H100AA05
2H100EE03
(57)【要約】
【課題】光源から出射された光が筐体の外部に出ることなく筐体の内部を通ってカメラのレンズに到達するのを抑制することができる電子機器を得る。
【解決手段】電子機器は、筐体と、基板と、カメラと、光源と、電磁波遮断部材と、遮光部材と、を備える。基板は、筐体の壁と対向する実装面を有する。カメラは、実装面に実装されている。カメラは、筐体の外部に面したレンズを有する。光源は、実装面に実装されている。電磁波遮断部材は、少なくとも一部がカメラと光源との間に位置し、壁との間に間隙を空けて実装面に固定され、カメラから放射される電磁波を遮断する。遮光部材は、少なくとも一部が間隙に位置したベース部と、間隙の外部に位置してベース部と接続され間隙を覆い光を遮断する覆部と、を有する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁を有する筐体と、
前記筐体に収容され、前記壁と対向する実装面を有する基板と、
前記筐体に収容され、前記実装面に実装され、前記筐体の外部に面したレンズを有し、前記筐体の外部を撮像するカメラと、
前記筐体に収容され、前記実装面に実装され、前記筐体の外部に向けて光を出射する光源と、
少なくとも一部が前記カメラと前記光源との間に位置し、前記壁との間に間隙を空けて前記実装面に固定され、前記カメラから放射される電磁波を遮断する電磁波遮断部材と、
少なくとも一部が前記間隙に位置したベース部と、前記間隙の外部に位置して前記ベース部と接続され前記間隙を覆い前記光を遮断する覆部と、を有する遮光部材と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記遮光部材は、前記ベース部に対して前記光源側に位置した前記覆部である光源側覆部を有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記遮光部材は、前記ベース部に対して前記カメラ側に位置した前記覆部であるカメラ側覆部を有する、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記カメラは、前記レンズを支持したボディを有し、
前記カメラ側覆部は、前記レンズの光軸を囲った状態で前記レンズの周囲の前記ボディに重ねられた、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記覆部は、前記実装面に向けて突出した実装面側突出部を有する、請求項1~4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項6】
前記覆部は、前記壁に向けて突出した壁側突出部を有する、請求項1~5のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項7】
前記実装面に実装されたマイクロフォンを備え、
前記遮光部材は、前記マイクロフォンを覆ったマイクロフォンカバー部を有する、請求項1~6のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項8】
前記遮光部材は、前記カメラの光軸に関して線対称である、請求項7に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体と、筐体に収容され筐体の外部を撮像するカメラと、筐体に収容され筐体の外部に向けて光を出射する光源と、を備える電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-28157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の電子機器では、例えば、光源から出射された光の一部が筐体の外部に出ることなく筐体の内部を通ってカメラのレンズに到達し、カメラの撮像画像に映り込む虞がある。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、光源から出射された光が筐体の外部に出ることなく筐体の内部を通ってカメラのレンズに到達するのを抑制することができる電子機器を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様にかかる電子機器は、壁を有する筐体と、前記筐体に収容され、前記壁と対向する実装面を有する基板と、前記筐体に収容され、前記実装面に実装され、前記筐体の外部に面したレンズを有し、前記筐体の外部を撮像するカメラと、前記筐体に収容され、前記実装面に実装され、前記筐体の外部に向けて光を出射する光源と、少なくとも一部が前記カメラと前記光源との間に位置し、前記壁との間に間隙を空けて前記実装面に固定され、前記カメラから放射される電磁波を遮断する電磁波遮断部材と、少なくとも一部が前記間隙に位置したベース部と、前記間隙の外部に位置して前記ベース部と接続され前記間隙を覆い前記光を遮断する覆部と、を有する遮光部材と、を備える。
【0007】
前記電子機器では、例えば、前記遮光部材は、前記ベース部に対して前記光源側に位置した前記覆部である光源側覆部を有する。
【0008】
前記電子機器では、例えば、前記遮光部材は、前記ベース部に対して前記カメラ側に位置した前記覆部であるカメラ側覆部を有する。
【0009】
前記電子機器は、例えば、前記カメラは、前記レンズを支持したボディを有し、前記カメラ側覆部は、前記レンズの光軸を囲った状態で前記レンズの周囲の前記ボディに重ねられている。
【0010】
前記電子機器では、例えば、前記覆部は、前記実装面に向けて突出した実装面側突出部を有する。
【0011】
前記電子機器では、例えば、前記覆部は、前記壁に向けて突出した壁側突出部を有する。
【0012】
前記電子機器は、例えば、前記実装面に実装されたマイクロフォンを備え、前記遮光部材は、前記マイクロフォンを覆ったマイクロフォンカバー部を有する。
【0013】
前記電子機器では、例えば、前記遮光部材は、前記カメラの光軸に関して線対称である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の上記態様によれば、光源から出射された光が筐体の外部に出ることなく筐体の内部を通ってカメラのレンズに到達するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態の電子機器の正面側からの例示的な斜視図である。
図2図2は、実施形態の電子機器のカメラユニットの正面側からの例示的な斜視図である。
図3図3は、実施形態の電子機器のカメラユニットの背面側からの例示的な斜視図である。
図4図4は、実施形態の電子機器のカメラユニットの正面側からの例示的な斜視図であって、フロントカバーが取り外された状態の斜視図である。
図5図5は、実施形態の電子機器のカメラモジュールの正面側からの例示的な斜視図である。
図6図6は、実施形態の電子機器のカメラモジュールの例示的な斜視図であって、X-Y平面での断面を示す斜視図である。
図7図7は、実施形態の電子機器の遮光部材の例示的な正面図である。
図8図8は、実施形態の電子機器の遮光部材の例示的な背面図である。
図9図9は、実施形態の電子機器の遮光部材の例示的な断面図であって、X-Y平面での断面図である。
図10図10は、実施形態の電子機器の遮光部材の例示的な斜視図であって、X-Y平面での断面を示す斜視図である。
図11図11は、実施形態の電子機器のカメラユニットの一部の例示的な断面図であって、X-Y平面での断面図である。
図12図12は、実施形態の電子機器のカメラユニットの一部の例示的な断面図であって、X-Y平面での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0017】
なお、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0018】
図1は、電子機器1の正面側からの斜視図である。図1に示されるように、電子機器1は、例えば、オールインワン(AIO)タイプのデスクトップ型のパーソナルコンピュータとして構成されており、本体部2と、ディスプレイ部3と、カメラユニット4と、を備える。本体部2とディスプレイ部3とカメラユニット4とは、不図示のケーブル等の配線部材を介して、互いに電気的に接続されている。なお、電子機器1は、この例には限定されず、例えば、クラムシェル型(ノートブック型)やタブレット型のパーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0019】
本実施形態では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、電子機器1の奥行方向(前後方向)に沿い、Y方向は、電子機器1の幅方向(左右方向、長手方向)に沿い、Z方向は、電子機器1の高さ方向(上下方向)に沿う。また、以下の説明では、X方向は前方、X方向の反対方向は後方とも称され、Y方向は右方、Y方向の反対方向は左方とも称され、Z方向は上方、Z方向の反対方向は下方とも称される。
【0020】
本体部2は、ODD(Optical Disk Drive)装置およびスピーカーを有する。
【0021】
ディスプレイ部3は、ディスプレイ筐体11と、表示部であるディスプレイユニット12と、を有する。ディスプレイユニット12は、表示画面12aが前方(X方向)から視認可能な状態でディスプレイ筐体11に支持されている。また、ディスプレイ部3は、プロセッサ、メモリ、および電源ユニット等を有する。プロセッサは、メモリ等の記憶部に記憶されたプログラムを実行することで各種の情報処理を行う。プロセッサは、例えば、情報処理の結果をディスプレイユニット12に出力する。また、電源ユニットは、電子機器1の各部に電力を供給する。
【0022】
カメラユニット4は、使用位置(図1)と収容位置(不図示)との間で上下方向に移動可能にディスプレイ筐体11に支持されている。使用位置は、カメラユニット4がディスプレイ筐体11の背面に設けられた凹部からディスプレイ筐体11から上方に突出する位置である。収容位置は、使用位置よりも下方の位置であって、カメラユニット4がディスプレイ筐体11の背面に設けられた凹部に収容される位置である。また、カメラユニット4は、使用位置と収容位置とのそれぞれで移動のロックが可能である。
【0023】
図2は、実施形態の電子機器1のカメラユニット4の正面側からの例示的な斜視図である。図3は、実施形態の電子機器1のカメラユニット4の背面側からの例示的な斜視図である。図4は、実施形態の電子機器1のカメラユニット4の正面側からの例示的な斜視図であって、フロントカバー91が取り外された状態の斜視図である。
【0024】
図2図4に示されるように、カメラユニット4は、ユニット筐体21と、ユニット筐体21に収容されたカメラモジュール22(図4)と、を有する。
【0025】
ユニット筐体21は、前壁21aと、後壁21bと、周壁21cと、を有する。前壁21aおよび後壁21bは、いずれも、X方向と直交する方向に延びており、Z方向に間隔をあけて設けられている。周壁21cは、前壁21aと後壁21bとの間に亘って設けられ、筒状に形成されている。前壁21aは、壁の一例である。
【0026】
また、ユニット筐体21は、複数の部材の組み合わせによって構成されている。例えば、ユニット筐体21は、前壁21aと周壁21cの一部とを含むフロントカバー91と、後壁21bと周壁21cの一部とを含むリヤカバー92と、を有する。
【0027】
図2に示されるように、前壁21aには、孔21d~21fおよび孔21g(図12)が設けられている。孔21d~21fおよび孔21gは、前壁21aを貫通した貫通孔である。
【0028】
また、前壁21aの外面(前面)には、シート状のカバー23が重ねられている。カバー23は、前壁21aに接着等によって固定されている。カバー23は、孔21d~21fを覆っている。また、カバー23には、孔23aが設けられている。孔23aは、前壁21aの孔21g(図12)と連通している。カバー23は、孔21d~21fに対向する部分以外には色が付けられて、前壁21aが見えなくなっている。カバー23における孔21d~21fに対向する部分は、透明であり、透光性を有する。
【0029】
図5は、実施形態の電子機器1のカメラモジュール22の正面側からの例示的な斜視図である。図6は、実施形態の電子機器1のカメラモジュール22の例示的な斜視図であって、X-Y平面での断面を示す斜視図である。
【0030】
図5および図6に示されるように、カメラモジュール22は、基板31と、カメラ32と、第1光源33と、第2光源34と、マイクロフォン35と、電磁波遮断部材36と、遮光部材37と、を有する。
【0031】
図6に示されるように、基板31は、前壁21aと対向する実装面31aを有する。
【0032】
カメラ32は、基板31の実装面31aに実装されている。カメラ32は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。カメラ32は、静止画データおよび所定のフレームレートでの動画データ(撮像画像データ、画像情報)を出力することができる。カメラ32は、ボディ32aと、レンズ32bと、有する。ボディ32aは、実装面31aに固定されている。レンズ32bは、ユニット筐体21の外部に面した状態でボディ32aに支持されている。カメラ32の光軸Ax1すなわちレンズ32bの光軸Ax1は、X方向に沿う。
【0033】
第1光源33は、一例として、二つ設けられている。二つの第1光源33は、実装面31aに実装され、ユニット筐体21の外部に向けて光を出射する。二つの第1光源33は、Y方向に間隔を空けて並べられており、二つの第1光源33の間に、カメラ32が位置している。第1光源33は、例えば、赤外線(近赤外線)を出射するLED(Light Emitting Diode)である。第1光源33は、例えば認証用の光源である。カメラ32は、第1光源33が出射する赤外線が対象物、この場合、電子機器1を利用する人間(主に表示画面12aを覗き込んでいる、ディスプレイユニット12に対面している人間)の顔で反射した赤外線に基づく画像を撮像する。第1光源33は、カメラ32が主に顔認証や虹彩認証を行う場合に赤外線を出射する。第1光源33は、光源の一例である。
【0034】
第2光源34は、一例として、一つ設けられている。二つの第2光源34は、実装面31aに実装され、ユニット筐体21の外部に向けて光を出射する。第2光源34は、右側二つの第1光源33の外側に位置している。第2光源34は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。第1光源33は、例えばカメラ32の動作状態を表示するための光源である。第2光源34は、例えば、カメラ32が撮像をしている場合には、点灯し、カメラ32が撮像をしていない場合には、消灯する。
【0035】
マイクロフォン35は、一例として、二つ設けられている。二つのマイクロフォン35は、実装面31aに実装されて、ユニット筐体21の外部からマイクロフォン35に到達する音を受音する。二つのマイクロフォン35は、Y方向に間隔を空けて並べられており、二つのマイクロフォン35の間に、第2光源34、二つの第1光源33、およびカメラ32が位置している。マイクロフォン35は、ボディ35aと、受音面35bと、を有する。ボディ35aは、実装面31aに固定されている。受音面35bは、振動板に含まれ、音を受音する。
【0036】
電磁波遮断部材36は、カメラ32から放射される電磁波を遮断するものである。電磁波遮断部材36は、第1光源33および第2光源34の周囲を囲んだ状態で、実装面31aに固定されている。電磁波遮断部材36は、少なくとも一部がカメラ32と第1光源33との間に位置している。具体的には、電磁波遮断部材36は、前壁36aと、立壁36bと、を有する。前壁36aは、実装面31aと間隔を空けて対向している。立壁36bは、前壁36aの外周縁から実装面31aに延びて、実装面31aに固定されている。前壁36aは、第1光源33および第2光源34の周囲を囲んでいる。前壁36aの一部は、カメラ32と第1光源33との間に位置している。
【0037】
また、前壁36aには、孔36d,36eが設けられている。孔36d,36eは、それぞれ、前壁36aを貫通した貫通孔である。孔36dには、第1光源33が挿入されている。孔36eは、第2光源34のX方向側に位置している。
【0038】
遮光部材37は、カメラ32等を覆った状態で、基板31に対して取り付けられている。電磁波遮断部材36は、例えば、電磁波遮断部材36に接着等によって固定され、電磁波遮断部材36を介して基板31に取り付けられている。なお、遮光部材37は、基板31に直接取り付けられていてもよい。遮光部材37は、カメラ32の光軸Ax1に関して線対称である。遮光部材37は、例えば、ゴム材料によって構成され、遮光性および弾性を有する。ゴム材料は、例えば、シリコンゴムやエラストマ等であってよい。なお、遮光部材37は、合成樹脂材料等によって構成されてもよい。また、遮光部材37の硬度は、ユニット筐体21の硬度よりも低い。遮光部材37は、ゴムカバーとも称される。
【0039】
図7は、実施形態の電子機器1の遮光部材37の例示的な正面図である。図8は、実施形態の電子機器1の遮光部材37の例示的な背面図である。図9は、実施形態の電子機器1の遮光部材37の例示的な断面図であって、X-Y平面での断面図である。図10は、実施形態の電子機器1の遮光部材37の例示的な斜視図であって、X-Y平面での断面を示す斜視図である。図11は、実施形態の電子機器1のカメラユニット4の一部の例示的な断面図であって、X-Y平面での断面図である。図12は、実施形態の電子機器1のカメラユニット4の一部の例示的な断面図であって、X-Y平面での断面図である。
【0040】
図7図10に示されるように、遮光部材37は、前壁37aと、上下一対の横壁37bと、左右一対の縦壁37cと、を有する。前壁37aには、孔37da~37ddが設けられている。孔37da~37ddは、前壁37aを貫通した貫通孔である。孔37da~37ddは、それぞれ、前壁21aの孔21d~21gと連通している。また、孔37da~37ddは、それぞれ、カメラ32、第1光源33、第2光源34、およびマイクロフォン35と、X方向に並んでいる。
【0041】
前壁37aは、ベース部37eと、光源側覆部37fと、カメラ側覆部37gと、を有する。光源側覆部37fおよびカメラ側覆部37gは、覆部の一例である。
【0042】
ベース部37eは、実装面31aに沿って延びている。図11および図12に示されるように、ベース部37eの少なくとも一部(一例として一部)は、電磁波遮断部材36と前壁21aとの間に設けられた間隙38に位置している。間隙38は、電磁波遮断部材36と前壁21aとの間で電磁波遮断部材36と前壁21aとにX方向に挟まれた領域である。ここで、図11には、間隙38の一部分のY方向の範囲Mが示されている。ベース部37eの一部は、間隙38の外部に位置している。なお、ベース部37eの全部が、間隙38の内部に位置していてもよい。
【0043】
光源側覆部37fおよびカメラ側覆部37gは、間隙38の外部に位置してベース部37eと接続されている。光源側覆部37fおよびカメラ側覆部37gのそれぞれのX方向の厚さ(長さ)は、間隙38のX方向の厚さよりも大きい。光源側覆部37fおよびカメラ側覆部37gは、間隙38を覆い、光を遮断する。
【0044】
また、図11に示されるように、光源側覆部37fは、ベース部37eに対して第1光源33側に位置している。光源側覆部37fのX方向側の端は、間隙38における第2光源34側の縁部のX方向側の端よりもX方向に位置している。また、光源側覆部37fのX方向の反対方向側の端は、間隙38における第2光源34側の縁部のX方向の反対側の端よりもX方向の反対方向に位置している。光源側覆部37fは、第1光源33回りに筒状に形成されている。光源側覆部37fの筒内には、孔37dbが設けられている。また、光源側覆部37fは、実装面31aに向けて突出した実装面側突出部37hと、前壁21aに向けて突出した壁側突出部37iと、を有する。また、光源側覆部37fは、筒状の傾斜面37jを有する。傾斜面37jは、光源側覆部37fの内周面であって、孔37dbを形成している。傾斜面37jの傾斜角度は、前壁37aに設けられた傾斜面21iの傾斜角度と略同様である。ここで、前壁37aの傾斜面21iは、孔21eを形成している。
【0045】
また、カメラ側覆部37gは、ベース部37eに対してカメラ32側に位置している。カメラ側覆部37gのX方向側の端は、間隙38におけるカメラ32側の縁部のX方向側の端よりもX方向に位置している。カメラ側覆部37gは、レンズ32bの光軸Ax1回りに筒状に形成されている。すなわち、カメラ側覆部37gは、レンズ32bの光軸Ax1を囲っている。カメラ側覆部37gの筒内には、孔37daが設けられている。また、光源側覆部37fは、実装面31aに向けて突出した実装面側突出部37hを有する。実装面側突出部37hは、第1部分37mと、第2部分37nと、傾斜面37pと、を有する。第1部分37mは、ベース部37eにおける光軸Ax1側の縁部のX方向の位置から光軸Ax1に向かって延びている。第1部分37mは、レンズ32bの周囲のボディ32aに重ねられて、ボディ32aと接触している。第2部分37nは、第1部分37mにおける光軸Ax1側縁部からX方向に延びている。傾斜面37pは、第2部分37nの内周面である。傾斜面37pの傾斜角度は、前壁37aに設けられた傾斜面21hの傾斜角度と略同様である。ここで、前壁37aの傾斜面21hは、孔21dを形成している。
【0046】
また、本実施形態では、光源側覆部37fおよびカメラ側覆部37gは、前壁21aに向けて突出した壁側突出部37i,37kを有する。
【0047】
また、図12に示されるように、遮光部材37は、マイクロフォン35を覆ったマイクロフォンカバー部37qを有する。すなわち、マイクロフォンカバー部37qは、ベース部37e、光源側覆部37f、およびカメラ側覆部37gと一体化されている。
【0048】
図8図10、および図12に示されるように、マイクロフォンカバー部37qは、前壁37rと、周壁37sと、を有する、前壁37rは、前壁37aの一部である。周壁37sは、前壁37rから実装面31aに向けてすなわちX方向の反対方向に延びている。周壁37sは、筒状である。また、周壁37sは、縦壁37cの一部を含む。マイクロフォンカバー部37qには、凹部37uと、孔37ddと、が設けられている。凹部37uは、前壁37rおよび周壁37sに囲まれ、X方向の反対方向に開口している。凹部37uにマイクロフォン35のボディ35aが嵌められている。孔37ddは、前壁37rを貫通しており、凹部37uと連通している。孔37ddは、マイクロフォン35の受音面35bとX方向で並んでおり、音道として構成されている。このような構成のマイクロフォンカバー部37qによって、マイクロフォン35の集音性能が向上する。
【0049】
以上のように、本実施形態では、電子機器1は、ユニット筐体21(筐体)と、基板31と、カメラ32と、第1光源33と、電磁波遮断部材36と、遮光部材37と、を備える。ユニット筐体21は、前壁21a(壁)を有する。基板31は、ユニット筐体21に収容されている。基板31は、前壁21aと対向する実装面31aを有する。カメラ32は、ユニット筐体21に収容され、実装面31aに実装されている。カメラ32は、ユニット筐体21の外部に面したレンズ32bを有し、ユニット筐体21の外部を撮像する。第1光源33は、ユニット筐体21に収容され、実装面31aに実装され、ユニット筐体21(筐体)の外部に向けて光を出射する。電磁波遮断部材36は、少なくとも一部がカメラ32と第1光源33との間に位置し、前壁21aとの間に間隙38を空けて実装面31aに固定され、カメラ32から放射される電磁波を遮断する。遮光部材37は、少なくとも一部が間隙38に位置したベース部37eと、間隙38の外部に位置してベース部37eと接続され間隙38を覆い光を遮断する覆部(光源側覆部37f、カメラ側覆部37g)と、を有する。
【0050】
このような構成によれば、遮光部材37の覆部(光源側覆部37f、カメラ側覆部37g)が間隙38の外部に位置してベース部37eと接続され間隙38を覆い光を遮断する。よって、第1光源33から出射された光がユニット筐体21の外部に出ることなくユニット筐体21の内部を通ってカメラ32のレンズ32bに到達するのを抑制することができる。また、第2光源34から出射された光がユニット筐体21の外部に出ることなくユニット筐体21の内部を通ってカメラ32のレンズ32bに到達するのを抑制することができる。すなわち、上記構成によれば、カメラ32の撮像画像に、第1光源33や第2光源34の光が映り込むのを抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態では、遮光部材37は、ベース部37eに対して第1光源33側に位置した覆部である光源側覆部37fを有する。
【0052】
このような構成によれば、第1光源33から出射された光が間隙38に進むのを光源側覆部37fによって抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態では、遮光部材37は、ベース部37eに対してカメラ32側に位置した覆部であるカメラ側覆部37gを有する。
【0054】
このような構成によれば、第1光源33から出射された光が間隙38に入った場合でも、間隙38から出た光が直接またはカバー23で斜めに反射してカメラ32のレンズ32bに向かうのをカメラ側覆部37gによって抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態では、カメラ32は、レンズ32bを支持したボディ32aを有する。カメラ側覆部37gは、レンズ32bの光軸Ax1を囲った状態でレンズ32bの周囲のボディ32aに重ねられている。
【0056】
このような構成によれば、カメラ側覆部37gが、レンズ32bの光軸Ax1を囲った状態でレンズ32bの周囲のボディ32aに重ねられているので、第1光源33から出射された光がレンズ32bに対して基板31側からレンズ32bに向かうのを抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、光源側覆部37fは、実装面31aに向けて突出した実装面側突出部37hを有する。
【0058】
このような構成によれば、実装面側突出部37hによって、第1光源33から出射された光がユニット筐体21の外部に出ることなくユニット筐体21の内部を通ってカメラ32のレンズ32bに到達するのを抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、光源側覆部37fおよびカメラ側覆部37gは、前壁21aに向けて突出した壁側突出部37i,37kを有する。
【0060】
このような構成によれば、壁側突出部37i,37kによって、第1光源33から出射された光がユニット筐体21の外部に出ることなくユニット筐体21の内部を通ってカメラ32のレンズ32bに到達するのを抑制することができる。
【0061】
また、本実施形態では、電子機器1は、実装面31aに実装されたマイクロフォン35を備える。遮光部材37は、マイクロフォン35を覆ったマイクロフォンカバー部37qを有する。
【0062】
このような構成によれば、遮光部材37とマイクロフォンカバー部37qとが別体の構成に比べて、電子機器1の部品点数を削減することができる。
【0063】
また、本実施形態では、遮光部材37は、カメラ32の光軸Ax1に関して線対称である。
【0064】
このような構成によれば、遮光部材37の取り付けが容易である。
【0065】
なお、カメラ32、第1光源33、第2光源34、およびマイクロフォン35のそれぞれの数は、上記に限定されない。
【0066】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等の仕様(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0067】
1…電子機器、21…ユニット筐体(筐体)、21a…前壁(壁)、31…基板、31a…実装面、32…カメラ、32a…ボディ、32b…レンズ、33…第1光源(光源)、35…マイクロフォン、36…電磁波遮断部材、37…遮光部材、38…間隙、37e…ベース部、37f…光源側覆部(覆部)、37g…カメラ側覆部(覆部)、37h…実装面側突出部、37i,37k…壁側突出部、37q…マイクロフォンカバー部、Ax1…光軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁を有する筐体と、
前記筐体に収容され、前記壁と対向する実装面を有する基板と、
前記筐体に収容され、前記実装面に実装され、前記筐体の外部に面したレンズ、及び前記レンズを支持するボディを有し、前記筐体の外部を撮像するカメラと、
前記筐体に収容され、前記実装面に実装され、前記筐体の外部に向けて光を出射する光源と、
少なくとも一部が前記カメラと前記光源との間に位置し、前記壁との間に間隙を空けて前記実装面に固定され、前記カメラから放射される電磁波を遮断する電磁波遮断部材と、
少なくとも一部が前記間隙に位置したベース部と、前記間隙の外部に位置して前記ベース部と接続され前記間隙を覆い前記光を遮断する覆部と、を有する遮光部材と、を備え
前記遮光部材は、前記ベース部に対して前記光源側に位置した前記覆部である光源側覆部と、前記ベース部に対して前記カメラ側に位置した前記覆部であるカメラ側覆部と、を有し、
前記電磁波遮断部材から前記壁に向かう方向と同方向となる前記間隙の厚さ方向において、前記光源側覆部の厚さ及び前記カメラ側覆部の厚さは前記間隙の厚さよりも大きく、
前記光源側覆部の前記厚さ方向の端は、前記間隙における前記光源側の縁部の前記厚さ方向の端よりも前記厚さ方向側に位置し、かつ、前記光源側覆部の前記厚さ方向の反対方向の端は、前記間隙における前記光源側の縁部の前記厚さ方向の反対方向の端よりも前記反対方向側に位置し、
前記カメラ側覆部の前記厚さ方向の端は、前記間隙における前記カメラ側の縁部の前記厚さ方向の端よりも前記厚さ方向側に位置し、かつ、前記カメラ側覆部は、前記レンズの光軸を囲った状態で前記レンズの周囲の前記ボディに重ねられた電子機器。
【請求項2】
前記覆部は、前記実装面に向けて突出した実装面側突出部を有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記覆部は、前記壁に向けて突出した壁側突出部を有する、請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記実装面に実装されたマイクロフォンを備え、
前記遮光部材は、前記マイクロフォンを覆ったマイクロフォンカバー部を有する、請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記遮光部材は、前記カメラの光軸に関して線対称である、請求項4に記載の電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1態様にかかる電子機器は、壁を有する筐体と、前記筐体に収容され、前記壁と対向する実装面を有する基板と、前記筐体に収容され、前記実装面に実装され、前記筐体の外部に面したレンズ、及び前記レンズを支持するボディを有し、前記筐体の外部を撮像するカメラと、前記筐体に収容され、前記実装面に実装され、前記筐体の外部に向けて光を出射する光源と、少なくとも一部が前記カメラと前記光源との間に位置し、前記壁との間に間隙を空けて前記実装面に固定され、前記カメラから放射される電磁波を遮断する電磁波遮断部材と、少なくとも一部が前記間隙に位置したベース部と、前記間隙の外部に位置して前記ベース部と接続され前記間隙を覆い前記光を遮断する覆部と、を有する遮光部材と、を備え、前記遮光部材は、前記ベース部に対して前記光源側に位置した前記覆部である光源側覆部と、前記ベース部に対して前記カメラ側に位置した前記覆部であるカメラ側覆部と、を有し、前記電磁波遮断部材から前記壁に向かう方向と同方向となる前記間隙の厚さ方向において、前記光源側覆部の厚さ及び前記カメラ側覆部の厚さは前記間隙の厚さよりも大きく、前記光源側覆部の前記厚さ方向の端は、前記間隙における前記光源側の縁部の前記厚さ方向の端よりも前記厚さ方向側に位置し、かつ、前記光源側覆部の前記厚さ方向の反対方向の端は、前記間隙における前記光源側の縁部の前記厚さ方向の反対方向の端よりも前記反対方向側に位置し、前記カメラ側覆部の前記厚さ方向の端は、前記間隙における前記カメラ側の縁部の前記厚さ方向の端よりも前記厚さ方向側に位置し、かつ、前記カメラ側覆部は、前記レンズの光軸を囲った状態で前記レンズの周囲の前記ボディに重ねられている
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】