(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022173975
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びにその酸化物、化合物並びにその合金、半導体顔料と強磁性体または、フェリ磁性体を構造とする量子回路による量子コンピューター
(51)【国際特許分類】
H01L 29/82 20060101AFI20221115BHJP
G06N 10/00 20220101ALI20221115BHJP
B82Y 40/00 20110101ALI20221115BHJP
【FI】
H01L29/82 Z
G06N10/00
B82Y40/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021102023
(22)【出願日】2021-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】599106204
【氏名又は名称】河野 武平
(71)【出願人】
【識別番号】500398625
【氏名又は名称】河野 一人
(72)【発明者】
【氏名】河野 武平
(72)【発明者】
【氏名】河野 一人
【テーマコード(参考)】
5F092
【Fターム(参考)】
5F092AB10
5F092AC21
5F092AC30
5F092AD21
5F092BD03
5F092BD05
5F092BD06
5F092BD12
5F092BD15
5F092BD16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】室温及び通常使用可能なスケーラブルな規模で作成できる、量子コンピューターを作成する方法を提供する。
【解決手段】量子回路を持つ量子コンピューターを作成する方法は、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びにその酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材及び強磁性体のNi、Mn、Fe、Co、Crの酸化物4と、エキシトンによって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体及びIV-VI族化合物半導体の半導体顔料5と、強磁性体及びフェリ磁性体によって、薄膜及び積層された薄膜1、流体又は薄膜と流体を積層された構造にマイクロ波、テラヘルツ波3及びこれらを併用する場合を含み、磁場を同時に印加する量子回路及びマイクロ波、テラヘルツ波及びこれらを併用する場合を含み磁場を同時に印加7した場合、マイクロ波、テラヘルツ波及び磁場の強度をコントロールして計算する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物、エキシトンすなわち励起子によって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料と強磁性体、フェリ磁性体によって、薄膜および積層された薄膜、流体または、薄膜と流体を積層された構造または格子状構造にマイクロ波又はテラヘルツ波、レーザー又はマイクロ波とテラヘルツ波及びレーザーを併用して生じる、強磁性体、フェリ磁性体の磁性共鳴による磁気効果と強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物のマグネトプラズモン効果との相互作用による磁性スピンの回転及び重ね合わせによって構成される、量子ゲートと量子回路及びマイクロ波又はテラヘルツ波、マイクロ波とテラヘルツ波を併用し磁場を同時に印加した場合、マイクロ波、テラヘルツ波、レーザー及び磁場の強度をコントロールし強磁性体、フェリ磁性体の磁性共鳴による磁気効果と、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物のマグネトプラズモン効果の相互作用による磁性スピンの回転及び重ね合わせを操作することによって計算する量子ゲートと量子回路を持ち、常温及び常圧で作動する量子コンピューターを作成する方法。
【請求項2】
請求項1に記載されている量子ゲートと量子回路をレーザーまたは、量子ゲートと量子回路の示す信号の電位又は磁場を、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物及びエキシトンすなわち励起子によって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料から電極を用いて読み出す方法。
【請求項3】
請求項1に記載された量子ゲートと量子回路をレーザー、電場、または、電場および磁場を印加し初期化する方法。
【請求項4】
請求項1に記載されている量子ゲート及び量子回路と古典的コンピューターに使用されている半導体の演算回路を組み合わせた、量子ゲート及び量子回路を作成し、量子コンピューターを製作する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温及び通常使用可能な規模すなわち、スケーラブルな規模で作成できる、量子コンピューターの量子回路の技術に関する。磁性体のスピンの重ね合わせの状態による、デコヒーレンス時間が非常に長くまたは、磁性体のスピンの重ねあわせの状態が永続的な量子状態を保持できる、量子回路を持つ、量子コンピューターに関する技術である。量子コンピューターは、量子力学におけるスピンの重ね合わせの原理を用いて、計算することはすでに知られている。従来知られている技術は核磁気共鳴コンピューター、イオントラップコンピューター、量子ドットコンピューター、光子コンピューター、超伝導素子によるコンピューターである。
【0002】
いずれの方法も、スピンの重ね合わせによる量子状態10秒程度に限られ、スピンの重ねあわせによる永続的な量子状態が保持できる方法ではない。量子計算が可能な、デコヒーレンス時間も10秒程度以下である。またイオントラップコンピューターや超伝導素子を使用した量子コンピューターは極低温状態を必要とする。光子コンピューターは非常に大規模なスケールを必要とし、量子コンピューターとして、使用するためには、スケーラプルなものではない。
【0003】
本発明は、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物、エキシトンすなわち励起子によって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料と強磁性体、フェリ磁性体によって、薄膜および積層された薄膜、流体または、薄膜と流体を積層された構造にマイクロ波又はテラヘルツ波、マイクロ波とテラヘルツ波を併用し磁場を同時に印加する量子回路及びマイクロ波、テラヘルツ波と磁場を同時に印加した場合、マイクロ波、テラヘルツ波及び磁場の強度をコントロールし、強磁性体、フェリ磁性体の磁性共鳴と強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物のマグネトプラズモン効果との相互作用による磁性スピンの回転及び重ね合わせによって計算する量子回路を持つ量子コンピューターを作成する技術であり、作成した、量子回路をレーザーまたは、量子回路の示す信号の電位を、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物及びエキシトンすなわち励起子によって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料から電極を用いて読み出す方法。量子コンピューターに使用される、量子回路をレーザー、電場、または、電場および磁場を印加し初期化する方法である。
【背景技術】
【0004】
本出願者によって、常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物の微粒子を強磁性転換させ、強磁性体、フェリ磁性体と赤ワインなどのポリフェノールを含有することを特徴とする液体に界面活性剤を入れ、マイクロ波で加熱すると、強磁性転換された微粒子のマグネトプラズモン効果と強磁性体、フェリ磁性体の微粒子による磁性共鳴と相互作用し、量子状態である、ボーズ-アインシュタイン凝縮による超流体状態が生じること、及びポリフォノールの液体と界面活性剤を含有した半導体顔料の光電効果において、半導体顔料とポリフェノールの液体と界面活性剤の接触界面において、酸化還元反応によって荷電物質を生成し、半導体顔料の界面の荷電物質と半導体顔料の電子と正孔が再結合しエキシトン(励起子)を形成することによって、光増感度が生じる。エキシトン(励起子)によって生じた光増感度はマグネトプラズモンの電界によって増幅されることは、日本国特許第6264576号、国際特許出願番号PCT/JP2014/053826、で示されている。
【0005】
本発明は、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物、エキシトンすなわち励起子によって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料と強磁性体、フェリ磁性体によって、薄膜および積層された薄膜、流体または、薄膜と流体を積層された構造にマイクロ波又はテラヘルツ波、マイクロ波とテラヘルツ波を併用した場合を含み、磁場を同時に印加し強磁性体、フェリ磁性体の磁性共鳴による磁気効果と強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物のマグネトプラズモン効果との相互作用による磁性スピンの回転及び重ね合わせによって構成される、量子回路及びマイクロ波、テラヘルツ波と磁場を同時に印加した場合、マイクロ波、テラヘルツ波及び磁場の強度をコントロールし強磁性体、フェリ磁性体の磁性共鳴による磁気効果と、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物のマグネトプラズモン効果との相互作用による磁性スピンの回転及び重ね合わせを操作することによって計算する量子回路を持つ量子コンピューターを作成する技術であり、作成した、量子回路をレーザーまたは、量子回路の示す信号の電位を、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物及びエキシトンすなわち励起子によって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料から電極を用いて読み出す方法。量子コンピューターに使用される、量子回路をレーザー、電場、または、電場および磁場を印加し初期化する方法である。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の量子コンピューターの実用化が困難な理由は、量子コンピューターの量子ゲートにおける、スピンの重ね合わせが生じる量子状態が数秒以内であり、永続性がないこと、量子イジング回路に使用されている、超伝導素子も、スピンの重ね合わせが生じる量子状態は数秒以内が限界であり、その時間内に計算及び処理が完了しなければならず、永続的な情報処理は困難である。イオントラップ、超伝導素子の場合、極低温下で熱雑音をできるだけちいさくしなければならず、通常の商業使用は困難である。核磁気共鳴コンピューターは常温で使用できるが、熱雑音のため、デコヒーレンス時間は10秒程度であり、情報処理は通常10秒程度しか維持できない。光子コンピューターはスピンの重ね合わせが生じる、量子状態を永続的に維持できるものではない。
本発明は、室温及び通常使用可能な規模すなわち、スケーラブルな規模で作成できる、量子コンピューターの量子回路の技術に関する。磁性体のスピンの重ね合わせの状態による、デコヒーレンス時間が非常に長くまたは、磁性体のスピンの重ねあわせの状態が永続的な量子状態を保持できる、量子回路を持つ、量子コンピューターに関する技術である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物にマイクロ波及び磁場を印加しながらマイクロ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じること及び、ポリフォノールの液体と界面活性剤を含有した半導体顔料の光電効果において、半導体顔料とポリフェノールの液体と界面活性剤の接触界面において、酸化還元反応によって荷電物質を生成し、半導体顔料の界面の荷電物質と半導体顔料の電子と正孔が再結合しエキシトン(励起子)を形成することによって、光増感度が生じる。エキシトン(励起子)によって生じた光増感度はマグネトプラズモンの電界によって増幅されるは、日本国特許第6264576号、国際特許出願番号PCT/JP2014/053826、で示されている。磁性体の微粒子又はフェリ磁性体の微粒子及び、磁性体又はフェリ磁性体による薄膜と強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物とエキシトンすなわち励起子によって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料を薄膜状に相互に配置するように量子ゲートを設計する。マイクロ波、テラヘルツ波及び同時に磁場を印加する場合を含み、量子ゲートに照射すると強磁性転換された微粒子のマグネトプラズモン効果及びエキシトンすなわち励起子によって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料によって増幅された、マグネトプラズモン効果と磁性体の微粒子又はフェリ磁性体の磁性共鳴が相互作用し、強磁性転換された微粒子の磁性スピンが回転及び重ね合わせの状態が生じることを特徴とする、量子ゲート又は量子イジングモデルによる量子回路を構成する。
マグネトプラズモン効果と磁性共鳴によるスピンの相互作用は、遠赤外線、テラヘルツ波帯(波長10μm~200μm)である。マイクロ波を使用したスピン回転による量子回路、量子ゲートの操作は、マイクロ波はGHz帯(波長1cm~20cm)であるため、ナノ秒の単位で操作できる。テラヘルツ波を使用または、マイクロ波とテラヘルツ波を併用し。マグネトプラズモン効果によるスピン回転による量子回路、量子ゲートの操作はTHz帯であるため、ピコ秒からフェムト秒の単位で操作できる。テラヘルツ波、及びマイクロ波とテラヘルツ波を併用することによって、マイクロ波のみを使用した、量子回路、量子ゲートより、100倍以上の速度で操作できる。
【0008】
強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体に外部から磁場を印加しながらマイクロ波又はテラヘルツ波を照射し、強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体の量子スピンによるボーズ-アインシュタイン凝縮によって、微視的なスピンの量子効果が強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体の多数の粒子による巨視的量子効果に増幅され、強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体のスピンによる共鳴、すなわち、磁性共鳴によって強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体のエネルギーがマイクロ波又はテラヘルツ波の入射エネルギーより増幅する。増幅した強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体のエネルギーは数式1によって表される。
【数1】
B;印加されたすべての磁場エネルギー H;印加された静磁場 h;マイクロ波又はテラヘルツ波の入射エネルギー P;強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体のエネルギー π;円周率 γ;ジャイロ磁気定数 g;g因数 μ
B;ボーア磁気定数 nk;励起し遷移したの強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体のスピンの数、M
S;印加された磁場エネルギーBによる強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体の自発磁化
常磁性体のTi、V、Pt、Sn、W、Ai、Zr、Nd、Mo、Pd、反磁性体のCu、Zn、Si、Ag、Cd、Se、Sn、Au、Hg、Sb、In、Bi、Pの元素並びに、その酸化物、その元素が主成分となっている化合物並びにその合金の微粒子、強磁性のNi,Mn,Fe,Co,Crの磁性を示さない酸化化合物の微粒子が強磁性に転換したときのスピンサイクロトロン周波数ω
cは数式2で示される。
【数2】
ω
c;スピンサイクロトロン周波数e;電荷 B;印加されたすべての磁場エネルギー m;自由電子の質量 c;光の速度
常磁性体のTi、V、Pt、Sn、W、Al、Zr、Nd、Mo、Pd、反磁性体のCu、Zn、Si、Ag、Cd、Se、Sn、Au、Hg、Sb、In、Bi、Pの元素並びに、その酸化物、その元素が主成分となっている化合物並びにその合金の微粒子、強磁性のNi、Mn,Fe,Co、Crの磁性を示さない酸化化合物の微粒子のプラズモン周波数ω
pは数式3で示される。
【数3】
ω
pプラズモン周波数π;円周率 n;微粒子の自由電子の密度m;自由電子の質量
数式2のスピンサイクロトロン周波数ω
cと数式3のプラズモン周波数ω
pを用いて、常磁性体のTi、V、Pt、Sn、W、Al、Zr、Nd、Mo、Pd、反磁性体のCu、Zn、Si、Ag、Cd、Se、Sn、Au、Hg、Sb、In、Bi、Pの元素並びに、その酸化物、その元素が主成分となっている化合物並びにその合金の微粒子、強磁性のNi、Mn,Fe,Co、Crの磁性を示さない酸化化合物の微粒子のマグネトプラズモン周波数ωは数式4の解で表される。
【数4】
ω
p;プラズモン周波数 i;虚数
マグネトプラズモンの励起によるエネルギーWは次の数式5で表される。
【数5】
W;マグネトプラズモン励起によるエネルギー n;マグネトプラズモン励起数
CdSe化合物微粒子などの半導体顔料のマグネトプラズモン振動数も数式4で表される。
ポリフォノールの液体と界面活性剤を含有した半導体顔料の光電効果において、半導体顔料とポリフェノールの液体と界面活性剤の接触界面において、酸化還元反応によって荷電物質を生成し、半導体顔料の界面の荷電物質と半導体顔料の電子と正孔が再結合しエキシトン(励起子)を形成することによって、光増感度が生じる。エキシトン(励起子)によって生じた光増感度はマグネトプラズモンの電界によって増幅される。その場合の半導体顔料の光増感度のスペクトルは数式6で表される。
【数6】
ン周波数 E
g;半導体顔料のバンドギャップ f
e;半導体顔料の電子分布 f
h;半導体顔料の正孔の分布m
h;半導体顔料の正孔の質量 me;半導体顔料の電子質量
強磁性転換された反磁性又は常磁性の金属微粒子、CdSe化合物微粒子などの半導体顔料の微粒子のマグネトプラズモンの励起による電場のエネルギーは次の数式7で表される。
【数7】
E(y,z,t);マグネトプラズモン励起による電場のエネルギー(y方向、z方向、t時間),
E
y;y方向の電場 E
z;z方向の電場 i;虚数単位 k;マグネトプラズモン振動の波数 ω;マグネトプラズモン振動の周波数
L;マグネトプラズモンによって励起したy方向の電場の伝搬距離
強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は、磁性流体の磁性共鳴によるエネルギーは数式1によって表される。
数式1を(x,y,z)による3次元形式で表示する。
B(x.y.z)=H(x.y.z)+h(sinω
ht)
P(x.y.z)=2πγ(M
s+H(x.y.z))hgμ
Bn
k=2πγ(M
s+B(x.y.z)-h(sinω
ht))hgμ
Bn
k
B(x,y,z);x軸方向,y軸方向,z軸方向に印加されたすべての電磁場エネルギー
H(x,y,z);x軸方向,y軸方向,z軸方向に印加された静磁場
P(x,y,z);x軸方向,y軸方向,z軸方向のMn-Zn フェライト微粒子の励起エネルギー
強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は磁性流体の磁性共鳴によるエネルギーと強磁性転換された反磁性又は常磁性の金属微粒子、半導体顔料の微粒子のマグネトプラズモンの励起による電場が相互作用したときの量子力学的波動関数
は次の数式8で表される。
【数8】
量子力学的波動関数によるエネルギーの方程式は次の数式9で表される。
【数9】
強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物にマイクロ波、テラヘルツ波及び磁場を印加しながらマイクロ波、テラヘルツ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じることによる電界及び、ポリフォノールの液体と界面活性剤を含有した半導体顔料の光電効果において、半導体顔料とポリフェノールの液体と界面活性剤の接触界面において、酸化還元反応によって荷電物質を生成し、半導体顔料の界面の荷電物質と半導体顔料の電子と正孔が再結合しエキシトン(励起子)を形成することによって、光増感度が生じる。エキシトン(励起子)によって生じた光増感度によるマグネトプラズモンの電界と強磁性及びフェリ磁性体のマイクロ波による磁性共鳴が相互作用する場合の系のエネルギーΔEは1eV帯、おおよそ遠赤外線帯、テラヘルツ帯である。室温による k
BT,k
B;ボルツマン定数,T;室温の絶対温度、より非常に大きく室温における熱効果の影響なく、量子ゲート、量子回路のコヒーレンス状態を維持でき、また量子回路及び、量子ゲートを初期化できる。
【0009】
量子回路を形成する、量子ゲートと本発明によって作成される量子ゲートの構造及び理論を説明する。
位相ゲート
【数10】
αとβは任意の複素数
アダマール(Hadamard)変換
【数11】
αとβは任意の複素数
スピン回転演算子
【数12】
x,y,z軸のまわりの回転については下記となる。
制御NOTゲートの対応行列Uは
【数13】
制御演算ゲート U(φ)は
【数14】
フレデキンゲートUは
【数15】
トッフォリゲートUは
【数16】
【0010】
1,0の演算しか存在しない、制御NOTゲート、フレデキンゲート、トッフォリゲートは従来の古典的コンピューターで使用されている半導体回路で演算回路を作成できる。
本願発明で作成される量子回路は、位相ゲート、アダマール(Hadamard)変換、スピン回転演算子、制御演算ゲートの量子回路である。位相ゲート、アダマール(Hadamard)変換、スピン回転演算子、制御演算ゲートにおいて、スピンの回転及び重ね合わせの量子状態以外の1,0のみの演算箇所は従来使用されている、古典的コンピューターで使用されている半導体素子を使用する。本願発明で作成された量子回路と従来の半導体回路で作成された1,0の演算しか存在しない、制御NOTゲート、フレデキンゲート、トッフォリゲートを組み合わせて、量子コンピューターを作成する。
位相ゲート、スピン回転演算子、制御演算ゲートは、強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は流体による磁性共鳴と強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物にマイクロ波、テラヘルツ波及び磁場を印加しながらマイクロ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じ、強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は流体による磁性共鳴と相互作用することによる磁性スピンの回転及び重ね合わせによって、作成する。かつ半導体顔料のエキシトン(励起子)によって生じた光増感度によるマグネトプラズモンの電界によって制御する。
アダマール(Hadamard)変換は半導体顔料のエキシトン(励起子)によって生じた光増感度によるマグネトプラズモンの電界によって、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物にマイクロ波、テラヘルツ波及び磁場を印加しながらマイクロ波、テラヘルツ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じることによるスピンの回転軸を45°に傾けて、強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は流体による磁性共鳴と相互作用させ磁性スピンの回転及び重ね合わせが生じることによって作成する。
量子回路及び量子ゲートの初期化は、本発明の量子回路、量子ゲートの系のエネルギーΔEの遠赤外線、テラヘルツ帯の1eV帯よりも高い、青色の周波数の波長450nm~485nmエネルギー2.64eV~2.75eVの光、又はレーザーを照射して、初期化する。
【0011】
量子アニーリング、量子イジングモデルの量子コンピューターはカナダのD-Wave社によって商品化されている。その量子回路は超伝導電線のループによって
の量子ビットの回路を格子状に並べ、強い磁場をかけ、量子ゆらぎを大きくし、いろいろな状態がとれるようにする。その後、磁場を弱めていく、すると次第に量子ビット間の相互作用が強まり最も安定な最適解、基底状態が求まるという方法である。
強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物にマイクロ波、テラヘルツ波及び磁場を印加しながらマイクロ波、テラヘルツ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じることによるスピンの回転、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物の固体素子を格子状に結合し、強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は流体による磁性共鳴と相互作用させ、マイクロ波及び磁場の強度を制御し、磁性スピンの回転及び重ね合わせが生じることによって量子アニーリング、量子イジングモデルの量子コンピューターを作成する。
量子回路の出力の読み出しは、量子ゲートまたは、量子イジングモデルの固体又は、流体素子の電場、磁場、輻射する遠赤外線又はテラヘルツ帯の電磁波を測定すること及びレーザーを照射することによって読み出す。
マグネトプラズモン効果と磁性共鳴によるスピンの相互作用は、遠赤外線、テラヘルツ波帯(波長10μm~200μm)である。マイクロ波を使用したスピン回転による量子回路、量子ゲートの操作は、マイクロ波はGHz帯(波長1cm~20cm)であるため、ナノ秒の単位で操作できる。テラヘルツ波を使用または、マイクロ波とテラヘルツ波を併用し。マグネトプラズモン効果によるスピン回転による量子回路、量子ゲートの操作はTHz帯であるため、ピコ秒からフェムト秒の単位で操作できる。テラヘルツ波、及びマイクロ波とテラヘルツ波を併用することによって、マイクロ波のみを使用した、量子回路、量子ゲートより、100倍以上の速度で操作できる。
【0012】
量子コンピューターの装置において、永続的な量子状態を必要とする装置は量子記憶装置である。現在、量子記憶装置はダイアモンドの窒素空孔中心(Nitrogen Vacancy Center in Diamond)のスピン、または、ダイアモンドの窒素空孔中心(Nitrogen Vacancy Center in Diamond)のスピンによる磁性共鳴を、超伝導体に接続しマイクロ波で操作することによって量子記憶装置を作成することが研究されている。しかし永続的な量子コヒーレンス時間はミリ秒程度であり、永続的な量子コヒーレンス状態を維持した、永続的に情報を記憶できる量子記憶装置は製作されていない。
強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物にマイクロ波、テラヘルツ波及び磁場を印加しながらマイクロ波、テラヘルツ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じることによるスピンの回転、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物の固体素子を格子状に結合し、強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は流体による磁性共鳴と相互作用させ、マグネトプラズモン効果によるスピンの重ね合わせ及び、ポリフォノールの液体と界面活性剤を含有した半導体顔料の光電効果において、半導体顔料とポリフェノールの液体と界面活性剤の接触界面において、酸化還元反応によって荷電物質を生成し、半導体顔料の界面の荷電物質と半導体顔料の電子と正孔が再結合しエキシトン(励起子)を形成することによって、光増感度が生じる。エキシトン(励起子)によって生じた光増感度によるマグネトプラズモンの電界と強磁性体、フェリ磁性体の薄膜及び磁場を外部から印加することによる、量子コヒーレンス状態が保たれている時間はマグネトプラズモンの自励現象と磁場との相互作用によって永続的な長時間となる。本願発明による量子ゲート及び、量子回路を使用した、量子記憶装置は、永続的な量子状態を維持した記憶装置である。
マグネトプラズモンのエネルギーはテラヘルツ帯、遠赤外線帯であるため、室温で動作させた場合、室温レベルの熱効果は非常に小さく、室温で永続的な量子状態を維持できる量子記憶装置が作成できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、室温及び通常使用可能な規模すなわち、スケーラブルな規模で作成できる、量子コンピューターの量子回路の技術に関する。磁性体のスピンの重ね合わせの状態による、デコヒーレンス時間が非常に長くまたは、磁性体のスピンの重ねあわせの状態が永続的な量子状態を保持できる、量子回路を持つ、量子コンピューターに関する技術である。
本発明は、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物、エキシトンすなわち励起子によって光増感度及び発光の生じるIII-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料と強磁性体、フェリ磁性体によって、薄膜および積層された薄膜、流体または、薄膜と流体を積層された構造にマイクロ波、テラヘルツ波、マイクロ波とテラヘルツ波を併用する場合を含み、磁場を同時に印加する量子回路及びマイクロ波と磁場を同時に印加した場合、マイクロ波、テラヘルツ波及び磁場の強度をコントロールして計算するによる量子回路を持つ量子コンピューターを作成する技術であり、作成した、量子回路をレーザーまたは、量子回路の示す信号の電位を電極を用いて読み出す方法。量子コンピューターに使用される、量子回路をレーザー、電場、または、電場および磁場を印加し初期化する方法である。
従来知られている核磁気共鳴コンピューター、イオントラップコンピューター、量子ドットコンピューター、光子コンピューター、超伝導素子による量子コンピューターの装置は大規模かつ高価であり、一般的な商業使用は困難である。
本発明による量子ゲート、量子回路は常温、常圧で使用できる。また使用される固体量子素子の材料は安価であり、一般的な商業使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【
図1】強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物と、強磁性体、フェリ磁性体の薄膜にマイクロ波、テラヘルツ波及び磁場を印加しながらマイクロ波、テラヘルツ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じることによるスピンの回転及び重ね合わせで構成される量子ゲート。レーザーを用いて、量子ゲートは初期化でき、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物から電極を用いて、データを読み出す。
【
図2】強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物と、III-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料及び強磁性体、フェリ磁性体の薄膜にマイクロ波、テラヘルツ波及び磁場を印加しながらマイクロ波、テラヘルツ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じることによるスピンの回転及び重ね合わせで構成される量子ゲート。レーザーを用いて、量子ゲートは初期化でき、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物から電極、III-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体からも電極を用いて、データを読み出す。
【
図3】強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物と、III-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料及び強磁性体、フェリ磁性体の薄膜にマイクロ波、テラヘルツ波及び磁場を印加しながらマイクロ波、テラヘルツ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じることによるスピンの回転及び重ね合わせにおいてスピンの回転軸を45°に傾けたアダマール(Hadamard)変換の量子ゲート。レーザーを用いて、量子ゲートは初期化でき、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物から電極、III-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体からも電極を用いて、データを読み出す。
【
図4】強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は流体による磁性共鳴と強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物にマイクロ波、テラヘルツ波及び磁場を印加しながらマイクロ波、テラヘルツ波を照射するとマグネトプラズモン効果が生じ、強磁性体、フェリ磁性体の薄膜又は流体による磁性共鳴と相互作用することによる磁性スピンの回転及び重ね合わせによって、作成する。かつ半導体顔料のエキシトン(励起子)によって生じた光増感度によるマグネトプラズモンの電界によって制御する量子ゲート レーザーを用いて、量子ゲートは初期化でき、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物、III-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体から電極を用いて、データを読み出す。
【符号の説明】
1 強磁性体、フェリ磁性体の薄膜
2 マイクロ波、テラヘルツ波発生器
3 マイクロ波、テラヘルツ波
4 強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物
5 III-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料
6 レーザー
7 磁場の印加
8 強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物から電場を読み出す電極
9 III-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料から電場を読み出す電極
10 強磁性体、フェリ磁性体、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物、III-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料による流体
11 強磁性体、フェリ磁性体、強磁性転換された常磁性体、反磁性体の元素並びに、その酸化物、化合物並びにその合金又は炭素素材、強磁性体のNi,Mn,Fe,Co,Crの酸化物、III-V族化合物半導体、II-IV族化合物半導体、IV-VI族化合物半導体の半導体顔料による流体から電位を読み出す電極