(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174124
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】コールセンター業務システム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/523 20060101AFI20221115BHJP
H04M 3/527 20060101ALI20221115BHJP
H04M 3/50 20060101ALI20221115BHJP
G06Q 10/00 20120101ALI20221115BHJP
【FI】
H04M3/523
H04M3/527
H04M3/50 A
G06Q10/00
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135589
(22)【出願日】2022-08-29
(62)【分割の表示】P 2018219877の分割
【原出願日】2018-11-26
(31)【優先権主張番号】P 2017227917
(32)【優先日】2017-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517416064
【氏名又は名称】前澤 芳樹
(71)【出願人】
【識別番号】517416075
【氏名又は名称】木島 恭
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】木島 恭
(72)【発明者】
【氏名】中村 恵夫
(72)【発明者】
【氏名】山崎 幸大
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コールセンターへ問い合わせをする利用者のオペレータ不足によるストレスを軽減すると共に、コールセンター業務を効率化できるコールセンター業務システムを提供すること。
【解決手段】コールセンター業務システムは、顧客端末からの問合わせ情報を受け付けて、オペレータが問合わせ情報に対応するコールセンター業務システム1Aであって、問合せに対して自動応答を行う自動音声応答装置6と、オペレータが顧客端末と通信を行うための複数のオペレータ端末9と、ウェブサーバを備え、顧客端末に対してオペレータ又はウェブサイトでの応答のいずれかで応答を行うかの選択を促し、ウェブサイトででの応答を選択した場合には、顧客端末の電話番号を取得して、前記ウェブサイトのURLを含むショートメッセージを送信し、URLの問合せ入力フォームから問合せを受け付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、オペレータが前記問い合わせ情報に対応するコールセンター業務システムであって、
前記オペレータが前記顧客端末と通信を行う複数のオペレータ端末と、
前記オペレータ端末と通信可能に接続されているサーバ装置と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を取得して、当該顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末を確認するオペレータ端末空き状況確認部と、
前記オペレータ端末空き状況確認部によって確認された前記顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末に、前記顧客端末からの問い合わせ情報を分配するACD(Automatic Call Distribution)部と、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を前記オペレータ端末に分配できない場合に、前記オペレータから折返し前記顧客端末に連絡する旨のショートメッセージを作成するショートメッセージ作成処理部と、
作成された前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信するメッセージ送信手段と、
を備える
ことを特徴とするコールセンター業務システム。
【請求項2】
顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、オペレータが前記問い合わせ情報に対応するコールセンター業務システムであって、
前記オペレータが前記顧客端末と通信を行う複数のオペレータ端末と、
前記オペレータ端末と通信可能に接続されているサーバ装置と、
前記顧客端末及び前記サーバ装置と通信可能に接続されるメッセージ送信サーバと、を備え、
前記サーバ装置は、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を取得して、当該顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末を確認するオペレータ端末空き状況確認部と、
前記オペレータ端末空き状況確認部によって確認された前記顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末に、前記顧客端末からの問い合わせ情報を分配するACD(Automatic Call Distribution)部と、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を前記オペレータ端末に分配できない場合に、前記オペレータから折返し前記顧客端末に連絡する旨のショートメッセージを作成するショートメッセージ作成処理部と、
作成された前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信することを前記メッセージ送信サーバに要求するショートメッセージ送信要求処理部と、を備え、
前記メッセージ送信サーバは、前記サーバ装置から前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信する要求を取得して、前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信する
ことを特徴とするコールセンター業務システム。
【請求項3】
前記顧客端末からの問い合わせ情報には、前記顧客端末が備える電話番号が含まれ、
前記サーバ装置は、前記顧客端末からの問い合わせ情報を電話通信によって取得する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のコールセンター業務システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
ネットワーク通信網を介して前記顧客端末と通信可能な通信受付部を備えており、
前記顧客端末は、前記通信受付部宛てに前記顧客端末の電話番号を含む前記問い合わせ情報を作成、送信するショートメッセージ作成手段を備え、
前記サーバ装置は、前記顧客端末からの問い合わせ情報を前記ネットワーク通信網と前記通信受付部とを介して取得する
ことを特徴とする請求項1又は2記載のコールセンター業務システム。
【請求項5】
前記顧客端末に対して音声による自動応答を行う自動音声応答装置をさらに備え、
前記自動音声応答装置は、前記サーバ装置が前記顧客端末からの問い合わせ情報を前記オペレータ端末に分配できない場合に、対応可能な時間を前記ショートメッセージにて知らせる旨前記顧客端末に回答する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のコールセンター業務システム。
【請求項6】
前記ショートメッセージ作成処理部は、前記サーバ装置が備える記憶部に記憶されている前記オペレータの前記問い合わせ情報への平均対応時間と、前記ショートメッセージが送信された前記顧客端末の数とに基づいて、対応可能な時間が含まれる前記ショートメッセージを作成する
ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のコールセンター業務システム。
【請求項7】
顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、当該問い合せ情報に対応するコールセンター業務システムであって、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、前記顧客端末に対して音声による自動応答を行う自動音声応答装置と、
前記自動音声応答装置と通信可能に接続され、前記顧客端末と通信を行う複数のオペレータ端末と、
前記顧客端末及び前記自動音声応答装置と通信可能に接続されているメッセージ送信サーバと、
前記顧客端末と通信可能に接続されているウェブサーバと、を備え、
前記自動音声応答装置は、
前記顧客端末から前記問い合わせ情報を受け付ける際に、前記顧客端末に対してオペレータ又は前記ウェブサーバが提供しているウェブサイトのいずれかで前記問い合せ情報への応答を行うか選択を促す応答方法選択指示部と、
前記ウェブサイトによる応答が選択された場合に、前記ウェブサイトのURLを含むショーメッセージを作成するショートメッセージ作成処理部と、
作成された前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信することを前記メッセージ送信サーバに要求するショートメッセージ送信要求処理部と、
前記オペレータによる応答が選択された場合に、前記顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末に、前記顧客端末からの問い合わせ情報に含まれている前記顧客端末の電話番号を転送する電話番号転送処理部と、を備え、
前記メッセージ送信サーバは、前記自動音声応答装置から前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信する要求を取得して、前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信し、
前記ウェブサーバは、前記顧客端末から前記ショートメッセージに含まれている前記ウェブサイトのURLへのアクセスを受け付けて、所定の問い合わせ入力フォームを前記顧客端末に送信する
ことを特徴とするコールセンター業務システム。
【請求項8】
前記自動音声応答装置は、前記顧客端末から取得した当該顧客端末の電話番号に基づいて、前記ウェブサイトによる応答が可能な端末であるかを判別する顧客端末判別処理部をさらに備え、
前記顧客端末が前記ウェブサイトによる応答が可能な端末であると判別された場合、前記応答方法選択指示部は、前記顧客端末に対して前記オペレータ又は前記ウェブサイトのいずれかで前記問い合せ情報への応答を行うか選択を促す
ことを特徴とする請求項7記載のコールセンター業務システム。
【請求項9】
前記自動音声応答装置は、前記電話番号転送処理部が前記顧客端末の電話番号を前記オペレータ端末に転送し、前記顧客端末と前記オペレータ端末とが通信可能に接続されるまでの間、顧客端末へ送信する呼出音を生成する呼出音生成処理部をさらに備えている
ことを特徴とする請求項7又は8記載のコールセンター業務システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コールセンター業務システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々の事業分野におけるコールセンター業務について様々な提案がされている。特許文献1には、コールセンター全体としての稼働効率を向上する自動音声応答装置および自動音声応答方法が提案されている。
【0003】
特許文献2には、顧客がコールセンターのオペレータとの会話記録を確認できるコールセンター受付システム及びその受付方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-17485号公報
【特許文献2】特開2014-93638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コールセンター業務において、利用者からの問い合わせが集中し、オペレータに電話が繋がらないといった状況が発生する。この場合、利用者にとって再度電話をかけ直すといった手間がかかる。また、今後のコールセンター業務において、就労人口の減少によるオペレータ不足が予測され、上記のような状況がますます増え業務に支障を来たすことは必至である。
【0006】
この発明は、コールセンターへ問い合わせをする利用者のオペレータ不足によるストレスを軽減すると共に、コールセンター業務を効率化できるコールセンター業務システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]
顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、オペレータが前記問い合わせ情報に対応するコールセンター業務システムであって、
前記オペレータが前記顧客端末と通信を行う複数のオペレータ端末と、
前記オペレータ端末と通信可能に接続されているサーバ装置と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を取得して、当該顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末を確認するオペレータ端末空き状況確認部と、
前記オペレータ端末空き状況確認部によって確認された前記顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末に、前記顧客端末からの問い合わせ情報を分配するACD(Automatic Call Distribution)部と、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を前記オペレータ端末に分配できない場合に、前記オペレータから折返し前記顧客端末に連絡する旨のショートメッセージを作成するショートメッセージ作成処理部と、
作成された前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信するメッセージ送信手段と、
を備える
ことを特徴とするコールセンター業務システム。
【0008】
[2]
顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、オペレータが前記問い合わせ情報に対応するコールセンター業務システムであって、
前記オペレータが前記顧客端末と通信を行う複数のオペレータ端末と、
前記オペレータ端末と通信可能に接続されているサーバ装置と、
前記顧客端末及び前記サーバ装置と通信可能に接続されるメッセージ送信サーバと、を備え、
前記サーバ装置は、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を取得して、当該顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末を確認するオペレータ端末空き状況確認部と、
前記オペレータ端末空き状況確認部によって確認された前記顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末に、前記顧客端末からの問い合わせ情報を分配するACD(Automatic Call Distribution)部と、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を前記オペレータ端末に分配できない場合に、前記オペレータから折返し前記顧客端末に連絡する旨のショートメッセージを作成するショートメッセージ作成処理部と、
作成された前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信することを前記メッセージ送信サーバに要求するショートメッセージ送信要求処理部と、を備え、
前記メッセージ送信サーバは、前記サーバ装置から前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信する要求を取得して、前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信する
ことを特徴とするコールセンター業務システム。
【0009】
[7]
顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、当該問い合せ情報に対応するコールセンター業務システムであって、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、前記顧客端末に対して音声による自動応答を行う自動音声応答装置と、
前記自動音声応答装置と通信可能に接続され、前記顧客端末と通信を行う複数のオペレータ端末と、
前記顧客端末及び前記自動音声応答装置と通信可能に接続されているメッセージ送信サーバと、
前記顧客端末と通信可能に接続されているウェブサーバと、を備え、
前記自動音声応答装置は、
前記顧客端末から前記問い合わせ情報を受け付ける際に、前記顧客端末に対してオペレータ又は前記ウェブサーバが提供しているウェブサイトのいずれかで前記問い合せ情報への応答を行うか選択を促す応答方法選択指示部と、
前記ウェブサイトによる応答が選択された場合に、前記ウェブサイトのURLを含むショーメッセージを作成するショートメッセージ作成処理部と、
作成された前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信することを前記メッセージ送信サーバに要求するショートメッセージ送信要求処理部と、
前記オペレータによる応答が選択された場合に、前記顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末に、前記顧客端末からの問い合わせ情報に含まれている前記顧客端末の電話番号を転送する電話番号転送処理部と、を備え、
前記メッセージ送信サーバは、前記自動音声応答装置から前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信する要求を取得して、前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信し、
前記ウェブサーバは、前記顧客端末から前記ショートメッセージに含まれている前記ウェブサイトのURLへのアクセスを受け付けて、所定の問い合わせ入力フォームを前記顧客端末に送信する
ことを特徴とするコールセンター業務システム。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、コールセンターへ問い合わせをする利用者のオペレータ不足によるストレスを軽減すると共に、コールセンター業務を効率化できるコールセンター業務システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第一の実施形態の構成の一例を表す図である。
【
図2】本実施形態によって作成されるショートメッセージの一例を表す。
【
図3】顧客端末にショートメッセージが表示されている状態の一例を表す。
【
図4】本発明の第一の実施形態の処理フローを表す図である。
【
図5】
図4に続き、本発明の第一の実施形態の処理フローを表す図である。
【
図6】本発明の第二の実施形態の構成の一例を表す図である。
【
図7】本発明の第二の実施形態の処理フローを表す図である。
【
図8】
図7に続き、本発明の第二の実施形態の処理フローを表す図である。
【
図9】本発明の第三の実施形態の構成の一例を表す図である。
【
図10】第三の実施形態で使用されるIVR装置の構成の一例を表す図である。
【
図11】顧客端末からの問い合わせへの応答方法の一例を表す図である。
【
図12】本発明の第三の実施形態の処理フローの一例を表す図である。
【
図13】本発明の第三の実施形態の処理フローの他の例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第一の実施形態]
図1~
図5を参照して本発明の第一の実施形態を説明する。本実施形態は、種々の事業におけるコールセンターに問い合わせを行う利用者が使用する顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、オペレータが前記問い合わせ情報に対応するコールセンター業務システムである。
【0013】
図1に示す形態では、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、等、通信機能を備える顧客端末2が電話回線網3を介してコールセンター業務システム1Aと通信可能に接続されている。
【0014】
図1に示すコールセンター業務システム1Aは、コールセンター側に構築されるシステムで、PBX(Private Branch eXchange)5と、IVR(Interactive Voice Response)装置6、CTI(Computer Telephony Integration)装置7、複数のオペレータ端末9とを備えている。
【0015】
また、
図1に示す形態では、前記コールセンターとは業種の異なるSMS(Short Message Service)配信事業者が備えるSMS配信サーバ8がインターネット通信網、無線通信規格で定められている無線通信網、等のネットワーク通信網4を介して顧客端末2及びコールセンター業務システム1Aと通信可能に接続されている。
【0016】
コンピュータからなるPBX5、IVR装置6、CTI装置7、SMS配信サーバ8、オペレータ端末9のいずれとも、図示していないが、オペレーティングシステムや、インストールあるいはダウンロードした所定のコンピュータプログラムなどに従って、この実施形態のシステムの各種の機能が実現されるように制御を行うCPU、オペレーティングシステムや種々のコンピュータプログラムなどを記憶し、また、CPUが各制御のための処理を実行する上で必要なデータを記憶する記憶部としてのROM、CPUが処理を実行する上で必要なデータを記憶し、CPUによって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用されるRAMやハードディスク、更に、ユーザインターフェース、無線通信インターフェースなどを備えていて、これらが必要なバスラインで接続されている。
【0017】
オペレータ端末9は、前記オペレータが顧客端末2と通信を行うための端末で、後述するCTI装置7から分配された顧客端末2からの問い合わせ情報を処理するパーソナルコンピュータ19と、顧客端末2と電話通信を行う電話機18とを備えている。前記オペレータは、電話機18を使用して前記利用者と通話を行いながら、パーソナルコンピュータ19に表示される前記問い合わせ情報を確認し、応答処理する。
【0018】
PBX5は構内交換機で、企業、コールセンター内に設置され、内線電話と外線電話同士を交換する装置である。また、PBX5を電話機以外にファクシミリやコンピュータなどに接続して顧客端末2の電話番号だけでなく、顧客端末2から送信される各種情報を取得可能となっている。
図1に示す形態では、PBX5は、顧客端末2からの着信を受け付け、当該顧客端末2の電話番号を取得する電話番号取得部10を備えている。また、前記着信をIVR装置6に通知する。
【0019】
IVR装置6は、自動音声応答装置で、顧客端末2に対して音声による自動応答を行う装置である。
図1に示す形態では、IVR装置6は、顧客端末2から送信された問い合わせ情報を取得して、当該問い合わせ情報に対する各種の応答内容を音声で顧客端末2に通知する自動音声応答処理部11を備えている。
【0020】
以下、第一の実施形態、後述する第二の実施形態及び第三の実施形態において、「問い合わせ情報」には、顧客端末2の電話番号が含まれている。
【0021】
IVR装置6が、顧客端末2からの着信の通知をPBX5から受けると、自動音声応答処理部11は問い合わせたい内容の入力を促す情報を音声で顧客端末2に送信する。前記利用者が顧客端末2を使用して希望する問い合わせ情報を入力すると、自動音声応答処理部11は対応する応答を行う。
【0022】
前記利用者が顧客端末2を使用してIVR装置6に対してオペレータとの接続を希望する旨の情報を入力した場合、IVR装置6は、CTI装置7に対して前記取得した問い合わせ情報を送信するとともに、対応可能なオペレータ端末9との接続を要求する処理を行う。
【0023】
CTI装置7は、PBX5、IVR装置6、後述するSMS配信サーバ8、オペレータ端末9を制御するためのサーバ装置としての機能を備える装置である。
図1に示す形態では、CTI装置7は、オペレータ端末空き状況確認部12、ACD(Automatic Call Distribution)部13、記憶部14、ショートメッセージ作成処理部15、ショートメッセージ送信要求処理部16を備えている。
【0024】
オペレータ端末空き状況確認部12は、IVR装置6から送信された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認する処理を行う。
【0025】
ACD部13は、オペレータ端末空き状況確認部12によって確認された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9に、顧客端末2からの問い合わせ情報を分配する処理を行う。オペレータ端末9が前記情報を取得すると、CTI装置7は、オペレータ端末9との接続が可能であることをPBX5に通知し、PBX5は、顧客端末2とオペレータ端末9との接続を開始する。これにより前記利用者と前記オペレータとの通話が可能となる。
【0026】
記憶部14は、各種の情報を記憶する装置で、問い合わせをしてきた顧客端末2の電話番号、前記問い合わせ情報に対する前記オペレータの平均対応時間、後述するショートメッセージ作成処理部15が作成するショートメッセージ、前記ショートメッセージを作成するルール、等が記憶されている。
【0027】
オペレータ端末空き状況確認部12が、顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認できず、ACD部13が前記問い合わせ情報をオペレータ端末9に分配できない場合、IVR装置6の自動音声応答装置11は対応可能な時間を、後述するショートメッセージ22で知らせる旨顧客端末2に回答する。
【0028】
ショートメッセージ作成処理部15は、オペレータ端末空き状況確認部12が、顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認できず、ACD部13が前記問い合わせ情報をオペレータ端末9に分配できない場合、顧客端末2へのショートメッセージ22を作成する処理を行う。
【0029】
このショートメッセージ22は、前記利用者に対して前記オペレータが折返し電話をかける旨の内容となっている。例えば、前記利用者からの問い合わせが集中し、前記オペレータに電話が繋がらない状態では、
図2に示すように前記オペレータが折返し電話をかける対象となる前記利用者の顧客端末2に、どれくらいの時間で前記オペレータが前記利用者に折返しの電話が可能かを表すショートメッセージ22が作成される。
【0030】
また、ショートメッセージ22は、記憶部14に記憶されているショートメッセージを作成するルールに基づいて作成される。例えば、前記オペレータによる折返しの電話が可能な時間を設定していない固定のルールに基づいて、
図2に示すように「オペレータが空き次第折返し電話をする」旨のショートメッセージ22を作成することができる。
【0031】
その他、記憶部14に記憶されている前記問い合わせ情報に対する前記オペレータの平均対応時間と、問い合わせをしてきた顧客端末2のうち、前記オペレータが折返し電話をかける対象となる前記利用者の顧客端末2(後述するショートメッセージ22が送信された顧客端末2)の数とに基づいて、
図2に示すように「○分以内に折返し電話をする」旨のショートメッセージ22を作成することもできる。例えば、前記オペレータの平均対応時間が5分で、前記オペレータが折返し電話をかける対象となる前記利用者の顧客端末2の数が2つの場合、一つ目の顧客端末2に対しては、「5分以内に折返し電話をする」旨のショートメッセージ22が自動で作成され、二つ目の顧客端末2に対しては、「10分以内に折返し電話をする」旨のショートメッセージ22が自動で作成される。作成されたショートメッセージ22は、前記作成ルールを示すメッセージコードと、前記オペレータが折返し電話をかける対象となる前記利用者の顧客端末2の電話番号とが関連付けられて記憶部14に記憶される。
【0032】
ショートメッセージ送信要求処理部16は、作成されたショートメッセージ22を顧客端末2に送信することを後述するSMS配信サーバ8に要求する処理を行う。
【0033】
SMS配信サーバ8は、ショートメッセージ送信処理部17を備えている。ショートメッセージ送信処理部17は、CTI装置7のショートメッセージ送信処理要求部16からショートメッセージ22を顧客端末2に送信する要求を取得して、当該ショートメッセージ22を、ネットワーク通信網4を介して顧客端末2に送信する処理を行う。顧客端末2には、
図3に示すように送信されたショートメッセージ22が表示される。
【0034】
以上、
図1に示す形態のコールセンター業務システム1Aは上述の構成となっているが、SMS配信サーバ8が備える機能をCTI装置7が備える構成とすることもできる。この他、CTI装置7が備える構成を複数のハードウェアに分けて構成することや、PBX5、IVR装置6、CTI装置7を単一のハードウェアに統合して構成することもできる。
【0035】
SMS配信サーバ8が備える機能をCTI装置7が備える構成とする場合、SMS配信サーバ8が備えるショートメッセージ送信処理部17をメッセージ送信手段としてCTI装置7に組み込み、ショートメッセージ作成処理部15が作成したショートメッセージ22を顧客端末2に送信する。
【0036】
このように、本実施形態では、利用者からの問い合わせがコールセンターに集中し、オペレータに電話が繋がらない状況が発生しても、その利用者にオペレータからいつごろ連絡が来るかを通知する一種の問い合わせ応答予約システムとなっている。したがって、利用者にとってオペレータに電話が繋がらないといったストレスや、再度コールセンターに電話をかけ直す手間が軽減される。また、コールセンターにとっても、問い合わせをしてきた利用者すべてに対応することが可能となる。
【0037】
[第一の実施形態の処理フロー]
図4、
図5を参照して本実施形態の処理フローを説明する。
【0038】
(S101)コールセンターに問い合わせを行う利用者は顧客端末2を使用して前記コールセンターに発信する。
【0039】
(S102)PBX5は、顧客端末2からの着信を受け付け、当該顧客端末2の電話番号を取得するとともに、前記着信をIVR装置6に通知する。
【0040】
(S103、S104)IVR装置6では、待機状態から応答状態へと切り替わり、自動音声応答処理部11は、問い合わせたい内容の入力を促す情報を音声で顧客端末2に送信する。
【0041】
(S105)前記利用者が顧客端末2を使用して希望する問い合わせ情報を入力すると、自動音声応答処理部11は対応する応答を行う。
【0042】
(S106)S105において、前記利用者がオペレータとの接続を希望する旨の情報を入力した場合、IVR装置6は、CTI装置7に対して顧客端末2からの問い合わせ情報を送信するとともに、対応可能なオペレータ端末9との接続を要求する処理を行う。
【0043】
(S107-S109)CTI装置7では、待機状態から応答状態へと切り替わり、オペレータ端末空き状況確認部12は、IVR装置6から送信された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認する処理を行う。
【0044】
(S110)ACD部13は、オペレータ端末空き状況確認部12によって確認された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9に、顧客端末2からの問い合わせ情報を分配する処理を行う。
【0045】
(S111-S113)オペレータ端末9では、待機状態から応答状態へと切り替わり、CIT装置7から前記問い合わせ情報を取得すると、前記利用者との通話が可能な状態となる。(S114-S116)CTI装置7は、オペレータ端末9との接続が可能であることをPBX5に通知し、PBX5は、顧客端末2とオペレータ端末9との接続を開始する。これにより前記利用者と前記オペレータとの通話が可能となる。
【0046】
(117-S119)S109において、オペレータ端末空き状況確認部12が、顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認できず、ACD部13が前記問い合わせ情報をオペレータ端末9に分配できない場合、CTI装置7はオペレータ端末9への接続が不可であることをIVR装置6へ送信する。IVR装置6の自動音声応答処理部11はオペレータ端末9への接続が不可である旨、及び対応可能な時間をショートメッセージ22で知らせる旨顧客端末2に回答し、通話を終了する。
【0047】
(S120)ショートメッセージ作成処理部15は、オペレータ端末空き状況確認部12が、顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認できず、ACD部13が前記問い合わせ情報をオペレータ端末9に分配できない場合、顧客端末2へのショートメッセージ22を作成する処理を行う。
【0048】
(S121)ショートメッセージ送信要求処理部16は、作成されたショートメッセージ22を顧客端末2に送信することをSMS配信サーバ8に要求する処理を行う。
【0049】
(S122-S124)SMS配信サーバ8では、待機状態から応答状態へと切り替わり、ショートメッセージ送信処理部17が、CTI装置7のショートメッセージ送信処理要求部16からショートメッセージ22を顧客端末2に送信する要求を取得して、当該ショートメッセージ22を、ネットワーク通信網4を介して顧客端末2に送信する処理を行う。顧客端末2には、
図3に示すように送信されたショートメッセージ22が表示される。
【0050】
(S125、S126)CTI装置7では、オペレータ端末空き状況確認部12が、IVR装置6から送信された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認する処理を引き続き行う。
【0051】
(S127-S129)オペレータ端末9が他の利用者の顧客端末2と通信している通信状態から通信終了へと切り替わると、オペレータ端末空き状況確認部12は、IVR装置6から送信された顧客端末2(ショートメッセージ22が送信された顧客端末2)からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9であることを確認する。ACD部13は、オペレータ端末空き状況確認部12によって確認された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9に、顧客端末2(ショートメッセージ22が送信された顧客端末2)からの問い合わせ情報を分配する処理を行う。
【0052】
(S130、S131)オペレータは、パーソナルコンピュータ19に表示される前記問い合わせ情報を確認し、顧客端末2(ショートメッセージ22が送信された顧客端末2)へ電話回線網3を介して発信し、前記利用者と通話を行い、前記問い合わせ情報に対応する。
【0053】
[第二の実施形態]
図6~
図8を参照して本発明の第二の実施形態を説明する。
図6に示す形態では、
図1に示すコールセンター業務システムにおいて、顧客端末2がネットワーク通信網4を介してコールセンター業務システム1B及びSMS配信サーバ8と通信可能に接続されている構成となっている。
図1に示す形態と共通する構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
図6に示す形態では、コールセンター業務システム1Bは、ネットワーク通信網4を介して顧客端末2と通信可能な通信受付部21を備えている。例えば、コールセンター業務システム1Bが構築されるコールセンターにおいて、顧客端末2からの問い合わせ情報を受け付ける問い合わせ先が、前記コールセンターの電話番号以外の固有の番号に設定されていて、この固有の番号に設定されている端末が通信受付部21となる。
【0055】
顧客端末2は、通信受付部21宛てに前記問い合わせ情報を作成、送信するショートメッセージ作成手段20を備えている。
【0056】
ショートメッセージ作成手段20として、例えばSMSサービスを利用してテキストデータ、イメージデータ、等を含むショートメッセージを作成するアプリケーションプログラムを使用することができる。
【0057】
ショートメッセージ作成手段20によって作成された前記問い合わせ情報は、ネットワーク通信網4を介してコールセンター業務システム1Bの通信受付部21へ送信される。
【0058】
コールセンター業務システム1Bでは、通信受付部21で取得した、顧客端末2のメッセージ作成手段20によって作成された前記問い合わせ情報がPBX5へ送られ、電話番号取得部10が前記問い合わせ情報に含まれている顧客端末2の電話番号を取得し、また、前記問い合わせ情報をCTI装置7に送信する。
【0059】
CTI装置7のオペレータ端末空き状況確認部12は、PBX5から送信された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認する処理を行う。
【0060】
ACD部13は、オペレータ端末空き状況確認部12によって確認された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9に、顧客端末2からの問い合わせ情報を分配する処理を行う。
【0061】
オペレータ端末9が前記問い合わせ情報を取得すると、オペレータは、パーソナルコンピュータ19に表示される前記問い合わせ情報を確認し、顧客端末2へ電話回線網3を介して発信し、前記利用者と通話を行い、前記問い合わせ情報に対応する。
【0062】
オペレータ端末空き状況確認部12が、顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認できず、ACD部13が前記問い合わせ情報をオペレータ端末9に分配できない場合、ショートメッセージ作成処理部15は、顧客端末2へのショートメッセージ22を作成する処理を行う。
【0063】
ショートメッセージ送信要求処理部16は、作成されたショートメッセージ22を顧客端末2に送信することをSMS配信サーバ8に要求する処理を行う。
【0064】
SMS配信サーバ8では、ショートメッセージ送信処理部17が、CTI装置7のショートメッセージ送信処理要求部16からショートメッセージ22を顧客端末2に送信する要求を取得して、当該ショートメッセージ22を、ネットワーク通信網4を介して顧客端末2に送信する処理を行う。顧客端末2には、
図3に示すように送信されたショートメッセージ22が表示される。
【0065】
このように、本実施形態でも、利用者からの問い合わせがコールセンターに集中し、オペレータに電話が繋がらない状況が発生しても、その利用者にオペレータからいつごろ連絡が来るかを通知する一種の問い合わせ応答予約システムとなっている。したがって、利用者にとってオペレータに電話が繋がらないといったストレスや、再度コールセンターに電話をかけ直す手間が軽減される。また、コールセンターにとっても、問い合わせをしてきた利用者すべてに対応することが可能となる。
【0066】
[第二の実施形態の処理フロー]
図7、
図8を参照して本実施形態の処理フローを説明する。
【0067】
(S201、S202)コールセンターに問い合わせを行う利用者は顧客端末2が備えているショートメッセージ作成手段20を使用して、問い合わせ情報をテキストデータ、イメージデータ、等を含むショートメッセージとして作成し、当該作成したショートメッセージを、前記コールセンターの問い合わせ先が電話番号以外の固有の番号に設定されている通信受付部21宛てに送信する。
【0068】
(S203)PBX5は、通信受付部21を介して顧客端末2のメッセージ作成手段20によって作成された前記問い合わせ情報を受け付け、電話番号取得部10は、前記問い合わせ情報に含まれている顧客端末2の電話番号を取得し、また、前記問い合わせ情報をCTI装置7に送信する。
【0069】
(S204-S206)CTI装置7では、待機状態から応答状態へと切り替わり、オペレータ端末空き状況確認部12は、PBX5から送信された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認する処理を行う。
【0070】
(S207)ACD部13は、オペレータ端末空き状況確認部12によって確認された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9に、顧客端末2からの問い合わせ情報を分配する処理を行う。
【0071】
(S208-S210)オペレータ端末9では、待機状態から応答状態へと切り替わり、オペレータは、パーソナルコンピュータ19に表示される前記問い合わせ情報を確認し、顧客端末2へ電話回線網3を介して発信し、前記利用者と通話を行い、前記問い合わせ情報に対応する。
【0072】
(S211)オペレータ端末空き状況確認部12が、顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認できず、ACD部13が前記問い合わせ情報をオペレータ端末9に分配できない場合、ショートメッセージ作成処理部15は、顧客端末2へのショートメッセージ22を作成する処理を行う。
【0073】
(S212)ショートメッセージ送信要求処理部16は、作成されたショートメッセージ22を顧客端末2に送信することをSMS配信サーバ8に要求する処理を行う。
【0074】
(S213-S215)SMS配信サーバ8では、待機状態から応答状態へと切り替わり、ショートメッセージ送信処理部17が、CTI装置7のショートメッセージ送信処理要求部16からショートメッセージ22を顧客端末2に送信する要求を取得して、当該ショートメッセージ22をネットワーク通信網4を介して顧客端末2に送信する処理を行う。顧客端末2には、
図3に示すように送信されたショートメッセージ22が表示される。
【0075】
(S216、S217)CTI装置7では、オペレータ端末空き状況確認部12が、PBX5から送信された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を引き続き確認する処理を行う。
【0076】
(S218-S220)オペレータ端末9が他の利用者の顧客端末2と通信状態から通信終了へと切り替わると、オペレータ端末空き状況確認部12は、PBX5から送信された顧客端末2(ショートメッセージ22が送信された顧客端末2)からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9であることを確認する。ACD部13は、オペレータ端末空き状況確認部12によって確認された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9に、顧客端末2(ショートメッセージ22が送信された顧客端末2)からの問い合わせ情報を分配する処理を行う。
【0077】
(S221、S222)オペレータは、パーソナルコンピュータ19に表示される前記問い合わせ情報を確認し、顧客端末2(ショートメッセージ22が送信された顧客端末2)へ電話回線網3を介して発信し、前記利用者と通話を行い、前記問い合わせ情報に対応する。
【0078】
[第三の実施形態]
図9~
図13を参照して本発明の第三の実施形態を説明する。本実施形態は、種々の事業におけるコールセンターに問い合わせを行う利用者が使用する顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、オペレータ又はコールセンターが提供しているウェブサイトによって前記問い合わせ情報に対応するコールセンター業務システムである。
【0079】
図9に示す形態では、顧客端末2が電話回線網3を介してコールセンター業務システム1Cと通信可能に接続され、ネットワーク通信網4を介してSMS配信サーバ8と、コールセンター側が設置、管理するウェブサーバ23とそれぞれ通信可能に接続されている。第一及び第二の実施形態と共通する構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0080】
Webサーバ23は、前記コールセンターが設置、管理するサーバ装置である。
【0081】
図9に示すIVR装置6は、第一の実施形態で説明したPBX5、CTI装置7の構成の一部を取り入れた装置としている。また、オペレータ端末9側に別途PBX5を配備し、電話回線網3を介してIVR装置6と通信可能に接続している。
【0082】
IVR装置6は、第一の実施形態で説明した電話番号取得部10、自動音声応答処理部11、ショートメッセージ作成処理部15、ショートメッセージ送信要求処理部16の他、顧客端末判別処理部11a、応答方法選択処理部11b、電話番号転送処理部24、呼出音生成処理部25を備えている。
【0083】
顧客端末判別処理部11aは、電話番号取得部10が取得した顧客端末2の電話番号に基づいて、前記ウェブサイトによる応答が可能な端末であるか判別する処理を行う。例えば、
図11に示すように、顧客端末2がWeb閲覧機能、ショートメッセージ作成手段20を備えているスマートフォン、タブレット端末、携帯電話機等のモバイル端末又はこれらの機能、手段を備えていない固定電話機であるかを判別する。顧客端末2が固定電話機であると判別された場合、オペレータによる応答のみとなるので、自動音声応答処理部11はその旨を顧客端末2に送信し、応答可能なオペレータ端末9を確認する。
【0084】
応答方法選択処理部11bは、顧客端末2から前記問い合わせ情報を受け付ける際に、当該顧客端末2に対して前記オペレータ又はウェブサーバ23が提供しているウェブサイトのいずれかで前記問い合せ情報への応答を行うか選択を促す処理を行う。例えば、顧客端末判別処理部11aが顧客端末2を前記ウェブサイトによる応答が可能な端末であるかを判別した場合、
図11に示すように、前記利用者が問い合わせたい要件「申込」、「解約」、「故障」、「支払方法変更」、「その他」それぞれについて、ショートメッセージを利用した前記ウェブサイトによる対応又は前記オペレータによる対応の何れかで応答を行うか選択を促す。
【0085】
顧客端末2が前記ウェブサイトによる応答を選択した場合、ショートメッセージ作成処理部15は、前記ウェブサイトのURLを含むショートメッセージを作成する処理を行う。
【0086】
また、ショートメッセージ送信要求処理部16は、作成された前記ショートメッセージを顧客端末2に送信することをSMS配信サーバ8に要求する処理を行う。
【0087】
SMS配信サーバ8のショートメッセージ送信処理部17は、IVR装置6のショートメッセージ送信処理要求部16から前記ショートメッセージを顧客端末2に送信する要求を取得して、当該ショートメッセージを、ネットワーク通信網4を介して顧客端末2に送信する処理を行う。
【0088】
顧客端末2では、送信された前記ショートメッセージに含まれている前記ウェブサイトのURLへアクセスする。
【0089】
ウェブサーバ23は、顧客端末2からの前記ウェブサイトへのアクセスを受け付けて、所定の問い合わせ入力フォームを顧客端末に送信する。これにより、利用者は問い合わせたい情報を入力してウェブサイト上で応答処理を受けることができる。
【0090】
電話番号転送処理部24は、前記利用者が前記オペレータによる応答を選択した場合、当該利用者の顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9に、顧客端末2からの問い合わせ情報に含まれている顧客端末2の電話番号を転送する処理を行う。本実施形態では、電話回線網3を介してオペレータ端末9側のPBX5に顧客端末2の電話番号が送信され、当該電話番号がオペレータ端末9に表示される。また、音声での発話によって顧客端末2の電話番号がオペレータ端末9に通知される。したがって、オペレータはどの電話番号からの架電なのかを把握することができる。
【0091】
なお、
図10には示していないが、IVR装置6は、第一の実施形態で説明したオペレータ端末空き状況確認部12を備えていてもよい。これらの構成を備えていることで、前記利用者が前記オペレータによる応答を選択した場合、オペレータ端末空き状況確認部12により、取得した顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認する処理を行うことができる。電話番号転送処理部24は、オペレータ端末空き状況確認部12によって確認された顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9に、顧客端末2の電話番号を転送する処理を行う。オペレータ端末空き状況確認部12が、顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9を確認できず、電話番号転送処理部24が顧客端末2の電話番号をオペレータ端末9に転送できない場合、第一の実施形態で説明した、前記オペレータから折返し顧客端末2に連絡する旨のショートメッセージ22をショートメッセージ作成処理部15が作成することになる。これ以降の処理は第一の実施形態と同様である。
【0092】
呼出音生成処理部25は、顧客端末2とオペレータ端末9との接続が行われるまで、所定の呼出音(リンングバックトーン、等)を生成し、顧客端末2に送信する処理を行う。この処理は、電話番号転送処理部24が顧客端末2の電話番号をオペレータ端末9に転送し、顧客端末2とオペレータ端末9とが通信可能に接続されるまでの間、顧客端末2に発生する無音状態を解消するために行われる。
【0093】
このように、本実施形態では、利用者からの問い合わせの内容によって、コールセンター側が提供しているウェブサイト又はオペレータの何れかで応答を受けられるシステムとなっている。オペレータによる応答を選択した場合で、利用者からの問い合わせがコールセンターに集中し、オペレータに電話が繋がらない状況が発生しても、ウェブサイトによる応答を選択し直すことができるので、利用者にとってオペレータに電話が繋がらないといったストレスや、再度コールセンターに電話をかけ直す手間が軽減される。
【0094】
[第三の実施形態の処理フロー]
図12、
図13を参照して本実施形態の処理フローを説明する。この処理フローでは、顧客端末2を、Web閲覧機能、ショートメッセージ作成手段20を備えているスマートフォン、タブレット端末、携帯電話機等のモバイル端末としている。
【0095】
(S301)コールセンターに問い合わせを行う利用者は顧客端末2を使用して前記コールセンターに発信する。
【0096】
(S302)IVR装置6では、自動音声応答処理部11が、問い合わせたい内容の入力を促す情報を音声で顧客端末2に送信する。
【0097】
(S303)前記利用者は、顧客端末2を使用して希望する問い合わせ情報(例えば要件に応じて振り分けられている番号)を入力する。
【0098】
(S304)顧客端末判別処理部11aは、電話番号取得部10が取得した顧客端末2の電話番号に基づいて、Webサーバ23が提供しているウェブサイトによる応答が可能な端末であるかを判別する処理を行う。この処理フローでは、顧客端末判別処理部11aは顧客端末2を前記モバイル端末と判別している。
【0099】
(S305)応答方法選択処理部11bは、顧客端末2から前記問い合わせ情報を受け付ける際に、オペレータ又は前記ウェブサイトのいずれかで前記問い合せ情報への応答を行うか選択を促す処理を行う。
【0100】
(S306、S307)前記利用者は、顧客端末2を使用して前記ウェブサイトによる応答を選択し、通話を終了する。
【0101】
(S308)ショートメッセージ作成処理部15は、前記ウェブサイトのURLを含むショートメッセージを作成する処理を行う。
【0102】
(S309)ショートメッセージ送信要求処理部16は、作成されたショートメッセージを顧客端末2に送信することをSMS配信サーバ8に要求する処理を行う。
【0103】
(S310)SMS配信サーバ8のショートメッセージ送信処理部17は、IVR装置6のショートメッセージ送信処理要求部16から前記ショートメッセージを顧客端末2に送信する要求を取得して、当該ショートメッセージを、ネットワーク通信網4を介して顧客端末2に送信する処理を行う。
【0104】
(S311)前記利用者は、顧客端末2を使用して、送信された前記ショートメッセージに含まれている前記ウェブサイトのURLへアクセスする。
【0105】
(S312)ウェブサーバ23は、顧客端末2からの前記ウェブサイトへのアクセスを受け付けて、所定の問い合わせ入力フォームを顧客端末2に送信する。これにより、利用者は問い合わせたい情報を入力してウェブサイト上で応答処理を受けることができる。
【0106】
(S313)S305において、前記利用者は、顧客端末2を使用して前記オペレータによる応答を選択する。
【0107】
(S314)電話番号転送処理部24は、前記利用者の顧客端末2からの問い合わせ情報に対応可能なオペレータ端末9に、顧客端末2からの問い合わせ情報に含まれている顧客端末2の電話番号を転送する処理を行う。オペレータ端末9では、電話回線網3を介してPBX5から送信された顧客端末2の電話番号が表示される。また、音声での発話によって顧客端末2の電話番号がオペレータ端末9に通知される。
【0108】
(S315、S316)呼出音生成処理部25は、顧客端末2とオペレータ端末9との接続が行われるまで、所定の呼出音(リングバックトーン)を生成し、顧客端末2に送信する処理を行う。
【0109】
(S317、S318)オペレータ端末9では、顧客端末2の電話番号を取得すると、顧客端末2との接続を開始される。前記オペレータは前記利用者と通話して、前記問い合わせ情報に対応する。
【符号の説明】
【0110】
1A、1B、1C コールセンター業務システム
2 顧客端末
3 電話回線網
4 ネットワーク通信網
5 PBX(構内交換機)
6 IVR装置(自動音声応答装置)
7 CTI装置
8 SMS配信サーバ
9 オペレータ端末
10 電話番号取得部
11 自動音声応答処理部
11a 顧客端末判別処理部
11b 応答方法選択処理部
12 オペレータ端末空き状況確認部
13 ACD部
14 記憶部
15 ショートメッセージ作成処理部
16 ショートメッセージ送信要求処理部
17 ショートメッセージ送信処理部
18 電話機
19 PC
20 ショートメッセージ作成手段
21 通信受付部
22 ショートメッセージ
23 Webサーバ
24 電話番号転送処理部
25 呼出音生成処理部
【手続補正書】
【提出日】2022-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、当該問い合せ情報に対応するコールセンター業務システムであって、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、前記顧客端末に対して音声による自動応答を行う自動音声応答装置と、
前記自動音声応答装置と通信可能に接続され、前記顧客端末と通信を行う複数のオペレータ端末と、
前記顧客端末及び前記自動音声応答装置と通信可能に接続されているメッセージ送信サーバと、
前記顧客端末と通信可能に接続されているウェブサーバと、を備え、
前記自動音声応答装置は、
前記顧客端末から前記問い合わせ情報を受け付ける際に、前記顧客端末に対してオペレータ又は前記ウェブサーバが提供しているウェブサイトのいずれかで前記問い合せ情報への応答を行うか選択を促す応答方法選択指示部と、
前記ウェブサイトによる応答が選択された場合に、前記ウェブサイトのURLを含むショーメッセージを作成するショートメッセージ作成処理部と、
作成された前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信することを前記メッセージ送信サーバに要求するショートメッセージ送信要求処理部と、
前記オペレータによる応答が選択された場合に、前記顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末に、前記顧客端末からの問い合わせ情報に含まれている前記顧客端末の電話番号を転送する電話番号転送処理部と、を備え、
前記メッセージ送信サーバは、前記自動音声応答装置から前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信する要求を取得して、前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信し、
前記ウェブサーバは、前記顧客端末から前記ショートメッセージに含まれている前記ウェブサイトのURLへのアクセスを受け付けて、所定の問い合わせ入力フォームを前記顧客端末に送信する
ことを特徴とするコールセンター業務システム。
【請求項2】
前記自動音声応答装置は、前記顧客端末から取得した当該顧客端末の電話番号に基づいて、前記ウェブサイトによる応答が可能な端末であるかを判別する顧客端末判別処理部をさらに備え、
前記顧客端末が前記ウェブサイトによる応答が可能な端末であると判別された場合、前記応答方法選択指示部は、前記顧客端末に対して前記オペレータ又は前記ウェブサイトのいずれかで前記問い合せ情報への応答を行うか選択を促す
ことを特徴とする請求項1記載のコールセンター業務システム。
【請求項3】
前記自動音声応答装置は、前記電話番号転送処理部が前記顧客端末の電話番号を前記オペレータ端末に転送し、前記顧客端末と前記オペレータ端末とが通信可能に接続されるまでの間、顧客端末へ送信する呼出音を生成する呼出音生成処理部をさらに備えている
ことを特徴とする請求項1又は2記載のコールセンター業務システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
[1]
顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、当該問い合せ情報に対応するコールセンター業務システムであって、
前記顧客端末からの問い合わせ情報を受け付けて、前記顧客端末に対して音声による自動応答を行う自動音声応答装置と、
前記自動音声応答装置と通信可能に接続され、前記顧客端末と通信を行う複数のオペレータ端末と、
前記顧客端末及び前記自動音声応答装置と通信可能に接続されているメッセージ送信サーバと、
前記顧客端末と通信可能に接続されているウェブサーバと、を備え、
前記自動音声応答装置は、
前記顧客端末から前記問い合わせ情報を受け付ける際に、前記顧客端末に対してオペレータ又は前記ウェブサーバが提供しているウェブサイトのいずれかで前記問い合せ情報への応答を行うか選択を促す応答方法選択指示部と、
前記ウェブサイトによる応答が選択された場合に、前記ウェブサイトのURLを含むショーメッセージを作成するショートメッセージ作成処理部と、
作成された前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信することを前記メッセージ送信サーバに要求するショートメッセージ送信要求処理部と、
前記オペレータによる応答が選択された場合に、前記顧客端末からの問い合わせ情報に対応可能な前記オペレータ端末に、前記顧客端末からの問い合わせ情報に含まれている前記顧客端末の電話番号を転送する電話番号転送処理部と、を備え、
前記メッセージ送信サーバは、前記自動音声応答装置から前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信する要求を取得して、前記ショートメッセージを前記顧客端末に送信し、
前記ウェブサーバは、前記顧客端末から前記ショートメッセージに含まれている前記ウェブサイトのURLへのアクセスを受け付けて、所定の問い合わせ入力フォームを前記顧客端末に送信する
ことを特徴とするコールセンター業務システム。