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特開2022-174024システム、およびハプティックディスプレイの動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174024
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】システム、およびハプティックディスプレイの動作方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20221115BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/041 480
G06F3/041 602
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022077292
(22)【出願日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】17/315,734
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505347433
【氏名又は名称】ロックウェル・コリンズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】ライル リチャード
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555AA26
5E555AA76
5E555BA01
5E555BA23
5E555BB01
5E555BB23
5E555BC01
5E555BE10
5E555CA12
5E555CB20
5E555CB33
5E555CC01
5E555DA01
5E555DA24
5E555DB20
5E555DC09
5E555DC43
5E555DD02
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 ハプティックディスプレイのためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】 ハプティックディスプレイはディスプレイヘッド及びアクチュエータレイヤを含む。アクチュエータレイヤは、複数の開口を有して構成されるピンボードと、複数の開口内で平行移動するように構成される複数のピンと、を含む。複数のピンのうちの1つまたは複数は、ディスプレイヘッドと物理的に相互作用するように構成されるディスプレイ相互作用端部と、作動端部と、を含む。作動レイヤは、ディスプレイヘッドに対してピンのセットを付勢するように構成される、複数のピンの作動端部に物理的に結合される複数のリニアアクチュエータ素子をさらに含む。ディスプレイヘッドに対するピンのセットの付勢は、フレキシブルな面に突起を生成し、突起はユーザの付勢力によって縮小され得、ユーザは突起の縮小を感知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハプティックディスプレイ
を備え、前記ハプティックディスプレイは、
フレキシブルな面を有して構成されるディスプレイヘッドと、
アクチュエータレイヤと、
を備え、前記アクチュエータレイヤは、
複数の開口を有して構成されるピンボードと、
前記複数の開口内で平行移動するように構成される複数のピンと、
を備え、前記複数のピンのうちの1つまたは複数は、
前記ディスプレイヘッドと物理的に相互作用するように構成されるディスプレイ相互作用端部と、
作動端部と、
前記ディスプレイヘッドに対して前記複数のピンのセットを付勢するように構成される、前記複数のピンの前記作動端部に物理的に結合される複数のリニアアクチュエータ素子であって、前記ディスプレイヘッドに対する前記複数のピンの前記セットの付勢は、前記フレキシブルな面に突起を生成し、前記突起はユーザの付勢力によって縮小され得、前記ユーザは前記突起の縮小を感知する、前記複数のリニアアクチュエータ素子と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記複数のリニアアクチュエータ素子に駆動信号を出力するように構成されるコントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ディスプレイヘッドは、前記突起に重畳する画像を表示するように構成され、前記画像は前記突起の機能的特徴を示す、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムはデバイスに結合され、前記突起の前記縮小は、前記デバイスの少なくとも1つのパラメータの変化をもたらす、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
計器盤をさらに含み、前記ハプティックディスプレイは前記計器盤内に統合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記計器盤は航空機内に構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
スピーカーをさらに備え、前記スピーカーは、前記突起の前記縮小時に音を出すように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記突起の前記縮小時に、前記複数のピンの前記セット内の残りのピンはデフォルトの高さまで下げられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記突起は1つまたは複数のセクションを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ディスプレイヘッドは、前記1つまたは複数のセクションのうちの前記1つに重畳する表示要素を表示するように構成され、前記表示要素は、前記1つまたは複数のセクションのうちの前記1つの機能的特徴を示す、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムはデバイスに結合され、前記1つまたは複数のセクションのうちの前記1つに対応する前記突起の前記縮小は、前記デバイスの少なくとも1つのパラメータの変化をもたらす、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数のピンの付勢は、ピンの位置、ピンの平行移動速度、前記ユーザの前記付勢力、及び前記突起の機能的特徴のうちの少なくとも1つに基づいて調整される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ハプティックディスプレイの動作方法であって、
ディスプレイヘッド上に表示要素を生成することと、
前記表示要素に基づいて複数のピンのピンサブセットを平行移動させることと、
前記ディスプレイヘッド上に突起を形成することであって、前記突起は前記表示要素に対応する、前記形成することと、
ユーザによって前記突起及び表示要素に接触することと、
前記ユーザによって前記突起を付勢することと、
前記表示要素に前記接触することまたは前記突起を前記付勢することのうちの少なくとも1つに基づいて反応を出力することと、
を含む、前記方法。
【請求項14】
前記ピンサブセットの位置をリセットすることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記表示要素の形状、または前記ディスプレイヘッド上の前記表示要素の位置のうちの少なくとも1つに基づいて前記表示要素を修正することと、
前記表示要素の修正に基づいて前記突起を修正することと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハプティックディスプレイソリューションを実現するためのフレキシブルディスプレイハードウェアを活用したソフトウェアで定義されるハードキーに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンテクノロジーの出現により、ユーザインターフェース(UI)及びヒューマンマシンインターフェース(HMI)の柔軟性、形態、及び機能が拡張された。しかしながら、従来型のインターフェーステクノロジーと比較した場合に、タッチスクリーンディスプレイの人間の感覚のフィードバックにおける制限によって、ユーザの正確性及びユーザの自信/満足が制限されている。たとえば、従来型のキーボードは通常、タッチスクリーンキーボードよりもデータ入力の正確性が高くて速い。他の例では、車両内のユーザは、押下抵抗、ボタンの動き、またはクリック機構の変化の形態の物理ボタンの物理的なフィードバックによって、タッチスクリーンアイコンよりも自信を持って物理ボタンを押して反応を引き出す(illicit)ので(たとえば、無線機のボタンを押すなど)、ユーザはボタンが押されたこと以上に満足し得る。
【0003】
UIにおける最近の改善の1つは、タッチスクリーンディスプレイ上のUI要素がユーザによってタップされたか、スライドされたか、または別の方法で押されたときのユーザの触覚に関するハプティックテクノロジーの発展であった。たとえば、スマートフォンは、圧電ベンダー、偏心回転質量モーター、またはリニア共振アクチュエータを使用して、画面アイコンが選択されたというユーザへのフィードバックとして振動を発生させ得る。これらのハプティック要素は、画面アイコンが選択されたというフィードバックを提供している間、物理ボタンの押下が終わるまでに物理ボタンが提供する触覚的手がかりを提供することができない。したがって、従来のアプローチよりも総合的な触覚的手がかりをユーザに提供するハプティック要素をタッチスクリーンディスプレイに提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、上記の不利な点が低減されるように、冒頭で述べた種類のシステムを改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
システムを開示する。1つまたは複数の実施形態では、このシステムはハプティック(haptic)ディスプレイを含む。1つまたは複数の実施形態では、ハプティックディスプレイはディスプレイヘッドを含む。1つまたは複数の実施形態では、ハプティックディスプレイはアクチュエータレイヤをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、アクチュエータレイヤは、複数の開口を有して構成されるピンボードを含む。1つまたは複数の実施形態では、アクチュエータレイヤは、複数の開口内で平行移動するように構成される複数のピンをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、複数のピンのうちの1つまたは複数は、ディスプレイヘッドと物理的に相互作用するように構成されるディスプレイ相互作用端部を含む。1つまたは複数の実施形態では、複数のピンのうちの1つまたは複数は作動端部を含む。1つまたは複数の実施形態では、アクチュエータレイヤは、ディスプレイヘッドに対して複数のピンのセットを付勢(bias)するように構成される、複数のピンの作動端部に物理的に結合される複数のリニアアクチュエータ素子をさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、ディスプレイヘッドに対する複数のピンのセットの付勢は、フレキシブルな面に突起を生成する。1つまたは複数の実施形態では、突起はユーザの付勢力によって縮小(reduce)され得、ユーザは突起の縮小を感知する。
【0006】
このシステムのいくつかの実施形態では、このシステムは、複数のリニアアクチュエータ素子に駆動信号を出力するように構成されるコントローラをさらに含む。
【0007】
このシステムのいくつかの実施形態では、ディスプレイヘッドは、突起に重畳する画像を表示するように構成され、画像は突起の機能的特徴を示す。
【0008】
このシステムのいくつかの実施形態では、このシステムはデバイスに結合される。このシステムのいくつかの実施形態では、突起の縮小は、デバイスの少なくとも1つのパラメータの変化をもたらす。
【0009】
このシステムのいくつかの実施形態では、このシステムは計器盤をさらに含む。このシステムのいくつかの実施形態では、ハプティックディスプレイは計器盤内に統合される。
【0010】
このシステムのいくつかの実施形態では、計器盤は航空機内に構成される。
【0011】
このシステムのいくつかの実施形態では、このシステムはスピーカーをさらに含む。このシステムのいくつかの実施形態では、スピーカーは、突起の縮小時に音を出すように構成される。
【0012】
このシステムのいくつかの実施形態では、突起の縮小時に、複数のピンのセット内の残りのピンはデフォルトの高さまで下げられる。
【0013】
このシステムのいくつかの実施形態では、突起は1つまたは複数のセクションを含む。
【0014】
このシステムのいくつかの実施形態では、ディスプレイヘッドは、1つまたは複数のセクションのうちの1つに重畳する表示要素を表示するように構成される。このシステムのいくつかの実施形態では、表示要素は、1つまたは複数のセクションのうちの1つの機能的特徴を示す。
【0015】
このシステムのいくつかの実施形態では、このシステムはデバイスに結合される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセクションのうちの1つに対応する突起の縮小は、デバイスの少なくとも1つのパラメータの変化をもたらす。
【0016】
このシステムのいくつかの実施形態では、複数のピンの付勢は、ピンの位置、ピンの平行移動速度、ユーザの付勢力、及び突起の機能的特徴のうちの少なくとも1つに基づいて調整される。
【0017】
ハプティックディスプレイを動作させるための方法をさらに開示する。1つまたは複数の実施形態では、この方法は、ディスプレイヘッド上に表示要素を生成することを含む。1つまたは複数の実施形態では、この方法は、表示要素に基づいて複数のピンのピンサブセットを平行移動させることをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、この方法は、ディスプレイヘッド上に突起を形成することをさらに含み、突起は表示要素に対応する。1つまたは複数の実施形態では、この方法は、ユーザによって突起及び表示要素に接触することをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、この方法は、ユーザによって突起を付勢することをさらに含む。1つまたは複数の実施形態では、この方法は、表示要素に接触することまたは突起を付勢することのうちの少なくとも1つに基づいて反応を出力することをさらに含む。
【0018】
ハプティックディスプレイを動作させるための方法のいくつかの実施形態では、この方法は、ピンサブセットの位置をリセットすることを含む。
【0019】
ハプティックディスプレイを動作させるための方法のいくつかの実施形態では、この方法は、表示要素の形状、またはディスプレイヘッド上の表示要素の位置のうちの少なくとも1つに基づいて表示要素を修正することを含む。ハプティックディスプレイを動作させるための方法のいくつかの実施形態では、この方法は、表示要素の修正に基づいて突起を修正することを含む。
【0020】
本概要は、詳細な説明及び図面において十分に説明する主題への導入としてのみ提供している。本概要は、必須の特徴を説明するためのものとしても、特許請求の範囲を決定するために使用されるためのものとしても見なされるべきではない。また、前述の概要及び以下の詳細な説明は共に例示的で説明的なものにすぎず、必ずしも特許請求した主題を限定するものではないということを理解されたい。
【0021】
添付の図を参照して詳細な説明を行う。説明及び図における異なる例での同じの参照番号の使用は、類似または同一の項目を示し得る。以下の詳細な説明及び添付の図面において、本開示の様々な実施形態または例(「実施例」)を開示している。図面は必ずしも縮尺どおりではない。概して、開示した処理の動作は、特許請求の範囲で別途提供していない限り、任意の順序で実行され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハプティックディスプレイ104を含むシステムを示す図である。
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態による、システムを示すブロック図である。
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハプティック非活性状態での、ディスプレイヘッド、ピンボード、及び複数のピンの側面拡大図である。
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハプティック活性状態での、ディスプレイヘッド、ピンボード、及び複数のピン128の側面拡大図である。
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ユーザによってボタンが押された場合の、ディスプレイヘッド、ピンボード、及び複数のピンの側面拡大図である。
図6】A~Cは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ディスプレイヘッドの上面に形成されたボタンを示す図である。
図7A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、1つまたは複数のボタンが押下時に窪みを形成する場合の、ディスプレイヘッド、ピンボード、及び複数のピンの側面拡大図である。
図7B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、1つまたは複数のボタンが押下時に窪みを形成する場合の、ディスプレイヘッド、ピンボード、及び複数のピンの側面拡大図である。
図8】A~Cは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ディスプレイヘッドのピンサブセット内に形成された2つのボタンを示す図である。
図9】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハプティックディスプレイを動作させるための方法の図である。
図10A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、システム100を動作させる際に使用するためのディスプレイ/ハードウェア通信方式1000のブロック図である。
図10B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハードキー押下確認メッセージ1016を用意して送信する処理1020を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の1つまたは複数の実施形態を詳細に説明する前に、実施形態はそれらの適用が以下の説明に記載したまたは図面に示したコンポーネントもしくはステップまたは方法論の構造の詳細及び配置に限定されないことを理解されたい。実施形態の以下の詳細な説明では、本開示のより完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細を記載し得る。しかしながら、これらの特定の詳細の一部がなくとも本明細書に開示した実施形態が実践され得ることは、本開示の利益を得る当業者にとって明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に複雑にしないように、よく知られている特徴については詳細に説明しない場合がある。
【0024】
本明細書で使用する場合、参照番号の後の文字は、同じ参照番号を有する前述の要素または特徴に類似し得るが必ずしも同一ではない特徴または要素の実施形態を参照することを意図している(たとえば、1、1a、1b)。そのような簡単な表記法は便宜上使用しているにすぎず、そうでないことを明確に記載していない限り、本開示をいかなる方法でも限定するものと解釈されるべきではない。
【0025】
さらに、そうでないことを明確に記載していない限り、「または」は包括的な「または」を指し、排他的な「または」を指していない。たとえば、AまたはBという条件は以下のいずれか、すなわち、Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)こと、Aが偽であり(または存在せず)かつBが真である(または存在する)こと、及びA及びBの両方が真である(または存在する)ことによって満たされる。
【0026】
また、「a」または「an」の使用は、本明細書に開示した実施形態の要素及びコンポーネントを説明するために利用し得る。これは便宜上行っているにすぎず、「a」及び「an」は「1つの」または「少なくとも1つの」を含むものとし、単数形は、別の意味であることが明らかでない限り、複数形も含む。
【0027】
最後に、本明細書で使用する場合、「一実施形態」または「いくつかの実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載した特定の要素、特徴、構造、または特性が本明細書に開示した少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所における「いくつかの実施形態では」という句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らず、実施形態は、本明細書に明示的に記載したまたは本質的に存在する特徴のうちの1つまたは複数、または2つ以上のそのような特徴のサブコンビネーションの任意の組み合わせを、必ずしも本開示で明示的に説明していないか、または本質的に存在しない場合がある他の任意の特徴と共に含み得る。
【0028】
ハプティック制御を有するディスプレイシステムを開示する。このディスプレイシステムは、フレキシブルなタッチスクリーンディスプレイと、フレキシブルディスプレイを押し上げて、ユーザが押下可能な物理ボタンまたはハードキーを形成することによって、計器盤上の従来型の物理ボタンを模倣するように構成される一連の平行移動可能なピンで構成される作動レイヤとを含む。ディスプレイシステムは、ユーザのニーズに応じて異なるレイアウトまたはボタンで再構成可能である。
【0029】
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるハプティックディスプレイ104を含むシステム100を示す図である。ハプティックディスプレイ104は任意の環境で使用され得る。たとえば、ハプティックディスプレイ104は、計器盤の一部分として構成されるか、または計器盤に統合され得る。たとえば、ハプティックディスプレイ104は、航空機、船舶、または自動車などの車両の計器盤の一部分として構成され得る。他の例では、システム100は、計器盤、車両、及び/または他のデバイスを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、ハプティックディスプレイ104は、ユーザ112に画像を出力するように構成されるディスプレイヘッド108を含む。ディスプレイヘッド108は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスパネル、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、量子ドット発光ダイオード(QLED)ディスプレイ、アクティブマトリックス液晶ディスプレイ(AMLCD)、デジタル光処理(DLP)ディスプレイ、液晶オンシリコン(LCOS)ディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ(たとえば、Eインクディスプレイ、またはGyriconディスプレイ)、アクティブマトリックス有機発光ダイオード(AMOLED)ディスプレイ、アクティブマトリックスエレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、光干渉変調器ディスプレイディスプレイ(IMOD)、電界放出ディスプレイ(FED)、または表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)を含むがこれらに限定されない任意のタイプのディスプレイテクノロジーであり得る。いくつかの実施形態では、ディスプレイヘッド108はタッチ感応式であるので、ユーザはディスプレイヘッド108上のアイコン、メニューアイテム、及び他の画像要素を選択することが可能である。
【0031】
いくつかの実施形態では、ディスプレイヘッド108は、フレキシブルになるように構成される。たとえば、ディスプレイヘッド108は、1つまたは複数のボタン116a~b(たとえば、ハードキー)、1つまたは複数のキー120a~c、あるいは計器盤上に存在することが一般的に知られている他の物理的要素(たとえば、突起)を形成するように構成され得る。たとえば、ディスプレイヘッド108は、ディスプレイヘッド108の下面(たとえば、非表示側)からの力によってディスプレイヘッド108の一部分をディスプレイヘッドの表示面に対して隆起させることを可能にするフレキシブルな/展性のLCDディスプレイとして構成され得る。ボタン116a~b、キー120a~c、または他の物理的要素は、形成されると、ユーザが作用し得る。たとえば、ユーザ112はボタン116aを押し得、その結果、ボタン116aの高さが減少し(たとえば、突起の高さが減少し)、ボタン116aが押されたことがハプティックディスプレイ104内の回路に伝達される。ボタン116a~b及びキー120a~cに加えて、スイッチ(たとえば、トグル、ロータリー)、ダイヤル、ノブ、レバー、及びスライドを含むがこれらに限定されない任意のタイプの物理的要素がディスプレイヘッド108によって形成され得る。ボタン116a~bという用語は、ディスプレイヘッド108によって形成される任意の物理的要素を指し得ることを理解されたい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ボタン116a~b、キー120a~c、または他の物理的要素を押すことによって(たとえば、突起の縮小を引き起こすことによって)、システム100が結合されたデバイスが対応して変化する。たとえば、ボタン116aが、システム100に通信可能に結合された無線機の電源ボタンとして指定されている場合、ボタン116aを押すことによって無線機の電源が入れられ得る。他の例では、システム100が外部ディスプレイに通信可能に結合されており、キー120aが押下時に文字「A」を入力するように指定されている場合、キー120aを押すことにより、文字「A」が外部ディスプレイに表示され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、ハプティックディスプレイ104は、ディスプレイヘッド108上に突起形成力を与えるように構成される作動レイヤ122を含む。いくつかの実施形態では、作動レイヤは、複数の開口で構成されるピンボード124と、複数の開口に通される複数のピン128とを含む。複数のピン128は、複数の開口内で平行移動するように構成される。たとえば、ボタン116bは、ディスプレイヘッド108の下面を押す複数のピン128のセットによって形成され得る。ピンボード124は、任意のサイズ、形状、開口数、または開口パターンで構成され得る。同様に、複数のピンは、任意のサイズ(たとえば、太さもしくは長さ)または数で構成され得る。複数の開口は、任意の形状またはサイズで構成され得る。ハプティックディスプレイ104は、表示回路、アクチュエータ、及び他のコンポーネントを取り付けるための物理的な基板を提供するように構成されるバックプレーンをさらに含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、作動レイヤ122は、複数のピン128を平行移動させるように構成される複数のリニアアクチュエータ素子132をさらに含む。複数のリニアアクチュエータ素子は、ピンボード124とは別個であるか、またはこれに統合され得る。複数のリニアアクチュエータ素子132は、ピンボード124に対して複数のピン128を平行移動させることが可能な任意のテクノロジーを含み得る。たとえば、複数のリニアアクチュエータ素子132は、複数の電気機械式アクチュエータとして構成され得る。たとえば、電気機械式アクチュエータは、小型のモーターで動くスクリュー、ホイール及びアクスル、またはカムアクチュエータとして構成され得る。他の例では、複数のリニアアクチュエータ素子132は、複数の圧電アクチュエータとして構成され得る。他の例では、複数のリニアアクチュエータ素子132は、複数の微小電気機械システム(MEMS)アクチュエータとして構成され得る。たとえば、MEMSアクチュエータは、MEMS磁気アクチュエータとして構成され得る。
【0035】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるシステム100を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、ハプティックディスプレイは、1つまたは複数のプロセッサ204、メモリ208、及び通信インターフェース212を含むコントローラ200を含む。コントローラ200は、少なくともハプティックディスプレイに処理機能を提供するように構成され(たとえば、コントローラは駆動信号を複数のリニアアクチュエータ素子に提供し得る)、1つまたは複数のプロセッサ204(たとえば、マイクロコントローラ、回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または他の処理システム)と、データ、実行可能コード、及び他の情報を記憶するための常駐または外部メモリ208とを含むことができる。コントローラ200は、本明細書に記載の技術を実装する、非一時的コンピュータ可読媒体(たとえば、メモリ208)に具現化される1つまたは複数のソフトウェアプログラムを実行することができる。コントローラ200は、それが形成される材料によっても、そこで利用される処理メカニズムによっても限定されず、したがって、半導体(複数可)及び/またはトランジスタ(たとえば、電子集積回路(IC)部品を使用)などを介して実装することができる。
【0036】
メモリ208は、ソフトウェアプログラム及び/またはコードセグメントなどの、コントローラ200の動作に関連する様々なデータ及び/またはプログラムコード、あるいは本明細書に記載の機能を実行するように、コントローラ200及び場合によっては制御モジュール608の他のコンポーネントに指示するための他のデータを記憶するためのストレージ機能を提供する有形のコンピュータ可読記憶媒体の一例とすることができる。このため、メモリ208は、ハプティックディスプレイ104を、そのコンポーネント(たとえば、コントローラ200、通信インターフェース212など)などを含めて動作させるための命令のプログラムなどのデータを記憶することができる。メモリ208はまた、ハプティックディスプレイ104から得られたデータを記憶し得る。単一のメモリ208を記載しているが、多種多様なタイプ及び組み合わせのメモリ208(たとえば、有形の非一時的メモリ)を利用できることを理解されたい。メモリ208はコントローラ200と一体であり得、スタンドアローンメモリで構成され得、または両方の組み合わせであり得る。メモリ208のいくつかの例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ(たとえば、セキュアデジタル(SD)メモリカード、mini-SDメモリカード、及び/またはmicro-SDメモリカード)、ソリッドステートドライブ(SSD)メモリ、磁気メモリ、光メモリ、ユニバーサルシリアルバス(USB)メモリデバイス、ハードディスクメモリ、外部メモリなどの取り外し可能及び取り外し不可能なメモリが含まれ得る。
【0037】
通信インターフェース212は、ハプティックディスプレイ104及びシステム100のコンポーネントと通信するように動作可能に構成され得る。たとえば、通信インターフェース212は、コントローラ200または他のコンポーネントからデータを取り出し、データを送信してメモリ208に記憶し、メモリ208内のストレージからデータを取り出すなどするように構成することができる。通信インターフェース212はまた、ハプティックディスプレイ104及びコントローラ200のコンポーネント間のデータ転送を容易にするために、コントローラ200に通信可能に結合することができる。通信インターフェース212をハプティックディスプレイ104のコンポーネントとして記載しているが、通信インターフェース212の1つまたは複数のコンポーネントは、有線及び/または無線接続を介してハプティックディスプレイ104に通信可能に結合された外部コンポーネントとして実装できることを理解されたい。ハプティックディスプレイ104はまた、1つまたは複数の入力/出力(I/O)デバイスを含む、及び/またはこれに接続することができる。実施形態では、通信インターフェース212は、送信器、受信器、送受信器、物理的接続インターフェース、またはこれらの任意の組み合わせを含むか、これらに結合される。
【0038】
いくつかの実施形態では、ディスプレイヘッド108及び作動レイヤ122は、コントローラ200を介して連携して調整される。たとえば、作動レイヤ122によって物理的に形成されるボタン116aはさらに、ボタン116aの位置に重畳するボタンアイコンがディスプレイヘッド108上に表示され得る。他の例では、ユーザ112がボタン116aを押すことによって、ディスプレイヘッド108及び作動レイヤ122の両方が活性化されるか、または別の方法でそれらに反応が伝達され得る。また、他の例では、(たとえば、異なる機能を有する異なるボタンアイコンのセットを表示するように)ディスプレイヘッドのプログラミングを変更することによって、ディスプレイヘッドの現在の表示に基づいてボタン116a~bまたは他のハプティック要素を形成するように作動レイヤ122が対応して変化する。
【0039】
図3は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハプティック非活性状態(たとえば、ボタン116a~bまたは他の物理的要素の形成なし)での、ディスプレイヘッド108、ピンボード124、及び複数のピン128の側面拡大図である。複数のピン128がピンボード124の複数の開口に挿入される。明確にするために、ピンボードを半透過的に描いており、複数のピンがピンボード124を透過して見えている。ディスプレイヘッド108は、複数のピン128上に、またはそれらのすぐ近隣に配置される。たとえば、ディスプレイヘッドは、複数のピン128のうちの1つまたは複数のピンのディスプレイ相互作用端部300上に、またはそのすぐ近隣に配置され得る。複数のピン128の1つまたは複数はまた、1つまたは複数のリニアアクチュエータ素子132(明確さのため図示せず)と相互作用するように構成される作動端部304を含み得る。作動端部304は、ピンボード124に挿入される複数のピン128のうちの1つまたは複数のピンのピンボード部分とは別個であるか、またはこれを含み得る。複数のピンのうちの1つまたは複数のピンの任意のサイズ、あるいはピンボード124及び/またはディスプレイヘッド108と比較した複数のピン128のうちの1つまたは複数のピンの相対サイズが可能であり、本明細書における図示は、ハプティックディスプレイ104のコンポーネントの存在及び/または相互作用を単に意図していることを理解されたい。そのため、本明細書の説明は、本開示の限定ではなく、単なる例示と解釈されるべきである。
【0040】
図4は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハプティック活性状態(たとえば、ボタン116a~bまたは他の物理的要素が形成された状態)での、ディスプレイヘッド108、ピンボード124、及び複数のピン128の側面拡大図である。リニアアクチュエータ素子132のサブセットを活性化させると、複数のピン128のピンサブセット400が(たとえば、リニアアクチュエータ素子132によって与えられた付勢力を介して)ピンボード124に対して平行移動し、その結果、ディスプレイヘッドの一部分が伸びる、たわむ、まがる、または他の操作が行われて、ボタン116aが形成される。複数のピン128のうちの1つまたは複数とピンボード124との任意の重なりが可能であることを理解されたい。たとえば、複数のピン128のうちの1つまたは複数のピンの作動端部304は、1つまたは複数のリニアアクチュエータ素子132の活性化時に、ピンボード124内で後退し得る。他の例では、複数のピン128は、1つまたは複数のリニアアクチュエータ素子132の活性化時に、複数のピン128のうちの1つまたは複数がピンボード124内で後退できない長さを有し得る。同様に、複数のピンのうちの1つまたは複数のピンのディスプレイ相互作用端部300は、ピンボード内で後退する場合と後退しない場合とがある。そのため、上記の説明は、本開示の限定ではなく単なる例示として解釈されたい。
【0041】
図5は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ユーザ112によってボタン116が押された場合の、ディスプレイヘッド108、ピンボード124、及び複数のピン128の側面拡大図である。ユーザ112がボタン116aを押すと(たとえば、ユーザの指がボタン116aに付勢力を与えると)、複数のピン128のピンサブセット400がピンボード124に対して平行移動し、ボタン116aを形成するために元々隆起していたディスプレイヘッド108の部分は、このとき高さが部分的にまたは完全に(たとえば、基準またはデフォルト位置まで)下げられる。ハプティックディスプレイ104は、ボタン116aが押された後に、ピンサブセット400及び/またはボタン116aを形成するディスプレイヘッドの部分を任意に調整できるように構成され得る。たとえば、ボタン116aを押すことにより、ピンサブセット400が完全に引っ込んで、ディスプレイ相互作用端部300がピンボード124の表面とほぼ同一平面になり得る。他の例では、ボタン116aを押すことにより、図3に示すように、ピンサブセットは複数のピン128の残りと共にデフォルトの位置まで引っ込み得る。
【0042】
実施形態では、ハプティックディスプレイ104は、ユーザ112に対して触感を生成するように構成される。たとえば、ユーザが初めにハプティック生成構造(たとえば、ボタン116a)にタッチすることによって、触感が生成され得る。たとえば、ユーザがボタン116aの隆起した表面をタッチすることによって、触感が生成され得る。具体的には、隆起した表面は、ユーザ112が他のタスク(たとえば、航空機の操縦)を行いながら、ユーザ112がボタン116aを手探りで簡単に発見することを可能にし得、ボタン116aが識別されたというフィードバックをユーザ112に提供する。他の例では、ユーザ112がハプティック生成構造内で動きを発生させることによって、触感が生成され得る。たとえば、ユーザ112がボタン116aを押して、押下中のボタン116aの動きの感覚と、押下中のボタン116aからの抵抗との両方を感知することによって、触感が生成され得る。ボタン116aの抵抗と、ボタン116aの押下中のユーザ112の指の動きの感覚とを組み合わせることによって、ユーザ112が実際にボタン116aを押しているというフィードバックがユーザ112に提供される。
【0043】
他の例では、特定の閾値に達したユーザ入力に基づいて、リニアアクチュエータ素子132または作動レイヤ122内の他のコンポーネントによって、触感が生成され得る。たとえば、ユーザが所定の力または変位でボタン116aを押すと、リニアアクチュエータ素子132は、ユーザがクリックボタンのクリック感覚に類似した触感を感知するようにボタン116aの抵抗を変化させて、ボタン116aがうまく押されたというフィードバックをユーザに提供し得る。他の例では、ハプティックディスプレイ104は、ボタン116aまたは他のハプティック構造がうまく押されると、振動または他の感覚を提供し得る。たとえば、知られている、上記で列挙済みの任意の振動方法で振動が生成され得る。具体的には、複数のリニアアクチュエータ素子132のうちの1つまたは複数を短い距離で素早く往復させることによって、振動が生成され得る。ハプティックディスプレイ104は、ユーザ112に対して触感を生成するために、複数のピン128のうちの任意の1つの配置、速さ、抵抗、及び他の任意の特性を制御するようにプログラミングされ得る。
【0044】
実施形態では、複数のピン128の付勢力(たとえば、複数のピン128のうちの1つまたは複数に加えられる力)は、1つまたは複数のピンパラメータに基づいて調整され得る。1つまたは複数のピンパラメータは、ピンの位置、ピンの平行移動速度、ユーザの付勢力、またはボタン116aの機能的特徴を含むがこれらに限定されない、ピンまたはシステムの任意の特性であり得る。たとえば、押下中のボタン116aの場合、複数のピン128のうちの1つまたは複数のピンの付勢力が低下して、ボタン116aが押されたというフィードバックがユーザ112に提供され得る。他の例では、素早く力強く押された(たとえば、ユーザによるピンの平行移動速度が速いまたは付勢力が大きい)ボタン116aの場合、複数のピン128のうちの1つまたは複数のピンの付勢が増して、ディスプレイヘッド108及び/またはピンボード124への損傷が防止され得る。他の例では、ハプティックディスプレイ104は、付勢力が異なる2つのボタン116a~bを有して構成され得る。たとえば、ハプティックディスプレイ104は、航空機の無線機の電源を入れる低い付勢力を有するボタン116aを含み、航空機のエンジンを切る高い付勢力を有するボタン116bを含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、システム100は、ハプティックディスプレイ104に通信可能に結合されたスピーカーをさらに含む。たとえば、ユーザ112がボタン116aを押したときに、スピーカーは可聴クリック音を出し得る。他の例では、116aがボタン116aを押し、スピーカーはボタン116aに割り当てられた機能に関して述べる音声メッセージを放出し得る。スピーカーは任意のタイプのスピーカーとして構成され得る。たとえば、スピーカーはハプティックディスプレイ104に内蔵されるスピーカーであり得る。他の例では、スピーカーは、航空機警報システムによって利用されるスピーカーなどのコックピットスピーカーであり得る。
【0046】
図6A~Cは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ディスプレイヘッド108の上面600に形成されたボタン116aを示している。ボタン116aの上部を覆う上面600の部分は、ボタン116aの機能に関連する表示要素604を表示し得る(たとえば、図6A~Cの「stop」アイコン)。ユーザ112によって押される前に、ボタン116aはデフォルトの/非押下時の高さに位置し得る(たとえば、図6A)。ユーザ112がボタン116aを押すと、ボタンの高さが上面600の平面またはその付近になるまで、ボタンの高さが減少する(たとえば、図6B)。ユーザ112がボタン116aを操作している間、表示要素604はそれに応じて変化し得る。表示要素の任意の変化が可能である。たとえば、ボタン116aを押すことにより、表示要素604のコントラストが低下し得る(たとえば、図6Bの「stopアイコン」がグレーアウトする)。
【0047】
いくつかの実施形態では、ボタン116aを押すと(たとえば、ユーザ112が突起の高さを減少させると)、ピンサブセット400内の残りのピンはデフォルトの高さまで下げられる。たとえば、ボタン116aがユーザによってうまく押された場合、ユーザ112によって物理的にタッチされなかったボタン116aのエリアに対応する複数のピン128も、押されたエリアと同様に高さが下げられる。このように、ボタン116aを押した指の位置または大きさに関係なく、ボタン116aはその全体的な物理的な形状を維持する。システム100はまた、リニアアクチュエータ素子132及び対応するピン128が圧力検知及び/または位置検知を有して構成されるように構成され得、その結果、個々のピン128またはピン128のサブセットにおいて閾値を超えた場合に、ボタン116a、bに関連付けられた全てのピン128が一時的に通電されなくなり、及び/またはデフォルトの位置に戻り、ボタン116a、bが押されたことがユーザ112に知らされる。
【0048】
いくつかの実施形態では、ハプティックディスプレイ104は比較的平坦な面として構成され、図7A~Bに示すように、1つまたは複数のボタン116a~bが押下時に窪みを形成する。たとえば、作動レイヤ122は、複数のピン128の全てまたは大部分が隆起して、大きな隆起したピンサブセット400が作成されるように構成され得る。それに対応して、ピンサブセット400はディスプレイヘッドの全部または一部分を隆起させる(たとえば、図7Aに示す)。ユーザ118による入力時に、ピンサブセット400のセクション700が下方に押される(たとえば、図7Bに示す)。たとえば、セクション700は、複数のピン128のうちの1つまたは複数のピンの動きに対する抵抗がピンサブセット400の残りよりも低くなるように構成され得る。
【0049】
図8A~Cは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ディスプレイヘッド108のピンサブセット400内に形成されたボタン116a~bを示す。ボタン116a~bはピンサブセット400のセクション700a、700bに対応し得、デフォルトの位置にある場合、図8Aに示すように、上面がピンサブセットとほぼ同一平面であり得る。ボタン116a、bは、機能的に関連する表示要素604a、600b(たとえば、「STOP」及び「GO」)を表示し得る。ユーザ112がボタン116aにタッチするかまたは圧力を加えると、図6Bに示すように、ボタン116aは高度が減少して凹部800を形成し得る。いくつかの例では、ボタン116aは、ボタンの表面がディスプレイヘッド108の隆起した表面またはその付近になるまで、さらに押され得る。ボタン116aが押された後、ユーザ112からの入力(たとえば、「GO」ボタン116bを押す)、またはシステム100からの入力が受信されるまで、ボタン116aは押し下げられたままになり得る。
【0050】
図9は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハプティックディスプレイ104を動作させるための方法900である。いくつかの実施形態では、方法900は、ディスプレイヘッド108上に表示要素604を生成するステップ904を含む。たとえば、コントローラ200が1つまたは複数のプロセッサ204を介してメモリ208に記憶されたソフトウェアを実行することにより、表示要素604(たとえば、「STOP」ボタンなど)がディスプレイヘッドに出力され得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、方法900は、表示要素604に基づいて複数のピン128のピンサブセット400を平行移動させるステップ908を含む。たとえば、表示要素604が、ディスプレイヘッド108の上面600の左上隅にある六角形のSTOPサインとして構成される場合、表示要素604の形状、サイズ、及び配置に対応するピンサブセット400が、表示要素604によって占有される上面600のエリアに向かって平行移動されるか、またはそのエリアに対して異なって付勢される。
【0052】
いくつかの実施形態では、方法900は、表示要素604に対応する突起(たとえば、ボタン116a~b、キー120a~c、または他のハプティック要素)を形成するステップ912をさらに含む。たとえば、フレキシブルなディスプレイヘッド108に対するピンサブセット400の平行移動の付勢力により、ボタン116aが形成され得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法900は、ユーザ112によって突起(たとえば、ボタン116a)及び表示要素604に接触するステップ916をさらに含む。たとえば、ユーザがボタン116aを押そうとする場合、ユーザは表示要素604(たとえば、上面600に表示されたとき)と、隆起したボタン116aとの両方に同時にタッチする。
【0054】
いくつかの実施形態では、方法900は、ユーザ112によって突起(たとえば、ボタン116a~b、キー120a~c、または他のハプティック要素)を付勢するステップ920をさらに含む。たとえば、ユーザ112がユーザの指でボタン116aを押すことによって、ボタン116aの高度が上面600の平面に対して変化すると共に、ピンサブセット400の平行移動位置が複数のピン128のうちの他のピンに対して変化し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、方法900は、表示要素に接触することまたは突起(たとえば、ボタン116a~b、キー120a~c、または他のハプティック要素)を付勢することのうちの少なくとも1つに基づいて反応を出力するステップ924をさらに含む。たとえば、コントローラを介してボタン116aが無線機の「STOP」ボタンとして定義されている場合、ハプティックディスプレイ104は、ボタン116aが押されると、電源を切るように反応または信号を無線機に出力し得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、方法900は、ピンサブセット400をリセットするステップ928をさらに含む。たとえば、ボタン116aが、既に押されている無線機の「STOP」ボタンとして定義されている場合、システム100は、活性化レイヤを介してピンサブセットをリセットするための信号を後で受信し得る。たとえば、システム100は、無線機が「STOPボタン」116aを介して電源が切られた後に、現在電源が入れられており、ボタン116aを再形成する必要があるという入力を受信し得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、方法900は、表示要素の形状、またはディスプレイヘッド108上の表示要素604の位置のうちの少なくとも1つに基づいて表示要素604を修正するステップ932をさらに含む。たとえば、ディスプレイヘッド108がより多くの表示要素604を含める必要がある場合、ハプティックディスプレイはコントローラを介してリセットされ、増加した数の表示要素604を含めること、及び/または特定の表示要素604のサイズを縮小することの両方を行い得る。他の例では、表示要素604の形状は、ユーザの好みによって変えられ得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、方法900は、表示要素の修正に基づいて突起(たとえば、ボタン116a~b、キー120a~c、または他のハプティック要素)を修正するステップ936をさらに含む。たとえば、ユーザの好みに基づいて表示要素604を修正することによって、コントローラ200を介して複数のリニアアクチュエータ素子132によって制御される複数のピン128によって、ボタンが対応して変更され得る。
【0059】
図10Aは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、システム100を動作させる際に使用するためのディスプレイ/ハードウェア通信方式1000のブロック図である。いくつかの実施形態では、ディスプレイ/ハードウェア通信方式1000は、アクチュエータマトリックス設定メッセージ1008を介して作動レイヤ122内の個々のリニアアクチュエータ素子132を一意のソフトウェア定義されたキーと関連付けることによって、ボタン116a、b(たとえば、ハードキー)を定義するように構成される表示アプリケーションソフトウェア1004を含む。たとえば、アクチュエータマトリックス設定メッセージ1008は、特定のリニアアクチュエータ素子のグループの設定を定義するデータ(たとえば、定義、繰り返し回数、または範囲)を含み得る。関連付けられたアクチュエータの集合体またはパターンを使用して、任意の一般的な形の及び/または幾何学的なボタン116a、bの形状を実現することが可能であり、これには四角形、円形、線分、またはアイコンの輪郭が含まれるが、これらに限定されない。データアプリケーションソフトウェア1004は、ディスプレイヘッド108上で、定義されたボタン116a、bの形を、ボタン116a、bの形状と一致する縁取りまたはラベルなどのグラフィカルな表示態様で補い得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ/ハードウェア通信方式1000は、アクチュエータマトリックス設定メッセージ1008を受信して処理するように構成される電気アクチュエータマトリックスハードウェアコントローラ1012をさらに含む。たとえば、アクチュエータマトリックス設定メッセージ1008を受信したことに応答して、電気アクチュエータハードウェアコントローラは、アクチュエータマトリックス設定メッセージ1008で定義されたボタン116a、bを形成するように複数のリニアアクチュエータ素子132のうちの1つまたは複数を作動させる。電気アクチュエータマトリックスハードウェアコントローラ1012は、1つまたは複数のピン128にかけられた圧力を検知するように構成され得る。1つまたは複数のピンに対する圧力が規定された閾値を超えた場合、同様に関連付けられた全てのアクチュエータが通電されなくなり、及び/またはデフォルトの位置に戻り得、これにより、ボタン116a、bがうまく押されたことが伝達され得る。ボタン116a、bがうまく押されると、電気アクチュエータマトリックスハードウェアコントローラは、表示アプリケーションソフトウェア1004に押されたボタン116a、bのIDを伝えるハードキー押下確認メッセージ1016を非同期的に送信する。キーレイアウト及び/または構成は、動作中に表示アプリケーションソフトウェアによって動的に制御されて、限定のない(indefinite)ページ、メニュー、及び構成が形成され得る。
【0061】
図10Bは、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ハードキー押下確認メッセージ1016を用意して送信する処理1020を示すフローチャートである。電気マトリックスハードウェアコントローラ1012がアクチュエータマトリックス設定メッセージ1008を受信すると(たとえば、開始1024)、電気マトリックスハードウェアコントローラ1012は、アクチュエータマトリックス設定メッセージ1008を処理するステップ1028を実行し、処理結果をアクチュエータ関連付けストア1032に送信する。電気マトリックスハードウェアコントローラ1012はまた、ステップ1036を介して、システム100、アクチュエータマトリックス設定メッセージ1008、及び/またはアクチュエータ関連付けストア1032からのデータに従って、リニアアクチュエータ素子132が正しく関連付けられているか否かを判定する。
【0062】
リニアアクチュエータ素子132が正しく関連付けられていると判定すると、電気マトリックスハードウェアコントローラ1012は、1つまたは複数のピン128に対する圧力が事前に定義された閾値に達しているか否かを判定するステップ1040を実行する。1つまたは複数のピン128に対する圧力が閾値に達している場合、電気マトリックスハードウェアコントローラは、対応するピン128を基準及び/またはデフォルト位置に戻すように対応するリニアアクチュエータ素子132に伝達するステップ1044を実行する。対応するピン128がデフォルトの位置に戻されると、電気マトリックスハードウェアコントローラ1012は、ハードキー押下確認メッセージ1016を表示アプリケーションソフトウェア1004に送信するステップ1048を実行し得る。電気マトリックスハードウェアコントローラ1012はまた、一時的な待機時間が経過したか否かを判定するステップ1052を実行し得る。たとえば、ボタン116a、bがうまく押されたという肯定的なサインをユーザに示すために、ボタン116a、bが押された後に1秒間の一時的な待機時間が設定され得る。待機時間が経過したと判定した後、電気マトリックスハードウェアコントローラ1012は、関連付けられたリニアアクチュエータ素子132を再活性化して、処理1020の一部分または全体を再スタートするステップ1056を実行し得る。
【0063】
本明細書に開示した方法の実施形態が本明細書に記載したステップのうちの1つまたは複数を含み得ることを理解されたい。さらに、そのようなステップは任意の所望の順序で実施され得、ステップのうちの2つ以上が互いに同時に実施され得る。本明細書に開示したステップの2つ以上が単一のステップに結合され得、いくつかの実施形態では、ステップのうちの1つまたは複数が2つ以上のサブステップとして実施され得る。さらに、本明細書に開示したステップのうちの1つまたは複数に加えて、またはそれらの代わりとして、他のステップまたはサブステップが実施され得る。
【0064】
添付図面の図に示した実施形態を参照して本発明の概念を説明してきたが、特許請求の範囲から逸脱することなく、均等物が利用され得、本明細書で代用が行われ得る。本明細書で例示及び説明したコンポーネントは、本発明の概念の実施形態を実装するために使用され得るシステム/デバイス及びコンポーネントの例にすぎず、特許請求の範囲から逸脱することなく、他のデバイス及びコンポーネントに置き換えられ得る。さらに、特許請求の範囲で別段の定めがない限り、本明細書で提供したいかなる寸法、程度、及び/または数値範囲も、非限定的な例として理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B