(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173943
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】照明器具および照明システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/13 20200101AFI20221115BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20221115BHJP
【FI】
H05B47/13
H05B47/125
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080014
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木所 孝元
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克磨
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273QA21
3K273QA36
3K273SA11
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA38
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA40
(57)【要約】
【課題】検出範囲の広さを変更できる照明器具および照明システムを得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る照明器具は、光源と、前記光源を点灯させる点灯回路と、検出範囲の広さが互いに異なる複数の人感センサと、前記複数の人感センサの何れかからの信号に応じて、前記点灯回路を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を点灯させる点灯回路と、
検出範囲の広さが互いに異なる複数の人感センサと、
前記複数の人感センサの何れかからの信号に応じて、前記点灯回路を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記複数の人感センサの各々はレンズを有し、
前記複数の人感センサの前記レンズは、互いに画角が異なることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記複数の人感センサは、複数の人検出部と、1つのレンズから形成され、
前記レンズは、前記複数の人検出部にそれぞれ設けられ互いに画角が異なる複数のレンズ部を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項4】
前記制御部は記憶部を有し、前記複数の人感センサのうち、前記記憶部に保存された制御情報で指定された人感センサからの信号に応じて前記点灯回路を制御することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
外部から制御情報が入力される設定機構を備え、
前記制御部は、前記複数の人感センサのうち、前記設定機構に入力された前記制御情報で指定された人感センサからの信号に応じて前記点灯回路を制御することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記複数の人感センサと、前記複数の人感センサの検出エリアとの距離を測定する距離計測部を備え、
前記制御部は、前記距離に応じて、前記複数の人感センサのうち前記点灯回路の制御に用いる人感センサを切り替えることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
光源と、前記光源を点灯させる点灯回路と、前記点灯回路を制御する制御部と、を備えた照明器具と、
検出範囲の広さが互いに異なる複数の人感センサと、
を備え、
前記制御部は、前記複数の人感センサの何れかからの信号に応じて、前記点灯回路を制御することを特徴とする照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動する人に対して不快感を与えたり、危険な状態にしたりすることを抑制した照明制御装置が開示されている。照明制御装置の制御部は、複数の人感センサの検知結果の組み合わせの変化に従って第1点灯モードから第2点灯モードに切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、人感センサを用いて照明器具を制御することで、人の在または不在に応じて照明器具の状態を制御することができる。このため、消費エネルギーを抑制できる。ここで、特許文献1の技術では、検出範囲を調整することはできない。一般的なオフィスまたは家庭のような天井が低い空間では、照明器具の真下から例えば半径2mくらいの検出範囲において人感センサの検出精度が高ければ、使用者への不快感を抑制できる。これに対し、工場または倉庫のような天井が高い空間のうち、例えばフォークリフトが通るような箇所では、人感センサによる広い範囲の検出が必要となることが考えられる。逆に、倉庫のように狭い通路が連なっている箇所では、人感センサによる狭い範囲の検出が必要となることが考えられる。このように、様々な検出範囲が要求されることが想定される。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、検出範囲の広さを変更できる照明器具および照明システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明器具は、光源と、前記光源を点灯させる点灯回路と、検出範囲の広さが互いに異なる複数の人感センサと、前記複数の人感センサの何れかからの信号に応じて、前記点灯回路を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本開示に係る照明システムは、光源と、前記光源を点灯させる点灯回路と、前記点灯回路を制御する制御部と、を備えた照明器具と、検出範囲の広さが互いに異なる複数の人感センサと、を備え、前記制御部は、前記複数の人感センサの何れかからの信号に応じて、前記点灯回路を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明器具および照明システムでは、検出範囲の広さが互いに異なる複数の人感センサにより、検出範囲の広さを変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具のブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係るセンサ部の構成を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る人感センサの検出範囲を示す図である。
【
図5】実施の形態2に係る人感センサの検出範囲の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態3に係る照明器具のブロック図である。
【
図7】実施の形態4に係る照明器具のブロック図である。
【
図8】実施の形態4に係る人感センサの検出範囲を示す図である。
【
図9】実施の形態5に係る照明器具のブロック図である。
【
図10】実施の形態6に係る人感センサの構成を示す図である。
【
図11】実施の形態6に係るレンズの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
各実施の形態に係る照明器具および照明システムについて図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具1のブロック図である。照明器具1は、点灯装置2、光源3および複数の人感センサ4、5を備える。点灯装置2は、点灯回路6と制御部7を備える。点灯回路6は、光源3を点灯させる。点灯回路6は、例えばスイッチング素子のオンオフにより光源3に電力を供給する電源回路である。制御部7は、複数の人感センサ4、5の何れかからの信号に応じて、点灯回路6を制御する。
【0012】
制御部7は、信号の解析を行う解析部7aと記憶部7bから構成される。解析部7aは例えばマイクロコンピュータなどである。記憶部7bは例えば不揮発性メモリなどである。解析部7aは、人感センサ4、5からの信号を個別に判別または解析して、解析した結果に応じて点灯回路6に指令を送る。これにより、制御部7は点灯回路6を制御し、光源3の点灯状態を制御する。例えば、人感センサ4または人感センサ5が人の存在を検出した場合は、制御部7は点灯回路6に点灯の指令を送り、光源3を点灯させる。また、人感センサ4または人感センサ5が人の不在を検出した場合は、制御部7は点灯回路6に消灯の指令を送り、光源3を消灯させる。これに限らず制御部7は、人感センサ4、5からの信号に応じて調光状態を制御すれば良い。
【0013】
図3は、実施の形態1に係るセンサ部の構成を示す図である。人感センサ4、5は、それぞれ人の在、不在を検出するセンサ部50を構成する。人感センサ4、5は、検出範囲の広さが互いに異なる。人感センサ4は、人検出部4aとレンズ4bを有する。人感センサ5は、人検出部5aとレンズ5bを有する。人検出部4a、5aは、それぞれレンズ4b、5bを介して人を検出する。人検出部4a、5aは、焦電素子または撮像素子等である。レンズ4b、5bは、互いに画角が異なる。つまり、レンズ4b、5bは互いに検出範囲が異なる。
【0014】
図4は、実施の形態1に係る人感センサ4、5の検出範囲9、10を示す図である。人感センサ4、5はそれぞれ検出範囲の異なるレンズ4b、5bを有することから、空間8における検出範囲9、10が異なる。例えば、人感センサ4に狭域検出用の密集したレンズを用いた場合、人感センサ4の検出範囲9は狭くなる。また、人感センサ5に広域検出用の散在したレンズを用いた場合、人感センサ5の検出範囲10は広くなる。
【0015】
このように本実施の形態では、広さの異なる検出範囲9、10を有する人感センサ4、5を照明器具1に設けることで、検出範囲の広さを変更できる。これにより、使用環境等に応じて検出範囲を切り替えて、必要な検出範囲で適切な制御ができる。従って、省エネ効果を高めると共に、安全性および快適性を高めることができる。また、本実施の形態では、人感センサの性能の変更またはレンズの角度の調整をすることなく、検出範囲の広さを調整できる。従って、容易に検出範囲を変更できる。
【0016】
図4に示される例では、検出範囲10は検出範囲9を包含する。これに限らず、検出範囲9、10は重複していなくても良く、一部が重複するように設けられても良い。
【0017】
また、
図1に示される例では、点灯装置2、光源3および人感センサ4、5が一体化されている。これに限らず、各部は分離していても良い。例えば、電球形LED等の光源3が点灯装置2から分離されていても良い。また、照明システムにおいて、光源3と点灯装置2を備えた照明器具と、人感センサ4、5とが分離されていても良い。
【0018】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る照明器具および照明システムについて適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明器具および照明システムについては実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0019】
実施の形態2.
本実施の形態では、
図1~3に示される照明器具1において、制御部7の記憶部7bには、予め制御情報が入力されている。解析部7aは、この制御情報に基づき動作する。解析部7aは、複数の人感センサ4、5のうち、記憶部7bに保存された制御情報で指定された人感センサからの信号に応じて、点灯回路6を制御する。つまり、制御部7の解析部7aは、記憶部7bに保存された制御情報に基づき、人感センサ4または人感センサ5から信号を読み取る。
【0020】
図5は、実施の形態2に係る人感センサ4、5の検出範囲の一例を示す図である。例えば、人感センサ4からの信号のみを解析し、人感センサ5からの信号は無視することを指示する制御情報が予め記憶部7bに保存されている場合、センサ部50の検出範囲は、検出範囲9となる。
【0021】
これにより、人感センサの性能の変更またはレンズの角度の調整をすることなく、制御部7のみの変更で検出範囲9、10を変更できる。
【0022】
実施の形態3.
図6は、実施の形態3に係る照明器具201のブロック図である。照明器具201は、さらに外部から制御情報が入力される設定機構11を備える点が照明器具1と異なる。他の構成は照明器具1の構成と同様である。制御部7は、複数の人感センサ4、5のうち、設定機構11に入力された制御情報で指定された人感センサからの信号に応じて、点灯回路6を制御する。この際、設定機構11が外部から受信した制御情報は、記憶部7bに保存されるものとしても良い。
【0023】
設定機構11は、スイッチ、リモコン受信素子、無線通信部などである。設定機構11は、外部と通信等により制御情報の入力が可能であれば良い。
【0024】
これにより、照明器具1の取り付け後でも、使用者によって容易に検出範囲の変更が可能となる。安全性を重視するような箇所では検出範囲を広く設定しても良い。また、照明器具1が密集している狭い通路のような箇所では、検出範囲を狭く設定しても良い。これにより、省エネ効果、安全性および快適性を高めることができる。
【0025】
実施の形態4.
図7は、実施の形態4に係る照明器具301のブロック図である。センサ部50は、検出範囲の広さが互いに異なる人感センサを3つ以上有しても良い。
図7に示される例では、3つの人感センサ4、5、12が設けられている。
【0026】
図8は、実施の形態4に係る人感センサ4、5、12の検出範囲9、10、13を示す図である。人感センサの数を増やすことで、より細かに検出範囲を設定することが可能となる。複数の人感センサには、検出範囲が同じである人感センサが含まれても良い。複数の人感センサで同じ検出範囲の人の在、不在を検出することで、検出精度を向上できる。
【0027】
実施の形態5.
図9は、実施の形態5に係る照明器具401のブロック図である。本実施の形態の照明器具401は、距離計測部14を備える点が照明器具201と異なる。他の構成は、照明器具201の構成と同様である。距離計測部14は、複数の人感センサ4、5と、複数の人感センサ4、5の検出エリアとの距離を測定する。距離計測部14は、照明器具401と床面の距離を測定しても良い。距離計測部14はレーザー計測器などである。
【0028】
距離計測部14により計測された距離は、制御部7の記憶部7bに距離情報としてインプットされる。記憶部7bには、距離情報と使用する人感センサの対応関係が保存されていても良い。解析部7aは、記憶部7bの距離情報に応じて、使用する人感センサを選択する。このように制御部7は、距離計測部14により計測された距離に応じて、複数の人感センサ4、5のうち点灯回路6の制御に用いる人感センサを切り替える。
【0029】
一般に、人感センサは検出エリアとの距離が離れるほど検出範囲が広がる。このため、照明器具の取付け高さによって、検出範囲が異なってしまう。本実施の形態では、人感センサ4、5と検出エリアとの距離に応じて、検出範囲を調整できる。従って、照明器具401の取付け高さが変わっても、一定の検出範囲を実現することができる。
【0030】
実施の形態6.
図10は、実施の形態6に係る人感センサ15の構成を示す図である。本実施の形態において、人感センサ15は、複数の人検出部17、18と、1つのレンズ16から形成される。
図11は、実施の形態6に係るレンズ16の構成を示す図である。レンズ16は、互いに画角が異なる複数のレンズ部19、20を有する。レンズ部19、20は、人検出部17、18にそれぞれ設けられる。つまり、人検出部17はレンズ部19を介して人を検出する。また、人検出部18はレンズ部20を介して人を検出する。例えば、レンズ部19は検出範囲9を検出し、レンズ部20は検出範囲10を検出する。これにより独立した複数の人感センサ4、5と同様の機能を得ることができる。
【0031】
レンズ部19、20は1つのレンズ16として一体化されている。これにより、1つの人感センサ15で検出範囲を変更することができる。従って、省スペース化が可能となる。
【0032】
図10、11では、人感センサ15が2つの人検出部17、18を有する例を示した。これに限らず、人感センサ15は3つ以上の人検出部と、3つ以上のレンズ部を有しても良い。この場合、より細かに検出範囲を調整することができる。
【0033】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0034】
1 照明器具、2 点灯装置、3 光源、4 人感センサ、4a 人検出部、4b レンズ、5 人感センサ、5a 人検出部、5b レンズ、6 点灯回路、7 制御部、7a 解析部、7b 記憶部、8 空間、9 検出範囲、10 検出範囲、11 設定機構、14 距離計測部、15 人感センサ、16 レンズ、17 人検出部、18 人検出部、19 レンズ部、20 レンズ部、50 センサ部、201 照明器具、301 照明器具、401 照明器具