(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017395
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】発光表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3233 20160101AFI20220118BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220118BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220118BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220118BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 670J
G09G3/20 612U
G09G3/20 641P
G09G3/20 660E
G09G3/20 642A
G09G3/20 642L
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H05B33/14 A
H01L27/32
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175166
(22)【出願日】2021-10-27
(62)【分割の表示】P 2020098083の分割
【原出願日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】10-2019-0066450
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】▲チョ▼ 正 根
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 旭
(72)【発明者】
【氏名】金 裕 勳
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC34
3K107HH04
5C080AA06
5C080DD29
5C080EE28
5C080EE29
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ07
5C094AA03
5C094AA08
5C094AA31
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB22
5C380AB23
5C380AB25
5C380AB28
5C380AB34
5C380AB36
5C380BA21
5C380BA46
5C380BD02
5C380BD12
5C380BD13
5C380CA08
5C380CB01
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC63
5C380CD013
5C380CF13
5C380CF48
5C380DA05
5C380DA58
5C380FA02
5C380FA19
5C380FA21
5C380FA24
5C380FA26
5C380FA28
(57)【要約】
【課題】低階調(低輝度)領域での染み現象を改善し、色正確度及び階調表現力を向上させ、発光素子間の寿命偏差を低減して残像を改善することができる発光表示装置及びその方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態による発光表示装置は、発光素子を有する複数のサブピクセルを含むパネルを含み、前記パネルが少なくとも1つの領域において各色の閾値未満の低階調を表示する場合、前記少なくとも1つの領域は、0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルを含み、前記少なくとも1つの領域における前記0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルは、0階調の値よりも高い階調の値を有する映像データを受信する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有する複数のサブピクセルを含むパネルを含み、
前記パネルが少なくとも1つの領域において各色の閾値未満の低階調を表示する場合、前記少なくとも1つの領域は、0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルを含み、
前記少なくとも1つの領域における前記0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルは、0階調の値よりも高い階調の値を有する映像データを受信する、
発光表示装置。
【請求項2】
前記0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルの位置は、各発光素子の累積使用量と前記閾値によって変化する、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項3】
前記0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルの位置は、前記パネルに対する駆動時間の経過によって変化する、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルの位置は、前記閾値未満の映像データが同一であっても、前記パネルに対する駆動時間の経過によって変化する、請求項3に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルは、駆動していないサブピクセルである、請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項6】
表示装置を駆動する際の色の不均一性を改善するために低階調領域において輝度の偏差を低減するための方法であって、
第1期間の間に、選択された閾値未満の低階調の値を有する各サブピクセルのためのデータ信号を用いて、所定の領域におけるサブピクセルの第1の組を駆動し、且つ、前記所定の領域において0階調の値を有することとなるサブピクセルの第2の組を駆動しない段階と、
第2期間の間に、前記所定の領域において0階調の値を有することとなるサブピクセルの前記第1の組を駆動せず、且つ、前記選択された閾値未満の低階調の値を有する各サブピクセルのためのデータ信号を用いて、所定の領域におけるサブピクセルの前記第2の組を駆動する段階と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は低階調(低輝度)領域での染み現象を改善し、色正確度及び階調表現力を向上させることができる発光表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、液晶を用いた液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode;OLED)のような自発光素子を用いた発光表示装置を主に用いる。
発光表示装置は電子と正孔の再結合で発光層を発光させる自発光素子を用いるので、輝度が高くて駆動電圧が低く、超薄膜化が可能であるだけでなく、自由な形状への具現が可能な利点がある。
【0003】
発光表示装置を構成する各サブピクセルは、発光素子と、発光素子を独立的に駆動するピクセル回路とを含み、ピクセル回路は複数の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)及びストレージキャパシターを含む。ピクセル回路の駆動TFTは、ストレージキャパシターを介してデータ信号に相応する駆動電圧Vgsを受け、発光素子を駆動する電流(Ids)を調節することにより、発光素子の発光量を制御する。
【0004】
発光表示装置は、低階調の表現の際、低電流によって分別可能な階調(輝度)ステップを表現することができなくて低階調表現力が落ちることがある。発光表示装置はカラー別に低階調表現力が落ちる特定のポイント及びガンマ形態が異なるので、低階調領域で輝度偏差による染み現象と色ずれのようなアーチファクト(artifact)が発生し得る。発光表示装置は、各発光素子の使用量による寿命偏差による輝度偏差が発生して残像が発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、低階調(低輝度)領域での染み現象を改善し、色正確度及び階調表現力を向上させることができる発光表示装置及びその駆動方法を提供する。
本発明は、発光素子間の寿命偏差を低減して残像を改善することができる発光表示装置及びその駆動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例による表示装置は、入力最大輝度によって選択された閾値を基準に、前記閾値未満の映像データを、階調再現マスクを用いて前記閾値と最小値のいずれか一つに変換して出力し、前記閾値以上の映像データは維持して出力する映像処理部と、発光素子を有する複数のサブピクセルを含むパネルと、前記映像処理部の出力を前記パネルに提供するパネル駆動部とを含む。また、別の一実施例による発光表示装置は、発光素子を有する複数のサブピクセルを含むパネルを含み、前記パネルが少なくとも1つの領域において各色の閾値未満の低階調を表示する場合、前記少なくとも1つの領域は、0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルを含み、前記少なくとも1つの領域における前記0階調の値を示す少なくとも1つのサブピクセルは、0階調の値よりも高い階調の値を有する映像データを受信する。
【0008】
前記閾値未満の低階調領域で、前記パネルに対する駆動時間の経過によって、前記閾値を表示するサブピクセルの位置と前記最小値を表示するサブピクセルの位置とを可変可能にする。各発光素子の累積使用量と前記閾値によって、前記閾値を表示するサブピクセルの位置と前記最小値を表示するサブピクセルの位置とが可変可能にする。
【0009】
一実施例による前記映像処理部は、複数の最大輝度別に、カラー別に異なるように設定された複数の閾値の中で前記入力最大輝度に対応する各カラーの閾値を選択して出力する閾値ルックアップテーブルと、以前フレームの出力を各発光素子の使用量として累積する素子使用量累積部と、前記閾値ルックアップテーブルから出力された各カラーの閾値と前記素子使用量累積部に保存された各発光素子の累積使用量を考慮して各カラーの前記階調再現マスクを生成して出力するマスク生成部と、入力映像データを前記各カラーの閾値と比較し、前記各カラーの閾値未満の映像データは前記各カラーの階調再現マスクで決定された各マスク値と比較し、前記各カラーの閾値又は最小値に変換して出力し、前記各カラーの閾値以上の映像データは維持して出力する階調再現処理部とを含む。
【0010】
一実施例による発光表示装置の駆動方法は、複数の最大輝度別に、カラー別に異なるように設定された複数の閾値の中で入力最大輝度に対応する各カラーの閾値を選択して出力する閾値選択段階と、以前フレームの出力を複数のサブピクセルのそれぞれに対する発光素子使用量として累積する素子使用量累積段階と、前記選択された各カラーの閾値と前記各発光素子の累積使用量を考慮して各カラーの階調再現マスクを生成するマスク生成段階と、入力映像データを前記各カラーの閾値と比較し、前記各カラーの閾値未満の映像データは前記各カラーの階調再現マスクで該当マスク値と比較して前記各カラーの閾値又は最小値に変換して出力し、前記各カラーの閾値以上の映像データは維持して出力する階調再現段階と、前記階調再現段階の出力をパネルに表示する表示段階とを含む。また、別の一実施例による表示装置を駆動する際の色の不均一性を改善するために低階調領域において輝度の偏差を低減するための方法は、第1期間の間に、選択された閾値未満の低階調の値を有する各サブピクセルのためのデータ信号を用いて、所定の領域におけるサブピクセルの第1の組を駆動し、且つ、前記所定の領域において0階調の値を有することとなるサブピクセルの第2の組を駆動しない段階と、第2期間の間に、前記所定の領域において0階調の値を有することとなるサブピクセルの前記第1の組を駆動せず、且つ、前記選択された閾値未満の低階調の値を有する各サブピクセルのためのデータ信号を用いて、所定の領域におけるサブピクセルの前記第2の組を駆動する段階とを含む。
【0011】
前記マスク生成部(マスク生成段階)は、前記各カラーの階調再現マスクに対応するサブピクセルの各発光素子の累積使用量によって付与した順序値と、ガンマ定数と、前記各カラーの閾値と、前記階調再現マスクの大きさとを考慮して前記該当サブピクセルにそれぞれ対応するマスク値を決定し、前記各カラーの階調再現マスクを生成できる。
【0012】
前記階調再現処理部(階調再現処理段階)は、前記各カラーの閾値未満のデータが前記各カラーの階調再現マスクの各マスク値より大きければ、該当データを前記各カラーの閾値に変換して出力し、前記各カラーの閾値未満のデータが前記各カラーの階調再現マスクの各マスク値以下であれば、該当データを前記最小値に変換して出力する。
【0013】
前記映像処理部は、前記各カラーの閾値が階調値であるとき、前記以前フレームの出力を輝度値に変換して前記素子使用量累積段階に出力する輝度変換段階をさらに含むことができる。
【0014】
前記映像処理部は、前記各カラーの閾値が輝度値であるとき、前記階調再現処理部の入力端に位置し、前記入力映像データである階調値を輝度値に変換して前記階調再現処理部に出力する輝度変換部と、前記階調再現処理部の出力である輝度値を階調値に変換して出力する階調変換部とをさらに含み、前記素子使用量累積部は、前記階調再現処理部の出力を前記以前フレームの出力として受けて累積できる。
【0015】
前記発光表示装置は、前記各カラーの閾値未満の低階調領域に前記各カラーの階調再現マスクを適用し、各カラーの閾値と最小値の組合せで低階調領域の輝度を再現できる。
【発明の効果】
【0016】
一実施例は、発光表示装置の最大輝度及び各発光素子の寿命を考慮した階調再現マスクを生成及び適用し、均一度及び階調表現力に優れた閾値と最小値(0)の組合せで低階調を再現することにより、低階調領域の輝度偏差を低減して染み現象を改善することができ、色正確度及び低階調表現力を向上できる。
【0017】
一実施例は、表示装置の最大輝度変更によって変わる各カラーの閾値を用いて階調再現マスクを生成及び適用することにより、輝度変更にかかわらず、低階調領域での染み現象を改善し、色正確度及び低階調表現力を向上できる。
【0018】
一実施例は、各発光素子の使用量によって階調再現マスクの各マスク値を可変して閾値のサブピクセル位置と最小値のサブピクセル位置を可変することにより、発光素子間の寿命偏差を低減でき、発光素子の寿命による輝度偏差を低減できるので、残像現象を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施例による発光表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す一サブピクセルを例示した等価回路図である。
【
図3】本発明の一実施例による映像処理部の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施例による映像処理方法を段階的に示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施例によるマスク生成及び階調再現方法を例示的に示す図である。
【
図6】本発明の一実施例による映像処理部の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図7】本発明の一実施例による映像処理方法を段階的に示すフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施例による発光表示装置の表示映像を比較例と比較して示す図である。
【
図9】本発明の一実施例による発光表示装置の低階調表示結果を比較例と比較して示す図である。
【
図10】本発明の一実施例による発光表示装置の映像処理技術に対する適用可否を検証することができる方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施例による発光表示装置の構成を示すブロック図、
図2は
図1に示す一サブピクセルの構成を例示した等価回路図である。
【0021】
図1を参照すると、発光表示装置は、パネル100、ゲートドライバー200、データドライバー300、タイミングコントローラー400、及びガンマ電圧生成部500を含むことができる。
【0022】
パネル100は、ピクセルアレイを介して映像を表示する。ピクセルアレイは、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のサブピクセルPを含むことができ、白色(W)のサブピクセルをさらに含むことができる。一方、パネル100はピクセルアレイとオーバーラップするタッチセンサーが内蔵されるか付着されたパネルであり得る。
【0023】
各サブピクセルPは、発光素子と、その発光素子を独立的に駆動するピクセル回路とを含む。ピクセル回路は、発光素子を駆動する駆動TFTと、駆動TFTにデータ信号を供給するスイッチングTFTを少なくとも含む複数のTFTと、スイッチングTFTを介して供給されたデータ信号に相応する駆動電圧Vgsを保存して駆動TFTに供給するストレージキャパシターとを含む。
【0024】
例えば、各サブピクセルSPは、
図2に示すように、高電位駆動電圧(第1駆動電圧)EVDDを供給する電源ラインと低電位駆動電圧(第2駆動電圧)EVSSを供給する電極との間に接続された発光素子10と、発光素子10を独立的に駆動するために第1及び第2スイッチングTFT ST1、ST2及び駆動TFT DTとストレージキャパシターCstを少なくとも含むピクセル回路とを備える。一方、ピクセル回路は、
図2の構成の他にも、多様な構成を適用可能である。
【0025】
スイッチングTFT ST1、ST2及び駆動TFT DTは、アモルファスシリコン(a-Si)TFT、ポリシリコン(poly-Si)TFT、酸化物(Oxide)TFT、又は有機(Organic)TFTなどを用いることができる。
【0026】
発光素子10は、駆動TFT DTのソースノードN2と接続されたアノードと、EVSS供給ラインと接続されたカソードと、アノード及びカソードの間の有機発光層とを備える。アノードはサブピクセル別に独立的であるが、カソードは全体サブピクセルが共有する共通電極であり得る。発光素子10は、駆動TFT DTから駆動電流が供給されれば、カソードからの電子が有機発光層に注入され、アノードからの正孔が有機発光層に注入され、有機発光層で電子及び正孔の再結合によって蛍光又はリン光物質を発光させることにより、駆動電流の電流値に比例する明るさの光を発生する。
【0027】
第1スイッチングTFT ST1はゲートドライバー200から一ゲートラインGn1に供給されるゲートパルスSCnによって駆動され、データドライバー300からデータラインDmに供給されるデータ電圧Vdataを駆動TFT DTのゲートノードN1に供給する。
【0028】
第2スイッチングTFT ST2はゲートドライバー200から他のゲートラインGn2に供給されるゲートパルスSEnによって駆動され、データドライバー300からレファレンスラインRmに供給されるレファレンス電圧Vrefを駆動TFT DTのソースノードN2に供給する。
【0029】
駆動TFT DTのゲートノードN1及びソースノードN2の間に接続されたストレージキャパシターCstは第1及び第2スイッチングTFT ST1、ST2を介してゲートノードN1及びソースノードN2にそれぞれ供給されたデータ電圧Vdataとレファレンス電圧Vrefとの間の差電圧を駆動TFT DTの駆動電圧Vgsとして充電し、第1及び第2スイッチングTFT ST1、ST2がオフされる発光期間の間に充電された駆動電圧Vgsを維持する。
【0030】
駆動TFT DTはEVDDラインPW1から供給される電流をストレージキャパシターCstから供給された駆動電圧Vgsによって制御し、駆動電圧Vgsによって決定された駆動電流を発光素子10に供給することにより発光素子10を発光させる。
【0031】
図1に示すゲートドライバー200及びデータドライバー300はパネル100を駆動するパネル駆動部と表現されることがある。
【0032】
ゲートドライバー200は、タイミングコントローラー400から複数のゲート制御信号を受けてシフト動作をしてパネル100のゲートラインを個別的に駆動する。ゲートドライバー200は、各ゲートラインの駆動期間にゲートオン電圧を該当ゲートラインに供給し、各ゲートラインの非駆動期間にはゲートオフ電圧を該当ゲートラインに供給する。ゲートドライバー200はピクセルアレイのTFTとともに形成されてゲートインパネル(Gate In Panel;GIP)の形態でパネル100に内蔵され得る。
【0033】
ガンマ電圧生成部500はレベルの異なる複数の基準ガンマ電圧を生成してデータドライバー300に供給する。ガンマ電圧生成部500は、タイミングコントローラー400の制御によって、表示装置のガンマ特性に対応する複数の基準ガンマ電圧を生成するか調節してデータドライバー300に供給できる。
【0034】
データドライバー300はタイミングコントローラー400から受けたデータ制御信号によって制御され、タイミングコントローラー400から受けたデジタルデータをアナログデータ信号に変換してパネル100のデータラインに供給する。データドライバー300は、ガンマ電圧生成部500から供給された複数の基準ガンマ電圧が細分化した階調電圧を用いてデジタルデータをアナログデータ信号に変換する。データドライバー300は、レファレンス電圧Vrefをタイミングコントローラー400の制御によってパネル100のレファレンスラインに供給できる。
【0035】
データドライバー300は、タイミングコントローラー400の制御によってセンシングモードであるとき、データライン及びレファレンスラインにセンシング用データ電圧及びレファレンス電圧をそれぞれ供給することができる。センシングモードで駆動されるサブピクセルPで、駆動TFT DTはデータラインDm及び第1スイッチングTFT ST1を介して供給されるセンシング用データ電圧Vdataと、レファレンスラインRm及び第2スイッチングTFT ST2を介して供給されるレファレンス電圧Vrefとを受けて駆動できる。駆動TFT DTの電気的な特性(閾値電圧Vth、移動度)又は発光素子10の劣化特性が反映された電流を第2スイッチングTFT ST2を介してレファレンスラインRmのラインキャパシターに電圧として充電するか、レファレンスラインRmと接続された電流積分器を介して電圧に変換できる。データドライバー300は、各サブピクセルPの特性が反映された電圧をセンシングデータに変換してタイミングコントローラー400に出力できる。
【0036】
タイミングコントローラー400は、ホストシステムからソース映像及びタイミング制御信号を受ける。ホストシステムは、コンピュータ、TVシステム、セットトップボックス、タブレット、携帯電話などの携帯端末機のシステムのいずれか一つであり得る。タイミング制御信号は、ドットクロック、データイネーブル信号、垂直同期信号、水平同期信号などを含むことができる。
【0037】
タイミングコントローラー400は、供給されたタイミング制御信号と内部に保存されたタイミング設定情報を用い、データドライバー300の駆動タイミングを制御する複数のデータ制御信号を生成してデータドライバー300に供給し、ゲートドライバー200の駆動タイミングを制御する複数のゲート制御信号を生成してゲートドライバー200に供給する。
【0038】
タイミングコントローラー400は、ソース映像に対する多様な映像処理を行う映像処理部600を含むことができる。映像処理部600はタイミングコントローラー400から分離されてタイミングコントローラー400の入力端に接続するように位することができる。この場合、映像処理部600の出力をタイミングコントローラー400を介してデータドライバー300に供給できる。
【0039】
映像処理部600は、最大輝度によって低階調表現力問題が発生する低階調領域を判別し、階調再現マスクを適用して閾値と最小値(0階調)の組合せで低階調領域の輝度を再現できる。言い換えれば、映像処理部600は、最大輝度によって変わる閾値を基準に表現力問題が発生する閾値未満の低階調領域を、均一度及び階調表現力に優れた閾値と最小値(0階調)の分散配置による平均組合せで再現できる。各カラーの閾値は、均一度及び階調表現力に優れた各カラーの階調値又は輝度値の中で最小値であり得る。カラー別閾値を発光素子の均一度及び階調表現力に優れた最小電流値に対応させられる。
【0040】
このために、映像処理部600は、環境及び使用者によって変更可能な最大輝度によって他のカラー別閾値を用い、カラー別閾値より低い映像データを、階調再現マスクを用いてカラー別閾値又は最小値(0)に変換して出力できる。
【0041】
特に、映像処理部600は、最大輝度によって変わる各カラーの閾値と各発光素子の使用量による寿命を考慮して各カラーの階調再現マスクを生成できる。映像処理部600は、各発光素子の使用量を累積し、各発光素子の累積使用量順と各カラーの閾値を適用して階調再現マスクの各マスク値を決定することにより、閾値最小値(0)の適用位置を可変にできる。この結果、映像処理部600は発光素子間の寿命偏差を低減できる。映像処理部600は、閾値以上の映像データはそのまま維持して出力する。映像処理部600の低階調再現処理方法についての具体的な説明は後述する。
【0042】
映像処理部600は、低階調再現処理以前に画質補正、劣化補正、消費電力減少のための輝度補正などを含む複数の映像処理をさらに遂行することができる。
【0043】
一方、タイミングコントローラー400は、映像処理部600の出力をデータドライバー300に供給するに先立ち、メモリに保存された各サブピクセルの特性偏差に対する補償値を適用してさらに補正することができる。センシングモードの際、タイミングコントローラー400は、データドライバー300を介してパネル100の各サブピクセルPの特性をセンシングし、センシング結果を用いてメモリに保存された各サブピクセルの補償値をアップデートできる。
【0044】
このように、一実施例による映像処理部600を含む発光表示装置は、最大輝度を変更したにもかかわらず、低階調領域の輝度偏差を低減して染み現象を改善でき、色正確度及び低階調表現力を向上でき、発光素子の寿命による輝度偏差を低減して残像現象を改善できる。
【0045】
図3は本発明の一実施例による映像処理部の構成を概略的に示すブロック図、
図4は本発明の一実施例による映像処理方法を示すフローチャートである。
図4に示す映像処理方法は
図3に示す映像処理部600によって遂行される。
【0046】
図3を参照すると、一実施例による映像処理部600は、最大輝度入力部602、閾値ルックアップテーブル(Look-Up Table;LUT)604、マスク生成部606、映像入力部608、階調再現処理部610、映像出力部612、及び輝度変換部614を含むことができる。映像処理部は
図3に示す構成以外にも他の必要な構成をさらに含むことができる。
【0047】
図3及び
図4を参照すると、最大輝度入力部602は、外部から最大輝度を受けて閾値ルックアップテーブル604及び輝度変換部614に供給する(S402)。最大輝度は表示装置で設定された最大輝度であり、使用者の輝度調整によって調節された最大輝度であり、又は照度センサーなどのセンサーによってセンシングされた外部環境によって調節された最大輝度であり得る。
【0048】
閾値ルックアップテーブル604は、供給された最大輝度に対応する映像データの閾値を選択してマスク生成部606及び階調再現処理部610に供給する(S404)。閾値ルックアップテーブル604には複数の最大輝度(複数の最大輝度範囲)にそれぞれ対応して階調表現に優れたデータの閾値がカラー別に予め設定されてルックアップテーブルの形態に保存されている。R、G、B閾値は各カラーで均一度及び階調表現に優れた階調値(輝度値)の中で最小階調値(輝度値)であり得る。
図3及び
図4はR、G、B閾値が階調値の場合を例示したものである。R、G、Bガンマ形態が異なるので、階調表現に優れた閾値はカラー別に異なるように設定されることができ、R、G、B閾値は最大輝度の変化によって異なるように設定されることができる。言い換えれば、階調表現に優れたR、G、Bデータのそれぞれの閾値は最大輝度別に、カラー別に異なるように設定されることができる。例えば、最大輝度が高いほど、各カラーの閾値を低くできる。
【0049】
映像入力部608は、外部から入力映像を受けて階調再現処理部610に出力する(S406)。
【0050】
輝度変換部614は、階調再現処理部610から供給された以前フレームN-1の出力である階調データを輝度データに変換して出力する(S411)。輝度変換部614は、デガンマ演算処理によって非線形カラー値であるR、G、B階調データを線形カラー値に変換し、最大輝度を適用することにより、R、G、B輝度データに変換できる。
【0051】
素子使用量累積部605は、輝度変換部614から供給された以前フレームN-1のR、G、B輝度データを各発光素子の使用量DB(Data base)に累積させる(S412)。
【0052】
マスク生成部606は、素子使用量累積部605から各カラーの階調再現マスクに対応する複数サブピクセルの発光素子に対する使用量を読み出して各発光素子に対する使用量順を決定する(S414)。マスク生成部606は、各発光素子の使用量順及びカラー別閾値とマスクの大きさを考慮して各サブピクセルに対するマスク値を決定し、各サブピクセルのマスク値から構成された各カラーの階調再現マスクを生成する(S416)。ここで、マスク生成部606は、各サブピクセルに対するマスク値の決定の際、ガンマ定数をさらに適用できる。
【0053】
階調再現処理部610は、映像入力部608からR、G、Bデータを受け、閾値ルックアップテーブル604からR、G、B閾値を受け、マスク生成部606からR、G、B再現マスクを受ける。階調再現処理部610は、R、G、BデータをR、G、B閾値のそれぞれと比較し、各カラーデータが各カラー閾値未満の低階調データであるかを判断する(S422)。
【0054】
階調再現処理部610は、各カラーデータが各カラー閾値以上であれば(N)、各カラーデータを維持して出力する(S423)。
【0055】
階調再現処理部610は、各カラーデータが各カラー閾値より小さい低階調データであれば(Y)、該当カラーデータを該当カラーの階調再現マスクに含まれた該当サブピクセルのマスク値と比較する(S424)。階調再現処理部610は、各カラーデータが各サブピクセルのマスク値より大きければ(Y)、該当カラーデータを該当カラーの閾値に変換して出力する(S426)。階調再現処理部610は、各カラーデータが各サブピクセルのマスク値以下であれば(N)、該当カラーデータを最小値(0階調)に変換して出力する(S428)。これにより、階調再現処理部610は、各カラー閾値未満の低階調(低輝度)データを該当カラー閾値と最小値(0)の組合せで再現する。
【0056】
映像出力部612は、階調再現処理部610の出力データを取り合わせて出力映像を供給する(S430)。
【0057】
図5は本発明の一実施例によるマスク生成方法及び階調再現方法を例示的に示す図である。
図5(a)~
図5(c)は
図3のマスク生成部606で行われるマスク生成方法を、
図5(d)~
図5(f)は
図3の階調再現処理部610で行われる低階調再現方法を示す。
【0058】
図5(a)に示すように、マスク生成部606は、素子使用量累積部605から階調再現マスクに属する複数(例えば8*8)のサブピクセルに対する各発光素子使用量を読み出し、発光素子使用量の少ないものから多いものの順に昇順に整列(sorting)する。マスク生成部606は、カラー別に階調再現マスクに属する各発光素子の使用量を整列する。
【0059】
図5(b)に示すように、マスク生成部606は、カラー別階調再現マスクを構成する複数のセルのそれぞれに発光素子使用量によって順序値(1~64)を付与し、付与した順序値(1~64)はガンマ定数を考慮した順序値LUTを用いて加工され得る。
【0060】
図5(c)に示すように、マスク生成部606は、加工された各セルの順序値と、各カラーの閾値と、階調再現マスクの大きさ(8*8)とを考慮して各セルのマスク値を決定し、8*8個のマスク値からなるカラー別階調再現マスクを生成する。
【0061】
図5(d)に示すように、階調再現処理部610は、入力映像から各カラーの階調再現マスクに対応する複数(8*8)の入力データをカラー別に抽出する。
【0062】
図5(e)に示すように、階調再現処理部610は、入力データを各カラーの閾値、階調再現マスクのマスク値と比較して階調再現を遂行する。階調再現処理部610は、入力データが各カラーの閾値以上であれば、入力データを維持して出力する。階調再現処理部610は、入力データが各カラーの閾値未満でありながら階調再現マスクの各マスク値より大きければ、入力データを各カラーの閾値に変換して出力する。階調再現処理部610は、入力データが各カラーの閾値未満でありながら階調再現マスクの各マスク値以下であれば、入力データを最小値(0)に変換して出力する。
【0063】
その結果、階調再現処理部610は、階調再現マスクの大きさに相当する64個の32階調入力データを、
図5(f)に示すように、14個の64階調(Gの閾値)出力データと50個の0階調出力データの組合せで再現できる。
【0064】
図6は本発明の一実施例による映像処理部の構成を概略的に示すブロック図であり、
図7は本発明の一実施例による映像処理方法を段階的に示すフローチャートである。
【0065】
図3に示す映像処理部600と
図4に示す映像処理方法は階調データに基づいて低階調再現を遂行した反面、
図6に示す映像処理部600Aと
図7に示す映像処理方法は輝度データに基づいて低階調再現を遂行するという点で違いがあるので、重複構成についての説明は省略する。
【0066】
図6に示す映像処理部600Aには、
図3に示す映像処理部600に比べて、映像入力部608と階調再現処理部610Aとの間に各カラーの階調データを各カラーの輝度データに変換する輝度変換部609が挿入される。階調再現処理部610と映像出力部612との間には各カラーの輝度データを各カラーの階調データに変換する階調変換部611が挿入される。一方、
図3の素子使用量累積部605と接続された輝度変換部614は
図6の実施例では除去される。素子使用量累積部605は、階調再現処理部610から出力されたR、G、B輝度データを以前フレームの出力として受けて各発光素子の使用量として累積させられる。閾値ルックアップテーブル604に保存されたR、G、B閾値は各カラーで均一度及び階調表現に優れた輝度値の中で最小値である。
【0067】
図7に示す映像処理方法は、
図4に示す映像処理方法に比べて、映像入力部608の映像入力段階(S406)と階調再現処理部610のR、G、Bデータと閾値の比較段階(S422)との間に輝度変換部609の輝度変換段階(S407)をさらに含む。階調再現処理部610の出力段階(S426、S428、S423)と映像出力部612の映像出力段階(S430)との間に階調変換部611の階調変換段階(S429)をさらに含む。一方、
図4の発光素子の使用量累積段階(S412)以前の輝度変換段階(S411)は除去される。
【0068】
図8は本発明の一実施例による発光表示装置の表示映像を比較例と比較して示す図であり、
図9は本発明の一実施例による発光表示装置の低階調表示結果を比較例と比較して示す図である。
図8の3番目の比較図において、発光表示装置は水平方向に4色が帯状に延びる映像を表示する。4色は、上から順に白色、赤色、緑色、青色である。また、水平方向に図面視で左から右へ徐々に階調が高くなるように表示する。
【0069】
図8(a)に示す比較例の発光表示装置に表示された映像は低階調表現力が良くなくて画質問題がある反面、
図8(b)に示す一実施例の発光表示装置に表示された映像は低階調表現力が向上し、画質が向上したことが分かる。
図8(a)の比較例は青色に比べて低電流が供給される緑色及び赤色の低階調表現力に問題がある反面、
図8(b)の実施例は全ての色で低階調表現力が向上したことが分かる。
【0070】
図9(a)に示す比較例の発光表示装置に表示された単色の低階調映像は輝度が不均一であって染み現状の画質問題がある反面、
図9(b)に示す一実施例の発光表示装置に表示された単色の低階調映像は均一度が向上し、染み現象が改善したことが分かる。
【0071】
図10は本発明の一実施例による発光表示装置の映像処理技術の適用可否を立証する方法を示す図である。
【0072】
図10(a)に示す比較例は、32階調入力映像を無駆動サブピクセルと駆動サブピクセルの組合せで表現可能であるが、255階調及び0階調が交互に現れるドットパターン映像を長期間(T)表示した後、32階調入力映像をまた表示するとき、
図10(a)のように0階調を表示する無駆動サブピクセルの位置と各カラーの閾値を表示する駆動サブピクセルの位置を固定できる。
【0073】
一方、
図10(b)に示す実施例は、32階調入力映像を初期駆動の際には、
図10(a)のように無駆動サブピクセルと駆動サブピクセルの組合せで表現するが、255階調及び0階調が交互に現れるドットパターン映像を長期間(T)表示した後、32階調入力映像をまた表示すれば、0階調を表示する無駆動サブピクセルの位置と各カラーの閾値を表示する駆動サブピクセルの位置を各サブピクセルの使用量によって変更することが分かる。
【0074】
したがって、同じ低階調入力映像を表示しても、各サブピクセルの使用量によって無駆動サブピクセルの位置と駆動サブピクセルの位置とが変更されることを確認することによって本発明の適用可否を確認できる。
【0075】
以上説明したように、一実施例は、発光表示装置の最大輝度及び各発光素子の寿命を考慮した階調再現マスクを生成及び適用し、均一度及び階調表現力に優れた閾値と最小値の組合せで低階調を再現することにより、低階調領域の輝度偏差を低減して染み現象を改善でき、色正確度及び低階調表現力を向上できる。
【0076】
一実施例は、表示装置の最大輝度変更によって変わるカラー別閾値を用いて階調再現マスクを生成及び適用することにより、輝度変更にかかわらず、低階調領域での染み現象を改善し、色正確度及び低階調表現力を向上できる。
【0077】
一実施例は、各発光素子の使用量によって階調再現マスクの各マスク値を可変して閾値及び最小値の適用位置を可変とすることにより、発光素子間の寿命偏差を低減でき、発光素子の寿命による輝度偏差を低減でき、残像現象を改善できる。
【0078】
以上で説明した内容から、当業者であれば本発明の技術思想を逸脱しない範疇内で多様な変更及び修正が可能であることが分かるであろう。よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるものではなく、特許請求範囲によって決定されなければならない。
【符号の説明】
【0079】
100 パネル
200 ゲートドライバー
300 データドライバー
400 タイミングコントローラー
600、600A 映像処理部