(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174170
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】アダプタ
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
B60R16/02 650A
B60R16/02 621J
B60R16/02 650J
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022141183
(22)【出願日】2022-09-06
(62)【分割の表示】P 2021179312の分割
【原出願日】2016-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
(72)【発明者】
【氏名】小川 智昭
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭三
(57)【要約】 (修正有)
【課題】比較的容易に車両側から各種の外部機器へ給電することができるアダプタを提供する。
【解決手段】車両の搭乗者側からアクセス可能な位置に設けられた車両側の常時給電型コネクタ50に対して接離可能に接続される受電コネクタ5と、受電コネクタ50から供給される電力に基づき外部機器10へ電力の供給を行う給電コネクタ、例えば、USBコネクタ2、ミニUSBコネクタ3、シガーソケット4を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に後付される機器と車両に備えた故障診断用コネクタからの電源に基づき動作する装置とを備えるシステムであって、
前記装置で取得した情報に基づいて当該装置に接続された前記機器からタイヤの空気圧に関する警告を出力する機能を備え、
前記装置は前記車両に備えた故障診断用コネクタに嵌め込まれた状態で固定されること
を特徴とするシステム。
【請求項2】
前記装置で取得した情報に基づいて当該装置に接続された前記機器においてタイヤの空気圧の状態をグラフとして表示する機能を備えること
を特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
複数の異なる機器を接続した場合に、前記タイヤの空気圧を機器の種類に応じて異なる態様で表示させる機能を備えること
を特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両から外部機器に給電することができるアダプタ等に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用コンピュータからの情報が出力されるポートとして、例えば、車両の各部を制御するためのコンピュータ等が接続された車載ネットワークや故障診断のための情報を出力するコンピュータが接続された信号線等が接続されたポートが知られている。車両に搭載された故障診断システムは、例えば、OBDII(On-Board Diagnostic II)として知られている。この種の故障診断システムは、例えば、車両の各部に設けられたセンサやスイッチからECU(Engine Control Unit)など車両の制御のために設けられた各種の車載用コンピュータがその状態等の信号を取得し、取得した状態等に基づいて故障診断用の情報や他の車載用コンピュータへ送信する情報を生成して、CANなどの車載ネットワークへ送信する。車載ネットワークは、故障診断ポートへ接続されている。この故障診断ポートに修理工場など車外に設けられた故障診断機を接続することで、車外の故障診断機から車両各部の故障や状態を確認している。
【0003】
この種の故障診断システムは、本来は故障診断の目的で車両に搭載されているものであるが、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のように、この故障診断システムのポート
にアダプタを接続し、このアダプタを経由して車両を制御するコンピュータの情報を取得して車両内に設置したディスプレイなどに出力することで、故障診断時以外でもユーザが車両の状態を確認する提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-206621号公報
【特許文献2】特開2012-206622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スマートホンやデジカメなど各種の携帯用電子機器はバッテリで動作する。バッテリが切れるとこれら機器は使用できなくなってしまう。これらの機器はUSBからの給電を受け、充電できるようになっているのが一般的である。そこで車両に備えるシガーソケットからUSB給電するための製品が、従来から各種販売されている。
【0006】
しかしながら、駐車中のようにアクセサリスイッチ(以下、ACCという)をオフにした状態ではシガーソケットへの車両からの給電がなされない。車両は通常、運転している時間よりも駐車している時間のほうが長い。一方、常時給電するためには従来バッテリに直付などする必要があり、一般ユーザがこのような作業を行うのは困難であるという問題があった。
【0007】
前記の特許文献に記載のアダプタは、車両の故障診断システムに接続されることから、ACCをオフにした状態でも車両のバッテリから給電されているが、従来のアダプタは専ら車載用コンピュータからの情報を取得するためのものであり、スマートホンやデジカメなどに対する充電機能は有していなかった。
【0008】
本発明の目的は、一般ユーザであっても、比較的容易に車両側から各種の外部機器へ給電することができるアダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明のアダプタは、車両の搭乗者側からアクセス可能な位置に設けられた車両側の常時給電型コネクタに対して接離可能に接続される受電コネクタと、前記受電コネクタから供給される電力に基づき外部機器へ電力の供給を行う給電コネクタを備えていることを特徴とする。このようにすれば、一般ユーザであっても、比較的容易に、車両から各種の外部機器へ常時給電させることができる。
【0010】
車両の搭乗者側からアクセス可能な位置としては、例えば、車両の車室内からアクセス可能な位置とすると特に良い。特に、車室内に設けられた車両側のカバーが開く場所とすると良い。このようにすれば一般ユーザであっても、カバーを開けるだけで容易に、車両から各種の外部機器へ常時給電させることができる。また、カバーがない場所とすると良い。このようにすれば車両の搭乗者側から単に給電コネクタへ受電コネクタを差し込むだけで、車両から各種の外部機器へ常時給電させることができる。搭乗者側としては、特に運転席側とすると良い。特に運転席の周辺に設けられたコネクタとすると良い。このようにすれば運転者は容易に車両から各種の外部機器へ常時給電させることができる。
【0011】
車両側の常時給電型コネクタとしては、特に車室内から利用するために設けられたコネクタとすると良い。また例えば車両の運転者の操作にともなって変化する情報が出力されるコネクタとすると良い。また例えば車両のユーザの使用時には使用されていない可能性の高いコネクタとすると良い。
【0012】
(2) 前記受電コネクタは、そこに接続される車両側の常時給電型コネクタが、例えば、車両に設けられた故障診断システムの出力ポートに設けられたコネクタであると良い。 故障診断システムの出力ポートに設けられたコネクタは、主として車両の修理工場で使用されることを目的としており、車両のユーザの使用時には使用されていない可能性の高いものである。特に、故障診断システムの出力ポートに設けられたコネクタは、車両のACCのオフ時においても、故障診断機を接続して故障診断を行えるように、常時車両側から給電されているので、この種のコネクタを常時給電型コネクタとして用いると良い。故障診断システムの出力ポートに設けられたコネクタは、運転席近傍の車室内に設けられおり、ユーザのアクセスも容易なコネクタだからである。故障診断機を接続可能な車両に設けられたコネクタとしては例えばOBDII規格のコネクタとすると良い。
【0013】
例えば、給電コネクタは、前記外部機器に対して一般的な車両には非搭載の電源装置から充電を行うために規格化されたコネクタとすると良い。例えば、一般的な車両には非搭載の電源装置から充電を行うために規格化されたコネクタとしては、例えば、宅内で使用する機器に対して家庭用電源から充電を行うために規格化されたコネクタとするとよく、特に携帯型機器に対して用いられるコネクタとすると良い。
例えば、給電コネクタは、前記外部機器に対して車両に非搭載の電源装置から充電を行うために、複数種類の外部機器で共通して使用されるコネクタとすると良い。複数種類の外部機器としては、特に、携帯可能な機器等とするとよく、特にバッテリへの充電を要する携帯可能な機器とすると良い。
このようなコネクタとして給電コネクタは例えばUSB規格のコネクタなどを用いると良い。
その他の給電コネクタとしては、例えば、シガーソケット、その他各種機器への給電に使用されている角型コネクタ、ピンプラグ型コネクタなどが使用できる。特に、各種の電子機器への給電に共通して用いられる規格のコネクタとすると良い。例えば、シガーソケットとすると良い。が、特に車両ではない場所でも共通して利用されている規格のコネクタとするとよく、前記のようなUSBコネクタとすると更に良い。
【0014】
(3)前記給電コネクタが、USBコネクタまたはシガーソケットとした構成とすると良い。USBコネクタには、専ら電子機器の充電に使用される給電のみを行うもの(給電型USBコネクタという)と、給電と情報伝達のための信号線の接続も兼ねた(通信型USBコネクタという)ものとがあるが、いずれのUSBコネクタも使用できる。
【0015】
(給電コネクタと受電コネクタの形状等)
前記給電コネクタと受電コネクタは、アダプタのケースと一体に設けられていても良いし、アダプタのケースに対してコードやケーブルによって接続されていても良い。また、受電コネクタは、車両の搭乗者側からアクセス可能な位置に設けられた常時給電型コネクタに対して接離可能に接続されるものとするとよく、常時給電型コネクタ自体にはめ合うコネクタでも、常時給電型コネクタ自体にはめ合うコネクタと接続された受電コネクタとはめ合うコネクタにはめ合うコネクタとすると良い。例えば、OBDコネクタにはめ合う第一のコネクタから電源ケーブル接続される第二コネクタを設け第二のコネクタにはめ合うコネクタをアダプタの受電コネクタとすると良い。
ケースと一体であると小型化が可能になり、コードやケーブルによって接続されていると離れた位置にアダプタや給電コネクタや受電コネクタを設置することができ、例えば、外部機器を運転席や助手席の近くで充電できる。
【0016】
このような構成によれば、アダプタに設けられた給電コネクタに対して、車両の常時給電型コネクタを介して車両側から電力が供給されるので、車両の走行状態やACCの開閉状態に依存することなく、外部機器に対する充電を常時行うことが可能になる。特に、ユ
ーザがACCをオフとして車両を離れる場合には、従来技術では、シガーソケットに対する給電がオフになって外部機器の充電も不可能になるが、本発明においてはそのような場合であっても外部機器のバッテリを充電できる利点がある。特に、車両側の常時給電型コネクタには車両に備えるバッテリからの電力が常時供給される構成とすると良い。
【0017】
(a)USBコネクタ等
現在では、スマートホンや携帯電話、タブレット型端末、デジカメ、ビデオカメラ、その他小型家電など、USBコネクタ充電機能を備えた様々な外部機器が販売されているが、本発明において、給電用のコネクタをUSBコネクタとするとよく、その場合には、シガーソケットに対する給電が停止された状態においても、これらのUSBコネクタを備えた広汎な種類の外部機器の使用や充電が可能になる。
【0018】
(b)複数の給電コネクタ等
本発明において、アダプタに対して、形状、機能、性能などの少なくともいずれか1つが異なる複数の給電コネクタを設けることが良い。例えば、USBコネクタとシガーソケットを設けた場合には、スマートホンなどのUSBコネクタを備えた機器と、車載用として広く販売されているシガーソケット対応の車載機器の双方を利用できる。USBコネクタに加え、角型コネクタやピンプラグ型コネクタなどの汎用コネクタを使用した場合には、盗難防止装置や車載用音響機器、バックカメラなどに対して、シガーソケットのような大型のコネクタを使用することなく給電することができる。また、車両に予め備えられる電力供給用のコネクタの数は少なくかぎられているが、このようにすれば、複数の異なる外部機器を容易に接続できる。
【0019】
(複数の給電コネクタ+制御部なし+異別給電容量等)
給電の電流値が異なる同一形状の給電コネクタを複数設けるとよく(例えば2Aと1AのUSBコネクタを設けるとよく、このようにすれば、例えば、急速充電と通常充電を併用でき、車両のバッテリへの負荷の問題と充電速度の問題との両立を図ることができる。
【0020】
(c)受電コネクタからの情報取得と制御部等
本発明のアダプタは、受電コネクタとして、車両側からの情報を受信する機能を有するコネクタを使用すると良い。また、アダプタ自体に、車両側からの情報を受信して、給電コネクタに対する給電のオン・オフ指令を出力する制御部を設けると良い。車両側からの情報としては、車両の速度、各種温度、駆動源やバッテリの状態などの各種データとすると良い。また、常時給電型コネクタを通じて給電線のノイズ、電流や電圧の変動などを車両側からの情報として取得する構成すると良い。特に両者を共に行う構成とすると良い。こうした知見に基づき、受電コネクタとしては、車両に有するOBDコネクタにはめ合うOBDコネクタが最も好適である。
【0021】
(4)前記受電コネクタを介して、車両側からの情報を受信する機能を有し、前記アダプタに、前記車両側からの情報を受信して、給電コネクタに対する給電を制御する制御部を設けた構成とすると良い。
例えば、車両からの情報に基づいて車両の状態を判断する構成とし、従来のシガーソケットと同様に、ACCのオフ時に、給電コネクタに対するバッテリからの給電を停止する構成を備えると良い。特に、アダプタに複数の給電コネクタを設けておき、何れかの給電コネクタは常時給電型とし、他の給電コネクタを車両の停止やACCのオフ時に給電を停止する構成とすると良い。このようにすれば、例えば、外部機器の用途、例えば、消費電力が大きな外部機器は車両の運行時にのみ充電を行い、消費電力が小さなスマートホンなどは常時給電されている給電コネクタから充電を行うことができ、車両側の電力消費を防止できる。車両側からの電源供給が車両側のバッテリから行われる構成においては、車載バッテリの容量低下を防止できる。例えば、受電コネクタを有する筐体内に車両側からの
情報を受信する機能を有する構成とすると良い。
【0022】
(c-1)制御部による車両の状態の検出等
(5)前記制御部として、車両からの信号を検出して、その信号に応じて給電コネクタに対する電力の供給または停止を制御する機能を有する構成とすると良い。
車両側からの信号としては、車両が取り扱うデータの通信路を流れる信号、例えば、車両の各部に設けられたセンサから車両に供給されている電圧、電流、バッテリ状態、水温、室内温、室外温、エンジン回転数、アクセル開度、車種、ドアの開閉情報、ユーザの着座情報、車両やそれに搭載されている車載用電子機器のメーカー名、車種などとすると良い。
【0023】
通信路以外に、車両側の電源ライン上の信号、例えば、電圧値、電源ノイズ等が利用すると良い。特に、エンジンの始動時や走行時には、電源ライン上に停止時とは異なる波形のノイズや電圧値が発生することから、これを検出することにより、エンジン始動の有無を検出しない車載用電子機器に対して本発明のアダプタを接続する場合に有効である。
【0024】
このようにすれば、車両側の情報に応じて、アダプタから外部機器に対す給電を制御することが可能になるので、アダプタに接続した種々の外部機器に対して車両の状態に応じて適切に充電したり、外部機器のオン・オフ動作を行わせることが可能になる。その結果、外部機器と車両側の電力の授受だけでなく、アダプタに接続された外部機器を車両の状態に合わせて制御することも可能になる。
【0025】
(c-2)制御部による車種の判別等
(6)前記制御部は、アダプタを装着した車両が所定量以上の大容量バッテリを搭載した車両か否かを判別する機能を備え、大容量バッテリ搭載車両でない場合には給電を所定の時点で停止させる一方、大容量バッテリ搭載車両の場合には停止させないものとするのが良い。
このような構成によれば、エンジン搭載車(エンジンによる駆動を行い、モーターによる駆動を行わない車両)のような比較的小容量のバッテリを搭載した車両において、バッテリ上がりによるエンジン始動不可を防止できるとともに、電気自動車やハイブリッド車のような大容量のバッテリを備えた車両においては、機器への充電を優先して行うことができる。
前記アダプタを装着した車両が所定量以上の大容量バッテリを搭載した車両か否かの判別は、車両側からの信号に基づいて行うと良い。例えば、ディップスイッチや画面での選択のようにユーザが設定をする構成すると良い。が、このようにすれば自動的に判別されるためユーザの手間がかからず使い勝手が良い。
【0026】
(c-3)車両の状態の検出等
(7)前記制御部は、車両側からの信号に基づいてエンジンのオン・オフを検出し、エンジンオン時には給電を停止しない一方、エンジンオフ時には給電を停止する構成とすると良い。
この構成によれば、エンジンによる車載バッテリの充電時にのみ充電を行うことで、車載バッテリの容量が過度に低下することを防止できる。例えば、複数の給電コネクタを設けた場合に、そのうちの少なくとも一つを制御部からの指令によりエンジン停止時にはオフとすることで、大容量の充電を必要とする外部機器は、エンジンによる車載バッテリの充電時にのみ充電を行うことで、車載バッテリの容量が過度に低下することを防止できる。
(8)前記制御部が、車両からの信号に基づいてバッテリ残量、エンジン回転数、アクセル開度の少なくとも一つを検出し、検出した値が所定値以下になった場合には給電を停止する機能を備えると良い。
例えば、制御部がバッテリ残量を検出し、車両のバッテリ残量が所定値以下、例えばエンジン始動を数回行える程度以下になった場合には、給電を停止すると良い。その他、アクセルの開度が所定以上の場合、エンジン回転数が所定以上の場合、速度が所定以上の場合などに給電コネクタに対する給電をオンにする機能を有することも良い。
【0027】
このようにすると、エンジン始動により車載バッテリに対して給電されている状態や、車載バッテリの容量が十分残っている状態にのみ外部機器の充電を行うことができるので、外部機器の充電によって車載バッテリの容量低下を防止することができる。
【0028】
(c-4)制御部による運転状況検出と給電制御等
(9)前記制御部は、車両から取得した車両の運転状況に応じて、複数の給電コネクタのオン・オフを制御する機能を備えると良い。
このようにすると、車両の運転状況に応じて、機器の動作をオン・オフさせることができる。例えば、運転者が自分で室内に設置した各種の外部機器のオン・オフを行う必要がなくなるように運転状況と複数の給電コネクタのオン・オフとの対応関係を設定できる構成とし、その設定に基づいて複数の給電コネクタのオン・オフを制御する構成とすれば、外部機器の操作性が格段に向上する。
例えば、制御部が車両のウインカー情報を取得し、右ウインカーを出したとき右側の給電コネクタへの給電をオンにし、左ウインカーを出したとき左側の給電コネクタへの給電をオンにすると良い。
また、車両の速度や衝撃(加速度変化)を取得して、それに応じて、カメラやビデオ、ドライブレコーダなどへの給電をオンにしたり、室内や室外の温度に応じてファンへの給電をオンにして動作させる機能を備えると良い。
【0029】
(c-5)(複数のコネクタを異なる態様での制御等)
(10)給電コネクタは複数備え、複数の給電コネクタへの給電制御を異なる態様とすると良い。
このようにすれば、それぞれの給電用コネクタに接続されたそれぞれの外部機器の動作を異なる態様とすることができる。例えば、複数の給電コネクタとして、常時給電が必要な外部機器用(例えば、バッテリ非搭載機器用)のコネクタと、常時給電が不要な外部機器用(例えば、バッテリ搭載機器用)のコネクタを設け、常時給電が必要な外部機器用のコネクタへの給電を優先して行う構成とすると良い。また、アダプタに車両のバッテリ残量を検出する制御部を設け、この制御部の検出結果に従い、車両のバッテリ残量が少ない場合に、常時給電が不要な外部機器用のコネクタへの給電を先に停止する構成とするとよい。
【0030】
(c-6)(給電の優先度による制御等)
(11)前記複数の給電コネクタが、常時給電が必要な外部機器用のコネクタと、常時給電までは不要な外部機器用のコネクタから構成され、前記制御部が、常時給電が必要な外部機器用のコネクタへの給電を優先して行う機能を備えると良い。
このようにすれば、常時給電が必要な機器を常時給電までは不要な機器よりも優先して動作させることができる。常時給電が必要な機器を、例えば、大きな電力を消費する機器や、長時間にわたってデータの通信や監視・待機が必要な機器、更には、緊急時に必ず充電されていることが要求される警告灯や防災ラジオなどとすると、これらに優先的に給電を行うことができるので特によい。常時給電までは不要な外部機器用のコネクタには、外部機器として、例えば、バッテリ等を有し給電がなされないときにはバッテリで動作する機器を接続すると良い。
【0031】
(d-1)(ハブ機能等)
(12)複数の給電コネクタを備え、これら複数の給電コネクタの少なくとも1つが、バ
ッテリからの電力に加えて、制御信号の通信路を有するコネクタであって、前記複数の給電コネクタの1つをホスト機器の接続用コネクタとし、他のコネクタを周辺機器の接続用コネクタとすると良い。
【0032】
このようにすれば、ホスト機器の接続用コネクタに接続されたホスト機器から他のコネクタに接続された周辺機器を利用することができる。特にアダプタに設けられた複数の給電コネクタをネットワーク化するとよい。このようにすれば、複数の給電コネクタに接続された様々な外部機器間でデータを交換することができる。また、各外部機器が取得したデータを利用して、それぞれの給電コネクタの給電停止を制御する構成とするとよい。また、ホスト機器から他のコネクタに接続された周辺機器を利用するため、ハブ機能を備えるとよい。
【0033】
(d-2)ホストが周辺機器への給電制御
(13)前記アダプタに、前記ホスト機器接続用コネクタからの情報を受信して、周辺機器接続用コネクタに対する給電を制御する制御部が設けられていると良い。
給電コネクタとして、車載バッテリからの電力に加えて、制御信号の通信路を有するコネクタを使用した場合に、給電コネクタの1つをホスト機器の接続用コネクタとし、他のコネクタを周辺機器の接続用コネクタとすることができる。この場合、ホスト機器から他の給電コネクタへ接続した周辺機器へアクセス可能とする。また、ホスト機器からの信号に基づいて、各給電コネクタ等への電力供給を制御するようにするとよい。。
【0034】
このような構成によれば、アダプタを複数の外部機器のハブとして使用することが可能になり、外部機器間のデータ交換の手段として使用することが可能になる。特に、車両内でパソコン、スマートホン、デジカメなどの複数の電子機器を使用し、その間でファイルの交換などを行う場合に専用のハブを設けることなく、本発明のアダプタを使用できるので便利である。また、特にアダプタに接続したスマートホンやパソコンなどの外部機器から各給電コネクタの給電を制御するようにするとよく、特にユーザの希望に応じた優先順位で複数の外部機器に対する充電を行う設定を行う構成とするとよい。
【0035】
(e-1)(携帯端末による各種設定)
(14)前記アダプタが携帯端末との接続部と、アダプタに関する各種の設定を行う制御部と備え、前記接続部において携帯端末から受信した信号に基づいて、前記制御部がアダプタに関する各種の設定を行うと良い。
【0036】
(14-1)携帯端末の接続
例えば、アダプタがスマートホンなどの携帯端末と接続する無線通信部を備え、この無線通信部において受信した信号に基づいて、前記制御部がアダプタに関する各種の設定を行ったり、給電コネクタ及び/または受電コネクタの給電状態を制御したりすると良い。この場合、無線通信部としては、スマートホンなどの携帯端末に設けられたWiFi、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、RFIDなどの利用者に免許が不要な小電力無線接続手段を使用することができる。
【0037】
(14-2)携帯端末との有線接続
本発明において、携帯端末からアダプタの制御部を制御する手段としては、前記のような無線接続手段に限定されない。例えば、USBコネクタを備えたアダプタにおいては、USBケーブルを使用して、携帯端末とアダプタとを有線で接続し、携帯端末からアダプタの制御部に制御信号を送信することも可能である。この場合、アダプタに無線通信手段を設ける必要がなく、アダプタ自体が簡単な構造であるにもかかわらず、制御部に対して各種の設定を行える。
【0038】
(14-3)携帯端末からの条件設定
条件設定の例としては、次のようなものがある。
(1) 前記制御部が、携帯端末からの信号に従って、本アダプタを搭載している車両の車種設定を行うアダプタは複数の異なる車種に対応した構成とするとよく、この構成によりアダプタ自身がどの車種に接続されたかを認識できる。例えば、その車種に応じた情報を取得したり出力したり、給電コネクタへの給電を制御するために利用できる。
(2) 前記制御部が、携帯端末からの信号に従って、給電コネクタ及び/または受電コネクタの電流値を設定する。
(3) 前記制御部が、携帯端末からの信号に従って、車載バッテリから給電コネクタに対する電力供給を開始、停止する条件を設定する。例えば、車載用電子機器からの信号に基づいて、給電コネクタ条件を設定できるようにする。例えば、USBコネクタ1~nのn個のUSBコネクタを備える場合に、車両のライトのオンを検出したとき、例えば、USBコネクタ2の電源をオンにし、ライトをオフにしたときUSBコネクタ2の電源をオフにするといった携帯端末からの信号を受信した場合、この受信した内容に沿った制御を行う。
(4) 前記制御部が、携帯端末からの信号に従って、スマートホンからの制御として、車両と可搬型バッテリとの給電条件を設定する。例えば、給電条件として、車載バッテリからの給電が途絶えたとき、給電コネクタには5分間可搬型バッテリからの給電を行うなど、給電を開始する条件と給電を終了する条件とを設定しておき、この設定に基づいて給電の開始・終了を制御するとよい。
【0039】
(携帯端末による条件設定の効果)
車載用電子機器は、エンジン搭載車や電気自動車という駆動源、小型車・大型車・乗用車・貨物車などの種別、メーカーや販売店などによって種々に異なっており、それに伴い、外部機器に対する給電あるいは受電する最適な条件も異なる。そのため、種々の車載用電子機器に応じた適切な条件を予め設定しておくことは、多数種類のアダプタを用意しなければならず煩雑である。本発明によれば、アダプタのメーカーや販売者が、携帯端末を用いて各車両の車載用電子機器に応じた最適な条件をアダプタに設定することが可能となり、多種類のアダプタを用意する必要がなくなる。
【0040】
例えば、前記(1)~(4)に示すように、ユーザの車両の種別やその運転状況、あるいはアダプタに接続する外部機器の種類に応じて、外部機器に対する給電の条件をユーザが自由に設定することができるため、単に外部機器の内蔵バッテリを充電するだけでなく、様々な種類の外部機器を車両の状態や運転状況に応じて自動的にオン・オフ制御することが可能になる。
【0041】
(e-2)(携帯端末によるアダプタに対する設定)
(15)前記アダプタが携帯端末との接続部と、アダプタに関する各種の設定を行う制御部と備え、前記接続部において携帯端末から受信した信号に基づいて、前記制御部がアダプタに設けられた給電コネクタの電力供給を制御すると良い。
【0042】
例えば、アダプタの使用中において、前記携帯端末からアダプタの制御部に対して、給電コネクタや受電コネクタの給電あるいは受電状態の切替信号を送信するようにするとよい。このようにすれば、予め設定されている条件とは別の操作を携帯端末から行うことが可能になる。その結果、ユーザや車両が置かれた状況に対応して、その都度ユーザが任意にアダプタに接続された外部機器を制御することが可能になる。例えば、携帯端末側にアダプタの制御部を制御する制御プログラムを内蔵させておき、携帯端末が検出した時刻、位置、加速度、外気温、明るさ、室温などに応じて、携帯端末からアダプタの制御部に指令を送るようにするとよい。このようにすれば、車載用電子機器では検出不可能な情報に基づいてアダプタの各コネクタの制御を行える利点がある。
【0043】
(f)可搬型バッテリに対する給電と充電
(16)前記外部機器が、可搬型バッテリであって、前記アダプタが、アダプタから可搬型バッテリに対する給電コネクタと、可搬型バッテリからアダプタに対する給電コネクタとを備えていると良い。
本発明において、前記外部機器として、一般にモバイルバッテリと呼ばれる可搬型バッテリを使用することができる。すなわち、スマートホンや携帯電話、タブレット型端末、デジカメ、ビデオカメラなどのバッテリ内蔵機器の充電用として、モバイルバッテリと呼ばれる小型の可搬型バッテリが販売されている。このモバイルバッテリは、電子機器の内蔵バッテリの容量が低下した場合に、USBケーブルなどを利用して内蔵バッテリの充電を行うものである。本発明は、充電対象の外部機器として、この種のモバイルバッテリを使用することができる。
【0044】
アダプタに可搬型バッテリを接続するコネクタを設ける場合、そのコネクタをアダプタから可搬型バッテリに対する給電コネクタとする以外に、可搬型バッテリからアダプタに対する給電コネクタとするとよい。例えば、アダプタに給電コネクタが複数個設けられている場合において、給電コネクタの少なくとも1つを可搬型バッテリへの給電用とし、少なくとも1つを可搬型バッテリからの給電用とするとよい。一つの給電コネクタで、可搬型バッテリへの給電と、可搬型バッテリからの給電とを兼用することも可能である。
【0045】
そして、可搬型バッテリからの電力を、アダプタを介してアダプタに接続された各種機器、例えば、車載用電子機器やアダプタから給電を受ける他の外部機器に供給するとよい。。また、アダプタに切替スイッチを設けたり、アダプタに設けるコネクタの種類を変え、アダプタと可搬型バッテリとの給電方向を切り換えることができるようにるとよい。また、アダプタに特定の条件下で給電方向の切り替えを行う制御部を設けるとよい。
【0046】
(f-1)可搬型バッテリからの車両への給電
(17)車両に搭載したバッテリの電圧低下を判定する機能を備え、当該バッテリの電圧低下を検出した場合に、可搬型バッテリから車両側に給電する機能を備えると良い。このような構成によれば、アダプタを介して車両内の電気配線に電力を供給することで、可搬型バッテリの電力を利用して、通常は車載バッテリからの電力供給を受けている室内灯などその他の電気機器の使用や、エンジンの始動、車載バッテリの充電などが可能となる。車両に搭載したバッテリの電圧低下を判定する機能は、受電コネクタから供給される電圧を監視して判定するようにするとよい。また制御部が車両のバッテリの状態に関する情報を取得して判定するようにしてもよい。
【0047】
(f-2)可搬型バッテリからの外部機器への給電
(18)前記制御部として、車両バッテリの容量低下時に、可搬型バッテリを接続したコネクタからの電力を、アダプタに設けられた他の給電コネクタに供給するように切り替える機能を有すると良い。その場合には、可搬型バッテリの電力を利用してアダプタに接続された外部機器の充電や使用が可能となる。
【0048】
(g)SDカードなどの記憶手段の装着
(19)データ通信路を有するコネクタを備えるとよい。例えば、SDカード、USBメモリ、その他記憶手段を装着するコネクタを設けると良い。このようにすると、データ通信路を有する給電コネクタに装着した外部機器に対して、記憶手段に格納したデータ等の読み書きが可能となり、SDカードスロットなどを持たない携帯端末やスマートホンなどに車内でデータを記録することが可能になる。
(20)本発明のアダプタは、車両に搭載された故障診断システムのポートからの出力信号の入力部と、前記入力部で受信した信号に基づいた信号を、外部機器または内部機器に
対して出力する出力部を備えると良い。
【0049】
このようにすれば、従来よりもユーザが希望する機能を容易に実現できる。例えば、各種の外部機器を接続することにより、アダプタ自体で持っている機能に加えて、外部機器の持つ各種の機能を発揮させることが可能になる。例えば、アダプタに画像や音声の出力手段を有する内部機器を設けたり、アダプタに画像や音声の出力手段を有する外部機器を接続すれば、故障診断システムからの情報を種々の態様でユーザに伝達することができる。例えば、レーダー探知機、ナビゲーション装置、ドライブレコーダなどのディスプレイを有する外部機器をアダプタに接続することで、故障診断システムからの情報をアダプタ単体では不可能であった様々な態様の画像や音声で表示することができ、ユーザが車両の状態を容易且つ確実に認識することが可能となる。前記入力部で受信した信号に基づいて出力部から出力する信号は、例えば、アダプタから入力した信号をそのまま出力すると良いし、アダプタ内部で加工した信号であると更に良い。
【0050】
特に、故障診断システムのポートに接続するアダプタに対して、着脱可能に設けられ、1個あるいは複数のユニットを接続する構成とすると良い。同一ユニットを複数接続する構成とすると良い。が、特に異なる種類のユニットを複数接続する構成とすると良い。特に、ユーザの要望に応じた数量の各種の外部機器及び/または内部機器に対して、車両側コンピュータ(例えばECU等)からの情報を出力する構成とすると良い。このようにすれば、ユーザが希望する機能を容易に組み合わせて実現できる。
【0051】
(21)(アダプタがスピーカ及び/またはディスプレイを内蔵)前記内部機器が、アダプタに内蔵されたスピーカ、画像表示装置、警告灯の少なくとも1つとすると良い。
【0052】
このようにすれば、アダプタがスピーカや画像表示装置などを内蔵しているので、車両側から得られた音声情報や画像情報をアダプタから出力することができる。この点、分岐ハーネスなどを使用して単に車両側のポート数を増やすだけの技術に比較して、アダプタ単体で車両側の情報出力が可能となる利点がある。例えば、故障診断システムから得られた情報に基づいて、ユーザに警告音や音声案内、警告灯の点滅、文字や画像による案内をアダプタ単体で出力するとよい。例えば、内部機器をスピーカとした場合には、ユーザが目視し難い箇所にアダプタを配置した場合でも、故障診断システムからの情報に基づいて警告音や音声案内を出力することができる。
【0053】
(22)(外部機器の定義)前記外部機器が、音声出力機能と画像表示機能の少なくとも一方を備えた機器とすると良い。
【0054】
アダプタが故障診断システムから取得する情報として、例えば、車速、エンジン回転数、油温、水温、アクセル開度など各種のものとするとよい。これらの情報に基づいて、例えば、数値やグラフなどの画像や、警告音や音声案内など音声が生成する。アダプタに接続される外部機器が、音声出力機能と画像表示機能の少なくとも一方を備え、アダプタを経由して出力される情報をユーザにとって分かり易い形で提供するとよい。
【0055】
(23)(外部機器がナビゲーション装置など)前記外部機器が、ナビゲーション装置、レーダー探知機、ドライブレコーダの少なくとも1つとすると良い。
【0056】
特に、ユーザが既に所有しているナビゲーション装置、レーダー探知機、ドライブレコーダなどに備わっている画像及び音声出力機能を利用するようアダプタの制御部がこれらの装置等の制御部に情報を送るようにするとよい。このようにすれば、アダプタやアダプタに専用の画像及び音声出力装置を接続する必要がない。特に、こうした機器は、車両のユーザから見やすい箇所に設置されるものとするとよい。このようにすれば、アダプタを
経由して得られる車両からの情報を、ユーザが容易に確認できる。
【0057】
(24)(外部機器からの情報の取得)前記外部機器からの情報を受信する外部機器用入力部を備え、前記外部機器からの情報と故障診断システムからの情報に基づいて所定の音声案内及び/または画像表示を行う情報処理部を備えていると良い。
【0058】
このようにすれば、アダプタからの情報に限らず、外部機器からの情報をアダプタの接続された他の外部機器や内部機器に出力することができる。例えば、情報処理部において、ナビゲーション装置やレーダー探知機からの位置情報と故障診断システムからの速度やアクセル開度の情報とを比較することで、車両の進行方向にあるカーブや障害物が現在の運転状況から見て危険であるか否かの判断を行い、その結果を他の外部機器や内部機器に出力することができる。特に、このような機能は、分岐ハーネスを用いて単に車両側の出力ポートを増やしただけでは得られない有利なものである。
【0059】
(25)(アダプタに対する情報の出力)前記外部機器及び内部機器の少なくとも1つから受信した情報をアダプタに出力するアダプタ用出力部を備えていると良い。
【0060】
このようにすれば、外部機器や内部機器から取得した情報をアダプタに送信することができるので、例えば、アダプタに故障診断システムからの情報と外部機器や内部機器からの情報に基づいて、故障診断システムからの情報のみでは不可能であった各種の判断や操作を行わせる情報処理部を設けることにより、アダプタ側で各種の情報処理を行うことが可能になる。例えば、故障診断システムで得られる車両に関する情報と、外部機器によって取得した車両の周囲の状況や運転者に関する情報などとを総合的に判断することで、故障診断システムのみでは不可能であった種々の情報をユーザに提供することができる。例えば、外部機器や内部機器からの指令により、アダプタや故障診断システム自体に関する各種操作やパラメータの設定を行うことも可能となる。
【0061】
(26)(アダプタに情報処理部)前記アダプタ及び外部機器の少なくとも一方から受信した情報に基づいて、前記外部機器及び内部機器の少なくとも一方に対して出力する画像及び/または音声信号を生成する情報処理部を備えていると良い。
【0062】
このようにすれば、アダプタに情報処理部を設けることにより、アダプタや外部機器から入力する情報をそのまま出力するだけでなく、ユーザに分かり易い形に加工して出力することが可能となる。例えば、アダプタから入力された車速、エンジン回転数、各所の温度、バッテリ残量などの数値データをグラフや画像に変換して表示したり、入力された数値と予め設定された閾値とを比較することで警告音や音声案内を行うことができる。例えば、外部機器から受信した情報を加工したり、アダプタからの情報と比較することで、より多彩な情報をユーザにとって分かり易い形で外部機器や内部機器に出力できる。
【0063】
(27)(複数の外部機器を接続)外部機器に対する複数の信号出力部を備えていると良い。
【0064】
このようにすれば、複数の外部機器に対して出力する信号を、アダプタに設けられた信号出力部によって異なるものに加工することで、例えば、外部機器の種類や設置場所、故障診断システムからの信号の種類や大小に応じて、ユーザに最適な情報を最適な外部機器から出力することができる。例えば、故障診断システムから得られる信号の警告度合いに応じて、各外部機器から出力する音声信号の音量を変化させたり、表示する画像の内容を異ならせることができる。例えば、緊急度の高い情報については、ユーザにとって最も見やすい位置に設けたナビゲーション装置に表示させ、通常のエンジン回転数や水温・油温表示などはナビゲーション装置に比較して表示画面の小さなレーダー探知機に表示させる
など、情報処理部と複数の外部機器との組み合わせで、種々のパターンの表示や音声案内などを行うことができる。
【0065】
(28)(ハブアダプタ)前記複数の入力部と出力部の1組をホストとなる外部機器の接続部とし、他の入力部と出力部を周辺機器となる外部機器の接続部とすると良い。
【0066】
このようにすれば、例えば、アダプタを複数の外部機器のハブとして使用することが可能になり、故障診断システムからの情報を各種の外部機器に配信することができる。例えば、外部機器間のデータをアダプタを経由して交換することが可能になる。すなわち、車両内でパソコン、スマートホン、デジカメなどの複数の電子機器を使用し、その間でファイルの交換などを行う場合に専用のハブを設けることなく、このアダプタを使用できるので便利である。例えば、アダプタに接続したスマートホンやパソコンなどの入力機能を有する外部機器から、他の外部機器、アダプタあるいはアダプタの各種機能を制御することで、操作部を持たない外部機器などについてそのパラメータ設定や各種操作を簡単に実施できる。例えば、情報処理部を設けることで、ホストの外部機器で取得した情報を加工して周辺機器となる他の外部機器に送信できるため、例えば、スマートホンなどをホスト側の外部機器とし、スマートホンで取得した画像などを故障診断システム側からの信号に重ね合わせて、ナビゲーション装置などの他の外部機器に表示させると良い。
【0067】
(29)(携帯端末…無線、有線を含む)前記外部機器が携帯端末であると良い。
【0068】
このようにすれば、例えば、スマートホンなどの携帯端末を使用することにより、アダプタが車両から取得したデータを、予めスマートホン用に提供されたアプリケーションを使用してスマートホンの画面に表示することができる。例えば、携帯端末を接続したアダプタと他の機能を有するアダプタを組み合わせて装着することで、他の機能を有するアダプタに接続されている外部機器のプログラムやデータを携帯端末側から更新することができる。例えば、レーダーなどの外部機器へ最新の取り締まり情報を、パソコンやスマートホンを用いてアップデートすることが可能となる。
【0069】
(30)(Bluetoothアダプタ)前記携帯端末と無線通信により接続されると良い。
スマートホンやタブレットパソコンなどの携帯端末は、USBケーブルによる有線通信機能に加えて、Bluetoothなどの無線通信機能を有しているものが多い。そのような携帯端末においては、アダプタと携帯端末間を無線通信により接続することで、ケーブルなどの接続手段を用意することなく、データの授受を簡単に行うことができる。例えば、すべてのユニットと携帯端末とを無線通信で接続すると良い。アダプタにユニットを接続する場合、必ず末端ユニットを接続するように構成した場合には、末端ユニットにのみ無線通信機能を設けると良い。
【0070】
(31)(ロギングアダプタ)車載用のコンピュータ、外部機器及び内部機器の少なくとも1つから受信した情報の記録部を備えると良い。
【0071】
このようにすれば、走行中に車両から収集した情報やGPSから収集した位置情報を、アダプタやそれに接続するユニットに設けたSDカードなどの記憶媒体へ書き込むことで、安全運転や運行管理に役立てられる情報をログとして収集することが可能となる。記憶媒体へ収集した情報は、パソコンや携帯端末などで専用のアプリケーションを使用して、運行情報や運行軌跡、運転の癖などを分析して、安全運転などに役立てることができる。例えば、アダプタにユニットを接続する場合、すべてのユニットに記録部を設けても良いが、必ず末端ユニットを接続するように構成した場合には、末端ユニットにのみ記録部を設けると良い。
【0072】
(32)(TPMS(Tire Pressure Monitoring System)アダプタ)前記外部機器が、車両のタイヤに装着された空気圧検出装置であって、前記空気圧検出装置とアダプタが無線通信により接続され、前記情報処理部が、空気圧検出装置からの情報に基づいて、アダプタに接続された他の外部機器及び内部機器の少なくとも一方から、画像表示及び音声出力の少なくとも一方を出力すると良い。
【0073】
このようにすれば、例えば、タイヤの空気圧の状態をグラフとして表示したり、車両の外形図とタイヤの位置及びその空気圧を重ね合わせて表示したり、異常時には音声や警告音を出力するなど、タイヤの空気圧を種々の状態で表示することが可能となる。特に、アダプタに複数の外部機器を接続した場合には、タイヤの空気圧を外部機器の種類に応じて異なる態様で表示させることが可能になり、ユーザの視認性や音声案内機能をより向上できる。
【0074】
(33)(ミリ波レーダー受信アダプタ)前記外部機器が障害物探知レーダー装置であり、前記情報処理部が、前記障害物探知レーダー装置からの情報とアダプタからの情報に基づいて、アダプタに接続された他の外部機器及び内部機器の少なくとも一方に外部機器の制御指令、警告音、音声案内の少なくとも1つを出力すると良い。
【0075】
このようにすれば、障害物探知レーダー装置は、例えば、ミリ波レーダーを使用して100m程度の範囲の状況を探知するものであるため、前方の障害物までの距離を測定したり、前方の障害物に対する速度を測定することができる。例えば、ミリ波レーダーから取得した情報とアダプタが車両から取得した情報を基に、車間不保持警告などをアダプタに接続した他の外部機器から出力することにより、危険回避の為のアシストを行い、衝突事故などの防止に役立てることができる。例えば、車両の左右にも障害物探知レーダー装置を付け、車両走行中に進路変更のためにターンシグナルを出した時に、故障診断システムからアダプタ経由でこのターンシグナルを検出し、アダプタの制御装置で障害物探知レーダー装置からの情報と故障診断システムからの情報を比較することで、進路変更する側の車両側面に他の車がいた場合、警告音を送出して危険を知らせることができる。
【0076】
(34)(アダプタに増設用のユニットを接続)前記アダプタに増設用のユニットを固定する装着部を備えていると良い。また、各ユニットには、他のユニットを固定する装着部を備えていると良い。
【0077】
このようにすれば、ユーザが希望する外部機器の種類に合わせて異なるユニットをアダプタを接続することで、多種類の外部機器を接続することが可能になる。例えば、複数のユニットの1つは、アダプタに固定する装着部のみを有する末端ユニットとして、複数のユニットをアダプタに接続した後、最後に末端ユニットを接続すると良い。このようにすると、最後に接続したユニットの一部に、他のユニットを接続する装着部が露出することがないので、防塵効果が得られると共に体裁も良い。例えば、他のユニットを接続する装着部がない末端ユニットは、その表面に他の機器を設置するスペースを広く確保できるので、内部機器としてユニット表面全体を覆うような大型のスピーカを用いることができ、出力音声の品質を向上させることができる。
【0078】
(35)(アダプタとユニットの積み重ね)前記アダプタとユニットが、複数段に重ね合わされた状態で固定されていると良い。このようにすれば、アダプタとそれに接続された複数のユニットとが1つのブロック状の外観を呈するため、多数の機能を持ちながら全体がコンパクトに一体化された状態で、車両内部へ違和感がなく配置することができる。
【0079】
(36)(アダプタに多数のユニットを併設)前記アダプタが複数のユニット装着部を隣接して設けたものであり、アダプタ上で複数のユニットが隣接して配置されると良い。
【0080】
このようにすれば、複数のユニットを積み重ねることなく、1つのアダプタに複数のユニットを小さな面積で配置することができる。例えば、各ユニットと外部機器とを無線通信によって接続する構成とすれば、ユニットと外部機器の接続用のコネクタなども不要となり、チップ状やカード状に小型化されたユニットを使用することが可能になる。例えば、アダプタに設けるユニット装着部をUSBポートとすれば、規格化された接続構造を使用して、複数のユニットを1つのアダプタに装着できる。
【0081】
例えば、アダプタに比較して小型の同一形状(アダプタに装着した場合に幅や高さが同じになる形状)のユニットを、アダプタの一側面に複数個(特に、数個から10数個)、並べて配置することで、多様な機能を有する外部機器や内部機器を持つ複数のユニットを、アダプタに対してコンパクトに接続することが可能になる。特に、隙間なく 並べて配置すると良い。このようにすれば、車室内のようにホコリの発生しやすい場所でホコリが隙間に入り込んで汚れが目立ってしまうという問題を解決できる。
【0082】
(37)(ネットワーク接続)前記ユニットは、前記故障診断システムが車両内に設けられたネットワークによって車両内に配置された複数のセンサと接続されたものであり、前記アダプタがこのネットワークに対して接続されたものであり、前記アダプタを経由して前記ネットワークに接続されたローカルネットワークを備え、このローカルネットワークに対して、前記ユニット、外部機器及び/または内部機器が接続されていると良い。
【0083】
このようにすれば、故障診断システムは、例えばCANネットワークと呼ばれる車両内部のネットワークによって車両側の各種センサと接続されて、故障診断の基になるデータを収集している。例えば、車両内のこの種のネットワークに、アダプタに設けたローカルネットワークを接続し、そのローカルネットワークを経由して外部機器との間で情報の授受を行うことにより、故障診断システムからの情報や、各外部機器からの情報をリアルタイムで、ネットワークに接続されたアダプタ、故障診断システム、ユニット、外部機器、内部機器などに配信することができる。
【0084】
すなわち、アダプタとユニット間をシリアル通信により接続した場合に比較して、複数の外部機器がローカルネットワークに接続されていることから、各ユニットは他のユニットと同時にアダプタや他の外部機器からの情報を受信することが可能になる。その結果、多数のユニットを組み合わせたり、多数の外部機器を接続した場合でも、各社の機器をシリアル接続した場合や各外部機器を直接車両内のCAN等のネットワークに接続した場合に比較して、情報の遅延が生じることがない。例えば、高速で運転中の車両には、外部機器や故障診断システムで収集した情報に基づいて瞬時に警告を発したり、回避動作を行わせる必要があるが、このような迅速な対応が要求されるシステムにも本発明を適用することができる。
【0085】
(38)(アダプタとユニットが無線接続)前記ユニットは、アダプタに対して無線接続されていると良い。
【0086】
このようにすれば、アダプタとユニットとが無線接続されているので、ユニットとアダプタとを接続するための装着部や、信号授受のためのコネクタなどが不要となり、アダプタ及びユニットの小型化を図ることができる。例えば、1つのケース内に、スピーカやSDカードの記録部など複数の内部機器と、外部機器及びアダプタとの接続用の無線装置を設けることで、小型化された1つのユニットで多機能を実現できる。例えば、このようなユニットは、その設置箇所にも制限がなくなるので、アダプタから離れた位置やユーザが操作しやすい位置にユニットを配置することができる。
【0087】
(39)前記ユニットには、アダプタを経由して供給された車両側の電力を、外部機器に対して充電用の電力として供給する給電コネクタを設けると良い。
【0088】
このようにすれば、例えば、スマートホンやパソコンなどを車両側のバッテリを利用して充電できる。例えば、故障診断システムのポートはバッテリから常時給電されており、この電力をアダプタを介してユニットに接続された外部機器に供給するとで、車両のアクセサリスイッチのオフ時においても、外部機器の充電を行うことができる。
【0089】
(40)(ユニットに外部機器からの受電コネクタ)前記ユニットには、前記外部機器がモバイルバッテリであり、このモバイルバッテリからの電力を車両側及び/または他の外部機器に供給するための受電コネクタを設けると良い。
【0090】
このようにすれば、モバイルバッテリからの電力を他の外部機器や車両側に供給することで、例えば、車両のアクセサリスイッチのオフ時において他の外部機器の充電や使用を可能としたり、車載バッテリの容量不足時にモバイルバッテリの電力を車両側に供給して、車両側の各種機器を使用することが可能になる。
【0091】
上述した(1)から(40)のうち少なくともいずれか2つを組みわせて構成するとよい。特に(1)の構成を前提として(2)から(40)のうちの少なくともいずれか1とを組み合わせて構成するとよい。また(1)から(40)のなかに記載の構成要素を選択して組み合わせてもよい。
(A)車両に後付される機器に対して、車両に備えた故障診断用コネクタから電源を供給する装置であって、
前記故障診断用コネクタを介して車両の車内ネットワークに接続する機能と、
車両のオン状態を検出する機能と、
前記車両のオン状態のときに、前記車内ネットワークにから取得したデータに基づく信号を前記機器に対して送信する機能を備え、
前記車両のオン状態でないときに、前記機器に対して電源を供給する機能を備えるとよい。
【0092】
このようにすれば、車両に後付される機器は、故障診断コネクタから簡便に電源の供給を受けることができるとともに、例えばシガーソケットを塞ぐことなく電源の供給を受けることができ、また車両のオン状態のときには車両の車内ネットワークからの情報を受信することができ、車両のオン状態でないときにも電源の供給を受けることができる。
【0093】
車両に後付される機器としては、種々の機器とすることができるが、例えばドライブレコーダとすると特によい。
接続する車内ネットワークとしては、例えばCANやK-line等とするとよい。
故障診断用コネクタとしては例えばOBDIIコネクタとすると特によい。特に車室内に設置されたコネクタとするとユーザが容易に接続できてよい。
【0094】
(B)前記車両のオン状態のときに、前記機器に対して電源を供給する機能を備え、
前記機器に対して、前記車両がオン状態であるかオン状態でない(オフ状態)かを通知する機能を備えるとよい。
【0095】
このようにすれば、車両に後付される機器は、簡便に電源の供給を受けることができるとともに、車両がオン状態であるかオフ状態であるかを知ることができる。特に電源を供給する線と前記車両がオン状態であるかオン状態でないかを通知するための信号線は同一の被覆に覆われた1つのケーブルとするとよい。このようにすれば1本のケーブルを配線するだけで、電源の供給と車両がオン状態であるか否かの信号とを受けることができ、車内
での後付の機器に対する配線の取り回しが極めてスマートかつ容易になる。
【0096】
(C)前記機器は前記車両がオン状態であるかオン状態でない(オフ状態)かを通知する機能によって当該機器の動作を変更する機能を備えるとよい。
例えば機器がドライブレコーダであるとき、車両がオン状態であれば常時録画モード、車両がオン状態でなければ駐車監視モードとして、両モード間で録画のパラメータを切り替える処理をするとよい。
【0097】
(D)前記装置は前記車両のオン状態でないときに、前記機器に対して前記車内ネットワークから取得したデータに基づく信号を送信しない機能を備えるとよい。
このようにすれば、機器は、車両がオン状態であるか否かを車内ネットワークから取得したデータに基づく信号の送信があるか否かによって判断することが容易にできる。
【0098】
(E)前記装置は前記車両のオン状態でないときに、前記車内ネットワークに信号を送信しない機能を備えるとよい。
このようにすれば、車両がオン状態でないときに、例えば車内ネットワークに接続された車両を制御するための車載コンピュータがスリープ状態やオフ状態にあるものを、起動状態やオン状態としてしまう可能性を低減することができる。これらの車載コンピュータは車内ネットワークに信号が流れることを契機としてスリープ状態やオフ状態から起動状態やオン状態に遷移する可能性があるためである。
【0099】
(F)前記車両のオン状態として、車両のバッテリに対して車両が充電を行う状態とするとよい。前記車両のオン状態として、エンジンオン状態を備えるとよい。
(G)前記車両のオン状態でないときは車両のシガーソケットに対して電源が供給されていないときとするとよい。
(H)前記機器に対してオフ状態となった旨の信号を送信する機能を備え、前記機器が当該オフ状態となった旨の信号に基づく処理を行うとよい。
(I)前記機器はドライブレコーダであって、前記オフ状態となった旨の信号を受信したことに基づいて映像の記録モードを切り替えるとよい。
【0100】
(J)前記映像の記録モードの切り替えは車両オン状態における録画モード(例えば常時録画モード)から車両オフ状態における録画モード(例えば駐車監視録画モード)への切り替えとするとよい。
駐車監視録画モードは例えば常時録画モードよりも記録する撮影した映像のビットレートを落とした映像とするとよい。例えば映像のフレームレートを落としたり、解像度を落としたり、圧縮率を高めたり、これらの少なくともいずれか1つを行うようにするとよい。
【0101】
(K)前記車両のオン状態でない場合には、前記機器に対する電源の供給を停止する機能を備え、
センサを備え、前記センサの信号に基づいて前記車両のオン状態でない場合であっても前記機器に対する電源の供給を開始する機能を備えるとよい。
車両に後付される機器に対して車両のオフ状態で故障診断コネクタからの電源に基づいて電源の供給を続けると車両のバッテリが当該機器への電源供給によって上がってしまう心配があるが、このようにセンサの信号に基づいて電源の供給を行うようにすれば、このような心配を軽減することができる。また車両のバッテリへの負荷を軽減できる。
【0102】
センサは、車両に対する人の接近、車両の揺れ、車両付近の音の少なくともいずれか1つを検知するセンサとするとよい。そして、例えば、人の接近があった場合、車両の揺れが所定の状態に相当する場合、車両付近の音が所定の状態に相当する場合の少なくともい
ずれか1つの場合に、前記機器に対する電源の供給を再開するとよい。これらの所定の状態としては、盗賊等による人為的な揺れや音に相当する状態とするとよい。
【0103】
車両のオン状態でないときに前記機器に対して給電を行うか否かを前記機器から前記装置への信号に基づいて設定し、当該装置は当該設定に基づいて前記車両のオン状態でないときの前記機器に対する給電のオン・オフを制御するようにするとよい。例えば、この機能によって車両のオン状態でないときに前記機器に対して給電を行わない設定となっているときであっても(K)のようにセンサを備え、前記センサの信号に基づいて前記車両のオン状態でない場合であっても前記機器に対する電源の供給を開始する機能を備えるとよい。
【0104】
(L)前記センサは、加速度センサとするとよい。そして、加速度センサから取得した加速度が所定の状態となった場合に、前記車両のオン状態でない場合であっても前記機器に対する電源の供給を再開するとよい。所定の状態としては、盗賊など、人による車両に対する加速度の付加に相当する状態とするとよい。例えば所定値以上の加速度が発生した場合とするとよい。
(M)前記センサは前記車両に備えた故障診断用コネクタに嵌め合うコネクタを備えた筐体内に備えるとよい。このようにすれば、故障診断コネクタからセンサへの配線等の露出をなくすことができ、スマートかつ容易に装置や機器を設置することができる。
【0105】
(N)前記機器の当該装置からの電源供給を制御するための信号を受け、当該信号に基づき前記機器への当該装置からの電源の供給を制御する機能を備えるとよい。
前記機器の当該装置からの電源供給を制御するための信号としては、当該機器への前記装置からの電源供給のオフまたはオンの少なくともいずれか1つを備えるとよい。電源供給のオフまたは電源のオンは当該信号を受けたときにすぐに行うようにしてもよいが、所定時間後に行うようにしてもよい。所定時間は前記機器から装置に対して指示する信号を送り当該装置が当該信号に基づいて当該所定時間後に行うようにするとよい。また例えば電源供給を行う時間に関する信号を前記機器から前記装置に送り、前記装置は当該信号を受けて当該時間の間、前記機器に対して電源供給を行った後、当該機器への電源供給を停止するようにしてもよい。
【0106】
(O)前記機器は通信機能を備え、前記機器は前記車両のオン状態でないときに、前記通信機能による通信を行う機能を備え、当該通信の終了後に前記装置に対して、当該機器への電源の供給を停止するための信号を送信し、当該信号を受けた前記装置は前記機器への電源の供給を停止する機能を備えるとよい。
特に、前記機器はドライブレコーダであって、前記車両がオンの状態において、撮影した映像のデータを前記通信機能で送信するとともに、送信できなかった映像のデータを記録する機能を備え、前記車両がオンでない状態において前記記録しておいた送信できなかった映像のデータを前記通信機能で送信する機能を備え、当該通信の終了後に前記装置に対して、当該機器への電源の供給を停止するための信号を送信し、当該信号を受けた前記装置は前記機器への電源の供給を停止する機能を備えるとよい。
【0107】
(P)前記車両に備えた故障診断コネクタからの電源が所定の状態になったら前記機器に対する電源供給を停止する機能を備えるとよい。このようにすれば、
(Q)前記機器はドライブレコーダであって、電源の供給があった場合に自動的に録画を開始する機能を備えるとよい。このようにすればカーセキュリティの機能を一般的なドライブレコーダで実現することが容易にできる。
【0108】
(R)装置の構成としては特に(A)から(Q)のうち少なくともいずれか2つを組みわせて構成するとよい。特に(A)の構成を前提として(B)から(R)のうちの少なくと
もいずれか1とを組み合わせて構成するとよい。また(A)から(Q)のなかに記載の構成要素を選択して組み合わせてもよい。また(1)から(40)の少なくともいずれか一つと(A)から(Q)の少なくとも1つを組み合わせて構成してもよい。また(1)から(40)のなかに記載の構成要素の少なくともいずれか一つと(a)から(r)のなかに記載の構成要素の少なくとも1つを組み合わせて構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【
図5】第2実施形態において、通信機能を有するUSBコネクタにより外部機器を接続した状態を示す斜視図。
【
図6】第2実施形態において、小電力無線により外部機器を接続した状態の斜視図。
【
図7】第2実施形態において、可搬型バッテリを接続した状態を示す斜視図。
【
図8】第2実施形態において、アダプタに複数のUSBコネクタを設けた例を示す斜視図。
【
図9】第2実施形態において、アダプタにSDカードのスロットを設けた例を示す斜視図。
【
図24】第12実施形態におけるアダプタとユニットの一例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0110】
[1.第1実施形態](給電機能を有するアダプタ)
以下、本発明の第1実施形態を
図1に従って具体的に説明する。
図1に示す通り、本実施形態のアダプタ1は、箱型をした筐体に設けられた3つの給電コネクタと、1つの受電コネクタを有する。
【0111】
本実施形態では、給電コネクタとして、アダプタ1の一側面にUSBコネクタ2と、ミニUSBコネクタ3と、シガーソケット4が設けられている。USBコネクタ2には、アダプタ1と外部機器10とを接続するUSBケーブルの端部に設けられたオス形のUSBプラグ20が挿入され、ミニUSBコネクタ3には同様にUSBケーブルの端部に設けられたオス形のUSBプラグ30が挿入される。
【0112】
USBコネクタ2とミニUSBコネクタ3とでは、USBコネクタ2を2A、ミニUSBコネクタ3を1Aというように、給電電流の容量が異なる。USBコネクタには、専ら電子機器の充電に使用される給電のみを行うもの(給電型USBコネクタという)と、給電と情報伝達のための信号線の接続も兼ねた(通信型USBコネクタという)ものとがあり、両方のコネクタを使用可能であるが、本実施形態のUSBコネクタ2とミニUSBコネクタ3は、専ら電子機器の充電に使用される給電のみを行うものが構成が単純で良い。シガーソケット4の供給電流の容量も、USBコネクタ2,3と異なる値、具体的には5Aに設定されている。
【0113】
受電コネクタ5は、箱型をしたアダプタ1の給電コネクタとは別の面に設けられ、運転席近傍の車室内に設けられたOBDII規格の故障診断システムの出力ポートのコネクタ50に対して接離可能に接続される。コネクタ50は、具体的には、車両の運転席側のダッシュボートの下部に設けられたポケット内部に、ヒューズボックスなどと共に配置され、そのポケットの開口部が車室内から開閉自在のカバーによって覆われている。故障診断システムの出力ポートには、車両のACCのオフ時においても、故障診断機を接続して故障診断を行えるように車両側から常時給電されているため、そこに設けられたコネクタ50に対しても車両側から常時給電されている。
【0114】
アダプタ1には、外部機器10がケーブル12を介して接続されている。本実施形態において、この外部機器10は液晶ディスプレイを備えたレーダー探知機であり、アダプタ1はこのレーダー探知機にバッテリからの電力を供給すると共に、故障診断ポートのコネクタ50から供給された車両に関するデータを、その液晶ディスプレイに表示する。
【0115】
[1-2.第1実施形態の効果]
本実施形態よれば、アダプタに設けられたUSBコネクタ2と、ミニUSBコネクタ3と、シガーソケット4に対して、車両の常時給電型コネクタ5を介して故障診断ポートのコネクタ50から常時電力が供給されるので、車両の走行状態やACCの開閉状態依存することなく、外部機器に対する充電を常時行うことが可能になる。特に、ユーザがACCをオフとして車両を離れる場合であっても外部機器のバッテリを充電できる利点がある。
【0116】
給電コネクタとして、USBコネクタ2とミニUSBコネクタ3を設けたので、スマートホンや携帯電話、タブレット型端末、デジカメ、ビデオカメラ、その他小型家電など、USBコネクタ充電機能を備えた広汎な種類の外部機器の使用や充電が可能になる。USBコネクタ2,3とシガーソケット4を設けので、スマートホンなどのUSBコネクタを備えた機器と、車載用として広く販売されているシガーソケット対応の車載機器の双方を利用できる。USBコネクタ2とミニUSBコネクタ3、シガーソケット4の給電の電流値を異ならせたので、例えば、急速充電と通常充電を併用でき、車両のバッテリへの負荷の問題と充電速度の問題との両立を図ることができる。
【0117】
アダプタ1に、給電コネクタに加えて、液晶ディスプレイを有するレーダー探知機10を接続したので、ACCのオフ時における各種外部機器の使用や充電が可能になるだけでなく、レーダー探知機の液晶ディスプレイに故障診断ポートからの情報を表示させることが可能になる。その結果、ユーザが車両の状態を容易に把握することができ、安全性の向上、車両故障や異常の早期発見、故障診断などに寄与することができる。
【0118】
USBコネクタ2とミニUSBコネクタ3、シガーソケット4などの給電コネクタと、受電コネクタ5とをケースと一体化したので、アダプタ全体の小型化を図ることができる。
【0119】
[1-3.第1実施形態の変形例1]
第1実施形態において、
図2に示すように、給電コネクタであるUSBコネクタ2とミニUSBコネクタ3とシガーソケット4をアダプタ1に対してケーブル12を用いてアダプタ1に対して接続しても良いし、受電コネクタ5をアダプタ1に対してケーブル12を用いて接続しても良い。この変形例によれば、給電コネクタと受電コネクタ5とをアダプタに対してケーブル12によって接続した場合には、故障診断システムの出力ポートから離れた位置に給電コネクタや受電コネクタを設置することができ、外部機器を運転席や助手席の近くで充電できる。
【0120】
[1-3.第1実施形態の変形例2]
第1実施形態において、
図3に示すように、アダプタ1は、スピーカ1a、液晶ディスプレイなどの画像表示装置1b及びLEDなどの警告灯1cを備えている。これにより、故障診断システムからの情報を従来のアダプタ単体では不可能であった様々な態様の画像や音声で表示することができ、ユーザが車両の状態を容易且つ確実に認識することが可能となる。この場合、スピーカ1a、液晶ディスプレイなどの画像表示装置1b及びLEDなどの警告灯1cから出力する情報は、アダプタが車両から受信した信号をそのまま出力するものが良い。アダプタ内部で加工した信号でも良い。このようにすれば、アダプタ1がスピーカ1aや画像表示装置1bなどを内蔵しているので、車両側から得られた音声情報や画像情報をアダプタから出力することができる。この点、分岐ハーネスなどを使用して単に車両側のポート数を増やすだけの技術に比較して、アダプタ単体で車両側の情報出力が可能となる利点がある。例えば、故障診断システムから得られた情報に基づいて、ユーザに警告音や音声案内、警告灯の点滅、文字や画像による案内をアダプタ単体で出力することができる。例えば、内部機器をスピーカとした場合には、ユーザが目視し難い箇所にアダプタを配置した場合でも、故障診断システムからの情報に基づいて警告音や音声案内を出力することができる。
【0121】
[2.第2実施形態](給電機能と制御機能を有するアダプタ)
[2-1.第2実施形態の構成]
図4は、本発明の第2実施形態を示すブロック回路図である。本実施形態は、アダプタ1に制御部11を設けて、給電コネクタに対する給電の制御を実施するものである。この制御部11は、給電コネクタ(具体的には、USBコネクタ2、ミニUSBコネクタ3、シガーソケット4)に対する電力供給を制御する制御用マイコン111を備えている。本実施形態のアダプタにおける各機能は、制御用マイコン111が実行するプログラムとして制御部11のEEPROM上に格納され、制御用マイコン111が実行することで実現する。
【0122】
制御用マイコン111の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、車両からの情報を取得して車両の種別や状態を判別する機能(c-1,c-2,c-3)、設定された給電条件と車両の種別や状態とを比較して各給電コネクタに対する給電のオン・オフを制御する機能(c-4,c-5,c-6)、アダプタに接続された複数の外部機器あるいは車両との情報の交換を行うハブ機能(d-1)、アダプタに接続されたホスト機器からの指令でアダプタに接続された他の外部機器に対する操作を行うホスト処理機能(d-2)、携帯端末による各種設定機能(e-1,e-2)、アダプタに接続された可搬型バッテリの制御機能(f)、アダプタに接続された外部機器に対する情報出力機能(g)などがある。
【0123】
(c-1)制御部11による車両状態の検出機能
制御部11による車両状態の検出機能を実現するため、制御用マイコン111には、車両側の情報を取得する各種の受信部が接続されている。すなわち、制御用マイコン111には、エンジンの始動・停止を検出するエンジン状態受信部112、車両内部に設置された電子機器からのアナログ信号を受信するアナログ信号検出部113、K-LINE通信
制御部114、及び車両内部に配線されたCAN(Controller Area Network)通信制御部115が接続されている。本実施形態では、これらの受信部は、アダプタ1に設けられた受電コネクタ5を介して、車両側に設けられたOBDII規格のコネクタ50に接続されている。
【0124】
エンジン状態受信部112は、エンジンの始動時や停止時に給電線5L上に現れるノイズや電圧値の変動パターンや大きさに基づいてエンジンの始動・停止を検出するもので、エンジン状態受信部112が特定のノイズや電圧値が現れたことを検出した場合に、制御用マイコン111は、その検出信号に基づき、エンジンの始動・停止を判断し、給電コネクタの一部または全部に対して、給電の開始または停止信号を出力する。本実施形態ではシガーソケット4については、エンジンの停止時には給電を停止し、USBコネクタ2及びミニUSBコネクタ3については、エンジンの停止充電であっても給電が維持されるように、制御用マイコン111が制御する。
【0125】
アナログ信号検出部113は、アナログLINE113Lに接続された車載用の音響機器や各種センサなどの各種機器が、その動作の状況に応じて出力する各種のアナログ信号(例えば、アナログ音声信号や温度センサからの出力信号)を検出し、その検出結果を制御用マイコン111に出力するものである。制御用マイコン111は、アナログ信号検出部113から入力した各種機器からの情報に基づいて、給電制御部119を制御する。
【0126】
K-LINE通信制御部114は、車両内部に設置されたセンサなどの各種機器に配線されたK-LINE114Lに接続されている。K-LINE114Lは、診断専用の低速バスであって、CANの普及する以前から診断用システムに使用されている。本実施形態のアダプタ1は、K-LINE114Lを備えた車両にも搭載可能なように、K-LINE通信制御部114がK-LINE114Lに接続された各種機器からの情報を取得し、制御用マイコン111に出力可能になっている。これにより、制御用マイコン111が、K-LINE114Lに接続された各機器からの情報に基づいて、給電制御部119を制御する。
【0127】
CAN通信制御部115は、車両内部に配線されたCAN115Nを経由して車両各部のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に接続されている。車両内部には、例えば、エンジン、ABS、ATなどのパワートレインECU、ドア、シート、エアコンなどのボディECU、カーナビ、オーディオ、ドライブレコーダなどのマルチメディアECU、速度センサ、油温・水温センサ、方向指示器などのメータ・スイッチ類ECUなど、多い車両では100ユニットものECUが設けられ、これらのECUがCAN115Nに接続されている。CAN115NにはOBDII規格の故障診断ポートのコネクタ50が設けられ、このコネクタ50に対してアダプタ1に設けられた受電コネクタ5が着脱自在に嵌め込まれる。
【0128】
制御用マイコン111は、エンジン状態受信部112、アナログ信号検出部113、K-LINE通信制御部114及びCAN通信制御部115から入力された信号に従い、給電制御部119に対して各給電コネクタへの給電の開始指令または停止指令を出力する。具体的には、制御用マイコン111は、アナログ信号検出部113、K-LINE通信制御部114及びCAN通信制御部115のいずれか若しくは複数に接続された次のような情報を検出する。
(1) バッテリ出力電圧
(2) バッテリ出力電流
(3) バッテリ充電状態
(4) 冷却水温度
(5) 室内温度
(6) 室外温度
(7) エンジン回転数
(8) アクセル開度
(9) 車種
(10) 車両に搭載した電子機器に関する情報
(11) ドア開閉
(12) ユーザ着座状態
【0129】
本実施形態では、アダプタ1に設けられた受電コネクタ5は、OBDII規格のコネクタであることから、例えば、受電コネクタ5は、各種の車両情報を0.5秒毎に取得できる。車両側から取得できる車両情報としては、例えば、速度、平均速度、最高速度、5秒速度、平均5秒速度、最高5秒速度、回転数、平均回転数、最高回転数、エンジン負荷、平均負荷、最大負荷、スロットル開度、平均スロットル開度、最大スロットル開度、点火時期、燃料レベル、インマニ圧、最大インマニ圧、MAF、INJ、冷却水温度、最高冷却水温度、吸気温度、最高吸気温度、外気温、最高外気温、残燃料、燃料流量、最大燃料流量、消費燃料、生涯消費燃料、瞬間燃費、今回燃費、最大今回燃費、生涯燃費、平均燃費、一般道平均燃費、高速道平均燃費、移動平均燃費、最大移動平均燃費、運転時間、走行時間、アイドル時間、アイドル比率、走行距離、生涯走行距離、0-20km/h加速時間、0-20km/h平均加速、0-20km/h最短加速、0-40km/h加速時間、0-40km/h平均加速、0-40km/h最短加速、0-60km/h加速時間、0-60km/h平均加速、0-60km/h最短加速、0-80km/h加速時間、0-80km/h平均加速、0-80km/h最短加速、0-20km/h走行時間、20-40km/h走行時間、40-60km/h走行時間、60-80km/h走行時間、80km/h以上走行時間、生涯エンジン走行距離、生涯エンジン走行比率等の車両データがある。本発明では、これらの情報の中から、アダプタを経由して外部機器に充電するための条件を適宜設定することが可能であるが、特に、前記(1) から(12) の情報は、車載バッテリに対する充電状態を左右することから、給電の開始及び停止の条件として適している。
【0130】
制御部11は、制御部11に入力された各種のデータを保存するデータベース116を備えている。データベース116は、制御部11のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(例えばNANDFlashメモリ)により実現できる。データベース116には、前記各機能を実現するため、OBDII規格の受電コネクタ5から得られた車両の状態に応じて各給電コネクタが給電のオン・オフを行う場合の閾値や条件などに関する情報が登録されている。これらの情報には、アダプタの出荷時に予めデータベース116に登録されるものと、その後にユーザによって追加あるいは更新されるものとがある。
【0131】
制御用マイコン111には、アダプタ1に接続される外部機器からの情報を取得するために、USBなどの有線通信部117、WiFi、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、RFIDなどの無線通信部118が接続されている。本実施形態のUSBコネクタ2とミニUSBコネクタ3は、給電と情報伝達のための信号線の接続も兼ねた通信型USBコネクタを使用することで、有線通信部117からの出力をUSBケーブルで出力できる。
図5は、スマートホン61をUSBコネクタ2にUSBケーブルを使用して接続し、アダプタからの給電を行うと共に、有線通信部117を経由してスマートホン61からの情報を制御用マイコン111で受信する状態を示す。
図6は、スマートホン61からの情報を無線通信部118を経由して制御用マイコン111で受信する状態を示す。
【0132】
制御部11には、制御用マイコン111からの指令に従って、各給電コネクタ2~4に対する給電の開始及び停止を行う給電制御部119が設けられている。この給電制御部1
19は、給電線5Lと各給電コネクタ2~4の間に設けられ、アダプタから外部機器への給電のオン・オフと、アダプタに可搬型バッテリを接続した場合には、可搬型バッテリからアダプタに対する給電のオン・オフを行う。
図7は、アダプタに可搬型バッテリ62を接続して、アダプタから可搬型バッテリ62を充電し状態、及び可搬型バッテリ62からアダプタを経由して車載用のバッテリやアダプタに接続された他の外部機器へ給電する状態を示す。
【0133】
(c-2)制御部による車種の判別機能
制御部11は、アダプタを装着した車両が所定量以上の大容量バッテリを搭載した車両か否かを判別する機能を備える。すなわち、制御用マイコン111は、K-LINE通信制御部114及び/またはCAN通信制御部115から車種や車載バッテリの容量などの情報を取得し、この情報とデータベース116に記憶された情報を比較して、アダプタを装着した車両が大容量バッテリ搭載車両でない場合には、給電を所定の時点で停止させる指令を給電制御部119に対して出力する。一方、大容量バッテリ搭載車両の場合には、給電制御部119に対して給電の停止指令を出力しない。
【0134】
このような構成によれば、エンジン搭載車(エンジンによる駆動を行い、モーターによる駆動を行わない車両)のような比較的小容量のバッテリを搭載した車両において、バッテリ上がりによるエンジン始動不可を防止できるとともに、電気自動車やハイブリッド車のような大容量のバッテリを備えた車両においては、機器への充電を優先して行うことができる。また、制御用マイコン111により車両の情報を取得して給電の可否を自動的に判別されるためユーザの手間がかからず使い勝手が良い。
【0135】
(c-3)車両の状態の検出機能
(ア)エンジンのオン・オフ機能
制御用マイコン111は、エンジン状態受信部112、アナログ信号検出部113、K-LINE通信制御部114、及びCAN通信制御部115のいずれかあるいはその組み合わせにより取得した車両側からの信号に基づいて、エンジンのオン・オフを検出する機能を有する。すなわち、制御用マイコン111は、各受信部から取得した情報と、データベース116に記憶されている情報、例えば、給電線5L上のノイズパターンとデータベース116に記憶されているパターンとを比較して、エンジンの始動または停止を判定する。制御用マイコン111は、この判定結果に従い、エンジンオン時には給電制御部119に対して給電の停止指令を出力せず、一方、エンジンオフ時には給電制御部119に対して給電の停止指令を出力する。
【0136】
この機能によれば、エンジンによる車載バッテリの充電時にのみ充電を行うことで、車載バッテリの容量が過度に低下することを防止できる。例えば、複数の給電コネクタを設けた場合に、そのうちの少なくとも一つを制御部からの指令によりエンジン停止時にはオフとすることで、大容量の充電を必要とする外部機器は、エンジンによる車載バッテリの充電時にのみ充電を行うことで、車載バッテリの容量が過度に低下することを防止できる。
【0137】
(イ)バッテリ残量、エンジン回転数、アクセル開度の検出機能
制御用マイコン111は、K-LINE通信制御部114及び/またはCAN通信制御部115により取得した車両からの信号に基づいて、バッテリ残量、エンジン回転数、アクセル開度の少なくとも一つの値を検出する。制御用マイコン111は、検出した値とデータベース116に予め記憶された閾値とを比較して、検出値が閾値以下になった場合には給電制御部119に対して給電を停止する。具体的には、制御用マイコン111は、検出した車両のバッテリ残量が閾値以下、例えばエンジン始動を数回行える程度以下になった場合には、給電を停止する指令を給電制御部119に出力する。制御用マイコン111
は、車両から受信したアクセルの開度が閾値以上の場合、エンジン回転数が閾値以上の場合、速度が閾値以上の場合のいずれかまたはその組み合わせに基づいて、給電コネクタに対する給電をオンにする。
【0138】
このようにすると、エンジン始動により車載バッテリに対して給電されている状態や、車載バッテリの容量が十分残っている状態にのみ外部機器の充電を行うことができるので、外部機器の充電によって車載バッテリの容量低下を防止することができる。
【0139】
(c-4)制御部による運転状況検出と給電制御機能
制御部11は、車両から取得した車両の運転状況に応じて、複数の給電コネクタのオン・オフを制御する機能を備える。すなわち、制御用マイコン111は、CAN通信制御部115から車両のウインカー情報を取得し、データベース116には、右ウインカーを出したとき右側の給電コネクタへの給電をオンにし、左ウインカーを出したとき左側の給電コネクタへの給電をオンにするとの情報を予め記憶させておく。これにより、制御用マイコン111は、車両のウインカー情報に基づいて左右の給電コネクタへの給電をオン・オフすることが可能になる。
【0140】
制御用マイコン111は、K-LINE通信制御部114及び/またはCAN通信制御部115により車両の速度や衝撃(加速度変化)を取得して、それに応じて、カメラやビデオ、ドライブレコーダなどを動作させたり、室内や室外の温度に応じてファンを動作させる機能を有する。すなわち、アダプタ1に、通信機能を有するUSBコネクタ2やミニUSBコネクタ3を設け、このUSBコネクタ2などにカメラやビデオ、ドライブレコーダを接続する。制御用マイコン111は、常時は、給電線5Lから電力をこれらの外部機器に供給して外部機器の内蔵バッテリの充電を行う。制御用マイコン111が車両から受信した速度や加速度情報がデータベース116に記憶された閾値を超えた場合には、USBコネクタ2やミニUSBコネクタ3に接続されたドライブレコーダなどに起動指令を出力して、録画を開始させる。
【0141】
通信機能を持たないUSBコネクタ2などを使用した場合には、ドライブレコーダなどの外部機器が制御用マイコン111の給電指令によって給電制御部119がUSBコネクタ2に給電を開始すると、外部機器の電源が投入され、録画を開始する。この場合、車両からの情報が閾値未満の場合には、制御用マイコン111は給電制御部119に給電指令を出力することがないため、給電コネクタに接続された外部機器に充電することはできないが、ドライブレコーダやアラウンドビューカメラ、バックカメラなど一般にバッテリを内蔵しない機器については、その電源投入を本実施形態のアダプタによって制御することが可能になる。同様に、制御用マイコン111が、CAN通信制御部115を経由して車両の室内や室外の温度を取得し、アダプタに対してファンの電源コードを接続しておけば、車両の状態に応じて自動的にファンを動作させることができる。
【0142】
本実施形態によれば、車両の運転状況に応じて、機器の動作をオン・オフさせることができる。例えば、運転者が自分で室内に設置した各種の外部機器のオン・オフを行う必要がなくなるように運転状況と複数の給電コネクタのオン・オフとの対応関係を設定できる構成とし、その設定に基づいて複数の給電コネクタのオン・オフを制御する構成とすれば、外部機器の操作性が格段に向上する。
【0143】
(c-5)複数のコネクタを異なる態様での制御機能
図8に示すように、本実施形態のアダプタ1には、複数のUSBコネクタ2a~2dが設けられている。制御用マイコン111は、これらのUSBコネクタ2a~2dに対して異なる給電制御を行う。制御用マイコン111は、例えば、USBコネクタ2a,2bについては常時給電が必要なバッテリ非搭載機器用のコネクタとして機能するように給電制
御部119に給電指令を出力し、USBコネクタ2c,2dについては常時給電が不要なバッテリ搭載機器用のコネクタとして機能するよう給電スイッチに給電指令を出力する。この制御用マイコン111の指令は、予めデータベース116に各USBコネクタ2a~2dの制御態様を記憶しておく。また、アダプタ1にスイッチを設けて運転者が自由に設定したり、スマートホンなどの外部機器からどのUSBコネクタ2a~2dを常時給電型とするかを運転者が設定する。
【0144】
アダプタ1に設ける複数の給電コネクタとしては、
図8のように同じ種類のものを使用する必要はなく、異なる種類の給電コネクタについて異なる制御を行うことができる。また、給電の態様も、常時給電の可否に限定されない。
図5のように異なる種類の給電コネクタを持つアダプタでは、USBコネクタ2及びミニUSBコネクタ3については常時給電を不要とし、シガーソケット4については常時給電となるように、制御用マイコン111により制御する。給電の態様も、時間帯や昼夜(車外の明るさ)に応じて、各給電コネクタについて常時給電の可否を変更することも可能である。
【0145】
アダプタ1に電圧調整装置を内蔵した場合は、制御用マイコン111は、各給電コネクタについて給電電圧や電流を異なる制御を行う。複数のミニUSBコネクタ3を設けて、スマートホンなどを充電するミニUSBコネクタ3については1A、タブレット端末などを充電するミニUSBコネクタ3については2.1Aの電流を供給する。USBコネクタ2及び/またはミニUSBコネクタ3と、シガーソケット4を設けたアダプタでは、USBコネクタについては5V、シガーソケット4については12Vの電圧を供給する。
【0146】
(c-6)給電の優先度による制御機能
制御用マイコン111は、常時給電が必要な外部機器用のUSBコネクタ2a,2bへの給電を優先して行う機能を備える。制御用マイコン111は、K-LINE通信制御部114またはCAN通信制御部115を経由して車両に搭載されたバッテリの残量を検出し、データベース116に記憶された閾値と比較して、車両のバッテリ残量が閾値よりも少ない場合には、常時給電が不要なUSBコネクタ2c,2dへの給電を先に停止する制御を行う。これにより、常時給電が必要な外部機器用のUSBコネクタ2a,2bへの給電を優先して行うことができる。
【0147】
このようにすれば、常時給電が必要な機器、例えば、大きな電力を消費する機器や、長時間にわたってデータの通信や監視・待機が必要な機器、更には、緊急時に必ず充電されていることが要求される警告灯や防災ラジオなどについては、常時給電が必要なUSBコネクタ2a,2bに接続しておくことで、優先的に給電を行うことができる。常時給電までは不要な外部機器用のUSBコネクタ2c,2dには、外部機器として、例えば、バッテリ等を有し給電がなされないときにはバッテリで動作する機器を接続する。
【0148】
(d-1)ハブ機能
本実施形態のアダプタ1は、
図5~
図8に示すように、有線通信部117に接続されたUSBコネクタ2,2a~2c、ミニUSBコネクタ3を備えてい。これらの複数の給電コネクタは通信型USBコネクタであり、車載バッテリからの電力に加えて、制御用マイコン111からの制御信号の通信路を有する。これらのUSBコネクタのうち、例えばUSBコネクタ2をホスト機器の接続用コネクタとし、他のコネクタを周辺機器の接続用コネクタとする。いずれのUSBコネクタをホスト機器接続用とし、他のUSBコネクタを周辺機器接続用とするかは、予めデータベース116に記憶させておく。アダプタにスイッチを設けたり、USBコネクタに接続したスマートホンなどで設定すると良い。
【0149】
このようにすれば、アダプタ1に設けられた複数のUSBコネクタ2,2a~2cやミニUSBコネクタ3をネットワーク化することができるので、複数の給電コネクタに接続
された様々な外部機器間でデータを交換したり、各外部機器が取得したデータを利用して、それぞれの給電コネクタの給電停止を制御することが可能になる。
【0150】
(d-2)ホストによる周辺機器への給電制御機能
図5に示すように、ホスト機器接続用のUSBコネクタ2にホスト機器としてスマートホン61を接続し、制御用マイコン111はホスト機器用コネクタ2を経由してスマートホン61からの情報を受信して、周辺機器接続用のミニUSBコネクタ3やシガーソケット4に対する給電を制御する。
【0151】
図5において、USBコネクタ2にホスト機器を接続し、ミニUSBコネクタ3に周辺機器である他のスマートホンやタブレットなどの携帯端末を接続し、スマートホン61と他のスマートホンやタブレットなど携帯端末の間でデータの授受を行ったり、スマートホン61により他の携帯端末の操作や設定を行う。周辺機器として、デジカメ、ビデオカメラ、カーナビ、ドライブレコーダなどを周辺機器用の給電コネクタに接続し、これらの周辺機器へアクセス可能とする。
図5のアダプタ以外に、制御部11を有する
図6から
図8のアダプタにおいても、いずれかのUSBコネクタあるいはミニUSBコネクタをホスト機器接続用の給電コネクタとし、他のUSBコネクタなどを周辺機器接続用の給電コネクタとする。また、ホスト機器としてはスマートホン61に限定されず、入出力機能を有する携帯端末やパソコンを適宜使用する。
【0152】
このような構成によれば、アダプタを複数の外部機器のハブとして使用することが可能になり、外部機器間のデータ交換の手段として使用することが可能になる。特に、車両内でパソコン、スマートホン、デジカメなどの複数の電子機器を使用し、その間でファイルの交換などを行う場合に専用のハブを設けることなく、本発明のアダプタを使用できるので便利である。また、アダプタに接続したスマートホンやパソコンなどの外部機器から各給電コネクタの給電を制御することで、ユーザの希望に応じた優先順位で複数の外部機器に対する充電を行うことができる。
【0153】
(e-1)携帯端末による各種設定機能
アダプタがスマートホン61などの携帯端末との接続部と、アダプタに関する各種の設定を行う制御部11と備え、前記接続部において携帯端末から受信した信号に基づいて、制御部11がアダプタに関する各種の設定を行う。
【0154】
(ア)携帯端末の無線接続
図6に示すように、アダプタ1がスマートホン61などの携帯端末と接続する無線通信部118を備え、制御用マイコン11は、無線通信部118において受信した信号に基づいてアダプタに関する各種の設定を行うと共に、給電コネクタ及び/または受電コネクタの給電状態を制御する。この場合、無線通信部118としては、スマートホンなどの携帯端末に設けられたWiFi、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、RFIDなどの小電力無線接続手段を使用する。
【0155】
(イ)携帯端末との有線接続
図5に示すように、USBコネクタ2を備えたアダプタにおいては、USBケーブル20を使用して、スマートホン61とアダプタ1とを有線で接続し、スマートホン61からアダプタの制御用マイコン111に制御信号を送信する。この場合、アダプタ1に無線通信部118を設けることなく、アダプタ自体が簡単な構造として、制御部11に対して各種の設定を行うと良い。
【0156】
(ウ)携帯端末からの条件設定
前記のような有線通信部117または無線通信部118に接続されたスマートホン61
などの外部機器によって、制御用マイコン111に対して給電の開始及び/または停止条件を設定する例としては、次のようなものがある。
(1) 複数の異なる車種に対応したアダプタを使用し、制御用マイコン111が、スマートホン61からの信号に従って、アダプタを搭載している車両の車種設定を行う。これによりアダプタ自身がどの車種に接続されたかを認識でき、例えば制御用マイコン111は、その車種に応じた情報をデータベース116から取得したり出力し、各給電コネクタへの給電を制御する。
(2) 制御用マイコン111が、スマートホン61などの携帯端末からの信号に従って、USBコネクタ2,2a~2c、ミニUSBコネクタ3,シガーソケット4などの給電コネクタ及び/または受電コネクタ5の電流値を設定する。
(3) 制御用マイコン111が、スマートホン61などの携帯端末からの信号に従って、車載バッテリから各給電コネクタに対する電力供給を開始、停止する条件を設定する。例えば、アダプタ1に複数のUSBコネクタ1~nのn個のUSBコネクタを設け、携帯端末から有線通信部117または無線通信部118を通じて、制御部11のデータベース116に、車両のライトのオンを検出したときUSBコネクタ2の電源をオンにし、ライトをオフを検出したにしたときUSBコネクタ2の電源をオフにするといった設定を書き込む。その状態で、制御用マイコン111がCAN通信制御部115を経由してライトのオン・オフを検出した場合、制御用マイコン111は、携帯端末がデータベース116に書き込んだ信号に従って、USBコネクタ2に対する給電の開始指令または停止指令を、給電制御部119に出力する。
(4)
図7に示すような可搬型バッテリ62をアダプタ1に接続した状態において、制御用マイコン111が、携帯端末からの信号に従って車両と可搬型バッテリとの給電条件を設定する。例えば、携帯端末から、車載バッテリからの給電が途絶えたとき、各給電コネクタには可搬型バッテリ62から一定時間(例えば5分間)の給電を行うことを、携帯端末からデータベース116に設定する。制御用マイコン111は、CAN通信制御部115から車載バッテリの給電が途絶えたことを検出した場合、給電コネクタに接続されている可搬型バッテリ62の電力を他の給電コネクタ(
図5では、ミニUSBコネクタ3やシガーソケット4)に給電する制御を行う。この場合、給電制御部119として、給電方向を適宜切り替えることのできる回路を有するものを使用する。
【0157】
本実施形態によれば、アダプタのメーカーや販売者が、携帯端末を用いて各車両の車載用電子機器に応じた最適な条件をアダプタに設定することが可能となり、多種類のアダプタを用意する必要がなくなる。特に、前記(1)~(4)に示すように、ユーザの車両の種別やその運転状況、あるいはアダプタに接続する外部機器の種類に応じて、外部機器に対する給電の条件をユーザが自由に設定することができるため、単に外部機器の内蔵バッテリを充電するだけでなく、様々な種類の外部機器を車両の状態や運転状況に応じて自動的にオン・オフ制御することが可能になる。
【0158】
(e-2)携帯端末によるアダプタに対する設定機能
本実施形態では、アダプタ1に携帯端末との有線接続部117及び/または無線接続部118が設けられ、USBコネクタ2あるいはミニUSBコネクタに接続されたスマートホン61などの携帯端末からデータベース116に対して各給電コネクタに対する電力の供給条件を書き込む。電力機器条件としては、各給電コネクタから外部機器に供給する電圧や電流、あるいは、時刻、位置、車両の加速度、外気温、明るさ、室温に応じてた各給電コネクタの給電開始または停止指令などがある。制御用マイコン111が、これらの条件の判定する基礎となる情報は、CAN通信制御部115などを通じて車両から取得すると良い。し、携帯端末自体が有する各種センサから制御用マイコン111が取得すると良い。データベース116に対する書込は、データベース116に対して既に記憶されている給電条件などに上書きすると良い。が、本実施形態では、既に設定されている給電条件と携帯端末から書き込んだ給電条件を、携帯端末から制御部11に出力する信号によって
切り替える。
【0159】
制御用マイコン111は、携帯端末からデータベース116に書き込まれた電流値や電圧値に応じて各給電コネクタに対する給電量を制御する。また、制御用マイコン111は、CAN通信制御部115などから得られた車両側の情報、または携帯端末から取得した時刻、位置、車両の加速度、外気温、明るさ、室温に関する情報を取得すると、それをデータベース116内の条件と比較して、各給電コネクタに対する給電のオン・オフ制御を行う。この場合、本実施形態では、制御用マイコン111が携帯端末からの切替信号を受信した場合に、携帯端末によって書き込んだ給電条件に基づいて各給電コネクタに対する給電を制御する。
【0160】
本実施形態では、アダプタの使用中において、携帯端末からアダプタの制御部11に対して、給電コネクタや受電コネクタの給電あるいは受電状態の切替信号を送信することで、データベース116に予め設定されている条件とは別の操作を行うことが可能になる。その結果、ユーザや車両が置かれた状況に対応して、その都度ユーザが任意にアダプタに接続された外部機器を制御することが可能になる。例えば、携帯端末側にアダプタの制御プログラムを内蔵させておき、携帯端末が検出した時刻、位置、加速度、外気温、明るさ、室温などに応じて、携帯端末からアダプタの制御部に指令を送るようにした場合には、車載用電子機器では検出不可能な情報に基づいてアダプタの各コネクタの制御を行える利点がある。
【0161】
(f)可搬型バッテリに対する給電と充電機能
図7または
図8に示すように、本実施形態では、給電コネクタであるUSBコネクタ2または2aに外部機器として一般にモバイルバッテリと呼ばれる可搬型バッテリ62が接続される。可搬型バッテリ62を接続したUSBコネクタ2以外の給電コネクタ、
図7ではミニUSBコネクタ3及びシガーソケット4、
図8では、USBコネクタ2b~2dは、受電コネクタ5から給電を受けると共に、USBコネクタ2または2aに接続した可搬型バッテリ62から給電を受けるように、給電制御部119に接続されている。一つの給電コネクタで、可搬型バッテリへの給電と、可搬型バッテリからの給電とを兼用することも可能である。
【0162】
制御用マイコン111は、予めデータベース116に書き込んでおいた特定の条件下で、可搬型バッテリ62からの電力をアダプタ1を介してアダプタに接続された各種機器、例えば、車載用電子機器やアダプタから給電を受ける他の外部機器に供給するように制御する。制御用マイコン111により給電方向を切り替えることに加えて、アダプタ1に図示しない給電方向の切替スイッチを設ける。
【0163】
給電コネクタの種類により、アダプタ1と可搬型バッテリ62との給電方向を切り換えることができる。すなわち、
図7や
図8に示すように、アダプタ1と可搬型バッテリ62にUSBコネクタ2とミニUSBコネクタ3を設け、アダプタ1でも可搬型バッテリ62でも、USBコネクタ2からは給電を行い、ミニUSBコネクタ3では受電する。このようにすると、コネクタの形状だけで給電と受電を区別することができる。
【0164】
(f-1)可搬型バッテリからの車両への給電機能
図7及び
図8に示す実施形態は、制御用マイコン111が、CAN通信制御部115などから車両に搭載したバッテリの電圧低下を判定する機能を備え、バッテリの電圧低下を検出した場合に、アダプタに接続された可搬型バッテリ62から車両側に給電する機能を備えている。このような構成によれば、アダプタを介して車両内の電気配線に電力を供給することで、可搬型バッテリ62の電力を利用して、通常は車載バッテリからの電力供給を受けている室内灯などその他の電気機器の使用や、エンジンの始動、車載バッテリの充
電などが可能となる。
【0165】
(f-2)可搬型バッテリからの外部機器への給電機能
図7及び
図8の実施形態において、制御用マイコン111は、CAN通信制御部115などから車載バッテリの容量低下を検出した時に、可搬型バッテリ62を接続した給電コネクタ(例えば、USBコネクタ2や2aなど)からの電力を、アダプタに設けられた他の給電コネクタ(例えば、他のUSBコネクタ2c,2dやミニUSBコネクタ3)に供給するように切り換える機能を有する。この場合、車載バッテリの容量がどの程度低下した場合に、切換を行うかの閾値は、データベース116に予め設定しておくか、データベース116にユーザが携帯端末から設定する。これにより、可搬型バッテリ62の電力を利用してアダプタに接続された他の外部機器の充電や使用が可能となる。
【0166】
(g)SDカードなどの記憶手段の装着
本実施形態では、
図9に示すように、各給電コネクタ2~3に加えて、給電機能を有しないコネクタとして、SDカード63を装着するコネクタ63aを設ける。SDカード63用のコネクタに限らず、マイクロSDカードやナノSDカード、USBメモリなどを装着するコネクタを設けても良い。
【0167】
このようにすると、データ通信路を有するUSBコネクタ2に装着した外部機器から、SDカード62に格納したデータの読み書きが可能となり、SDカード62のスロットなどを持たない携帯端末やスマートホンなどに車内でデータを記録することが可能になる。
【0168】
[3.第3実施形態](ユニットを接続するアダプタ)
[3-1.第3実施形態の構成]
図10は、第3実施形態を示す。第3実施形態は、第1実施形態あるいは第2実施形態に示したアダプタに対して、増設用のオプションユニット(以下、ユニットという)を組み合わせたものである。
【0169】
図10において、アダプタ1は、その入力側の面に受電コネクタ5となるOBDII規格の入力コネクタを備え(
図10ではアダプタ1の裏側に隠れている)、その出力側の面に給電コネクタとなるOBDII規格の出力コネクタ50aを備える。アダプタ1は、その入力コネクタを車両に設けられた給電コネクタであるOBDII規格の出力コネクタ50に嵌め込むことで、車両各部からの情報と車載バッテリからの電力の供給を受ける。アダプタ1には、第1、第2実施形態と同様に、USBコネクタ2とミニUSBコネクタ3の給電コネクタが設けられている。アダプタ1には、カーナビ、ドライブレコーダなどの外部機器を接続するためのコネクタ13を備えたケーブル12が設けられている。
【0170】
アダプタ1の出力コネクタ50aには、ユニット100aが嵌め込まれている。このユニット100aは、その出力側に他のユニットを接続することができることから、中間ユニットと呼ぶ。ユニット100aは、アダプタ1と同様に、その入力側の面に受電コネクタ5となるOBDII規格の入力コネクタを備え、その出力側の面に給電コネクタとなるOBDII規格の出力コネクタ50aを備える。ユニット100aは、その入力コネクタをアダプタ1の出力コネクタ50に嵌め込むことで、アダプタ1を経由して車両各部からの情報と車載バッテリからの電力の供給を受ける。
【0171】
ユニット100aには、ケーブル12により、レーダー探知機、カーナビ、ドライブレコーダ、ビデオカメラなどの外部機器10が接続されている。本実施形態において、外部機器10はカーナビであり、ユニット100aは、このカーナビ10に車載バッテリからの電力を供給すると共に、故障診断ポートのコネクタ50から供給された車両に関する各種データを、その液晶ディスプレイに表示する。ユニット100aには、給電コネクタと
してシガーソケット4が設けられている。
【0172】
ユニット100aの出力コネクタ50aには、第2のユニット100bが嵌め込まれている。第2のユニット100bは、アダプタ1や中間ユニット100aと同様に、その入力側の面に受電コネクタ5となるOBDII規格の入力コネクタを備える。末端ユニット100bは、その入力コネクタを中間ユニット100aの出力コネクタ50bに嵌め込むことで、アダプタ1及び中間ユニット100aを経由して車両各部からの情報と車載バッテリからの電力の供給を受ける。
【0173】
末端ユニット100bには、液晶ディスプレイ1a、スピーカ1b及びLED警告灯1cが設けられている。これにより、末端ユニット100b単体で、液晶ディスプレイ1aに故障診断ポートのコネクタ50から供給された車両に関する各種データを表示する。スピーカ1b及び/またはLED警告灯1cを利用して、運転者に各種の警告や案内を行う。
【0174】
[3-2.変形例]
図10は、アダプタ1に対して2つのユニット100a,100bを接続したものであるが、アダプタ1に接続するユニットの数は1つでも、3つ以上でも良い。
図10の第2のユニット100bは出力コネクタを持たないため、最終段に接続する末端ユニットとして適している。最終段に接続するユニットに必ずしも、液晶ディスプレイ1a、スピーカ1b及びLED警告灯1cを設けることに限定されるものではなく、これらの出力手段をすべてのユニットに設けると良い。あるいは、ユニットの用途に応じて、いずれかのユニットに設けると良い。
【0175】
図10では、アダプタ1、ユニット100a,100bのすべてに給電コネクタを設けたが、アダプタ1にのみ給電コネクタを設けると良い。ユニットに給電コネクタを設けないと、ユニットの小型化が可能となる。一方、ユニットにのみ給電コネクタを設け、アダプタ1に給電コネクタを設けない場合には、アダプタの小型化が可能になると共に、外部機器に対する充電を必要とする運転者のみが給電コネクタを有するユニットを購入して、アダプタ1に接続すれば良いので、利便性が高まる。
【0176】
[3-3.作用効果]
このように、本実施形態では、アダプタ1及びユニット100a,100bが車両に搭載された故障診断システムのポートからの出力信号の入力側コネクタ5と、入力側コネクタ5で受信した信号に基づいた信号を、カーナビなど外部機器10またはアダプタ1やユニット100a,100bに設けられた液晶ディスプレイ1aなどの内部機器に対して出力する出力側コネクタ50を備えている。
【0177】
このようにすれば、車載用の機器としてユーザが希望する機能を容易に実現できる。例えば、アダプタ1及びユニット100a,100bに対して、各種の外部機器10を接続することにより、アダプタやユニット自体で持っている機能に加えて、外部機器10の持つ各種の機能を発揮させることが可能になる。
図10の末端ユニット100bや
図3のアダプタ1に画像や音声の出力手段を有する内部機器を設けたり、アダプタに画像や音声の出力手段を有する外部機器10を接続すれば、故障診断システムからの情報を種々の態様でユーザに伝達することができる。
【0178】
例えば、レーダー探知機、ナビゲーション装置、ドライブレコーダなどのディスプレイを有する外部機器10をアダプタ1やユニット100a,100bに接続することで、故障診断システムからの情報をアダプタ単体では不可能であった様々な態様の画像や音声で表示することができ、ユーザが車両の状態を容易且つ確実に認識することが可能となる。
この場合、アダプタ1やユニット100a,100bで受信した信号に基づいて出力する信号は、例えば、車両側やアダプタあるいは前段のユニットから入力した信号をそのまま出力するものが良いが、ユーザが分かりやすいようにアダプタやユニット内部で加工した信号が良い。
【0179】
特に、故障診断システムのポートに接続するアダプタ1に対して、1個あるいは複数のユニットを着脱可能に接続する構成としたので、ユーザの希望に応じて異なる種類のユニットを適宜組み合わせることができる。すなわち、同一ユニットを複数接続する構成とすると良い。
図10のように、異なる種類のユニットを複数接続すると、ユーザの要望に応じた数量の各種の外部機器及び/または内部機器に対して、車両側コンピュータ(例えばECU等)からの情報を出力することができ、ユーザが希望する機能を容易に組み合わせて実現できる。
【0180】
末端ユニット100bのように、ユニットが液晶ディスプレイ1a、スピーカ1b及び液晶ディスプレイ警告灯1cを備えたので、車両側から得られた音声情報や画像情報を末端ユニット100bから出力することができる。末端ユニット100bや
図3に示すアダプタ1を使用することにより、分岐ハーネスなどを使用して単に車両側のポート数を増やすだけの技術に比較して、ユニットやアダプタ単体で車両側の情報出力が可能となる利点がある。スピーカ1bやLED警告灯1cを使用することで、故障診断システムから得られた情報に基づいて、ユーザに警告音や音声案内、警告灯の点滅、文字や画像による案内をアダプタやユニット単体で出力することができる。スピーカ1bにより、ユーザが目視し難い箇所にアダプタ1やユニット100bを配置した場合でも、故障診断システムからの情報に基づいて警告音や音声案内を出力することができる。
【0181】
アダプタ1が故障診断システムから取得する情報には、車速、エンジン回転数、油温、水温、アクセル開度など各種のものがある。これらの情報に基づいて、例えば、数値やグラフなどの画像や、警告音や音声案内など音声が生成される。アダプタ1やユニット100a,100bに接続される外部機器10や内部機器が、音声出力機能と画像表示機能の少なくとも一方を備えることで、アダプタ1またはユニット100a,100bを経由して出力される情報をユーザにとって分かり易い形で提供することができる。
【0182】
[4.第4実施形態](外部機器を有線接続するユニット)
[4-1.基本的な構成]
第4実施形態は、ユニット100aに設けられた外部機器が、ナビゲーション装置10a、レーダー探知機10b及びドライブレコーダ10cである。ユニット100aには、
図11に示すように、3種類の外部機器10a~10cを接続しているが、その数は限定されない。
【0183】
液晶ディスプレイなどの表示部を有する外部機器を少なくとも1つ設けると、車両側の情報を画像によって確認できる利点がある。特に、ユーザ一人ひとりが同じアダプタを購入するにしてもその目的は様々で、このようなユーザ一人ひとりにもあったOBDII規格のアダプタの機能をカスタマイズすることが可能になる。OBDII規格のアダプタと接続機器間の接続部分に手を加え、簡単に、異なる種類の1つまたは複数のいろいろなユニットを取り付けることにより、ユーザーのニーズに合ったアダプタをへのカスタマイズを実現することができる。
【0184】
OBDII規格のアダプタに接続できる機器として、レーダーやPND、ドライブレコーダーと複数考えられるが、一般にはそのうちのどれか1つしかアダプタに接続できない。本実施形態によれば、3つ以上の複数の外部機器を同時に接続でき、便利である。
【0185】
第4実施形態のアダプタ1には、給電コネクタとして、USBコネクタ2とミニUSBコネクタ3が設けられ、ユニット100aにはミニUSBコネクタ3が設けられている。ユニット100aにUSBコネクタ2とミニUSBコネクタ3を設けると、コネクタサイズの異なる各種の外部機器に対して充電や情報の交換を行えるが、図示のようにユニット100aを薄い板状とした場合には、ミニUSBコネクタ3が有利である。
【0186】
図12のブロック図に示すように、アダプタ1内には、第2実施形態と同様に、制御用マイコン111、エンジン状態検出部112、アナログ信号検出部113、K-LINE通信制御部114、CAN通信制御部115及び給電制御部119が設けられている。ユニット100a内には、制御用マイコン111、給電制御部119、及びユニット100に接続する外部機器10a~10nに対応して、複数の外部機器接続部117a~117nが設けられている。
【0187】
本実施形態は、各外部機器をケーブル12によってユニット100aに接続するため、ユニット100aに設けられた外部機器接続部117a~117nは、第2実施形態のアダプタ1に設けられた有線接続部117と同様なものである。この場合、外部機器接続部117a~117nとしては、給電用のUSBコネクタ2やミニUSBコネクタ3が設けられている場合には、それをそのまま使用することでシリアル通信型の接続部とすることができ、給電系統の接続部とは別に別途有線接続の通信部を設ける必要がない。外部機器接続部117a~117nは、シリアル通信型の接続部に限定されるものではなく、高速な情報交換がヒツヨウナバアイニは、有線LANやCANネットワークなどの信号伝送手段を使用すると良い。
【0188】
アダプタ1には給電コネクタとなるOBDII規格の出力側コネクタ50が、ユニット100a,100bには受電コネクタとなるOBDII規格の入力側コネクタ5が設けられている。これらのコネクタ5,50を接続することで、アダプタ1からユニット100a,100bに対して、アダプタ1が車両から供給された電力及び車両各部の情報が伝達される。
【0189】
本実施形態によれば、アダプタ1にユニット100aを接続することにより、ユーザが既に所有しているナビゲーション装置10a、レーダー探知機10b、ドライブレコーダ10cなどに備わっている画像及び音声出力機能を利用することが可能になり、アダプタ1に画像表示装置を内蔵したり、アダプタ1に専用の画像及び音声出力装置を接続する必要がない。これらの外部機器は、その性質上車両のユーザから見やすい箇所に設置されることから、アダプタ1を経由して得られる車両からの情報を、ユーザが容易に確認できる。
【0190】
[4-2.制御用マイコンによる各種の機能]
本実施形態のアダプタとユニットは、つぎのような各機能を有する。これらの機能は、アダプタと、アダプタ1に接続される各ユニットのすべてが備えていると良いが、アダプタのみまたは特定のユニットのみが備えていると良い。これらの機能は、アダプタあるいはユニット内に設けられた制御用マイコン111上で所定のプログラムを実行させることにより実現される。制御用マイコンを持たないアダプタやユニットにおいては、アダプタ内の制御用マイコン111や他のユニットに設けられた制御用マイコン111が、これらの機能を実現させても良い。制御用マイコン111によることなく、電子回路などのハードウェアによってこれらの機能を発揮する処理部を構成することもできる。
【0191】
(ア)外部機器からの情報の取得機能
図12に示すユニット100aに設けられた外部機器接続部117a~117nとして、外部機器10a~10nからの情報を受信する外部機器用入力機能を備え、外部機器1
0a~10nからの情報と、アダプタ1を経由して得られる故障診断システムからの情報に基づいて、制御用マイコン111が所定の音声案内及び/または画像表示を行う情報処理機能を備える。
【0192】
この機能によれば、アダプタ1を経由した車両からの情報に限らず、外部機器10a~10nからの情報を、ユニット100aに接続された他の外部機器や内部機器に出力することができる。例えば、制御用マイコン111による情報処理機能として、ナビゲーション装置やレーダー探知機からの位置情報と故障診断システムからの速度やアクセル開度の情報とを比較することで、車両の進行方向にあるカーブや障害物が現在の運転状況から見て危険であるか否かの判断を行い、その結果を他の外部機器や内部機器に出力することができる。特に、このような機能は、分岐ハーネスを用いて単に車両側の出力ポートを増やしただけでは得られない有利なものである。
【0193】
ユニット100aに設けた制御用マイコン111によってこの機能を実現すると、外部機器を接続しないユニットbについては制御用マイコン111の実行するプログラムを簡略化できる。一方、ユニット100aを経由してアダプタ1に送信した外部機器10a~10nの情報に基づいて、アダプタ1に内蔵した制御用マイコン111によってこの機能を実現すると、外部機器接続用のユニット100aの構成を単純化できる。
【0194】
(イ)アダプタやユニットに対する情報の出力機能
本実施形態のアダプタ1やユニット100aは、外部機器10a~10n及び内部機器から受信した情報を他のユニット及び/またはアダプタ1に出力する機能を備える。この機能によれば、外部機器10a~10nや内部機器から取得した情報をアダプタ1や他のユニットに送信することができる。例えば、アダプタ1やユニット100aに、故障診断システムからの情報と外部機器や内部機器からの情報に基づいて、故障診断システムからの情報のみでは不可能であった各種の判断や操作を行わせる情報処理部を、制御用マイコン111によって実現することにより、アダプタやユニット側で各種の情報処理を行うことが可能になる。
【0195】
例えば、故障診断システムで得られる車両に関する情報と、外部機器10a~10nによって取得した車両の周囲の状況や運転者に関する情報などとを総合的に判断することで、故障診断システムのみでは不可能であった種々の情報をユーザに提供することができる。また、外部機器10a~10nや内部機器からの指令により、アダプタ1やそれに接続された各ユニット、あるいは故障診断システム自体に関する各種操作やパラメータの設定を、ユニット10a0に接続されたいずれかの外部機器から行うことも可能となる。
【0196】
(ウ)アダプタやユニットにおける情報処理機能
アダプタ1及び/またはユニット100aは、車両及び外部機器10a~10nの少なくとも一方から受信した情報に基づいて、外部機器10a~10n及び内部機器の少なくとも一方に対して出力する画像及び/または音声信号を生成する情報処理機能を備える。この機能は、アダプタ1及び/またはユニット100aに設けられた制御用マイコン111によって実現する。
【0197】
このようにすれば、アダプタ1及び/またはユニット100aに情報処理機能を持たせることにより、車両や外部機器から入力する情報をそのまま出力するだけでなく、ユーザに分かり易い形に加工して、外部機器10a~10nや内部機器に出力することが可能となる。例えば、車両から入力された車速、エンジン回転数、各所の温度、バッテリ残量などの数値データをグラフや画像に変換して外部機器や内部機器の液晶ディスプレイに表示したり、入力された数値と予め設定された閾値とを比較することで外部機器や内部機器のスピーカ1bやLED警告灯1cによって、警告音や音声案内を行うことができる。また
、外部機器10a~10nから受信した情報を加工したり、車輌からの情報と比較することで、より多彩な情報をユーザにとって分かり易い形で外部機器や内部機器に出力できる。
【0198】
(エ)複数の外部機器に対して、異なる情報処理を行う機能
アダプタ1及び/またはユニット100aは、各外部機器10a~10nごとに設けられた信号出力部、例えば、
図12の外部機器接続部117a~117n、
図4の有線接続部117または無線接続部118に対して、異なる形式や種類の信号を出力する機能を備えている。すなわち、アダプタ1やユニット100aに設けられた制御用マイコン111は、車両や各外部機器10a~10nから取得した情報を、出力対象となる外部機器の形式や構成に合わせて、アダプタ1やユニット100a内部で加工し、信号出力部ごとに異なる態様で出力する機能を有する。
【0199】
この機能によれば、複数の異なる外部機器10a~10nに対して出力する信号を、アダプタ1やユニット100aに設けられた信号出力部によって異なるものに加工することができる。その結果、このような機能を有する本実施形態によれば、例えば、次のような作用効果が発揮される。
(1) 外部機器の種類や設置場所、故障診断システムからの信号の種類や大小に応じて、ユーザに最適な情報を最適な外部機器から出力することができる。
(2) 故障診断システムから得られる信号の警告度合いに応じて、各外部機器から出力する音声信号の音量を変化させたり、表示する画像の内容を異ならせることができる。
(3) 緊急度の高い情報については、ユーザにとって最も見やすい位置に設けたナビゲーション装置に表示させ、通常のエンジン回転数や水温・油温表示などはナビゲーション装置に比較して表示画面の小さなレーダー探知機に表示させるなど、情報処理部と複数の外部機器との組み合わせで、種々のパターンの表示や音声案内などを行うことができる。
【0200】
(オ)ハブ機能
ユニット100に設けられた複数の外部機器接続部117a~117nのうち、予め定めた1つをホストとなる外部機器の接続部とし、他の接続部を周辺機器となる外部機器の接続部とする。いずれの外部機器接続部をホスト機器接続用とし、他の外部機器接続部を周辺機器接続用とするかは、アダプタ1やユニット100aに設けたデータベース116に予め設定しておく。
【0201】
アダプタ1やユニット100aにスイッチを設け、そのスイッチの切換でホストを接続する外部機器接続部を選択する。また、いずれかの外部接続部に接続したスマートホンなどで、いずれの接続部をホスト用とするか設定する。
図10のように、アダプタ1とユニット100aにそれぞれ外部機器接続部が設けられている場合は、予めアダプタ1またはユニット100aのいずれかに接続された外部機器をホストとするように、制御用マイコン111によって制御する。
【0202】
この機能によれば、例えば、アダプタ1またはユニット100aを複数の外部機器10a~10nのハブとして使用することが可能になり、故障診断システムからの情報や他の外部機器からの情報を各種の外部機器に配信することができる。例えば、次のような効果が発揮される。
(1) 外部機器10a~10n間のデータをアダプタ1及び/またはユニット100aを経由して交換することが可能になる。すなわち、車両内でパソコン、スマートホン、デジカメなどの複数の電子機器を使用し、その間でファイルの交換などを行う場合に専用のハブを設けることなく、このアダプタを使用できるので便利である。
(2) アダプタ1及び/またはユニット100aに接続したスマートホンやパソコンなどの入力機能を有する外部機器から、他の外部機器、アダプタあるいはアダプタの各種機能を
制御することで、操作部を持たない外部機器などについてそのパラメータ設定や各種操作を簡単に実施できる。
(3) アダプタ1及び/またはユニット100aにおいて、制御用マイコン111により前記(エ)に述べた情報の処理を行うことで、ホストの外部機器で取得した情報を加工して周辺機器となる他の外部機器に送信できる。例えば、スマートホンなどをホスト側の外部機器とし、スマートホンで取得した画像などを故障診断システム側からの信号に重ね合わせて、ナビゲーション装置などの他の外部機器に表示させる。
【0203】
[5.第5実施形態](末端ユニット)
図13及び
図14に示すように、本実施形態の末端ユニット100bは、スピーカ1bと、ミニUSBコネクタ3を有する。末端ユニット100bは、アダプタ1から車両情報と車載バッテリからの電力を受け取るための入力側コネクタ5と、制御用マイコン111、及び制御用マイコン111に接続されたブザー制御部14a、音声再生制御部14b、メッセージデータを記憶したROM14cを有する。末端ユニット100bは、アダプタ1に対して複数のユニットを接続した場合、最終段に接続されるもので、出力コネクタを持たない。
【0204】
出力機能を有しないアダプタ1に対して、スピーカ1bを有するユニット100を接続することで、アダプタ1が車両から取得した情報に基づいて、制御用マイコン111がブザー制御部14aを用いて、ユーザに警告音を出力する。また、ブザーによる警告以外に、ROM14cに記憶したメッセージデータを利用することで、ユーザに音声による案内を行う。制御用マイコン111は給電制御部119を用いて、アダプタ1やユニット100に設けたUSBコネクタ2やミニUSBコネクタ3から、そこに接続した外部機器に対して、車載バッテリの電力や、図やまたは
図8に示すような可搬型バッテリ62からの電力を供給する。
【0205】
これにより、アダプタ1に音声などの出力手段がなくても、車両からの情報や充電のためにアダプタに接続した各外部機器からの情報を出力できる。例えば、USBコネクタ2やミニUSBコネクタ3に接続した外部機器の充電完了などを、スピーカ1bから出力することができる。アダプタ1単体のみで提供する機能のみで十分というユーザには、アダプタ1にブザーやスピーカから音声を送出するだけの末端ユニット100bを取り付けることにより、車両の状態の変化やアクティブ制御の実施などをアナウンスすることができる。
【0206】
[6.第6実施形態](無線通信ユニット)
図15及び
図16に示すように、第6実施形態は、外部機器としてスマートホンなどの携帯端末61を、無線通信ユニット100cに接続したものである。携帯端末61の接続は、第2実施形態の
図4に示したアダプタ1の場合と同様に、ユニット100b,100cに設けた有線接続部117または無線接続部118により行う。
図15では、アダプタ1に接続する複数のユニット100a~100cのうち、アダプタ1に隣接するユニット100cについては、Bluetooth(登録商標)などの小電力無線通信により、スマートホン61と接続する。そのため、
図16のブロック図に示すように、ユニット100c内部には、入力側コネクタ5、出力側コネクタ50、制御用マイコン111、給電制御部119に加えて、無線通信部118が設けられている。
【0207】
スマートホンやタブレットパソコンなどの携帯端末61は、USBケーブルによる有線通信機能に加えて、Bluetoothなどの無線通信機能を有しているものが多い。そのような携帯端末においては、ユニット100cと携帯端末61間を無線通信により接続することで、ケーブルなどの接続手段を用意することなく、データの授受を簡単に行うことができる。すべてのユニット100~100cと携帯端末61とを無線通信で接続すると良い。
アダプタ1にユニットを接続する場合、必ず末端ユニット100bを接続するように構成した場合には、末端ユニットにのみ無線通信機能を設けると良い。
【0208】
本実施形態によれば、スマートホンなどの携帯端末61を使用することにより、アダプタ1が車両から取得したデータを、予めスマートホン用に提供されたアプリケーションを使用してスマートホンの画面に表示することができる。また、携帯端末61を接続したユニット100cと他の機能を有するアダプタ1やユニットを組み合わせて装着することで、他の機能を有するアダプタやユニットに接続されている外部機器のプログラムやデータを携帯端末61側から更新することができる。例えば、レーダー探知機などの外部機器へ最新の取り締まり情報を、パソコンやスマートホンを用いてアップデートすることが可能となる。
【0209】
[7.第7実施形態](ロギングユニット)
図17及び
図18に示すように、本実施形態は、ユニット100dに外部機器として、車載用のコンピュータ、外部機器及び内部機器の少なくとも1つから受信した情報の記録部を備える。ユニット100dでは情報の記録部として、SDカード63の記録部63aを備える。情報の記録部としては、SDカード63に限定されるものではなく、ミニSDカード、マイクロSDカードの記録部を設けると良い。図示しないが、ユニット100dに加えて、アダプタ1や他のユニット、例えば外部機器を接続したユニット100aや末端ユニット100bにSDカードの装着部を設けると良い。
【0210】
ユニット100dには、記録部63によるSDカード63の読み書きを制御するSDカード制御部120と、GPSからの位置情報を取得してSDカード63に記録したり、データベース116に記録するためのGPSユニット制御部121が設けられている。SDカード制御部120及びGPSユニット制御部121は、制御用マイコン111の指令に従って、予めデータベース116に設定された所定のタイミングで位置情報の取得、及び取得した位置情報と時刻などを車両走行ログとしてSDカード63に記録する。制御用マイコン111は、GPSからの情報に加えて、アダプタ1を経由してロギングユニット11dが取得した車両の情報を、車両状態ログとしてSDカード63に記録する。
【0211】
本実施形態によれば、走行中に車両から収集した情報やGPSから収集した位置情報を、アダプタ1やそれに接続するユニット100dに設けたSDカードなどの記憶媒体へ書き込むことで、安全運転や運行管理に役立てられる情報をログとして収集することが可能となる。記憶媒体へ収集した情報は、パソコンや携帯端末などで専用のアプリケーションを使用して、運行情報や運行軌跡、運転の癖などを分析して、安全運転などに役立てることができる。例えば、アダプタ1にユニットを接続する場合、すべてのユニット100a~100fに記録部を設けても良いが、必ず末端ユニット1bを接続するように構成した場合には、末端ユニット1bにのみ記録部を設けると良い。
【0212】
[8.第8実施形態](TPMSユニット)
図19に示すように、本実施形態は、ユニット100eに外部機器として、車両のタイヤに装着された空気圧検出装置TPMS(Tire Pressure Monitoring System)を接続したものである。この空気圧検出装置TPMSとユニット100eが無線通信により接続されている。TPMSユニット100e内には、図示しないが、TPMS制御部が設けられ、このTPMS制御部を制御用マイコン111が制御する。このTPMS制御部と制御用マイコン111により、空気圧検出装置TPMSからの情報に基づいて、アダプタ1やユニット100aあるいは末端ユニット100bに接続された他の外部機器10a~10n及び液晶ディスプレイ1a、スピーカ1b、LED警告灯1cなどの内部機器のいずれか1つあるいは複数から、画像表示及び音声出力の少なくとも一方を出力する。
【0213】
本実施形態によれば、例えば、TPMSユニット100eと組み合わせた他のユニット100aの外部機器(例えばカーナビやレーダー探知機)においてタイヤの空気圧の状態をグラフとして表示したり、車両の外形図とタイヤの位置及びその空気圧を重ね合わせて表示したり、異常時には音声や警告音を出力するなど、タイヤの空気圧を種々の状態で表示することが可能となる。特に、アダプタ1や他のユニット100aなどに複数の異なる外部機器10a~10nを接続した場合には、タイヤの空気圧を外部機器の種類に応じて異なる態様で表示させることによりり、ユーザの視認性や音声案内機能をより向上できる。
【0214】
本実施形態では、空気圧検出装置TPMSと無線接続する専用のTPMSユニット100eを示したが、前記各ユニット100a~100dのいずれかまたはすべてに空気圧検出装置TPMSを組み込んで、TPMSユニット100eとすると良い。
図10の末端ユニット100bと同様に、TPMSユニット100eに音声や画像の出力手段を設けても良いし、TPMSユニット100e自体には全く出力手段を設けず、アダプタ1や他のユニットに接続した外部機器や内部機器を利用して、TPMSに関する音声や画像を出力しても良い。
【0215】
[9.第9実施形態](障害物探知レーダー受信ユニット)
図20に示すように、本実施形態は、ユニット100fに外部機器として障害物探知レーダーの受信装置を接続したものである。障害物探知レーダーとしては、ミリ波レーダーMWRを使用する。ユニット100f内には、図示しないが、制御用マイコン111に加えて、障害物探知レーダー装置からの情報とアダプタ1からの情報に基づいて、アダプタ1に接続された他の外部機器及び内部機器の少なくとも一方に外部機器の制御指令、警告音、音声案内の少なくとも1つを出力するレーダー制御部が設けられている。本実施形態では、ミリ波レーダーMWRの受信装置のみを外部機器として接続したが、ミリ波レーダーMWRの送受信装置を接続すると良い。その場合は、制御用マイコン111及びレーダー制御部の機能をそれに応じて変更する。
【0216】
本実施形態によれば、障害物探知レーダー装置としてミリ波レーダーMWRを使用して100m程度の範囲の状況を探知するものであるため、前方の障害物までの距離を測定したり、前方の障害物に対する速度を測定することができる。例えば、ユニット100fがミリ波レーダーMWRの受信装置から取得した情報と、アダプタ1が車両から取得した情報を基に、車間不保持警告などをアダプタ1やユニットに接続した他の外部機器から出力することにより、危険回避の為のアシストを行い、衝突事故などの防止に役立てることができる。
【0217】
本実施形態において、車両の左右にも障害物探知レーダー装置を付け、左右のレーダーからの情報をユニット100fで受信すると良い。このようにすると、車両走行中に進路変更のためにターンシグナルを出した時に、故障診断システムからアダプタ1経由でこのターンシグナルを検出すると共に、障害物探知レーダー装置を接続したユニット100fからのレーダー情報を取得し、アダプタ1内の制御用マイコン111で両者の情報を比較することで、進路変更する側の車両側面に他の車がいた場合、警告音を送出して危険を知らせることができる。
【0218】
[10.第10実施形態](アダプタに増設用のユニットを接続)
図21に示すように、アダプタ1は増設用のユニットを固定する装着部を備えている。同様に、末端ユニット100bを除く各ユニットは、他のユニットを固定する装着部を備えている。そのため、ユーザが希望する外部機器の種類に合わせて異なるユニットをアダプタを接続することで、多種類の外部機器を接続することが可能になる。
図21の(a)~(c)は、接続態様の各例を示すものであるが、接続するユニットの種類や数はこれに
限定されるものではなく、ユーザの希望に応じて適宜変更可能である。
【0219】
アダプタ1と複数のユニットを組み合わせる場合、複数のユニットの1つは、アダプタに固定する装着部のみを有する末端ユニット100bとして、複数のユニットをアダプタ1に接続した後、最後に末端ユニット100bを接続する。このようにすると、最後に接続したユニット100bの一部に、他のユニットを接続する装着部が露出することがないので、防塵効果が得られると共に体裁も良い。他のユニットを接続する装着部がない末端ユニット100bは、その表面に他の機器を設置するスペースを広く確保できるので、内部機器としてユニット表面全体を覆うような大型のスピーカ1bを用いることができ、出力音声の品質を向上させることができる。
【0220】
[11.第11実施形態](アダプタとユニットの積み重ね)
図22に示すように、本実施形態では、アダプタ1と各ユニット100b~100dが、複数段に重ね合わされた状態で固定されている。各ユニット100b~100cには、前記各実施形態に示したように、制御用マイコン111、CAN通信制御部115、その他の手段が内蔵されており、これにより、アダプタ1を経由して各ユニット100b~100cが車両側のCANネットワーク115Nと接続されている。このようにすれば、アダプタ1とそれに接続された複数のユニット100b~100dとが1つのブロック状の外観を呈するため、多数の機能を持ちながら全体がコンパクトに一体化された状態で、車両内部へ違和感がなく配置することができる。
【0221】
図22の実施形態では、アダプタ1に3個のユニットを接続したが、アダプタ1に接続するユニット数はこれに限定されるものではない。図示の実施形態は、アダプタ1と各ユニットの接続面を同一形状としたが、アダプタ1との接続面が小さい、アダプタよりも小型のユニットを使用すると良い。このようにすると、アダプタ1の同一面に、各種の給電コネクタとユニットを配置することができる。
【0222】
[12.第12実施形態](アダプタに多数のユニットを併設)
図23及び
図24に示すように、本実施形態では、アダプタ1に複数のユニット装着部101を隣接して設けることにより、アダプタ1上で複数のユニット100a~100fを隣接して配置する。各ユニット100a~100fは、アダプタ1に比較して小型の同一形状で、特に、アダプタに装着した場合に幅や高さが同じになる形状とする。このような形状のユニット100a~100fを、アダプタの一側面に複数個、特に、数個から10数個、並べて配置する。図では、2つの外部機器接続ユニット100a、無線通信ユニット100c、ロギングユニット100d、TPMSユニット100e及び末端ユニット100bを配置したが、アダプタ1に接続するユニット数や種類はこれに限るものではない。
【0223】
本実施形態によれば、第11実施形態のように複数のユニットを積み重ねることなく、1つのアダプタ1に複数のユニット100a~100fを小さな面積で配置することができる。例えば、各ユニット100a~100fと外部機器とを無線通信によって接続する構成とすれば、ユニット100a~100fと外部機器の接続用のコネクタなども不要となり、チップ状やカード状に小型化されたユニットを使用することが可能になる。アダプタ1に設けるユニット装着部101をUSBポートとすれば、規格化された接続構造を使用して、複数のユニット100a~100fを1つのアダプタ1に装着できる。
【0224】
本実施形態によれば、多様な機能を有する外部機器や内部機器を持つ複数のユニット100a~100fを、アダプタ1に対してコンパクトに接続することが可能になる。特に、図示のように各ユニット100a~100fを隙間なく並べて配置すると、車室内のようにホコリの発生しやすい場所でホコリが隙間に入り込んで汚れが目立ってしまうという
問題を解決できる。
【0225】
各ユニットから外部機器に接続するケーブル12などが伸びる場合は、アダプタ1に設ける各ユニットの装着部101の配置は、間隔を保って横方向に並べると良い。このようにすると、隣接するユニット間に隙間ができ、ケーブル12などの配線が容易になる。アダプタ1に対して複数のユニットとを直付けするとアダプタとユニットの組み合わせた形状が大きくなるので、アダプタ1とそれに接続する各ユニットのすべてあるいはいくつかをケーブルで接続することも可能である。このようにすると、アダプタとユニットの接続位置を離れたものとすることができ、接続する外部機器に近い箇所にユニットを配置することができる。
【0226】
[13.第13実施形態](ネットワーク接続)
図25に示すように、本実施形態において、アダプタ1は、入力側コネクタ5を介して、故障診断システムが車両内に設けられたCANネットワーク115Nに接続され、このCANネットワーク115Nよって車両内に配置された複数のセンサと接続されている。各ユニット100a~100fは、アダプタ1を経由してCANネットワーク115Nに接続されたローカルネットワークLANを備え、このローカルネットワークLANに対して、各ユニット100a~100f、外部機器10a~10n及び/または内部機器が接続されている。
【0227】
故障診断システムは、CANネットワーク115Nと呼ばれる車両内部のネットワークによって車両側の各種センサと接続されて、故障診断の基になるデータを収集している。本実施例によれば、車両内のこの種のネットワークに、アダプタ1に設けたローカルネットワークLANを接続し、そのローカルネットワークLANを経由してユニット100a~100fに接続された外部機器との間で情報の授受を行うことにより、故障診断システムからの情報や、各外部機器からの情報をリアルタイムで、ネットワークに接続されたアダプタ1、故障診断システム、各ユニット100a~100f、外部機器10a~10n、内部機器などに配信することができる。
【0228】
すなわち、アダプタ1と各ユニット100a~100f間をシリアル通信により接続した場合に比較して、複数の外部機器10a~10nがローカルネットワークLANに接続されていることから、各ユニット100a~100fは他のユニットと同時にアダプタ1や他の外部機器10a~10nからの情報を受信することが可能になる。その結果、多数のユニットを組み合わせたり、多数の外部機器10a~10nを接続した場合でも、各社の機器をシリアル接続した場合や各外部機器を直接車両内のCAN等のネットワークに接続した場合に比較して、情報の遅延が生じることがない。例えば、高速で運転中の車両には、外部機器10a~10nや故障診断システムで収集した情報に基づいて瞬時に警告を発したり、回避動作を行わせる必要があるが、このような迅速な対応が要求されるシステムにも本発明を適用することができる。
【0229】
[14.第14実施形態](アダプタとユニットが無線接続)
図26に示すように、本実施形態において、各ユニット100a~100fは、アダプタ1に対してBluetooth(登録商標)などの小電力無線や、WiFiなどによって無線接続されている。
【0230】
本実施形態では、アダプタ1と各ユニット100a~100fとが無線接続されているので、各ユニット100a~100fとアダプタ1とを接続するための装着部や、信号授受のためのコネクタなどが不要となり、アダプタ1及びユニット100a~100fの小型化を図ることができる。例えば、1つのユニットのケース内に、スピーカ1bやSDカードの記録部63bなど複数の内部機器と、外部機器10a~10n及びアダプタ1との
接続用の無線装置を設けることで、小型化された1つのユニットで多機能を実現できる。このようなユニットは、その設置箇所にも制限がなくなるので、アダプタ1から離れた位置やユーザが操作しやすい位置にユニットを配置することができる。
【0231】
図27は、1つのユニット100a内部に、前記各実施形態に示した複数の機能、例えば、スピーカ1b、LED警告灯1c及びSDカード記録部63aを内蔵させたものであり、このユニット100aとアダプタ1とは無線によって接続されている。このユニット100aには、一例として4個の外部機器接続用のコネクタ102が設けられていて、その部分にユニット100aに内蔵された機能では実施できない機能を有する外部機器、例えばカーナビ、ドライブレコーダ、レーダー探知機、ミリ波レーダーの発振器などを接続する。このようにすると、複数の機能を有するユニット100aの構成が単純になると共に、比較的大型の外部機器のみをユニットに接続すれば良いので、アダプタ1、ユニット100a及び外部機器を含めたシステム全体の小型化を図ることができる。
【0232】
[15.他の実施形態]
本発明は、次のような他の実施形態を包含する。
(1)各ユニット100a~100fのすべてあるいはいずれかには、アダプタ1を経由して供給された車両側の電力を、外部機器10a~10nに対して充電用の電力として供給する給電コネクタ、例えば、USBコネクタ2、ミニUSBコネクタ3、シガーソケット4のすべてあるいはいずれかを設ける。このようにすれば、スマートホンやパソコンなどを車両側のバッテリを利用して充電できる。故障診断システムのポートはバッテリから常時給電されており、この電力をアダプタを介してユニットに接続された外部機器に供給するとで、車両のアクセサリスイッチのオフ時においても、外部機器の充電を行うことができる。
【0233】
(2)各ユニットには、モバイルバッテリなどの可搬型バッテリからの電力を車両側及び/または他の外部機器に供給するための受電コネクタを設ける。このようにすれば、可搬型バッテリからの電力を他の外部機器や車両側に供給することで、例えば、車両のアクセサリスイッチのオフ時において他の外部機器の充電や使用を可能としたり、車載バッテリの容量不足時に可搬型バッテリの電力を車両側に供給して、車両側の各種機器を使用することが可能になる。
【0234】
(3)アダプタ1及び各ユニットのすべてに給電機能を設けなくても良い。アダプタ1に給電コネクタを設けることなく、いずれかまたはすべてのユニットに給電コネクタを設けると良い。アダプタ1及びすべてのユニットに給電機能を設けない態様も本発明に包含される。
【0235】
(4)
図1から
図9のアダプタ1に設けた構成や機能を、各ユニットのすべて、またはいずれか1つあるいは複数のユニットに設けると良い。各ユニット100a~100fに単独で設けた構成や機能を、各ユニットやアダプタに適宜組み合わせて設けると良い。例えば、アダプタ1にロギング機能、TPMS機能、レーダー受信機能を設けると良い。アダプタ自体が各種の機能を備えていると、組み合わせるユニット数が少なくて済む。
【0236】
アダプタ1またはユニット100として3G/4G/5G通信ユニット、Bluetoothユニット等を備えるようにするとよい。
車両や各ユニットなどから収集した情報直接クラウドに上げてデータ管理ができるユニットを備えるとよい。クラウドに上げたデータは、例えば専用のアプリなどで運行履歴や運行管理などに使用するとよい。
【0237】
また、メールの通知先を予め設定しておくと、他のユニットで何か変化を検出した時に
、メール等で通知する構成とするとよい。この通信ユニットがあると、今までユーザーが車両から離れたところにいても、ユーザーのスマホや携帯にメールで通信することができる。
【0238】
例えば、Bluetoothユニットと通信可能な機器(簡易セキュリティ)などから通知された(衝撃検知、車両の傾き検知、接近検知など)をBluetoothユニットから、本ユニット経由でユーザーの携帯にメールで通知する構成とするとよい。
メールの通知先の設定や通知項目の選択設定方法は、下記の方法がある。
(1)Bluetoothユニットを取り付けることで、スマホやタブレット、ノートPCから専用アプリで設定可能となる。
(2)上記実施例で示したユニットが取り付けられていれば、レーダーやナビ、ドライブレコーダーなどから設定可能となる。
【0239】
(3)スマホなどから、設定専用アプリを使って設定可能とするとよい。(専用アプリからはメールで直接3G/4G通信ユニットに対してメールを送信するとよい。
Bluetooth通信インターフェースを持っている簡易セキュリティなどが、Bluetoothユニットとこの3G/4G/5G通信ユニットを装着してるOBDアダプタがあった場合に、車両に関して検出した異常を、メールでユーザーに通知することを可能となるので、他の機器と通信することで、車両の状態がモニタできるなど、さらに機能的に便利になる。例えば、車のドアロック状態を、OBDアダプタにメールで問い合わせることで、車のドアロック状態を通知する構成とするとよい。もしアンロック状態の場合、メールでロックする様指示し、この指示に基づいて車両へドアロック指示を送出する構成とするとよい。
【0240】
アダプタ1またはユニット100から電源を供給する外部機器をドライブレコーダとして次の機能を備えると特によい。すなわち、OBDアダプタから電源を供給する外部機器をドライブレコーダとして次の機能を備えると特によい。特に、ドライブレコーダは走行中の録画機能と、駐車中の録画機能(駐車監視機能という)を備えるとよい。
【0241】
ドライブレコーダは、OBDから電源を取る装置となる。このOBDアダプタは、
(1)エンジンON状態で車両から取得した車輌情報をドライブレコーダに対して吐き出す機能。
(2)エンジンOFF状態でドライブレコーダに電源を供給する機能(駐車監視)。
(3)OBDアダプタにGセンサを内蔵することで、駐車監視OFFでもGセンサが反応したらDVRに電源を供給し、録画を開始できる機能。
(4)ドライブレコーダの都合で電源を止める機能(ドライブレコーダからの電源停止信号がOBDアダプタへ入力された場合にドライブレコーダに対する電源の出力を停止する機能)。
(5)車のバッテリー電圧が閾値に達したら電源供給を停止する機能を備える。
(3)についてこのようにすれば、従来ドライブレコーダに常時電源供給すると車のバッテリーがなくなることがありうるが、監視録画をOFFしておいてもGセンサ検知で録画を開始すること、バッテリーへの負荷が減る。
【0242】
Gセンサを内蔵した場合、誤動作として、強風や花火の音などでGセンサが頻繁に反応することが想定される。これを防止するために、OBDアダプタは、車両からの信号に基づいてエンジンOFFを検出したら、エンジンOFFした旨の信号をドライブレコーダに対して出力するとよい。ドライブレコーダはエンジンOFFした旨の信号を入力した場合、ドライブレコーダの有する表示画面等に、通常監視/衝撃監視/OFFの選択画面をテロップ等を出して、ユーザからの操作に基づいて、これらの中から動作を選択させ、選択された動作をする構成とするとよい。
【0243】
設定された内容は画像反転する等でわかるようにするとよい。通常監視は、Gセンサ反応に関わりなく設定時間録画する。衝撃監視は、Gセンサが反応した場合のみ設定時間録画する。OFFは録画しないという動作をするものである。
(4)について、ドライブレコーダは、特に3G/4G/5G内蔵のドライブレコーダとするとよく、このようなドライブレコーダでは、通信環境が悪い場所ではSDカード等の記録手段に録画記録するとよい。また、イベント録画機能を備えるドライブレコーダでは、SDカード等の記録手段にイベント録画の映像が保存される。4G等の通信機能で常時クラウドに撮影した映像データ等を送信するのであるが、SDカード等に記録したデータをクラウドに送信するタイミングはエンジン停止後が望ましい。
【0244】
このSDカード等に記録されたデータを転送する時間だけ電源供給してくれる電源が必要であり、OBDからの電源供給はうってつけである。
例えば、(4)の構成を備え、エンジン停止後のデータ転送が完了したら、ドライブレコーダからOBDアダプタに対してドライブレコーダから電源停止信号をOBDアダプタへ送り、OBDアダプタはこの電源停止信号を受け取った場合、ドライブレコーダに対する電源の出力を停止するとよい。
【0245】
次に記載する(A)から(R)における装置をアダプタ1またはユニット100とし、(A)から(R)における機器をドライブレコーダとするとよい。
(A)車両に後付される機器に対して、車両に備えた故障診断用コネクタから電源を供給する装置であって、
前記故障診断用コネクタを介して車両の車内ネットワークに接続する機能と、
車両のオン状態を検出する機能と、
前記車両のオン状態のときに、前記車内ネットワークにから取得したデータに基づく信号を前記機器に対して送信する機能を備え、
前記車両のオン状態でないときに、前記機器に対して電源を供給する機能を備えるとよい。
【0246】
このようにすれば、車両に後付される機器は、故障診断コネクタから簡便に電源の供給を受けることができるとともに、例えばシガーソケットを塞ぐことなく電源の供給を受けることができ、また車両のオン状態のときには車両の車内ネットワークからの情報を受信することができ、車両のオン状態でないときにも電源の供給を受けることができる。
【0247】
車両に後付される機器としては、種々の機器とすることができるが、例えばドライブレコーダとすると特によい。
接続する車内ネットワークとしては、例えばCANやK-line等とするとよい。
故障診断用コネクタとしては例えばOBDIIコネクタとすると特によい。特に車室内に設置されたコネクタとするとユーザが容易に接続できてよい。
【0248】
(B)前記車両のオン状態のときに、前記機器に対して電源を供給する機能を備え、
前記機器に対して、前記車両がオン状態であるかオン状態でない(オフ状態)かを通知する機能を備えるとよい。
このようにすれば、車両に後付される機器は、簡便に電源の供給を受けることができるとともに、車両がオン状態であるかオフ状態であるかを知ることができる。特に電源を供給する線と前記車両がオン状態であるかオン状態でないかを通知するための信号線は同一の被覆に覆われた1つのケーブルとするとよい。このようにすれば1本のケーブルを配線するだけで、電源の供給と車両がオン状態であるか否かの信号とを受けることができ、車内での後付の機器に対する配線の取り回しが極めてスマートかつ容易になる。
【0249】
(C)前記機器は前記車両がオン状態であるかオン状態でない(オフ状態)かを通知す
る機能によって当該機器の動作を変更する機能を備えるとよい。
例えば機器がドライブレコーダであるとき、車両がオン状態であれば常時録画モード、車両がオン状態でなければ駐車監視モードとして、両モード間で録画のパラメータを切り替える処理をするとよい。
【0250】
(D)前記装置は前記車両のオン状態でないときに、前記機器に対して前記車内ネットワークから取得したデータに基づく信号を送信しない機能を備えるとよい。
このようにすれば、機器は、車両がオン状態であるか否かを車内ネットワークから取得したデータに基づく信号の送信があるか否かによって判断することが容易にできる。
【0251】
(E)前記装置は前記車両のオン状態でないときに、前記車内ネットワークに信号を送信しない機能を備えるとよい。
このようにすれば、車両がオン状態でないときに、例えば車内ネットワークに接続された車両を制御するための車載コンピュータがスリープ状態やオフ状態にあるものを、起動状態やオン状態としてしまう可能性を低減することができる。これらの車載コンピュータは車内ネットワークに信号が流れることを契機としてスリープ状態やオフ状態から起動状態やオン状態に遷移する可能性があるためである。
【0252】
(F)前記車両のオン状態として、車両のバッテリに対して車両が充電を行う状態とするとよい。前記車両のオン状態として、エンジンオン状態を備えるとよい。
(G)前記車両のオン状態でないときは車両のシガーソケットに対して電源が供給されていないときとするとよい。
(H)前記機器に対してオフ状態となった旨の信号を送信する機能を備え、前記機器が当該オフ状態となった旨の信号に基づく処理を行うとよい。
【0253】
(I)前記機器はドライブレコーダであって、前記オフ状態となった旨の信号を受信したことに基づいて映像の記録モードを切り替えるとよい。
(J)前記映像の記録モードの切り替えは車両オン状態における録画モード(例えば常時録画モード)から車両オフ状態における録画モード(例えば駐車監視録画モード)への切り替えとするとよい。
駐車監視録画モードは例えば常時録画モードよりも記録する撮影した映像のビットレートを落とした映像とするとよい。例えば映像のフレームレートを落としたり、解像度を落としたり、圧縮率を高めたり、これらの少なくともいずれか1つを行うようにするとよい。
【0254】
(K)前記車両のオン状態でない場合には、前記機器に対する電源の供給を停止する機能を備え、
センサを備え、前記センサの信号に基づいて前記車両のオン状態でない場合であっても前記機器に対する電源の供給を開始する機能を備えるとよい。
車両に後付される機器に対して車両のオフ状態で故障診断コネクタからの電源に基づいて電源の供給を続けると車両のバッテリが当該機器への電源供給によって上がってしまう心配があるが、このようにセンサの信号に基づいて電源の供給を行うようにすれば、このような心配を軽減することができる。また車両のバッテリへの負荷を軽減できる。
【0255】
センサは、車両に対する人の接近、車両の揺れ、車両付近の音の少なくともいずれか1つを検知するセンサとするとよい。そして、例えば、人の接近があった場合、車両の揺れが所定の状態に相当する場合、車両付近の音が所定の状態に相当する場合の少なくともいずれか1つの場合に、前記機器に対する電源の供給を再開するとよい。これらの所定の状態としては、盗賊等による人為的な揺れや音に相当する状態とするとよい。
車両のオン状態でないときに前記機器に対して給電を行うか否かを前記機器から前記装
置への信号に基づいて設定し、当該装置は当該設定に基づいて前記車両のオン状態でないときの前記機器に対する給電のオン・オフを制御するようにするとよい。
【0256】
例えば、この機能によって車両のオン状態でないときに前記機器に対して給電を行わない設定となっているときであっても(K)のようにセンサを備え、前記センサの信号に基づいて前記車両のオン状態でない場合であっても前記機器に対する電源の供給を開始する機能を備えるとよい。
(L)前記センサは、加速度センサとするとよい。そして、加速度センサから取得した加速度が所定の状態となった場合に、前記車両のオン状態でない場合であっても前記機器に対する電源の供給を再開するとよい。所定の状態としては、盗賊など、人による車両に対する加速度の付加に相当する状態とするとよい。例えば所定値以上の加速度が発生した場合とするとよい。
【0257】
(M)前記センサは前記車両に備えた故障診断用コネクタに嵌め合うコネクタを備えた筐体内に備えるとよい。このようにすれば、故障診断コネクタからセンサへの配線等の露出をなくすことができ、スマートかつ容易に装置や機器を設置することができる。
(N)前記機器の当該装置からの電源供給を制御するための信号を受け、当該信号に基づき前記機器への当該装置からの電源の供給を制御する機能を備えるとよい。
【0258】
前記機器の当該装置からの電源供給を制御するための信号としては、当該機器への前記装置からの電源供給のオフまたはオンの少なくともいずれか1つを備えるとよい。電源供給のオフまたは電源のオンは当該信号を受けたときにすぐに行うようにしてもよいが、所定時間後に行うようにしてもよい。所定時間は前記機器から装置に対して指示する信号を送り当該装置が当該信号に基づいて当該所定時間後に行うようにするとよい。また例えば電源供給を行う時間に関する信号を前記機器から前記装置に送り、前記装置は当該信号を受けて当該時間の間、前記機器に対して電源供給を行った後、当該機器への電源供給を停止するようにしてもよい。
【0259】
(O)前記機器は通信機能を備え、前記機器は前記車両のオン状態でないときに、前記通信機能による通信を行う機能を備え、当該通信の終了後に前記装置に対して、当該機器への電源の供給を停止するための信号を送信し、当該信号を受けた前記装置は前記機器への電源の供給を停止する機能を備えるとよい。
特に、前記機器はドライブレコーダであって、前記車両がオンの状態において、撮影した映像のデータを前記通信機能で送信するとともに、送信できなかった映像のデータを記録する機能を備え、前記車両がオンでない状態において前記記録しておいた送信できなかった映像のデータを前記通信機能で送信する機能を備え、当該通信の終了後に前記装置に対して、当該機器への電源の供給を停止するための信号を送信し、当該信号を受けた前記装置は前記機器への電源の供給を停止する機能を備えるとよい。
【0260】
(P)前記車両に備えた故障診断コネクタからの電源が所定の状態になったら前記機器に対する電源供給を停止する機能を備えるとよい。このようにすれば、
(Q)前記機器はドライブレコーダであって、電源の供給があった場合に自動的に録画を開始する機能を備えるとよい。このようにすればカーセキュリティの機能を一般的なドライブレコーダで実現することが容易にできる。 (R)装置の構成としては特に(A)から(Q)のうち少なくともいずれか2つを組みわせて構成するとよい。
【0261】
特に(A)の構成を前提として(B)から(R)のうちの少なくともいずれか1とを組み合わせて構成するとよい。また(A)から(Q)のなかに記載の構成要素を選択して組み合わせてもよい。また(1)から(40)の少なくともいずれか一つと(A)から(Q)の少なくとも1つを組み合わせて構成してもよい。また(1)から(40)のなかに記
載の構成要素の少なくともいずれか一つと(a)から(r)のなかに記載の構成要素の少なくとも1つを組み合わせて構成してもよい。
【符号の説明】
【0262】
1…アダプタ
2…USBコネクタ
20…USBプラグ
3…ミニUSBコネクタ
30…ミニUSBプラグ
4…シガーソケット
40…シガープラグ
5…受電コネクタ(入力側コネクタ)
50…給電コネクタ(出力側コネクタ)
61…スマートホン
62…可搬型バッテリ
63…SDカード
10,10a,10b,10c…外部機器
11…制御部
111…制御用マイコン
112…エンジン状態検出部
113…アナログ信号検出部
114…K-LINE通信制御部
115…CAN通信制御部
116…データベース
117…有線通信部
118…無線通信部
119…給電制御部
12…ケーブル
13…コネクタ
100a…外部機器接続ユニット
100b…末端ユニット
100c…無線通信ユニット
100d…ロギングユニット
100e…TPMSユニット
100f…障害物探知レーダー受信ユニット
101…ユニット装着部