(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173942
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/18 20200101AFI20221115BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20221115BHJP
H04L 12/40 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/105
H04L12/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080013
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】箱家 貴之
【テーマコード(参考)】
3K273
5K032
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA29
3K273QA31
3K273QA39
3K273RA16
3K273SA17
3K273SA36
3K273SA46
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA41
3K273TA47
3K273TA52
3K273TA62
3K273TA66
3K273TA70
5K032EC03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】容易にアドレスの設定が可能な制御システムを提供する。
【解決手段】制御システムは、複数の端末器とコントローラとを備え、複数の端末器は通信線を介してコントローラに対して直列に接続され、コントローラは通信線を介してアドレス設定コマンドを送信し、何れかの端末器からアドレス未設定応答コマンドを受信すると、送信元の端末器にアドレスを付加したアドレス設定要求コマンドを送信した後、再度アドレス設定確認コマンドを送信し、各々の端末器は、通信線を介してアドレス設定確認コマンドを受信すると、自身にアドレスが設定されている場合はアドレス設定確認コマンドを次の端末器に送信し、自身にアドレスが設定されていない場合はコントローラにアドレス未設定応答コマンドを送信し、コントローラからアドレス設定要求コマンドを受信すると、アドレス設定要求コマンドに付加されたアドレスを自身のアドレスとして設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末器と、
前記複数の端末器を制御するコントローラと、
を備え、
前記複数の端末器は、通信線を介して前記コントローラに対して直列に接続され、
前記コントローラは、前記通信線を介してアドレス設定確認コマンドを送信し、前記複数の端末器のうち何れかの端末器からアドレス未設定応答コマンドを受信すると、送信元の端末器にアドレスを付加したアドレス設定要求コマンドを送信し、前記アドレス設定要求コマンドを送信した後、再度、前記アドレス設定確認コマンドを送信し、
前記複数の端末器の各々の端末器は、前記通信線を介して前記アドレス設定確認コマンドを受信すると、自身にアドレスが設定されている場合は前記アドレス設定確認コマンドを次の端末器に送信し、自身にアドレスが設定されていない場合は前記コントローラに前記アドレス未設定応答コマンドを送信し、前記コントローラから前記アドレス設定要求コマンドを受信すると、前記アドレス設定要求コマンドに付加された前記アドレスを自身のアドレスとして設定することを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記端末器は、自身にアドレスが設定されている場合に前記アドレス設定確認コマンドを受信すると、前記端末器と前記次の端末器を接続する通信線を開通させて、前記アドレス設定確認コマンドを前記次の端末器に送信することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記端末器は、自身にアドレスが設定されていない場合に前記アドレス設定確認コマンドを受信すると、前記端末器と前記次の端末器を接続する通信線を遮断することを特徴とする請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記アドレス未設定応答コマンドを受信すると、前記アドレスを生成して前記アドレス設定要求コマンドを送信することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項5】
前記端末器は、自身のアドレス種別を付加して前記アドレス未設定応答コマンドを送信し、
前記コントローラは、前記アドレス未設定応答コマンドに付加された前記アドレス種別に対して未使用のアドレスのうち、最も番号が小さいアドレスを付加して前記アドレス設定要求コマンドを送信することを特徴とする請求項4に記載の制御システム。
【請求項6】
前記コントローラを制御する管理装置を備え、
前記コントローラは、前記アドレス未設定応答コマンドを受信すると、前記アドレス未設定応答コマンドを前記管理装置に送信し、前記管理装置から受信した前記アドレスを付加して前記アドレス設定要求コマンドを送信し、
前記管理装置は、前記アドレス未設定応答コマンドを受信すると、前記アドレスを生成して前記コントローラに送信することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記複数の端末器は照明器具を含むことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
前記照明器具は、前記コントローラから前記アドレス設定要求コマンドを受信すると、点灯状態を変更することを特徴とする請求項7に記載の制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、照明制御システムのアドレス設定方法が開示されている。この照明制御システムは、複数の照明器具と、この照明器具の点灯制御および機能設定を行うための命令信号を送信するコントローラを備える。照明制御システムは、さらに照明器具と信号線により接続され、コントローラから送信された命令信号を受信するとともに、信号線を介して照明器具に出力する複数の通信ユニットを備える。命令信号は照明器具に対する個別アドレスを含む。個別アドレスにより特定された照明器具が、命令信号に基づいて制御される。
【0003】
照明器具のうち任意のものを交換しようとするとき、該照明器具に接続された通信ユニットの電源をオフ状態とすることにより、新たに設置した照明器具のアドレスとして交換前の照明器具に使用されていたアドレスをそのまま割り付ける。また、通信ユニットをオン状態にすることにより、新たに設置した照明器具のアドレスとして未使用のアドレスを割り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、通信ユニットの電源オン、オフにより、照明器具のアドレスが自動設定される。このアドレス設定方法では、電源のオン、オフが必要となる。このため、照明器具の台数に比例して、アドレス設定に要する時間が長くなるおそれがある。これにより、アドレス設定に要するコストが増大するおそれがある。
【0006】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、容易にアドレスの設定が可能な制御システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る制御システムは、複数の端末器と、前記複数の端末器を制御するコントローラと、を備え、前記複数の端末器は、通信線を介して前記コントローラに対して直列に接続され、前記コントローラは、前記通信線を介してアドレス設定確認コマンドを送信し、前記複数の端末器のうち何れかの端末器からアドレス未設定応答コマンドを受信すると、送信元の端末器にアドレスを付加したアドレス設定要求コマンドを送信し、前記アドレス設定要求コマンドを送信した後、再度、前記アドレス設定確認コマンドを送信し、前記複数の端末器の各々の端末器は、前記通信線を介して前記アドレス設定確認コマンドを受信すると、自身にアドレスが設定されている場合は前記アドレス設定確認コマンドを次の端末器に送信し、自身にアドレスが設定されていない場合は前記コントローラに前記アドレス未設定応答コマンドを送信し、前記コントローラから前記アドレス設定要求コマンドを受信すると、前記アドレス設定要求コマンドに付加された前記アドレスを自身のアドレスとして設定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る制御システムでは、アドレス設定確認コマンドの送信により、容易にアドレスを設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る制御システムの回路ブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係るコントローラの機能ブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係るコントローラのハードウェア構成図である。
【
図4】実施の形態1に係る端末器の機能ブロック図である。
【
図5】実施の形態1に係る端末器のハードウェア構成図である。
【
図6】実施の形態1に係るアドレス設定自動モードでの通信シーケンスを示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る制御システムのアドレス設定前とアドレス設定後の状態を示す図である。
【
図8】実施の形態2に係るアドレス設定手動モードでの通信シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各実施の形態に係る制御システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る制御システム80の回路ブロック図である。制御システム80は、管理装置1、コントローラ20、複数の端末器30を備える。管理装置1は、例えばパソコンで構成される。管理装置1は、制御システム80全体の状態監視および設定を行う。管理装置1とコントローラ20とは、有線又は無線の通信網であるLAN(Local Area Network)8を介して接続されている。LANは例えばEthernet(登録商標)である。
【0012】
コントローラ20には、固有のIP(Internet Protocol)アドレスが割り当てられる。コントローラ20は設定されたIPアドレスにより識別される。管理装置1からの制御信号は、LAN8を介して、コントローラ20の動作を制御する。
【0013】
コントローラ20は、通信線7を介して複数の端末器30、図示しない壁スイッチ等と通信を行う。コントローラ20には、渡り配線で接続された通信線7を介して複数の端末器30が接続されている。複数の端末器30は、通信線7を介してコントローラ20に対して直列に接続されている。
図1では端末器30として3台の端末器30a~30cが示されているが、コントローラ20に接続される端末器30は1台以上であればよい。コントローラ20は通信線7を介して接続された機器との間で、伝送信号を送信および受信する。伝送信号には、例えばアドレスデータおよび制御データが含まれる。これにより、コントローラ20は端末器30を制御する。
【0014】
端末器30a~30cには、それぞれ固有のアドレスが割り当てられる。端末器30a~30cは、設定されたアドレスにより識別される。端末器30aには複数の負荷40が接続されている。負荷40は例えば照明器具である。端末器30aは負荷40の動作を制御する。端末器30bは通信機能付きの照明器具である。端末器30cは人感センサである。管理装置1およびコントローラ20は、端末器30a~30cと通信し、端末器30aに負荷40の動作を制御させる。
【0015】
図2は、実施の形態1に係るコントローラ20の機能ブロック図である。
図3は、実施の形態1に係るコントローラ20のハードウェア構成図である。コントローラ20は、通信部21、比較部22、記憶部23および解析部24を備える。記憶部23は、
図3におけるメモリ28に該当する。記憶部23には、コントローラ20での制御に用いられるソフトウェアおよび設定等が保管される。
【0016】
通信部21は、LAN8を介して管理装置1と制御信号を送受信する。比較部22は、管理装置1からの制御信号に含まれるアドレスデータをコントローラ20のアドレスと比較する。制御信号のアドレスデータとコントローラ20に設定されたIPアドレスが一致したと比較部22が判定した場合、コントローラ20は制御信号に応じた制御を実行する。また、解析部24は、自身にアドレスが付与されているか否かを判別する。解析部24は、送信されたアドレスデータが正常か否かを判別しても良い。
【0017】
また、通信部21は、通信線7を介して端末器30a~30cと制御データを送受信する。比較部22は、端末器30からの伝送信号に含まれるアドレスデータをコントローラ20のアドレスと比較する。伝送信号のアドレスデータとコントローラ20に設定されたアドレスが一致したと比較部22が判定した場合、コントローラ20は伝送信号に応じた制御を実行する。
【0018】
図4は、実施の形態1に係る端末器30の機能ブロック図である。
図5は、実施の形態1に係る端末器30のハードウェア構成図である。ここでは、端末器30a~30cに共通する構成について説明する。端末器30は、通信部31、比較部32、記憶部33および解析部34を備える。記憶部33は、
図5におけるメモリ38に該当する。記憶部33には、端末器30での制御に用いられるソフトウェアおよび設定等が保管される。
【0019】
通信部31は、通信線7を介してコントローラ20および他の端末器30と制御データを送受信する。比較部32は、コントローラ20または他の端末器30からの伝送信号に含まれるアドレスデータを自身のアドレスと比較する。伝送信号のアドレスデータと自身のアドレスが一致したと比較部32が判定した場合、端末器30は伝送信号に応じた制御を実行する。解析部34は、自身にアドレスが付与されているか否かを判別する。また、解析部34は、送信されたアドレスデータが正常か否かを判別しても良い。
【0020】
通信部21、比較部22および解析部24の機能は、
図3に示されるプロセッサ27等の制御装置により実現される。同様に、通信部31、比較部32および解析部34の機能は、
図5に示されるプロセッサ37等の制御装置により実現される。制御装置は、専用のハードウェアであっても良い。また、制御装置は、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)であっても良い。CPUは中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)とも呼ばれる。
【0021】
制御装置が専用のハードウェアである場合、制御装置は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサであっても良い。また、制御装置は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)であっても良い。さらに、制御装置は、これらを組み合わせたものであっても良い。また、コントローラ20または端末器30において、通信部、比較部および解析部の各部の機能それぞれを、別個の制御装置で実現しても良い。また、各部の機能をまとめて1つの制御装置で実現しても良い。
【0022】
制御装置がCPUの場合、通信部21、31、比較部22、32および解析部24、34の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ28、38に格納される。制御装置は、メモリ28、38に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
【0023】
すなわちメモリ28には、後述するように、端末器30にアドレス設定確認コマンドおよびアドレス設定要求コマンドを送信するプログラム等が格納される。また、メモリ38には、他の端末器30にアドレス設定確認コマンドを送信するプログラム、および、コントローラ20にアドレス未設定応答コマンドを送信するプログラム等が格納される。これらのプログラムは、通信部21、31、比較部22、32、記憶部23、33および解析部24、34の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
【0024】
ここで、メモリ28、38は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等であってもよい。RAMはRandom Access Memoryの略称である。ROMはRead Only Memoryの略称である。EPROMはErasable Programmable Read Only Memoryの略称である。EEPROMはElectrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略称である。
【0025】
なお、通信部21、比較部22および解析部24の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、通信部21、比較部22については専用のハードウェアとしての制御装置でその機能を実現し、解析部24については制御装置がメモリ28に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。通信部31、比較部32および解析部34についても同様である。
【0026】
このように、制御装置は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0027】
管理装置1からの制御信号は、例えばアドレス設定モードを制御する信号である。アドレス設定モードには、後述するようにアドレス設定自動モードとアドレス設定手動モードがある。これに限らず、制御信号は、端末器30の負荷40を制御する信号であっても良い。また、制御信号は、コントローラ20にパラメータを設定する信号であっても良い。制御信号には、管理装置1とコントローラ20との間で送受信されるあらゆる信号が含まれる。
【0028】
本実施の形態では、アドレス設定自動モードでのアドレス設定方法について説明する。
図6は、実施の形態1に係るアドレス設定自動モードでの通信シーケンスを示す図である。なお、
図6では便宜上、比較部22、32の動作が省略されている。
【0029】
管理装置1からコントローラ20にアドレス設定自動モード要求コマンドの制御信号が送信されたとする。アドレス設定自動モード要求コマンドに応じて、コントローラ20は、通信線7を介して端末器30aにアドレス設定確認コマンドを送信する。ここでは、初期状態として、端末器30aはアドレス設定済みであり、端末器30bはアドレス未設定であるものとする。
【0030】
端末器30aは、入力側の通信線7を介してコントローラ20と接続され、出力側の通信線7を介して端末器30bと接続されている。端末器30aの解析部34は、アドレス設定確認コマンドを受信すると、自身のアドレスを取得する。ステップS1に示されるように、端末器30aは、自身にアドレスが設定されている場合にアドレス設定確認コマンドを受信すると、出力側の通信線7を開通させ、アドレス設定確認コマンドを次の端末器30bに送信する。
【0031】
ここでは、端末器30aがアドレス設定済みである例を示したが、端末器30b、30cがアドレス設定済みである場合も、同様の動作が実行される。つまり、複数の端末器30の各々は、通信線7を介してアドレス設定確認コマンドを受信すると、自身にアドレスが設定されている場合は、アドレス設定確認コマンドを、通信線7を介して次の端末器30に送信する。この際、端末器30は、自身と次の端末器30を接続する通信線7を開通させて、アドレス設定確認コマンドを次の端末器30に送信する。
【0032】
端末器30bは、入力側の通信線7を介して端末器30aと接続され、出力側の通信線7を介して端末器30cと接続されている。端末器30bの解析部34は、アドレス設定確認コマンドを受信すると、自身のアドレスを取得する。ステップS2に示されるように、端末器30bは、自身にアドレスが設定されていない場合にアドレス設定確認コマンドを受信すると、出力側の通信線7を遮断する。また、端末器30bの通信部31は、アドレス設定確認コマンドを送信しない。
【0033】
さらに端末器30bの通信部31は、自身にアドレスが設定されていない場合は、通信線7を介してコントローラ20にアドレス未設定応答コマンドを送信する。この時点で、端末器30bとコントローラ20との間の通信線7は開通されているので、端末器30bはアドレス未設定応答コマンドを送信することができる。このとき端末器30bは、自身のアドレス種別を付加してアドレス未設定応答コマンドを送信しても良い。この場合、アドレス種別は照明器具となる。
【0034】
ここでは、端末器30bがアドレス未設定である例を示したが、端末器30a、30cがアドレス未設定である場合も、同様の動作が実行される。つまり、複数の端末器30の各々は、通信線7を介してアドレス設定確認コマンドを受信すると、自身にアドレスが設定されていない場合は、コントローラ20にアドレス未設定応答コマンドを送信する。この際、端末器30は、自身と次の端末器30を接続する通信線7を遮断する。
【0035】
なお、端部に接続された端末器30について、出力側の通信線7が無い場合、出力側の通信線7の開通および遮断は行わず、アドレス設定確認コマンドの送信は行わない。
【0036】
次に、端末器30bからコントローラ20にアドレス未設定応答コマンドが送信されたとする。ステップS3に示されるようにコントローラ20は、アドレス未設定応答コマンドを受信すると、アドレスを生成して、端末器30bにアドレス設定要求コマンドを送信する。コントローラ20は、例えばアドレス未設定応答コマンドに付加されたアドレス種別に対して未使用のアドレスのうち、最も番号が小さいアドレスを抽出する。コントローラ20は、抽出された最若番のアドレスを付加して、端末器30bにアドレス設定要求コマンドを送信する。
【0037】
コントローラ20が、端末器30a、30cからアドレス未設定応答コマンドを受信した場合にも同様の動作が行われる。つまり、コントローラ20は、何れかの端末器30からアドレス未設定応答コマンドを受信すると、送信元の端末器30にアドレスを付加したアドレス設定要求コマンドを送信する。
【0038】
次に、ステップS4に示されるように、端末器30bの解析部34は、コントローラ20からアドレス設定要求コマンドを受信すると、アドレス設定要求コマンドに付加されたアドレスを自身のアドレスとして設定する。ここでは、端末器30bに例えばアドレス1が設定される。なお、アドレス設定済みの端末器30aは、アドレス設定要求コマンドを無視しても良い。
【0039】
ここでは端末器30bについて説明したが、端末器30a、30cがアドレス未設定でありアドレス設定要求コマンドを受信した場合にも同様の動作が行われる。つまり、各端末器30は、自身にアドレスが設定されていない場合にコントローラ20からアドレス設定要求コマンドを受信すると、アドレス設定要求コマンドに付加されたアドレスを自身のアドレスとして設定する。
【0040】
次に、ステップS5に示されるように、端末器30bの解析部34は、自身にアドレスが設定されたため、出力側の通信線7を開通させる。なお、端末器30bは、次にアドレス設定確認コマンドを受信した際に、出力側の通信線7を開通させても良い。端末器30a、30cにアドレスが設定された場合についても同様の動作が実行される。
【0041】
ステップS6に示されるように、照明器具である端末器30bは、コントローラ20からアドレス設定要求コマンドを受信して、アドレスが設定されると、点灯状態を変更しても良い。これにより、端末器30bは自身にアドレスが設定されたことを使用者に通知できる。端末器30bは、例えば照明器具が点灯していた場合は消灯させ、照明器具が消灯していた場合は点灯させても良い。このような制御は、端末器30aにアドレスが設定された場合に、端末器30aの負荷40である照明器具により実施されても良い。
【0042】
さらに、端末器30bの通信部31は、コントローラ20にアドレス設定応答コマンドを送信する。端末器30a、30cにアドレスが設定された場合の動作も同様である。
【0043】
コントローラ20は、アドレス設定要求コマンドを送信した後、アドレス設定応答コマンドを受信すると、再度、通信線7を介してアドレス設定確認コマンドを送信する。つまり、コントローラ20は、全ての端末器30からアドレス未設定応答コマンドを受信しなくなるまで、アドレス設定確認コマンドの送信を繰り返し行う。これにより、アドレス未設定応答コマンドが無くなるまで、ステップS1~S6は繰り返される。
【0044】
次にコントローラ20がアドレス設定確認コマンドを送信した際には、端末器30bの出力側の通信線7が開通しているため、アドレス設定確認コマンドは端末器30cに到達する。端末器30cはアドレス設定確認コマンドを受信すると、自身にアドレスが設定されている場合は、アドレス設定確認コマンドを出力側の通信線7に接続された次の端末器30に送信する。端末器30cは、自身にアドレスが設定されていない場合は、コントローラ20にアドレス未設定応答コマンドを送信する。端末器30cは、コントローラ20からアドレス設定要求コマンドを受信すると、アドレス設定要求コマンドに付加されたアドレスを自身のアドレスとして設定する。
【0045】
すべての端末器30にアドレスが設定されたあと、コントローラ20は管理装置1にアドレス設定自動モード応答コマンドを送信する。
【0046】
図7は、実施の形態1に係る制御システム80のアドレス設定前とアドレス設定後の状態を示す図である。アドレス設定前は端末器30b、30cのアドレスが未設定であり、端末器30bと端末器30cを繋ぐ通信線7が遮断されている。アドレス設定後は、全ての端末器30のアドレスが設定済みであり、複数の端末器30と繋ぐ通信線7が開通されている。
【0047】
本実施の形態のような制御システムにおいて、端末器の設置台数または管理台数は、例えば電源供給量で決定される。端末器のアドレス設定を1台毎に手動で行う場合、端末器の台数に比例してアドレス設定に時間を要し、コストが増大するおそれがあった。
【0048】
これに対し本実施の形態では、アドレス設定確認コマンドの送信により、容易にアドレスを設定できる。つまり、管理装置1およびコントローラ20による制御により、通信線7が接続されている端末器30であればアドレスを自動で設定できる。また、本実施の形態では、アドレス設定に伴い通信線7が開通して、次の端末器30にアドレス設定確認コマンドが送信される。このため、全ての端末器30にアドレスが設定された状態では、端末器30同士を繋ぐ通信線7が開通している。従って、全ての機器が工場出荷状態等のアドレス未設定の状態であった場合にも、アドレス設定に加え配線チェック作業を併せて行うことができる。これにより、作業者の負担を軽減することができる。
【0049】
本実施の形態の変形例として、コントローラ20が生成するアドレスは最若番に限定されず、任意のアドレスであって良い。また、コントローラ20は、アドレス設定確認コマンドを送信する際、端末器30a~30cに対してブロードキャストで送信しても良い。また、端末器30a~30cは、出力側の通信線7を遮断した際、照明器具を点滅させても良い。
【0050】
また、複数の端末器30は、通信線7での接続および通信が可能であれば
図1に示されるものに限定されない。例えば、複数の端末器30は人感センサ以外のセンサを含んでも良い。
【0051】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る制御システムについて適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る制御システムについては実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0052】
実施の形態2.
本実施の形態では、アドレス設定手動モードでのアドレス設定方法について説明する。
図8は、実施の形態2に係るアドレス設定手動モードでの通信シーケンスを示す図である。なお、
図8では便宜上、比較部22、32の動作が省略されている。
【0053】
管理装置1からコントローラ20にアドレス設定手動モード要求コマンドの制御信号が送信されたとする。アドレス設定手動モード要求コマンドに応じて、コントローラ20は通信線7を介してアドレス設定確認コマンドを送信する。ここでは初期状態として、端末器30aはアドレス設定済みであり、端末器30bはアドレス未設定であるものとする。
【0054】
ステップS11に示されるように、端末器30aの解析部34は、アドレス設定確認コマンドを受信すると自身のアドレスを取得する。端末器30aはアドレス設定済みのため、出力側の通信線7を開通する。また、端末器30aの通信部31は、アドレス設定確認コマンドを端末器30bに送信する。
【0055】
次に、ステップS12に示されるように、端末器30bの解析部34はアドレス設定確認コマンドを受信すると、自身のアドレスを取得する。端末器30bはアドレス未設定のため、出力側の通信線7を遮断する。また、端末器30bの通信部31は、アドレス設定確認コマンドを送信しない。さらに、端末器30bの通信部31は、アドレス種別を照明器具とするパラメータを付加して、アドレス未設定応答コマンドをコントローラ20に送信する。
【0056】
コントローラ20は、アドレス未設定応答コマンドを受信すると、アドレス未設定応答コマンドを管理装置1に送信する。
【0057】
次に、ステップS13に示されるように、管理装置1は、アドレス未設定応答コマンドを受信すると、アドレスを生成してコントローラ20に送信する。具体的には、管理装置1は、アドレス未設定応答コマンドに付加されたアドレス種別に対して未使用のアドレスから、任意のアドレスを抽出する。管理装置1は、抽出したアドレスを付加して、コントローラ20にアドレス設定要求コマンドを送信する。ここでは、アドレス5が抽出されたものとする。
【0058】
次に、コントローラ20は、管理装置1から受信したアドレスを付加して、端末器30bにアドレス設定要求コマンドを送信する。
【0059】
次に、ステップS14に示されるように、端末器30bの解析部34はアドレス設定要求コマンドを受信すると、付加されたアドレスを自身のアドレスとして設定する。
【0060】
次に、ステップS15に示されるように、端末器30bの解析部34は、自身にアドレスが設定されたため、出力側の通信線7を開通する。
【0061】
次に、ステップS16に示されるように、端末器30bの解析部34は、自身にアドレスが設定されたことを示すため、点灯状態を変更する。さらに、端末器30bの通信部31は、コントローラ20にアドレス設定応答コマンドを送信する。
【0062】
次に、コントローラ20は、端末器30bからアドレス設定応答コマンドを受信すると、管理装置1にアドレス設定応答コマンドを送信する。
【0063】
管理装置1は、アドレス設定要求コマンドを送信した後、アドレス設定応答コマンドを受信すると、再度、アドレス設定手動モード要求コマンドを送信する。つまり、管理装置1は、全ての端末器30からのアドレス未設定応答コマンドを受信しなくなるまで、アドレス設定手動モード要求コマンドの送信を繰り返し行う。これにより、アドレス未設定応答コマンドが無くなるまで、ステップS11~S16は繰り返される。
【0064】
なお、作業者が管理装置1を操作して、アドレスを任意に設定しても良い。また、アドレス設定手動モード要求コマンドは、作業者が管理装置1を操作して送信しても良い。
【0065】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0066】
1 管理装置、7 通信線、20 コントローラ、21 通信部、22 比較部、23 記憶部、24 解析部、27 プロセッサ、28 メモリ、30 端末器、30a 端末器、30b 端末器、30c 端末器、31 通信部、32 比較部、33 記憶部、34 解析部、37 プロセッサ、38 メモリ、40 負荷、80 制御システム