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特開2022-173911プリント基板の劣化検出装置及び劣化検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173911
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】プリント基板の劣化検出装置及び劣化検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/52 20200101AFI20221115BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20221115BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
G01R31/52
H05K1/02 C
H05K1/02 J
H05K3/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021079964
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】平井 孝資
(72)【発明者】
【氏名】寺本 真也
【テーマコード(参考)】
2G014
5E338
【Fターム(参考)】
2G014AA03
2G014AA15
2G014AB59
2G014AC15
5E338AA02
5E338BB02
5E338BB16
5E338CC09
5E338CD12
5E338CD32
5E338EE44
(57)【要約】
【課題】 洗浄液等の導電性物質が基板内に残り、基板が劣化した状態にあるような場合に、それを検出可能としたプリント基板の劣化検出装置及び検出方法を提供する。
【解決手段】 回路がパターン形成されたプリント基板4に、複数の電気的導通性の無い孔11が穿設されると共に、孔11に電圧を印加するためにプリント基板4の表裏両面にパターン形成された導体5の組を有し、導体5の組に所定の電圧を印加して、流れる電流情報を入手する電流検出部6と、電流検出部6が入手した電流の変化からプリント基板4の劣化を判断する劣化判定部22とを有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路がパターン形成されたプリント基板に、少なくとも1つの電気的導通性の無い孔が穿設されると共に、当該孔に電圧を印加するために前記プリント基板の表裏両面にパターン形成された導体の組を有し、
前記導体の組に所定の電圧を印加して、流れる電流情報を入手する電流情報入手部と、
前記電流情報入手部が入手した電流の変化から前記プリント基板の劣化を判断する劣化判定部とを有することを特徴とするプリント基板の劣化検出装置。
【請求項2】
前記孔に対して印加される電圧が交流電圧であると共に、前記電流情報入手部が交流電流情報を入手し、
前記劣化判定部は、入手した交流電流値の変化から静電容量の変化を検出し、静電容量の変化から前記プリント基板の劣化を判断することを特徴とする請求項1記載のプリント基板の劣化検出装置。
【請求項3】
前記孔に対して印加される電圧が直流電圧であると共に、前記電流情報入手部が直流電流情報を入手し、
前記劣化判定部は、入手した直流電流値の変化から前記プリント基板の劣化を判断することを特徴とする請求項1記載のプリント基板の劣化検出装置。
【請求項4】
表裏両面に形成された前記導体の組を複数有すると共に、前記プリント基板への電源供給を遮断する電源遮断手段を有し、
前記劣化判定部が劣化発生と判断した前記導体の組の数が所定数に達したら、前記電源遮断手段を遮断操作する遮断信号生成部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のプリント基板の劣化検出装置。
【請求項5】
表裏両面に形成された前記導体の組を複数有すると共に、前記プリント基板への電源供給を遮断する電源遮断手段を有し、
前記劣化判定部が、特定の前記導体の組に対して劣化発生と判断したら、前記電源遮断手段を遮断操作する遮断信号生成部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のプリント基板の劣化検出装置。
【請求項6】
回路がパターン形成されたプリント基板の劣化を検出するプリント基板の劣化検出方法であって、
前記プリント基板に、少なくとも1つの電気的導通性の無い孔を穿設し、当該孔に対して、前記プリント基板の両面から電圧を印加して電流を計測し、
計測した前記電流の変化から前記プリント基板の劣化を検出することを特徴とするプリント基板の劣化検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板の劣化を検出する劣化検出装置及び劣化検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板の状態を、基板を取り外すこと無く検査する形態として、例えば特許文献1の劣化検出装置がある。
特許文献1の技術は、塩害や酸性雰囲中で使用される場合の経年劣化の状況を、基板を取り外すこと無く行うもので、プリント基板に検査専用の電極導体をパターン形成し、この導体の劣化を検出することで、プリント基板の劣化を判断した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-358429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、腐食等の経年劣化を検出することはできたが、近年エアコン等で行われている洗浄により発生する劣化に対応してはいなかった。
エアコン等の電気機器を洗浄した場合、プリント基板やその接続端子に洗浄液残りが発生する場合があり、そのような場合絶縁抵抗が低下して短絡や所謂トラッキング現象が発生する場合があった。そのため、このような絶縁劣化現象を検知できる機能を備えたプリント基板が求められていた。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、洗浄液等の導電性物質が基板内に残り、基板が劣化した状態にあるような場合に、それを検出可能としたプリント基板の劣化検出装置及び検出方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明に係るプリント基板の劣化検出装置は、回路がパターン形成されたプリント基板に、少なくとも1つの電気的導通性の無い孔が穿設されると共に、当該孔に電圧を印加するためにプリント基板の表裏両面にパターン形成された導体の組を有し、導体の組に所定の電圧を印加して、流れる電流情報を入手する電流情報入手部と、電流情報入手部が入手した電流の変化からプリント基板の劣化を判断する劣化判定部とを有することを特徴とする。
この構成によれば、プリント基板に形成した電気的導通性の無い孔を介して連結されている導体間の抵抗が変化したら、即ち低下したら、電流の変化からそれを検出できる。よって、エアコンの洗浄液や水等がプリント基板に侵入する劣化が発生したら、それを検知することができる。ひいてはトラッキング発生の防止に役立てることができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、孔に対して印加される電圧が交流電圧であると共に、電流情報入手部が交流電流情報を入手し、劣化判定部は、入手した交流電流値の変化から静電容量の変化を検出し、静電容量の変化からプリント基板の劣化を判断することを特徴とする。
この構成によれば、孔に交流電圧を印加するため、抵抗値が変化しなくても静電容量の変化を電流の変化から検知できる。よって、孔に導電性の無い異物が侵入した場合も静電容量のの変化からそれを検出でき、何らかの異物が孔に入った場合も基板の劣化として判断できる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1に記載の構成において、孔に対して印加される電圧が直流電圧であると共に、電流情報入手部が直流電流情報を入手し、劣化判定部は、入手した直流電流値の変化からプリント基板の劣化を判断することを特徴とする。
この構成によれば、孔に直流電圧を印加して検知するため、プリント基板に供給される直流電源を使用でき、簡易な回路で基板の劣化を検出できる。
【0009】
請求項4発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の構成において、表裏両面に形成された導体の組を複数有すると共に、プリント基板への電源供給を遮断する電源遮断手段を有し、劣化判定部が劣化発生と判断した導体の組の数が所定数に達したら、電源遮断手段を遮断操作する遮断信号生成部を有することを特徴とする。
この構成によれば、プリント基板の複数箇所で劣化が発生したら、即ちプリント基板が広範囲で劣化したら、プリント基板の電源を遮断するため、トラッキング等の発生を確実に防止できる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の構成において、表裏両面に形成された導体の組を複数有すると共に、プリント基板への電源供給を遮断する電源遮断手段を有し、劣化判定部が、特定の導体の組に対して劣化発生と判断したら、電源遮断手段を遮断操作する遮断信号生成部を有することを特徴とする。
この構成によれば、プリント基板の中で、高電圧が印加されるような部位の劣化に対しては、他の箇所が正常であっても速やかに電源を遮断させることが可能であり、劣化による事故を確実に防止できる。
【0011】
請求項6の発明は、回路がパターン形成されたプリント基板の劣化を検出するプリント基板の劣化検出方法であって、プリント基板に、少なくとも1つの電気的導通性の無い孔を穿設し、当該孔に対して、プリント基板の両面から電圧を印加して電流を計測し、計測した電流の変化からプリント基板の劣化を検出することを特徴とする。
この方法によれば、プリント基板に形成した電気的導通性の無い孔に対して、導通性を有する等の電気的特性の変化が発生したら、それを検出できる。よって、洗浄液や水等がプリント基板に残っていたら、孔の電気的特性の変化からそれを検知でき、プリント基板の劣化検出に有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プリント基板に形成した電気的導通性が無く絶縁抵抗の大きい孔が、絶縁抵抗が低下したら、更には導通性を有したら、電気的特性の変化からそれを検出できる。よって、エアコンの洗浄液や水等がプリント基板に侵入する劣化が発生したら、孔の電気的特性の変化からそれを検知することができる。ひいてはトラッキング発生の防止に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】プリント基板の劣化検出装置の説明図である。
図2】劣化検出のための構造を備えたプリント基板の斜視図である。
図3図2のプリント基板の裏面側斜視図である。
図4】劣化を検出する構造を示すプリント基板の断面説明図である。
図5】電流情報入手部と劣化判定部の説明図である。
図6】劣化検出装置の他の形態を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るプリント基板の劣化検出装置の一例を示す説明図である。劣化検出装置は、劣化を検出するためにプリント基板に形成した検出回路部1と、検出回路部1に流れる電流を計測して劣化を判定する計測・判定部2と、判定結果を出力する出力部3とを有している。
【0015】
図2,3は検出回路部1を備えたプリント基板4を示し、図2は表側の斜視図、図3は裏側の斜視図である。
検出回路部1は、プリント基板4の縁部に沿ってパターン形成された導体5と、プリント基板4に形成された孔11により構成されている。そして、本来搭載すべき素子はその内側に配置され、回路が形成されている。
【0016】
この導体5は、プリント基板4の端部に設けられたコネクタ接続部12に設けられた端子13からスタートし、辺毎に異なる導体5が配設され、プリント基板4の隅部の適宜部位に穿設された孔11を連結するように配設されている。こうして、表面の導体5は3本に分けて配設されている。
一方、裏面にパターン形成された導体5は、コネクタ接続部12に設けられた端子13からスタートした1本の導体5で全ての孔11を連結している。同一の孔11に対して表裏両面から導体5は接続され、検出回路部1は3つの導体5の組を有している。
【0017】
こうして形成された検出回路部1には、コネクタ接続部12を介して電源及び電流検出部6が接続され、個々の導体5の組に電圧が印加されると共に電流が計測或いは検出される。
尚、孔はプリント基板4の4辺の全てに形成しても良いし、基板の中央部に形成しても良い。
【0018】
図4は、検出回路部1の断面説明図であり、複数箇所に形成した孔11の構造を示している。孔11は、表裏両面にリング状の導電部11aが形成され、内部に導体は無く電気的導通性が無い。
そして、導電部11aに導体5が接続され、電圧が印加されるよう構成されている。尚、図4では一部の孔11に洗浄液等の液体Aが残っている状態を示している。
【0019】
計測・判定部2は、検出回路部1に流れる電流を計測する計測部21、計測した電流情報を基にプリント基板4の劣化を判定する劣化判定部22、遮断信号を生成する遮断信号生成部23、各導体5に一定の電圧を印加すると共に、各導体5に電源を供給する電源部24等を備えている。
計測部21は、導体5毎に設けられた電流検出部6から電流情報を入手し、デジタル変換して劣化判定部22に出力する。
【0020】
劣化判定部22はマイコンを有して構成され、個々の導体5の電流情報を基に予め設定された閾値と比較し、閾値を超えた電流が流れる導体5が1つでもあると、出力部3に異常発生信号を出力する。また、閾値を超えた導体5が2つ以上あると遮断信号生成部23から緊急停止信号を主力させる。
【0021】
遮断信号生成部23は、出力がプリント基板4に電源を供給する回路遮断器7に接続されており、緊急停止信号を受けて回路遮断器7を遮断動作させる。
また出力部3は、報音部、発光通知するLED等を備えており、劣化判定部22から異常発生信号を受けて報音及び発光動作する。尚、電流検出部6と計測部21とで電流情報入手部を構成している。
【0022】
図5は計測・判定部2の電源部24と計測部21の構成を示している。電源部24は交流電源であり、交流電圧が検出回路部1に印加される。即ち、導体5を介して孔11に印加される。こうして流れる電流が電流検出部6で計測され、計測部21を介して劣化判定部22で判定される。
この時計測される電流は交流電流であるため、劣化判定部22は、孔11の静電容量の変化を電流の変化情報を基に検出し、その変化が一定値を超えたらプリント基板4に劣化発生と判断する。
【0023】
上記の如く構成された劣化検出装置は以下のように動作する。まず孔11に異物が存在しない場合は、孔11は非導通性であるため、孔11の抵抗値は大きく導体5に流れる電流は小さい。この状態では、劣化判定部22は異常を検知しない。交流電圧が導体5に印加されるため、孔11の静電容量に起因してインピーダンスは有限値であるため、電流はゼロでは無く一定の交流電流が流れている。
【0024】
この状態から、何れかの孔11に洗浄液等の導電性ある液体、或いは導電性の無い不純物が入り込んだら、静電容量が変化するためインピーダンスが変化(低下)する。結果、電流が増加するため、劣化判定部22はそれを検知する。こうして、複数の導体5のうち、何れかの1本の導体5の電流値が閾値を超えたら劣化発生と判断して異常発生信号を出力する。
この異常発生信号により出力部3が報知操作し、報音部が警報音を鳴動して、LEDが発光する。
【0025】
そして、更に劣化が進み、電流値が異常を示す導体5を2本以上検出したら、異常発生信号に加えて緊急停止信号を出力する。この緊急停止信号が遮断信号生成部23に出力され、遮断信号生成部23から、信号線で接続されている回路遮断器7に対して遮断信号が出力され、回路遮断器7が遮断動作する。この回路遮断器7は、検出回路部1が組み付けられたプリント基板4に電源を供給する回路遮断器7であり、このプリント基板4への通電が遮断される。
【0026】
尚、この電源遮断と同時に、関連する負荷への電源を遮断しても良い。また、電流値が異常を示す導体5を2本以上検出したら、異常発生信号に加えて緊急停止信号を出力するとしているが、導体5の本数が4本以上ある場合は、緊急停止信号を出力する判断を3本以上としても良い。更には、プリント基板4の特定の部位(例えば、高電圧の部位)の導体5の電流値が異常を示したら、即緊急停止信号を出力させても良い。
【0027】
このように、プリント基板4に形成した電気的導通性の無い孔11を介して連結されている導体5間の絶縁抵抗が変化したら、即ち低下したら、電流の変化からそれを検出できる。よって、エアコンの洗浄液や水等がプリント基板に侵入する劣化が発生したら、それを検知することができる。ひいてはトラッキング発生の防止に役立てることができる。
また、孔11に交流電圧を印加するため、抵抗値に大きな変化が無くても静電容量の変化を電流の変化から検知できる。よって、孔に導電性の無い異物が侵入した場合も静電容量の変化からそれを検出でき、何らかの異物が孔に入った場合も基板の劣化として判断できる。
更に、プリント基板4の複数箇所で劣化が発生したら、即ちプリント基板4が広範囲で劣化したら、プリント基板の電源を遮断するため、トラッキング等の発生を確実に防止できる。
【0028】
図6は、劣化検出装置の他の例を示し、検出回路部1に通電する電源を直流電源18aとし、孔11を有する導体5(5a~5d)の抵抗値の変化から劣化を検出する計測・判定部2の構成を示している。
第1導体5a~第3導体5cは、上記形態のようにプリント基板4の周辺部に形成されているが、第4導体5dは例えばプリント基板4の高電圧の充電部の近傍に形成されている。また、14はフォトカプラの組であり上記計測部21に対応している。個々の導体5の組にフォトカプラが設けられ、抵抗値が低下して通電状態になるとそれをフォトカプラで検出するよう構成されている。
【0029】
そして、15は劣化を検出したら発光する出力部3としてのLED20を有する第1劣化判定部である。また16は論理回路で構成されて緊急停止信号を出力する第2劣化判定部である。この第1劣化判定部15と、第2劣化判定部16とで劣化判定部22を構成している。
加えて、17は遮断信号を出力する出力素子であり、遮断信号生成部23を構成している。この出力素子17は、例えばフォトモスリレーで構成され、このオン動作で回路遮断器7は遮断動作する。
尚、18bはフォトカプラの組14、第1劣化判定部15、そして第2劣化判定部16を駆動する電源であり、18cは回路遮断器7を遮断操作させる電源を示している。
【0030】
このように計測・判定部2を形成することで、第1導体5a~第3導体5cの何れかが異常値を示したらLED20は発光して警報が発せられる。また、第1導体5a~第3導体5cの3本の導体5で同時に異常値を示したら、或いは第4導体5dの電流が異常値を示したら、第2劣化判定部16が信号を出力して回路遮断器7が遮断動作する。
従って、形成した孔11に洗浄液等の液体が入り込み、それが取り除かれていなければ、絶縁機能が低下或いは導通状態となり電流が流れることで基板の劣化が検出される。
【0031】
このように、孔11に直流電圧を印加して検知するため、プリント基板4に供給される直流電源を使用でき、簡易な回路で基板の劣化を検出できる。
また、プリント基板4の複数箇所で劣化が発生したら、即ちプリント基板4が広範囲で劣化したら、プリント基板4の電源を遮断するため、トラッキング等の発生を確実に防止できる。
更に、プリント基板4の中で、高電圧が印加されるような部位の劣化に対しては、他の箇所が正常であっても速やかに電源を遮断させるため、劣化による事故を確実に防止できる。
【0032】
尚、上記実施形態では、洗浄液等の液体の付着を想定して説明したが、これはエアコン等の洗浄を想定して示したもので、本発明の劣化検出装置は、固体の付着、気体が充満した場合も、その電気的特性の変化から劣化を検出できるものである。
【符号の説明】
【0033】
1・・検出回路部、2・・計測・判定部、3・・出力部、4・・プリント基板、5・・導体、6・・電流検出部(電流情報入手部)、7・・回路遮断器(電源遮断手段)、11・・孔、18a・・直流電源、21・・計測部(電流情報入手部)、22・・劣化判定部、24・・電源部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6