(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174012
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化型組成物及び積層体
(51)【国際特許分類】
C09D 11/101 20140101AFI20221115BHJP
B41M 1/30 20060101ALI20221115BHJP
C09D 5/14 20060101ALI20221115BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20221115BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20221115BHJP
【FI】
C09D11/101
B41M1/30 D
C09D5/14
C09D201/00
C09D7/63
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074603
(22)【出願日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2021079551
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡本 真平
【テーマコード(参考)】
2H113
4J038
4J039
【Fターム(参考)】
2H113AA03
2H113AA06
2H113BA01
2H113BA03
2H113BA05
2H113BB02
2H113BB08
2H113BB32
2H113BC02
2H113FA10
2H113FA42
2H113FA43
2H113FA45
4J038BA212
4J038FA121
4J038FA122
4J038FA251
4J038HA066
4J038HA386
4J038KA04
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4J038NA27
4J038PA17
4J039AD21
4J039BA31
4J039BA33
4J039BA39
4J039BB01
4J039BE01
4J039EA33
4J039EA36
4J039EA44
4J039EA48
4J039GA11
4J039GA34
(57)【要約】
【課題】優れた抗菌性、高耐摩擦性、高い印刷適性、高い保存安定性を有する活性エネルギー線硬化型組成物及び積層体の提供。
【解決手段】
重合性化合物と、ワックスと、抗菌剤と、重合禁止剤とを含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、
前記抗菌剤の含有量が、組成物全量中0.05~15質量%であり、
前記ワックスが、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、アクリルビーズワックス、ウレタンビーズワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、及びカルナバワックスから成る群から選ばれる1種以上を含み、
前記ワックスの含有量が、組成物全量中0.5~10質量%であり、
重合禁止剤の含有量が、組成物全量中0.01~3質量%であることを特徴とする、活性エネルギー線硬化型組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性化合物と、ワックスと、抗菌剤と、重合禁止剤とを含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、
前記抗菌剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型組成物全量中0.05~15質量%であり、
前記ワックスが、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、アクリルビーズワックス、ウレタンビーズワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、及びカルナバワックスから成る群から選ばれる1種以上を含み、
前記ワックスの含有量が、活性エネルギー線硬化型組成物全量中0.5~10質量%であり、
重合禁止剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型組成物全量中0.01~3質量%であることを特徴とする、活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項2】
前記抗菌剤が、銀、銅、亜鉛、及び、錫からなる群より選ばれる金属元素を少なくとも1種含有する化合物を含むことを特徴とする、請求項1記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項3】
更に体質顔料を含むことを特徴とする、請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項4】
更に着色剤を含むことを特徴とする、請求項1~3いずれか記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
【請求項5】
基材に、請求項1~4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型組成物を、活性エネルギー線で硬化した層を有する積層体。
【請求項6】
基材にインキを印刷した印刷物の印刷面上に、請求項1~4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型組成物を、活性エネルギー線で硬化した層を有する積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた抗菌性、高耐摩擦性、高い印刷適性、高い保存安定性を有する活性エネルギー線硬化型組成物及び積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、公衆衛生への意識の高まりから、抗菌加工が施された製品(抗菌製品)への需要が高まってきており、市場においても様々な抗菌製品が出回っている。一般的な抗菌製品(例えばプラスチック)は、抗菌剤を基材に練り込むことで抗菌性能を付与しているが、抗菌剤は価格が高く、種類によっては有害性がある等の制約により、使用される製品が限定的である。抗菌剤の抗菌性能は、主に表面に露出している抗菌剤により発現されるため、抗菌剤の添加量を極力抑えつつ抗菌性能を最大限有効に活用するためには、表面にのみ塗布する、コーティングが有効な解決手段の一つである。
【0003】
抗菌剤をコーティングする手法として、様々なものが挙げられるが、生産性や皮膜の堅牢性などに優れる活性エネルギー線硬化型組成物においても、抗菌性能を付与する検討が行われてきた。しかしながら、抗菌剤は活性エネルギー線硬化型組成物中ではイナートな成分であり、抗菌剤を添加することにより塗膜表面の耐摩擦性が劣化するという課題があった。また、抗菌剤自体は活性エネルギー線硬化型組成物に対して相溶性が悪い場合が多く、保存安定性が劣化するという課題があった。
【0004】
特許文献1(特開平8-311373号公報)には、抗菌剤として銀化合物を使用したアクリレート系重合組成物が開示されている。しかしながら、積層体としての耐摩擦性が劣る、保存安定性が劣化するという課題があった。また、銀化合物を溶剤に溶解して使用しており、重合組成物を基材に塗布した後に溶剤を除去する工程が必要なため生産性が著しく損なわれるという課題があった。
【0005】
特許文献2(特開平11-80642号公報))には、抗菌剤とポリテトラフルオロエチレン粒子を含有したアクリレート系重合組成物が開示されている。しかしながら、ポリテトラフルオロエチレン粒子は近年の環境規制により使用が制限されており、実質的な使用が困難になりつつある。また、ポリテトラフルオロエチレン粒子はアクリレート系重合組成物製造時の分散工程で粒子が扁平化し、印刷時にローラーやブランケットへ堆積するという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8-311373号公報
【特許文献2】特開平11-80642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、優れた抗菌性、高耐摩擦性、高い印刷適性、高い保存安定性を有する活性エネルギー線硬化型組成物及び積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す活性エネルギー線硬化型インキ組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、重合性化合物と、ワックスと、抗菌剤と、重合禁止剤とを含む活性エネルギー線硬化型組成物であって、
前記抗菌剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型組成物全量中0.05~15質量%であり、
前記ワックスが、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、アクリルビーズワックス、ウレタンビーズワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、及びカルナバワックスから成る群から選ばれる1種以上を含み、
前記ワックスの含有量が、活性エネルギー線硬化型組成物全量中0.5~10質量%であり、
重合禁止剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型組成物全量中0.01~3質量%であることを特徴とする、活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
【0010】
また本発明は、前記抗菌剤が、銀、銅、亜鉛、及び、錫からなる群より選ばれる金属元素を少なくとも1種含有する化合物を含むことを特徴とする、上記活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
【0011】
また本発明は、更に体質顔料を含むことを特徴とする、上記活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
【0012】
また本発明は、更に着色剤を含むことを特徴とする、上記活性エネルギー線硬化型組成物に関する。
【0013】
また本発明は、基材に、上記活性エネルギー線硬化型組成物を、活性エネルギー線で硬化した層を有する積層体に関する。
【0014】
また本発明は、基材にインキを印刷した印刷物の印刷面上に、上記活性エネルギー線硬化型組成物を、活性エネルギー線で硬化した層を有する積層体に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によって、優れた抗菌性、高耐摩擦性、高い印刷適性、高い保存安定性を有する活性エネルギー線硬化型組成物及び積層体を提供することができた。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
【0017】
本明細書で使用される用語について説明する。「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及び/又はメタアクリロイル(メタクリロイル)を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタアクリレート(メタクリレート)を意味する。「活性エネルギー線」とは、紫外線、電子線等、照射することによって照射されたものに化学反応等の化学的変化を生じさせ得る性質を有するエネルギー線を意味する。
【0018】
<抗菌剤>
本発明における抗菌剤とは、粒子状で抗菌性能を発現する物質であれば特に制限はなく、無機系、有機系共に使用できる。
中でも、抗菌剤として、銀、銅、亜鉛、及び、錫からなる群より選ばれる金属元素を少なくとも1種含有する化合物を含むことが好ましい。これらの具体例としては、銀、銅、亜鉛、錫等の金属イオンをゼオライト、シリカゲル、リン酸ジルコニウム、酸化チタン、アルミナ等の多孔質物質に担持させたものが挙げられる。
【0019】
抗菌剤の含有量は組成物全量中0.05~15質量%である。抗菌剤の含有量が0.05質量%未満では抗菌効果が安定せず、又、15質量%を越えると必要十分な抗菌効果が飽和し、抗菌剤が過剰となり価格面、印刷適性共に不利となる。抗菌剤の含有量は、好ましくは組成物全量中0.1~10質量%であり、組成物全量中0.5~7質量%であることが更に好ましい。
【0020】
<ワックス>
本発明においてワックスを添加することで高い耐摩擦性を保つ事ができる。ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、アクリルビーズワックス、ウレタンビーズワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、及びカルナバワックスからなる群から選ばれる1種以上を含む。これらワックスは単体で用いてもよいし、複数組み合わせて使用してもよい。ポリオレフィンワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレン-プロピレン共重合ワックス、酸化ポリエチレンワックスなどを例示することが出来る。
中でも、耐摩擦性の効果が特に高くできることから、ワックスとして、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びワセリンからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。これは、これらのワックスが表面に露出しやすいためと考えられる。
これらワックスの含有量は活性エネルギー線硬化型組成物全量の0 .5~10質量%である。ワックスの含有量が組成物全量の0.5質量%より少ない場合、耐摩擦性が十分に発現せず、10質量%を超える場合、光沢や印刷適性が損なわれる。ワックスの含有量は、好ましくは組成物全量中1~5質量%である。
【0021】
一方で、ポリテトラフルオロエチレンワックスは、近年の環境規制により使用が制限されており、実質的な使用が困難になりつつある。また、ポリテトラフルオロエチレンワックスはアクリレート系重合組成物製造時の分散工程で粒子が扁平化し、印刷時にローラーやブランケットへ堆積し、印刷適性を損なうため使用に適さない。
【0022】
<重合禁止剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物に重合禁止剤を添加する。これにより高い保存安定性を得る事ができる。前述重合禁止剤としては特に制限はなく、公知のもの用いることができる。具体的には、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、tert-ブチルハイドロキノン、N‐ニトロソフェニルヒドロキシルアミン等が挙げられる。これら重合禁止剤は単体で用いてもよいし、複数組み合わせて使用してもよい。
これら重合禁止剤の含有量は活性エネルギー線硬化型組成物全量の0 .01~3質量% である。重合禁止剤の含有量が組成物全量の0.01質量%より少ない場合、保存安定性が十分でなく、3質量% を超える場合、硬化性に悪影響を及ぼす。また、重合禁止剤の含有量は、好ましくは活性エネルギー線硬化型組成物全量の0.03~2質量%であり、0.05~1質量%であることが特に好ましい。
【0023】
<光重合開始剤>
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物には、光重合開始剤を使用することができる。
本発明において使用される光重合開始剤は、一般的に市販される物を使用する事が出来るが、特にアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、ジアルコキシアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、及びα-ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤からなる群から選ばれる1種以上を使用することが好ましい。これら光重合開始剤はそれぞれ単独で使用してもよいし、複数の種類を併用して使用することもできる。高温下などの厳しい環境での保存や長期保存が必要とされる場合は光重合開始剤を除くことができる。光重合開始剤を含まない場合は電子線による硬化が好ましい。
【0024】
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、ジフェニルアシルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0025】
ジアルコキシアセトフェノン系光重合開始剤としては、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、ジメトキシアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンなどが挙げられる。
【0026】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0027】
α-ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤としては、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシメトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-[4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル]-2-メチル-プロパン-1-オンなどが挙げられる。
【0028】
本発明において、光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化型組成物の全質量に対して、3~15質量%であることが好ましく、より好ましくは5~15質量%である。光重合開始剤の含有量が組成物の全質量に対して3質量%未満の場合、ラジカル反応が十分進行せず塗膜としての堅牢性が十分得られない。光重合開始剤の含有量が組成物の全質量に対して15質量%を超える場合、重合性成分の含有率が相対的に低くなり、塗膜としての堅牢性が十分得られない。
【0029】
<体質顔料>
本発明において、体質顔料を使用することができる。体質顔料を使用することで抗菌剤の基材へ浸透を抑制し抗菌剤の表面の露出が増加し、少量の抗菌剤の添加でも高い抗菌性を得ることができる。
【0030】
本発明に用いることができる体質顔料としては、特に制限はなく、公知の体質顔料を用いることができる。具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ等が例示できる。
【0031】
体質顔料の含有量は、活性エネルギー線硬化型組成物の全質量に対して、1~20質量%であることが好ましく、より好ましくは3~15質量%である。体質顔料の含有量が組成物の全質量に対して1質量%未満の場合、体質顔料を添加した効果が得られない。一方、体質顔料の含有量が組成物の全質量に対して20質量%を超える場合、光沢や印刷適性に悪影響を与える。
【0032】
<着色剤>
本発明において、着色剤を使用することができる。
本発明に用いることができる着色剤としては、特に制限はなく、公知の顔料、染料を用いることができる。顔料を使用することで、抗菌剤の基材へ浸透を抑制し抗菌剤の表面の露出が増加し、少量の抗菌剤の添加でも高い抗菌性を得ることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも用いることができる。
【0033】
無機顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラックなどのカーボンブラック類、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられる
【0034】
有機顔料としては、β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料; β-ナフトール系、β-オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料;銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(例えば、塩素化、臭素化など)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系等の多環式顔料及び複素環式顔料;などが挙げられる。
【0035】
更に詳しくは、C.I.カラーインデックスで示すと、黒顔料としては、C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、28、26、31などが挙げられる。
【0036】
白顔料としては、C.I.Pigment White 5、6、7、12、28などが挙げられる。
【0037】
黄顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、18、24、73、74、75、83、93、95、97、98、100、108、109、110、114、120、128、129、138、139、174、150、151、154、155、167、180、185、213などが挙げられる。
【0038】
青又はシアン顔料としては、C.I.Pigment Blue 1、2、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62などが挙げられる。
【0039】
赤又は紅顔料としては、C.I.Pigment RED 1、3、5、19、21、22、31、38、42、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、50、52、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、90、104、108、112、114、122、144、146、148、149、150、166、168、169、170、172、173、176、177、178、184、185、187、193、202、209、214、242、254、255、264、266、269、C.I.Pigment Violet 19などが挙げられる。
【0040】
緑顔料としては、C.I.Pigment Green 1、2、3、4、7、8、10、15、17、26、36、45、50などが挙げられる。
【0041】
紫顔料としては、C.I.Pigment Violet 1、2、3、4、5:1、12、13、15、16、17、19、23、25、29、31、32、36、37、39、42などが挙げられる。
【0042】
オレンジ顔料としては、C.I.Pigment Orange 13、16、20、34、36、38、39、43、51、61、63、64、74などが挙げられる。
【0043】
本発明において、着色剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。着色剤の添加量としては、1~60質量%が好ましい。前記範囲より少ない場合、着色剤としての効果が得られない。前記範囲より多い場合、印刷適性を損なう恐れがある。
【0044】
<重合性化合物>
本発明において、活性エネルギー線硬化型組成物は、重合性化合物を含む。本発明に併用可能な重合性化合物としては特に制限はなく、公知のもの用いることができる。
【0045】
重合性化合物として好適に用いられるラジカル重合性化合物(以下、「ラジカル重合性化合物(Z)」と称する。)は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中に、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物であればよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物(Z)は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0046】
ラジカル重合性化合物(Z)の例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトニル、スチレン、さらに種々の不和飽ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。
【0047】
ラジカル重合性化合物(Z)としては、具体的に、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、EO変性(2)ノニルフェノールアクリレート、(2-メチル-2-エチル-1、3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N-ビニルカルバゾール、1-ビニルイミダゾール、N-ビニル-2-ピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルホルムアミドなどの1官能のラジカル重合性化合物、
1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(300)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性(2)1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、EO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどの2官能のラジカル重合性化合物、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの3官能のラジカル重合性化合物、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能のラジカル重合性化合物、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどの5官能のラジカル重合性化合物、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの6官能のラジカル重合性化合物等が挙げられる。
【0048】
また、ラジカル重合性化合物(Z)としては、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレートなどのウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレートなどを用いることができる。
【0049】
<樹脂>
本発明において、活性エネルギー線硬化型組成物は樹脂を含むことができる。本発明に含有される樹脂としては、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、石油樹脂、尿素樹脂、ブタジエン-アクリルニトリル共重合体のような合成ゴムなどが挙げられる。さらに、これらの樹脂を変性して使用することもできる。具体的には塩素化、臭素化、アミン変性、カルボン酸変性等が例示できる。樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0050】
樹脂は相溶性と硬化性の観点から、重量平均分子量(以下、Mwとも称する)が、1,000~100,000であることが好ましく、2,000~70,000がより好ましい。また、ガラス転移温度(以下、Tgとも称する)が、耐薬品性の観点から、50~150℃であることが好ましく、60~120℃がより好ましい。
【0051】
なお、本発明において、Mwは、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(以下、「GPC」という。)で測定した。GPCの具体的な測定方法は、以下の通りである。東ソー(株)製HLC-8020を用い、検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロフランを、カラムにはTSKgel SuperHM-M(東ソー(株)製)3本を用いた。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。
【0052】
ガラス転移温度は、樹脂を構成する単量体のホモポリマーのガラス転移温度から計算してもよいし、実験的に測定してもよい。単量体のホモポリマーのガラス転移温度から算出する方法としては、例えば、FOXの式から算出される。また、実験的に測定する方法としては、示差走査熱量計を用いてDSC曲線を測定することで得られる。
【0053】
<その他の成分>
本発明において、活性エネルギー線硬化型組成物は、本発明の効果が低下しない範囲で、レベリング剤、帯電防止剤、界面活性剤、消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを必要に応じて添加することができる。
【0054】
<積層体>
本発明における積層体は、活性エネルギー線硬化型組成物を、基材上、または基材にインキを印刷した印刷物の印刷面上に印刷することによって得られる。基材としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。具体的には、アート紙、コート紙、キャスト紙などの塗工紙や上質紙、中質紙、新聞用紙などの非塗工紙、ユポ紙などの合成紙、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、OPP(2軸延伸ポリプロピレン)のようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。
また、基材に印刷するインキとしては、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷等公知の印刷方法に適した任意のインキを使用することができる。
【0055】
本発明における活性エネルギー線硬化型組成物を、基材上、または基材にインキを印刷した印刷物の印刷面上に印刷またはコーティングする方法としては、ロールコーター、グラビアコーター、フレキソコーター、エアドクターコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、トランスファーロールコーター、キスコーター、カーテンコーター、キャストコーター、スプレーコーター、ダイコーター、オフセット印刷( 湿し水を使用する通常の平版及び湿し水を使用しない水無し平版)、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
【0056】
本発明において、活性エネルギー線硬化型組成物を硬化する方法に特に制限はなく、活性エネルギー線源として公知のものを用いることができる。具体的には、水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハイドライドランプ、紫外線発光ダイオード(UV-LED)、紫外線レーザーダイオード(UV-LD)等のLED(発光ダイオード)、電子線、ガス・固体レーザーなどが挙げられる。
【実施例0057】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ表す。
【0058】
[活性エネルギー線硬化型組成物の製造方法]
実施例1
エポキシ樹脂ワニス 40.5部、DPHA 40.0部、TMP(EO)TA 10.0部、TPO 5.0部、H-BHT 0.5部、ポリエチレンワックス 3.0部、抗菌剤(シナネンゼオミック製 AW10D) 1.0部を測り取り、60℃に加熱しながら攪拌し、全体が均一になったことを確認した後3本ロールで分散しろ過を行うことで活性エネルギー線硬化型組成物を得た。
【0059】
実施例2~21、比較例1~8
表1に記載した原料の種類と量を用いた以外は、実施例1と同様の方法で実施例2~21、比較例1~8を得た。なお、数値は特に断りがない限り「質量部」を表し、空欄は配合していないことを表す。
【0060】
【0061】
【0062】
なお、表1中に記載した原料の詳細は、以下のとおりである。
エポキシ樹脂ワニス:バンビームUV103D(ハリマ化成株式会社製)
DPHA:ジトリメチロールプロパンヘキサアクリレート(サートマー製 DPHA)
TMP(EO)TA:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(サートマー製 SR454)
炭酸カルシウム:ハクエンカO(白石カルシウム製)
乾式シリカ:レオロシールMT-10C(トクヤマ製)
カーボンブラック:モーガルE(キャボット製)
酸化チタン:CR-90(石原産業製)
ポリエチレンワックス:Tワックスコンパウンド(東新油脂株式会社製)
ワセリン:ホワイトプロトペット1S(Sonneborn社製)
マイクロクリスタリンワックス:Hi-Mic-1070(日本精蝋株式会社製)
PTFEワックス:KTL-4N(喜多村製)
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド
H-BHT:2,6-ジ-ターシャリー-ブチル-4-メチルフェノール
Q-1301:N-ニトロソフェニルヒロドキシルアミンアルミニウム塩
抗菌剤A:AW10D(シナネンゼオミック製 銀/ゼオライト)
抗菌剤B:ノバロンAG300(東亞合成製 銀/リン酸ジルコニウム)
抗菌剤C:ノバロンVZF101(東亞合成製 亜鉛/リン酸ジルコニウム)
【0063】
[抗菌性評価用試験サンプルの作成方法]
実施例1~17および比較例1~7で得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、RIテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、PETフィルム上に0.25mlの盛り量でベタ画像を印刷した。その後、コンベア速度60m/分、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス株式会社製、照射距離10mm、出力160W/cmの条件)で活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させ、抗菌性評価用試験サンプルを作製した。同様に、実施例18~21で得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、RIテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、PETフィルム上に0.25mlの盛り量でベタ画像を印刷した。その後、岩崎電気社製の電子線照射機EC250/15/180Lを使用し、加速電圧110kV、電子線量30kGyの条件で活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させ、抗菌性評価用試験サンプルを作製した。
【0064】
[抗菌性]
PETフィルム上に印刷された組成物について、JIS-Z2801に則った方法で抗菌性の評価を行った。
5・・・抗菌活性値が5以上
4・・・抗菌活性値が4以上5未満
3・・・抗菌活性値が3以上4未満
2・・・抗菌活性値が2以上3未満
1・・・抗菌活性値が2未満
【0065】
[耐摩擦性サンプルの作製方法]
実施例1~17および比較例1~7で得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、RIテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、PETフィルム上に0.25mlの盛り量でベタ画像を印刷した。その後、コンベア速度60m/分、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス株式会社製、照射距離10mm、出力160W/cmの条件)で活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させ、耐摩擦性試験サンプルを作製した。同様に、実施例18~21で得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、RIテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、PETフィルム上に0.25mlの盛り量でベタ画像を印刷した。その後、岩崎電気社製の電子線照射機EC250/15/180Lを使用し、加速電圧110kV、電子線量30kGyの条件で活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させ、耐摩擦試験サンプルを作製した。
【0066】
[耐摩擦性]
PETフィルム上に印刷された組成物について、学振型摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製)を用いて、重量500g、摩擦回数500回の条件にて耐摩擦性を評価した。
5・・・傷が全くつかない
4・・・うっすらと傷が見えるレベル
3・・・傷が見えるレベル
2・・・下地がうっすら見えるレベル
1・・・下地がはっきり見えるレベル
【0067】
[光沢評価用試験サンプルの作成方法]
実施例1~17および比較例1~7で得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、RIテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、アート紙(三菱製紙株式会社 特菱アートN)に0.25mlの盛り量でベタ画像を印刷した。その後、コンベア速度60m/分、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス株式会社製、照射距離10mm、出力160W/cmの条件)で活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させ、光沢評価用試験サンプルを作製した。同様に、実施例18~21で得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、RIテスター(テスター産業株式会社製)を用いて、アート紙(三菱製紙株式会社 特菱アートN)に0.25mlの盛り量でベタ画像を印刷した。その後、岩崎電気社製の電子線照射機EC250/15/180Lを使用し、加速電圧110kV、電子線量30kGyの条件で活性エネルギー線硬化型組成物を硬化させ、光沢評価用試験サンプルを作製した。
【0068】
得られた試験サンプルの光沢を光沢計(GLOSS METER GM-26D 村上色学研究所製 入射角 60°)にて測定した。
5・・・光沢値が40以上
4・・・光沢値が38以上40未満
3・・・光沢値が36以上38未満
2・・・光沢値が34以上36未満
1・・・光沢値が34未満
【0069】
[印刷適性]
実施例1~21および比較例1~7で得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、UVオフセット印刷機(小森コーポレーション株式会社)にて、コートボール紙を10000枚印刷した後の、調量ローラーへのニスの堆積状態を観察した。※調量ローラーの評価は硬化させる必要がないのでUV/EBは関係ない
5・・・調量ローラーに組成物がほぼ付着していない
4・・・調量ローラー端に組成物が付着している。
3・・・調量ローラー全体に組成物が付着している。
2・・・調量ローラー全体に組成物が分厚く付着している。
1・・・調量ローラー全体に組成物が分厚く付着しており、紙面に汚れが発生する
【0070】
[保存安定性]
得られた活性エネルギー線硬化型組成物を、ガラス製瓶に充填し、脱泡攪拌を行った後に100℃のオーブン内に静置した。一定期間経過後に組成物に棒を挿入することで、組成物の保存安定性を評価した。組成物の保存安定性が損なわれ重合を引き起こすと棒が挿入できなくなる(ゲル化)。棒を挿入できる期間が長い程保存安定性に優れる。
5・・・12日以上経過後も、棒を挿入することができる。
4・・・10日後までは棒を挿入することができる(11~12日目で棒を挿入することができなくなる)。
3・・・8日後までは棒を挿入することができる(9~10日目で棒を挿入することができなくなる)。
2・・・6日後までは棒を挿入することができる(7~8日目で棒を挿入することができなくなる)。
1・・・4日後までは棒を挿入することができる(5~6日目で棒を挿入することができなくなる)。
【0071】
【0072】
以上より、本願発明の活性エネルギー線硬化型組成物を用いることによって、少ない抗菌剤の添加量で優れた抗菌性を発現させ、高い光沢と皮膜の堅牢性を有する活性エネルギー線硬化型組成物及び積層体を提供できる。