(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173903
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B08B 9/093 20060101AFI20221115BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B08B9/093
B08B3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079952
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】北村 隆人
(72)【発明者】
【氏名】大嶽 毅一
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
【Fターム(参考)】
3B116AA21
3B116AB02
3B116BB24
3B116BB26
3B116BB34
3B116BB47
3B201AA21
3B201AB02
3B201BB24
3B201BB26
3B201BB34
3B201BB47
(57)【要約】
【課題】ノズルを挿入して容器内面および容器外面を洗浄する洗浄装置の小型化を図る。
【解決手段】洗浄装置10は、天面に開口12Bが形成された洗浄ブース12と、洗浄ブース12内に収容された容器Vの外面を洗浄する外面洗浄ノズル18Bと、容器Vの開口部Voを閉鎖する第1蓋36と、洗浄ブース12内に収容された容器Vの開口部Voを介してその内部に挿入されて、開口部Voが第1蓋36によって閉鎖された容器Vの内面を洗浄する内面洗浄ノズル20と、下端部に内面洗浄ノズル20が設けられるとともに、その周囲に第1蓋36が取り付けられるノズルシャフト14と、ノズルシャフト14を昇降させる昇降装置16と、昇降装置16によって昇降されて容器Vの洗浄時に洗浄ブース12の天面に形成された開口12Bを閉鎖する第2蓋38とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を収容可能であり、天面に開口が形成された洗浄ブースと、
前記洗浄ブース内に収容された容器の外面を洗浄する外面洗浄ノズルと、
容器の開口部を閉鎖する第1蓋と、
前記洗浄ブース内に収容された容器の開口部を介してその内部に挿入されて、開口部が前記第1蓋によって閉鎖された容器の内面を洗浄する内面洗浄ノズルと、
下端部に前記内面洗浄ノズルが設けられるとともに、その周囲に前記第1蓋が取り付けられるノズルシャフトと、
前記ノズルシャフトを昇降させる昇降手段と、
前記昇降手段によって昇降されて容器の洗浄時に前記洗浄ブースの天面に形成された開口を閉鎖する第2蓋と
を備えることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記ノズルシャフトの周囲に設けられて前記第2蓋を支持する支持手段を備え、前記支持手段は、前記ノズルシャフトが降下することによって前記洗浄ブースの天面に形成された開口が前記第2蓋により閉鎖されると前記第2蓋の支持が解除されて、ノズルシャフトが更に降下することを可能にすることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の内側および外側を洗浄する洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品などの製造過程で使用されるタンクなどの容器は、容器の使用前または使用後に、衛生面から容器の内面だけでなく外面の洗浄が求められる場合がある。このような洗浄装置として、洗浄ブース内に容器を収容した状態で、容器の内部に内面洗浄ノズルを挿入して容器の内面を洗浄するとともに、外面洗浄ノズルによって容器の外面を洗浄する洗浄装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の洗浄装置では、容器を洗浄ブースに出し入れする際に内面洗浄ノズルが容器に干渉しないようにタンクの開口部よりも高い位置に退避させておく必要があり、ブースの高さは余裕をもって設けられる必要がある。特に容器の内面の洗浄時に内面洗浄ノズルが設けられたノズルシャフトの上方に容器の開口部から内容物の残渣が飛び出して洗浄ブースを汚さないように、開口部を閉鎖する蓋体が設けられている場合、ノズルシャフトとともに上昇された蓋体が洗浄ブースと干渉しないように洗浄ブースの天井をより高くする必要があり、洗浄装置が大型化する。
【0005】
本発明は、ノズルを挿入して容器内面および容器外面を洗浄する洗浄装置の小型化を図ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発明である洗浄装置は、容器を収容可能であり、天面に開口が形成された洗浄ブースと、前記洗浄ブース内に収容された容器の外面を洗浄する外面洗浄ノズルと、容器の開口部を閉鎖する第1蓋と、前記洗浄ブース内に収容された容器の開口部を介してその内部に挿入されて、開口部が前記第1蓋によって閉鎖された容器の内面を洗浄する内面洗浄ノズルと、下端部に前記内面洗浄ノズルが設けられるとともに、その周囲に前記第1蓋が取り付けられるノズルシャフトと、前記ノズルシャフトを昇降させる昇降手段と、前記昇降手段によって昇降されて容器の洗浄時に前記洗浄ブースの天面に形成された開口を閉鎖する第2蓋とを備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の第2の発明である洗浄装置は、第1の発明において、前記ノズルシャフトの周囲に設けられて前記第2蓋を支持する支持手段を備え、前記支持手段が、前記ノズルシャフトが降下することによって前記洗浄ブースの天面に形成された開口が前記第2蓋により閉鎖されると前記第2蓋の支持が解除されて、ノズルシャフトが更に降下することを可能にすることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ノズルを挿入して容器内面および容器外面を洗浄する洗浄装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態である洗浄装置の構成を示す平面図である。
【
図2】容器出し入れの際の洗浄装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である洗浄装置の構成を示す平面図であり、
図2、
図3は、
図1の洗浄装置の縦断面図である。
図2にはノズルシャフトが上昇され、容器の出し入れが行われる状態が示され、
図3にはノズルシャフトが下降され、容器の洗浄が行われる状態が示される。
【0011】
本実施形態の洗浄装置10は、例えば食品や化粧品、薬剤などの製造過程で使用され、上部に上方に向けて開放可能な開口部Voを備える容器(タンク)Vの洗浄に用いられる。洗浄装置10は、容器Vを収容する洗浄ブース12と、洗浄ブース12内に収容された容器Vの開口部Voを通して上方から容器V内に挿入されるノズルシャフト14と、ノズルシャフト14の昇降を行うノズル昇降装置(昇降手段)16とを備える。
【0012】
洗浄ブース12の側面には、容器Vを洗浄ブース12内に出し入れするための扉12Aが設けられ、洗浄ブース12の天面には、洗浄ブース12内に収容された容器Vの開口部Voからノズルシャフト14を挿入するための開口12Bが設けられる。また、洗浄ブース12の内側には、収容された容器Vの外周面全体を洗浄するための外面洗浄ユニット18が配置される。外面洗浄ユニット18は、洗浄ブース12の内側面に沿って配管され、洗浄液を供給する洗浄液供給管18Aと、容器Vの外周面に向けて洗浄液供給管18Aに取り付けられる多数の外面洗浄ノズル18Bを備える。外面洗浄ノズル18Bは、例えば上下3段に分けて容器Vの周囲を取り囲むように配置される。また、洗浄液供給管18Aには、洗浄液供給源18Cから洗浄液が供給される。
【0013】
ノズルシャフト14は、開口12Bの略中心に沿って略垂直に配置される。ノズルシャフト14の下端部には、容器V内に挿入され、その内側面に洗浄液を噴射して洗浄する内面洗浄ノズル20が設けられ、その上端部には内面洗浄ノズル20の向きを略全方位に亘って回転可能なノズル駆動部22および洗浄液供給源に接続される洗浄液供給管24が設けられる。ノズルシャフト14は、ノズル駆動部22の直ぐ下においてノズル昇降装置16のアーム26により保持される。
【0014】
昇降アーム26は、直立する支柱28の垂直方向に沿って延在するレール30に係合するスライダ32を通して昇降自在に支持される。支柱28には昇降アーム26をレール30に沿って昇降させるための駆動機構34が設けられる。本実施形態の駆動機構34は、支柱28の上下に設けられたスプロケット34Aに掛け回される無端チェーン34Bと、上方のスプロケット34Aを回転させるモータ34Cとから構成される。モータ34Cの動力は、スプロケット34Aと無端チェーン34Bを介して無端チェーン34Bと昇降アーム26を連結する支持部材34Dにより昇降アーム26へと伝達される。
【0015】
ノズルシャフト14の所定高さには、容器Vの開口部Voを閉鎖すための第1蓋36がノズルシャフト14の周囲を取り囲むように取り付けられる。また、ノズルシャフト14において第1蓋36の上方には、洗浄ブース12の開口12Bを閉鎖するための第2蓋38が、昇降自在にノズルシャフト14の周囲を取り囲むように取り付けられる。ノズルシャフト14において第1蓋36の直ぐ上には、昇降する第2蓋38の下降位置を規制する支持部材38Aが設けられる。
【0016】
本実施形態において、洗浄ブース12の開口12B、容器Vの開口部Vo、第1蓋36、第2蓋38は円形である。開口12Bの内径は開口部Voの内径よりも大きく、第1蓋36の外径は洗浄ブース12の開口12Bの内径よりも小さく、容器Vの開口部Voの内径よりも大きい。また、第2蓋38の外径は、洗浄ブース12の開口12Bよりも大きい。
【0017】
図2に示されるように、容器Vが洗浄ブース12内に出し入れされる際、ノズルシャフト14は、下端に設けられた内面洗浄ノズル20が容器Vの開口部Voよりも高い位置に配置されるまでノズル昇降装置16により上昇される。このとき第2蓋38は、自重により支持部材38A上に支持される。洗浄ブース12内に収容された容器Vは、その開口部Voが洗浄ブース12の開口12Bと略同軸となる洗浄位置に配置される。
【0018】
容器Vが洗浄位置に配置され固定されると、ノズル昇降装置16によりノズルシャフト14が下降される。これによりノズルシャフト14は、洗浄ブース12の開口12Bの中心軸に沿って下降され、ノズルシャフト14の下端、すなわち内面洗浄ノズル20は開口部Voを通して容器V内へと下降される。このとき第1蓋36は洗浄ブース12の開口12Bを通して洗浄ブース12内へと下降され、
図3に示されるように、第1蓋36が容器Vの開口端に当接し開口部Voを閉鎖すると、ノズル昇降装置16によるノズルシャフト14の下降は停止される。
【0019】
また、
図2の状態から
図3の状態までノズルシャフト14が下降される間に、支持部材38Aにより保持される第2蓋38の外周部は洗浄ブース12の開口12Bを取り囲む内周部に当接して開口12Bを閉鎖する。第2蓋38は、ノズルシャフト14に対して昇降自在に構成されるため、第2蓋38が開口12Bを閉鎖した後、ノズルシャフト14が更に下降されても、第2蓋38は支持部材38Aから離接(支持が解除)され、開口12Bを閉鎖した状態で維持される。これにより第2蓋38により開口12Bが閉鎖された状態で、ノズルシャフト14および第1蓋36のみが容器Vに向けて更に下降され、内面洗浄ノズル20が容器V内の略中央高さにまで挿入されるとともに開口部Voが第1蓋36により閉鎖される(
図3の状態)。
【0020】
本実施形態における容器Vの洗浄作業は、
図3の状態において容器Vの外面および内面に洗浄液を吹き付けて行われる。すなわち、洗浄ブース12内に設置された多数の外面洗浄ノズル18Bから容器Vの外面全体に向けて洗浄液が噴射するとともに、ノズルシャフト14の下端の内面洗浄ノズル20から容器Vの内面に向けて洗浄液を噴射する。内面洗浄ノズル20は、ノズル駆動部22により例えば垂直軸周りに略360度、水平軸周りに略360度回転され、容器Vの内面全体に洗浄液が吹き付けられる。なお、容器Vの洗浄作業は、洗浄ブース12外に洗浄液が飛び出さないように扉12Aが閉鎖されていないと開始されず、洗浄作業中は扉12Aを開けられないようになっている。
【0021】
以上のように、本実施形態の洗浄装置によれば、洗浄ブース天面に開口を設け、ノズルシャフトをこの開口を通して洗浄ブース内に挿入可能とするとともに、この開口を閉鎖する第2蓋をノズルシャフトとともに昇降可能に設けたことで、洗浄ブースの天井高さを低くすることができる。これにより、洗浄ブースを小型化でき、洗浄装置を小型化できる。
【0022】
本実施形態によれば、洗浄ブース天面に設けられた開口を閉鎖する第2蓋をノズルシャフトとともに昇降可能に設けたことで、ノズルシャフトの長さを短くできるので、洗浄装置の小型化において更に有利である。また、洗浄装置の小型化にともなってメンテナンス性も向上する。更に、本実施形態の洗浄装置によれば、容器高さや径が異なる容器にも容易に対応することができる。
【符号の説明】
【0023】
10 洗浄装置
12 洗浄ブース
12B 開口
14 ノズルシャフト
16 ノズル昇降装置(昇降手段)
18B 外面洗浄ノズル
20 内面洗浄ノズル
36 第1蓋
38 第2蓋
V 容器
Vo 開口部