(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173950
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、推定方法、および、推定プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20221115BHJP
A61B 10/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
G16H50/30
A61B10/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080028
(22)【出願日】2021-05-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開者 古橋眞人、田中希尚、東浦幸村、小山雅之、大西浩文、沼田啓太、久末章史、塙なぎさ、茂庭仁人、三浦哲嗣 公開場所 J Diabetes Investig Vol.11 No.6,November 2020,1490-1497 公開日 2020年6月7日
(71)【出願人】
【識別番号】307014555
【氏名又は名称】北海道公立大学法人 札幌医科大学
(71)【出願人】
【識別番号】514314875
【氏名又は名称】サイマックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】古橋 眞人
(72)【発明者】
【氏名】田中 希尚
(72)【発明者】
【氏名】東浦 幸村
(72)【発明者】
【氏名】西崎 慎一郎
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する情報処理装置、推定方法及び推定プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置100は、通信部110と、入力部120と、制御部130と、記憶部140と、出力部150と、を備える。推定部131は、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無と、に基づいて、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する。推定部131は、記憶部140に記憶されている疾病可能性情報141を読み出して、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無とに対応するユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す指標値を取得する。そして、取得した指標値に基づいて、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関するユーザ情報として、前記ユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、尿pHとの入力を受け付ける受付部と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記ユーザの年齢に応じて、前記尿pHの所定範囲ごとに、喫煙習慣の有無に基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ情報は、さらに、前記ユーザの肥満度を含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記尿pHの所定範囲ごとに、前記肥満度の所定の閾値に対する大小および喫煙習慣の有無に応じて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記尿pHの所定範囲ごとに、前記肥満度の所定の閾値に対する大小及び喫煙習慣の有無に応じて糖尿病に罹患する可能性を示す疾病可能性情報を記憶する記憶部を備え、
前記推定部は、前記ユーザ情報と前記疾病可能性情報とに基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記疾病可能性情報を、ユーザの所定範囲の年代ごとに記憶し、
前記推定部は、前記ユーザの年齢に応じた前記疾病可能性情報に基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記ユーザの同年代の他のユーザであって、肥満度が前記所定の閾値未満であり、かつ、喫煙習慣がない他のユーザと比較して、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す倍率を、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性として推定する
ことを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、前記ユーザが所定年数後に糖尿病に罹患する可能性を推定する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記推定部により推定された前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性に基づいて、前記ユーザが糖尿病を患いにくくするための提案をする提案部を備える
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
便器に取り付けられ、pHを測定する測定装置と通信する通信部を備え、
前記受付部は、前記ユーザの前記尿pHとして、前記通信部が受信した前記測定装置により測定されたpHを受け付ける
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記通信部は、前記測定装置により測定した尿pHに対応するユーザを特定する特定情報を受信し、
前記出力部は、前記糖尿病に罹患する可能性を示す情報を前記特定情報が示すユーザの端末に送信する
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記ユーザは、男性である
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記受付部は、さらに、前記ユーザが糖尿病を罹患したことを示す罹患情報を受け付け、
前記情報処理装置は、
前記罹患情報と、前記罹患情報に対応するユーザのユーザ情報と、に基づいて、前記疾病可能性情報を更新する更新部を備える
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータが、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定方法であって、
ユーザに関するユーザ情報として、前記ユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、尿pHとの入力を受け付ける受付ステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定ステップと、
前記推定ステップが推定した前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力する出力ステップと、
を含む推定方法。
【請求項15】
コンピュータに、
ユーザに関するユーザ情報として、前記ユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、尿pHとの入力を受け付ける受付機能と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定機能と、
前記推定機能が推定した前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力する出力機能と、
を実現させる推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病に関する可能性を推定する情報処理装置、及び、その推定方法並びに推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの肥満度が糖尿病に関連することが知られている。特許文献1には、ユーザの肥満度に基づいて、ユーザの健康状態を推定する健康状態推定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザが糖尿病に罹患する可能性について、更なる推定精度の向上が要望されており、肥満度による推定以外の手法も求められている。
【0005】
そこで、本発明は、従来とは異なる手法を用いてユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定することができる情報処理装置、推定方法および推定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理装置は、ユーザに関するユーザ情報として、ユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、尿pHとの入力を受け付ける受付部と、ユーザ情報に基づいて、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定部と、推定部が推定したユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
上記情報処理装置において、推定部は、ユーザの年齢に応じて、尿pHの所定範囲ごとに、喫煙習慣の有無に基づいて、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定することとしてもよい。
【0008】
上記情報処理装置において、ユーザ情報は、さらに、ユーザの肥満度を含むことしてもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、推定部は、尿pHの所定範囲ごとに、肥満度の所定の閾値に対する大小および喫煙習慣の有無に応じて、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定することとしてもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、尿pHの所定範囲ごとに、肥満度の所定の閾値に対する大小及び喫煙習慣の有無に応じて糖尿病に罹患する可能性を示す疾病可能性情報を記憶する記憶部を備え、推定部は、ユーザ情報と疾病可能性情報とに基づいて、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定することとしてもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、記憶部は、疾病可能性情報を、ユーザの所定範囲の年代ごとに記憶し、推定部は、ユーザの年齢に応じた疾病可能性情報に基づいて、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定することとしてもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、推定部は、ユーザの同年代の他のユーザであって、肥満度が所定の閾値未満であり、かつ、喫煙習慣がない他のユーザと比較して、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す倍率を、ユーザが糖尿病に罹患する可能性として推定することとしてもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、推定部は、ユーザが所定年数後に糖尿病に罹患する可能性を推定することとしてもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、推定部により推定されたユーザが糖尿病に罹患する可能性に基づいて、ユーザが糖尿病を患いにくくするための提案をする提案部を備えることとしてもよい。
【0015】
上記情報処理装置において、便器に取り付けられ、pHを測定する測定装置と通信する通信部を備え、受付部は、ユーザの尿pHとして、通信部が受信した測定装置により測定されたpHを受け付けることとしてもよい。
【0016】
上記情報処理装置において、通信部は、測定装置により測定した尿pHに対応するユーザを特定する特定情報を受信し、出力部は、糖尿病に罹患する可能性を示す情報を特定情報が示すユーザの端末に送信することとしてもよい。
【0017】
上記情報処理装置において、ユーザは、男性であることとしてもよい。
【0018】
上記情報処理装置において、受付部は、さらに、ユーザが糖尿病を罹患したことを示す罹患情報を受け付け、情報処理装置は、罹患情報と、罹患情報に対応するユーザのユーザ情報と、に基づいて、疾病可能性情報を更新する更新部を備えることとしてもよい。
【0019】
本発明に係る推定方法は、コンピュータが、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定方法であって、ユーザに関するユーザ情報として、ユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、尿pHとの入力を受け付ける受付ステップと、ユーザ情報に基づいて、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定ステップと、推定ステップが推定したユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力する出力ステップと、を含む。
【0020】
本発明に係る推定プログラムは、コンピュータに、ユーザに関するユーザ情報として、ユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、尿pHとの入力を受け付ける受付機能と、ユーザ情報に基づいて、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定機能と、推定機能が推定したユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力する出力機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る情報処理装置、推定方法および推定プログラムは、ユーザが、所定年数後に糖尿病に罹患する可能性を推定することができる。したがって、その推定結果が糖尿病に罹患する可能性が高いことを示す場合には、例えば、現時点から、糖尿病に罹患しにくくなるための予防策を立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施例1に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】実施例1に係る糖尿病に罹患する可能性を推定するための第1制御テーブルの一例を示す図である。
【
図3】実施例1に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】実施例2に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】実施例2に係る糖尿病に罹患する可能性を推定するための第2制御テーブルの一例を示す図である。
【
図6】実施例2に係る情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図7】実施例3に係る糖尿病を推定するための糖尿病推定システムの構成例を示すシステム図である。
【
図8】実施例3に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図9】実施例3に係る測定装置の構成例を示すブロック図である。
【
図10】実施例3に係るユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図11】ユーザ情報のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【
図12】糖尿病推定システムにおける測定装置と情報処理装置とユーザ端末との間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【
図13】
図12に示すやり取りを実現するための測定装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図14】
図12に示すやり取りを実現するための情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図15】
図12に示すやり取りを実現するためのユーザ端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図16】ユーザ端末における推定結果の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施態様について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
<実施形態1>
<構成>
図1は、本発明に係る情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。
【0025】
実施形態1に係る情報処理装置100は、ユーザの尿pH、喫煙習慣の有無、年齢に基づいて、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定することができるコンピュータである。また、情報処理装置100は、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性に基づいて、10年後に糖尿病に罹患しにくくなるための生活習慣等の改善を提案できるコンピュータであってもよい。以下、詳細に説明する。
【0026】
図1に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、入力部120と、制御部130と、記憶部140と、出力部150と、を備える。
【0027】
通信部110は、ネットワークを介して外部の装置(
図1には図示せず)と通信する機能を有する通信インターフェースである。外部の装置は、一例として、10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定するユーザのスマートフォンや携帯電話、タブレット端末、PC、ノートPCなど各種の通信端末であってよいし、ユーザの尿pH(尿酸値)を測定する測定装置であってもよいし、ユーザの尿pHや肥満度の情報を保持する病院等に設けられた情報処理装置であってもよい。通信部110は、受信した情報を、制御部130に伝達する。また、通信部110は、制御部130から指示された情報を、指示された宛先に送信する。
【0028】
入力部120は、情報処理装置100のオペレータ等からの入力を受け付ける入力インターフェースである。入力部120は、一例として、マウス、キーボード、タッチパネル等により実現されてよいが、これらに限定するものではない。入力部120は、例えば、音声入力を受け付けるマイクなどであってもよい。入力部120は、入力された内容を制御部130に伝達する。入力部120は、10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定するユーザに関する情報として、例えば、ユーザの尿pH、喫煙習慣の有無や年齢などの情報を受け付けることとしてよい。
【0029】
制御部130は、情報処理装置100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部130は、記憶部140に記憶されている各種プログラム、データを利用して、情報処理装置100として果たすべき機能を実現する。制御部130は、果たすべき機能として、推定部131を備える。また、制御部130は、提案部132を備えてもよい。
【0030】
推定部131は、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無と、に基づいて、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する。推定部131は、記憶部140に記憶されている疾病可能性情報141を読み出して、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無とに対応するユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す指標値を取得する。そして、取得した指標値に基づいて、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する。
【0031】
推定部131は、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性について、他のユーザと比較して、どれだけ糖尿病に罹患する可能性が高いかを推定することとしてよい。即ち、推定部131は、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す情報として、他者と比較した相対情報を出力するものであってよい。推定部131は、基本的にユーザの同年代のユーザであって、最も糖尿病に罹患しにくいタイプのユーザと比較してどれだけ糖尿病に罹患しやすいかを推定することとしてよいが、比較の対象となるユーザは同年代のユーザでなくてもよい。ただ、同年代のユーザと比較した方が、推定部131により推定された指標が、ユーザにとって理解しやすいといえる。
【0032】
提案部132は、推定部131が推定した推定結果に基づいて、ユーザが10年後に糖尿病に罹患することを予防するための方策を提案する。提案部132は、例えば、推定部131が推定した推定結果に基づいて、糖尿病に罹患することを予防するための方策を提案してよい。提案部132は、一例として、図示しないが記憶部140に、推定部131が推定した指標値の範囲と、特定した指標値の範囲に応じてユーザが実行すべき予防策と、を対応付けた予防表を記憶しておくことで、提案する内容を特定することとしてもよい。また、あるいは、記憶部140に予め、10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す指標値と、糖尿病に罹患しないために実行すべき予防策との関係を学習した学習モデルを記憶しておき、この学習モデルに推定部131が推定した指標値を入力することで、提案する内容を特定することとしてもよい。提案内容は、複数あってもよい。提案内容の具体例としては、運動の促進、生活習慣の改善、食事の改善などが考えられるが、これらに限定するものではない。また、提案部132は、推定部131が推定した推定結果を示す指標値が所定の閾値以上である場合に、提案を実行することとしてもよい。提案部132は、一例として、推定部131による推定結果を示す指標値の多寡に応じて、ユーザに対して、運動とその運動時間の提案をすることとしてよい。
【0033】
記憶部140は、情報処理装置100が動作する上で必要とする各種プログラム、データを記憶する機能を有する記憶媒体である。記憶部140は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより実現されてよいが、これらに限定するものではない。また、記憶部140は、ROM、RAMを含んでよい。記憶部140は、推定部131が入力部120に入力されたユーザに関する情報に基づいて、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定するためのプログラムや、提案部132が10年後に糖尿病に罹患する可能性を抑止するための方策を提案するためのプログラムを記憶していてよい。また、記憶部140は、疾病可能性情報141を記憶する。疾病可能性情報141は、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無に基づいて、10年後に糖尿病に罹患する可能性があるかを推定するために参照する第1制御テーブルである。疾病可能性情報141の詳細については後述する。
【0034】
出力部150は、制御部130から指定された情報を出力する機能を有する。出力部150は、情報処理装置100に備えられた、または、情報処理装置100に接続されたモニタやスピーカなどにより実現されてよい。出力部150は、文字列や画像による出力を行ってもよく、音声による出力を行ってもよい。出力部150は、推定部131が推定した推定結果や、提案部132が提案した提案内容を出力する機能を有する。
【0035】
以上が、情報処理装置100の構成例である。
【0036】
<データ>
図2は、疾病可能性情報141のデータ構成例を示すデータ概念図である。上述の通り、疾病可能性情報141は、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定するために制御部130により参照されるテーブルである。
【0037】
図2に示すように、疾病可能性情報141は、年齢として、各年代に応じて、尿pHの範囲と、各範囲において喫煙習慣の有無に応じて、10年後の糖尿病の罹患しやすさの指標を定めた情報である。
図2に示す疾病可能性情報141の場合、年齢は、40歳未満、40~50、51歳以上に分けた例を示している。また、尿pHは、6.5以上、6.0、5.5、5.0以下の4つに分けた例を示している。基本的に尿pHが低いほど糖尿病に罹患しやすく、尿pHが高い方が低いよりも比較的糖尿病に罹患しにくい。
【0038】
図2に示す疾病可能性情報141の場合、一例として、年齢が「40~50」の間で、尿pHが「5.0以下」で、喫煙習慣が「有」のユーザが、10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す指標値は、「2.5」となっている。
【0039】
図2に示す疾病可能性情報141における10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す指標値は、他の事例の基準となるパターンであって、10年後に糖尿病に罹患しにくいパターンに対して、どれだけ、糖尿病に罹患する可能性が高いかを示す指標である。
【0040】
図2の場合、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.5以上」で、喫煙習慣が「無」のユーザを基準に、他の場合(他の40歳未満のユーザの場合)の糖尿病に罹患する可能性が高いかを示しており、その指標値が「1.0」であることから、基準になっていることが理解できる。そして、例えば、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.0」で、喫煙習慣が「有」のユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す指標値は、「5.3」となっている。即ち、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.0」で、喫煙習慣が「有」のユーザは、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.5以上」で、喫煙習慣が「無」のユーザと比して、「5.3」倍も10年後に糖尿病に罹患しやすいことを意味する。そして、推定部131も、このような場合には、ユーザが、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.0」で、喫煙習慣が「有」のユーザであるとして、「同年代で、尿pHが6.5以上で喫煙習慣の無い人間よりも、5.3倍、10年後に糖尿病に罹患している可能性が高い」というような内容を、推定結果として、出力することができる。
【0041】
また、他の例としては、推定部131は、対象のユーザが、「42歳」で、尿pHが、「5.5」で、喫煙習慣が「無」い場合には、その比較対象は、年齢が「40~50」で、尿pH「6.5以上」で、喫煙習慣が「無」い人となる。その結果、推定部は、当該ユーザは、同年代で、尿pHが6.5以上で喫煙習慣の無い人間よりも、2.1倍、10年後に糖尿病に罹患する可能性が高いと推定する。このように、推定部131は、基本的には、同年代で最も糖尿病に罹患する可能性が低い人間と比べる形で、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する。
【0042】
図2に示す指標値や尿pHの閾値は、糖尿病に罹患しているユーザの10年前のユーザの過去情報(尿pHと喫煙習慣の有無の情報)、糖尿病に罹患していないユーザの10年前のユーザの過去情報(尿pHと喫煙習慣の有無の情報)を収集することにより特定することができる。なお、
図2においては、尿pHについて0.5刻みとしているが、これは一例である。図示の、尿pHの6.0の欄は、例えば、5.8~6.0であってもよく、尿pHの5.5の欄は、例えば、5.1~5.7であってもよい。測定されたユーザの尿pHが例えば、0.1刻みで測定されるものであった場合には、
図2の疾病可能性情報141を利用する場合には、
図2において示される尿pHに最も近い値をユーザに該当する値として特定してよい。例えば、ユーザの尿pHが、「6.1」の場合には、疾病可能性情報141における尿pHが「6.0」に対応する指標値を利用することとしてよい。
【0043】
疾病可能性情報141があることにより、推定部131は、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定することができ、10年後に糖尿病に罹患する可能性が最も低いユーザと比較して、どの程度、糖尿病に罹患する可能性が高いかを推定することができる。なお、ここでは、10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定することとしているが、疾病可能性情報141を生成する際に参照するデータとして、糖尿病に罹患しているユーザの5年前のユーザの過去情報(尿pHと喫煙習慣の有無の情報)、糖尿病に罹患していないユーザの5年前のユーザの過去情報(尿pHと喫煙習慣の有無の情報)を収集すれば、5年後に糖尿病に罹患する可能性を推定するための疾病可能性情報141を生成することができる。
【0044】
<動作>
図3は、情報処理装置100による推定処理における動作例を示すフローチャートである。
【0045】
図3に示すように、情報処理装置100は、ユーザに関する情報の入力を受け付ける(ステップS301)。ここで、ユーザに関する情報は、ユーザの年齢、尿pH、喫煙習慣の有無の情報である。情報処理装置100は、ユーザからの入力部120を介した直接入力により受け付けることとしてもよいし、通信部110を介して、他の装置、例えば、ユーザが保持するユーザ端末から通信により情報を受信することで受け付けることとしてもよい。通信部110、あるいは、入力部120は、受け付けたユーザに関する情報を、制御部130に伝達する。
【0046】
制御部130の推定部131は、ユーザに関する情報を受け付けると、受け付けたユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無とから、疾病可能性情報141を参照して、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する(ステップS302)。そして、推定部131は、推定した推定結果を、出力部150を介して出力する(ステップS304)。出力部150による推定結果の出力は、情報処理装置100のモニタによる画像や文字列による出力であってもよいし、情報処理装置100のスピーカから音声による出力であってもよいし、通信部110を介して他の装置への転送による出力であってもよい。また、推定部131は、推定した推定結果を提案部132に伝達する。
【0047】
提案部132は、推定部131から伝達されたユーザが糖尿病に罹患する可能性の推定結果に基づいて、ユーザが糖尿病に罹患しないための予防策を提案し(ステップS304)、処理を終了する。提案部132は、提案する予防策を、出力部150を介して出力する。提案部132による提案は、推定部131による推定結果の出力と同様に、画像や文字列の表示、音声による出力、他の装置の情報転送のいずれの態様による出力であってもよい。
【0048】
<実施形態1まとめ>
発明者らは、ユーザが糖尿病に罹患するかどうかについて、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無が大きく寄与することを知見した。従来、ユーザの肥満度が糖尿病に関連することは知られているが、それ以外の要因として、尿pHと喫煙習慣の有無があることを特定したことにより、ユーザの尿pHと喫煙習慣の有無に関する情報からユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定することができる情報処理装置100を発明するに至った。情報処理装置100によれば、ユーザが所定年数後(例えば、10年後)に糖尿病に罹患する可能性を推定することができる。また、情報処理装置100は、提案部があることにより、ユーザが、糖尿病に罹患する可能性を低減するための方策を提案することができ、ユーザの健康に寄与することができる。
【0049】
<実施形態2>
上記実施形態1においては、情報処理装置100は、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無とから、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する例を示した。本実施形態2においては、情報処理装置100は、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無とに加えて、ユーザの肥満度(BMI:Body Mass Index)を利用して、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する。従来からユーザの肥満度は、糖尿病に対する関連が高いと目されており、BMIも加味して10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定することで、実施形態1と比してより精度の高い推定を行う情報処理装置を提供することができる。
【0050】
図4は、実施形態2に係る情報処理装置400の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、情報処理装置400は、通信部410と、入力部420と、制御部430と、記憶部440と、出力部450と、を備える。また、制御部430は、推定部431と、提案部432と、を備え、記憶部440は、疾病可能性情報441を記憶している。情報処理装置400の各部は、実施形態1に示した情報処理装置100の同名の各部と同様に動作するので、本実施形態2においては、実施形態1との差分について説明する。
【0051】
通信部410、又は、入力部420は、ユーザに関する情報として、ユーザの年齢、尿pH、喫煙習慣の有無に加え、ユーザの肥満度(BMI値)の入力を受け付けて、制御部430に伝達する。
【0052】
また、記憶部440に記憶されている疾病可能性情報441は、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無と、ユーザの肥満度、とに基づいて、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定するための第2制御テーブルである。疾病可能性情報441の詳細については後述する。
【0053】
推定部431は、ユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無とに加えて、ユーザの肥満度に基づいて、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する。推定部431による推定手法自体は、実施形態1に示す推定部131と同様である。
【0054】
以上に示すように、情報処理装置400は、情報処理装置100と、ユーザの肥満度の情報を利用するか否かによって相違する。
【0055】
<データ>
図5は、実施形態2に係る疾病可能性情報441のデータ構成例を示すデータ概念図である。
図5に示す疾病可能性情報441は、
図2に示す疾病可能性情報141と比較すれば明らかなように、指標値が、BMIによる区分けがされていることが理解できる。即ち、
図5に示すように疾病可能性情報441では、BMI値25を閾値として、更に指標が分けられている。
【0056】
図5に示すように、疾病可能性情報441は、ユーザの年代ごとに、尿pHの範囲と、肥満度の範囲と、喫煙習慣の有無とに応じて、糖尿病に罹患する可能性を示す指標値が定められた情報である。
【0057】
図5に示すように、疾病可能性情報441は、ユーザの年齢として、40歳未満、40~50、50歳以上に分けた例を示している。また、尿pHは、6.5以上、6.0、5.5、5.0未満の4つに分けた例を示している。基本的に尿pHが低いほど糖尿病に罹患しやすく、尿pHが高い方が低いよりも比較的糖尿病に罹患しにくい。また、疾病可能性情報441では、BMIとして25を境界として、指標値が設定されている。
【0058】
図5の場合、対象のユーザの年齢が40歳未満の場合には、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.5以上」で、BMIが「25未満」で、喫煙習慣が「無」のユーザを基準に、他の場合の糖尿病に罹患する可能性が高いかを示しており、その指標値が「1.0」であることから、基準になっていることが理解できる。そして、例えば、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.0」で、喫煙習慣が「有」って、BMIが「25未満」であるユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す指標値は、「3.4」となっている。即ち、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.0」で、BMIが「25未満」で、喫煙習慣が「有」のユーザは、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.5以上」で、BMIが「25未満」で、喫煙習慣が「無」のユーザと比して、3.4倍も10年後に糖尿病に罹患しやすいことを意味する。そして、推定部131も、このような場合には、ユーザが、年齢が「40歳未満」で、尿pHが「6.0」で、BMIが「25未満」で、喫煙習慣が「有」のユーザであるとして、「同年代で、尿pHが6.5以上でBMIが25未満で喫煙習慣の無い人間よりも、3.4倍、10年後に糖尿病に罹患している可能性が高い」というような内容を、推定結果として、出力することができる。
【0059】
また、他の例を挙げれば、対象のユーザが「56歳」で、尿pHが、「4.4」で、BMIが「32」で、喫煙習慣が「無」である場合には、推定部431は、年齢が「50歳以上」で、尿pHが、「6.5」以上で、BMIが「25未満」で、喫煙習慣が「無」の人間と比して、2.3倍も10年後に糖尿病に罹患している可能性が高いと推定する。
【0060】
図5に示す指標値や尿pHの閾値、BMIの閾値は、糖尿病に罹患しているユーザの10年前のユーザの過去情報(尿pHと喫煙習慣の有無とBMIの情報)、糖尿病に罹患していないユーザの10年前のユーザの過去情報(尿pHと喫煙習慣の有無とBMIの情報)を収集することにより特定することができる。なお、
図5に示す例は、BMIの閾値を25としているが、これは一例であり、25に限定するものではない。例えば、BMIの閾値を30とすることとしてもよい。また、
図2、
図5に示した各指標値は、一例であり、標本数によって異なる。標本数が多ければ多いほど、より正確な指標値を算出することができる。
【0061】
疾病可能性情報441があることにより、推定部431は、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定することができる。なお、ここでは、10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定することとしているが、疾病可能性情報441を生成する際に参照するデータとして、糖尿病に罹患しているユーザの5年前のユーザの過去情報(尿pHと喫煙習慣の有無の情報)、糖尿病に罹患していないユーザの5年前のユーザの過去情報(尿pHと喫煙習慣の有無の情報)を収集すれば、5年後に糖尿病に罹患する可能性を推定するための疾病可能性情報441を生成することができる。
【0062】
<動作>
図6は、情報処理装置400によるユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する動作例を示すフローチャートである。
【0063】
図6に示すように、情報処理装置400は、ユーザに関する情報の入力を受け付ける(ステップS601)。ここで、ユーザに関する情報は、ユーザの年齢、尿pH、喫煙習慣の有無、肥満度の情報である。情報処理装置400は、ユーザからの入力部420を介した直接入力により受け付けることとしてもよいし、通信部410を介して、他の装置、例えば、ユーザが保持するユーザ端末から通信により情報を受信することで受け付けることとしてもよい。通信部410、あるいは、入力部420は、受け付けたユーザに関する情報を、制御部430に伝達する。
【0064】
制御部430の推定部431は、ユーザに関する情報を受け付けると、受け付けたユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無と、肥満度とから、疾病可能性情報441を参照して、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する(ステップS602)。そして、推定部431は、推定した推定結果を、出力部450を介して出力する(ステップS604)。出力部450による推定結果の出力は、情報処理装置400のモニタによる画像や文字列による出力であってもよいし、情報処理装置400のスピーカから音声による出力であってもよいし、通信部410を介して他の装置への転送による出力であってもよい。また、推定部431は、推定した推定結果を提案部432に伝達する。
【0065】
提案部432は、推定部431から伝達されたユーザが糖尿病に罹患する可能性の推定結果に基づいて、ユーザが糖尿病に罹患しないための予防策を提案し(ステップS604)、処理を終了する。提案部432は、提案する予防策を、出力部450を介して出力する。提案部432による提案は、推定部431による推定結果の出力と同様に、画像や文字列の表示、音声による出力、他の装置の情報転送のいずれの態様による出力であってもよい。
【0066】
<実施形態2まとめ>
実施形態2に係る情報処理装置400によれば、従来から糖尿病に大きく関連すると目される肥満度(BMI)を用いることで、ユーザが所定年数後(例えば、10年後)に糖尿病に罹患する可能性を、実施形態1の情報処理装置100よりも正確に推定することが可能となる。
【0067】
<実施形態3>
上記実施形態1、2においては、ユーザは、自身の尿pHについて認識できていることを前提として説明した。しかしながら、通常の生活をするユーザが、自身の尿pHを測定することなどそうそうない。そこで、本実施形態3においては、ユーザに煩雑な処理を強いることなく、尿pHを測定して、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定することができる推定システムについて説明する。
【0068】
<構成>
<システム構成>
図7は、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定システムのシステム構成例を示す図である。
【0069】
図7に示すように、推定システム700は、情報処理装置800と、測定装置900と、ユーザ端末1000とが、ネットワーク710を介して、通信可能に接続されて成る。
【0070】
情報処理装置800は、上記実施形態1、2に示した情報処理装置100、200と同様にユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する装置であり、推定した推定結果をユーザのユーザ端末1000に送信する。測定装置900は、便器に設けられてユーザの尿のpHを測定し、情報処理装置800に送信する。このように、本実施形態3においては、測定装置900が測定した尿pHを利用する態様を説明する。なお、便器への測定装置900の測定部930の取付位置は図示するものに限定するものではなく、例えば、大便器に取り付ける場合には、ボウルの手前側に取り付けるようにしてもよい。
【0071】
<情報処理装置の構成>
図8は、実施形態3に係る情報処理装置800の構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、情報処理装置800は、通信部810と、入力部820と、制御部830と、記憶部840と、出力部850とを備える。また、制御部830は、推定部831と、提案部832と、を備え、記憶部840は、疾病可能性情報841と、ユーザ情報842とを記憶している。情報処理装置800の各部は、実施形態1に示した情報処理装置100、実施形態2に示した情報処理装置400の同名の各部と同様に動作する。よって、本実施形態3においては、情報処理装置800は、情報処理装置400と同様にユーザの年齢と、尿pHと、喫煙習慣の有無と、肥満度とからユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する装置であるとして、実施形態2との差分について説明する。
【0072】
通信部810は、測定装置900から送信されるユーザに関する情報としてのユーザIDと、そのユーザの尿pHを示す情報と、を受信する。そして、通信部810は受信したユーザIDと、尿pHを示す情報とを、制御部830に伝達する。
【0073】
制御部830は、制御部830の機能として、推定部831と、提案部832と、取得部833と、特定部834と、を備える。
【0074】
取得部833は、測定装置900が測定するユーザの尿pHを取得する。取得部833は、取得した尿pHを推定部831に伝達する。
【0075】
特定部834は、測定装置900から受信したユーザIDに基づいて、ユーザ情報842を参照して、取得部833が取得したユーザの尿pHが誰であるかを特定する。特定部834は、ユーザ情報842を参照して、ユーザの性別情報と、年齢に関する情報と、喫煙習慣の有無に関する情報と、肥満度に関する情報とを、特定し、推定部831に伝達する。
【0076】
推定部831は、特定部834から伝達されたユーザの性別情報が、男性である場合に、取得部833から伝達された尿pHと、特定部834から伝達された年齢に関する情報と、喫煙習慣の有無と、肥満度とを用いて、疾病可能性情報841を参照して、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を推定する。
【0077】
なお、疾病可能性情報841は、実施形態2において説明した疾病可能性情報441と同一のものである。
【0078】
以上が、実施形態3に係る情報処理装置800の構成である。
【0079】
<測定装置の構成>
図9は、測定装置900の構成例を示すブロック図である。
【0080】
測定装置900は、便器等に設けられて、ユーザの尿pHを測定し、情報処理装置800に、測定した情報を送信するセンサである。
【0081】
図9に示すように、測定装置900は、通信部910と、入力部920と、測定部930と、制御部940と、記憶部950と、を備える。測定装置900は、出力部960を備えてもよい。
【0082】
通信部910は、他の装置と通信を実行するための機能を有する通信インターフェースである。通信部910は、他の装置と通信可能であれば、いずれの通信プロトコルにより通信を行ってもよく、有線、無線のいずれでの通信であってよい。通信部910は情報処理装置800と通信を行って、情報処理装置800から送信された罹患可能性情報と、提案情報を受信し、制御部940に伝達する。
【0083】
入力部920は、ユーザ端末1000のユーザに関する情報の入力を受け付ける入力インターフェースである。入力部920は、例えば、当該使用者が所有するユーザ端末300に搭載するヘルスモニタリングアプリ等が出力するユーザを一意に識別する情報(例えば、ユーザIDの情報を含むQRコード(登録商標))(当該使用者を識別する情報を、以降「ユーザ識別情報」という)、あるいは、ユーザが所有するIC(Integrated Circuit)カードに含まれるユーザのユーザIDを含む磁気情報、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)やWiFi(Wireless Fidelity)およびBluetooth(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)などのユーザを一意に識別する情報を読み取るリーダであってよく、入力部920はユーザのユーザ端末1000(あるいはユーザのICカード)から読み取ったユーザIDを制御部940に伝達する。また、入力部920は、タッチパネル等のソフトキーにより実現されてもよいし、ハードキーにより実現されてもよい。また、あるいは、入力部920は、音声入力を受け付けるためのマイクであってもよい。この場合に、入力部920は、ユーザから直接、ユーザIDの入力を受け付けて、制御部940に伝達することとしてよい。
【0084】
測定部930は、便器に設けられて、当該便器を使用したユーザの尿に基づいて、ユーザの尿の尿pHを測定する機能を有するセンサである。
【0085】
測定部930は、一例として、尿pHを測定するために、電極部を備えることとしてよい。
【0086】
電極部は、二以上の電極を含み、電解質である尿中の特定成分について、当該電解質による起電力(電位差、電圧値)および排尿または排尿含有水に浸漬した電極間を流れる電流値を、二以上の電極を使用して測定し、電圧情報を生成する。具体的には、例えば、電極部は、尿中の特定成分の濃度を測定するために、二以上の電極、電位差計、電流計から構成される。電極部は、例えば、二以上の電極のうち、一つを参照電極とし、他の電極を作用電極とすることで、これらの電極を排尿あるいは排尿含有水に浸漬し、排尿含有水の分析目的の尿成分の濃度(活量)に応答する作用電極と参照電極の起電力差を電位差計で測定する。電極部は、測定結果に基づいて電圧情報を生成する。
【0087】
ここで「電圧情報」とは、二以上の電極を用いて発生する尿中の特定成分(電解質)による起電力(電位差、電圧値)に係る情報であってよい。なお、ここではイオン選択性電極法を用いた例を示したが、酵素電極法(GOD(Glucose OxiDase))を用いてもよく、また、対極となる電極を追加して、三極による電極法を用いてもよい。これにより、生成した電圧情報に基づいて尿中の特定成分の濃度等を測ることができる。
【0088】
一例として、電圧情報としての電位差Eと、参照電極のpH値pHiと、尿中の特性成分として水素イオン濃度であるpH値pHoとは、次式(1)のように表すことができる。通常pHi≒7となり、αは感度を、eは不斉電位を指定する。例えば、水温25℃の理想的な電極では、α=1、e=0となる。
【0089】
【0090】
測定部930は、上記の式により、特定されるpHoを、ユーザの尿pHとして算出し、制御部940に伝達する。
【0091】
制御部940は、測定装置900の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部940は、記憶部950に記憶されている各種プログラム、データを用いて、測定装置900が果たすべき機能を実現する。制御部940は、入力部920から伝達されたユーザIDと、測定部930により測定された尿pHとを、通信部910を介して、情報処理装置800に送信する。
【0092】
記憶部950は、測定装置900が動作上必要とする各種のプログラム及びデータを記憶する機能を有する。記憶部950は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現することができる。
【0093】
出力部960は、制御部940から指定された情報を出力する機能を有する。出力部960は、測定装置900に備えられたモニタやスピーカなどにより実現されてよい。出力部960は、一例として、入力部920がユーザIDを読み取れなかった場合に、再度、ユーザIDの読み取りをユーザに促す情報を表示したりすることとしてよく、測定部930が測定した測定結果を表示したりしてもよい。
【0094】
以上が、測定装置900の構成例である。
【0095】
<ユーザ端末の構成>
図10は、ユーザ端末1000の構成例を示すブロック図である。
【0096】
ユーザ端末1000は、スマートフォンや携帯電話、タブレット端末、PC、ノートPCなどにより実現されてよいがこれらに限定するものではない。
【0097】
図10に示すようにユーザ端末1000は、通信部1010と、入力部1020と、制御部1030と、記憶部1040と、出力部1050と、を備える。
【0098】
通信部1010は、他の装置と通信を実行するための機能を有する通信インターフェースである。通信部1010は、他の装置と通信可能であれば、いずれの通信プロトコルにより通信を行ってもよく、有線、無線のいずれでの通信であってよい。通信部1010は情報処理装置800と通信を行って、情報処理装置800から送信された罹患可能性情報と、提案情報を受信し、制御部1030に伝達する。
【0099】
入力部1020は、ユーザ端末1000のユーザからの入力を受け付けて、制御部1030に伝達する機能を有する入力インターフェースである。入力部1020は、タッチパネル等のソフトキーにより実現されてもよいし、ハードキーにより実現されてもよい。また、あるいは、入力部1020は、音声入力を受け付けるためのマイクであってもよい。入力部1020は、ユーザから入力された入力内容を、制御部1030に伝達する。
【0100】
制御部1030は、ユーザ端末1000の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部1030は、記憶部1040に記憶されている各種プログラム、データを用いて、ユーザ端末1000が果たすべき機能を実現する。制御部1030は、情報処理装置800から送信された罹患可能性情報に基づいて、ユーザ端末1000のユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力部1050に出力させる。また、制御部1030は、情報処理装置800から送信された提案情報に基づいて、ユーザ端末1000のユーザが10年後に糖尿病に罹患しないための予防策を示す情報を出力部1050に出力させる。
【0101】
記憶部1040は、ユーザ端末1000が動作上必要とする各種のプログラム及びデータを記憶する機能を有する。記憶部1040は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現することができる。
【0102】
出力部1050は、制御部1030から指定された情報を出力する機能を有する。出力部1050は、ユーザ端末1000に備えられた、または、ユーザ端末1000に接続されたモニタやスピーカなどにより実現されてよい。出力部1050は、文字列や画像による出力を行ってもよく、音声による出力を行ってもよい。出力部1050は、ユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す情報を表示したり、ユーザが糖尿病に罹患しないための予防策を示す情報を表示したりすることとしてよい。
【0103】
以上が、ユーザ端末1000の構成例である。
【0104】
<データ>
図11は、情報処理装置800が保持する情報であって、ユーザ情報842のデータ構成例を示すデータ概念図である。
【0105】
図11に示すように、ユーザ情報842は、ユーザID1101と、名前1102と、性別1103と、生年月日1104と、BMI1105と、喫煙習慣1106と、アドレス1107が対応付けられた情報である。
【0106】
ユーザID1101は、情報処理装置800が、管理する各ユーザを一意に区別するために付与された、各ユーザに固有の識別情報である。
【0107】
名前1102は、対応するユーザID1101が示すユーザの名前を示す情報である。 性別1103は、対応するユーザID1101が示すユーザの性別を示す情報である。
【0108】
生年月日1104は、対応するユーザID1101が示すユーザの生年月日を示す情報であり、ユーザの年齢を特定するための情報である。
【0109】
BMI1105は、対応するユーザID1101が示すユーザの肥満度を示す情報である。
【0110】
喫煙習慣1106は、対応するユーザID1101が示すユーザに喫煙習慣が有るか否かを示す情報である。
【0111】
アドレス1107は、対応するユーザID1101が示すユーザが保持するユーザ端末の情報であって、糖尿病に罹患する可能性を示す情報の送信先を示す情報である。
【0112】
図11の例で言えば、ユーザID1101が「U02338」のユーザの名前1102は、「A山A児」であり、性別1103は、「男」であり、生年月日1104は、「1964年7月6日」であり、BMI1105は、「28.2」であり、喫煙習慣1106は、「有」であり、アドレスは、「AAA@AA.co.jp」となっている。このユーザの場合、BMIが高く、喫煙習慣があることから、糖尿病になる可能性は高くなることが予測される。
【0113】
なお、ユーザ情報842には、これらの情報以外の情報が含まれてもよい。例えば、測定装置900により測定された尿pHが、その測定日とともにユーザ情報842に登録されていてもよい。また、一部の情報はユーザ情報842に含まれなくてもよく、例えば、ユーザ情報842のうち、名前1102は含まれなくてもよい。また、例えば、情報処理装置800の推定部831が推定処理をする段階で必要とする各情報を取得できるのであれば、その情報については、ユーザ情報842に含まれていなくてもよい。
【0114】
<動作>
図12は、推定システムに係る各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
【0115】
図12に示すように、測定装置900は、ユーザ情報の入力を受け付ける(ステップS1201)。ここで入力されるユーザ情報は、小用をたすユーザの情報である。測定装置900は、ユーザの尿pHを測定する(ステップS1202)。そして、測定装置900は、受け付けたユーザ情報と、測定した尿pHと、を情報処理装置800に送信する(ステップS1203)。
【0116】
情報処理装置800は、ユーザ情報と尿pHを受信すると、ユーザ情報に基づいてユーザが誰かを特定する(ステップS1204)。そして、特定したユーザが、10年後に罹患する可能性を推定する(ステップS1205)。情報処理装置800は、推定結果を示す罹患可能性情報と、推定結果に基づく提案情報と、をユーザ端末1000に送信する(ステップS1206)。
【0117】
ユーザ端末1000は、情報処理装置800から送信された罹患可能性情報と、提案情報と、を受信すると、受信した罹患可能性情報が示す内容と、提案情報の内容とを表示する(ステップS1207)。これにより、ユーザは自身の端末で自身が10年後に糖尿病に罹患する可能性を認識することができ、糖尿病に罹患しないために何をすればいいのかを認識することができる。
【0118】
図13は、
図12に示すやり取りを実現するための測定装置900の動作例を示すフローチャートである。
【0119】
図13に示すように、測定装置900の入力部920は、ユーザからユーザIDの入力を受け付ける(ステップS1301)。入力部920は、入力されたユーザIDを制御部940に伝達する。
【0120】
次に、測定装置の測定部930は、ユーザの尿を受け付けて、ユーザの尿の尿pHを測定する(ステップS1302)。そして、測定部930は、測定された尿pHを制御部940に伝達する。
【0121】
制御部940は、入力部920からユーザIDを伝達され、測定部930から尿pHを伝達されると、ユーザIDと、尿pHとを対応付けた測定情報を、通信部910を介して、情報処理装置800に送信する。
【0122】
これにより、ユーザは自身の尿pHを、特に労することなく、情報処理装置800に通知することができ、自身が糖尿病に罹患する可能性を推定してもらうことができる。
【0123】
図14は、
図12に示すやり取りを実現するための情報処理装置800の動作例を示すフローチャートである。
【0124】
情報処理装置800の通信部810は、測定装置900から、ユーザに関する情報としてのユーザIDと、測定装置900によって測定された尿pHであって当該ユーザの尿pHとを対応付けた情報を受信する(ステップS1401)。通信部810は、受信したユーザIDと尿pHとを、制御部830に伝達する。
【0125】
制御部830の特定部834は、伝達されたユーザIDに基づいて、ユーザ情報842を参照して、そのユーザの情報を特定し(ステップS1402)、推定部831に伝達する。ここで、伝達するユーザの情報は、ユーザの性別、年齢、肥満度、喫煙習慣の有無に関する情報である。また、取得部833は、ユーザの尿pHを取得し、推定部831に伝達する。
【0126】
推定部831は、伝達されたユーザの情報に含まれるユーザの性別の情報に基づいて、ユーザが男性であるか否かを判定する(ステップS1403)。これは、女性の場合には、男性の場合に比して、年齢と、尿pHと、肥満度と、喫煙習慣の有無とから、糖尿病に罹患する可能性を確定できない(予測の可能性の精度が落ちる)ためである。推定部831が、ユーザが男性ではないと判定した場合には(ステップS1403のNO)、何もせずに処理を終了する。
【0127】
ユーザが男性であると判定した場合には(ステップS1403のYES)、推定部831は、伝達されている尿pH(測定装置900により測定された尿pH)と、特定部834に特定されたユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、肥満度と、に基づいて、疾病可能性情報841を参照して、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する(ステップS1404)。推定部831は推定結果を提案部832に伝達する。
【0128】
推定部831は、推定したユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す罹患可能性情報を生成する(ステップS1405)。一例として、推定部831は、推定したユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す指標値と、ユーザと同年代であってユーザとは尿pH、喫煙習慣の有無、肥満度のうち少なくともいずれかが異なるユーザの場合の指標値と、から、罹患可能性情報を生成する。
【0129】
また、提案部832は、推定部831から伝達された推定結果に基づき、ユーザが糖尿に罹患する可能性を低減するための提案内容を示す提案情報を生成する(ステップS1406)。
【0130】
制御部830は、推定部831が生成した罹患可能性情報と、提案部832が生成した提案情報と、を通信部810を介して、ユーザ端末1000に送信し(ステップS1407)、処理を終了する。
【0131】
図15は、
図12に示すやり取りを実現するためのユーザ端末1000の動作例を示すフローチャートである。
【0132】
図15に示すようにユーザ端末1000の通信部1010は、情報処理装置800から送信された罹患可能性情報と、提案情報と、を受信する(ステップS1501)。通信部1010は、受信した罹患可能性情報と、提案情報と、を制御部1030に伝達する。
【0133】
制御部1030は、通信部1010から罹患可能性情報を受け付けると、受け付けた罹患可能性情報に示される、ユーザ端末1000のユーザが10年後に糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力部850に出力(表示)させる(ステップS1502)。
【0134】
また、制御部1030は、通信部1010から提案情報を受け付けている場合には、受け付けた提案情報に示されるユーザが糖尿病に罹患しないための予防策を表示し(ステップS1503)、処理を終了する。
【0135】
<表示例>
図16(a)は、ユーザ端末1000における推定結果の表示例を示す図である。また、
図16(b)は、ユーザ端末1000における提案情報の表示例を示す図である。なお、ここでは、ユーザ端末1000による表示例としているが、これは、情報処理装置800(100、400)のモニタにおける表示も同様であってよい。
【0136】
図16(a)に示すように、ユーザ端末1000は、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報1601を表示する。ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報1601は、図示するように、他のユーザとの比較情報、即ち、他のユーザと比して、ユーザがどれだけ糖尿病に罹患する可能性が高いかを示す情報となる。ユーザと同年代の他のユーザと比較する情報を表示することで、単純に糖尿病に罹患する可能性を示すパーセンテージ等の情報を表示するよりも、ユーザは、自身がどれだけ糖尿病に罹患しやすいのかを実感しやすい。なお、
図16(a)に示すパーセンテージは、ユーザ自身の糖尿病に罹患する可能性を示す指標値と、他の分類(尿pHの分類が異なったり、BMIの分類が異なったり、喫煙習慣の有無が異なることを意味する)の指標値とから、算出することができる。
【0137】
また、ユーザ端末1000は、
図16(b)に示すように、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報1601とともに、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を低減するための予防策を示す提案情報1602を表示することとしてもよい。
図16(b)では、糖尿病に罹患する可能性を示す情報1601と提案情報1602とを並列に表示する例を示しているが、提案情報1602単体で表示されてもよい。
<実施形態3まとめ>
【0138】
実施形態3に係る情報処理装置800によれば、ユーザから直接、ユーザに関する情報の入力を受け付けることなく、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定することができる。ユーザは小用をたすだけで、自身が糖尿病に罹患する可能性があるかを認識できるので、ユーザにとって利便性の高い、推定システム、情報処理装置800を提供することができる。
【0139】
<補足>
上記各実施形態に示した構成は、一例であり、上記実施形態に限定されるものではない。
【0140】
上記実施形態3において、情報処理装置800は、対象となるユーザが既に糖尿病に罹患している場合には、推定部831による推定から除外するように構成してもよい。既に糖尿病に罹患している場合には、糖尿病に罹患する可能性を推定しても意味がないからである。ユーザが糖尿病に罹患しているか否かは、例えば、ユーザ情報842に登録されている情報として糖尿病に罹患しているか否かを示す情報が記憶され、当該情報を利用することによって判定することとしてよい。即ち、推定部831は、ユーザが10年後に糖尿病に罹患している可能性を推定する前に、ユーザ情報842を参照して、糖尿病に罹患していないことを確認してから、推定を実行することとしてよい。情報処理装置100、400においても同様である。
【0141】
本発明に係る情報処理装置(100、400、800)は、医療機関等と連動して、遠隔医療の一環として利用することができてもよい。例えば、記憶部840に記憶するユーザ情報842の中に各ユーザが係る医療機関、医師等の情報を記憶し、測定・検査結果DBの更新の際等に当該DBの測定値および検査結果データを上記医療機関等に送信し、医師等は、当該送信されたデータに基づいて、患者が自宅にいても遠隔から健康に関する診察、指導等を行うことができるように情報処理装置800は構成されてもよい。また、ユーザ情報842に含まれるユーザの情報は、医療機関等のサーバから情報を取得したものを用いてもよく、医師等の許可のもと、電子カルテ等を利用することとしてもよい。
【0142】
また、情報処理装置100、400、800、測定装置900およびユーザ端末1000の各機能部は、集積回路(IC(IntegratedCircuit)チップ、LSI(LargeScaleIntegration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(CentralProcessingUnit)およびメモリを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1または複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。なお、ここで「回路」は、コンピュータによるデジタル処理、すなわち、ソフトウェアによる機能的処理としての意味合いを含んでもよい。また、当該回路は、再構築可能な回路(例えば、FPGA:FieldProgrammableGateAway)により実現されてもよい。
【0143】
情報処理装置100、400、800、測定装置900およびユーザ端末1000の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、情報処理装置100、400、800、測定装置900およびユーザ端末1000の各機能部は、各機能を実現するソフトウェアである推定プログラムの命令を実行するCPU、上記推定プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(ReadOnlyMemory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記推定プログラムを展開するRAM(RandomAccessMemory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記推定プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記推定プログラムは、当該推定プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記推定プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0144】
なお、上記推定プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【符号の説明】
【0145】
100、400、800 情報処理装置
110、410、810、910、1010 通信部
120、420、820、920、1020 入力部
130、430、830、940、1030 制御部
131、431、831 推定部
132、432、832 提案部
140、440、840、950、1040 記憶部
150、450、850、960、1050 出力部
900 測定装置
930 測定部
1000 ユーザ端末
【手続補正書】
【提出日】2021-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関するユーザ情報として、前記ユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、尿pHとの入力を受け付ける受付部と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定部と、
前記尿pHの所定範囲ごとに、喫煙習慣の有無に応じて糖尿病に罹患する可能性を示す疾病可能性情報を記憶する記憶部と、
前記推定部が推定した前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力する出力部と、を備え、
前記推定部は、前記ユーザ情報と前記疾病可能性情報とに基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する
情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記疾病可能性情報を、ユーザの所定範囲の年代ごとに記憶し、
前記推定部は、前記ユーザの年齢に応じて、前記尿pHの所定範囲ごとに、喫煙習慣の有無に基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ情報は、さらに、前記ユーザの肥満度を含み、
前記疾病可能性情報は、前記尿pHの所定範囲ごとに、肥満度の所定の閾値に対する大小に応じて糖尿病に罹患する可能性を示す情報であり、
前記推定部は、前記尿pHの所定範囲ごとに、前記肥満度の所定の閾値に対する大小および喫煙習慣の有無に応じて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記ユーザの同年代の他のユーザであって、肥満度が前記所定の閾値未満であり、かつ、喫煙習慣がない他のユーザと比較して、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す倍率を、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性として推定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、前記ユーザが所定年数後に糖尿病に罹患する可能性を推定する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部により推定された前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性に基づいて、前記ユーザが糖尿病を患いにくくするための提案をする提案部を備える
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
便器に取り付けられ、pHを測定する測定装置と通信する通信部を備え、
前記受付部は、前記ユーザの前記尿pHとして、前記通信部が受信した前記測定装置により測定されたpHを受け付ける
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通信部は、前記測定装置により測定した尿pHに対応するユーザを特定する特定情報を受信し、
前記出力部は、前記糖尿病に罹患する可能性を示す情報を前記特定情報が示すユーザの端末に送信する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記ユーザは、男性である
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記受付部は、さらに、前記ユーザが糖尿病を罹患したことを示す罹患情報を受け付け、
前記情報処理装置は、
前記罹患情報と、前記罹患情報に対応するユーザのユーザ情報と、に基づいて、前記疾病可能性情報を更新する更新部を備える
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが、ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定方法であって、
ユーザに関するユーザ情報として、前記ユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、尿pHとの入力を受け付ける受付ステップと、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定ステップと、
前記推定ステップが推定した前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力する出力ステップと、を含み、
前記推定ステップは、前記ユーザ情報と、前記尿pHの所定範囲ごとに、喫煙習慣の有無に応じて糖尿病に罹患する可能性を示す疾病可能性情報を記憶する記憶部に記憶されている前記疾病可能性情報とに基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する
推定方法。
【請求項12】
コンピュータに、
ユーザに関するユーザ情報として、前記ユーザの年齢と、喫煙習慣の有無と、尿pHとの入力を受け付ける受付機能と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する推定機能と、
前記推定機能が推定した前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を示す情報を出力する出力機能と、を実現させ、
前記推定機能は、前記ユーザ情報と、前記尿pHの所定範囲ごとに、喫煙習慣の有無に応じて糖尿病に罹患する可能性を示す疾病可能性情報を記憶する記憶部に記憶されている前記疾病可能性情報とに基づいて、前記ユーザが糖尿病に罹患する可能性を推定する
推定プログラム。