(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173902
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】物品集積装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/53 20060101AFI20221115BHJP
B65G 47/88 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B65G47/53 F
B65G47/88 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079951
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】393027121
【氏名又は名称】シブヤパッケージングシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】石井 正章
【テーマコード(参考)】
3F016
3F017
【Fターム(参考)】
3F016AA01
3F016BA02
3F016CE01
3F017CA03
3F017CD03
3F017DA22
3F017DA44
3F017EB01
3F017FG02
(57)【要約】
【課題】整列コンベヤにおける物品の姿勢の崩れを抑制しながらも物品供給コンベヤにおける大きなラインプレッシャーの発生を防止する。
【解決手段】物品集積装置10は、物品Mを供給する物品供給コンベヤ12と、物品供給コンベヤ12から所定数を単位に物品Mを受け取り、該物品Mを搬送しながら整列、集積する物品整列コンベヤ14と、所定数を単位に物品供給コンベヤ12上の物品Mを物品整列コンベヤ14上に移載する移載装置16と、物品整列コンベヤ14上に集積された物品Mを物品整列コンベヤ14上から取り出す取り出し装置18とを備える。移載装置16は、物品整列コンベヤ14上に物品Mを移載するとき、物品整列コンベヤ14上に所定数の物品Mを移載するごとに、移載位置P1~P5を所定距離ずつ下流側へと移動する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を供給する物品供給コンベヤと、前記物品供給コンベヤから所定数を単位に物品を受け取り、該物品を搬送しながら整列、集積する物品整列コンベヤと、前記所定数を単位に前記物品供給コンベヤ上の物品を前記物品整列コンベヤ上に移載する移載手段と、前記物品整列コンベヤ上に集積された物品を物品整列コンベヤ上から取り出す取り出し手段とを備える物品集積装置において、
前記移載手段は、前記物品整列コンベヤ上に物品を移載するとき、前記物品整列コンベヤ上に前記所定数の物品を移載するごとに、移載位置を所定距離ずつ下流側へと移動する
ことを特徴とする物品集積装置。
【請求項2】
前記物品整列コンベヤ上に規定数の物品を集積した後、前記取り出し手段によって物品を取り出すまでの間、前記物品整列コンベヤを停止することを特徴とする請求項1に記載の物品集積装置。
【請求項3】
物品を連続的に供給する物品供給コンベヤと、前記物品供給コンベヤから所定数を単位に物品を受け取り、該物品を搬送しながら整列、集積する物品整列コンベヤと、前記所定数を単位に前記物品供給コンベヤ上の物品を前記物品整列コンベヤ上に移載する移載手段と、前記物品整列コンベヤ上に集積された物品を物品整列コンベヤ上から取り出す取り出し手段とを備える物品集積装置において、
前記物品整列コンベヤ上に規定数の物品が移載されると、前記物品整列コンベヤは、物品整列コンベヤ上に集積された物品を取り出し位置まで搬送した後に停止し、前記物品整列コンベヤを停止している間に、前記取り出し手段により前記取り出し位置に集積された物品が取り出されると共に、前記移載手段により前記物品整列コンベヤ上に先頭の物品列が第1移載位置に移載され、後続の物品列が前記第1移載位置の上流の第2移載位置に移載されることを特徴とする物品集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品供給コンベヤから所定数の物品を側方の物品整列コンベヤに移載し、物品整列コンベヤにおいて所定行、所定列の物品を集積する物品集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品供給コンベヤ上を1列で連続搬送されてくる容器をストッパで堰き止めて物品供給コンベヤの集積部に所定数集積した後、集積された所定数の容器をプッシャで側方の連続走行する物品整列コンベヤ上の所定位置へ順次押し出すことで、所定行、所定列の容器を物品整列コンベヤ上に集積、整列させる物品集積、整列装置が知られている(特許文献1)。しかし、特許文献1の物品集積、整列装置では、整列コンベヤ上に整列された容器が取り出されるまでの間、物品供給コンベヤ上の集積部に集積された容器を整列コンベヤに押し出すことができず、集積部の容器に大きなラインプレッシャーが掛かる。これにより、容器が変形したり列が崩れたりする恐れがあり、処理能力も低下する。
【0003】
このような問題に対して、整列コンベヤを上流側の第1集積コンベヤと下流側の第2集積コンベヤに分割した物品集積装置が提案されている(特許文献2)。同物品集積装置では、第1集積コンベヤにおける物品の集積が完了すると直ぐに、集積された物品が第2集積コンベヤへと高速で移動される。整列コンベヤからの物品の取り出しは、第2集積コンベヤにおいて行われる。すなわち、第1集積コンベヤでの物品の集積が完了すると、第1集積コンベヤは直ぐに空の状態とされるため、物品供給コンベヤで集積される物品は、集積が完了すると略同時に第1集積コンベヤに押し出すことができる。これにより物品供給コンベヤにおけるラインプレッシャーの発生は防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭57-34180号公報
【特許文献2】特許第6547475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2の構成では、物品供給コンベヤでのラインプレッシャーの発生は防止できるものの、第1集積コンベヤから第2集積コンベヤへ高速で物品を移載する際の加減速と、第1集積コンベヤ、第2集積コンベヤ間の乗り移りとにより物品の姿勢が崩れ、物品の取り出しに失敗してしまうことがある。
【0006】
本発明は、整列コンベヤにおける物品の姿勢の崩れを抑制しながらも物品供給コンベヤにおける大きなラインプレッシャーの発生を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明の物品集積装置は、物品を供給する物品供給コンベヤと、前記物品供給コンベヤから所定数を単位に物品を受け取り、該物品を搬送しながら整列、集積する物品整列コンベヤと、前記所定数を単位に前記物品供給コンベヤ上の物品を前記物品整列コンベヤ上に移載する移載手段と、前記物品整列コンベヤ上に集積された物品を物品整列コンベヤ上から取り出す取り出し手段とを備える物品集積装置において、前記移載手段は、前記物品整列コンベヤ上に物品を移載するとき、前記物品整列コンベヤ上に前記所定数の物品を移載するごとに、移載位置を所定距離ずつ下流側へと移動することを特徴としている。
【0008】
第2の本発明の物品集積装置は、第1の発明において、前記物品整列コンベヤ上に規定数の物品を移載した後、前記取り出し手段によって物品を取り出すまでの間、前記物品整列コンベヤを停止することを特徴としている。
【0009】
第3の本発明の物品集積装置は、物品を連続的に供給する物品供給コンベヤと、前記物品供給コンベヤから所定数を単位に物品を受け取り、該物品を搬送しながら整列、集積する物品整列コンベヤと、前記所定数を単位に前記物品供給コンベヤ上の物品を前記物品整列コンベヤ上に移載する移載手段と、前記物品整列コンベヤ上に集積された物品を物品整列コンベヤ上から取り出す取り出し手段とを備える物品集積装置において、前記物品整列コンベヤ上に規定数の物品が移載されると、前記物品整列コンベヤは、物品整列コンベヤ上に集積された物品を取り出し位置まで搬送した後に停止し、前記物品整列コンベヤを停止している間に、前記取り出し手段により前記取り出し位置に集積された物品が取り出されると共に、前記移載手段により前記物品整列コンベヤ上に先頭の物品列が第1移載位置に移載され、後続の物品列が前記第1移載位置の上流の第2移載位置に移載されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、整列コンベヤにおける物品の姿勢の崩れを抑制しならも物品供給コンベヤにおける大きなラインプレッシャーの発生を防止することことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態である物品集積装置の配置を示す模式的な平面図である。
【
図2】
図1の物品集積装置の模式的な側面図である。
【
図3】本実施形態における移載装置による移載動作を説明するための図である。
【
図4】第2実施形態における移載装置による移載動作を説明するための図である。
【
図5】第2実施形態における移載装置による別の移載動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である物品集積装置の配置を示す模式的な平面図である。また、
図2は、
図1の物品集積装置の模式的な側面図である。
【0013】
物品集積装置10は、物品Mを1列で連続搬送する物品供給コンベヤ12と、物品供給コンベヤ12の側方に隣接して配置され、物品供給コンベヤ12から所定数を単位に物品Mを順次受け取り、所定行、所定列(規定数)の物品Mを整列、集積する物品整列コンベヤ14と、物品供給コンベヤ12上の所定数の物品を一括して物品整列コンベヤ14へと移載する移載装置16と、物品整列コンベヤ14上に集積された規定数の物品Mを一括して取り出す物品取り出し装置18とを備える。
【0014】
物品Mは、例えば蓋をされた丸カップ容器であり、導入コンベヤ20から供給ホイール22を介して、所定の間隔で物品供給コンベヤ12の上流側に供給される。物品供給コンベヤ12は例えば一定速度で連続走行され、下流側の搬送面上には移動規制部材13が配置される。移動規制部材13は、物品供給コンベヤ12の搬送方向に沿って配置される無端チェーン13Aにより搬送方向に沿って移動可能であり、先頭の物品Mに当接してその移動を規制しながら、物品供給コンベヤ12の下流側へと物品供給コンベヤ12の搬送速度よりも僅かに遅い一定の速度で移動する。これにより所定間隔で供給された物品Mは、下流側に移動するにしたがって密接されて物品供給コンベヤ12上を搬送される。なお、移動規制部材13は例えば無端チェーン13Aに所定間隔で複数設けられ、供給ホイール22の上流端において、供給ホイール22から所定間隔で供給される物品M同士の隙間に下側から挿入される。無端チェーン13Aは、移載装置16が一度に移載する物品数(所定数、例えば10個)で物品Mの列を分割するように循環され、分割された各列の先頭の物品Mに移動規制部材13が係合する。
【0015】
物品整列コンベヤ14の上流端は、物品供給コンベヤ12の側辺に隣接して配置され、その搬送方向は、物品供給コンベヤ12の搬送方向に直交する。移載装置16は、物品供給コンベヤ12の下流側において、物品供給コンベヤ12と物品整列コンベヤ14の間を行き来可能にその上方に配置される。移載装置16は、移動規制部材13により物品供給コンベヤ12の下流側で集積された所定数(
図1では10個)の物品Mの天面(蓋)をそれぞれ吸着可能な吸着ヘッド24を備える。すなわち、物品供給コンベヤ12上の物品Mは、所定数を単位に吸着ヘッド24により吸着され、物品整列コンベヤ14へと移載される。
【0016】
各吸着ヘッド24は、垂直に配置された昇降ロッド26の下端に保持され、昇降ロッド26は、昇降モータ28により駆動される昇降機構28Aにより昇降される。また、昇降機構28Aは、物品整列コンベヤ14の搬送方向に沿って配置されるガイドレール30上に保持され、モータ30Aの駆動により物品整列コンベヤ14の搬送方向に往復移動可能である。更に、ガイドレール30は物品供給コンベヤ12の搬送方向に沿って配置されるガイドレール(不図示)上に保持され、第2モータ(不図示)の駆動により物品供給コンベヤ12の搬送方向に往復移動可能である。なお、
図2では、物品Mを吸着した吸着ヘッド24が下降され、物品整列コンベヤ14上に物品Mを載置した状態(実線)と、吸着ヘッド24が上昇され、物品供給コンベヤ12上に移動された状態(破線)とが描かれている。
【0017】
物品供給コンベヤ12上において吸着ヘッド24に吸着された物品Mは、昇降機構28Aにより持ち上げられ、モータ30Aによりガイドレール30に沿って物品整列コンベヤ14上へと移動される。その後、昇降機構28Aにより下降され、物品整列コンベヤ14上の所定の移載位置(後述)に載置され解放される。なお、物品供給コンベヤ12上の物品Mを吸着する際、物品Mは物品供給コンベヤ12により移動しているので、移載装置16は第2モータを駆動して吸着ヘッド24を物品Mに追従して搬送方向に移動する。また、物品Mの物品整列コンベヤ14への移載を終えると、吸着ヘッド24は元の位置に戻され同様の処理が繰り返される。
【0018】
物品取り出し装置18は、物品整列コンベヤ14に集積された規定数(本実施形態では10行×10列、合計100個)の物品Mを一括して取り出し、物品整列コンベヤ14の下流側に隣接して配置されるコンテナ載置部32に載置されたコンテナCに移載する。物品取り出し装置18は、物品整列コンベヤ14とコンテナ載置部32の上方に亘って配置され、物品整列コンベヤ14の搬送方向に沿ったガイドレール18Aを備える。ガイドレール18Aには、ガイドレール18Aに沿って摺動するスライダ18Bが取り付けられ、スライダ18Bは、モータ18Cの駆動によりガイドレール18A上を往復移動する。
【0019】
また、スライダ18Bには、昇降機構(不図示)により昇降される垂直に延出する昇降ロッド34が設けられ、昇降ロッド34の下端には吸着ディスク36が取り付けられる。吸着ディスク36は、物品整列コンベヤ14に集積された規定数の物品Mの天面(蓋)をそれぞれ吸着可能である。物品取り出し装置18は、物品整列コンベヤ14上に集積された物品Mを吸着すると、昇降機構により吸着ディスク36を持ち上げ、モータ18Cによりコンテナ載置部32の上方へと移動する。移動された吸着ディスク36は、その後、昇降機構により下降され、コンテナ載置部32に載置されたコンテナC内に規定数の物品Mを載置し、解放する。物品Mを解放した吸着ディスク36は、昇降機構とモータ18Cの駆動により元の位置に戻され、同様の処理を繰り返す。
図2には、吸着ディスク36が物品整列コンベヤ14上で下降され、物品Mの天面を吸着した状態が実線で示され、物品Mを吸着した吸着ディスク36がコンテナ載置部32上に移動されるとともに下降される直前の状態が破線で示される。
【0020】
図2に示されるように、コンテナ載置部32は、物品整列コンベヤ14の搬送方向に所定間隔で並べられる複数の回転ローラ32Aで構成される。コンテナ載置部32に載置され、規定数の物品Mが収容されたコンテナCは、回転ローラ32Aの回転により物品整列コンベヤ14とは反対側に移送され、隣接して配置されるコンテナ段積み部38へと移動される。なお、コンテナ段積み部38も物品整列コンベヤ14の搬送方向に所定間隔で並べられる複数の回転ローラ38Aで構成される。
【0021】
一方、コンテナCは、
図1に示すようにコンテナ載置部32の側方に隣接して配置されるコンテナ供給部40から供給される。コンテナ供給部40は、
図2に示されるように、コンテナ供給装置40Aを用いてコンテナCを順次供給する。コンテナ供給装置40Aは、例えば回転ローラ32Aの隙間に沿って往復移動可能であるとともに昇降可能な複数の平行な板部材からなる。コンテナ供給時には、板部材はその上辺が回転ローラ32Aよりも高い位置まで上昇され、コンテナ供給部40のコンテナCは、板部材の上に載せられて回転ローラ32Aの上まで移動される。その後、板部材はその上辺が回転ローラ32Aよりも低い位置になるまで下降される。これにより、コンテナCは回転ローラ32Aの上に載せられ、板部材はコンテナ供給部40に戻される。コンテナ載置部32のコンテナCがコンテナ段積み部38へと排出されると、同様の処理が繰り返される。
【0022】
次に、
図3を参照して本実施形態の移載装置16の物品移載動作について説明する。
図3は、物品供給コンベヤ12と物品整列コンベヤ14の模式的な側面図を時系列で並べた図であり、物品供給コンベヤ12上の所定数の物品Mの列を、順次物品整列コンベヤ14上に移載して整列、集積する様子を示す。なお、
図3では便宜的に物品Mの5つ列(A)~(E)を物品整列コンベヤ14に集積するときの様子が示される。
【0023】
図3(a)には、第1物品列(A)が移載装置16により物品整列コンベヤ14に移載された直後の状態が示される。このとき第1物品列(A)は、物品整列コンベヤ14の上流端近くの第1移載位置P1に移載される。物品整列コンベヤ14は第1物品列(A)が物品供給コンベヤ12から物品整列コンベヤ14に移載される間停止されており、第1物品列(A)が移載されると同時に物品整列コンベヤ14により下流側へと移送される。
【0024】
図3(b)には、
図3(a)において物品供給コンベヤ12上に集積されていた第2物品列(B)が、移載装置16により物品整列コンベヤ14の第2移載位置P2に移載された直後の状態が示される。物品供給コンベヤ12において第2物品列(B)が集積されている間、第1物品列(A)は物品整列コンベヤ14により下流側に一定距離移送される。第2移載位置P2は、物品整列コンベヤ14に移載される第2物品列(B)が、移動された第1物品列(A)の後縁に隣接するように設定される。
【0025】
図3(c)には、
図3(b)において物品供給コンベヤ12上に集積されていた第3物品列(C)が、移載装置16により物品整列コンベヤ14の第3移載位置P3に移載された直後の状態が示される。物品供給コンベヤ12において第3物品列(C)が集積されている間、第1、第2物品列(A)、(B)は物品整列コンベヤ14により下流側に一定距離移送される。第3移載位置P3は、物品整列コンベヤ14に移載される第3物品列(C)が、移動された第2物品列(B)の後縁に隣接するように設定される。
【0026】
同様に、
図3(d)には、
図3(c)において物品供給コンベヤ12上に集積されていた第4物品列(D)が、移載装置16により物品整列コンベヤ14の第4移載位置P4に移載された直後の状態が示される。物品供給コンベヤ12において第4物品列(D)が集積されている間、第1、第2、第3物品列(A)、(B)、(C)は物品整列コンベヤ14により下流側に一定距離移送される。第4移載位置P4は、物品整列コンベヤ14に移載される第4物品列(D)が、移動された第3物品列(C)の後縁に隣接するように設定される。
【0027】
図3(e)には、
図3(d)において物品供給コンベヤ12上に集積されていた第5物品列(E)が、移載装置16により物品整列コンベヤ14の第5移載位置P5に移載された直後の状態が示される。
図3において、第5物品列(E)は物品整列コンベヤ14に移載、集積される最後の物品列である。これまでと同様に、物品供給コンベヤ12において第5物品列(E)が集積されている間、第1、第2、第3、第4物品列(A)、(B)、(C)、(D)は物品整列コンベヤ14により下流側に一定距離移送される。第5移載位置P5は、物品整列コンベヤ14に移載される第5物品列(E)が、移動された第4物品列(D)の後縁に隣接するように設定される。
【0028】
このとき物品整列コンベヤ14は停止され、第1~第5物品列(A)~(E)の各物品Mの天面が、吸着ヘッド24により吸着・保持される。その後、物品整列コンベヤ14に集積された第1~第5物品列(A)~(E)が物品取り出し装置18により物品整列コンベヤ14上から取り出され、その間に物品供給コンベヤ12上で集積された次の第1物品列(A)が、第1移載位置P1に移載される。その後、物品整列コンベヤ14は再稼働され、同様の処理が繰り返される。なお、
図3(e)では、次に移載される第1物品列(A)の第1移載位置P1における位置が破線で示される。
【0029】
なお、物品整列コンベヤ14が停止されるまでの間、物品整列コンベヤ14は一定の速度で走行されている。そのため、第1~第5物品列(A)~(E)の各列が物品整列コンベヤ14上に移載されるとき、前に移載された物品列は、各移載位置から一定距離(所定距離)ずつ下流側に移動しているため、移載位置は物品列を移載するごとに上記所定距離ずつ下流側へと移動する。これにより、物品整列コンベヤ14への最後の物品列(ここでは第5物品列(E))の移載が完了したとき、物品整列コンベヤ14の上流端(第1移載位置P1)には、次に物品列の移載に必要な少なくとも1列分の空き領域が形成される。これにより物品整列コンベヤ14上に規定数の物品を集積した後、取り出し手段18によって物品を取り出されるまでの間、物品整列コンベヤ14上に物品を移載するスペースを確保することができるので、物品供給コンベヤ12をストッパで停止させて、大きなラインプレッシャが発生するのを防止することができる。
【0030】
本実施形態では物品整列コンベヤ14の上流端に1列分の空き領域が形成されたが、物品取り出し装置18による物品の取り出し時間がさらに必要になる場合には、2列以上の空き領域が形成されるように物品整列コンベヤ14の速度と移載装置16による移載位置を制御することも可能である。また、本実施形態では物品整列コンベヤ14が停止されるまでの間、物品整列コンベヤ14は一定の速度で走行されているが、物品供給コンベヤ12において所定数の物品が集積されて物品整列コンベヤ14上に移載されるごとに間欠的に搬送されるものであってもよい。
【0031】
図4を参照して第2実施形態の移載装置16における物品移載動作について説明する。第2実施形態は、物品取り出し装置18による物品の取り出し時間が第1実施形態のときよりも長い場合に対応する。なお、物品整列コンベヤ14上に規定数の物品を集積した後、取り出し装置18によって物品を取り出すまでの間、物品整列コンベヤ14上に物品を移載するスペースを確保している点で第1実施形態と共通する。
【0032】
図4は、物品供給コンベヤ12と物品整列コンベヤ14の模式的な側面図を時系列で並べた図であり、物品供給コンベヤ12上の所定数の物品Mの列を、順次物品整列コンベヤ14上に移載して整列、集積する様子を示す。なお、
図4では便宜的に物品Mの5つの列(A)~(E)を物品整列コンベヤ14に集積するときの様子が示される。
【0033】
図4(a)には、第1物品列(A)が移載装置16により物品整列コンベヤ14に移載された直後の状態が示される。このとき物品整列コンベヤ14は停止されており、第1物品列(A)は、物品整列コンベヤ14の上流端から物品1つ分離れた第1移載位置Q1に移載される。また、物品整列コンベヤ14の下流側には、1つ前の移載動作において物品整列コンベヤ14に整列、集積された物品列(A)、(B)、(C)、(D)、(E)が、物品取り出し装置18による取り出しに備えて待機している。
【0034】
図4(b)には、
図4(a)において物品整列コンベヤ14の下流側に整列、集積された物品列(A)、(B)、(C)、(D)、(E)が物品取り出し装置18により取り出され、停止されていた物品整列コンベヤ14の走行が再開された直後の状態が示される。このとき、物品供給コンベヤ12上に集積されていた第2物品列(B)が、移載装置16により物品整列コンベヤ14の第2移載位置Q2に移載される。第2移載位置Q2は、物品整列コンベヤ14に移載される第2物品列(B)が、第1移載位置Q1に移載された第1物品列(A)の後縁に隣接するように設定される。第2物品列(B)が移載位置Q2に移載されると第1、第2物品列(A)、(B)は物品整列コンベヤ14により下流側へと物品1つ分(第1所定距離)移送される。
【0035】
図4(c)には、
図4(b)において物品供給コンベヤ12上に集積されていた第3物品列(C)が、移載装置16により物品整列コンベヤ14の第2移載位置Q2に移載された直後の状態が示される。第3物品列(C)が第2移載位置Q2に移載されると第1、第2、第3物品列(A)、(B)、(C)は物品整列コンベヤ14により下流側へと物品1つ分(第1所定距離)移送される。
【0036】
同様に、
図4(d)には、
図4(c)において物品供給コンベヤ12上に集積されていた第4物品列(D)が、移載装置16により物品整列コンベヤ14の第2移載位置Q2に移載された直後の状態が示される。第4物品列(D)が移載位置Q2に移載されると第1、第2、第3、第4物品列(A)、(B)、(C)、(D)は物品整列コンベヤ14により、下流側へと物品2つ分(第2所定距離)移送される。
【0037】
図4(e)には、
図4(d)において物品供給コンベヤ12上に集積されていた第5物品列(E)が、移載装置16により物品整列コンベヤ14の第1移載位置Q1に移載された直後の状態が示される。
図4において、第5物品列(E)は物品整列コンベヤ14に移載、集積される最後の物品列である。第5物品列(E)が移載されると第1、第2、第3、第4、第5物品列(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は物品整列コンベヤ14により下流側へと物品2つ分(第2所定距離)移送される。
【0038】
この後、状態は
図4(a)の状態に戻る。すなわち、物品整列コンベヤ14は停止され、第1~第5物品列(A)~(E)の各物品Mの天面が、吸着ヘッド24により吸着・保持されるとともに、物品供給コンベヤ12上で集積された次の第1物品列(A)が第1移載位置Q1に移載される。更に、
図4(b)に示されるように、第2物品列(B)が第2移載位置Q2に移載されるとともに、物品整列コンベヤ14に集積された第1~第5物品列(A)~(E)が物品取り出し装置18により物品整列コンベヤ14上から取り出され、物品整列コンベヤ14が再稼働される。以下、
図4(c)以下の処理が同様に繰り返される。
【0039】
第2実施形態の物品移載動作によれば、物品整列コンベヤ14に整列、集積された物品Mを取り出すために物品整列コンベヤ14が停止されるとき、物品整列コンベヤ14の上流側には、次の物品列の移載に必要な少なくとも2列分の空き領域が形成される。なお、第2実施形態では、第1物品列(A)~第3物品列(C)を移載した後と第4物品列(D)、第5物品列(E)を移載した後で物品整列コンベヤ14による移送距離が異なっているが、物品整列コンベヤ14は同じ所要時間内に間欠搬送されるようになっている。
【0040】
第2実施形態では最後の物品列の前の物品列(第4物品列(D))を第2移載位置Q2に移載した後に第1、第2、第3、第4物品列(A)、(B)、(C)、(D)を物品整列コンベヤ14により下流側へと物品2つ分移送させて(
図4(d))、最後の物品列(第5物品列(E))を第1移載位置Q1に移載した後に第1、第2、第3、第4、第5物品列(A)、(B)、(C)、(D)、(E)を物品整列コンベヤ14により下流側へと物品2つ分移送させている(
図4(e))。
【0041】
しかし、
図4(d)、(e)の動作に替えて、
図5(d)、(e)に示されるように、最後の物品列(E)の前の物品列(第4物品列(D))を第2移載位置Q2に移載した後に1、第2、第3、第4物品列(A)、(B)、(C)、(D)を物品整列コンベヤ14により下流側へと物品1つ分移送させて、最後の物品列(第5物品列(E))を第2移載位置Q2に移載した後に第1、第2、第3、第4、第5物品列(A)、(B)、(C)、(D)、(E)を物品整列コンベヤ14により下流側へと物品3つ分(第3所定距離)移送させてもよい。すなわち、移載位置と移送距離は必要に応じて変更することができる。
【0042】
以上のように、本実施形態の物品集積装置によれば、特許文献2のように、物品整列コンベヤを2台のコンベヤに分割し、両コンベヤ間で物品を高速移動しなくても、物品整列コンベヤでの前のグループの物品の集積が完了するまでに、物品整列コンベヤの上流側に次のグループの最初の物品列を受け入れるスペースを設けることができる。これにより、整列コンベヤにおける物品の姿勢の崩れを抑制しながらも物品供給コンベヤにおける大きなラインプレッシャーの発生を防止できる。
【0043】
また、本実施形態では、物品供給コンベヤを停止することなく移載装置により物品列を物品整列コンベヤに移載しているが、物品列を保持する際に物品供給コンベヤを停止する構成とすることもできる。
【0044】
本実施形態では、丸カップ容器を例に説明を行ったが、容器の形状はこれに限定されず、また物品として容器以外のものであってもよいが、テーパ形状など姿勢が崩れやすい形状の物品において特に効果が高い。
【0045】
本実施形態では、供給コンベヤから物品が1列で供給されたが、複数列で物品が供給される構成であってもよく、複数の供給コンベヤを並列に配列する構成であってもよい。物品が複数列で供給される場合、複数の物品列を移載装置で同時に整列コンベヤに移載する構成とすることもできる。
【0046】
本実施形態の移載装置は、物品の天面を吸着して物品の移送を行ったが、移載装置はこれに限定されず、例えば物品列を側方から整列コンベヤに向けて押し出すプッシャを利用したものであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 物品集積装置
12 物品供給コンベヤ
14 物品整列コンベヤ
16 移載装置(移載手段)
(A)~(E) 第1~第5物品列
M 物品
P1~P5 第1~第5移載位置