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特開2022-174229モノリシックシンチレータを有する多層検出器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174229
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】モノリシックシンチレータを有する多層検出器
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20221115BHJP
   A61B 6/03 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
A61B6/00 300S
A61B6/03 320Y
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022146094
(22)【出願日】2022-09-14
(62)【分割の表示】P 2020511809の分割
【原出願日】2018-08-20
(31)【優先権主張番号】62/552,563
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ステッドマン ブッカー ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】リュッタン ワルター
(57)【要約】      (修正有)
【課題】イメージング検出器に関し、より詳細には、モノリシックシンチレータを有する多層検出器に関し、マルチエネルギー(スペクトル)コンピュータ断層撮影(CT)への特定用途に関する。
【解決手段】コンピュータ断層撮影(CT)検出器アレイはモノリシックシンチレータ124を含む。モノリシックシンチレータは、少なくとも第1のシンチレータ領域202、第2のシンチレータ領域206、及びそれらの間の光学反射バリア210を含む。コンピュータ断層撮影(CT)検出器アレイは、検査領域を横断しモノリシックシンチレータに衝突するX線放射を検出し、第1のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第1の投影データと、第1のシンチレータを横断し第2のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第2の投影データとを生成するように構成される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノリシックシンチレータを含むコンピュータ断層撮影検出器アレイであって、
前記モノリシックシンチレータは、
少なくとも第1のシンチレータ領域、
第2のシンチレータ領域、及び
前記少なくとも第1のシンチレータ領域と前記第2のシンチレータ領域との間の光学反射バリア
を含み、
前記コンピュータ断層撮影検出器アレイが、検査領域を横断し前記モノリシックシンチレータに衝突するX線放射を検出し、前記第1のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第1の投影データと、前記第1のシンチレータを横断し前記第2のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第2の投影データとを生成する、コンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項2】
前記モノリシックシンチレータが、前記第1のシンチレータ領域と前記第2のシンチレータ領域とを画定するためにレーザによって構造的に変更されたシンチレータ材料の物理的バルクの一部分を含む、請求項1に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項3】
前記光学反射バリアのボリュームによって画定された主表面が、入射放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影検出器アレイの表面と実質的に平行に配設される、請求項1又は2に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項4】
前記モノリシックシンチレータが、シンチレータ材料の同じ物理的バルクを含み、前記シンチレータ材料が、
ガドリニウムオキシサルファイド(GOS、GdS)、
イットリウムアルミニウムガーネット(YAG、YAl12)、
セリウムドープイットリウムアルミニウムガーネット(CE YAG、Ce YAl12)、
ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(GAGG、GdAlGa12)、
セリウムドープガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(CE GAGG、Ce GdAlGa12)、
ジンクセレナイド(ZnSe)、及び
カドミウムタングステート(CdWO
で構成された群から選択されたものを含む、請求項2又は3に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項5】
前記モノリシックシンチレータが、複数の検出器要素の単一のバルクシンチレータ材料の一部分を含み、各検出器要素の各モノリシックシンチレータが複数の領域を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項6】
前記モノリシックシンチレータが、フォトセンサのアレイに隣接して配設され、前記フォトセンサのアレイが、前記X線放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影検出器アレイの前記表面に対して垂直な面に配設される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項7】
前記モノリシックシンチレータが、フォトセンサの2つのアレイ間に配設され、前記フォトセンサの2つのアレイの各々が、前記X線放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影検出器アレイの前記表面と平行な面に配設される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項8】
検査領域を横断するX線放射を放出するX線放射源と、
前記検査領域を横切って前記X線放射源の反対側に配置され、
少なくとも第1のシンチレータ領域、
第2のシンチレータ領域、及び
前記少なくとも第1のシンチレータ領域と前記第2のシンチレータ領域との間の光学反射バリア
を含むモノリシックシンチレータ
を含む検出器アレイとを含む、コンピュータ断層撮影システムであって、
前記検出器アレイが、前記検査領域を横断し前記モノリシックシンチレータに衝突するX線放射を検出し、前記第1のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第1の投影データと、前記第1のシンチレータを横断し前記第2のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第2の投影データとを生成する、コンピュータ断層撮影システム。
【請求項9】
前記モノリシックシンチレータが、前記第1のシンチレータ領域と前記第2のシンチレータ領域とを画定するためにレーザによって構造的に変更されたシンチレータ材料の物理的バルクの一部分を含む、請求項8に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項10】
前記光学反射バリアを画定するボリュームの主表面が、前記X線放射を初めに受け取る前記検出器アレイの表面と実質的に平行に配設される、請求項8又は9に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項11】
前記モノリシックシンチレータが、
ガドリニウムオキシサルファイド(GOS、GdS)、
イットリウムアルミニウムガーネット(YAG、YAl12)、
セリウムドープイットリウムアルミニウムガーネット(CE YAG、Ce YAl12)、
ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(GAGG、GdAlGa12)、
セリウムドープガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(CE GAGG、Ce GdAlGa12)、
ジンクセレナイド(ZnSe)、及び
カドミウムタングステート(CdWO
で構成された群から選択されたものを含むシンチレータ材料の同じ物理的バルクを含む、請求項8から10のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項12】
前記モノリシックシンチレータが、複数の検出器要素の単一のバルクシンチレータ材料の部分を含み、各検出器要素の各モノリシックシンチレータが複数の領域を有する、請求項8から11のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項13】
前記モノリシックシンチレータが、フォトセンサのアレイに隣接して配設され、前記フォトセンサのアレイが、前記X線放射を初めに受け取る前記検出器アレイの前記表面に対して垂直な面に配設される、請求項8から12のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項14】
前記モノリシックシンチレータが、フォトセンサの2つのアレイ間に配設され、前記フォトセンサの2つのアレイの各々が、前記X線放射を受け取る前記検出器アレイの前記表面と平行な面に配設される、請求項8から12のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項15】
コンピュータ断層撮影放射検出装置を製造する方法であって、前記方法が、
物理的に接続された結晶構造として単一の物理的バルクを維持しながらモノリシックシンチレータの複数の領域を画定するために、合焦レーザによってシンチレータ材料の前記単一の物理的バルクの一部分の結晶構造を変更するステップであって、前記変更された一部分が主表面をもつボリュームを含み、前記主表面が、X線放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影放射検出装置の表面と平行に配向される、変更するステップ
を有する、方法。
【請求項16】
前記単一の物理的バルクの前記変更された一部分が、前記単一の物理的バルクの外部表面である表面をもつボリュームをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記合焦レーザの方向が、前記X線放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影放射検出装置の前記表面に対して垂直な面と平行に又は前記面に対して垂直に配向される、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
変更されたシンチレータ材料の前記単一の物理的バルクの前記一部分が、入射放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影放射検出装置の前記表面と平行な主表面をもつ2つのボリュームを含み、前記主表面が、平行であり、2ミクロンと100ミクロンとの間の距離だけ分離される、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
シンチレータ材料の前記単一の物理的バルクがモノリシックシンチレータの1次元アレイでの複数のモノリシックシンチレータを含み、各モノリシックシンチレータが複数の領域を有し、
シンチレータ材料の前記単一の物理的バルクをフォトセンサアレイに位置合わせし付着させるステップであって、前記フォトセンサアレイが、前記X線放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影放射検出装置の前記表面に対して垂直に配向される、位置合わせし付着させるステップ
をさらに有する、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
シンチレータ材料の前記単一の物理的バルクが、シンチレータの2次元アレイでの複数のモノリシックシンチレータを含み、各モノリシックシンチレータが複数の領域を有し、
2つのフォトセンサアレイ間にシンチレータ材料の前記単一の物理的バルクを位置合わせし付着させるステップであって、前記2つのフォトセンサアレイの各々が、前記X線放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影放射検出装置の前記表面と平行に配向される、位置合わせし付着させるステップをさらに有する、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、一般に、イメージング検出器に関し、より詳細には、モノリシックシンチレータを有する多層検出器に関し、マルチエネルギー(スペクトル)コンピュータ断層撮影(CT)への特定用途について記載されている。
【背景技術】
【0002】
スペクトルCTイメージングシステムは、X線放射を放出するために単一の広帯域線源、多数の線源、及び/又はkVpスイッチングを含む。放出されたX線放射は、対象物又は対象者が内部に配置された検査領域を横断する。1つの構成は、線源から検査領域を横切って配置された多層検出器アレイを含む。多層検出器アレイは、検査領域を横断し多層検出器アレイに衝突するX線放射を検出する。多層検出器アレイは多数の検出器モジュールを含み、各検出器モジュールは、入射放射を横断する方向に1次元又は2次元で延びる多数の検出器要素を有する。検出器要素のX線放射受取り面は、本明細書ではピクセルとも呼ぶ。
【0003】
2層構成では、各検出器要素は、2層の直方体形状及び/又は正方形直角錐台形状シンチレータ(又はシンチレータボクセル)を含む。層は互いに重ね合わされ、積み重ねは入射放射の方向に延びる。第1の層の第1のシンチレータは、第1の所定のエネルギー範囲のX線放射を受け取って吸収し、それを示す第1の光放射を作り出す。第1の所定のエネルギー範囲よりも大きいX線放射は、第1のシンチレータを横断し、第2の層の第2のシンチレータによって検出され、第2のシンチレータは、このX線放射を受け取って吸収し、それを示す第2の光放射を作り出す。光放射は、X線放射のエネルギーを示す電気信号を作り出すフォトダイオードなどの対応するフォトセンサによって検出される。
【0004】
フォトセンサは、垂直又は水平構成で配列される。垂直構成では、フォトセンサは、シンチレータ間に配列され、X線放射を受け取る検出器の表面の一部分を占める。言い換えれば、アレイとして配列されたフォトセンサは、一般に、入射放射と平行である。水平構成では、フォトセンサは、X線放射を基準としてシンチレータの前後に配置される。言い換えれば、アレイとして配列されたフォトセンサは、入射放射に対して概ね垂直である。X線放射とシンチレータとの前に、又はX線放射とシンチレータとの間に配置される場合、フォトセンサがX線放射に対して透明であり、その結果、X線放射がフォトセンサを通過し、次いで、シンチレータによって吸収されることは有利である。
【0005】
各検出器要素の各層の各シンチレータは、一般に、直方体の6つの面のうちの5つでは光学反射材料(例えば、二酸化チタン(TiO)、白色ペイントなど)で被覆され、6番目の面は対応するフォトセンサに隣接する。層間に機械的に作り出された物理的分離(例えば、間隙)があり、光学反射材料がこの物理的分離に配設される。光学反射材料は、各層のシンチレータ及び/又はボクセル間の光のクロストークを緩和し、検出効率を改善し、及び/又は光を対応するフォトセンサに導き、そこで、光は電気信号に変換される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各検出器要素の各層の各シンチレータは、機械的に作り出され(例えば、のこぎり、ワイヤなどにより)、光学反射材料で被覆されている。次いで、シンチレータは位置合わされ積み重ねられる。位置合わせ及び積み重ねプロセスは複雑であり、シンチレータを正確に位置合わせし積み重ねることが困難である場合がある。全体的に、第1の層の第1のシンチレータの表面は、同じ検出器要素の第2の層の第2のシンチレータの対応する表面と整列し一致すべきであり、シンチレータは各層の対応するフォトセンサと整列すべきである。残念ながら、不正確な位置合わせ及び/又は積み重ねは、検出の非効率と画質の劣化をもたらす。
【0007】
本明細書に記載される態様は、先述の問題などに対処する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下は、光学バリアをもつモノリシックシンチレータの多層検出器の実施形態を説明する。各検出器要素は、光学反射バリアがモノリシックシンチレータ内及びシンチレータ領域間に配設されたモノリシックシンチレータ又はシンチレータ材料の単一のブロックを含む。シンチレータ領域は、入射放射の方向に沿って順々に配設される。各光学反射バリアは、レーザによって誘起される。いくつかの実施形態では、シンチレータ材料の単一の物理的バルクとレーザによって誘起された光学反射バリアとは、モノリシックシンチレータの1×Nアレイまで及び、ここで、Nは整数である。いくつかの実施形態では、シンチレータ材料の単一の物理的バルクと光学反射バリアとは、モノリシックシンチレータのM×Nアレイまで及び、ここで、M及びNは整数である。いくつかの実施形態では、各光学反射バリアは、レーザによって誘起された、2つの密接配置されたバリアを含む。
【0009】
1つの態様では、コンピュータ断層撮影(CT)検出器アレイはモノリシックシンチレータを含む。モノリシックシンチレータは、少なくとも第1のシンチレータ領域、第2のシンチレータ領域、及びそれらの間の光学反射バリアを含む。コンピュータ断層撮影(CT)検出器アレイは、検査領域を横断しモノリシックシンチレータに衝突するX線放射を検出し、第1のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第1の投影データと、第1のシンチレータを横断し第2のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第2の投影データとを生成する。
【0010】
別の態様では、コンピュータ断層撮影システムは、検査領域を横断するX線放射を放出するように構成されたX線放射源と、検査領域を横切ってX線放射源の反対側に配置された検出器アレイとを含む。検出器アレイは、少なくとも第1のシンチレータ領域、第2のシンチレータ領域、及びそれらの間の光学反射バリアを含むモノリシックシンチレータを含む。検出器アレイは、検査領域を横断しモノリシックシンチレータに衝突するX線放射を検出し、第1のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第1の投影データと、第1のシンチレータを横断し第2のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第2の投影データとを生成する。
【0011】
別の態様では、コンピュータ断層撮影(CT)放射検出装置を製造する方法は、物理的に接続された結晶構造として単一の物理的バルクを維持しながらモノリシックシンチレータの複数の領域を画定するために、合焦レーザによってシンチレータ材料の単一の物理的バルクの一部分の結晶構造を変更するステップを有する。変更された一部分は主表面をもつボリューム(volume)を含み、主表面は、X線放射を初めに受け取るように構成されたコンピュータ断層撮影(CT)放射検出装置の表面と平行に配向される。
【0012】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載した実施形態から明らかであり、それを参照して解明される。
【0013】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の構成、並びに様々なステップ及びステップの構成の形態をとる。図面は、単に好ましい実施形態を示す目的のものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】複数の個々のシンチレータ領域で構成されたモノリシックシンチレータをもつ多層検出器アレイを有するCTシステムの一実施形態を概略的に示す図である。
図2A】アレイの垂直検出器構成を概略的に示す図である。
図2B】アレイの垂直検出器構成を概略的に示す図である。
図3】アレイの水平検出器構成を概略的に示す図である。
図4】個々のシンチレータ領域を生成する一実施形態を概略的に示す図である。
図5】本明細書の一実施形態による流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、コンピュータ断層撮影(CT)システム100の一実施形態が概略的に示される。CTイメージングシステム100は、静止ガントリ114によって支持された回転ガントリ112を含む。CTイメージングシステム100は、回転ガントリ112によって支持されX線放射を放出するように構成されたX線放射源116を含む。放出されたX線放射は検査領域118を横断する。検査領域118を横断するX線放射は、X線放射源116の向かいにある、回転ガントリ112に支持された多層(例えば、2層)放射感応検出器アレイ120によって検出される。寝台などの対象者支持体119は、検査領域118内で対象物又は対象者を支持する。
【0016】
多層検出器アレイ120の一部分の拡大図122が示される。図122に示されるように、アレイ120は、モノリシックシンチレータ124を含む。より詳細に以下で説明するように、モノリシックシンチレータ124は、複数のシンチレータ領域(シンチレータボクセル)を含み、それらの領域は、それらの間の光学反射バリアによって分離される。光学反射バリアは、1つ又は複数のレーザなどによって誘起される。誘起された光学反射バリアは、シンチレータ材料の物理的バルクを単一のブロックとして維持し、一方、光学反射バリアの寸法内のシンチレータ材料の結晶構造を変化させることによって領域間に反射バリアを付け加える。
【0017】
適切に構成されたレーザの一例が、2015年2月27日に出願された「System and method for processing radiation detectors using laser beams」と題するWO2015/131102A1に論じられている。シンチレータ材料には、限定はしないが、ガドリニウムオキシサルファイド(GOS、GdS)、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG、YAl12)、CeドープYAG(CeYAG、Ce YAl12)、ジンクセレナイド(ZnSe)、カドミウムタングステート(CdWO)、ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(GAGG、GdAlGa12)、セリウムドープGAGG(Ce GdAlGa12)などが含まれる。モノリシックシンチレータ124は、例えば、各検出器要素のシンチレータ材料の層が物理的に分離しており、機械的に一緒に結合される構成では、シンチレータボクセルを正確に位置合わせすることに関連する複雑さを緩和する。
【0018】
モノリシックシンチレータ124の各シンチレータ領域は、別個の対応するフォトセンサ130に隣接して配設され、光学的に結合される。フォトセンサ130は、フォトセンサ130に対応する多数のシンチレータ領域のうちの1つのシンチレータ領域からの光を感知する。フォトセンサ130は、受け取った光を電気信号(投影データ)に変換するように動作し、電気信号は、読出し電子機器140によってさらに処理及び/又は経路設定される。シンチレータ領域の電気信号は、そのシンチレータ領域で吸収されたX線光子のエネルギーを示す。そのため、2層システムの電気信号は、領域のうちの1つ(例えば、上部の領域及び低いエネルギーの光子)に対応する第1の組の電気信号と、他の領域(例えば、下部領域及び高いエネルギーの光子)に対応する第2の組の電気信号とを含む。
【0019】
再構成器142は、スペクトル再構成アルゴリズム及び非スペクトル再構成アルゴリズムを含む再構成アルゴリズム144を用いて投影データを再構成する。非スペクトル再構成アルゴリズムは、例えば、スペクトルの投影データを組み合わせ、組み合わされたボリュメトリック画像データを再構成することによって、従来の広帯域(非スペクトル)ボリュメトリック画像データを作り出す。スペクトル再構成アルゴリズムは、スペクトルボリュメトリック画像データ、例えば、高及び低エネルギーボリュメトリック画像データ、光電効果及びコンプトン散乱ボリュメトリック画像データ、骨及び軟組織ボリュメトリック画像データ、カルシウム及びヨウ素ボリュメトリック画像データセットなどを作り出す。
【0020】
オペレータコンソール(コンピューティングデバイス)150は、オペレータがシステム100の動作を制御できるようにする。これには、画像取得プロトコル(例えば、単一エネルギー又はマルチエネルギー)の選択、再構成アルゴリズム(例えば、単一エネルギー又はマルチエネルギー)の選択、スキャニングの起動、可視化ソフトウェアアプリケーションの起動、実行している可視化ソフトウェアアプリケーションとの対話などが含まれる。オペレータコンソール150は、ディスプレイモニタ、フィルマーなどのような出力デバイスと、マウス、キーボードなどのような入力デバイスとを含む。
【0021】
図2A及び図2Bは、多層放射感応検出器アレイ120の2層垂直検出器構成200を概略的に示す。垂直検出器200は、ボクセル201のスラブ又は列を含む。
【0022】
図2Aを参照すると、x方向に沿った検出器ボクセル201の第1列のサブ部分が概略的に示される。この実施形態では、検出器ボクセル201の各列は、第1のシンチレータ層204に対応する第1のシンチレータ領域202、第2のシンチレータ層208に対応する第2のシンチレータ領域206、及びそれらの間の光学反射バリア210をもつモノリシックシンチレータ124を含み、領域202及び206と光学反射バリア210とは同じ物理的シンチレータ材料バルク220内にある。光学反射バリア210は、領域202と領域206を分離するボリュームの主表面を含み、主表面は、入射放射117を受け取る表面250と平行である。いくつかの事例では、バルク220の光学反射バリア210の位置(例えば、深さ)により、入射放射のエネルギー分離が最大化される。
【0023】
物理的バルク220は、検査領域118を横断した入射放射117を受取り、入射放射117のX線光子のエネルギーに比例したバルク材料220の深さ230においてX線放射を光放射に変換する。言い換えれば、より低いエネルギー(浅い侵入の)X線光子は第1の領域202で吸収され、より高いエネルギー(より深い侵入の)X線光子は第2の領域206で吸収される。
【0024】
領域202及び206の各々は、支持基材244上の異なる対応する第1及び第2のフォトセンサ240及び242に光学的にそれぞれ結合される。例えば、シンチレータバルク材料220の第1のシンチレータ領域202は、フォトセンサのアレイ246の第1のフォトセンサ240に光学的に結合され、シンチレータバルク材料220の第2のシンチレータ領域204は、フォトセンサのアレイ246の第2のフォトセンサ242に光学的に結合される。フォトセンサのアレイ246は、第1のフォトセンサ240、第2のフォトセンサ242、及び基材244を含む。フォトセンサのアレイ246は、モノリシックシンチレータ124に隣接して配設され、表面250の一部分を占める。入射X線放射の方向に対するフォトセンサ242のアレイと領域202及び206との配置は、2層検出器200を垂直構成と断定する。
【0025】
図2Bは、多列構成のz方向に沿った図2Aの検出器ボクセル201の1つの列のシンチレータ側の側面図を概略的に示す。同じ単一の物理的シンチレータ材料バルク220は、検出器ボクセル201の多列構成のN列のすべてに対して2層の両シンチレータ領域を含み、ここで、Nは正の整数である。すなわち、同じ物理的シンチレータ材料バルク220は、各列の各シンチレータボクセルを画定するシンチレータボクセル(又はピクセル)光学バリア260と、各シンチレータボクセル内の2つのシンチレータ領域202及び206を画定する光学反射バリア210とを有するシンチレータ材料のスラブと考えられる。1つのピクセルの検出器表面区域は、複数のボクセル領域の検出器ボリュームに対応する。シンチレータボクセル光学バリア260は、光学反射バリア210と同様の光学反射バリアであり、例えば、それは、レーザによって誘起された同じ物理的バルク材料220の結晶構造の変化を含む。いくつかの実施形態では、ボクセル光学バリア260は、直方体形状ボクセルを画定する。いくつかの実施形態では、ボクセル光学バリア260は、正方形直角錐台形状ボクセルを画定する。
【0026】
光学反射バリア210の厚さ又は深さ(y方向)は、レーザビームの焦点スポットの直径と、変更されたシンチレータ材料の構造による光学的分離の最小厚さとに依存する。いくつかの実施形態では、光学反射バリア210の厚さは、レーザの焦点スポットによる複数の変更された位置により増加される。すなわち、変更される位置は、さらに、y方向に変更され、光学反射バリアのボリュームの主表面は変更されてxz方向に延びる。
【0027】
同じ物理的シンチレータ材料220は、レーザによって誘起された光学反射バリアである外側又は外部表面270を含む。いくつかの実施形態では、外側表面はレーザによって変化されず、光学反射被膜が付けられる。光学反射バリアに変更された外側表面270と光学反射被覆との組合せが考えられる。
【0028】
図2A図2Bに示された2層検出器アレイ200は、検出器要素のM×Nアレイであり、シンチレータ材料のM個のスラブが、垂直構成のフォトセンサアレイ246の基材244によって分離され、ここで、Mは正の整数である。各スラブは、同じ物理的シンチレータ材料バルク220内にN個のモノリシックシンチレータボクセルを含む。垂直検出器構成の一例が、2009年10月29日に出願された「Spectral Imaging Detector」と題する米国特許第9,000,382号に論じられており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
図3を参照すると、多層放射感応検出器アレイ120の2層水平検出器構成300が示される。構成300は、モノリシックシンチレータ124の単一の物理的バルク220を含む。各モノリシックシンチレータ124は、2つの領域202及び206を含む。モノリシックシンチレータ124の単一の物理的バルク220は、フォトセンサの2つのアレイ310及び320の基材間に配設される。フォトセンサの2つのアレイ310、320の各々は、2層検出器300の表面250と平行な面に配設される。
【0030】
シンチレータ材料の同じ物理的バルク220の光学反射バリア210は、2つ以上のサブバリア330及び332などの多数のサブバリアを含み、多数のサブバリアは、2~100ミクロンの距離だけ互いに分離される。バリア330及び332の各々は、バリア330及び332によって画定されたボリュームの主表面を含み、主表面は実質的に平面であり、主表面は、2層検出器300の表面250と平行に配設される。サブバリア330及び332の各々は、例えば、レーザビームによって誘起されたバルク材料220の結晶構造への変化を含む。
【0031】
同じ物理的シンチレータ材料バルク220は、ボクセル光学バリア260によって分離され、モノリシックシンチレータ124のボクセルの多次元M×Nアレイを形成する複数の個々のモノリシックシンチレータ124を含む。同じ物理的シンチレータ材料バルク220は、光学反射被覆と、レーザによって光学反射バリアに構造的に変更されたシンチレータ材料の同じ物理的バルク220の外側部分270と、それらの組合せとを含む。
【0032】
フォトセンサのアレイ310及び320は、前面照明フォトダイオード(FIP)、背面照明フォトダイオード(BIP)、有機フォトダイオード(OPD)、及びそれらの組合せを含むことができる。フォトセンサのアレイ310、320のうちの1つ又は複数は、OPD、積極的に薄化されたFIP、積極的に薄化されたBIP、X線透過性フォトセンサなどのようなX線吸収を最小化するフォトダイオードアレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、積極的に薄化されたとは、30ミクロン未満に薄化されたことを意味する。いくつかの実施形態では、積極的に薄化されたとは、30~100ミクロンに薄化されたことを意味する。いくつかの実施形態では、積極的に薄化されたとは、100~200ミクロンに薄化されたことを意味する。フォトセンサのアレイ310は、シンチレータ材料の同じ物理的バルク220の第1の層204に光学的に結合され、対応するフォトセンサ240は、各モノリシックシンチレータ124に属する対応する第1の領域202に寸法を合わされ位置合わせされる。第1のフォトセンサアレイ310の反対側のフォトセンサのアレイ320と、シンチレータ材料の同じ物理的バルク220とは、シンチレータ材料の同じ物理的バルク220の第2の層206に光学的に結合される。第2のフォトセンサアレイ320のフォトセンサ244は、各ボクセルモノリシックシンチレータ124に属する対応する第2の領域206に寸法を合わされ位置合わせされる。
【0033】
図4を参照すると、モノリシックシンチレータ124のボクセルのためのシンチレータ領域202、206を生成する一実施形態が概略的に示される。コントローラ400は、1つ又は複数のレーザ410、420の動作と、ホルダ430によって位置決めされたシンチレータ材料の同じ物理的バルク220に対するレーザ410、420の相対的位置決めとを制御する。いくつかの実施形態では、第1のレーザ410は、レーザビーム412が光学反射バリア210と平行に配向された状態で位置決めされる。いくつかの実施形態では、第2のレーザ420は、レーザビーム422が光学反射バリア210に対して垂直に配向された状態で位置決めされる。いくつかの実施形態では、第1のレーザ410又は第2のレーザ420の一方は省略される。いくつかの実施形態では、いずれかの配向に多数のレーザがある。
【0034】
レーザビーム412、422は、少なくとも1つのレンズ416、426によってポイント414に合焦される。ポイント414、415は、形状が球状であってもよく、又はレーザビーム412、422の方向に沿っても細長くてもよい。ポイント414、415は、レーザ410、420の動作特性に応じてシンチレータ材料の同じ物理的バルク220の結晶構造を変化させる。レーザ410、420の動作特性はシンチレータ材料に関連する。波長、パワー、及びパルスは、例えば、光学反射バリア210の結晶構造の変化を達成するためにシンチレータ材料に応じて変わることができる。
【0035】
コントローラ400は、ホルダ430を基準としてレーザビーム412、422を移動させる。いくつかの実施形態では、レーザ410、420は固定され、ホルダ430が移動する。いくつかの実施形態では、レーザ410、420が移動し、ホルダ430は固定される。いくつかの実施形態では、レーザ410、420及びホルダ430の両方が移動する。
【0036】
例えば、第2のレーザ420が省略され、第1のレーザ410が光学反射バリア210及びボクセル光学バリア260の両方を生成する場合、第1のレーザ410は、シンチレータ材料の同じ物理的バルク220の最も離れた面内の位置を横切った所にポイント414を移動させ、次いで、光学反射バリア210及びボクセル光学バリア260の結晶構造の変化が誘起されるまで、次に最も近い面内の位置まで連続的に進むように構成される。すなわち、ポイント414は、既に創り出されたバリアとレーザとの間にとどまる。光学反射バリア210及びボクセル光学バリア260の両方が生成された場合、バリアは、直交面、傾斜面、又は非平行面と関連する。すなわち、光学反射バリア210を画定するボリュームの主表面は、ボクセル光学バリア260を画定するボリュームの主表面に対して非平行である。
【0037】
図5を参照すると、本明細書の実施形態による流れ図が示される。
【0038】
500において、シンチレータ材料の物理的バルク220が、1つ又は複数のレーザ410、420に対して位置決めされる。位置決めは、シンチレータ材料の物理的バルク220をホルダ430に受け取ることを含む。位置決めは、次の場所で光学反射バリア210を生成するためのレーザに対する位置の変化を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、シンチレータ材料の物理的バルク220は、単一のボクセルのモノリシックシンチレータ124用の材料のボリュームを含む。いくつかの実施形態では、シンチレータ材料の物理的バルク220は、モノリシックシンチレータ124の1×Nアレイの材料のボリュームを含む。いくつかの実施形態では、シンチレータ材料の物理的バルク220は、モノリシックシンチレータ124のM×Nアレイ用の材料のボリュームを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、ホルダは、上述のものの組合せを保持するように構成される。例えば、モノリシックシンチレータ124の1次元アレイのためのシンチレータ材料のスラブ又は個々のモノリシックシンチレータブロック124の材料は、機械的に分離されたスラブにわたって又は個々に機械的に分離されたボクセルにわたって光学反射バリア210を生成するために、ホルダ430に一緒に保持される。
【0041】
510において、モノリシックシンチレータブロック124の物理的バルク220の一部分の結晶構造は、物理的接続された構造としてシンチレータ材料を維持しながらボクセルごとにシンチレータ材料に複数の領域を画定するために合焦レーザによって変更される。光学反射バリア210を形成する変更された構造部分は、入射放射117を初めに受け取るように構成されたシンチレータ材料の物理的バルク220の表面250と平行に配向される。モノリシックシンチレータ124の変更された構造部分は、入射放射117を初めに受け取るように構成された表面250と平行な2つ以上のバリア330、332を含む。2つのバリア330、332は平行であり、2ミクロンと100ミクロンとの間の距離だけ分離される。いくつかの実施形態では、距離は、25ミクロンと100ミクロンとの間にある。
【0042】
いくつかの実施形態では、変更された構造部分は、ボクセル光学バリア260又はその一部分をさらに含む。例えば、ボクセル光学バリア260を形成するために変更されたシンチレータ材料の物理的バルク220の部分に関して、変更された一部分は、さらに、入射放射を初めに受け取るように構成された表面250に対して垂直なバリアを形成する。
【0043】
いくつかの実施形態では、変更された構造部分は、シンチレータ材料の物理的バルク220の外側表面270又はその一部分を含む。
【0044】
モノリシックシンチレータ124が形成されるまで、動作500及び510が繰り返され、変更された構造部分が再位置決めされ生成される。コントローラ400は、光学反射バリア210、実施形態によっては追加としてボクセル光学バリア260及び/又は外側表面の反射バリア270を形成するために適切な順序で位置ごとに変更された構造部分を生成するようにレーザの位置決め及び動作を制御するように構成される。
【0045】
520において、モノリシックシンチレータ124は、1つ又は複数のフォトセンサアレイに位置合わせされ付着される。いくつかの実施形態では、モノリシックシンチレータ124は、ボクセルの1×N次元アレイを形成し、各ボクセルのモノリシックシンチレータ124は、光学反射バリア210によって画定された層204、208に対応する複数の領域202、206を含む。例えば、フォトセンサアレイ246は、入射放射を初めに受け取る多層検出器120の表面250に対して垂直に配向され、シンチレータ材料の物理的バルク220に位置合わせされ付着される。各ボクセルの第1の領域202は対応する第1のフォトセンサ240と整列し、各ボクセルの第2の領域206は対応する第2のフォトセンサ242と整列する。ボクセルのM×Nアレイとしての多層検出器アレイ120は、ボクセルのM個の1次元アレイのアセンブリを用いてさらに組み立てられる。アセンブリは、読出し電子機器140の付加をさらに含む。アセンブリは、支持基板の付加をさらに含む。アセンブリは、光学反射被覆の適用をさらに含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、シンチレータ材料の構造的に変更された物理的バルク220から形成されている生成されたモノリシックシンチレータブロック124は、モノリシックシンチレータ124の2次元アレイを含み、各モノリシックシンチレータ124は、複数の領域202、206を含む。位置合わせ及び付着には、生成されたモノリシックシンチレータ124を複数のフォトセンサアレイ310、320に位置合わせし付着させることが含まれる。複数のフォトセンサアレイ310、320の各々は、入射放射117を初めに受け取る多層検出器の表面250と平行に配向される。
【0047】
いくつかの実施形態では、シンチレータ材料の構造的に変更された物理的バルク220から形成されている生成されたモノリシックシンチレータ124は、個々のモノリシックシンチレータ124として機械的に分離され、モノリシックシンチレータ124の1×Nアレイ又はモノリシックシンチレータ124のM×Nアレイのいずれかとして被覆され再組み立てされる。
【0048】
レーザ410、420の位置決め及び動作のためのコントローラ410の動作は、コンピュータプロセッサによって実行されたとき、説明した動作をプロセッサに行わせる、コンピュータ可読記憶媒体にエンコードされたか又は埋め込まれたコンピュータ可読命令を介して実施される。追加として又は代替として、コンピュータ可読命令のうちの少なくとも1つは、信号、搬送波、又は他の一時的媒体によって行われる。いくつかの実施形態では、コントローラ410は、特定用途向け集積回路を含む。
【0049】
上述のステップは異なる順序で実行されてもよく、及び/又はいくつかのステップは省略されてもよい。
【0050】
本発明が、図面及び前述の記載において詳細に図示され説明されたが、そのような図示及び説明は、説明的又は例示的であり、制限的でないと考えられるべきであり、本発明は、開示された実施形態に限定されない。特許請求される本発明を実践する際に、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、開示された実施形態に対する他の変形が、当業者によって理解され達成される。
【0051】
特許請求の範囲において、「含む、有する」という単語は、他の要素又はステップを排除せず、単数形は複数を排除しない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されているいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示していない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノリシックシンチレータを含むコンピュータ断層撮影検出器アレイであって、
前記モノリシックシンチレータは、
1のシンチレータ領域、
第2のシンチレータ領域、及び
記第1のシンチレータ領域と前記第2のシンチレータ領域との間の光学反射バリア
を含み、
前記コンピュータ断層撮影検出器アレイが、前記第1のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第1の投影データと、前記第1のシンチレータ領域を横断し前記第2のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第2の投影データとを生成する、コンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項2】
前記モノリシックシンチレータが、前記第1のシンチレータ領域と前記第2のシンチレータ領域とを画定するためにレーザによって構造的に変更されたシンチレータ材料の物理的バルクの一部分を含む、請求項1に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項3】
前記光学反射バリアのボリュームによって画定された主表面が、入射放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影検出器アレイの表面と実質的に平行に配設される、請求項1又は2に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項4】
前記モノリシックシンチレータが、シンチレータ材料の同じ物理的バルクを含み、前記シンチレータ材料が、
ガドリニウムオキシサルファイド(GOS、GdS)、
イットリウムアルミニウムガーネット(YAG、YAl12)、
セリウムドープイットリウムアルミニウムガーネット(CE YAG、Ce YAl12)、
ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(GAGG、GdAlGa12)、
セリウムドープガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(CE GAGG、Ce GdAlGa12)、
ジンクセレナイド(ZnSe)、及び
カドミウムタングステート(CdWO
で構成された群から選択されたものを含む、請求項2又は3に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項5】
前記モノリシックシンチレータが、複数の検出器要素の単一のバルクシンチレータ材料の一部分を含み、各検出器要素の各モノリシックシンチレータが複数の領域を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項6】
前記モノリシックシンチレータが、フォトセンサのアレイに隣接して配設され、前記フォトセンサのアレイが、前記X線放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影検出器アレイの前記表面に対して垂直な面に配設される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項7】
前記モノリシックシンチレータが、フォトセンサの2つのアレイ間に配設され、前記フォトセンサの2つのアレイの各々が、前記X線放射を初めに受け取る前記コンピュータ断層撮影検出器アレイの前記表面と平行な面に配設される、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影検出器アレイ。
【請求項8】
検査領域を横断するX線放射を放出するX線放射源と、
前記検査領域を横切って前記X線放射源の反対側に配置され、
1のシンチレータ領域、
第2のシンチレータ領域、及び
記第1のシンチレータ領域と前記第2のシンチレータ領域との間の光学反射バリア
を含むモノリシックシンチレータ
を含む検出器アレイとを含む、コンピュータ断層撮影システムであって、
記第1のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第1の投影データと、前記第1のシンチレータ領域を横断し前記第2のシンチレータ領域によって吸収されたX線放射のエネルギーを示す第2の投影データとを生成する、コンピュータ断層撮影システム。
【請求項9】
前記モノリシックシンチレータが、前記第1のシンチレータ領域と前記第2のシンチレータ領域とを画定するためにレーザによって構造的に変更されたシンチレータ材料の物理的バルクの一部分を含む、請求項8に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項10】
前記光学反射バリアを画定するボリュームの主表面が、前記X線放射を初めに受け取る前記検出器アレイの表面と実質的に平行に配設される、請求項8又は9に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項11】
前記モノリシックシンチレータが、
ガドリニウムオキシサルファイド(GOS、GdS)、
イットリウムアルミニウムガーネット(YAG、YAl12)、
セリウムドープイットリウムアルミニウムガーネット(CE YAG、Ce YAl12)、
ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(GAGG、GdAlGa12)、
セリウムドープガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(CE GAGG、Ce GdAlGa12)、
ジンクセレナイド(ZnSe)、及び
カドミウムタングステート(CdWO
で構成された群から選択されたものを含むシンチレータ材料の同じ物理的バルクを含む、請求項8から10のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項12】
前記モノリシックシンチレータが、複数の検出器要素の単一のバルクシンチレータ材料の部分を含み、各検出器要素の各モノリシックシンチレータが複数の領域を有する、請求項8から11のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項13】
前記モノリシックシンチレータが、フォトセンサのアレイに隣接して配設され、前記フォトセンサのアレイが、前記X線放射を初めに受け取る前記検出器アレイの前記表面に対して垂直な面に配設される、請求項8から12のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【請求項14】
前記モノリシックシンチレータが、フォトセンサの2つのアレイ間に配設され、前記フォトセンサの2つのアレイの各々が、前記X線放射を受け取る前記検出器アレイの前記表面と平行な面に配設される、請求項8から12のいずれか一項に記載のコンピュータ断層撮影システム。
【外国語明細書】