(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174261
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】甲状腺関連副作用を低下させる方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/662 20060101AFI20221115BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20221115BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20221115BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20221115BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20221115BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20221115BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20221115BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20221115BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20221115BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
A61K31/662
A61P3/04
A61P3/06
A61P3/10
A61P1/16
A61P29/00
A61P9/10
A61P9/00
A61P5/14
A61P35/00
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022148311
(22)【出願日】2022-09-16
(62)【分割の表示】P 2019536463の分割
【原出願日】2017-09-13
(31)【優先権主張番号】62/396,015
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/396,025
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】519096068
【氏名又は名称】バイキング・セラピューティクス・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】518372383
【氏名又は名称】メタベイシス・セラピューティクス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・リアン
(72)【発明者】
【氏名】ヒロコ・マサムネ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・エリオン
(72)【発明者】
【氏名】ブルース・イトウ
(57)【要約】
【課題】本開示は、甲状腺ホルモン受容体アゴニストの投与方法を対象にする。
【解決手段】本開示は、肥満症、高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、アテローム性動脈硬化、循環器疾患、甲状腺機能低下、及び関連する障害の改善又は治癒において、所与の甲状腺受容体アゴニストの活性が維持される一方で、甲状腺関連及び甲状腺軸関連の副作用を低下させるか排除する、方法を提供する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患又は状態を治療する方法であって、
それを必要とする対象に第1の日数の間、化合物の第1の1日量を投与する工程と、
前記化合物の投与を中止するか、又は第2の日数の間、前記化合物の第2の1日量を投与し、ここで前記化合物の前記第2の1日量は前記第1の1日量より少ない工程と、
第3の日数の間、前記化合物の第3の1日量を前記対象に投与する工程と、
を順番に含み、
前記疾患又は状態が、肥満症、高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、アテローム性動脈硬化、循環器疾患、甲状腺機能低下、及び甲状腺癌からなる群から選択され、
前記化合物が式1:
【化1】
の構造を有し、
式中:
Gが-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)
2-、-Se-、-CH
2-、-CF
2-、-CHF-、-C(O)-、-CH(OH)-、-CH(C
1~C
4アルキル)-、-CH(C
1~C
4アルコキシ)-、-C(=CH
2)-、-NH-、及び-N(C
1~C
4アルキル)-からなる群から選択され;
Tが-(CR
a
2)
k-、-CR
b=CR
b-(CR
a
2)
n-、-(CR
a
2)
n-CR
b=CR
b-、-(CR
a
2)-CR
b=CR
b-(CR
a
2)-、-O(CR
b
2)(CR
a
2)
n-、-S(CR
b
2)(CR
a
2)
n-、N(R
c)(CR
b
2)(CR
a
2)
n-、N(R
b)C(O)(CR
a
2)
n、-C(O)(CR
a
2)
m-、-(CR
a
2)
mC(O)-、-(CR
a
2)C(O)(CR
a
2)
n、-(CR
a
2)
nC(O)(CR
a
2)-、及び-C(O)NH(CR
b
2)(CR
a
2)
p-からなる群から選択され;
kが1~4の整数であり;
mが0~3の整数であり;
nが0~2の整数であり;
pが0~1の整数であり;
各々のR
aが、独立して、水素、任意選択で置換された-C
1~C
4アルキル、ハロゲン、-OH、任意選択で置換された-O-C
1~C
4アルキル、-OCF
3、任意選択で置換された-S-C
1~C
4アルキル、-NR
bR
c、任意選択で置換された-C
2~C
4アルケニル、及び任意選択で置換された-C
2~C
4アルキニルからなる群から選択され;
但し、1個のR
aが、O、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のR
aは水素であるか、又は炭素原子を介して結合しているという条件であり;
各々のR
bが、独立して、水素及び任意選択で置換された-C
1~C
4アルキルからなる群から選択され;
各々のR
cが、独立して、水素、及び任意選択で置換された-C
1~C
4アルキル、任意選択で置換された-C(O)-C
1~C
4アルキル、及び-C(O)Hからなる群から選択され;
R
1及びR
2が、各々独立して、ハロゲン、任意選択で置換された-C
1~C
4アルキル、任意選択で置換された-S-C
1~C
3アルキル、任意選択で置換された-C
2~C
4アルケニル、任意選択で置換された-C
2~C
4アルキニル、-CF
3、-OCF
3、任意選択で置換された-O-C
1~C
3アルキル、及びシアノからなる群から選択され;
R
6、R
7、R
8、及びR
9が、各々独立して、水素、ハロゲン、任意選択で置換された-C C
1~C
4アルキル、任意選択で置換された-S-C
1~C
3アルキル、任意選択で置換された-C
2~C
4アルケニル、任意選択で置換された-C
2~C
4アルキニル、-CF
3、-OCF
3、任意選択で置換された-O-C
1~C
3アルキル、及びシアノからなる群から選択されるか;又は、R
6及びTが一緒になって、それらと結合する炭素と共に、独立して-NR
i-、-O-、及び-S-から選択されるヘテロ原子を0~2個含む5~6員環を形成し、
但し、2個のヘテロ原子が環に存在し、両方のヘテロ原子が窒素とは異なるとき、両方のヘテロ原子が少なくとも1個の炭素原子によって分離されているべきであるという条件であり;
Xがこの環に、環の炭素への直接結合によって結合するか、又は環の炭素又は環の窒素へと結合する-(CR
a
2)-又は-C(O)-によって結合し;
R
iが、水素、-C(O)C
1~C
4アルキル、-C
1~C
4アルキル、及び-C
1~C
4-アリールからなる群から選択され;
R
3及びR
4が、独立して、水素、ハロゲン、-CF
3、-OCF
3、シアノ、任意選択で置換された-C
1~C
12アルキル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルケニル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルキニル、-SR
d、-S(=O)R
e、-S(=O)
2R
e、-S(=O)
2NR
fR
g、-C(O)OR
h、-C(O)R
e、-N(R
b)C(O)NR
fR
g、-N(R
b)S(=O)
2R
e、-N(R
b)S(=O)
2NR
fR
g、及び-NR
fR
gからなる群から選択され;
各々のR
dが、任意選択で置換された-C
1~C
12アルキル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルケニル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルキニル、任意選択で置換された-(CR
b
2)
nアリール、任意選択で置換された-(CR
b
2)
nシクロアルキル、任意選択で置換された-(CR
b
2)
nヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NR
fR
gからなる群から選択され;
各々のR
eが、任意選択で置換された-C
1~C
12アルキル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルケニル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルキニル、任意選択で置換された-(CR
a
2)
nアリール、任意選択で置換された-(CR
a
2)
nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CR
a
2)
nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R
f及びR
gが、各々独立して、水素、任意選択で置換された-C
1~C
12アルキル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルケニル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルキニル、任意選択で置換された-(CR
b
2)
nアリール、任意選択で置換された-(CR
b
2)
nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CR
b
2)
nヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はR
fとR
gが一緒になって、O、NR
C、及びSからなる群から選択される第2のヘテロ基を含んでもよい任意選択で置換された複素環を形成してもよく、ここで、前記任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C
1~C
4アルキル、-OR
b、オキソ、シアノ、-CF
3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)OR
hからなる群から選択される0~4個の置換基で置換されていてもよく;
各々のR
hが、任意選択で置換された-C
1~C
12アルキル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルケニル、任意選択で置換された-C
2~C
12アルキニル、任意選択で置換された-(CR
b
2)
nアリール、任意選択で置換された-(CR
b
2)
nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CR
b
2)
nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
R
5が-OH、任意選択で置換された-OC
1~C
6アルキル、OC(O)R
e、-OC(O)OR
h、-F、-NHC(O)R
e、-NHS(=O)R
e、-NHS(=O)
2R
e、-NHC(=S)NH(R
h)、及び-NHC(O)NH(R
h)からなる群から選択され;
XがP(O)YR
11Y'R
11であり;
Y及びY'が、各々独立して、-O-及び-NR
v-からなる群から選択され;
Y及びY'が-O-であるとき、-O-に結合したR
11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH
2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(R
z)
2OC(O)NR
z
2、-NR
z-C(O)-R
y、-C(R
z)
2-OC(O)R
y、-C(R
z)
2-O-C(O)OR
y、-C(R
z)
2OC(O)SR
y、-アルキル-S-C(O)R
y、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
Y及びY'が-NR
v-であるとき、-NR
v-に結合したR
11は、独立して、-H、-[C(R
z)
2]
q-COOR
y、-C(R
x)
2COOR
y、-[C(R
z)
2]
q-C(O)SR
y、及び-シクロアルキレン-COOR
yからなる群から選択され;
Yが-O-であり、Y'がNR
vであるとき、-O-に結合したR
11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH
2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(R
z)
2OC(O)NR
z
2、-NR
z-C(O)-R
y、-C(R
z)
2-OC(O)R
y、-C(R
z)
2-O-C(O)OR
y、-C(R
z)
2OC(O)SR
y、-アルキル-S-C(O)R
y、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
-NR
v-に結合したR
11は、独立して、H、-[C(R
z)
2]
q-COOR
y、-C(R
x)
2COOR
y、-[C(R
z)
2]
q-C(O)SR
y、及び-シクロアルキレン-COOR
yからなる群から選択され;
又は、Y及びY'が独立して、-O-及びNR
vから選択されるとき、R
11及びR
11は一緒に-アルキル-S-S-アルキル-であり環状基を形成するか、R
11及びR
11が一緒に基:
【化2】
であり、式中、
V、W、及びW'が、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、任意選択で置換された1-アルケニル、及び任意選択で置換された1-アルキニルからなる群から選択され;
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して5~7個の原子を含む環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはリンに結合した両方のY基からの3個の原子である炭素原子に結合したアリールオキシカルボニルオキシによって置換されており;
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、リンに結合したYに対してベータ位及びガンマ位でアリール基に融合しており;
又は、V及びWが一緒に、追加の3個の炭素原子を介して結合して、任意選択で置換された6個の炭素原子を含み、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びリンに結合したYからの3個の原子である前記炭素原子の1つに結合したアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基によって置換されている、環状基を形成し;
又は、Z及びWが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
又は、W及びW'が一緒に、追加の2~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~2個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
Zが、-CHR
zOH、-CHR
zOC(O)R
y、-CHR
zOC(S)R
y、-CHR
zOC(S)OR
y、-CHR
zOC(O)SR
y、-CHR
zOCO
2R
y、-OR
z、-SR
z、-CHR
zN
3、-CH
2-アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CR
z
2)OH、-CH(C≡CR
z)OH、-R
z、-NR
z
2、-OCOR
y、-OCO
2R
y、-SCOR
y、-SCO
2R
y、-NHCOR
z、-NHCO
2R
y、-CH
2NH-アリール、-(CH
2)q-OR
z、及び-(CH
2)q-SR
zからなる群から選択され;
qが整数2又は3であり;
各々のR
zが、R
y及び-Hからなる群から選択され;
各々のR
yが、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
各々のR
xが、独立して、-H及びアルキルからなる群から選択されるか、又はR
x及びR
xが一緒に環状アルキル基を形成し;
各々のR
vが、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択される;
化合物、並びにその薬学的に許容される塩及びそのプロドラッグ、並びに前記プロドラッグの薬学的に許容される塩である、方法。
【請求項2】
前記投与される化合物が、
【化3】
からなる群から選択される構造を有する化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩の1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の1日量と前記第3の1日量とが同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の1日量が前記第1の1日量よりも少ない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の1日量と前記第3の1日量とが同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3の1日量が前記第2の1日量よりも多い、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の日数と前記第3の日数とが同一である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の日数、前記第2の日数、及び前記第3の日数が同一である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の日数が前記第1の日数よりも短い、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の日数、前記第2の日数、及び前記第3の日数が、独立して1~90から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の日数、前記第2の日数、及び前記第3の日数が、独立して1~30から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の日数、前記第2の日数、及び前記第3の日数が、独立して1~20から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の日数、前記第2の日数、及び前記第3の日数が、独立して1~10から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の日数、前記第2の日数、及び前記第3の日数が、独立して1~5から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の日数及び前記第3の日数が1であり、前記第2の日数が1である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の日数及び前記第3の日数が1であり、前記第2の日数が2である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の日数及び前記第3の日数が3であり、前記第2の日数が4である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の日数及び前記第3の日数が4であり、前記第2の日数が3である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の日数及び前記第3の日数が4であり、前記第2の日数が4である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の日数及び前記第3の日数が5であり、前記第2の日数が4である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の日数及び前記第3の日数が4であり、前記第2の日数が5である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の日数及び前記第3の日数が10であり、前記第2の日数が10である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の日数及び前記第3の日数が30であり、前記第2の日数が30である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の日数及び前記第3の日数が2であり、前記第2の日数が1である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の日数と前記第3の日数の間の前記投与が1日1回である、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の日数の間に前記化合物の投与を中止する工程を含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の日数の間に前記化合物の前記第2の1日量を投与する工程を含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記対象のT3、T4、又はTSHのレベルをモニターする工程と、前記T3、T4、又はTSHのレベルが第1の閾値を下回ったときに前記化合物の投与を中止するか、又は前記第2の1日量で前記化合物を投与する工程と、前記T3、T4、又はTSHのレベルが第2の閾値を上回ったときに前記第1の1日量で前記化合物の投与を再開する工程とを含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の閾値と前記第2の閾値が同一である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の日数の間の前記化合物の毎週の総投与量が40~150mgである、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の日数の間の前記化合物の毎週の総投与量が50~90mgである、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の日数の間の前記化合物の毎週の総投与量が60~80mgである、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の日数の間の前記化合物の毎週の投与量が5~250mgである、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第3の日数の間の前記化合物の最大血清濃度が100ng/mL以下である、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
全体の治療期間の間の前記化合物の最大血清濃度が100ng/mL以下である、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記投与される化合物が構造:
【化4】
を有し、
全体の治療期間の間の、構造:
【化5】
を有する化合物の最大血清濃度が、500ng/mL以下である、請求項1から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記投与される化合物が式Iの構造を有し、式中、各々のR11が水素ではなく、前記式Iの構造を有し、各々のR11が水素である化合物又はそのアニオンの、全体の治療期間の間の最大血清濃度が、500ng/mL以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の日数及び前記第3の日数が30であり、前記第2の日数が30である、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
第4の日数の間、前記化合物の投与を中止するか、又は前記化合物の前記第2の1日量を投与する工程と、
第5の日数の間、前記化合物の第3の1日量を投与する工程と、
前記第4の日数の間、前記化合物の投与を中止するか、又は前記化合物の前記第2の1日量を投与する工程、及び前記第5の日数の間、前記化合物の第3の1日量を投与する工程を繰り返す工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される化合物及び方法は、概して、甲状腺媒介性障害の治療の分野に関し、特に、甲状腺ホルモン受容体アゴニストの投与に起因する副作用を低下させる機序に関する。
【背景技術】
【0002】
甲状腺ホルモン(TH)は、成長、発生、代謝、及び恒常性において極めて重要な役割を果たしている。それらは、甲状腺によってチロキシン(T4)及び3,5,3'-トリヨード-L-チロニン(T3)として産生される。T4は、ヒトにおける主要な分泌型であり、そして末梢組織において、より活性型であるT3へと、デヨードナーゼによって酵素的に脱ヨウ素化される。THは、核内ホルモン受容体スーパーファミリーに属する甲状腺ホルモン受容体(TR)と相互作用することによってそれらの作用を発揮し、そして標的遺伝子の転写を調節する。THは、全般的な代謝率、脂質分泌、心機能、筋肉と骨の成長等多数の問題に対して包括的な制御を行使するために、脳の組織と内分泌系とを連結する複雑な内分泌及びパラクリンのフィードバックループを含む、視床下部-下垂体-甲状腺、又はHPT軸としても知られる甲状腺軸の一部を形成する(例えば、参照によりその内容が本明細書に組み込まれる、Robins及びCotran:Pathologic Basis of Disease、Kumar, V.等編集、(2005)、1165頁を参照)。
【0003】
TRは多数の組織で発現し、2つのアイソフォームとして存在する(TRα及びTRβ)。組織分布研究、マウスノックアウト研究、及び甲状腺ホルモン不応症(RTH)症候群を有する患者の評価により、TRαが心臓における優勢なアイソフォームであり、ほとんどの心機能を調節しているが、一方でTRβアイソフォームは、肝臓及び下垂体において優勢であり、それぞれコレステロール代謝及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)産生を調節するということが確立されてきた。TRの調節に関連する存在し得る利益を認識して、血漿コレステロールレベルを低下させるのに適したTRアゴニストを同定するために多くのアプローチが追求されてきた。しかしながら、これらの利益は、頻脈、不整脈、血圧上昇、及び心不全等の有害な心血管系副作用、並びに甲状腺ホルモン軸、筋肉代謝、及び骨量減少に対する影響によって相殺された。
【0004】
TR媒介経路は、コレステロール、トリグリセリド、及び関連リポタンパク質を含む血清脂質レベルの調節に関与している。Pearce, E.N.、Curr. Cardiol. Rep. 6:451-6頁(2004)及びDuntas, L.H.、Thyroid 12:287-93頁(2002)を参照でき、その両方は参照によりその全ての内容が本明細書に組み込まれる。血清脂質レベルの上昇は、アテローム性動脈硬化症の発症及び冠状動脈疾患の悪化に関与している。Robins及びCotran:Pathologic Basis of Disease、Kumar, V.等編集、(2005)、523、572-77頁を参照でき、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。臨床試験は、低密度リポタンパク質/血清コレステロールレベルを低下させることが循環器疾患に関連する罹患率及び死亡率を低下させることを実証した。Grundy, S.M.等、Circulation 110:227-39頁(2004)を参照でき、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。スタチン及びPCSK-9阻害剤等の薬物は、食事及び生活習慣の介入とともに、いくらかの患者の高脂血症の治療を助け得るが、多くの患者は血清コレステロール値を顕著に下げることができず、多くが高用量のスタチンに耐えられない。Pearson, T.等、Arch Intern Med. 160:459-467頁(2000)を参照でき、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。したがって、更なる経口投与される脂質調節療法に対する未だ満たされていない医学的な必要性が存在する。
【0005】
同様に、メタボリックシンドロームとして知られている代謝異常の群に関連している状態である、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、肝臓のトリグリセリド(脂肪症)の形で過剰な脂肪蓄積によって定義される。この状態は更に、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を引き起こす肝細胞傷害及び炎症を含み得る。NASHは一般に、2型糖尿病、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、及び肥満症の患者に見られる。NASHを有する患者は、肝硬変、肝不全、及び肝細胞癌を発症する危険性がある。NASHの治療は現在、生活習慣の介入に限定されている。しかしながら、LDL-C及びトリグリセリドレベルの調節における甲状腺ホルモンの役割は、TR媒介経路をNASH及びNAFLDの治療のための有望な標的にしている。例えば、動物では、甲状腺ホルモン模倣薬が肝臓の脂肪含有量を劇的に減少させることが示されている。
【0006】
選択的TRβアゴニストは、コレステロール及び血清脂質レベルの減少、並びに細胞代謝の増加による肥満症の減少等のTRβ活性化の存在し得る有益な効果を保持しながら、非特異的TRアゴニストの心臓の副作用を抑制する手段として開発された。Fujitaki, J. M.等、Drug Metab. Disp. 36(11)2393-403頁(2008))を参照でき、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、標的とされたTRβアゴニストでさえも甲状腺ホルモン軸の抑制をもたらし得ることが示されている(Erion, M. D.、PNAS USA 104(39):15490-5頁(2007)を参照でき、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる)が、それは、うつ病及び疲労から筋肉の消耗及び骨量減少に至るまでの範囲の副作用をもたらす可能性がある。したがって、HPT軸の抑制及びそれに関連する副作用を軽減しながらTRβの活性化をもたらすための組成物及び方法の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Robins及びCotran:Pathologic Basis of Disease、Kumar, V.等編集、(2005)、1165頁を参照)
【非特許文献2】Pearce, E.N.、Curr. Cardiol. Rep. 6:451-6頁(2004)
【非特許文献3】Duntas, L.H.、Thyroid 12:287-93頁(2002)
【非特許文献4】Robins及びCotran:Pathologic Basis of Disease、Kumar, V.等編集、(2005)、523、,572-77頁
【非特許文献5】Grundy, S.M.等、Circulation 110:227-39頁(2004)
【非特許文献6】Pearson, T.等、Arch Intern Med. 160:459-467頁(2000)
【非特許文献7】Fujitaki, J. M.等、Drug Metab. Disp. 36(11)2393-403頁(2008))
【非特許文献8】Erion, M. D.、PNAS USA 104(39):15490-5頁(2007)
【非特許文献9】The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams&Wilkins(2005)
【非特許文献10】Merck Index、Merck & Company、Rahway、NJ
【非特許文献11】Gilman等(編)(1990);Goodman and Gilman's:The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、Pergamon Press
【非特許文献12】Modern Pharmaceutics、第4版、第9章及び第10章(Banker & Rhodes編、2002)
【非特許文献13】Lieberman等、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(1989)
【非特許文献14】Ansel、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 第8版(2004)。
【非特許文献15】Powell等、Compendium of Excipients for Parenteral Formulations、PDA J Pharm Sci and Tech 1998、52 238-311頁
【非特許文献16】Nema等、Excipients and Their Role in Approved Injectable Products:Current Usage and Future Directions、PDA J Pharm Sci and Tech 2011、65 287-332頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、それを必要とする対象において、肥満症、高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、アテローム性動脈硬化、循環器疾患、甲状腺機能低下、及び甲状腺癌等の状態を治療する方法であって、
治療有効量の以下の:
【0010】
【0011】
ような化合物であって、
式中、
【0012】
Gは-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-Se-、-CH2-、-CF2-、-CHF-、-C(O)-、-CH(OH)-、-CH(C1~C4アルキル)-、-CH(C1~C4アルコキシ)-、-C(=CH2)-、-NH-、及び-N(C1~C4アルキル)-からなる群から選択され;
【0013】
Tは-(CRa
2)k-、-CRb=CRb-(CRa
2)n-、-(CRa
2)n-CRb=CRb-、-(CRa
2)-CRb=CRb-(CRa
2)-、-O(CRb
2)(CRa
2)n-、-S(CRb
2)(CRa
2)n-、N(Rc)(CRb
2)(CRa
2)n-、N(Rb)C(O)(CRa
2)n、-C(O)(CRa
2)m-、-(CRa
2)mC(O)-、-(CRa
2)C(O)(CRa
2)n、-(CRa
2)nC(O)(CRa
2)-、及び-C(O)NH(CRb
2)(CRa
2)p-からなる群から選択され;
【0014】
kは1~4の整数であり;
【0015】
mは0~3の整数であり;
【0016】
nは0~2の整数であり;
【0017】
pは0~1の整数であり;
【0018】
各々のRaは、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、ハロゲン、-OH、任意選択で置換された-O-C1~C4アルキル、-OCF3、任意選択で置換された-S-C1~C4アルキル、-NRbRc、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、及び任意選択で置換された-C2~C4アルキニルからなる群から選択され;
但し、1個のRaが、O、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaは水素であるか、又は炭素原子を介して結合しているという条件であり;
【0019】
各々のRbが、独立して、水素及び任意選択で置換された-C1~C4アルキルからなる群から選択され;
【0020】
各々のRcが、独立して、水素、及び任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C(O)-C1~C4アルキル、及び-C(O)Hからなる群から選択され;
【0021】
R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-S-C1~C3アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、-CF3、-OCF3、任意選択で置換された-O-C1~C3アルキル、及びシアノからなる群から選択され;
【0022】
R6、R7、R8、及びR9は、各々独立して、水素、ハロゲン、任意選択で置換された-C C1~C4アルキル、任意選択で置換された-S-C1~C3アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、-CF3、-OCF3、任意選択で置換された-O-C1~C3アルキル、及びシアノからなる群から選択されるか;又は、R6及びTが一緒になって、それらと結合する炭素と共に、独立して-NRi-、-O-、及び-S-から選択されるヘテロ原子を0~2個含む5~6員環を形成し、
但し、2個のヘテロ原子が環に存在し、両方のヘテロ原子が窒素とは異なるとき、両方のヘテロ原子が少なくとも1個の炭素原子によって分離されているべきであるという条件であり;
Xがこの環に、環の炭素への直接結合によって結合するか、又は環の炭素又は環の窒素へと結合する-(CRa
2)-又は-C(O)-によって結合し;
【0023】
Riは、水素、-C(O)C1~C4アルキル、-C1~C4アルキル、及び-C1~C4-アリールからなる群から選択され;
【0024】
R3及びR4は、独立して、水素、ハロゲン、-CF3、-OCF3、シアノ、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、-SRd、-S(=O)Re、-S(=O)2Re、-S(=O)2NRfRg、-C(O)ORh、-C(O)Re、-N(Rb)C(O)NRfRg、-N(Rb)S(=O)2Re、-N(Rb)S(=O)2NRfRg、及び-NRfRgからなる群から選択され;
【0025】
各々のRdは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NRfRgからなる群から選択され;
【0026】
各々のReは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRa
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRa
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRa
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0027】
Rf及びRgは、各々独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はRfとRgが一緒になって、O、NRC、及びSからなる群から選択される第2のヘテロ基を含んでもよい任意選択で置換された複素環を形成してもよく、ここで、前記任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される0~4個の置換基で置換されていてもよく;
【0028】
各々のRhは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0029】
R5は-OH、任意選択で置換された-OC1~C6アルキル、OC(O)Re、-OC(O)ORh、-F、-NHC(O)Re、-NHS(=O)Re、-NHS(=O)2Re、-NHC(=S)NH(Rh)、及び-NHC(O)NH(Rh)からなる群から選択され;
【0030】
XはP(O)YR11Y'R11であり;
【0031】
Y及びY'は、各々独立して、-O-及び-NRv-からなる群から選択され;
Y及びY'が-O-であるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
【0032】
Y及びY'が-NRv-であるとき、-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0033】
Yが-O-であり、Y'がNRvであるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
-NRv-に結合したR11は、独立して、H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0034】
又は、Y及びY'が独立して、-O-及びNRvから選択されるとき、R11及びR11は一緒に-アルキル-S-S-アルキル-であり環状基を形成するか、R11及びR11が一緒に基:
【0035】
【0036】
であり、式中、
【0037】
V、W、及びW'は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、任意選択で置換された1-アルケニル、及び任意選択で置換された1-アルキニルからなる群から選択され;
【0038】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して5~7個の原子を含む環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはリンに結合した両方のY基からの3個の原子である炭素原子に結合したアリールオキシカルボニルオキシによって置換されており;
【0039】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、リンに結合したYに対してベータ位及びガンマ位でアリール基に融合しており;
【0040】
又は、V及びWが一緒に、追加の3個の炭素原子を介して結合して任意選択で置換された6個の炭素原子を含み、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びリンに結合したYからの3個の原子である前記炭素原子の1個に結合したアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基によって置換されている、環状基を形成し;
【0041】
又は、Z及びWが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0042】
又は、W及びW'が一緒に、追加の2~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~2個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0043】
Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry、-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz、-CHRzN3、-CH2-アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz
2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz
2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NH-アリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
【0044】
qは整数2又は3であり;
【0045】
各々のRzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
【0046】
各々のRyは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
【0047】
各々のRxは、独立して、-H及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxが一緒に環状アルキル基を形成し;
【0048】
各々のRvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択される;
【0049】
化合物、並びにその薬学的に許容される塩及びそのプロドラッグ、並びに前記プロドラッグの薬学的に許容される塩の1つ以上を投与することによる、方法を提供する。
【0050】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は以下の条件を有する:
【0051】
a)Gが-O-であり、Tが-CH2-であり、R1及びR2が各々ブロモであり、R3がイソプロピルであり、R4が水素であり、かつR5が-OHであるとき、Xは、P(O)(OH)2でもP(O)(OCH2CH3)2でもない;
【0052】
b)V、Z、W、W'は、全てが-Hではない;並びに
【0053】
c)Zが-Rzであるとき、V、W、及びW'の少なくとも1つは、-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルではない;
【0054】
d)Gが-O-であり、Tが-(CH2)1~4-であり、R1及びR2が独立して、ハロゲン、アルキル、及びシクロアルキルであり、R3がアルキルであり、R4が水素であり、R5が-OHであるとき、Xは-P(O)(OH)2でも-P(O)(O-低級アルキル)2でもなく;並びに
【0055】
e)Gが-O-であり、R5が-NHC(O)Re、-NHS(=O)1~2Re、-NHC(S)NH(Rb)、又は-NHC(O)NH(Rh)であり、Tが-(CH2)m-、-CH=CH-、-O(CH2)1~2-、又は-NH(CH2)1~2-であるとき、Xは-P(O)(OH)2でも-P(O)(OH)NH2でもない。
好ましくは、投与されるべき組成物は、以下の1つ以上を含む:
【0056】
【0057】
又はそれらの薬学的に許容される塩。
【0058】
本明細書において記載されるような方法は、甲状腺関連副作用及び視床下部-下垂体-甲状腺軸(HPT軸)の抑制に関連する副作用を低減又は排除しつつ、一方で、標準的な毎日の投与計画の下で見られるのと同一又は類似のレベルで化合物の有効性を維持するのに有用である。本明細書において記載される方法は、戦略的に配置された休薬期間を利用することを含み、これは驚くべきことに、投与された化合物の有益な効果を維持しつつ一方で、HPT軸の抑制を低下させる。そのような休薬期間は投与スケジュールの間一日おきに、又はより多い若しくはより少ない頻繁で起こり得る。いくつかの実施形態では、投与は、1~30日の間毎日実施され、続いて1~30日の間の休薬期間が続く。
【0059】
いくつかの実施形態では、原薬の血清レベルは、次の用量の投与前に治療量未満のレベルに低下することが許容される。いくつかの他の実施形態では、原薬の血清レベルは、投与間で治療濃度域内に維持される。いくつかの他の実施形態では、投与は、HPT軸の構成要素を同時にモニターしながら毎日実施される。いくつかの更なる実施形態では、休薬期間は、HPT軸の抑制が直接観察されるときにはいつでも実施される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】14日間にわたるビーグル犬(1群あたりn=4)の総血漿コレステロール(TPC)レベルに対する化合物2の1日1回経口投与の効果を示す。
【
図2】ビーグル犬(1群あたりn=4)における総血漿コレステロール(TPC)レベルに対する、14日間の化合物2の1日1回の経口投与とそれに続く14日間の化合物2の隔日投与の効果を示す。
【
図3】ビーグル犬(1群あたりn=4)に対する化合物2の1日1回経口投与後の血清中の総T4/チロキシン(tT4)レベル(平均±SEM)を示す。
【
図4】ビーグル犬(1群あたりn=4)に対する化合物2の1日1回経口投与後の血清中の遊離のT4/チロキシン(fT4)レベル(平均±SEM)を示す。
【
図5】ビーグル犬(1群あたりn=4)に対する化合物2の1日1回経口投与後の血清中の総トリヨードチロニン/T3(tT3)レベル(平均±SEM)を示す。
【
図6】ビーグル犬(1群あたりn=4)に対する化合物2の1日1回経口投与後の血清中の遊離のトリヨードチロニン/T3(fT3)レベル(平均±SEM)を示す。
【
図7】ビーグル犬(1群あたりn=4)に対する化合物2の1日1回経口投与後の血清中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベル(平均±SEM)を示す。
【
図8】ビーグル犬(1群あたりn=2)の血清中の総T4(tT4)レベルに対する、14日間の化合物2の1日1回の経口投与とそれに続く14日間の化合物2の隔日投与の効果を示す。
【
図9】ビーグル犬(サイクル2+延長;1群あたりn=2)の血清中の遊離のT4(fT4)レベルに対する、14日間の化合物2の1日1回の経口投与とそれに続く14日間の化合物2の隔日投与の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本開示は、TRβアゴニストを投与することによる、脂肪肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、高脂血症、脂質異常症、高トリグリセリド血症、及びTRβ経路の調節異常に関連する他の傷害を治療するための方法を提供する。本開示の方法は、HPT軸の抑制、及びこの抑制に関連する起こり得る副作用を防ぐように更に設計されている。
【0062】
定義
「哺乳動物」という用語は、その通常の生物学的意味で使用される。したがって、それは特にヒト及びヒト以外の哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ロバ、ラバ、ウシ、飼育バッファロー、ラクダ、ラマ、アルパカ、バイソン、ヤク、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ヘラジカ、シカ、飼料アンテロープ、及び非ヒト霊長類、並びに多くの他の種を具体的に含む。
【0063】
本明細書において使用されるとき「対象」は、治療又は治療のために選択された、イヌ、ネコ、ウマ、ロバ、ラバ、ウシ、飼育バッファロー、ラクダ、ラマ、アルパカ、バイソン、ヤク、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ヘラジカ、シカ、飼育アンテロープ、又は非ヒト霊長類を含むがこれらに限定されないヒト又は非ヒト哺乳動物を意味する。
【0064】
「有することが疑われる対象」は、疾患又は状態の1つ以上の臨床的指標を示す対象を意味する。ある特定の実施形態では、疾患又は状態は肥満症である。ある特定の実施形態では、疾患又は状態は高脂血症である。ある特定の実施形態では、疾患又は状態は高コレステロール血症である。ある特定の実施形態では、疾患又は状態は糖尿病である。ある特定の実施形態では、疾患又は状態は非アルコール性脂肪肝疾患である。ある特定の実施形態では、疾患又は状態は非アルコール性脂肪性肝炎である。ある特定の実施形態では、疾患又は状態はアテローム性動脈硬化である。ある特定の実施形態では、疾患又は状態は循環器疾患である。ある特定の実施形態では、疾患又は状態は甲状腺機能低下である。ある特定の実施形態では、疾患又は状態は甲状腺癌である。
【0065】
「それを必要とする対象」は、治療法又は治療を必要とすると同定された対象を意味する。
【0066】
治療効果は、ある程度まで、疾患又は障害の症状の1つ以上を軽減し、疾患又は障害を治癒することを含む。「治癒すること」とは、活動性の高い疾患の症状が解消されることを意味する。しかし、治癒が得られた後でさえも、疾患の特定の長期的又は恒久的な影響が存在する可能性がある(広範囲の組織損傷等)。
【0067】
本明細書で使用されるとき、「治療する」、「治療」、又は「治療すること」は、予防及び/又は治療の目的で医薬組成物を投与することを指す。「予防的治療」という用語は、関連する疾患又は障害をまだ有していないが、特定の疾患又は障害に罹患しやすい、又はそうでなければ危険にさらされている患者を治療することを指し、それによって、治療は、患者が疾患又は障害を発症する可能性を低減する。「治療的治療」という用語は、すでに疾患又は障害を有している患者に治療を施すことを指す。
【0068】
「予防すること」又は「予防」とは、数週間、数ヶ月、又は数年を含む期間にわたって、状態又は疾患の発病、発症、又は進行を遅延させるか又は予防することを指す。
【0069】
「改善」とは、状態又は疾患の少なくとも1つの指標の重篤度を下げることを意味する。ある特定の実施形態では、改善は、状態又は疾患の1つ以上の指標の進行の遅延又は緩徐化を含む。指標の重篤度は、当業者に知られている主観的又は客観的尺度によって決定することができる。
【0070】
「調節」は、機能又は活性の変動を意味する。ある特定の実施形態では、調節は遺伝子発現の増加を意味する。ある特定の実施形態では、調節は遺伝子発現の減少を意味する。ある特定の実施形態では、調節は、特定のタンパク質の総血清レベルの増加又は減少を意味する。ある特定の実施形態では、調節は、特定のタンパク質の遊離血清レベルの増加又は減少を意味する。ある特定の実施形態では、調節は、特定の非タンパク質因子の総血清レベルの増加又は減少を意味する。ある特定の実施形態では、調節は、特定の非タンパク質因子の遊離血清レベルの増加又は減少を意味する。ある特定の実施形態では、調節は、特定のタンパク質の総生物学的利用能の増加又は減少を意味する。ある特定の実施形態では、調節は、特定の非タンパク質因子の総生物学的利用能の増加又は減少を意味する。
【0071】
「投与すること」とは、対象に医薬品又は組成物を提供することを意味し、医療専門家による投与及び自己投与を含むがこれらに限定されない。
【0072】
本明細書に開示される化合物又はその薬学的に許容される塩の投与は、経口、皮下、静脈内、鼻腔内、局所、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、膣内、直腸内、又は眼内投与を含むがこれらに限定されない類似の用途に役立つ剤の許容される投与様式のいずれのものであってもよい。好ましい実施形態の主題である適応症を治療する際には、経口投与及び非経口投与が通例である。
【0073】
「非経口投与」は、注射又は注入による投与を意味する。非経口投与には、皮下投与、静脈内投与、筋肉内投与、動脈内投与、及び頭蓋内投与が含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
「皮下投与」は、皮膚直下への投与を意味する。
【0075】
「静脈内投与」は静脈への投与を意味する。
【0076】
「動脈内投与」は動脈への投与を意味する。
【0077】
「剤」という用語は、任意の物質、分子、元素、化合物、成分、又はそれらの組み合わせを含む。それは、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド又は模倣物、有機小分子、多糖、ポリヌクレオチド等を含むが、これらに限定されない。それは、天然物、合成化合物、若しくは化学化合物、又は2つ以上の物質の組み合わせであり得る。
【0078】
「医薬品」は、対象に投与したときに治療効果をもたらす物質を意味する。
【0079】
「医薬組成物」は、医薬品を含む、個体への投与に適した物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は改変オリゴヌクレオチドと滅菌水溶液とを含み得る。
【0080】
「活性医薬成分」は、所望の効果をもたらす医薬組成物中の物質を意味する。
【0081】
「薬学的に許容される塩」という用語は、それらが関連する化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、生物学的に又は他の点で望ましくないものではない塩を指す。多くの場合、本明細書中の化合物は、フェノール基及び/又はホスホネート基又はそれらに類似の基の存在により、酸及び/又は塩基の塩を形成することができる。当業者は、これらの化合物のいずれか又は全てのプロトン化状態が周囲の溶液のpH及びイオン特性と共に変化し得ることを認識しており、したがって本開示は各化合物の複数の荷電状態を企図する。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸によって形成することができる。塩を誘導することができる無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が含まれる。塩が由来し得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等が含まれる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基及び有機塩基を用いて形成することができる。塩を誘導することができる無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム等を含み、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩が特に好ましい。塩を誘導することができる有機塩基は、例えば、一級、二級、及び三級のアミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂等を含み、具体的にはイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミン等である。1987年9月11日に公開されたJohnstonらのWO87/05297(その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、多くのそのような塩が当技術分野において公知である。
【0082】
「溶媒和物」とは、溶媒とEPI、その代謝産物、又は塩との相互作用によって形成される化合物を指す。適切な溶媒和物は、水和物を含む薬学的に許容される溶媒和物である。
【0083】
上述のような有用な化合物は、これらの状態の治療に使用するための医薬組成物に製剤化することができる。その全体が参照により本明細書に組み込まれる、RemingtonのThe Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams&Wilkins(2005)に開示されているもの等の標準的な医薬製剤技術が使用される。したがって、いくつかの実施形態は、以下を含む医薬組成物を含む:(A)安全かつ治療有効な量の本明細書に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩;及び(b)薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤又はそれらの組み合わせ。
【0084】
「薬学的に許容される担体」又は「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、ありとあらゆる溶媒、希釈剤、乳化剤、結合剤、緩衝剤、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等、又は医薬製剤を調製するのに有用であることが当業者に知られているような任意の他の化合物を含む。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体及び剤の使用は、当該技術分野において周知である。任意の従来の媒体又は剤が活性成分と不適合である場合を除き、治療用の組成物におけるその使用が意図されている。補助的な活性剤もまた、組成物中に組み入れることができる。更に、当該技術分野で一般的に使用されているような様々なアジュバントを含めることができる。これら及び他のそのような化合物は、文献、例えば、Merck Index、Merck & Company、Rahway、NJに記載されている。医薬組成物中に様々な成分を含めることについての考察が、例えばGilman等(編)(1990);Goodman and Gilman's:The Pharmacological Basis of Therapeutics、第8版、Pergamon Pressに記載されている。
【0085】
薬学的に許容される担体又はその成分として役立ち得る物質のいくつかの例は、ラクトース、グルコース、及びスクロース等の糖;コーンスターチ、ポテトスターチ等のスターチ;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及びメチルセルロース等のセルロース及びその誘導体;トラガカント粉;麦芽;ゼラチン;タルク;ステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム等の固体潤滑剤;硫酸カルシウム;ラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及びテオブロマ油等の植物油;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール等のポリオール類;アルギン酸;TWEENS等の乳化剤;ラウリル硫酸ナトリウム等の湿潤剤;着色剤;香味剤;錠剤化剤、安定剤;酸化防止;保存剤;パイロジェンフリー水;等張食塩水;並びにリン酸緩衝液である。
【0086】
本化合物と組み合わせて使用される薬学的に許容される担体の選択は、化合物が投与される方法によって決定される。
【0087】
本明細書に記載の組成物は、好ましくは単位剤形で提供される。本明細書中で使用されるとき、「単位剤形」は、適正な医療行為に従って、単回用量で、対象への投与に適した量の化合物を含む組成物である。しかしながら、単一剤形又は単位剤形の調製は、剤形が1日に1回又は治療の過程に1回投与されることを意味しない。単位剤形は、1日1回の用量量を含んでもよく、又は、1日の用量を満たすために1日の経過にわたっていくつかの単位剤形が投与される部分分割投与量を含んでもよい。本開示によれば、単位剤形は、1日1回よりも多いか又は少ない頻度で投与されてもよく、治療過程中に1回を超えて投与されてもよい。そのような剤形は、経口、非経口を含むそれらの製剤と調和する任意の方法で投与することができ、そしてある期間(例えば、約30分~約2~6時間)にわたって注入として投与することができる。単回投与が特に企図されているが、本明細書に記載の方法に従って投与される組成物はまた、持続注入として又は埋め込み型注入ポンプを介して投与され得る。
【0088】
本明細書に記載の方法は、例えば経口、経鼻、直腸、局所(経皮を含む)、眼内、脳内、頭蓋内、髄腔内、動脈内、静脈内、筋肉内、又は他の非経口の投与経路等の様々な投与経路に対して様々な適切な形態のいずれかを利用することができる。当業者は、経口及び経鼻組成物が吸入により投与されそして利用可能な方法論を用いて作製される組成物を含むことを認識するであろう。所望の特定の投与経路に応じて、当該技術分野において周知の様々な薬学的に許容される担体を使用することができる。薬学的に許容される担体には、例えば、固体又は液体の充填剤、希釈剤、ヒドロトロピー、界面活性剤、及び封入物質が含まれる。化合物の活性に実質的に干渉しない、任意選択の薬学的に活性な物質が含まれてもよい。化合物と共に使用される担体の量は、化合物の単位用量あたりの投与に実用的な量の物質をもたらすのに十分な量である。本明細書に記載の方法において有用な剤形を作製するための技術及び組成物は、以下の参考文献に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み入れられる:Modern Pharmaceutics、第4版、第9章及び第10章(Banker & Rhodes編、2002);Lieberman等、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(1989);及びAnsel、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 第8版(2004)。
【0089】
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、及び原末粉剤等の固体形態を含む、様々な経口剤形を使用することができる。錠剤は、適切な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動誘導剤、及び融解剤を含む、圧縮、錠剤トリチュレート、腸溶コーティング、糖衣コーティング、フィルムコーティング、又は多重圧縮であり得る。液体経口剤形には、適切な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁剤、希釈剤、甘味剤、融解剤、着色剤、及び香味剤を含む、水溶液、エマルション、懸濁液、非発泡顆粒から再構成された溶液及び/又は懸濁液が含まれる。
【0090】
経口投与のための単位剤形の調製に適した薬学的に許容される担体は当該技術分野において周知である。錠剤は典型的には、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース、及びセルロース等の不活性希釈剤;スターチ、ゼラチン、スクロース等の結合剤;スターチ、アルギン酸、クロスカルメロース等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、タルク等の滑沢剤として、従来の薬学的に適合性のあるアジュバントを含む。錠剤はまた、ポロキサマー、クレモフォア/Kolliphor(登録商標)/Lutrol(登録商標)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又は当該技術分野で公知の他のもの等の可溶化剤又は乳化剤を含んでもよい。二酸化ケイ素等の流動促進剤を使用して、粉末混合物の流動特性を改善することができる。FD&C染料等の着色剤を外観のために添加することができる。アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、及びフルーツフレーバー等の甘味剤及び香味剤は、チュアブル錠のための有用なアジュバントである。カプセル剤は、典型的には、上に開示された一つ以上の固体希釈剤を含む。担体成分の選択は、味、コスト、及び保存安定性等の二次的な考慮事項に依存し、それらは当業者によって容易になされ得る。
【0091】
経口(PO)組成物はまた、液剤、乳剤、懸濁剤等を含む。そのような組成物の調製に適した薬学的に許容される担体は当技術分野において周知である。シロップ剤、エリキシル剤、乳剤及び懸濁剤のための担体の典型的な成分には、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトール、及び水が含まれる。懸濁剤の場合、典型的な懸濁剤には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC-591、トラガカント、及びアルギン酸ナトリウムが含まれ;典型的な湿潤剤にはレシチン及びポリソルベート80が含まれる典型的な保存剤には、メチルパラベン及び安息香酸ナトリウムが含まれる。経口液体組成物はまた、上に開示された甘味剤、着香剤、及び着色剤等の1つ以上の成分を含み得る。
【0092】
そのような組成物はまた、本化合物が所望の局所適用の近辺で消化管内に放出されるように、又は所望の作用を拡張するために様々な時点で放出されるように、通常の方法によって、典型的にはpH依存性又は時間依存性のコーティングでコートされ得る。そのような剤形は、典型的には、1以上の酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、Eudragitコーティング、ワックス、及びシェラックのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。
【0093】
本明細書に記載の組成物は、他の薬物活性物質を任意選択で含み得る。
【0094】
本化合物の全身送達を達成するのに有用な他の組成物には、舌下剤形、バッカル剤形及び経鼻剤形が含まれる。そのような組成物は、典型的には、スクロース、ソルビトール、及びマンニトール等の可溶性充填剤物質;アカシアゴム、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤のうちの1つ以上を含む。上に開示された流動促進剤、滑沢剤、甘味剤、着色剤、酸化防止剤、及び香味剤もまた含まれ得る。
【0095】
局所眼科使用のために製剤化された液体組成物は、眼に局所投与できるように製剤化される。時には製剤の考慮事項(例えば薬物安定性)が最適に及ばない快適性を必要とする可能性があるが、快適性は可能な限り最大化され得る。快適性を最大にすることができない場合、液体は、局所的な眼科使用のために患者に許容されるように製剤化することができる。更に、眼科的に許容される液体は、単回使用のために包装されてもよく、又は複数回使用にわたる混入汚染を防ぐために保存料を含んでもよい。
【0096】
眼科用途のために、溶液又は医薬は、しばしば主な媒体として生理食塩水を使用して調製される。眼科用溶液は、適切な緩衝系を用いて快適なpHに維持するのが好ましい。製剤はまた、従来の薬学的に許容される保存剤、安定剤、及び界面活性剤を含み得る。
【0097】
本明細書に開示される医薬組成物に使用され得る保存剤は、塩化ベンザルコニウム、PHMB、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀アセテート及びフェニル水銀ニトレートを含むが、これらに限定されない。有用な界面活性剤は、例えばTween 80である。同様に、様々な有用なビヒクルを本明細書に開示されている眼科用製剤に使用することができる。これらのビヒクルとしては、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び精製水が含まれるが、これらに限定されない。
【0098】
等張化剤は、必要に応じて又は都合のよいように追加され得る。それらには、塩、特に塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール及びグリセリン、又は他の任意の適切な眼科的に許容される等張化剤が含まれるがこれらに限定されない。
【0099】
得られた製剤が眼科的に許容される限り、pHを調整するための様々な緩衝剤及び手段を使用することができる。多くの組成物について、pHは4~9であろう。したがって、緩衝剤には、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、及びホウ酸緩衝剤が含まれる。必要に応じて、酸又は塩基を用いてこれらの製剤のpHを調整することができる。
【0100】
眼科的に許容される抗酸化剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、及びブチル化ヒドロキシトルエンが含まれるが、これらに限定されない。
【0101】
眼科用製剤に含まれ得る他の賦形剤成分はキレート剤である。有用なキレート剤はエデト酸二ナトリウムであるが、他のキレート剤もその代わりとして、又はそれと共に使用することができる。
【0102】
経皮投与を含む局所使用のためには、本明細書に開示された化合物を含有するクリーム、軟膏、ゲル、溶液、又は懸濁液等が用いられる。局所製剤は、一般に、医薬担体、共溶媒、乳化剤、浸透増強剤、保存剤系、及び皮膚軟化剤を含み得る。
【0103】
静脈内投与について、本明細書に記載の化合物及び組成物は、生理食塩水又はデキストロース溶液等の薬学的に許容される希釈剤に溶解又は分散させることができる。NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HCl、及びクエン酸を含むがこれらに限定されない、所望のpHを達成するために適切な賦形剤を含めることができる。様々な実施形態において、最終的な組成物のpHは、2~8、又は好ましくは4~7の範囲である。抗酸化賦形剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、アセトン亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウム、スルホキシレート、チオ尿素、及びEDTAが含まれる。最終的な静脈内組成物中に見出される適切な賦形剤の他の非限定的な例としては、リン酸ナトリウム又はリン酸カリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、並びに炭水化物、例えばデキストロース、マンニトール、及びデキストランが含まれる。更なる許容可能な賦形剤は、Powell等、Compendium of Excipients for Parenteral Formulations、PDA J Pharm Sci and Tech 1998、52 238-311頁及びNema等、Excipients and Their Role in Approved Injectable Products:Current Usage and Future Directions、PDA J Pharm Sci and Tech 2011、65 287-332頁に記載され、この用法は、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。静菌性又は静真菌性の溶液を達成するために、硝酸フェニル水銀、チメロサール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾール、及びクロロブタノールを含むがこれらに限定されない抗菌剤も含まれ得る。
【0104】
静脈内投与のための組成物は、投与直前に滅菌水、生理食塩水、又は水中のデキストロース等の適切な希釈剤で再構成されたもう一つの固体の形態で介護者に提供されてもよい。他の実施形態では、組成物は、非経口投与する準備ができている溶液で提供される。更に他の実施形態では、組成物は、投与前に更に希釈される溶液中に提供される。本明細書に記載の化合物と別の剤との組み合わせを投与することを含む実施形態において、組み合わせは介護者に混合物として提供されてもよく、介護者は投与前に2つの剤を混合してもよく、又は2つの剤を別々に投与してもよい。
【0105】
本明細書に記載されている活性化合物の実際の単位用量は、具体的な化合物及び治療されるべき状態に依存する。いくつかの実施形態では、用量は、約0.01mg/kg~約120mg/kg体重以上、約0.05mg/kg以下~約70mg/kg、約0.1mg/kg~約50mg/kg体重、約1.0mg/kg~約10mg/kg体重、約5.0mg/kg~約10mg/kg体重、又は約10.0mg/kg~約20.0mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、用量は、100mg/kg、90mg/kg、80mg/kg、70mg/kg、60mg/kg、50mg/kg、40mg/kg、30mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6mg/kg、5mg/kg、4mg/kg、3mg/kg、2.5mg/kg、1mg/kg、0.5mg/kg、0.1mg/kg、0.05mg/kg、又は0.005mg/kg体重未満であり得る。いくつかの実施形態では、実際の単位用量は0.05、0.07、0.1、0.3、1.0、3.0、5.0、10.0、又は25.0mg/kg体重である。したがって、70kgの個人への投与のためには、投与量範囲は約0.1mg~70mg、約1mg~約50mg、約0.5mg~約10mg、約1mg~約10mg、約2.5mg~約30mg、約35mg以下~約700mg以上、約7mg~約600mg、約10mg~約500mg、約20mg~約300mg、又は約200mg~約2000mgであろう。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は5mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は10mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は25mgである。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は250mg以下である。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は100mg以下である。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は70mg以下である。いくつかの実施形態において、実際の単位用量は5mgである。
【0106】
本明細書で使用されるとき、「負荷用量」は、その後の用量よりも高い化合物の初期用量を指す。
【0107】
本明細書で使用されるとき、「維持用量」は、負荷用量に続き、負荷用量よりも時間的に後に起こる後続の用量を指す。当業者は、維持用量の剤形又は投与様式が負荷用量に使用されるものとは異なり得ることを理解するであろう。本明細書に開示される実施形態のいずれにおいても、維持用量は、月に1回又は月に複数回、隔週又は2週間に複数回、週に1回又は複数回、毎日又は1日に複数回を含む、本明細書で考慮する任意の投与スケジュールでの単位剤形の投与を含み得るがこれらに限定されない。本開示の範囲内で、休薬期間を維持用量の投与期間に組み込むことができると考えられる。そのような休薬期間は、負荷用量の投与直後又は維持用量の投与期間中の任意のときに起こり得る。本明細書中で使用されるとき、維持用量の投与期間は、治療期間の「維持期」と呼ばれ得る。
【0108】
本明細書で使用されるとき、「投与様式」は、化合物が対象に投与される手段を指す。本明細書中で使用される場合、「投与様式」は、剤形(例えば、錠剤、粉末、溶解液、懸濁液、乳剤、エアロゾル等)及び剤形が対象に適用される機序(例えば、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、又は動脈内等の注射による;クリーム、ローション、又はパッチ等による局所的;ピル、溶解液、経口懸濁液、バッカルフィルム、又は洗口等による経口的;例えば鼻腔用エアロゾル、粉末、又はスプレーによる鼻腔内;又は点眼薬等による眼球内投与)を含む。本明細書中で使用されるとき、「投与様式」はまた、化合物が対象に投与される用量、投与量、及び投与スケジュールも含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、投与様式は、負荷用量を投与した後に維持用量を投与することを含む。いくつかの実施形態において、負荷用量は300mg以下、250mg以下、200mg以下、150mg以下、又は100mg以下である。いくつかの実施形態では、維持用量は300mg以下、200mg以下、100mg以下、50mg以下、40mg以下、25mg以下、10mg以下、5mg以下、又は1mg以下である。
【0110】
いくつかの実施形態では、負荷用量は1日の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、負荷用量は2日の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、負荷用量は3日の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、負荷用量は4日の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、負荷用量は5、6、又は7日の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、負荷用量は8~14日又はそれ未満の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、負荷用量は14日の期間にわたって投与される。
【0111】
本明細書中で使用されるとき、「治療期間」とは、初回用量の投与から始まり、最終用量の投与までの終わりの時間をいい、かかる期間は、高脂血症、高コレステロール血症、NASH及びNAFLDが含まれるがこれらに限定されないTRβが関与する疾患を治療する当業者によって、そのために治療されている対象の症状及び健康を参照して決定される。
【0112】
本明細書中で使用されるとき、「休薬期間」とは、用量が対象に投与されないか、又は減少した用量が対象に投与される24時間以上の期間を指す。本明細書中で使用されるとき、「減少した用量」とは、対象に投与されるべき1日の総用量より少ない用量をいう。
【0113】
本明細書中で使用されるとき、「視床下部-下垂体-甲状腺軸」又は「HPT軸」とは、代謝の調節に関与する一連の神経内分泌経路、シグナル、及び分子を指す。本明細書中で使用されるとき、「HPT軸」は更に、甲状腺ホルモンに対する調節、修飾、又は応答に関与する任意の分子をいう。HPT軸の代表的な成分には、トリヨードチロニン(T3)、チロキシン(T4)、ヨードチロニン、チロトロピン放出ホルモン(TRH)、及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)が含まれる。
【0114】
「アルキル」という用語は、単一の炭素-炭素結合のみを有する直鎖又は分岐鎖又は環状の炭化水素基を指す。代表例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、及びシクロヘキシルを含み、その全ては任意選択で置換されていてもよい。アルキル基はC1~C12である。
【0115】
「アリール」という用語は、5~14個の環原子及び共役π電子系を有する少なくとも1個の環を有する芳香族基を指し、炭素環式アリール、複素環アリール、及びビアリール基を含み、それらの全ては任意選択で置換されていてもよい。
【0116】
炭素環式アリール基は、芳香環上の環原子が炭素原子である6~14個の環原子を有する基である。炭素環式アリール基には、単環式炭素環式アリール基、及び任意選択で置換されていてもよいナフチル基等の多環式又は縮合化合物が含まれる。
【0117】
複素環アリール又はヘテロアリール基は、5~14個の環原子を有し、1~4個のヘテロ原子が芳香族環中の環原子であり、残りの環原子が炭素原子である基である。適切なヘテロ原子には、酸素、硫黄、窒素、及びセレンが含まれる。適切なヘテロアリール基としては、フラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-低級アルキルピロリル、ピリジル-N-オキシド、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリル等が挙げられ、全て任意選択で置換されていてもよい。
【0118】
「ビアリール」という用語は、縮合環系と他のアリール基で置換されたアリール基との両方を含む、1個を超える芳香族環を含む5~14個の原子を有するアリール基を表す。そのような基は任意選択で置換されていてもよい。適切なビアリール基には、ナフチル及びビフェニルが含まれる。
【0119】
用語「任意選択で置換された」又は「置換された」は、低級アルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級環状アルキル、低級ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アリールオキシ、ペルハロアルコキシ、アラルコキシ、低級ヘテロアリール、低級ヘテロアリールオキシ、低級ヘテロアリールアルキル、低級ヘテロアラルコキシ、アジド、アミノ、ハロ、低級アルキルチオ、オキソ、低級アシルアルキル、低級カルボキシエステル、カルボキシル、-カルボキサミド、ニトロ、低級アシルオキシ、低級アミノアルキル、低級アルキルアミノアリール、低級アルキルアリール、低級アルキルアミノアルキル、低級アルコキシアリール、低級アリールアミノ、低級アラルキルアミノ、スルホニル、低級カルボキサミドアルキルアリール、低級カルボキサミドアリール、低級ヒドロキシアルキル、低級ハロアルキル、低級アルキルアミノアルキルカルボキシ-、低級アミノカルボキサミドアルキル-、シアノ、低級アルコキシアルキル、低級ペルハロアルキル、及び低級アリールアルキルオキシアルキルから独立して選択される1~6個の置換基で置換された基を含む。
【0120】
「置換アリール」及び「置換ヘテロアリール」は、1~3個の置換基で置換されたアリール及びヘテロアリール基を指す。これらの置換基は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ペルハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、及びアミノからなる群から選択される。
【0121】
用語「-アラルキル」は、アリール基で置換されたアルキレン基を指す。適切なアラルキル基には、ベンジル、ピコリル等が含まれ、そして任意選択で置換されていてもよい。「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリール基で置換されたアルキレン基を指す。
【0122】
「アルキルアリール-」という用語は、アルキル基で置換されたアリール基を指す。「低級アルキルアリール-」は、アルキルが低級アルキルであるような基を指す。
【0123】
有機基又は化合物に関して本明細書で言及される「低級」という用語はそれぞれ、例えば10以下、一態様では6以下、別の態様では1~4個の炭素原子を含むように定義される。そのような基は、直鎖状、分岐鎖状、又は環状であり得る。
【0124】
「環式アルキル」又は「シクロアルキル」という用語は、3~10個の炭素原子の環式であり、一態様では3~6個の炭素原子であるアルキル基を指す。適切な環式基には、ノルボルニル及びシクロプロピルが含まれる。そのような基は置換されていてもよい。
【0125】
「複素環」、「複素環アルキル」、又は「ヘテロシクロアルキル」という用語は、3~10個の原子の環式基を指し、一態様では少なくとも1個のヘテロ原子を含む3~6個の原子であり、更なる態様では1~3個のヘテロ原子である。適切なヘテロ原子には、酸素、硫黄、及び窒素が含まれる。複素環基は、環内の、窒素を介して又は炭素原子を介して結合していてもよい。複素環アルキル基には、不飽和環式、縮合環式、及びスピロ環式の基が含まれる。適切な複素環基には、ピロリジニル、モルホリノ、モルホリノエチル、及びピリジルが含まれる。
【0126】
「アリールアミノ」(a)及び「アラルキルアミノ」(b)という用語はそれぞれ、基-NRR'を指し、式中、それぞれ(a)Rはアリールであり、そしてR'は水素、アルキル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、又はアリールであり、(b)RがアラルキルでありそしてR'が水素、アラルキル、アリール、アルキル、又はヘテロシクロアルキルである。
【0127】
「アシル」という用語は、-C(O)Rを指し、式中、Rはアルキル、ヘテロシクロアルキル、又はアリールである。
【0128】
「カルボキシエステル」という用語は、-C(O)ORを指し、式中、Rは、アルキル、アリール、アラルキル、環式アルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、全て任意選択で置換されている。
【0129】
用語「カルボキシル」は、-C(O)OHを指す。
【0130】
「オキソ」という用語は、アルキル又はヘテロシクロアルキル基中の=Oを指す。
【0131】
「アミノ」という用語は-NRR'を指し、式中、R及びR'は独立して水素、アルキル、アリール、アラルキル及びヘテロシクロアルキルから選択され、H以外は全て置換されていてもよく、RとR'は環式環系を形成することができる。
【0132】
「-カルボキシルアミド」という用語は、各Rが独立して水素又はアルキルである-CONR2を指す。
【0133】
「-スルホニルアミド」又は「-スルホニルアミド」という用語は、各Rが独立して水素又はアルキルである-S(=O)2NR2を指す。
【0134】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、-F、-Cl、-Br、及び-Iを指す。
【0135】
「アルキルアミノアルキルカルボキシ」という用語は、アルキル-NR-alk-C(O)-O-基を指し、式中、「alk」はアルキレン基であり、そしてRはH又は低級アルキルである。
【0136】
「スルホニル(sulphonyl)」又は「スルホニル(sulfonyl)」という用語は、-SO2Rを指し、式中、Rは、H、アルキル、アリール、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。
【0137】
「スルホネート(sulphonate)」又は「スルホネート(sulfonate)」という用語は、-SO2ORを指し、式中、Rは-H、アルキル、アリール、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。
【0138】
「アルケニル」という用語は、2~12個の原子を有し、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む不飽和基を指し、直鎖、分岐鎖及び環状の基を含む。アルケニル基は任意選択で置換されていてもよい。適切なアルケニル基にはアリルが含まれる。「1-アルケニル」とは、二重結合が第1の炭素原子と第2の炭素原子との間にあるアルケニル基を指す。1-アルケニル基が他の基に結合している場合、例えば、それが環状ホスホネートに結合しているW置換基である場合、それは第1の炭素に結合している。
【0139】
「アルキニル」という用語は、2~12個の原子を有し、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含む不飽和基を指し、直鎖、分岐鎖及び環状の基を含む。アルキニル基は任意選択で置換されていてもよい。適切なアルキニル基にはエチニルが含まれる。「1-アルキニル」とは、三重結合が第1の炭素原子と第2の炭素原子との間にあるアルキニル基を指す。1-アルキニル基が他の基に結合している場合、例えば、それが環状ホスホネートに結合しているW置換基である場合、それは第1の炭素に結合している。
【0140】
「アルキレン」という用語は、二価の直鎖、分岐鎖、又は環状の飽和脂肪族基を指す。一態様では、アルキレン基は10個以下の原子を含む。別の態様では、アルキレン鎖は6個以下の原子を含む。更なる態様では、アルキレン基は、4個以下の原子を含む。アルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
【0141】
「アシルオキシ」という用語は、エステル基-OC(O)Rを指し、式中、RはH、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。
【0142】
用語「アミノアルキル-」は、基NR2-alk-を指し、式中、「alk」はアルキレン基であり、そしてRは、-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択される。
【0143】
「アルキルアミノアルキル-」という用語は、基アルキル-NR-alk-を指し、式中、各「alk」は独立して選択されたアルキレンであり、そしてRがH又は低級アルキルである。「低級アルキルアミノアルキル-」は、アルキル基及びアルキレン基が、それぞれ低級アルキル及びアルキレンである基を指す。
【0144】
「アリールアミノアルキル-」という用語は、基アリール-NR-alk-を指し、式中、「alk」はアルキレン基であり、Rは-H、アルキル、アリール、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。「低級アリールアミノアルキル-」において、アルキレン基は低級アルキレンである。
【0145】
「アルキルアミノアリール-」という用語は、基アルキル-NR-アリール-を指し、式中、「アリール」は二価の基であり、そしてRは-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルである。「低級アルキルアミノアリール-」において、アルキル基は低級アルキルである。
【0146】
「アルコキシアリール-」という用語は、アルキルオキシ基で置換されたアリール基を指す。「低級アルキルオキシアリール-」において、アルキル基は低級アルキルである。
【0147】
「アリールオキシアルキル-」という用語は、アリールオキシ基で置換されたアルキル基を指す。
【0148】
「アラルキルオキシアルキル-」という用語は、アリール-alk-O-alk-基を指し、式中、「alk-」はアルキレン基である。「低級アラルキルオキシアルキル-」は、アルキレン基が低級アルキレンであるような基を指す。
【0149】
用語「アルコキシ-」又は「アルキルオキシ-」は、基アルキル-O-を指す。
【0150】
「アルコキシアルキル-」又は「アルキルオキシアルキル-」という用語は、基アルキル-O-alk-を指し、式中、「alk」はアルキレン基である。「低級アルコキシアルキル-」において、各アルキル及びアルキレンは、それぞれ低級アルキル及びアルキレンである。
【0151】
「アルキルチオ-」及び「アルキルチオ-」という用語は、基アルキル-S-を指す。
【0152】
「アルキルチオアルキル-」という用語は、基アルキル-S-alk-を指し、式中、「alk」はアルキレン基である。「低級アルキルチオアルキル-」において、各アルキル及びアルキレンは、それぞれ低級アルキル及びアルキレンである。
【0153】
「アルコキシカルボニルオキシ-」という用語は、アルキル-O-C(O)-O-を指す。
【0154】
「アリールオキシカルボニルオキシ-」という用語は、アリール-O-C(O)-O-を指す。
【0155】
「アルキルチオカルボニルオキシ-」という用語は、アルキル-S-C(O)-O-を指す。
【0156】
「アミド」という用語は、NR2-C(O)-、RC(O)-NR1-、NR2-S(=O)2-及びRS(=O)2-NR1-におけるようなアシル又はスルホニル基の隣のNR2基を指し、式中、R及びR'は、-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。
【0157】
「カルボキサミド」という用語は、NR2-C(O)-及びRC(O)-NR1-を指し、式中、R及びR'は、-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。この用語は尿素、-NR-C(O)-NR-を含まない。
【0158】
「スルホンアミド(sulphonamido)」又は「スルホンアミド(sulfonamido)」という用語は、NR2-S(=O)2-及びRS(=O)2-NR1-を指し、式中、R及びR'は、-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。この用語は、スルホニル尿素、-NR-S(-O)2-NR-を含まない。
【0159】
「カルボキサミドアルキルアリール」及び「カルボキサミドアリール」という用語は、それぞれ、アリール-alk-NR1-C(O)、及びar-NR1-C(O)-alk-を指し、式中、「ar」はアリールであり、「alk」はアルキレンであり、R1及びRは、H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。
【0160】
「スルホンアミドアルキルアリール」及び「スルホンアミドアリール」という用語は、それぞれアリール-alk-NR1-S(=O)2-、及びar-NR1-S(-O)2-を指し、式中、「ar」はアリールであり、「alk」はアルキレンであり、R1及びRは-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。
【0161】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、1個の-OHで置換されたアルキル基を指す。
【0162】
「ハロアルキル」という用語は、1個のハロで置換されたアルキル基を指す。
【0163】
「シアノ」という用語は、-C≡Nを指す。
【0164】
「ニトロ」という用語は、-NO2を指す。
【0165】
「アシルアルキル」という用語は、アルキル-C(O)-alk-を指し、式中「alk」はアルキレンである。
【0166】
「アミノカルボキサミドアルキル-」という用語は、基NR2-C(O)-N(R)-alk-を指し、式中、Rはアルキル基又はHであり、そして「alk」はアルキレン基である。「低級アミノカルボキサミドアルキル-」は、「alk」が低級アルキレンであるような基を指す。
【0167】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール基で置換されたアルキレン基を指す。
【0168】
「ペルハロ」という用語は、全てのC-H結合が脂肪族又はアリール基上のC-ハロ結合で置き換えられている基を指す。適切なペルハロアルキル基には、-CF3及び-CFCl2が含まれる。
【0169】
「カルボン酸部分」という用語は、カルボン酸基(-COOH)を有する化合物、及びそれらの塩、カルボン酸エステル、又はカルボン酸代替物を指す。適切なカルボン酸代替物には、テトラゾール基、ヒドロキサム酸基、チアゾリジンジオン基、アシルスルホンアミド基、及び6-アザウラシル、並びにそれらのプロドラッグが含まれる。ホスホン酸及びそのプロドラッグはカルボン酸代替物の範囲内ではない。
【0170】
【0171】
【0172】
Table1(表1)は、本明細書に記載の実施形態及び実施例で使用されるような当該技術分野における一般的な略語の定義を提示する。
【0173】
本明細書で使用されるとき、「HPT軸の抑制」とは、HPT軸の任意の要素、特にトリヨードチロニン(T3)、チロキシン(T4)、ヨードチロニン、チロトロピン放出ホルモン(TRH)、及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)の、個別の、任意の組み合わせの、又は総体としての、循環レベルの低下を指す。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、トリヨードチロニン(T3)、チロキシン(T4)、ヨードチロニン、チロトロピン放出ホルモン(TRH)、又は甲状腺刺激ホルモン(TSH)の循環血清レベルの少なくとも5%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、トリヨードチロニン(T3)、チロキシン(T4)、ヨードチロニン、チロトロピン放出ホルモン(TRH)、又は甲状腺刺激ホルモン(TSH)の循環血清レベルの少なくとも10%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、トリヨードチロニン(T3)、チロキシン(T4)、ヨードチロニン、チロトロピン放出ホルモン(TRH)、又は甲状腺刺激ホルモン(TSH)の循環血清レベルの少なくとも20%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、トリヨードチロニン(T3)、チロキシン(T4)、ヨードチロニン、チロトロピン放出ホルモン(TRH)、又は甲状腺刺激ホルモン(TSH)の循環血清レベルの少なくとも30%、40%、50%、又は60%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、トリヨードチロニン(T3)、チロキシン(T4)、ヨードチロニン、チロトロピン放出ホルモン(TRH)、又は甲状腺刺激ホルモン(TSH)の循環血清レベルの60%を超える低下を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、遊離トリヨードチロニン(fT3)又は遊離チロキシン(fT4)のレベルの少なくとも5%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、遊離トリヨードチロニン(fT3)又は遊離チロキシン(fT4)のレベルの少なくとも10%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、遊離トリヨードチロニン(fT3)又は遊離チロキシン(fT4)のレベルの少なくとも20%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、遊離トリヨードチロニン(fT3)又は遊離チロキシン(fT4)のレベルの少なくとも30%、40%、50%、又は60%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、遊離トリヨードチロニン(fT3)又は遊離チロキシン(fT4)のレベルの60%を超える低下を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、総トリヨードチロニン(tT3)又は総チロキシン(tT4)のレベルの少なくとも5%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、総トリヨードチロニン(tT3)又は総チロキシン(tT4)のレベルの少なくとも10%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、総トリヨードチロニン(tT3)又は総チロキシン(tT4)のレベルの少なくとも20%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、総トリヨードチロニン(tT3)又は総チロキシン(tT4)のレベルの少なくとも30%、40%、50%、又は60%の低下を含む。いくつかの実施形態では、HPT軸の抑制は、総トリヨードチロニン(tT3)又は総チロキシン(tT4)のレベルの60%を超える低下を含む。
【0176】
本明細書で企図されるように、甲状腺関連の副作用の軽減は、HPT軸の抑制のレベルが、対象あたり約10~約40mg/日の毎日の投与において見られる抑制のレベルより低い治療方法の効果を含む。いくつかの実施形態では、甲状腺関連副作用の軽減は、HPT軸の抑制のレベルが、個々の対象に対する、40mg/日、30mg/日、20mg/日、15mg/日、10mg/日、5mg/日、又は2.5mg/日の毎日の投与で見られる抑制のレベルより低い治療方法の効果を含む。いくつかの実施形態では、甲状腺関連副作用の軽減は、HPT軸の抑制のレベルが、個々の対象に対する、2.5~35mg/日、2.5~10mg/日、5~15mg/日、5mg/日、又は10mg/日の毎日の投与で見られる抑制のレベルより低い治療方法の効果を含む。
【0177】
本開示は、
式I:
【0178】
【0179】
の化合物であって、
式中、
【0180】
Gは-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-Se-、-CH2-、-CF2-、-CHF-、-C(O)-、-CH(OH)-、-CH(C1~C4アルキル)-、-CH(C1~C4アルコキシ)-、-C(=CH2)-、-NH-、及び-N(C1~C4アルキル)-からなる群から選択され;
【0181】
Tは-(CRa2)k-、-CRb=CRb-(CRa
2)n-、-(CRa
2)n-CRb=CRb-、-(CRa
2)-CRb=CRb-(CRa
2)-、-O(CRb
2)(CRa
2)n-、-S(CRb
2)(CRa
2)n-、N(Rc)(CRb
2)(CRa
2)n-、N(Rb)C(O)(CRa
2)n、-C(O)(CRa
2)m-、-(CRa
2)mC(O)-、-(CRa
2)C(O)(CRa
2)n、-(CRa
2)nC(O)(CRa
2)-、及び-C(O)NH(CRb
2)(CRa
2)p-からなる群から選択され;
【0182】
kは1~4の整数であり;
【0183】
mは0~3の整数であり;
【0184】
nは0~2の整数であり;
【0185】
pは0~1の整数であり;
【0186】
各々のRaは、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、ハロゲン、-OH、任意選択で置換された-O-C1~C4アルキル、-OCF3、任意選択で置換された-S-C1~C4アルキル、-NRbRc、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、及び任意選択で置換された-C2~C4アルキニルからなる群から選択され;
但し、1個のRaが、O、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaは水素であるか、又は炭素原子を介して結合しているという条件であり;
【0187】
各々のRbが、独立して、水素及び任意選択で置換された-C1~C4アルキルからなる群から選択され;
【0188】
各々のRcが、独立して、水素、及び任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C(O)-C1~C4アルキル、及び-C(O)Hからなる群から選択され;
【0189】
R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-S-C1~C3アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、-CF3、-OCF3、任意選択で置換された-O-C1~C3アルキル、及びシアノからなる群から選択され;
【0190】
R6、R7、R8、及びR9は、各々独立して、水素、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-S-C1~C3アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、-CF3、-OCF3、任意選択で置換された-O-C1~C3アルキル、及びシアノからなる群から選択されるか;又は、R6及びTが一緒になって、それらと結合する炭素と共に、独立して-NRi-、-O-、及び-S-から選択されるヘテロ原子を0~2個含む5~6員環を形成し、
但し、2個のヘテロ原子が環に存在し、両方のヘテロ原子が窒素とは異なるとき、両方のヘテロ原子が少なくとも1個の炭素原子によって分離されているべきであるという条件であり;
Xがこの環に、環の炭素への直接結合によって結合するか、又は環の炭素又は環の窒素へと結合する-(CRa
2)-又は-C(O)-によって結合し;
【0191】
Riは、水素、-C(O)C1~C4アルキル、-C1~C4アルキル、及び-C1~C4-アリールからなる群から選択され;
【0192】
R3及びR4は、独立して、水素、ハロゲン、-CF3、-OCF3、シアノ、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、-SRd、-S(=O)Re、-S(=O)2Re、-S(=O)2NRfRg、-C(O)ORh、-C(O)Re、-N(Rb)C(O)NRfRg、-N(Rb)S(=O)2Re、-N(Rb)S(=O)2NRfRg、及び-NRfRgからなる群から選択され;
【0193】
各々のRdは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NRfRgからなる群から選択され;
【0194】
各々のReは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRa
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRa
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRa
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0195】
Rf及びRgは、各々独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はRfとRgが一緒になって、O、NRC、及びSからなる群から選択される第2のヘテロ基を含んでもよい任意選択で置換された複素環を形成してもよく、ここで、前記任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される0~4個の置換基で置換されていてもよく;
【0196】
各々のRhは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0197】
R5は-OH、任意選択で置換された-OC1~C6アルキル、OC(O)Re、-OC(O)ORh、-F、-NHC(O)Re、-NHS(=O)Re、-NHS(=O)2Re、-NHC(=S)NH(Rh)、及び-NHC(O)NH(Rh)からなる群から選択され;
【0198】
XはP(O)YR11Y'R11であり;
【0199】
Y及びY'は、各々独立して、-O-及び-NRv-からなる群から選択され;
Y及びY'が-O-であるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
【0200】
Y及びY'が-NRv-であるとき、-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0201】
Yが-O-であり、Y'がNRvであるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
-NRv-に結合したR11は、独立して、H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0202】
又は、Y及びY'が独立して、-O-及びNRvから選択されるとき、R11及びR11は一緒に-アルキル-S-S-アルキル-であり環状基を形成するか、R11及びR11が一緒に基:
【0203】
【0204】
であり、式中、
【0205】
V、W、及びW'は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、任意選択で置換された1-アルケニル、及び任意選択で置換された1-アルキニルからなる群から選択され;
【0206】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して5~7個の原子を含む環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはリンに結合した両方のY基からの3個の原子である炭素原子に結合したアリールオキシカルボニルオキシによって置換されており;
【0207】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、リンに結合したYに対してベータ位及びガンマ位でアリール基に融合しており;
【0208】
又は、V及びWが一緒に、追加の3個の炭素原子を介して結合して任意選択で置換された6個の炭素原子を含み、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びリンに結合したYからの3個の原子である前記炭素原子の1つに結合したアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基によって置換されている、環状基を形成し;
【0209】
又は、Z及びWが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0210】
又は、W及びW'が一緒に、追加の2~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~2個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0211】
Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry、-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz、-CHRzN3、-CH2-アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz
2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz
2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NH-アリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
【0212】
qは整数2又は3であり;
【0213】
各々のRzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
【0214】
各々のRyは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
【0215】
各々のRxは、独立して、-H及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxが一緒に環状アルキル基を形成し;
【0216】
各々のRvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択される;
【0217】
化合物、並びにその薬学的に許容される塩及びそのプロドラッグ、並びに前記プロドラッグの薬学的に許容される塩の1つ以上を含む組成物を投与する方法を提供する。
【0218】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は以下の条件を有する:
【0219】
a)Gが-O-であり、Tが-CH2-であり、R1及びR2が各々ブロモであり、R3がイソプロピルであり、R4が水素であり、かつR5が-OHであるとき、Xは、P(O)(OH)2でもP(O)(OCH2CH3)2でもない;
【0220】
b)V、Z、W、W'は、全てが-Hではない;並びに
【0221】
c)Zが-Rzであるとき、V、W、及びW'の少なくとも1つは、-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルではない;
【0222】
d)Gが-O-であり、Tが-(CH2)1~4-であり、R1及びR2が独立して、ハロゲン、アルキル、及びシクロアルキルであり、R3がアルキルであり、R4が水素であり、R5が-OHであるとき、Xは-P(O)(OH)2でも-P(O)(O-低級アルキル)2でもなく;並びに
【0223】
e)Gが-O-であり、R5が-NHC(O)Re、-NHS(=O)1~2Re、-NHC(S)NH(Rb)、又は-NHC(O)NH(Rh)であり、Tが-(CH2)m-、-CH=CH-、-O(CH2)1~2-、又は-NH(CH2)1~2-であるとき、Xは-P(O)(OH)2でも-P(O)(OH)NH2でもない。
【0224】
式Iのいくつかの実施形態では:
【0225】
Gは-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-CH2-、-CF2-、-CHF-、-C(O)-、-CH(OH)-、-NH-、及び-N(C1~C4アルキル)-からなる群から選択され;
【0226】
Tは-(CRa
2)k-、CRb=CRb-(CRa
2)n-、-(CRa
2)n-CRb=CRb、-(CRa
2)-CRb=Rb(CRa
2)、-O(CRb
2)(CRa
2)n-、-S(CRa
2)(CRa
2)n、-N(Rb)(CRb
2)(CRa
2)n、-N(Rb)C(O)(CRa
2)n-、-(CRa
2)nCH(NRbRc)-、-C(O)(CRa
2)m-、-(CRa
2)mC(O)-、-(CRa
2)C(O)(CRa
2)n-、-(CRa
2)nC(O)(CRa
2)-、及び-C(O)NH(CRb
2)(CRa
2)prからなる群から選択され;
【0227】
kは0~4の整数であり;
【0228】
mは0~3の整数であり;
【0229】
nは0~2の整数であり;
【0230】
pは0~1の整数であり;
【0231】
各々のRaは、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、ハロゲン、-OH、任意選択で置換された-O-C1~C4アルキル、-OCF3、任意選択で置換された-S-C1~C4アルキル、-NRbRc、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、及び任意選択で置換された-C2~C4アルキニルからなる群から選択され;
但し、1個のRaが、O、S、又はNを介して結合するとき、同一のCに結合する他のRaは水素であるか、又は炭素原子を介して結合しているという条件である。各々のRbが、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C4アルキルからなる群から選択され;
【0232】
各々のRcが、独立して、水素、及び任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C(O)-C1~C4アルキル、及び-C(O)Hからなる群から選択され;
【0233】
R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-S-C1~C3アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、-CF3、-OCF3、任意選択で置換された-O-C1~C3アルキル、及びシアノからなる群から選択され;
【0234】
R3及びR4は、各々独立して、水素、ハロゲン、-CF3、-OCF3、シアノ、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRa
2)mアリール、任意選択で置換された-(CRa
2)mシクロアルキル、任意選択で置換された-(CRa
2)mヘテロシクロアルキル、-ORd、-SRd、-S(=O)Re、-S(=O)2Re、-S(=O)2NRfRg、-C(O)NReRg、-(O)ORh、-C(O)Re、-N(R)C(O)Re、-N(R)C(O)NReRg、-N(Rb)S(=O)2Re、-N(Rb)S(=O)2NRfRg、及び-NRfRgからなる群から選択され;
【0235】
各々のRdは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NRfRgからなる群から選択され;
【0236】
各々のReは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRa
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRe
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRa
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0237】
Rf及びRgは、各々独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はRfとRgが一緒になって、O、NRc、及びSの群から選択される第2のヘテロ基を含んでもよい任意選択で置換された複素環を形成してもよく、ここで、前記任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される0~4個の置換基で置換されていてもよく;
【0238】
各々のRhは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0239】
R5は-OH、任意選択で置換された-OC1~C6アルキル、-OC(O)Re、-OC(O)ORh、-F、-NHC(O)Re、-NHS(=O)Re、-NHS(=O)2Re、-NHC(=S)NH(Rh)、及び-NHC(O)NH(Rh)からなる群から選択され;
【0240】
XはP(O)YR11Y'R11であり;
【0241】
Y及びY'は、各々独立して、-O-及び-NRv-からなる群から選択され;
Y及びY'が-O-であるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
【0242】
Y及びY'が-NRv-であるとき、-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0243】
Yが-O-であり、Y'がNRvであるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0244】
又は、Y及びY'が独立して、-O-及び-NRv-から選択されるとき、R11及びR11は一緒に-アルキル-S-S-アルキル-であり一緒に環状基を形成するか、R11及びR11が一緒に基:
【0245】
【0246】
であり、式中、
【0247】
V、W、及びW'は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、任意選択で置換された1-アルケニル、及び任意選択で置換された1-アルキニルからなる群から選択され;
【0248】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して5~7個の原子を含む環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはリンに結合した両方のY基からの3個の原子である炭素原子に結合したアリールオキシカルボニルオキシによって置換されており;
【0249】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、リンに結合したYに対してベータ位及びガンマ位でアリール基に融合しており;
【0250】
又は、V及びWが一緒に、追加の3個の炭素原子を介して結合して任意選択で置換された6個の炭素原子を含み、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びリンに結合したYからの3個の原子である前記炭素原子の1つに結合したアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基によって置換されている、環状基を形成し;
【0251】
又は、Z及びWが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0252】
又は、W及びW'が一緒に、追加の2~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~2個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0253】
Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry、-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CRzOCO2Ry、-ORz、-SRz、-CHRzN3、-CH2アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz
2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz
2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NHアリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
【0254】
Qは整数2又は3であり;
【0255】
各々のRzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
【0256】
各々のRyは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
【0257】
各々のRxは、独立して、-H及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxが一緒に環状アルキル基を形成し;
【0258】
各々のRyは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択され;
【0259】
但し以下の条件である:
【0260】
a)Gが-O-であり、Tが-CH2-であり、R1及びR2が各々ブロモであり、R3がイソプロピルであり、R4が水素であり、かつR5が-Hであるとき、Xは、P(O)(OH)2でもP(O)(OCH2CH3)2でもない;
【0261】
b)V、Z、W、W'は、全てが-Hではない;並びに
【0262】
c)Zが-Rzであるとき、V、W、及びW'の少なくとも1つは、-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルではない。
【0263】
式Iの他の実施形態では:
【0264】
Gは-O-、-S-、-S(=O)-、-S(-O)2-、-CH2-、-CF2-、-CHF-、-C(O)-、-CH(OH)-、-NH-、及び-N(C1~C4アルキル)-からなる群から選択され;
【0265】
Tは-(CRa
2)k、-CRb=CRb-(CRa
2)n-、-(CRa
2)n-CRb=CRb-、-(CRa
2)-CRb=CRb-(CRa
2)-、-(CR、-(CRb
2)(CRa
2)n-、-S(CRb
2)(CRa
2)n-、N(Rc)(CRb
2)(CRa
2)n-、N(R)C(O)(CRa
2)-、-(CRa
2)nCH(NRbRc)-、-C(O)(CRa
2)m-、-(CRa
2)mC(O)、-(CRa
2)C(O)(CRa
2)m-(CRa
2)nC(O)(CRa
2)-、及び-C(O)NH(CRb
2)(CRa
2)p-からなる群から選択され;
【0266】
kは0~4の整数であり;
【0267】
mは0~3の整数であり;
【0268】
nは0~2の整数であり;
【0269】
pは0~1の整数であり;
【0270】
各々のRaは、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、ハロゲン、-OH、任意選択で置換された-O-C1~C4アルキル、-OCF3、任意選択で置換された-S-C1~C4アルキル、-NRbRc、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、及び任意選択で置換された-C2~C4アルキニルからなる群から選択され;
但し、1個のRaが、O、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaは水素であるか、又は炭素原子を介して結合しているという条件であり;
【0271】
各々のRbが、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C4アルキルからなる群から選択され;
【0272】
各々のRcが、独立して、水素、及び任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C(O)-C1~C4アルキル、及び-C(O)Hからなる群から選択され;
【0273】
R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-S-C1~C3アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、-CF3、-OCF3、任意選択で置換された-O-C1~C3アルキル、及びシアノからなる群から選択され;
【0274】
R3及びR4は、各々独立して、水素、ハロゲン、-CF3、-OCF3、シアノ、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRa
2)mアリール、任意選択で置換された-(CRa
2)mシクロアルキル、任意選択で置換された-(CRa
2)mヘテロシクロアルキル、-ORd、-SRd、-S(=O)Re、-S(=O)2Re、-S(=O)2NRfRg、-C(O)NRfRg、-C(O)ORh、-C(O)Re、-N(R)C(O)Re、-N(R)C(O)NRfRg、-N(R)S(=O)2Re、-N(Rb)S(=O)2NRfRg、及び-NRfRgからなる群から選択され;
【0275】
各々のRdは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NRfRgからなる群から選択され;
【0276】
各々のReは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRa
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRa
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRa
2)ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0277】
Rf及びRgは、各々独立して、水素、任意選択で置換されたC1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はRfとRgが一緒になって、O、NRc、及びSからなる群から選択される第2のヘテロ基を含んでもよい任意選択で置換された複素環を形成してもよく、ここで、前記任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される0~4個の置換基で置換されていてもよく;
【0278】
各々のRhは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0279】
R5は-OH、任意選択で置換された-OC1~C6アルキル、-OC(O)Re、-OC(O)ORh、-F、-NHC(O)Re、-NHS(=O)Re、-NHS(=O)2Re、-NHC(=S)NH(Rh)、及び-NHC(O)NH(Rh)からなる群から選択され;
【0280】
XはP(O)YR11Y'R11であり;
【0281】
Y及びY'は、各々独立して、-O-及び-NRv-からなる群から選択され;
Y及びY'が-O-であるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
【0282】
Y及びY'が-NRv-であるとき、-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0283】
Yが-O-であり、Y'がNRvであるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0284】
又は、Y及びY'が独立して、-O-及び-NRv-から選択されるとき、R11及びR11は一緒に-アルキル-S-S-アルキル-であり環状基を形成するか、R11及びR11が一緒に基:
【0285】
【0286】
であり、式中、
【0287】
V、W、及びW'は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、任意選択で置換された1-アルケニル、及び任意選択で置換された1-アルキニルからなる群から選択され;
【0288】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して5~7個の原子を含む環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはリンに結合した両方のY基からの3個の原子である炭素原子に結合したアリールオキシカルボニルオキシによって置換されており;
【0289】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、リンに結合したYに対してベータ位及びガンマ位でアリール基に融合しており;
【0290】
又は、V及びWが一緒に、追加の3個の炭素原子を介して結合して任意選択で置換された6個の炭素原子を含み、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びリンに結合したYからの3個の原子である前記炭素原子の1つに結合したアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基によって置換されている、環状基を形成し;
【0291】
又は、Z及びWが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0292】
又は、W及びW'が一緒に、追加の2~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~2個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0293】
Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry、-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz、-CHRzN3、-CH2アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz
2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz
2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NHアリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
【0294】
qは整数2又は3であり;
【0295】
各々のRzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
【0296】
各々のRyは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
【0297】
各々のRxは、独立して、-H及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxが一緒に環状アルキル基を形成し;
【0298】
各々のRvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択され;
【0299】
但し、Gが-O-であり、Tが-CH2-であり、R1及びR2が各々ブロモであり、R3がイソプロピルであり、R4が水素であり、かつR5が-OHであるとき、Xは、P(O)(OH)2でもP(O)(OCH2CH3)2でもないという条件であり;
【0300】
並びに、その薬学的に許容される塩及びそのプロドラッグ、並びに前記プロドラッグの薬学的に許容される塩である。
【0301】
式Iの様々な他の実施形態では:
【0302】
Gは-O-、-S-、-S(=O)-、-S(=O)2-、-CH2-、-CF2-、-CHF-、-C(O)-、-CH(OH)-、-NH-、及び-N(C1~C4アルキル)-からなる群から選択され;
【0303】
Tは-(CRa
2)k-、-CRb=CRb-(CRa
2)n-、-(CRa
2)n-CRb=CRb、-(CRa
2)-CRb=CRb-(CRa
2)-、-O(CRb
2)(CRa
2)n-、-S(CRb
2)(CRa
2)n-、-N(Rc)-(CRb
2)(CRa
2)-、-N(Rb)C(O)(CRa
2)n-、-(CRa
2)nCH(NRbRc)-、C(O)(CRa
2)m-、-(CRa
2)mC(O)-、-(CRa
2)C(O)(CRa
2)n-、-(CRa
2)nC(O)(CRa
2)-、及び-C(O)NH(CRb
2)(CRa
2)p-からなる群から選択され;
【0304】
kは0~4の整数であり;
【0305】
mは0~3の整数であり;
【0306】
nは0~2の整数であり;
【0307】
pは0~1の整数であり;
【0308】
各々のRaは、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、ハロゲン、-OH、任意選択で置換された-O-C1~C4アルキル、-OCF3、任意選択で置換された-S-C1~C4アルキル、-NRbRc、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、及び任意選択で置換された-C2~C4アルキニルからなる群から選択され;
但し、1個のRaが、O、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaは水素であるか、又は炭素原子を介して結合しているという条件であり;
【0309】
各々のRbが、独立して、水素及び任意選択で置換された-C1~C4アルキルからなる群から選択され;
【0310】
各々のRcが、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C(O)-C1~C4アルキル、及び-C(O)Hからなる群から選択され;
【0311】
R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-S-C1~C3アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、-CF3、-OCF3、任意選択で置換された-O-C1~C3アルキル、及びシアノからなる群から選択され;
【0312】
R3及びR4は、各々独立して、水素、ハロゲン、-CF3、-OCF3、シアノ、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRa
2)mアリール、任意選択で置換された-(CRa
2)mシクロアルキル、任意選択で置換された(CRa
2)mヘテロシクロアルキル、-ORd、-SRd、-S(=O)Re、-S(=O)2Re、-S(=O)2RfRg、-C(O)NRfRg、-C(O)ORh、-C(O)Re、-N(R)C(O)Re、-N(R)C(O)NRfRg、-N(Rb)S(=O)2Re、-N(Rb)S(=O)2NRfRg、及び-NRfRgからなる群から選択され;
【0313】
各々のRdは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NRfRgからなる群から選択され;
【0314】
各々のReは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルであり;
【0315】
Rf及びRgは、各々独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はRfとRgが一緒になって、O、NRc、及びSの群から選択される第2のヘテロ基を含んでもよい任意選択で置換された複素環を形成してもよく、ここで、前記任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される0~4個の置換基で置換されていてもよく;
【0316】
各々のRhは、任意選択で置換された-C1~C12アルキル、任意選択で置換された-C2~C12アルケニル、任意選択で置換された-C2~C12アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキル、及び任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0317】
R5は-OH、任意選択で置換された-OC1~C6アルキル、-OC(O)Re、-OC(O)ORh、-F、-NHC(O)Re、-NHS(=O)Re、-NHS(=O)2Re、-NHC(=S)NH(Rh)、及び-NHC(O)NH(R)からなる群から選択され;
【0318】
XはP(O)YR11Y'R11であり;
【0319】
Y及びY'は、各々独立して、-O-及び-NRv-からなる群から選択され;
Y及びY'が-O-であるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRz
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
【0320】
Y及びY'が-NRv-であるとき、-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0321】
Yが-O-であり、Y'がNRvであるとき、-O-に結合したR11は、独立して、-H、アルキル、任意選択で置換されたアリール、任意選択で置換されたヘテロシクロアルキル、任意選択で置換されたCH2-ヘテロシクロアルキル(ここで環状部分はカーボネート又はチオカーボネートを含む)、任意選択で置換された-アルキルアリール、-C(Rz)2OC(O)NRe
2、-NRz-C(O)-Ry、-C(Rz)2-OC(O)Ry、-C(Rz)2-O-C(O)ORy、-C(Rz)2OC(O)SRy、-アルキル-S-C(O)Ry、-アルキル-S-S-アルキルヒドロキシ、及び-アルキル-S-S-S-アルキルヒドロキシからなる群から選択され;
-NRv-に結合したR11は、独立して、-H、-[C(Rz)2]q-COORy、-C(Rx)2COORy、-[C(Rz)2]q-C(O)SRy、及び-シクロアルキレン-COORyからなる群から選択され;
【0322】
又は、Y及びY'が独立して、-O-及び-NRv-から選択されるとき、R11及びR11は一緒に-アルキル-S-S-アルキル-であり環状基を形成するか、R11及びR11が一緒に基:
【0323】
【0324】
であり、式中、
【0325】
V、W、及びW'は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、任意選択で置換された1-アルケニル、及び任意選択で置換された1-アルキニルからなる群から選択され;
【0326】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して5~7個の原子を含む環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはリンに結合した両方のY基からの3個の原子である炭素原子に結合したアリールオキシカルボニルオキシによって置換されており;
【0327】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、リンに結合したYに対してベータ位及びガンマ位でアリール基に融合しており;
【0328】
又は、V及びWが一緒に、追加の3個の炭素原子を介して結合して任意選択で置換された6個の炭素原子を含み、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びリンに結合したYからの3個の原子である前記炭素原子の1つに結合したアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基によって置換されている、環状基を形成し;
【0329】
又は、Z及びWが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0330】
又は、W及びW'が一緒に、追加の2~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~2個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0331】
Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry、-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz、-CHRzN3、-CH2アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz
2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz
2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NHアリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
【0332】
qは整数2又は3であり;
【0333】
各々のRzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
【0334】
各々のRyは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
【0335】
各々のRxは、独立して、-H及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxが一緒に環状アルキル基を形成し;
【0336】
各々のRvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択され;
【0337】
但し以下の条件である:
【0338】
a)Gが-O-であり、Tが-(CH2)0~4-であり、R1及びR2が独立して、ハロゲン、1~3個の炭素のアルキル、及び3~5個の炭素のシクロアルキルであり、R3が1~4個の炭素のアルキル又は3~7個の炭素のシクロアルキルであり、R4が水素であり、R5が-OHであるとき、Xは-P(O)(OH)2でも-P(O)(O-低級アルキル)2でもなく;
【0339】
b)Gが-O-であり、R5が-NHC(O)Re、-NHS(=O)1~2Re、-NHC(S)NH(Rh)、又は-NHC(O)NH(Rh)であり、Tが-(CH2)m-、-CH=CH-、-O(CH2)1~2-、又は-NH(CH2)1~2-であるとき、Xは-P(O)(OH)2でも-P(O)(OH)NH2でもなく;
【0340】
並びに、その薬学的に許容される塩及びそのプロドラッグ、並びに前記プロドラッグの薬学的に許容される塩である。
【0341】
一態様では、Gは-O-である。別の態様では、Gは-CH2-である。更に別の態様では、Gは、-O-及び-CH2-からなる群から選択される。別の態様では、Gは-S-である。更なる態様では、Gは-S(=O)-である。別の態様では、Gは-S(=O)2-である。更なる態様では、Gは-CH2-である。別の態様では、Gは-CF2-である。更なる態様では、Gは-CHF-である。別の態様では、Gは-C(O)-である。別の態様では、Gは-CH(OH)-である。更なる態様では、Gは-NH-である。
【0342】
別の態様では、Gは-N(C1~C4アルキル)-である。更に別の態様では、Gは、-O-、-S-、及び-CH2-からなる群から選択される。
【0343】
一態様では、Tは-CH2-である。別の態様では、Tは-(CH2)0~4-である。別の態様では、Tは、-(CH2)m-、-CH=CH-、-O(CH2)1~2-、及び-NH(CH2)1~2-からなる群から選択される。更に別の態様では、Tは、(CRa
2)n、-O(CRb
2)(CRa
2)p-、-N(CRb
2)(CRa
2)p-、-S(CRb
2)(CRa
2)p-、-NRb(CO)-、及び-CH2CH(NRcRb)-からなる群から選択される。別の態様では、Tは-CH2CH(NH2)-である。別の態様では、Tは-N(H)C(O)-である。更なる態様では、Tは-OCH2-である。別の態様では、Tは-CH2CH2-である。更に別の態様では、Tは-CH2CH(NH2)-である。別の態様では、Tは-N(H)C(O)-である。
【0344】
更なる態様では、Tは-(CRa
2)k-である。別の態様では、Tは-CRbCRb-(CRa
2)n-である。更なる態様では、Tは-(CRa
2)n-CRb=CRb-である。別の態様では、Tは-(CRa
2)-CRb=CRb-(CRa
2)-である。更なる態様では、Tは-O(CRb
2)(CRa
2)n-である。別の態様では、Tは-S(CRb
2)(CRa
2)n-である。更なる態様では、Tは-N(CRb
2)(CRa
2)n-である。別の態様では、Tは-N(Rb)C(O)(CRa
2)n-である。更なる態様では、Tは-(CRe
2)nCH(NRbRc)-である。別の態様では、Tは-C(O)(CRa
2)m-である。更なる態様では、Tは-(CRa
2)mC(O)-である。別の態様では、Tは-(CRa
2)C(O)(CRa
2)n-である。更なる態様では、Tは-(CRa
2)nC(O)(CRa
2)-である。更に別の態様では、Tは-C(O)NH(CRb
2)(CRa
2)p-である。
【0345】
一態様では、kは0である。更なる態様では、kは1である。更なる態様では、kは2である。更なる態様では、kは3である。更に別の態様では、kは4である。一態様では、mは0である。更なる態様では、mは1である。更なる態様では、mは2である。更なる態様では、mは3である。一態様では、nは0である。更なる態様では、nは1である。更なる態様では、nは2である。一態様では、pは0である。別の態様では、pは1である。
【0346】
一態様では、各々のRaは、水素であるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して介して結合しているという条件である。別の態様では、各々のRaは、任意選択で置換された-C1~C4アルキルであるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して結合しているという条件である。更なる態様では、各々のRaは、ハロゲンであるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して結合しているという条件である。別の態様では、各々のRaは、-OHであるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して結合しているという条件である。更なる態様では、各々のRaは、任意選択で置換された-O-C1~C4アルキルであるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して結合しているという条件である。別の態様では、各々のRaは、-OCF3であるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して結合しているという条件である。更なる態様では、各々のRaは、任意選択で置換された-S-C1~C4アルキルであるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して結合しているという条件である。別の態様では、各々のRaは、-NRbRcであるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して結合しているという条件である。更なる態様では、各々のRaは、任意選択で置換された-C2~C4アルケニルであるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して結合しているという条件である。別の態様では、各々のRaは、任意選択で置換された-C2~C4アルキニルであるが、但し、1個のRaがO、S、又はN原子を介してCに結合するとき、同一のCに結合する他のRaが水素であるか、炭素原子を介して結合しているという条件である。
【0347】
一態様では、Rbは水素である。更なる態様では、Rbは任意選択で置換された-C1~C4アルキルである。
【0348】
一態様では、Rcは水素である。別の態様では、Rcは任意選択で置換された-C1~C4アルキルである。更なる態様では、Rcは任意選択で置換された-C(O)-C1~C4アルキルである。更に別の態様では、Rcは-C(O)Hである。
【0349】
一態様では、R1及びR2は各々ブロモである。別の態様では、R1及びR2は、独立して、水素、ハロゲン、1~3個の炭素のアルキル、及び3~5個の炭素のシクロアルキルからなる群から選択される。別の態様では、R1及びR2は、独立して、ハロゲン、1~3個の炭素のアルキル、及び3~5の炭素のシクロアルキルである。更なる態様では、R1及びR2は同一であり、ハロゲン、-C1~C4アルキル、-CF3、及びシアノからなる群から選択される。更なる態様では、R1及びR2は異なり、ハロゲン、-C1~C4アルキル、-CF3、及びシアノからなる群から選択される。一態様では、R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン、-C1~C4アルキル、-CF3、及びシアノからなる群から選択される。別の態様では、R1及びR2は、各々独立して、ヨード、ブロモ、クロロ、メチル、及びシアノからなる群から選択される。別の態様では、R1及びR2は各々ヨードである。一態様では、R1及びR2は各々メチルである。更なる態様では、R1及びR2は各々クロロである。別の態様では、R1及びR2は、各々独立して、ヨード、ブロモ、クロロ、及びメチルからなる群から選択される。
【0350】
更なる態様では、R1及びR2は各々ハロゲンである。別の態様では、R1及びR2は各々、任意選択で置換された-C1~C4アルキルである。更なる態様では、R1及びR2は各々、任意選択で置換された-S-C1~C3アルキルである。別の態様では、R1及びR2は各々、任意選択で置換された-C2~C4アルケニルである。更なる態様では、R1及びR2は各々、任意選択で置換された-C2~C4アルキニルである。別の態様では、R1及びR2は各々-CF3である。更なる態様では、R1及びR2は各々-OCF3である。別の態様では、R1及びR2は各々、任意選択で置換された-O-C1~C3アルキルである。更なる態様では、R1及びR2は各々シアノである。
【0351】
更に別の態様では、R3及びR4は各々水素である。別の態様では、R3及びR4は各々ハロゲンである。更なる態様では、R3及びR4は各々-CF3である。別の態様では、R3及びR4は各々-OCF3である。更なる態様では、R3及びR4は各々シアノである。別の態様では、R3及びR4は各々、任意選択で置換された-C1~C12アルキルである。更なる態様では、R3及びR4は各々、任意選択で置換された-C2~C12アルケニルである。別の態様では、R3及びR4は各々、任意選択で置換された-C2~C12アルキニルである。更なる態様では、R3及びR4は各々、任意選択で置換された-(CRa
2)mアリールである。別の態様では、R3及びR4は各々、任意選択で置換された-(CRa
2)mシクロアルキルである。更なる態様では、R3及びR4は各々、任意選択で置換された-(CRa
2)nヘテロシクロアルキルである。別の態様では、R3及びR4は各々-ORdである。別の態様では、R3及びR4は各々-SRdである。更なる態様では、R3及びR4は各々-S(=O)Reである。別の態様では、R3及びR4は各々-S(=O)2Reである。更なる態様では、R3及びR4は各々-S(=O)2NRfRgである。別の態様では、R3及びR4は各々-C(O)NR9である。更なる態様では、R3及びR4は各々-C(O)ORhである。別の態様では、R3及びR4は各々-C(O)Reである。更なる態様では、R3及びR4は各々-N(Rb)C(O)Reである。別の態様では、R3及びR4は各々-N(R)C(O)NRfRgである。更なる態様では、R3及びR4は各々-N(R)S(=O)2Reである。別の態様では、R3及びR4は各々-N(Rb)S(=O)2NRfRgである。更なる態様では、R1及びR4は各々-NRfRgである。
【0352】
一態様では、R4は、水素、ハロゲン、-C1~C4アルキル、シアノ、及びCF3からなる群から選択される。別の態様では、R4は水素ではない。更なる態様では、R4は、水素及びハロゲンからなる群から選択される。別の態様では、R4は、水素及びヨードからなる群から選択される。更なる態様では、R4は水素である。
【0353】
別の態様では、各々のRdは、任意選択で置換された-C1~C12アルキルである。更なる態様では、各々のRdは、任意選択で置換された-C2~C12アルケニルである。別の態様では、各々のRdは、任意選択で置換された-C2~C12アルキニルである。更なる態様では、各々のRdは、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリールである。別の態様では、各々のRdは、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキルである。更なる態様では、各々のRdは、任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルである。別の態様では、各々のRdは-C(O)NRfRgである。
【0354】
更なる態様では、Reは、任意選択で置換された-C1~C12アルキルである。別の態様では、Reは、任意選択で置換された-C2~C12アルケニルである。更なる態様では、Raは、任意選択で置換された-C2~C12アルキニルである。別の態様では、Reは、任意選択で置換された-CRa
2)nアリールである。更なる態様では、Reは、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキルである。別の態様では、Reは、任意選択で置換された-(CRa
2)nヘテロシクロアルキルである。
【0355】
一態様では、Rf及びRgは各々水素である。更なる態様では、Rf及びRgは各々、任意選択で置換された-C1~C12アルキルである。別の態様では、Rf及びRgは各々、任意選択で置換された-C2~C12アルケニルである。更なる態様では、Rf及びRgは各々、任意選択で置換された-C2~C12アルキニルである。更なる態様では、Rf及びRgは各々、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリールである。更なる態様では、Rf及びRgは各々、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキルである。別の態様では、Rf及びRgは各々、任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルである。
【0356】
更なる態様では、Rf及びRgは一緒に、任意選択で置換された複素環を形成してもよく、それはOである第2のヘテロ基を含んでもよい。別の態様では、Rf及びRgは一緒に、任意選択で置換された複素環を形成してもよく、それはNRcである第2のヘテロ基を含んでもよい。別の態様では、Rf及びRgは一緒に、任意選択で置換された複素環を形成してもよく、それはSである第2のヘテロ基を含んでもよい。一態様では、Rf及びRgは一緒に、非置換の複素環を形成してもよく、それは第2のヘテロ基を含んでもよい。別の態様では、任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよい。更なる態様では、任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、-ORh、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される2個の置換基で置換されていてもよい。別の態様では、任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される3個の置換基で置換されていてもよい。更なる態様では、任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される4個の置換基で置換されていてもよい。
【0357】
更なる態様では、Rhは、任意選択で置換された-C1~C12アルキルである。別の態様では、Rhは、任意選択で置換された-C2~C12アルケニルである。更なる態様では、Rhは、任意選択で置換された-C2~C12アルキニルである。別の態様では、Rhは、任意選択で置換された-(CRb
2)nアリールである。更なる態様では、Rhは、任意選択で置換された-(CRb
2)nシクロアルキルである。別の態様では、Rhは、任意選択で置換された-(CRb
2)nヘテロシクロアルキルである。
【0358】
一態様では、R5は-OHである。別の態様では、R5は、-OH、-OC(O)Re、-OC(O)ORh、-F、及び-NHC(O)Reからなる群から選択される。更なる態様では、R5は、-OH及び-OC(O)Reからなる群から選択される。更なる態様では、R5は、任意選択で置換された-OC1~C6アルキルである。別の態様では、R5は-OC(O)Reである。更なる態様では、R5は-OC(O)ORhである。別の態様では、R5は-Fである。別の態様では、R5は-NHC(O)Reである。更なる態様では、R5は-NHS(=O)Reである。別の態様では、R5は-NHS(=O)2Reである。更なる態様では、R5は-NHC(=S)NH(Rh)である。別の態様では、R5は-NHC(O)NH(OH)である。
【0359】
一態様では、R3は、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、-CF3、シアノ、-C(O)NRfRg、任意選択で置換された(CRa
2)nアリール、-SO2NRfRg、及び-SO2Reからなる群から選択される。別の態様では、R3はイソプロピルである。更なる態様では、R3は1~4個の炭素のアルキル又は3~7個の炭素のシクロアルキルである。更なる別の態様では、R3は、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、任意選択で置換された-CH2アリール、任意選択で置換された-CH(OH)アリール、-C(O)-アミド、-S(=O)2-アミド(ここでアミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチルピペリジニル、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、並びに-SO2Ra(ここでReは、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、及び4-ピリジルからなる群から選択される)からなる群から選択される。別の態様では、R3はヨードである。更なる別の態様では、R3は、ヨード、ブロモ、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、任意選択で置換された-CH2アリール、任意選択で置換された-CH(OH)アリール、-(O)-アミド、-S(=O)2-アミド(ここでアミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、並びに-SO2Re(ここでReは、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、及び4-ピリジルからなる群から選択される)からなる群から選択される。一態様では、R3は-CH(OH)(4-フルオロフェニル)である。
【0360】
一態様では、Xは-P(O)YR11Y'R11である。
【0361】
一態様ではXは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)OR1][-OR11]、及び-P(O)[-OCH(V)CH2CH2O-]からなる群から選択され、式中、Vは、任意選択で置換されたアリール、アリール、ヘテロアリール、及び任意選択で置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。別の態様では、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-OCH2CH2SC(O)Me]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][-OR11]、及び-P(O)[-OCH(V)CH2CH2O-]からなる群から選択され、式中、Vは、任意選択で置換されたアリール、アリール、ヘテロアリール、及び任意選択で置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。別の態様では、Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-Oalk-SC(O)Ry]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)OR][-OR11]、及び-P(O)[-OCH(V)CH2CH2O-]からなる群から選択され、式中、Vは、任意選択で置換されたアリール、アリール、ヘテロアリール、及び任意選択で置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。一態様では、Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2、-P(O)[-OCH2OC(O)O-i-プロピル]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、-P(O)[-O-CH2CH2S-C(O)CH3]2、及び-P(O)[-OCH(3-クロロフェニル)CH2CH2O-]からなる群から選択さ
れる。更なる態様では、Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2、-P(O)[-OCH2OC(O)O-i-プロピル]2、-P(O)[-N(CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシ-フェニル]、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、及び-P(O)[-OCH(3-クロロフェニル)CH2CH2O-]からなる群から選択される。別の態様では、Xは-PO3H2である。更に別の態様では、Xは、-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2及び-P(O)[-OCH2OC(O)-i-プロピル]2からなる群から選択される。
【0362】
一態様では、Xは、-P(O)[-OCH2OC(O)O-エチル]2及び-P(O)[-OCH2OC(O)O-i-プロピル]2からなる群から選択される。別の態様では、Xは、-P(O)[-N(F)CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2及び-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2からなる群から選択される。更なる態様では、Xは-P(O)[-OCH2CH2SC(O)Me]2である。別の態様では、Xは、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]及び-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]からなる群から選択される。更なる態様では、Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][-OR11]、及び-P(O)[-OCH(V)CH2CH2O-]からなる群から選択され、式中、Vは、任意選択で置換されたアリール、アリール、ヘテロアリール、及び任意選択で置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。別の態様では、Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2、-P(O)[-OCH2OC(O)O-i-プロピル]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、及び-P(O)[-OCH(3-クロロフェニル)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0363】
別の態様では、Xは-P(O)YR11Y'R11であり、
【0364】
式中、Y及びY'は、各々独立して、-O-及び-NR-から選択され、;R11及びR11は一緒に基:
【0365】
【0366】
であり、式中、
【0367】
V、W、及びW'は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、任意選択で置換された1-アルケニル、及び任意選択で置換された1-アルキニルからなる群から選択され;
【0368】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して5~7個の原子を含む環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはリンに結合した両方のY基からの3個の原子である炭素原子に結合したアリールオキシカルボニルオキシによって置換されており;
【0369】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、リンに結合したYに対してベータ位及びガンマ位でアリール基に融合しており;
【0370】
又は、V及びWが一緒に、追加の3個の炭素原子を介して結合して任意選択で置換された6個の炭素原子を含み、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びリンに結合したYからの3個の原子である前記炭素原子の1つに結合したアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基によって置換されている、環状基を形成し;
【0371】
又は、Z及びWが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0372】
又は、W及びW'が一緒に、追加の2~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~2個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0373】
Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry、-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHR2OC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz、-CHReN3、-CH2アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz
2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz
2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORe、-NHCO2Ry、-CH2NHアリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
【0374】
qは整数2又は3であり;
【0375】
但し以下の条件である:
【0376】
a)V、Z、W、W'は、全てが-Hではない;並びに
【0377】
b)Zが-Rzであるとき、V、W、及びW'の少なくとも1つは、-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルではなく;
【0378】
各々のRzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
【0379】
各々のRyは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
【0380】
各々のRvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択される。
【0381】
一態様では、Vは、任意選択で置換されたアリールである。別の態様では、Vは、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、3-フルオロフェニル、ピリド-4-イル、ピリド-3-イル、及び3,5-ジクロロフェニルからなる群から選択される。
【0382】
一態様では、ジオキサホスホナン環上のV-基置換基とTとの間の相対立体化学はシスである。別の態様では、シスジオキサホスホナン環は、Vが結合している炭素にR立体化学を有する。別の態様では、シスジオキサホスホナン環は、Vが結合している炭素にS立体化学を有する。
【0383】
一態様では、R11は水素ではない。
【0384】
更なる態様では、Gが-O-であり、Tが-CH2-であり、R1及びR2が各々ブロモであり、R3がイソプロピルであり、R5が-OHであるとき、R4は水素ではない。別の態様では、Gが-O-であり、Tが-(CH2)0~4であり、R1及びR2が独立して、ハロゲン、1~3個の炭素のアルキル、3~5個の炭素のシクロアルキルからなる群から選択され、R3が1~4個の炭素のアルキル又は3~7個の炭素のシクロアルキルであり、R5が-OHであるとき、R4は水素ではなく;ここで、Gが-O-であり、R5が、
【0385】
NHC(O)Re、-NHS(=O)1~2Re、-NHC(=S)NH(Rh)、及び-NHC(O)NH(Rh)からなる群から選択され、Tが、-(CH2)m-、-CH=CH-、-O(CH2)1~2-、及び-NH(CH2)1~2-からなる群から選択されるとき、R4は水素ではない。式Iの化合物の更なる態様では、Gは、-O-及び-CH2-からなる群から選択され;Tは、-(CRa
2)n、-O(CRb
2)(CRa
2)p-、-N(Rc)(CRb
2)(CRa
2)p-、-S(CRb
2)(CRa
2)p-、-NRb(CO)-、及び-CH2CH(NRcRb)-からなる群から選択され;R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン、-C1~C4アルキル、-CF3、及びシアノからなる群から選択され;R4は、水素、ハロゲン、-C1~C4アルキル、シアノ、及びCF3からなる群から選択され;R5は、-OH、-OC(O)Re、-OC(O)ORh、-F、及び-NHC(O)Reからなる群から選択され;R3は、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、-CF3、シアノ、-C(O)NRfRg、任意選択で置換された-(CRa
2)nアリール、-SO2NRfRg、及び-SO2Reからなる群から選択され、Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-Oalk-SC(O)Ry]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][-OR11]、及び-P(O)[-OCH(V)CH2CH2O-]からなる群から選択され、式中、Vは、任意選択で置換されたアリール、アリール、ヘテロアリール、及び任意選択で置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0386】
別の態様では、Gは、-O-及び-CH2-からなる群から選択され;Tは、-(CRa
2)n、-O(CRb
2)(CRa
2)p-、-N(Rc)2)(CRbb
2)(CRa
2)p-、-S(CRb
2)(CRa
2)p-、-NRb(CO)-、及び-CH2CH(NRcRb)-からなる群から選択され;R1及びR2は、各々独立して、ハロゲン、-C1~C4アルキル、-CF3、及びシアノからなる群から選択され;R4は、水素、ハロゲン、-C1~C4アルキル、シアノ、及びCF3からなる群から選択され;R1は、-OH、-OC(O)Re、-OC(O)ORh、-F、及び-NHC(O)Reからなる群から選択され;R3は、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、-CF3、シアノ、-C(O)NRfRg、任意選択で置換された-(CRa
2)nアリール、-SO2NRfRg、及び-SO2Reからなる群から選択され、Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)cRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][-OR11]、及び-P(O)[-OCH(V)CH2CH2O-]からなる群から選択され、式中、Vは、任意選択で置換されたアリール、アリール、ヘテロアリール、及び任意選択で置換されたヘテロアリールからなる群から選択される。
【0387】
更なる態様では、Gは、-O-及び-CH2-からなる群から選択され;Tは、-CH2CH(NH2)-であり;R1及びR2は、各々独立して、ヨード、ブロモ、クロロ、メチル、及びシアノからなる群から選択され;R4は水素であり;R5は、-OH及び-OC(O)Reからなる群から選択され;R3は、ハロゲン、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、任意選択で置換された-CH2アリール、任意選択で置換された-CH(OH)アリール、-C(O)-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、-S(=O)2-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、並びに-SO2R(ここでRは、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、及び4-ピリジルからなる群から選択される)からなる群から選択され、Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0388】
別の態様では、Gが-O-であり、Tが-CH2-であり、R1及びR2がブロモであり、R3がイソプロピルであり、R5が-OHであり、Xが-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRe
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択されるとき、R4は水素ではない。
【0389】
式Iの化合物の一態様では、Gは-O-であり;Tは-CH2CH(NH2)-であり;R1及びR2は各々ヨードであり;R4は、水素及びヨードからなる群から選択され;R5は-OHであり;R3はヨードであり;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0390】
別の態様では、Gは-O-であり;Tは-CH2CH(NH2)-であり;R1及びR2は各々ヨードであり;R4は水素及びヨードからなる群から選択され;R5は-OHであり;R3はヨードであり;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2、-P(O)[-OCH2OC(O)O-i-プロピル]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、及び-P(O)[-OCH(3-クロロフェニル)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0391】
式Iの化合物の更なる態様では、Gは、-O-及び-CH2-からなる群から選択され;Tは、-N(H)C(O)-であり;R1及びR2は、各々独立して、ヨード、ブロモ、クロロ、メチル、及びシアノからなる群から選択され;R4は、水素、ヨード、4-クロロフェニル、及びシクロヘキシルからなる群から選択され;R5は、-OH及び-OC(O)Reからなる群から選択され;R3は、水素、ヨード、ブロモ、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、任意選択で置換された-CH2アリール、任意選択で置換された-CH(OH)アリール、-C(O)-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、-S(=O)2-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、並びに-SO2R(ここでRは、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、及び4-ピリジルからなる群から選択される)からなる群から選択され;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0392】
更なる態様では、Gが-O-であり;Tが-N(H)C(O)-であり;R1及びR2がメチルであり;R4が水素であり、R5が-OHであり;R3が-CH(OH)(4-フルオロフェニル)であり;Xが-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択されるときである。
【0393】
更なる態様では、Gは-O-であり;Tは-N(H)C(O)-であり;R1及びR2は各々メチルであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3は-CH(OH)(4-フルオロフェニル)であり;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2、-P(O)[-OCH2OC(O)O-i-プロピル]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、及び-P(O)[-OCH(3-クロロフェニル)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0394】
更なる態様では、Gは、-O-及び-CH2-からなる群から選択され;Tは-OCH2-であり;R1及びR2は、各々独立して、ヨード、ブロモ、クロロ、メチル、及びシアノからなる群から選択され;R4は、水素、ヨード、4-クロロフェニル、及びシクロヘキシルからなる群から選択され;R5は、-OH及び-OC(O)Reからなる群から選択され;R3は、水素、ヨード、ブロモ、任意選択で置換された低級アルキル、任意選択で置換された-CH2アリール、任意選択で置換された-CH(OH)アリール、-C(O)-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、-S(=O)2-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、並びに-SO2R(ここでRは、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、及び4-ピリジルからなる群から選択される)からなる群から選択され;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0395】
別の態様では、Gは-CH2-であり;Tは-OCH2-であり;R1及びR2は各々メチルであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRa
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0396】
別の態様では、Gは-CH2-であり;Tは-OCH2-であり;R1及びR2は各々メチルであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2、-P(O)[-OCH2OC(O)O-i-プロピル]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、及び-P(O)[-OCH(3-クロロフェニル)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0397】
更なる態様では、Gは、-O-及び-CH2-からなる群から選択され;Tは-CH2-であり;R1及びR2は、各々独立して、ヨード、ブロモ、クロロ、メチル、及びシアノからなる群から選択され;R4は、水素、ヨード、4-クロロフェニル、及びシクロヘキシルからなる群から選択され;R5は、-OH及び-OC(O)Reからなる群から選択され;R3は、水素、ヨード、ブロモ、任意選択で置換された低級アルキル、任意選択で置換された-CH2アリール、任意選択で置換された-CH(OH)アリール、-C(O)-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、-S(=O)2-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、並びに-SO2R(ここでRは、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、及び4-ピリジルからなる群から選択される)からなる群から選択され;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0398】
更なる態様では、Gが-O-であり、Tが-CH2-であり、R1及びR2が各々ブロモであり、R3がイソプロピルであり、R5が-OHであり;Xが-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択されるとき、R4は水素ではない。
【0399】
別の態様では、Gは-O-であり;Tは-CH2-であり;R1及びR2は各々クロロであり;R4は水素であり;R5-OHであり;R3はi-プロピルであり;Xは-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0400】
別の態様では、Gは-O-であり;Tは-CH2-であり;R1及びR2は各々クロロであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3はi-プロピルであり;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2、-P(O)[-OCH2OC(O)O-i-プロピル]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、及び-P(O)[-OCH(3-クロロフェニル)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0401】
式Iの化合物の更なる態様では、Gは、-O-及び-CH2-からなる群から選択され;Tは-CH2CH2-であり;R1及びR2は、各々独立して、ヨード、ブロモ、クロロ、メチル、及びシアノからなる群から選択され;R4は、水素、ヨード、4-クロロフェニル、及びシクロヘキシルからなる群から選択され;R5は、-OH及び-OC(O)Reからなる群から選択され;R3は、水素、ヨード、ブロモ、任意選択で置換された低級アルキル、任意選択で置換された-CH2アリール、任意選択で置換された-CH(OH)アリール、-C(O)-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、-S(=O)2-アミド(ここで、アミド基は、フェネチルアミノ、ピペリジニル、4-メチピペリジニル(methypiperizinyl)、モルホリニル、シクロヘキシルアミノ、アニリニル、及びインドリニルからなる群から選択される)、並びに-SO2R(ここでRは、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、及び4-ピリジルからなる群から選択される)からなる群から選択され;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0402】
更なる態様では、Gは-O-であり;Tは-CH2CH2-であり;R1及びR2は各々クロロであり;R4は水素であり、R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)Ry]2、-P(O)[-OCRz
2OC(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy]2、-P(O)[-N(H)CRz
2C(O)ORy][ORe]、及び-P(O)[-OCRz(アリール)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0403】
別の態様では、Gは-O-であり;Tは-CH2CH2-であり;R1及びR2は各々クロロであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは、-PO3H2、-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2、-P(O)[-OCH2OC(O)O-i-プロピル]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2、-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]、及び-P(O)[-OCH(3-クロロフェニル)CH2CH2O-]からなる群から選択される。
【0404】
更なる態様では、Gは-CH2-であり;Tは-OCH2-であり;R1及びR2は各々メチルであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは-PO3H2である。更なる態様では、Gは-CH2-であり;Tは-OCH2-であり;R1及びR2は各々メチルであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは-P(O)[-OCH2OC(O)-t-ブチル]2及び-P(O)[-OCH2OC(O)-i-プロピル]2からなる群から選択される。別の態様では、Gは-CH2-であり;Tは-OCH2-であり;R1及びR2は各々メチルであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは-P(O)[-OCH2OC(O)O-エチル]2及び-P(O)[-OCH2OC(O)-i-プロピル]2からなる群から選択される。更なる態様では、Gは-CH2-であり;Tは-OCH2-であり;R1及びR2は各々メチルであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは-P(O)[-N(H)CH(CH3)C(O)OCH2CH3]2及び-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3]2からなる群から選択される。更なる態様では、Gは-CH2-であり;Tは-OCH2-であり;R1及びR2はメチルであり;R4は水素であり;R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは-P(O)[-OCH2CH2SC(O)Me]2であるか、又は、Xは-P(O)[-N(H)C(CH3)C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]であるか、又は、Xは-P(O)[-N(H)C(CH3)2C(O)OCH2CH3][3,4-メチレンジオキシフェニル]である。
【0405】
別の態様では、Gは-O-であり、Tは-(CH2)0~4-であり、R1及びR2は、独立して、水素、ハロゲン、1~3個の炭素のアルキル、及び3~5個の炭素のシクロアルキルからなる群から選択され、R3は1~4個の炭素のアルキル又は3~7個の炭素のシクロアルキルであり、R5は-OHであり、そのときR4は水素ではなく;ここでGが-O-であり、R5が、NHC(O)Re、-NHS(=O)1~2Re、-NHC(S)NH(Th)、及び-NHC(O)NH(Rh)からなる群から選択され、Tが-(CH2)m-、-CH=CH-、-O(CH2)1~2-、及び-NH(CH2)1~2-からなる群から選択されるとき、R4は水素ではない。
【0406】
更なる態様では、Gは-CH2-であり;Tは-OCH2-であり;R1及びR2は各々メチルであり;R1は水素であり;R5は-OHであり;R3はイソプロピルであり;Xは-P(O)YR11Y'R11である。
【0407】
式中、Y及びY'は、各々独立して、-O-及び-NRv-から選択され、;R11及びR11は一緒に基:
【0408】
【0409】
であり、式中、
【0410】
V、W、及びW'は、独立して、水素、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアラルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、任意選択で置換された1-アルケニル、及び任意選択で置換された1-アルキニルからなる群から選択され;
【0411】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して5~7個の原子を含む環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、若しくはリンに結合した両方のY基からの3個の原子である炭素原子に結合したアリールオキシカルボニルオキシによって置換されており;
【0412】
又はV及びZが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、リンに結合したYに対してベータ位及びガンマ位でアリール基に融合しており;
【0413】
又は、V及びWが一緒に、追加の3個の炭素原子を介して結合して任意選択で置換された6個の炭素原子を含み、ヒドロキシ、アシルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルチオカルボニルオキシ、及びリンに結合したYからの3個の原子である前記炭素原子の1つに結合したアリールオキシカルボニルオキシからなる群から選択される1個の置換基によって置換されている、環状基を形成し;
【0414】
又は、Z及びWが一緒に、追加の3~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~1個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0415】
又は、W及びW'が一緒に、追加の2~5個の原子を介して結合して環状基を形成し、ここで0~2個の原子がヘテロ原子であり、残りの原子が炭素であり、Vはアリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、又は置換されたヘテロアリールである必要があり;
【0416】
Zは、-CHRzOH、-CHRzOC(O)Ry、-CHRzOC(S)Ry、-CHRzOC(S)ORy、-CHRzOC(O)SRy、-CHRzOCO2Ry、-ORz、-SRz、-CHRzN3、-CH2アリール、-CH(アリール)OH、-CH(CH=CRz
2)OH、-CH(C≡CRz)OH、-Rz、-NRz
2、-OCORy、-OCO2Ry、-SCORy、-SCO2Ry、-NHCORz、-NHCO2Ry、-CH2NHアリール、-(CH2)q-ORz、及び-(CH2)q-SRzからなる群から選択され;
【0417】
qは整数2又は3であり;
【0418】
但し以下の条件である:
【0419】
a)V、Z、W、W'は、全てが-Hではない;並びに
【0420】
b)Zが-Rzであるとき、V、W、及びW'の少なくとも1つは、-H、アルキル、アラルキル、又はヘテロシクロアルキルではなく;
【0421】
各々のRzは、Ry及び-Hからなる群から選択され;
【0422】
各々のRyは、アルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル、及びアラルキルからなる群から選択され;
【0423】
各々のRxは、独立して、-H及びアルキルからなる群から選択されるか、又はRx及びRxが一緒に環状アルキル基を形成し;
【0424】
各々のRvは、-H、低級アルキル、アシルオキシアルキル、アルコキシカルボニルオキシアルキル、及び低級アシルからなる群から選択される。更なる態様では、Vはアリールである。更なる態様では、Zは水素であり、Wは水素であり、W'は水素である。更なる態様では、Vは3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、3-フルオロフェニル、ピリド-4-イル、ピリド-3-イル、又は3,5-ジクロロフェニルである。更なる態様では、ジオキサホスホナン環上の置換基間の相対立体化学はシスである。
【0425】
別の態様では、各々のRaは、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C2アルキル、ハロゲン、-OH、任意選択で置換された-O-C1~C2アルキル、-OCF3、任意選択で置換された-S-C1~C2アルキル、-NRbRc、任意選択で置換された-C2アルケニル、及び任意選択で置換された-C2アルキニルからなる群から選択され;
【0426】
各々のRbが、独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C2アルキルからなる群から選択され;
【0427】
各々のRcが、独立して、水素、及び任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C(O)-C1~C2アルキル、-C(O)Hからなる群から選択され;
【0428】
各々のRdは、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、任意選択で置換された-C2~C6アルケニル、任意選択で置換された-C2~C6アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nフェニル、任意選択で置換された-(CRb
2)n非環式ヘテロアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)n-C3~C6-シクロアルキル、任意選択で置換された-(CRb
2)n-C4~C5-ヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NRfRgからなる群から選択され;
【0429】
各々のReは、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、任意選択で置換された-C2~C6アルケニル、任意選択で置換された-C2~C6アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nフェニル、任意選択で置換された-(CRb
2)n単環式ヘテロアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)n-C3~C6-シクロアルキル、任意選択で置換された-(CRb
2)n-C4~C5-ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0430】
Rf及びRgは、各々独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C6アルキル、任意選択で置換された-C2~C6アルケニル、任意選択で置換された-C2~C6アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nフェニル、任意選択で置換された-(CRb
2)n単環式ヘテロアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)n-C3~C6-シクロアルキル、任意選択で置換された-(CRb
2)n-C4~C5-ヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はRfとRgが一緒になって、O、NRb、及びSの群から選択される第2のヘテロ基を含んでもよい任意選択で置換された複素環を形成してもよく、ここで、前記任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換された-C1~C2アルキル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される0~2個の置換基で置換されていてもよく;
【0431】
各々のRhは、任意選択で置換された-C1~C16アルキル、任意選択で置換された-C2~C16アルケニル、任意選択で置換された-C2~C16アルキニル、任意選択で置換された-(CRb
2)nフェニル、任意選択で置換された-(CRb
2)n単環式ヘテロアリール、任意選択で置換された-(CRb
2)n-C3~C6-シクロアルキル、任意で置換された-CRb
2)n-C4~C5-ヘテロシクロアルキルである。
【0432】
更なる態様では、各々のRaは、独立して、水素、メチル、フルオロ、クロロ、-OH、-O-CH3、-OCF3、-SCH3、-NHCH3、-N(CH3)2からなる群から選択され;
【0433】
各々のRbは、独立して、水素及びメチルからなる群から選択され;
【0434】
各々のRcは、独立して、水素、メチル、-C(O)CH3、-C(O)Hからなる群から選択され;
【0435】
各々のRdは、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、任意選択で置換された-(CH2)nフェニル、任意選択で置換された-(CH2)n単環式ヘテロアリール、任意選択で置換された-(CH2)n-C3~C6-シクロアルキル、任意で置換された-(CH2)n-C4~C5-ヘテロシクロアルキル、及び-C(O)NRfRgからなる群から選択され;
【0436】
各々のReは、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、任意選択で置換された-(CH2)nフェニル、任意選択で置換された-(CH2)n単環式ヘテロアリール、任意選択で置換された-(CH2)n-C3~C6-シクロアルキル、任意選択で置換された-(CH2)n、-C4~C5-ヘテロシクロアルキルからなる群から選択され;
【0437】
Rf及びRgは、各々独立して、水素、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、任意選択で置換された-(CH2)nフェニル、任意選択で置換された-CH2)n単環式ヘテロアリール、任意選択で置換された-(CH2)n-C3~C6-シクロアルキル、任意選択で置換された-(CH2)n-C4~C8-ヘテロシクロアルキルからなる群から選択されるか、又はRfとRgが一緒になって、O、NRb、及びSの群から選択される第2のヘテロ基を含んでもよい任意選択で置換された複素環を形成してもよく、ここで、前記任意選択で置換された複素環は、任意選択で置換されたメチル、-ORb、オキソ、シアノ、-CF3、任意選択で置換されたフェニル、及び-C(O)ORhからなる群から選択される0~2個の置換基で置換されていてもよく;
【0438】
各々のRhは、任意選択で置換された-C1~C4アルキル、任意選択で置換された-C2~C4アルケニル、任意選択で置換された-C2~C4アルキニル、任意選択で置換された-(CH2)nフェニル、任意選択で置換された-CH2)n単環式ヘテロアリール、任意選択で置換された-(CH2)n-C3~C6-シクロアルキル、任意で置換された-(CH2)6-C4~C8-ヘテロシクロアルキルである。
【0439】
本開示の方法における投与のための組成物に組み込むための例示的な化合物は、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,829,552号に開示されるものを含むが、これらに限定されない。米国特許第7,829,552号は、前記化合物の合成方法を更に開示している。そのような化合物は、以下の構造を有するもの、又はそれらの薬学的に許容される塩を含む:
【0440】
【0441】
【0442】
【0443】
【0444】
【0445】
【0446】
【0447】
【0448】
【0449】
【0450】
【0451】
【0452】
【0453】
【0454】
【0455】
【0456】
【0457】
【0458】
【0459】
【0460】
【0461】
【0462】
【0463】
【0464】
【0465】
【0466】
本開示の方法による投与のための好ましい組成物は、以下の構造に対応する化合物1、2、3、及び/若しくは4:
【0467】
【0468】
のそれぞれ、又はそれらの薬学的に許容される塩を含むものを含む。
【0469】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物及び方法により投与される化合物は、以下の:
【0470】
【0471】
【0472】
【0473】
【0474】
【0475】
、若しくはそれらの薬学的に許容される塩の1つ以上、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0476】
いくつかの他の実施形態では、本開示の組成物及び方法により投与される化合物は、以下の
【0477】
【0478】
【0479】
【0480】
【0481】
、若しくはそれらの薬学的に許容される塩の1つ以上、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0482】
以前の治験では、イヌにこれらの化合物を毎日投与すると、血清脂質レベルが用量依存的に減少し、用量依存性が不明であったがHPT軸が抑制された。驚くべきことに、最初の脂質低下効果の用量依存性を考慮すると、投与スケジュールを一日おきに変更しても血漿コレステロールの低下に関する有効性の低下をもたらさなかったが、HPT軸の抑制を軽減した。したがって、いくつかの実施形態は、HPT軸の抑制とそのような抑制に付随する副作用を改善又は排除しながら、TRβのアゴニストとしてのそれらの主な効果、及びそれによって達成される臨床症状の軽減を保持するような方法で化合物1、化合物2、及び関連する化合物を投与する方法を含む。
【0483】
本明細書に開示される方法によれば、上述の化合物の投与に関連するHPT抑制副作用の減少は、対象が一定期間にわたって定期的な部分的又は完全な投与の減少とそれに続く投与の再開とを経験するように投与スケジュールを調節することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、投与量は、1~30日の間毎日投与され、続いて1~30日の間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、休薬期間の間、一切の用量が投与されない。いくつかの更なる実施形態では、化合物及びその代謝産物は、次の用量の投与前に対象の身体から完全に除去されるようにされる。いくつかの他の実施形態では、休薬期間の間に、通常の1日の用量より少ない量が投与される。いくつかの更なる実施形態では、治療有効量より少ない量の投与化合物を、休薬期間中に対象内に保持するようにする。いくつかの更なる実施形態では、罹患した組織における治療レベルを維持するのに十分な量の投与化合物を対象内に保持するようにする。
【0484】
いくつかの実施形態において、投与スケジュール中の化合物の最大血清濃度は、120ng/ml未満、100ng/ml未満、90ng/ml未満、80ng/ml未満、70ng/ml未満、60ng/ml未満、又は50ng/ml未満である。いくつかの実施形態において、投与スケジュール中の最小血清濃度は、10ng/ml未満、1ng/ml未満、0.1ng/ml未満、0.01ng/ml未満、又は0.001ng/ml未満である。いくつかの実施形態では、投与スケジュール中に投与される化合物のレベルは、休薬期間のいくつかの部分中では検出不可能であってもよい。
【0485】
いくつかの実施形態では、投与スケジュール中の化合物の最大血清濃度は、投与の初期増フェーズの間は高く、その後のフェーズでは低くなる。いくつかの実施形態では、投与の初期(負荷)フェーズの間の化合物の最大血清濃度は、500ng/ml未満、400ng/ml未満、300ng/ml未満、200ng/ml未満、150ng/ml未満、120ng/ml未満、100ng/ml未満、90ng/ml未満、80ng/ml未満、70ng/ml未満、60ng/ml未満、又は50ng/ml未満である。いくつかのそのような実施形態では、投与の初期フェーズの間の最大血清濃度は5ng/ml~250ng/mlである。いくつかの実施形態では、投与の後続の(維持)フェーズの間の化合物の最大血清濃度は、350ng/ml未満、200ng/ml未満、120ng/ml未満、100ng/ml未満、90ng/ml未満、80ng/ml未満、70ng/ml未満、60ng/ml未満、又は50ng/ml未満、40ng/ml未満、35ng/ml未満、又は10ng/ml未満である。当業者は、医薬品の血清濃度をモニターするための当技術分野に存在するような方法、及び所望の血清濃度を達成するために本明細書に開示される化合物の投与量を調節する手段を容易に認識するであろう。いくつかの実施形態では、投与される週用量は600mg以下である。いくつかの実施形態において、投与される週用量は、500mg以下、400mg以下、300mg以下、200mg以下、100mg以下、50mg以下、40mg以下、25mg以下、10mg以下、5mg以下、又は前記のいずれか2つによって定義される範囲内である。
【0486】
いくつかの実施形態では、各々のR11が水素ではない式Iの化合物が投与され、化合物はインビボで代謝されて各々のR11が水素である式Iの化合物又はそのような化合物のアニオンを形成する。例えば、いくつかの実施形態では、化合物1が投与され、それはインビボで代謝されて化合物3を形成する。いくつかの実施形態では、化合物2が投与され、それはインビボで代謝されて化合物4を形成する。いくつかのそのような実施形態において、投与の初期(負荷)フェーズの間の各R11が水素である式Iの化合物又はそのような化合物のアニオン(例えば、化合物3又は4)の最大血清濃度は500ng/ml以下、450ng/ml以下、400ng/ml以下、350ng/ml以下、300ng/ml以下、又は250ng/ml以下である。いくつかの実施形態では、後続の(維持)投与フェーズの間の最大血清濃度は、500ng/ml以下、450ng/ml以下、400ng/ml以下、350ng/ml以下、300ng/ml、250ng/ml以下、200ng/ml以下、150ng/ml以下、又は120ng/ml以下である。
【0487】
本開示によれば、投与スケジュールは、HPT関連の副作用を排除しながら所望の治療効果を達成するために変動し得る。以下の実施形態の各々では、記載されているような投与スケジュールの変動は、治療期間を通して繰り返されてもよい。以下の実施形態の各々では、第1の投与量は、第1の投与量に続く投与量よりも多い、少ない、又は同一であり得る。以下の実施形態の各々では、負荷用量は開示された投与計画に先行してもよく、そして休薬期間は負荷用量の投与に続いても続かなくてもよい。
【0488】
いくつかの実施形態では、投与量は治療期間中隔日に投与される。他の実施形態では、投与量は、治療期間中、3日毎に2回で投与される。更に他の実施形態において、投与量は、治療期間中、4日毎に2回で投与される。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、1日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0489】
いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、2日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0490】
いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、3日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0491】
いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、4日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0492】
いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、5日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0493】
いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、6日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0494】
いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、7日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0495】
いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、8日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0496】
いくつかの実施形態では、投与量は9日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、9日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0497】
いくつかの実施形態では、投与量は10日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、10日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0498】
いくつかの実施形態では、投与量は11日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、11日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0499】
いくつかの実施形態では、投与量は12日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、12日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0500】
いくつかの実施形態では、投与量は13日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、13日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0501】
いくつかの実施形態では、投与量は14日間毎日投与され、続いて1日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて2日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて3日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて4日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて5日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて6日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて7日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて8日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて9日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて11日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて12日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて13日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、14日間毎日投与され、続いて14日間の休薬期間が続く。
【0502】
いくつかの実施形態では、投与量は30日間毎日投与され、続いて30日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、30日間毎日投与され、続いて25~30日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、30日間毎日投与され、続いて20~25日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、30日間毎日投与され、続いて15~20日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、30日間毎日投与され、続いて10~15日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、30日間毎日投与され、続いて5~10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、30日間毎日投与され、続いて1~5日間の休薬期間が続く。
【0503】
いくつかの実施形態では、投与量は25~30日間毎日投与され、続いて30日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、25~30日間毎日投与され、続いて25~30日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、25~30日間毎日投与され、続いて20~25日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、25~30日間毎日投与され、続いて15~20日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、25~30日間毎日投与され、続いて10~15日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、25~30日間毎日投与され、続いて5~10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、25~30日間毎日投与され、続いて1~5日間の休薬期間が続く。
【0504】
いくつかの実施形態では、投与量は20~25日間毎日投与され、続いて30日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、20~25日間毎日投与され、続いて25~30日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、20~25日間毎日投与され、続いて20~25日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、20~25日間毎日投与され、続いて15~20日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、20~25日間毎日投与され、続いて10~15日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、20~25日間毎日投与され、続いて5~10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、20~25日間毎日投与され、続いて1~5日間の休薬期間が続く。
【0505】
いくつかの実施形態では、投与量は15~20日間毎日投与され、続いて30日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、15~20日間毎日投与され、続いて25~30日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、15~20日間毎日投与され、続いて20~25日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、15~20日間毎日投与され、続いて15~20日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、15~20日間毎日投与され、続いて10~15日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、15~20日間毎日投与され、続いて5~10日間の休薬期間が続く。いくつかの実施形態では、投与量は、15~20日間毎日投与され、続いて1~5日間の休薬期間が続く。
【0506】
前述の実施形態のいずれにおいても、毎日の投与は、1回又は1日に1回投与するか、又は1日に複数回投与する2回以上の分割投与で投与することができる。例えば、本明細書に記載の化合物は、1日1回、1日2回、1日3回、又は1日4回投与することができる。
【0507】
いくつかの実施形態では、T3、T4、又はTSHレベルが所定の閾値を下回る任意の日に1日用量の投与を排除又は減少させることができるように、対象のT3、T4、又はTSHレベルをモニターする。休薬期間中にT3、T4、又はTSHレベルが所定の閾値を超えた場合、通常の毎日の投与を継続することができる。
【実施例0508】
(実施例1)
イヌにおける化合物2の代替投与試験
この試験の目的は、ビーグル犬における血漿コレステロールレベル及び甲状腺機能の指標に対する、化合物2の経口投与の14日間の1日1回の投与に続く14日間の隔日投与の効果を判定することであった。化合物2を、Lutrol F68 NF(Poloxomer188)及びカルボキシメチルセルロース(CMC;ナトリウム塩/高粘度)と共に製剤化し、脱イオン水中の0.5%CMC/1%Lutrol中の懸濁液として投与した。12匹のビーグル犬(9~15kg)を6つの投与群(1匹のオス及び1匹のメス/群)に無作為に分け、そして0.1、0.3、1、3、又は10mg/日の用量で化合物2の0.5%CMC/1%Lutrol F68懸濁液、又はビヒクルと共に、14日間、1日1回強制経口投与した。処理サイクル(サイクル1)の終わりに、イヌに4週間の洗い出しをし、次いで第2の14日間の処理サイクルに入った。サイクル2は、サイクル1と同一の投与パラダイムを用いたが、2サイクルからの組み合わせ投与群がそれぞれ4匹の異なる動物(オス2匹、メス2匹)からなるように動物をサイクル2に無作為化した。サイクル2の終了時に、投与を更に14日間、隔日で続けた(サイクル2延長)。その後、ベースライン及び適切な時間間隔で血液サンプルを採取し、総血漿コレステロールレベル、総T4(tT4)、遊離T4(fT4)、総T3(tT3)、遊離T3(fT3)、及び甲状腺刺激ホルモン(TSH)について分析した。
【0509】
14日間の化合物2での処理は、総血漿コレステロールレベルの漸進的な用量依存的な減少をもたらし、15日目の平均減少は、0.3mg/kg/日の用量で、ベースラインから約28mg/dL又は約22%で、評価された最高用量(10mg/kg/日)で、ベースラインから約71mg/dL又は約47%であった(
図1を参照)。評価された化合物2の最低用量、0.1mg/kg/日は、総血漿コレステロールレベルに対して最小の効果を有した(
図1)。サイクル2の隔日の投与期間(サイクル2延長)の間、化合物2処理群における総血漿コレステロールレベルは、ビヒクル処理動物と比較して、1日1回投与後に観察されるものと同程度又はそれ以上の減少を維持した(
図2参照)。化合物2による1日1回の処理は、ベースラインレベルからの、用量依存的な血清tT4の減少(約20~54%、
図3参照)、用量依存的なfT4の減少(約8~39%、
図4参照)、及び非用量依存的なfT3の減少(約15~32%、
図6参照)をもたらした。ベースラインレベルと比較して、化合物2処理群のいずれにおいてもビヒクル処理群で観察されたものを超えるtT3レベルの意味のある変化はなかった(
図5参照)。血清TSHレベルに対する1日1回の化合物2処理の効果は様々であり、8日目において、一部の動物では完全に抑制され、他の動物で最大4倍の上昇を示した。15日目に、化合物2処理群においてTSHレベルはベースラインから非用量依存的に約6~27%減少した(
図7参照)。サイクル2延長期間中、1日1回の処理によって抑制されたtT4及びfT4のレベルは、ビヒクル処理動物のレベルに近づくレベルまで徐々に回復した(
図8、
図9参照)。fT3及びTSHレベルのより変動しやすい回復が観察され、それは全ての化合物2用量群に及ばなかった。
【0510】
結論として、化合物2(0.1~10mg/kg)による14日間のビーグル犬の1日1回経口処理は、平均総血漿コレステロールレベル(ベースラインから47%まで)の用量依存的減少をもたらし、血清tT4レベルの用量依存的減少、fT4レベルの用量依存的減少、及び血清TSHレベルの大幅な変動を伴った。tT3のレベルは処理による影響を受けなかったが、fT3のレベルは非用量依存的に減少した。サイクル2延長における化合物2の1日1回投与から隔日投与への切り替えは、コレステロール低下効果を損なわなかったが、1日1回の経口化合物2治療により抑制されていた、tT4及びfT4のレベル、そしていくつかの用量群ではfT3及びTSHのレベルを徐々に回復させた。したがって、隔日投与は、甲状腺ホルモン軸への影響を軽減した1日1回投与に対する効果的な代替物である。
【0511】
(実施例2)
イヌにおける化合物1の最初の代替投与試験
本研究の目的は、ビーグル犬の様々な臨床パラメータに対する代替投与計画の効果を調査することである。単一の性別の1群あたり5匹のビーグル犬が、5つの群に無作為化された。1つの群はビヒクルの毎日の投与のみを受ける。試験群は、1)試験試料の毎日の投与;2)1日の投与後に1日の休薬期間;3)1日の投与後に2日間の休薬期間;4)3日間連続投与後に4日間の休薬期間;又は5)5日間連続投与後に2日間の休薬期間、のいずれかを受けた。犬は、ナイーブではないコロニーからのものである。投与は1日1回の投与による。試験試料は、化合物1の10mg/kgの用量で投与される。治療は、各治療日に1日1回、強制経口投与によるものであり、期間は3週間(21日)である。回復期間は使用されない。投与のためのビヒクルは、脱イオン水中の0.5%CMC/1%Kolliphor P188であり、これは毎週1回調製されそして冷蔵される。必要でない限り、食物消費はモニターされず、獣医検査は実施されない。投与開始の7日前、投与開始の4日前、及び投与開始後2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、及び22日後に各対象から採血する。対象は、それらの血漿コレステロールレベル、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、及びアラニントランスアミナーゼ(ALT)レベル、並びに甲状腺機能について評価される。総T4、総T3、遊離T4、遊離T3、及び甲状腺刺激ホルモンを評価する。22日後、データをまとめて適切な統計分析に供する。
【0512】
(実施例3)
イヌにおける化合物1の第2の代替投与試験
本研究の目的は、ビーグル犬の様々な臨床パラメータに対する代替投与計画の効果を調査することである。単一の性別の1群あたり4匹、5匹、又は6匹のビーグル犬が、5つの群に無作為化された。1つの群はビヒクルの毎日の投与のみを受ける。試験群は、1)試験試料の毎日の投与;2)1日の投与後に2日間の休薬期間;3)3日間連続投与後に4日間の休薬期間;又は4)4日間連続投与後に3日間の休薬期間、のいずれかを受けた。犬は、ナイーブではないコロニーからのものである。治療は、各治療日に1日1回、強制経口投与によるものであり、期間は3週間である。回復期間は使用されない。投与のためのビヒクルは、脱イオン水中の0.5%CMC/1%Lutrol F68であり、これは毎週1回調製されそして冷蔵される。必要でない限り、食物消費はモニターされず、獣医検査は実施されない。2日毎又は3~4日毎に各対象から採血する。対象は、それらの血漿コレステロールレベル、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、及びアラニントランスアミナーゼ(ALT)レベル、並びに甲状腺機能について評価される。総T4、総T3、遊離T4、遊離T3、及び甲状腺刺激ホルモンを評価する。14日後、及び22日後に再び、データをまとめて適切な統計分析に供する。
【0513】
(実施例4)
ヒトにおける化合物1の代替投与試験
一次性高コレステロール血症及び非アルコール性脂肪肝疾患を有する患者において、フェーズ2、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同試験を実施して、12週間投与した後、4週間の断薬フェーズが続く化合物1の有効性、安全性、及び忍容性を評価する。試験の目的は、1)12週間の治療後のLDL-Cに対するプラセボと比較した化合物1の効果を評価すること;2)磁気共鳴画像法-プロトン密度脂肪分率(MRI-PDFF)によって測定される、肝臓脂肪含有量に対するプラセボと比較した化合物1の効果を評価すること;3)MRエラストグラフィ(MRE)によって評価されるときの、12週目の肝剛性のベースラインからの変化率を評価すること;4)総コレステロール(TC)、トリグリセリド(TG)、非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)、HDL-C、超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL-C)、アポリポタンパク質B(アポB)、及びリポタンパク質(a)、[Lp(a)]を含む他の脂質パラメータの変化を評価すること;並びに5)治療後4週間の安全性及び脂質評価による効果の持続期間を評価することである。MRI-プロトン密度脂肪分率(PDFF)による評価で少なくとも10%の肝脂肪を有し、スクリーニング時に18~75歳であり、ボディマスインデックス(BMI)が18.50~40.00kg/m2であり、スクリーニング時に空腹時血清LDL-Cが>130mg/dL、又は脂質低下薬で>110であり、遊離T3及び遊離T4が正常範囲内であり、少なくとも数週間(すわなち、4~12週間)離れた少なくとも2つの試料によって確立され、それらの反復測定値のレベルの差が<20%である場合のAST、ALT、ALP及び総ビリルビンのベースライン値を有する対象が選択された。この研究に含まれる対象はまた、以下の基準、1)処方薬を受けているか又はHbA1c>5.7の2型糖尿病;2)トリグリセリド>150mg/dL、又は高トリグリセリドの処方薬を受けているもの;3)収縮期血圧>130 mmHg、若しくは拡張期血圧>85mmHg、又は高血圧症の処方薬を受けているもの;4)胴囲>40インチ(男性)、又は> 5インチ(女性);又は5)HDL<40mg/dL(男性)若しくは<50md/dL(女性)、又は低HDLの処方薬を受けているもの、のうちの3つを満たさなければならない。対象は4つの個別治療群のうちの1つに無作為に割り当てられる: 毎日のプラセボ経口(PO);毎日の化合物1の用量5mgのPO;毎日の化合物1の用量10mgのPO;1日おきの化合物1の用量10mgのPO。化合物1は、5mg又は10mgのいずれかの化合物1を含む錠剤の形態で提供される。
【0514】
対象は、治療コース中、治療終了時、及び治療後4週間の間の様々な時点で、それらの総甲状腺機能について評価される。総甲状腺機能を調べる際には、総T4、総T3、遊離T4、遊離T3、及び甲状腺刺激ホルモンを評価する。対象はまた、定期的な心電図及び/又はホルターモニター、或いは必要に応じて他の手段によって、血圧、C反応性タンパク質、心筋トロポニン(cTnI)、クレアチンキナーゼ(CK)、クレアチンキナーゼMBアイソザイムのモニタリング等によって心臓副作用の指標について定期的にモニタリングされる。甲状腺機能、心臓の健康、及び臨床的評価項目の評価は、治療期間中定期的に実施される。最終測定は、12週での投与の中止時、及び16週での4週間の洗い出し期間後に行われる。16週間後、データをまとめて適切な統計分析に供する。
【0515】
(実施例5)
ヒトにおける化合物1の第2の代替投与試験
一次性高コレステロール血症及び非アルコール性脂肪肝疾患を有する患者において、フェーズ2、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同試験を実施して、12週間投与した後、4週間の断薬フェーズが続く化合物1の有効性、安全性、及び忍容性を評価する。試験の目的は、1)12週間の治療後のLDL-Cに対するプラセボと比較した化合物1の効果を評価すること;2)磁気共鳴画像法-プロトン密度脂肪分率(MRI-PDFF)によって測定される、肝臓脂肪含有量に対するプラセボと比較した化合物1の効果を評価すること;3)MRエラストグラフィ(MRE)によって評価されるときの、12週目の肝剛性のベースラインからの変化率を評価すること;4)総コレステロール(TC)、トリグリセリド(TG)、非高密度リポタンパク質コレステロール(非HDL-C)、HDL-C、超低密度リポタンパク質コレステロール(VLDL-C)、アポリポタンパク質B(アポB)、及びリポタンパク質(a)、[Lp(a)]を含む他の脂質パラメータの変化を評価すること;並びに5)治療後4週間の安全性及び脂質評価による効果の持続期間を評価することである。MRI-プロトン密度脂肪分率(PDFF)による評価で少なくとも10%の肝脂肪を有し、スクリーニング時に18~75歳であり、ボディマスインデックス(BMI)が18.50~40.00kg/m2であり、スクリーニング時に空腹時血清LDL-Cが>130mg/dL、又は脂質低下薬で>110であり、遊離T3及び遊離T4が正常範囲内であり、少なくとも数週間(すわなち、4~12週間)離れた少なくとも2つの試料によって確立され、それらの反復測定値のレベルの差が<20%である場合のAST、ALT、ALP及び総ビリルビンのベースライン値を有する対象が選択された。この研究に含まれる対象はまた、以下の基準、1)処方薬を受けているか又はHbA1c>5.7の2型糖尿病;2)トリグリセリド>150mg/dL、又は高トリグリセリドの処方薬を受けているもの;3)収縮期血圧>130mmHg、若しくは拡張期血圧>85mmHg、又は高血圧症の処方薬を受けているもの;4)胴囲>40インチ(男性)、又は>5インチ(女性);又は5)HDL<40mg/dL(男性)若しくは<50md/dL(女性)、又は低HDLの処方薬を受けているもの、のうちの3つを満たさなければならない。対象は7つの個別治療群のうちの1つに無作為に割り当てられる: 毎日のプラセボ経口(PO);250mgの化合物1の負荷用量後の毎日の化合物1の用量5mgのPO;250mgの化合物1の負荷用量後の毎日の化合物1の用量10mgのPO;250mgの化合物1の負荷用量後の1日おき(QOD)の化合物1の用量10mgのPO;100mgの化合物1の負荷用量後の毎日の化合物1の用量5mgのPO;100mgの化合物1の負荷用量後の毎日の化合物1の用量10mgのPO;及び100mgの化合物1の負荷用量後の1日おき(QOD)の化合物1の用量10mgのPO。化合物1は、5mg又は10mgのいずれかの化合物1を含む錠剤の形態で提供される。
【0516】
対象は、治療コース中、治療終了時、及び治療後4週間の間の様々な時点で、それらの総甲状腺機能について評価される。総甲状腺機能を調べる際には、総T4、総T3、遊離T4、遊離T3、及び甲状腺刺激ホルモンを評価する。対象はまた、定期的な心電図及び/又はホルターモニター、或いは必要に応じて他の手段によって、血圧、C反応性タンパク質、心筋トロポニン(cTnI)、クレアチンキナーゼ(CK)、クレアチンキナーゼMBアイソザイムのモニタリング等によって心臓副作用の指標について定期的にモニタリングされる。甲状腺機能、心臓の健康、及び臨床的評価項目の評価は、治療期間中定期的に実施される。最終測定は、12週での投与の中止時、及び16週での4週間の洗い出し期間後に行われる。16週間後、データをまとめて適切な統計分析に供する。
【0517】
(実施例6)
ヒトにおける化合物1の代替投与試験
一次性高コレステロール血症及び非アルコール性脂肪肝疾患を有する患者において、フェーズ1b、無作為化、二重盲検、プラセボ対照の試験を実施して、12週間投与した後、4週間の断薬フェーズが続く化合物1の有効性、安全性、及び忍容性を評価する。
【0518】
この現在の臨床試験では、最大累積週用量は40mgを超えない。このフェーズ1b試験における4週間の治療期間にわたる毎日5mgの用量及び週に1回40mgまでの化合物1の用量は、用量及び/又はスケジュール依存的なLDL-C及びトリグリセリドの減少をもたらす。週1回40mgの活性代謝物の予測全身曝露(AUC0~168時間[すなわち1週間の曝露])は5570ng・hr/mLである。薬物動態学的モデリングは、18300ng・hr/mLのAUC0~168時間を示す。したがって、1週間に1回40mgを投与されているヒトの推定曝露は、以前に決定された5mg/kg/日の観察可能な有害作用のないレベル(NOAEL)の曝露の約3倍低いと推定される。
【0519】
約32人の対象が登録され、以下の治療群のうちの1つに6:2の比率(化合物1:プラセボ)で無作為に割り当てられる。(1)5mgの化合物1又はプラセボ、毎日、(2)20mgの化合物1又はプラセボ、週に1回(3)40mgの化合物1又はプラセボ、週に1回(4)10mgの化合物1又はプラセボ、1日おき。主要評価項目は、ベースライン来院から29日目までのLDL-Cの変化率である。LDL-Cの20%の減少又は正常範囲内へのLDL-Cの低下のいずれかが臨床的に意味があるとみなされる。被験者はまた、健康状態又は実験室の分析の結果において、有害作用及び/又は臨床的に関連のある変化についてモニターされる。各対象は、試験試料の最後の投与の28日後に健康状態又は実験室結果の変化についてスクリーニングされるであろう。
【0520】
試験中に観察される臨床パラメータは、以下のうちの1つ以上を含み得る:身体検査;併用薬のモニタリング;甲状腺機能亢進症/甲状腺中毒症の評価/モニタリング;バイタルズ(座位5分以上);体重;アルコール摂取量の評価;生活習慣の評価/モニタリング;12誘導心電図(仰向け10分以上);薬物服薬順守の評価/モニタリング;AE/SAE評価;及び/又は24時間ホルターモニタリング。完全な身体検査には以下が含まれるが、これらに限定されない。全身外観、皮膚、HEENT(甲状腺を評価するための首/喉の検査を含む)、呼吸器検査、心拍のリズム及び心臓の異常の存在の有無を含む心血管系の評価(例えば、ギャロップ、雑音、心臓肥大)、腹部検査、筋骨格系、精神機能、状態、運動機能、及び感覚機能における以上の存在を記録するための神経学的検査(反射検査を含む)、消化管、適切な場合には泌尿生殖器系、及び/又はベースライン状態を確立又は評価するために必要な任意の追加の評価。更に、以下のうちの任意の1つ以上を含む実験室試験が実施されてもよい。血小板数、差分(%及び絶対数)を有するWBC、ヘマトクリット、ヘモグロビン、RBC、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、及び平均細胞ヘモグロビン(MCH)を含む血液学;直接ベータ定量化を介したLDL-C、非HDL-C、VLDL-C(計算値)、総コレステロール、トリグリセリド、HDL-C、Lp(a)、及びアポBを含む脂質プロファイル(無作為化後に盲検);BUN、クレアチニン、カルシウム、グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、リン、尿酸、クレアチニンキナーゼを含む血清化学;AST(SGOT)、ALT(SGPT)、アルカリホスファターゼ(ALP)、ビリルビン(合計、直接、間接)を含む肝臓パネル;INR/PT、総タンパク質、アルブミン、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)、及びチロキシン結合グロブリン(TBG)を含む更なる肝試験;TSH、総及び遊離T4並びに総及び遊離T3を含む甲状腺パネル(無作為化後に盲検);CK、CK-MB、及び心筋トロポニンI(cTnI)を含む心臓バイオマーカー;色、外観比重pH、タンパク質、白血球エステラーゼ、グルコース、ケトン血液、ビリルビンウロビリノーゲン、硝酸塩、及び異常な場合は顕微鏡分析を含む尿検査;FSH(閉経後の女性)、血清妊娠、HbsAg、HCV、及びHIVの血清学、HbA1C、HOMAの空腹時インスリン及びグルコース、アルコール及び薬物検査、並びにPK試料を含むその他の試料。必要に応じて追加の臨床パラメータをモニター又は評価することができる。