(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174287
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】可変プランジャ力を備えた自動注射器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/315 20060101AFI20221115BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20221115BHJP
A61M 5/24 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
A61M5/315 500
A61M5/20 500
A61M5/24 500
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149905
(22)【出願日】2022-09-21
(62)【分割の表示】P 2019565323の分割
【原出願日】2018-05-23
(31)【優先権主張番号】17172456.0
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】510209133
【氏名又は名称】アセンディス ファーマ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エーゲスボリ、ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】イェンセン、ステーン
(72)【発明者】
【氏名】ラーセン、マルティン ノアゴール
(72)【発明者】
【氏名】エルケーア、ジョニー
(72)【発明者】
【氏名】アンデルセン、ビョルン クヌド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】注射後の残留薬剤を減らす等、投与精度を最適化し、カートリッジのエンドストッパを介してまたはその周辺で薬剤の漏れを防止する自動注射器および関連する方法を提供する。
【解決手段】薬剤を投与するための方法および自動注射器4を開示している。自動注射器は、ハウジング6と、第1ストッパを備えるカートリッジを受け入れるように構成されたカートリッジ受入部300と、第1ストッパを移動させるように構成されたプランジャロッドを、引き戻しプランジャロッド位置と押し込みプランジャロッド位置との間で移動させるように連結された駆動モジュールと、プランジャロッドの移動に対する抵抗を示す抵抗信号を提供するように構成された抵抗センサと、駆動モジュールと抵抗センサとに連結された処理部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を投与するための自動注射器であって、
ハウジングと、
第1ストッパを備えるカートリッジを受け入れるように構成されたカートリッジ受入部と、
前記第1ストッパを移動させるように構成されたプランジャロッドを、引き戻しプランジャロッド位置と押し込みプランジャロッド位置との間で移動させるように連結された駆動モジュールと、
前記プランジャロッドの移動に対する抵抗を示す抵抗信号を提供するように構成された抵抗センサと、
前記駆動モジュールと前記抵抗センサとに連結された処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記駆動モジュールを制御して前記プランジャロッドをプランジャロッド速度で前記押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させるように構成され、
プランジャロッド位置を決定するように構成され、
前記抵抗信号を受信するように構成され、そして
前記抵抗信号が前記プランジャロッドの高抵抗しきい値を超える移動に対する抵抗を示す場合に、前記駆動モジュールを制御して前記プランジャロッドの移動を調整するように構成されており、
前記高抵抗しきい値は、前記プランジャロッド位置に基づいている、自動注射器。
【請求項2】
前記高抵抗しきい値が、前記プランジャロッド位置が前記引き戻しプランジャロッド位置と第1プランジャロッド位置との間にある場合、第1高抵抗しきい値であり、前記高抵抗しきい値が、前記プランジャロッド位置が第2プランジャロッド位置と前記押し込みプランジャロッド位置との間にある場合、第2高抵抗しきい値であり、前記第2高抵抗しきい値が、前記第1高抵抗しきい値より高い、
請求項1に記載の自動注射器。
【請求項3】
前記第1高抵抗しきい値が、50~80Nの間、例えば50N、55N、60N、65N、70N、75N、または80Nである、
請求項2に記載の自動注射器。
【請求項4】
前記第1高抵抗しきい値が55Nである、
請求項3に記載の自動注射器。
【請求項5】
前記第2高抵抗しきい値が、70~100Nの間、例えば75~85Nの間、若しくは例えば80~90Nの間、若しくは例えば70N、75N、80N、85N、または90Nである、
請求項2~4のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項6】
前記第2高抵抗しきい値が80Nである、
請求項5に記載の自動注射器。
【請求項7】
前記高抵抗しきい値が、前記プランジャロッド位置が前記第1プランジャロッド位置と前記第2プランジャロッド位置との間にある場合、第3高抵抗しきい値であり、前記第3高抵抗しきい値が、前記第1高抵抗しきい値より高く、前記第3高抵抗しきい値が、前記第2高抵抗しきい値より低い、
請求項2~6のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項8】
前記第3高抵抗しきい値が、前記プランジャロッド位置が前記第1プランジャロッド位置から前記第2プランジャロッド位置に移動するにつれて増加する、
請求項7に記載の自動注射器。
【請求項9】
前記押し込みプランジャロッド位置と前記第1プランジャロッド位置との間の距離が、1~3mmの間、例えば2mmである、
請求項2~8のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項10】
前記引き戻しプランジャロッド位置と前記第1プランジャロッド位置との間の距離が、0~60mmの間である、
請求項2~9のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項11】
前記引き戻しプランジャロッド位置と前記第1プランジャロッド位置との間の距離が、50~60mmの間、例えば55mm、56mm、または57mmである、
請求項2~10のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項12】
カートリッジコード機能を読み取るように構成されたコードセンサを備え、前記処理部が、前記コードセンサと連結されており、前記処理部が、前記カートリッジコード機能を示すコード信号を前記コードセンサから受信するように構成されており、前記処理部が、前記コード信号に基づいて、前記第1プランジャロッド位置及び/又は前記第2プランジャロッド位置を決定するように構成されている、
請求項2~11のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項13】
前記抵抗センサが、前記駆動モジュールを通る電流を決定するように構成されている、
請求項1~12のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項14】
前記抵抗センサが、前記プランジャロッドのプランジャロッド前端に加えられる圧力及び/又は力を測定するように構成されている、
請求項1~13のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項15】
前記駆動モジュールの回転数を示す回転速度計信号を提供するように構成された回転速度計を備え、前記処理部が、前記回転速度計に連結されており、前記処理部が、前記回転速度計信号を受信し且つ前記回転速度計信号に基づいて前記プランジャロッド位置を決定するように構成されている、
請求項1~14のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項16】
前記プランジャロッドの移動を調整することが、前記プランジャロッドの移動を停止させることを含む、
請求項1~15のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項17】
前記プランジャロッドの移動を調整することが、滞留時間の間、前記プランジャロッドの前記引き戻しプランジャロッド位置への移動を防ぐことを更に含む、
請求項16に記載の自動注射器。
【請求項18】
前記プランジャロッドの移動を調整することが、前記プランジャロッドを前記引き戻しプランジャロッド位置に移動させることを含む、
請求項1~17のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項19】
前記プランジャロッドの移動を調整することが、前記プランジャロッド速度を下げることを含む、
請求項1~18のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項20】
前記処理部が更に、前記プランジャロッドの移動に対する抵抗が前記高抵抗しきい値を下回ることを前記抵抗信号が示す場合、前記プランジャロッドの移動を調整した後、前記駆動モジュールを制御して前記プランジャロッドの移動を再調整するように構成されている、
請求項1~19のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項21】
前記プランジャロッドの移動を再調整することは、前記プランジャロッド速度を上げることを含む、
請求項20に記載の自動注射器。
【請求項22】
前記プランジャロッド速度が、前記プランジャロッド位置に基づいている、
請求項1~21のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項23】
前記プランジャロッド速度が、前記プランジャロッド位置が前記引き戻しプランジャロッド位置と第4プランジャロッド位置との間にある場合、第1プランジャロッド速度であり、前記プランジャロッド速度が、前記プランジャロッド位置が第5プランジャロッド位置と前記押し込みプランジャロッド位置との間にある場合、第2プランジャロッド速度であり、前記第2プランジャロッド速度が、前記第1プランジャロッド速度より遅い、
請求項22に記載の自動注射器。
【請求項24】
前記プランジャロッド速度が、前記プランジャロッド位置が前記引き戻しプランジャロッド位置と第4プランジャロッド位置との間にある場合、第1プランジャロッド速度であり、前記プランジャロッド速度が、前記プランジャロッド位置が第5プランジャロッド位置と前記押し込みプランジャロッド位置との間にある場合、第2プランジャロッド速度であり、前記第2プランジャロッド速度が、前記第1プランジャロッド速度より速い、
請求項22に記載の自動注射器。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか一項に記載の自動注射器と、第1ストッパを備えるカートリッジとを備えるシステムであって、前記カートリッジが、カートリッジ受入部に受け入れられるように構成されている、システム。
【請求項26】
前記カートリッジが、デュアルチャンバカートリッジである、
請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
自動注射器を制御するための方法であって、前記方法が、
第1ストッパを備えるカートリッジを受け入れる工程と、
プランジャロッドをプランジャロッド速度で押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させる工程と、
プランジャロッド位置を決定する工程と、
前記プランジャロッドの移動に対する抵抗を示す抵抗信号を受信する工程と、
前記抵抗信号が前記プランジャロッドの高抵抗しきい値を超える移動に対する抵抗を示す場合に、前記プランジャロッドの移動を調整する工程と、
を含み、前記高抵抗しきい値が前記プランジャロッド位置に基づいている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子自動注射器等の自動注射器、自動注射器およびカートリッジを備えるシステム、並びに自動注射器を操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮下注射器は、体に流体を送液するために広く使用されている。手動操作に適用可能な皮下注射器があることが知られている。しかし、電子自動注射器等の自動注射器が開発されており、体への流体または薬剤の投与を支援するために広く使用されている。
【0003】
使用者が特定のタスクを正しく行うことに依存するのを避けるために、自動注射器が可能な限り多くの注射プロセスを自動的に実行することへの関心が高まっている。
【0004】
しかしながら、使用者の安全のために、そのような自動注射器は、不利な使用を防いで薬剤の適切な投与を確保又は容易にすることや、誤った使用、若しくは誤った使用の結果、例えば誤った投与量または伝染を防止又は低減することが、継続的に望まれている。
【0005】
注射される及び/又は組織によって吸収される薬剤の量の正確な制御を可能にすることは、更に重要である。従って、薬剤が漏れたりこぼれたりするリスクを減らし、更に、注射終了後のカートリッジ内の残留薬剤の量も減らすことへの関心が高まっている。
【0006】
プランジャの力は、注射中の薬剤の逆流を避けるために、つまり、薬剤が、針を通して排出されるのとは反対にストッパ周辺部を逆流するのを避けるために、制限されることが多い。プランジャの力を制限しようとする他の目的としては、例えば薬剤の漏れを防ぐことや、またはカートリッジ構造の破損を防ぐことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既知の解決策は存在するが、注射後の残留薬剤を減らす等、投与精度を最適化し、カートリッジのエンドストッパを介してまたはその周辺で薬剤の漏れを防止する自動注射器および関連する方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、薬剤を投与するための自動注射器が開示されている。自動注射器は、ハウジング、カートリッジ受入部、駆動モジュール、抵抗センサ、および処理部を備える。
【0009】
カートリッジ受入部は、第1ストッパを備えるカートリッジを受け入れるように構成されている。駆動モジュールは、プランジャロッドを、引き戻しプランジャロッド位置と押し込みプランジャロッド位置との間で移動、例えば前進させるために連結される。プランジャロッドは、第1ストッパを移動、例えば前進させるように構成されている。
【0010】
抵抗センサは、プランジャロッドの移動に対する抵抗を示す抵抗信号を提供するように構成されている。
【0011】
処理部は、駆動モジュールに連結されている。処理部は、抵抗センサに連結されている。
【0012】
処理部は、駆動モジュールを制御してプランジャロッドをプランジャロッド速度で押し込みプランジャロッド位置に向かって移動、例えば前進させるように構成され、プランジャロッド位置を決定するように構成され、抵抗信号を受信するように構成され、そして抵抗信号がプランジャロッドの高抵抗しきい値を超える移動に対する抵抗を示す場合に、駆動モジュールを制御してプランジャロッドの移動を調整するように構成されている。高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置に基づいている。
【0013】
ハウジングは、カートリッジ受入部、駆動モジュール、抵抗センサ、および処理部のうちの1つ以上を収容してもよい。
【0014】
システムも開示されている。このシステムは、自動注射器と、第1ストッパを備えるカートリッジとを備え、カートリッジは、カートリッジ受入部に受け入れられるように構成されている。
【0015】
自動注射器を制御する方法も開示している。方法は、第1ストッパを備えるカートリッジを受け入れる工程と、プランジャロッドをプランジャロッド速度で押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させる工程と、プランジャロッド位置を決定する工程と、プランジャロッドの移動に対する抵抗を示す抵抗信号を受信する工程と、抵抗信号がプランジャロッドの高抵抗しきい値を超える移動に対する抵抗を示す場合に、プランジャロッドの移動を調整する工程と、を含み、高抵抗しきい値がプランジャロッド位置に基づいている。
【0016】
本開示の利点は、より多くの力をストッパに加えて、そのような上昇した力を一定の間維持し、それによってストッパを強制的に変形/圧縮させて内部カートリッジの肩部領域とよりよく接触(充填)させ、それによりここに存在している残留薬物を押し出すことで、注射中に薬物カートリッジをより完全に空にして投与精度を最適化する方法を提供することである。加えて、開示のアプローチは、各カートリッジから無駄になる薬剤が少なくなるため、改善された薬剤利用も提供する。
【0017】
プランジャロッド速度は更に最適化でき、例えば、注射手順の時間、例として薬剤を注射するのに必要な時間及び/又は注射の準備を最適化する。
【0018】
本開示のさらなる利点は、例えば、薬剤の誤った投与のリスクを減らすことにより、患者の安全性が高まることである。
【0019】
更に、本開示は、薬剤利用の精度を改善することを可能にし、使用されていない薬剤の量を減らすことを可能にするという利点を提供する。従って、本開示のさらなる利点は、未使用の薬剤のコストを削減できることである。
【0020】
高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置に基づいてもよい。高抵抗しきい値は、第1高抵抗しきい値及び/又は第2高抵抗しきい値及び/又は第3高抵抗しきい値であり得る。
【0021】
処理部は、例えばプランジャロッド位置に基づいて、高抵抗しきい値を決定するように構成されてもよい。
【0022】
高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が引き戻しプランジャロッド位置と第1プランジャロッド位置との間にある場合、第1高抵抗しきい値であってもよい。代替的または追加的には、高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が第2プランジャロッド位置と押し込みプランジャロッド位置との間にある場合、第2高抵抗しきい値であってもよい。
【0023】
第2高抵抗しきい値は、第1高抵抗しきい値より高くてもよい。第2高抵抗しきい値が薬剤の注射終了時の押し込みプランジャロッド位置に対応する場合、カートリッジ内の圧力に対する針の流れ抵抗の寄与が低いため、注射終了時のストッパまたはセプタムでの漏れのリスクなしにカートリッジを効果的に空にする目的で、高抵抗しきい値をより高くしてもよい。
【0024】
第1高抵抗しきい値は、50~80Nの間、例えば50N、55N、60N、65N、70N、75N、または80Nであってもよい。一例では、第1高抵抗しきい値は55Nである。
【0025】
第2高抵抗しきい値は、70~100Nの間、例えば75~85Nの間、若しくは例えば80~90Nの間、若しくは例えば70N、75N、80N、85N、または90Nであってもよい。一例では、第2高抵抗しきい値は80Nである。
【0026】
高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が第1プランジャロッド位置と第2プランジャロッド位置との間にある場合、第3高抵抗しきい値であってもよい。高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が第3プランジャロッド位置にある場合、第3高抵抗しきい値であってもよい。第3プランジャロッド位置は、第1プランジャロッド位置と第2プランジャロッド位置との間にあってもよい。
【0027】
第3高抵抗しきい値は、第1高抵抗しきい値より高くてもよい。第3高抵抗しきい値は、第2高抵抗しきい値より低くてもよい。第3高抵抗しきい値は、第1高抵抗しきい値と第2高抵抗しきい値との間にあってもよい。
【0028】
高抵抗しきい値、例えば第3高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が第1プランジャロッド位置から第2プランジャロッド位置に移動するにつれて増加してもよい。
【0029】
押し込みプランジャロッド位置と第1プランジャロッド位置との間の距離は、1~3mmの間、例えば2mmであってもよい。
【0030】
引き戻しプランジャロッド位置と第1プランジャロッド位置との間の距離は、0~60mmの間であってもよい。
【0031】
引き戻しプランジャロッド位置と第1プランジャロッド位置との間の距離は、50~60mmの間、例えば55mm、56mm、または57mmであってもよい。
【0032】
自動注射器は、コードセンサを備えてもよい。コードセンサは、カートリッジの及び/又はカートリッジに取り付けられたカートリッジコード機能等のカートリッジコード機能を読み取るように構成されてもよい。コードセンサは、カートリッジコード機能を示すコード信号を送信するように構成されてもよい。コードセンサは、複数の位置でカートリッジコード機能を読み取るように構成されてもよい。カートリッジコードセンサは、移動可能であってもよい。カートリッジコードセンサは、複数の送信機及び/又は受信機等の複数のセンサを備えてもよい。
【0033】
コードセンサは、光学センサを備えてもよい。コードセンサは、光送信機および光受信機等の送信機および受信機を備える光学センサを備えてもよい。コードセンサは、カートリッジコード機能を読み取るように構成されてもよい。コードセンサは、QRコード(登録商標)、バーコード、カラーコード、及び/又はこれらの任意の組み合わせを読み取るように構成されてもよい。
【0034】
処理部は、コードセンサと連結されてもよい。処理部は、カートリッジコード機能を示すコード信号をコードセンサから受信するように構成されてもよい。処理部は、コード信号に基づいて、第1プランジャロッド位置及び/又は第2プランジャロッド位置等のプランジャロッド位置を決定するように構成されてもよい。
【0035】
抵抗センサは、プランジャロッドのプランジャロッド前端に加えられる圧力及び/又は力を測定するように構成されてもよい。プランジャロッド前端は、カートリッジの第1ストッパと係合するように構成されてもよい。抵抗センサは、プランジャロッドとストッパとの間の圧力及び/又は力を測定するように構成されてもよい。例えば、抵抗センサは、プランジャロッド前端に圧力変換器及び/又は力変換器を備えてもよい。プランジャロッドは、抵抗センサを備えてもよい。
【0036】
代替的または追加的には、抵抗センサは、駆動モジュールを通る電流を決定するように構成されてもよく、及び/又は駆動モジュールによって消費される電力を決定するように構成されてもよい。例えば、抵抗センサは、駆動モジュールの電気抵抗、電流、及び/又は電圧を測定するように構成されてもよい。抵抗センサは、電気抵抗センサ、電流センサ、及び/又は電圧センサを備えてもよい。抵抗信号は、駆動モジュールによって消費される電力に基づいて、例えば駆動モジュールによって消費される決定電力に基づいてもよい。抵抗信号は、駆動モジュールを通る電流に基づいて、例えば駆動モジュールを通る測定電流に基づいてもよい。駆動モジュールは、抵抗センサを備えてもよい。
【0037】
専用の力センサを適用する代わりに、例えばプランジャとカートリッジストッパとの間にそのような力センサを適用するコストと構造上の複雑さ故に、同等のプランジャの力や抵抗を監視する実用的な方法は、駆動モジュールを流れる、例えば駆動モジュールのモータを流れる電流を監視することである。電気機械システムの場合、これは出力とよく相関する。磁場内のインダクターに作用する力は、F=B*I*lで表すことができ、ここでBは磁場の強さ、Iはインダクター電流、lは磁場中のインダクターの長さである。
【0038】
自動注射器は、電子自動注射器であってもよい。自動注射器は、バッテリを備えてもよい。ハウジングは、バッテリを収容してもよい。バッテリは、充電式バッテリでもよい。例えば、バッテリは、リチウムイオンバッテリまたはNiCdバッテリまたはNiMHバッテリであってもよい。バッテリは、充電器の接続によって充電されるように構成されてもよい。
【0039】
駆動モジュールは、1つ以上の電気素子を備えてもよい。駆動モジュールは、バッテリから電力を受け取るように構成されてもよい。駆動モジュールは、電力を受け取るためにバッテリに電気的に接続されてもよい。駆動モジュールは、ブラシ付きまたはブラシなしのDCモータ等のDCモータを始めとする、電気機械モータ等のモータを備えてもよい。駆動モジュールは、ソレノイドモータを備えてもよい。駆動モジュールは、形状記憶金属エンジンを備えてもよい。駆動モジュールは、プランジャロッドを動作させるように構成されたバネの配列を備えてもよい。駆動モジュールは、プランジャロッドを動作させるように構成された加圧ガスを含んでもよい。
カートリッジ、例えばカートリッジのカートリッジコンパートメントは、薬剤を備えてもよい。第1ストッパの移動は、カートリッジから、例えばカートリッジコンパートメントからカートリッジ出口を通して薬剤を排出するものであってもよく、及び/又はカートリッジから、例えばカートリッジコンパートメントからカートリッジ出口を通して空気を排出するものであってもよい。
【0040】
特定の瞬間におけるプランジャロッド位置を始めとする、現在のプランジャロッド位置等のプランジャロッド位置は、例えば処理部によって決定されてもよい。プランジャロッド位置は、プランジャロッド位置センサ等のセンサからの検出に基づいて決定されてもよい。
【0041】
自動注射器は、プランジャロッド位置センサを備えてもよい。プランジャロッド位置センサは、プランジャロッドの位置及び/又は第1ストッパの位置を検出するように構成されてもよい。駆動モジュールは、プランジャロッド位置センサを備えてもよい。
【0042】
自動注射器は、回転速度計を備えてもよい。プランジャロッド位置センサは、回転速度計を備えてもよい。プランジャロッド位置センサは、回転速度計でもよい。回転速度計は、設定点、例えばプランジャロッドが完全に引き戻された位置を例とする引き戻しプランジャロッド位置等の、プランジャロッドの位置が既知であるような点からの、駆動モジュールの回転といった、駆動モジュール、例えば駆動モジュールのモータの回転をカウントするように構成されてもよい。駆動モジュールの回転数は、プランジャロッド位置、即ち特定の瞬間におけるプランジャロッドの位置を決定するために使用してもよい。
【0043】
回転速度計は、駆動モジュールの回転数を示す回転速度計信号を提供するように構成されてもよい。処理部は、回転速度計に連結されてもよい。処理部は、回転速度計信号を受信するように構成されてもよい。処理部は、回転速度計信号に基づいて現在のプランジャロッド位置を決定するように構成されてもよい。
【0044】
処理部は、プランジャロッド位置センサに連結されてもよい。処理部は、駆動モジュールの回転数を示す、回転速度計信号等の第1プランジャロッド位置センサ信号を、プランジャロッド位置センサから受信してもよい。処理部は、第1プランジャロッド位置センサ信号、例えば回転速度計信号に基づいてプランジャロッドの位置を決定してもよい。処理部は、例えばプランジャロッド位置センサから、完全に引き戻された位置を例とする引き戻しプランジャロッド位置等の、既知の位置にあるプランジャロッドを示す第2プランジャロッド位置センサ信号を受信してもよい。処理部は、第1プランジャロッド位置センサ信号、例えば回転速度計信号と、第2プランジャロッド位置センサ信号とに基づいて、プランジャロッドの位置を決定するように構成されてもよい。処理部は、回転速度計信号および引き戻しプランジャロッド位置に基づいて、プランジャロッド位置を決定するように構成されてもよい。例えば、処理部は、プランジャロッドが引き戻しプランジャロッド位置にあったときからの駆動モジュールの回転数に基づいてプランジャロッド位置を決定するように構成されてもよい。
【0045】
プランジャロッドの移動を調整する工程は、プランジャロッド速度を下げることを含んでもよい。
【0046】
プランジャロッドの移動を調整する工程は、プランジャロッドの移動を止めることを含んでもよい。
【0047】
プランジャロッドの移動を調整する工程は、滞留時間の間、プランジャロッドの引き戻しプランジャロッド位置への移動を防ぐことを含んでもよい。代替的または追加的には、プランジャロッドの移動を調整する工程は、滞留時間の間プランジャロッドの位置を維持することを含んでもよい。引き戻しプランジャロッド位置への引き戻しまたは移動を防止することにより、カートリッジ内の圧力が低下することによる薬剤の逆流が防止できる。
【0048】
プランジャロッドの移動を調整する工程は、プランジャロッドを引き戻しプランジャロッド位置に移動させることを含んでもよい。例えば、滞留時間の後に、プランジャロッドを引き戻しプランジャロッド位置に移動させてもよい。
【0049】
プランジャロッドの移動を調整する工程は、プランジャロッド速度を徐々に低下させることと、プランジャロッド速度を停止させることと、プランジャロッドが引き戻しプランジャロッド位置へ移動するのを防止することと、滞留時間後にプランジャロッドを引き戻しプランジャロッド位置へ移動させることと、を含んでもよい。
【0050】
プランジャロッドの移動を調整した後、プランジャロッドの移動を再調整してもよい。処理部は、プランジャロッドの移動を調整した後、駆動モジュールを制御してプランジャロッドの移動を再調整するように構成されてもよい。例えば、プランジャロッドの移動に対する抵抗が高抵抗しきい値を下回る場合、プランジャロッドの移動を調整した後、プランジャロッドの移動を再調整してもよい。プランジャロッドの移動に対する抵抗が高抵抗しきい値を下回ることを抵抗信号が示す場合、処理部は、プランジャロッドの移動を調整した後、駆動モジュールを制御してプランジャロッドの移動を再調整するように構成されてもよい。プランジャロッドの移動を再調整する工程は、プランジャロッド速度を上げることを含む。
プランジャロッド速度は、変更してもよい。例えば、プランジャロッド速度は、プランジャロッド位置に基づいてもよい。プランジャロッド速度は、プランジャロッド位置が引き戻しプランジャロッド位置と第4プランジャロッド位置との間にある場合、第1プランジャロッド速度であってもよい。プランジャロッド速度は、プランジャロッド位置が第5プランジャロッド位置と押し込みプランジャロッド位置との間にある場合、第2プランジャロッド速度であってもよい。第2プランジャロッド速度は、第1プランジャロッド速度より遅くてもよい。或いは、第2プランジャロッド速度は、第1プランジャロッド速度より速くてもよい。処理部は、例えばプランジャロッド位置に基づいて、プランジャロッド速度を決定するように構成されてもよい。
【0051】
第4プランジャロッド位置は、第1プランジャロッド位置であってもよい。第5プランジャロッド位置は、第2プランジャロッド位置であってもよい。第1プランジャロッド位置と第2プランジャロッド位置は、同じプランジャロッド位置であってもよい。第4プランジャロッド位置と第5プランジャロッド位置は、同じプランジャロッド位置であってもよい。
【0052】
自動注射器によって、例えば自動注射器のカートリッジ受入部によって受け入れられるように構成されたカートリッジといったカートリッジは、第1カートリッジ端部にカートリッジ出口を有してもよい。カートリッジは、例えばカートリッジ出口の反対側等の第2カートリッジ端に、カートリッジ背面を備えてもよい。カートリッジ後面は、カートリッジ後端開口部を備えてもよい。カートリッジ後端開口部は、プランジャロッド、例えば自動注射器のプランジャロッドが第1ストッパにアクセスできるようにする。
【0053】
カートリッジコンパートメントには、薬剤を入れてもよい。カートリッジ出口は、例えば第1カートリッジ端部で、カートリッジコンパートメントと流体連通するように構成されてもよい。カートリッジは、カートリッジ出口を通して薬剤を排出するように構成されてもよい。カートリッジ出口は、皮下注射針等の針と連結されて、針を通して排出される薬剤を提供するように構成されてもよい。
【0054】
カートリッジの第1ストッパは、カートリッジコンパートメント内で移動可能であってもよい。カートリッジは、カートリッジコンパートメント内で移動可能な第2ストッパを備えてもよい。第2ストッパは、第1ストッパとカートリッジ出口との間にあってもよい。カートリッジは、カートリッジコンパートメント内で移動可能な第3ストッパを備えてもよい。第3ストッパは、第2ストッパとカートリッジ出口との間にあってもよい。第1ストッパ、第2ストッパ、及び/又は第3ストッパは、カートリッジコンパートメント内でカートリッジ出口に向かって、例えば第1カートリッジ端に向かって、第1ストッパ方向に移動可能であってもよい。例えば、薬剤は、第1ストッパ、第2ストッパ、及び/又は第3ストッパが、例えば、第1ストッパ方向に及び/又はカートリッジ出口に向かって移動した際に、カートリッジ出口を通って排出されてもよい。
【0055】
カートリッジは、デュアルチャンバカートリッジであってもよい。カートリッジコンパートメントは、第1カートリッジサブコンパートメントと第2カートリッジサブコンパートメントを有してもよい。第1カートリッジサブコンパートメントは、第1ストッパと第2ストッパとの間にあってもよい。第2カートリッジサブコンパートメントは、第2ストッパとカートリッジ出口及び/又は第3ストッパとの間にあってもよい。
【0056】
第1カートリッジサブコンパートメントは、薬剤の第1薬剤成分を含有してもよい。第2カートリッジサブコンパートメントは、薬剤の第2薬剤成分を含有してもよい。第1薬剤成分及び/又は第2薬剤成分のそれぞれは、粉末組成物、流体、液体、ゲル、気体、及び/又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。第1薬剤成分及び/又は第2薬剤成分は、粉末組成物等の溶質であってもよい。第1薬剤成分及び/又は第2薬剤成分は、液体組成物を始めとする流体組成物等の溶媒であってもよい。第2薬剤成分は粉末組成物であってもよく、第1薬剤成分は、流体組成物、例えば水やエタノール、生理食塩水、緩衝液、または保存液であってもよい。第2薬剤成分は、溶質であってもよい。第1薬剤成分は、溶媒であってもよい。薬剤は、例えば薬剤の再構成後に皮下注射針を介して注射可能な任意の薬剤であり得ることが想定される。薬剤は、成長ホルモンであってもよい。薬剤は、ヒト成長ホルモンであってもよい。薬剤は、例えば長時間作用型の、ヒト成長ホルモンのデポ剤であってもよい。第2薬剤成分は、ヒト成長ホルモンの粉末組成物であってもよい。
カートリッジは、バイパスセクションを有してもよく、例えば第2ストッパをバイパスセクションに配置したときに、第1カートリッジサブコンパートメントと第2カートリッジサブコンパートメントとの間を、例えば流体連通させる。カートリッジは、複数のバイパスセクションを有してもよく、例えば隣接するカートリッジサブコンパートメントを分離するストッパを各バイパスセクションに配置したときに、隣接するカートリッジサブコンパートメント間を流体連通させる。
開示された自動注射器は、再利用可能な自動注射器であってもよい。再使用可能な自動注射器は、カートリッジが複数のサブコンパートメントを備える場合に、特に有用である。例えば、マルチコンパートメントまたはマルチチャンバカートリッジ用の自動注射器はより先進的である場合があり、従って、自動注射器を複数回使用できるようにすることが有益である場合がある。例えば、自動注射器は、カートリッジの異なるサブコンパートメントに元々入っていた薬剤成分を混合するといった、薬剤成分を混合する自動プロセスを提供してもよい。
【0057】
任意の1つの態様に関連して説明される任意の実施形態または要素は、必要な変更を加えて、任意の他の態様または実施形態とともに使用され得ることが想定される。
【0058】
本発明の上記および他の特徴並びに利点は、添付の図面を参照してその例示的な実施形態を以下のように詳細に説明することにより、当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】
図1は、例示的な自動注射器を概略的に示している。
【
図2】
図2は、カートリッジを有する例示的な自動注射器を概略的に示している。
【
図3】
図3は、例示的なカートリッジを概略的に示している。
【
図4】
図4は、カートリッジを有する例示的な自動注射器を概略的に示している。
【
図5】
図5は、例示的な自動注射器のブロック図を示している。
【
図6】
図6は、例示的な自動注射器を概略的に示している。
【
図7】
図7は、抵抗しきい値対プランジャ位置の例示的なグラフを示している。
【
図8】
図8は、抵抗対プランジャ位置の例示的なグラフを示している。
【
図9】
図9は、プランジャ速度対プランジャ位置の例示的なグラフを示している。
【
図10】
図10は、例示的な方法のフローチャートを示している。
【
図11】
図11は、例示的な方法のフローチャートを示している。
【
図12】
図12は、例示的な方法のフローチャートを示している。
【
図13】
図13は、例示的な方法のフローチャートを示している。
【
図14】
図14は、例示的な方法のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図面を参照して、様々な実施形態を以下に説明する。説明全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を指す。従って、同様の要素は、各図の説明に関して詳細に説明されない場合がある。また、図は、実施形態の説明を容易にすることのみを目的としていることにも留意されたい。それらは、請求された発明の網羅的な説明としても、請求された発明の範囲に対する制限としても意図されていない。また、例示された実施形態は、示された全ての態様または利点を有している必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように例示されない場合、または明示的に説明されない場合でも、他の実施形態で実施することができる。
【0061】
全体を通して、同一または対応する部分には、同じ参照番号が使用されている。
【0062】
図1は、例示的な自動注射器4を示している。自動注射器4は、薬剤を投与するように構成されてもよい。自動注射器4は、電子自動注射器であってもよい。
自動注射器4は、ハウジング6を備える。自動注射器4は、カートリッジ受入部300を備える。カートリッジ受入部は、カートリッジ及び/又はカートリッジを備えるカートリッジアセンブリを受け入れるように構成されている。カートリッジには、薬剤が入っていてもよい。
カートリッジ受入部300は、カートリッジ受入開口部301を有する。カートリッジ受入部300は、カートリッジ及び/又はカートリッジアセンブリを、長手方向軸Lに沿ったカートリッジ受入方向304にカートリッジ受入開口部301を通して受け入れるように構成されている。
【0063】
自動注射器4は、図示されるように、ユーザインターフェース1100を備えてもよい。自動注射器4は、接触部材1102等のトリガ部材を備える。接触部材1102は、注射部位に対して押し付けられるように構成されてもよい。接触部材1102は、注射部位に押し付けられた際、ハウジングに対してカートリッジ受容方向304に移動可能であってもよい。接触部材1102は、ユーザインターフェース1100の一部であってもよい。
【0064】
ユーザインターフェース1100は、図示されるように、例えばボタン等の第1入力部材1108を備えてもよい。第1入力部材1108は、使用者からのユーザ入力を提供してもよい。例えば、第1入力部材1108は、次のステップに進むために使用者からのプッシュを受け取るために使用されてもよい。
ユーザインターフェース1100は、図示されるように、例えば複数のLED等の第1出力部材1110を備えてもよい。第1出力部材1110は、使用者へのユーザ出力を提供してもよい。ユーザインターフェース1100は、第2出力部材(図示せず)、例えばスピーカーを備えてもよい。第2出力部材は、可聴出力を使用者に提供するように構成されてもよい。例えば、第1出力部材1110及び/又は第2出力部材を使用して、手順の工程を使用者に示しても、及び/又はエラーメッセージを示してもよい。
【0065】
図2は、例示的なシステム2を示している。システム2は、
図1に関連して説明した自動注射器4と、カートリッジ受入部300に受け入れられる例示的なカートリッジ700とを備える。カートリッジ700は、第1ストッパ(図示せず)を備える。カートリッジ700は、針カバー908とともに示される。図示されるように、針カバー908は、接触部材1102から延出させることにより、カートリッジ700から針カバー908を取り外すことができる。
【0066】
図3は、前の図に関連して説明された自動注射器のような自動注射器のカートリッジ受入部に受け入れられるように構成されたカートリッジ700等の例示的なカートリッジ700を概略的に示している。
【0067】
カートリッジ700は、カートリッジコンパートメント702を備える。カートリッジコンパートメント702は、薬剤を入れるように構成されてもよい。カートリッジ700は、第1端部718および第2端部720を有する。カートリッジ700は、第1カートリッジ端部718にカートリッジ出口714を備える。カートリッジは、カートリッジ出口714を通して薬剤を排出するように構成されてもよい。
【0068】
カートリッジは、例えば第1カートリッジ端部718に向かって、例えば第1ストッパ方向722に、カートリッジコンパートメント702内で移動可能な第1ストッパ708を含む。例えば、薬剤は、第1ストッパ708が第1ストッパ方向722に移動した際に、カートリッジ出口714を通して排出されてもよい。カートリッジ700は、第2カートリッジ端部720にカートリッジ背面716を備える。カートリッジ背面716は、プランジャロッドが第1ストッパ708にアクセスできるようにするためのカートリッジ後端開口部を備える。
【0069】
図示のように、カートリッジ700は、デュアルチャンバカートリッジであってもよい。従って、カートリッジ700は、例えば第1カートリッジ端部718に向かって、例えば第1ストッパ方向722に、カートリッジコンパートメント702内で移動可能な第2ストッパ710を含む。カートリッジコンパートメント702は、第1カートリッジサブコンパートメント704と、第2カートリッジサブコンパートメント706とを備える。第1カートリッジサブコンパートメント704は、第1ストッパ708と第2ストッパ710との間にある。第1カートリッジサブコンパートメント704は、滅菌水または緩衝液等の液体を含んでもよい。第2カートリッジサブコンパートメント706は、第2ストッパ710とカートリッジ出口714との間にある。第2カートリッジサブコンパートメント706は、凍結乾燥により乾燥した薬剤といった乾燥薬剤等の薬剤を含んでもよい。カートリッジ700は、第1カートリッジサブコンパートメント704と第2カートリッジサブコンパートメント706との間を流体連通させるためのバイパスセクション712を備える。バイパスセクション712は、第2ストッパ710をバイパスセクション712に配置したときに、第1カートリッジサブコンパートメント704と第2カートリッジサブコンパートメント706との間を流体連通させる。
【0070】
図4は、例示的なシステム2を示している。システム2は、例えば
図1に関連して説明した自動注射器4と、例示的なカートリッジアセンブリ600とを備える。カートリッジアセンブリ600は、カートリッジコンパートメント702を有するカートリッジ700と、針アセンブリ900と、オプションのカートリッジコード機能1000とを備える。図示の例では、カートリッジアセンブリ600は、自動注射器4に受け入れられる。
【0071】
カートリッジアセンブリ600は、カートリッジホルダ800を備える。カートリッジホルダは、自動注射器4のカートリッジ受入部300にカートリッジ700を保持するように構成されている。カートリッジホルダ800は、カートリッジ保持部材808を備える。カートリッジ保持部材は、カートリッジ700およびカートリッジアセンブリ600をカートリッジ受入部に受け入れるために、カートリッジ受入部300と係合する。
【0072】
針アセンブリ900は、針902および針ハブ904を備える。針アセンブリ900は、例えば、カートリッジホルダ800の針アセンブリ連結部812と係合している、例えばネジ山付き連結部等のカートリッジホルダ連結部906を有する針ハブ904によって、カートリッジ700に取り付けられる。針902は、カートリッジ700のカートリッジ出口714を通って延びている。カートリッジ出口714は、針アセンブリ900をカートリッジ700に取り付けた際に、針902が貫通する弾性シールによってブロックされてもよい。
【0073】
自動注射器4は、カートリッジコード機能1000を読み取るように構成されたオプションのコードセンサ24を備える。図示のようにカートリッジアセンブリ600を挿入すると、カートリッジコード機能1000は、コードセンサ24と横並びになる。
【0074】
自動注射器4は、プランジャロッド400を備える。プランジャロッド400は、カートリッジ700の第1ストッパを前進させるように構成されている。プランジャロッド400は、内側ネジ山を有する外側プランジャロッド404と、外側ネジ山を有する内側プランジャロッド402とを備える。内側プランジャロッド402のネジ山は、外側プランジャロッド404のネジ山と係合している。外側プランジャロッド404は、自動注射器のハウジングに対して回転しないようになっている。プランジャロッド400の移動は、内側プランジャロッド402の回転を含む。内側プランジャロッド402の回転は、外側プランジャロッド404が回転制限される故に、外側プランジャロッド404の並進運動をもたらす。外側プランジャロッド404は、第1ストッパ方向722に並進移動すると、カートリッジ700の第1ストッパに当接し、第1ストッパ方向722に第1ストッパを移動させるように構成されている。
【0075】
駆動モジュール500は、プランジャロッド400を動作させるために連結されている。駆動モジュール500は、電力を受け取るために、バッテリに電気的に接続される。駆動モジュール500は、DCモータを始めとする、電気機械モータ等のモータ502を備える。駆動モジュール500は、モータ502をプランジャロッド400の内側プランジャロッド402に連結するためのトランスミッション504を備える。
【0076】
示した例は、電気機械モータであってもよいモータ502を備えるが、ソレノイドモータや形状記憶金属エンジン、プランジャロッド400を作動させるように構成されたバネの配列及び/又は加圧ガスといったものを備える、代替駆動モジュールを有する自動注射器4を実現できることは容易に理解されよう。
【0077】
自動注射器4は、プランジャロッド位置センサ26を備える。プランジャロッド位置センサ26は、プランジャロッド400の位置を検出するように構成されている。図示の例では、プランジャロッド位置センサ26は、モータ502の回転を計数/検出するように構成された回転速度計を備える。従って、プランジャロッド400の位置を決定し得る。プランジャロッド位置センサ26は、プランジャロッド400の位置の検出に基づいて、カートリッジコンパートメント内の薬剤及び/又は空気の排出を検出することができる。プランジャロッド400の位置は、カートリッジ700の第1ストッパ708の位置を示している。
【0078】
図5は、例示的な自動注射器4のブロック図を示している。自動注射器4は、複数のセンサ22、24、26、28、30、32、34、処理部20、駆動モジュール500、およびユーザインターフェース1100を備える。センサ22、24、26、28、30、32、34は、処理部20に連結される。ユーザインターフェース1100は、処理部20に連結される。処理部は、駆動モジュール500に連結される。
【0079】
処理部20は、センサ22、24、26、28、30、32、34およびユーザインターフェース1100から信号を受信する。処理部20は、駆動モジュール500を制御するように構成されている。処理部20は、センサ22、24、26、28、30、32、34およびユーザインターフェース1100から受信した1つ以上の信号に基づいて、駆動モジュール500を制御してもよい。
自動注射器4は、方向センサ22を備える。方向センサ22は、自動注射器4に受け入れられたカートリッジの方向を示す方向信号を提供するように構成されている。例えば、方位センサ22は、自動注射器4の向きを検出するように構成されてもよい。カートリッジの向きは、自動注射器4の向きに基づいて決定されてもよい。方位センサ22は、重力の方向を検出するように構成されてもよい。例えば、方位センサ22は、加速度計を備えてもよい。
【0080】
処理部20は、方位センサ22に連結される。処理部20は、方位信号を受信するように構成されている。処理部20は、方向信号に基づいてカートリッジの方向を決定してもよい。処理部20は、方位信号に基づいて駆動モジュール500を制御してもよい。例えば、処理部20は、方向信号に基づき、駆動モジュール500を制御してプランジャロッドを移動させるように構成されてもよい。例えば、処理部20は、カートリッジ出口が上を向いている場合にのみ、駆動モジュール500を制御することでプランジャロッドを押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させるように構成されてもよい。代替的または追加的には、処理部20は、方位信号に基づいて、ユーザインターフェース1100を介してユーザ出力を提供してもよい。
【0081】
自動注射器4は、コードセンサ24を備える。コードセンサ24は、カートリッジコード機能を読み取るように構成されている。コードセンサ24は、カートリッジコード機能を示すコード信号を提供するように構成されている。例えば、コードセンサは、カラーコードを読み取り/検出するように構成されてもよい。
【0082】
処理部20は、コードセンサ24に連結される。処理部20は、コード信号を受信するように構成されている。処理部20は、コード信号に基づいてカートリッジアセンブリのカートリッジコード機能を決定してもよい。処理部20は、コード信号に基づいて第1プランジャロッド位置及び/又は第2プランジャロッド位置を決定するように構成されてもよい。処理部20は、コード信号に基づいて駆動モジュール500を制御してもよい。例えば、処理部20は、コード信号に基づいて駆動モジュール500を制御することでプランジャロッドを押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させるように構成されてもよい。代替的または追加的には、処理部20は、コード信号に基づいて、ユーザインターフェース1100を介してユーザ出力を提供してもよい。
【0083】
自動注射器4は、プランジャロッド位置センサ26を備える。プランジャロッド位置センサ26は、自動注射器4のプランジャロッドの位置を検出し、プランジャロッドの位置を示すプランジャロッド位置センサ信号を提供するように構成されている。プランジャロッド位置センサ26は、駆動モジュール500に連結された回転速度計を備えてもよい。
【0084】
処理部20は、プランジャロッド位置センサ26に連結される。処理部20は、プランジャロッド位置センサ信号を受信するように構成されている。処理部20は、プランジャロッド位置センサ信号に基づいてプランジャロッドの位置を決定してもよい。処理部20は、プランジャロッド位置センサ信号に基づいて駆動モジュール500を制御してもよい。例えば、処理部20は、プランジャロッド位置センサ信号に基づいて駆動モジュール500を制御することで、プランジャロッドの移動を開始、停止、または継続するように構成されてもよい。例えば、処理部20は、プランジャロッド位置センサ信号に基づいてプランジャロッド位置を決定するように構成されてもよい。代替的または追加的には、処理部20は、プランジャロッド位置センサ信号に基づいて、ユーザインターフェース1100を介してユーザ出力を提供してもよい。
【0085】
処理部20は、カートリッジセンサ28に連結される。処理部20は、カートリッジセンサ信号を受信するように構成されている。処理部20は、カートリッジセンサ信号に基づいて駆動モジュール500を制御してもよい。例えば、処理部20は、カートリッジアセンブリが受け入れられた場合、及び/又はカートリッジアセンブリが受け入れられた場合にのみ、駆動モジュール500を制御してプランジャロッドの移動を開始するように構成されてもよい。代替的または追加的には、処理部20は、カートリッジセンサ信号に基づいて、ユーザインターフェース1100を介してユーザ出力を提供してもよい。
【0086】
コードセンサ24およびカートリッジセンサ28は同じセンサであってもよく、例えば、コードセンサ24は、カートリッジアセンブリの受け入れを検出し、続いてカートリッジコード機能を読み取るように構成されてもよい。
【0087】
自動注射器4は、針センサ30を備える。針センサ30は、カートリッジアセンブリを自動注射器4に受け入れたときに、カートリッジアセンブリの針及び/又は針アセンブリ及び/又は針アセンブリの針カバーを検出するように構成されている。針センサ30は、カートリッジアセンブリの針及び/又は針アセンブリ及び/又は針アセンブリの針カバーの存在を示す針信号を提供する。
【0088】
処理部20は、針センサ30に連結される。処理部20は、針信号を受信するように構成されている。処理部20は、針信号に基づいて駆動モジュール500を制御してもよい。例えば、処理部20は、針が存在する場合にのみ、及び/又は針カバーが存在しない、例えば取り外された場合にのみ、駆動モジュール500を制御してプランジャロッドの移動を開始するように構成されてもよい。針カバーの検出は、針が存在することを示してもよい。処理部20は、針カバーが検出され、その後取り外された場合にのみ、駆動モジュール500を制御して開始するように構成されてもよい。代替的または追加的には、処理部20は、針信号に基づいて、ユーザインターフェース1100を介してユーザ出力を提供してもよい。
【0089】
自動注射器4は、温度センサ32を備える。温度センサ32は、自動注射器及び/又はカートリッジ及び/又は薬剤の温度等の温度を検出するように構成されている。温度センサ32は、温度を示す温度信号を提供するように構成されている。
【0090】
処理部20は、温度センサ32に連結される。処理部20は、温度信号を受信するように構成されている。処理部20は、温度信号に基づいて、自動注射器及び/又はカートリッジ及び/又は薬剤の温度等の温度を決定するように構成されてもよい。処理部20は、温度信号に基づいて駆動モジュール500を制御してもよい。例えば、処理部20は、温度信号に基づいて駆動モジュール500を制御することでプランジャロッドを押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させるように構成されてもよい。代替的または追加的には、処理部20は、温度信号に基づいて、ユーザインターフェース1100を介してユーザ出力を提供してもよい。
【0091】
自動注射器4は、抵抗センサ34を備える。抵抗センサ34は、自動注射器4のプランジャロッドの移動に対する抵抗を検出するように構成されている。抵抗センサ34は、駆動モジュール500の測定値に基づいて、プランジャロッドの移動に対する抵抗を検出するように構成されてもよい。例えば、抵抗センサ34は、駆動モジュール500のモータの電流を検出するように構成されてもよい。例えば、抵抗センサ34は、駆動モジュールを通る電流を決定するように構成されてもよい。代替的または追加的には、抵抗センサ34は、プランジャロッドのプランジャロッド前端に加えられる圧力及び/又は力を測定するように構成されてもよい。抵抗センサ34は、プランジャロッドの移動に対する抵抗を示す抵抗信号を提供するように構成されている。
【0092】
処理部20は、抵抗センサ34に連結される。処理部20は、抵抗信号を受信するように構成されている。処理部20は、抵抗信号に基づいてプランジャロッドの移動に対する抵抗を決定するように構成されてもよい。処理部20は、抵抗信号に基づいて駆動モジュール500を制御してもよい。例えば、処理部20は、抵抗信号に基づいて駆動モジュール500を制御することでプランジャロッドの移動を調整するように構成されてもよい。例えば、処理部20は、抵抗信号に基づいて駆動モジュール500を制御することで、プランジャロッドの移動を開始、停止、または継続するように構成されてもよい。
【0093】
プランジャロッドの移動は、プランジャロッド速度をもたらす。処理部20は、プランジャロッド速度を決定するように構成されてもよい。処理部20は、抵抗信号がプランジャロッドの高抵抗しきい値を超える移動に対する抵抗を示す場合に、駆動モジュール500を制御してプランジャロッドの移動を調整、例えば調整するように構成されてもよい。処理部20は更に、駆動モジュール500を制御してプランジャロッドの移動を調整、例えば再調整するように構成されてもよく、プランジャロッドの移動の調整は、プランジャロッド速度の増減を含んでもよい。代替的または追加的には、処理部20は、抵抗信号に基づいて、ユーザインターフェース1100を介してユーザ出力を提供してもよい。高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置に基づいてもよい。処理部20は、例えばプランジャロッド位置に基づいて高抵抗しきい値を決定するように構成されてもよい。処理部20は、例えばプランジャロッド位置センサ26から受信したプランジャロッド位置センサ信号に基づいて高抵抗しきい値を決定するように構成されてもよい。
【0094】
上記のセンサの全てを備える自動注射器4が示されている。しかしながら、代替として、自動注射器は、上述のセンサの1つのみまたは1つ以上の任意の組み合わせを備えてもよい。
【0095】
自動注射器は、ユーザインターフェース1100を備える。ユーザインターフェース1100は、ユーザ入力を受け取るための1つ以上の入力部材、例えば第1入力部材を備えてもよい。ユーザインターフェースは、受け取ったユーザ入力を示すユーザ入力信号を提供するように構成されている。
【0096】
処理部20は、ユーザインターフェース1100に連結される。処理部20は、ユーザ入力信号を受信するように構成されている。処理部20は、ユーザ入力信号に基づいて駆動モジュール500を制御してもよい。例えば、処理部20は、ユーザ入力信号に基づいて駆動モジュール500を制御することでプランジャロッドを押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させるように構成されてもよい。
【0097】
自動注射器は、センサ22、24、26、28、30、32、34、処理部20、ユーザインターフェース1100、および駆動モジュール500を収容するハウジング6を備える。
【0098】
図6は、カートリッジ700および針アセンブリ900を備えるカートリッジアセンブリが挿入された、例示的な自動注射器4を備えるシステム2を概略的に示している。
図6に示すような自動注射器4は、プランジャロッド位置とプランジャロッドの移動に対する抵抗との感知を実装する様々な方法を示している。
【0099】
プランジャロッドは、内側ネジ山を有する外側プランジャロッド404と、外側ネジ山を有する内側プランジャロッド402とを備える。内側プランジャロッド402のネジ山は、外側プランジャロッド404のネジ山と係合している。外側プランジャロッド404は、自動注射器4のハウジング6に対して回転しないようになっている。内側プランジャロッド402の回転は、外側プランジャロッド404が回転制限される故に、外側プランジャロッド404の並進運動をもたらす。外側プランジャロッド404は、第1ストッパ方向722に並進移動すると、カートリッジ700の第1ストッパ708に当接し、第1ストッパ方向722に第1ストッパを移動させるように構成されている。プランジャロッド前端410は、第1ストッパ708に当接するように構成されている。
【0100】
モータ502は、トランスミッション504を介してプランジャロッドを駆動するために連結される。モータ502は、トランスミッション504の第1部分を回転させ、これによりトランスミッション504の第2部分が回転し、それに連結された内側プランジャロッド402が回転する。
【0101】
モータ502は、処理部20によって制御される。モータ502及び/又は処理部20等の自動注射器4は、充電式バッテリ等のバッテリ10によって電力を供給される。
【0102】
外側プランジャロッド404の位置及び/又はプランジャロッド前端410の位置等のプランジャロッドの位置は、1つ以上の位置センサ26a、26b、26cによって決定されてもよい。例えば、図示されるように、プランジャロッド位置は、プランジャロッド、例えば外側プランジャロッド404に連結された線形センサを通して位置を感知するように構成された位置センサ26aによって決定されてもよい。代替的または追加的には、また図示されているように、プランジャロッド位置は、モータ502の回転を計数/検出するように構成された回転速度計等の位置センサ26bによって決定されてもよい。代替的または追加的には、また図示されるように、プランジャロッド位置は、トランスミッション504及び/又はトランスミッション504の一部の回転を計数/検出するように構成された回転速度計等の位置センサ26cによって決定されてもよい。
【0103】
プランジャロッドの移動に対する抵抗は、1つ以上の抵抗センサ34a、34b、34c、34dによって決定されてもよい。例えば、図示のように、プランジャロッドの移動に対する抵抗は、カートリッジ700の前に位置する力センサ等の抵抗センサ34aによって決定されてもよく、プランジャロッドが第1ストッパ708を前進させると、カートリッジはセンサ34aを押す。代替的または追加的には、また図示されるように、プランジャロッドの移動に対する抵抗は、プランジャロッド前端410に配置された力センサ等の抵抗センサ34bによって決定されてもよい。代替的または追加的には、また図示されるように、プランジャロッドの移動に対する抵抗は、第1ストッパ708上のプランジャロッドからの反力を感知するように配置された力センサ等の抵抗センサ34cによって決定されてもよく、例えば、センサ34cは、内側プランジャロッド402の後ろに配置されてもよい。代替的または追加的には、また図示されるように、プランジャロッドの移動に対する抵抗は、モータ502によって引き出される電流及び/又は電力の量を測定/検出するように構成された抵抗センサ34dによって決定されてもよい。
【0104】
図7aは、前の図に関連して説明した高抵抗しきい値やプランジャロッド位置等のストッパ位置/プランジャロッド位置、及び/又は前の図に関連して説明したプランジャロッド位置に紐づくストッパ位置に依存する高抵抗しきい値を示す抵抗グラフ1200を示している。プランジャロッド400は、第1ストッパ708を移動させるように構成され、従って、第1ストッパ708の位置は、プランジャロッド400の位置によって決定される。従って、第1ストッパ708の位置は、プランジャロッド400の位置に対応していてもよい。プランジャロッド位置は、プランジャロッド前端を、例えば第1ストッパ708と接触しているプランジャロッドの一部を指定してもよい。
【0105】
抵抗グラフ1200は、ストッパ位置/プランジャロッド位置を示す第1軸1200Xと、抵抗を示す第2軸1200Yとを有する。実線と破線は、ストッパ位置/プランジャロッド位置に応じて高抵抗しきい値がどのように変化するかの異なる例を示している。
【0106】
図7(b)~
図7(f)は、以下で説明する対応する例示的なプランジャロッド位置の状況におけるプランジャロッド400および第1ストッパ708を備えたカートリッジ700を示している。
図7(b)は、引き戻しプランジャロッド位置1228にあるプランジャロッド400を示している。
図7(c)は、引き戻しプランジャロッド位置1228と第1プランジャロッド位置1220との間の位置にあるプランジャロッド400を示している。それに応じて、第1ストッパ708が移動している。
図7(d)は、第1プランジャロッド位置1220にあるプランジャロッド400を示している。それに応じて、第1ストッパ708が第1ストッパ位置に移動している。
図7(e)は、第2プランジャロッド位置1222にあるプランジャロッド400を示している。それに応じて、第1ストッパ708が第2ストッパ位置に移動している。
図7(f)は、第2プランジャロッド位置1222と押し込みプランジャロッド位置1229との間の位置にあるプランジャロッド400を示している。それに応じて、第1ストッパ708が移動している。
図7(f)に示されるプランジャロッド位置は、押し込みプランジャロッド位置1229であってもよい。
【0107】
図7aのグラフに示されるように、高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が引き戻しプランジャロッド位置1228と第1プランジャロッド位置1220の間にある場合、第1高抵抗しきい値1201であってもよい。高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が第2プランジャロッド位置1222と押し込みプランジャロッド位置1229の間にある場合、第2高抵抗しきい値1202であってもよい。
【0108】
第2高抵抗しきい値1202は、第1高抵抗しきい値1201より高くてもよい。例えば、第1高抵抗しきい値1201は、50~80Nの間、例えば50N、55N、60N、65N、70N、75N、または80Nであってもよい。例えば、第2高抵抗しきい値1202は、70~100Nの間、例えば75~85Nの間、若しくは例えば80~90Nの間、若しくは例えば70N、75N、80N、85N、または90Nであってもよい。
【0109】
実線で示されるように、高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が第1プランジャロッド位置1220と押し込みプランジャロッド位置1229との間にある場合、第2高抵抗しきい値1202であってもよい。代替的または追加的には、高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が第1プランジャロッド位置1220と第2プランジャロッド位置1222との間にある場合、例えばプランジャロッド位置が第3プランジャロッド位置1223にある場合、第3高抵抗しきい値1204であってもよい。第3高抵抗しきい値1204は、第1高抵抗しきい値1201より高くてもよい。第3高抵抗しきい値1204は、第2高抵抗しきい値1202より低くてもよい。
【0110】
高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置の関数として増加してもよい。例えば、図示されるように、プランジャロッドが第1プランジャロッド位置1220から第2プランジャロッド位置1222に移動するにつれて、高抵抗しきい値が増加してもよい。実線と破線は、プランジャロッドが第1プランジャロッド位置1220から第2プランジャロッド位置1222に移動するときに高抵抗しきい値が増加する例示的な様子を示している。第1スロープ1206は、階段状変化の増加を示している。第2スロープ1208は、非線形の増加を示している。第3スロープ1210は、線形の増加を示している。
【0111】
図8は、プランジャロッドPの位置に依存する、プランジャロッドの移動に対する抵抗Rの例示的なトレースTを示している。プランジャロッドは、引き戻し位置1228から押し込み位置1229に移動する。移動の開始時、プランジャロッドの移動に対する抵抗は、一定値Ex1であり、例えば、プランジャロッドはまだストッパを押していない。その後、プランジャロッドのプランジャロッド前端がカートリッジの第1ストッパに当接し、プランジャロッドの移動に対する抵抗がEx2に増加する。抵抗の増加は、摩擦力等の第1ストッパの移動に対する抵抗によって引き起こされる。図示のように、第1ストッパが移動し始めた後、抵抗が僅かに減少する場合がある。プランジャロッドが押し込みプランジャロッド位置1229に近づくと、例えばカートリッジの端部に近づいた最初のストッパにより、抵抗は再びEx3に増加する。
【0112】
トレースTは、受け入れられたカートリッジが新しい及び/又は未使用の及び/又は通常のカートリッジである場合の、プランジャロッドの移動に対する抵抗の例である。受け入れたカートリッジに明らかに欠陥があるような他の状況は、追加の例示的なトレースT1によって例示される。
【0113】
トレースT1は、例えばプランジャロッド位置が第1プランジャロッド位置1220を通過する前に、移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値1201を超えて増加する例示的な状況を示している。例えば、そのような状況は、第1ストッパの移動がブロックされていること、例えばカートリッジに欠陥があることを示してもよい。そのような状況の際には、プランジャロッドは引き戻し位置に引き戻され、エラーメッセージがユーザインターフェースを通じて提供される。
【0114】
第1プランジャロッド位置1220等の特定のプランジャロッド位置では、例えばプランジャロッドの移動を中止する前により高い抵抗を可能にする目的で、高抵抗しきい値を変更してもよい。図示のように、プランジャロッドの前進移動の終了時、抵抗Rは、例えば第2プランジャロッド位置1222で、第1高抵抗しきい値1201を超える抵抗まで増加する。しかしながら、第2プランジャロッド位置での高抵抗しきい値は第2高抵抗しきい値1202であるため、プランジャロッドの移動は継続される。最終的に、図示のように、移動に対する抵抗は、例えば第2プランジャロッド位置と押し込みプランジャロッド位置1229との間で第2高抵抗しきい値1202に達し、プランジャロッドの移動は停止する。
第1高抵抗しきい値1201及び/又は第2高抵抗しきい値1202等のしきい値は、受け入れたカートリッジに対して個別に決定してもよい。例えば、処理部は、受け入れたカートリッジ及び/又はカートリッジアセンブリのカートリッジコード機能に基づいて、1つ以上のしきい値を決定するように構成されてもよい。
【0115】
図9aは、前の図に関連して説明したプランジャロッド速度やプランジャロッド位置等のストッパ位置/プランジャロッド位置、及び/又は前の図に関連して説明したプランジャロッド位置に紐づくストッパ位置に依存するプランジャロッド速度を示す抵抗グラフ1300を示している。プランジャロッド400は、第1ストッパ708を移動させるように構成され、従って、第1ストッパの位置は、プランジャロッド400の位置によって決定される。従って、第1ストッパの位置は、プランジャロッド400の位置に対応していてもよい。プランジャロッド位置は、プランジャロッド前端を、例えば第1ストッパ708と接触しているプランジャロッドの一部を指定してもよい。
【0116】
速度グラフ1300は、ストッパ位置/プランジャロッド位置を示す第1軸1300Xと、プランジャロッド速度等の速度を示す第2軸1300Yとを有する。実線と破線は、ストッパ位置/プランジャロッド位置に応じてプランジャロッド速度がどのように変化するかの異なる例を示している。
【0117】
図9(b)~
図9(e)は、以下で説明する対応する例示的なプランジャロッド位置の状況におけるプランジャロッド400および第1ストッパ708を備えたカートリッジ700を示している。
図9(b)は、引き戻しプランジャロッド位置1228と第4プランジャロッド位置1224との間の位置にあるプランジャロッド400を示している。
図9(c)は、第4プランジャロッド位置1224にあるプランジャロッド400を示している。それに応じて、第1ストッパ708が第4ストッパ位置に移動している。
図9(d)は、第5プランジャロッド位置1226にあるプランジャロッド400を示している。それに応じて、第1ストッパ708が第5ストッパ位置に移動している。
図9(e)は、第5プランジャロッド位置1226と押し込みプランジャロッド位置1229との間の位置にあるプランジャロッド400を示している。それに応じて、第1ストッパ708が移動している。
図9(e)に示されるプランジャロッド位置は、押し込みプランジャロッド位置1229であってもよい。
【0118】
図9aのグラフに示されるように、プランジャロッド速度は、プランジャロッドの位置に基づいている。例えば、プランジャロッド速度は、プランジャロッド位置が引き戻しプランジャロッド位置1228と第4プランジャロッド位置1224との間にある場合、第1プランジャロッド速度1240であってもよい。プランジャロッド速度は、プランジャロッド位置が第5プランジャロッド位置1226と押し込みプランジャロッド位置1229との間にある場合、第2プランジャロッド速度1242であってもよい。第2プランジャロッド速度1242は、第1プランジャロッド速度1240より遅くてもよい。或いは、第2プランジャロッド速度1242は、カートリッジを効果的に空にする目的で、第1プランジャロッド速度1240より速くてもよい。
【0119】
プランジャロッド位置は、別のプランジャロッド位置と一致する場合がある。例えば、
図7に関連して述べたように、第4プランジャロッド位置1224は、第1プランジャロッド位置1220であってもよい。
図7に関連して述べたように、第5プランジャロッド位置1226は、第2プランジャロッド位置1222であってもよい。
【0120】
プランジャロッド速度は、プランジャロッド位置の関数として減少してもよい。例えば、プランジャロッドが第4プランジャロッド位置1224から第5プランジャロッド位置1226に移動するにつれて、プランジャロッド速度が減少してもよい。実線は、プランジャロッドが第4プランジャロッド位置1224から第5プランジャロッド位置1226に移動するときのプランジャロッド速度の例示的な線形減少を示している。他の例は、破線で例示されるように、非線形の減少および階段状変化の減少であってもよい。
【0121】
図10は、前の図に関して説明した自動注射器等の自動注射器を作動及び/又は制御するための、例示的な方法3000のフローチャートを示している。
【0122】
方法3000は、第1ストッパを備えるカートリッジを受け入れる工程3001と、プランジャロッドを押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させる工程3002と、プランジャロッド位置を決定する工程3004と、抵抗信号を受信する工程3006と、プランジャロッドの移動を調整する工程3010と、を含む。
【0123】
カートリッジを受け入れる工程3001は、自動注射器のカートリッジ受入部にカートリッジを受け入れることを含んでもよい。
【0124】
プランジャロッドを移動させる工程3002は、プランジャロッドを引き戻しプランジャロッド位置から移動させることを含んでもよい。プランジャロッドを移動させる工程3002は、プランジャロッドを第1プランジャロッド方向に移動させることを含んでもよい。
【0125】
プランジャロッド位置を決定する工程3004は、自動注射器の処理部によって決定されてもよい。プランジャロッド位置を決定する工程3004は、例えば回転速度計を備えるプランジャロッド位置センサ等のセンサからの検出に基づいてもよい。
【0126】
抵抗信号を受信する工程3006は、抵抗センサから抵抗信号を受信することを含んでもよい。抵抗信号は、押し込みプランジャロッド位置へ向かう移動、例えば第1プランジャロッド方向への移動等、プランジャロッドの移動に対する抵抗を示してもよい。
【0127】
移動を調整する工程3010は、プランジャロッドの移動を停止させることを含んでもよい。代替的または追加的には、移動を調整する工程3010は、例えば薬剤の逆流を防止する目的で、滞留時間の間、プランジャロッドの引き戻しプランジャロッド位置への移動を防ぐことを含んでもよい。代替的または追加的には、移動を調整する工程3010は、例えば薬剤の逆流を防止する目的で、滞留時間の間、プランジャロッドの位置を維持することを含んでもよい。代替的または追加的には、移動を調整する工程3010は、プランジャロッドを引き戻しプランジャロッド位置に移動させることを含んでもよい。代替的または追加的には、移動を調整する工程3010は、プランジャロッド速度を低下させることを含んでもよい。
【0128】
プランジャロッドの移動を調整する工程3010は、抵抗信号に基づいてもよい。例えば、プランジャロッドの移動は、抵抗が高抵抗しきい値以下に保持されるように調整してもよい。プランジャロッドの移動を調整する工程3010は、抵抗信号がプランジャロッドの高抵抗しきい値を超える移動に対する抵抗を示す場合に、プランジャロッドの移動を調整することを含んでもよい。高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置に基づいてもよく、例えば、高抵抗しきい値は、プランジャロッド位置が1つの範囲内にある場合の第1高抵抗しきい値、およびプランジャロッド位置が第2範囲内にある場合の第2高抵抗しきい値であってもよい。
【0129】
例示的な方法3000の工程、例えば、プランジャロッドを移動させる工程3002と、プランジャロッド位置を決定する工程3004と、抵抗信号を受信する工程3006と、プランジャロッドの移動を調整する工程3010とは、自動注射器の処理部等の処理部によって制御されてもよい。
【0130】
図11は、自動注射器のプランジャロッドを移動させるための、例示的な方法3300のフローチャートを示している。
【0131】
最初に、プランジャロッドは、例えば第1プランジャロッド方向に、例えば第1プランジャロッド速度で移動3302される。
【0132】
プランジャロッドの移動に対する抵抗は、監視、例えば連続的に監視される。第1抵抗基準3304により、プランジャロッドの移動に対する抵抗が第2高抵抗しきい値を超えたか否かが判定される。プランジャロッドの移動に対する抵抗が第2高抵抗しきい値を超えていない場合(第1抵抗基準3304がnoと回答)、第2抵抗基準3308により、プランジャロッドの移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値を超えたか否かが判定される。プランジャロッドの移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値を超えていない場合(第2抵抗基準3304がnoと回答)、プランジャロッドの移動は継続3302される。第1プランジャしきい値は、第2高抵抗しきい値より低くてもよい。
【0133】
プランジャロッドの位置は、監視、例えば連続的に監視される。プランジャロッドの移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値を超えた場合(第2抵抗基準3308がyesと回答)、第1位置基準3310により、プランジャロッドが、第1プランジャロッド位置、第2プランジャロッド位置、第3プランジャロッド位置、第4プランジャロッド位置、及び/又は第5プランジャロッド位置等の所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過したか否かが判定される(例示的な位置については、例えば
図7および
図9を参照)。プランジャロッド位置が所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過した場合(第1位置基準3310がyesと回答)、プランジャロッドの移動が継続3302される。従って、プランジャロッドが所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過した場合、第1高抵抗しきい値を超えてもよい。
【0134】
プランジャロッド位置が所定のプランジャロッドの位置に到達及び/又は通過していない場合(第1位置基準3310がnoと回答)、プランジャロッドの移動は停止3312し、エラーが、例えばユーザインターフェースを介して、使用者に伝えられる。従って、プランジャロッドが所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過する前に第1高抵抗しきい値を超えた場合、エラーが想定され得る。
【0135】
プランジャロッドの移動に対する抵抗が第2高抵抗しきい値を超えた場合(第1抵抗基準3304がyesと回答)、プランジャロッドの移動は停止3306され、注射の終了が想定され得る。プランジャロッドの移動を停止させる工程3306では、例えばカートリッジ内の圧力の急激な低下を防ぐ目的で、例えば薬剤の逆流を防止する目的で、滞留時間の間、プランジャロッドをその位置に係止してもよい。
【0136】
図12は、自動注射器のプランジャロッドを動かすための、例示的な方法3100のフローチャートを示している。
【0137】
最初に、プランジャロッドは、第1プランジャロッド速度で、例えば第1プランジャロッド方向に移動3102する。
【0138】
プランジャロッドの移動に対する抵抗は、監視、例えば連続的に監視される。第1抵抗基準3104により、プランジャロッドの移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値を超えたか否かが判定される。プランジャロッドの移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値を超えた場合(第1抵抗基準3104がyesと回答)、プランジャロッドの移動は停止3106され、エラーが、例えばユーザインターフェースを介して、使用者に伝えられる。
【0139】
プランジャロッドの位置は、監視、例えば連続的に監視される。プランジャロッドの移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値を超えていない場合(第1抵抗基準3104がnoと回答)、第1位置基準3108により、プランジャロッドが、第1プランジャロッド位置、第2プランジャロッド位置、第3プランジャロッド位置、第4プランジャロッド位置、及び/又は第5プランジャロッド位置等の所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過したか否かが判定される(例示的な位置については、例えば
図7および
図9を参照)。プランジャロッド位置が所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過していない場合(第1位置基準3108がnoと回答)、プランジャロッドの移動は、第1プランジャロッド速度で継続3102される。
【0140】
プランジャロッド位置が所定のプランジャロッドの位置に到達及び/又は通過した場合(第1位置基準3108がyesと回答)、プランジャロッドは、第2プランジャロッド速度で、例えば第1プランジャロッド方向に移動3110する。第2プランジャロッド速度は、第1プランジャロッド速度より遅くてもよい。プランジャロッド速度を下げることで、時間あたりに針に押し込む必要がある薬剤の量が減り、それによってストッパを前進させるのに必要な力の量が減る。
【0141】
第2抵抗基準3112により、プランジャロッドの移動に対する抵抗が第2高抵抗しきい値を超えたか否かが判定される。プランジャロッドの移動に対する抵抗が第2高抵抗しきい値を超えていない場合(第2抵抗基準3112がnoと回答)、プランジャロッドの移動は、第2プランジャロッド速度で継続3110される。
【0142】
プランジャロッドの移動に対する抵抗が第2高抵抗しきい値を超えた場合(第2抵抗基準3112がyesと回答)、プランジャロッドの移動は停止3114し、注射の終了が想定され得る。プランジャロッドの移動を停止させる工程3114では、例えばカートリッジ内の圧力の急激な低下を防ぐ目的で、例えば薬剤の逆流を防止する目的で、滞留時間の間、プランジャロッドをその位置に係止してもよい。
【0143】
図13は、自動注射器のプランジャロッドを移動させるための、例示的な方法3200のフローチャートを示している。
【0144】
最初に、プランジャロッドは、例えば第1プランジャロッド方向に、例えば第1プランジャロッド速度で移動3202される。
【0145】
プランジャロッドの移動に対する抵抗は、監視、例えば連続的に監視される。抵抗基準3204により、プランジャロッドの移動に対する抵抗が、第1高抵抗しきい値及び/又は第2高抵抗しきい値等の高抵抗しきい値を超えたか否かが判定される。
【0146】
プランジャロッドの移動に対する抵抗が高抵抗しきい値を超えていない場合(抵抗基準3204がnoと回答)、プランジャロッドの移動速度が増加3206する。
【0147】
プランジャロッドの移動に対する抵抗が高抵抗しきい値を超えた場合(抵抗基準3204がyesと回答)、速度基準3208により、プランジャロッド速度がゼロであるか、すなわちプランジャロッドが移動していないか否かが判定される。
【0148】
プランジャロッド速度がゼロでない場合(速度基準3208がnoと回答)、プランジャロッド速度は減少3210する。プランジャロッド速度がゼロである場合(速度基準3208がyesと回答)、プロセスを停止3212させる。停止させる工程3212では、例えばカートリッジ内の圧力の急激な低下を防ぐ目的で、例えば薬剤の逆流を防止する目的で、滞留時間の間、プランジャロッドをその位置に係止してもよい。
【0149】
抵抗基準3204の高抵抗しきい値は、プランジャロッドの位置に基づいて決定されてもよい。プロセスを停止3212させる工程において、薬剤が十分に排出されたか及び/又はエラーがプロセスを過度に早く停止させたか否かを、プランジャロッドの位置を利用して判定してもよい。対応するメッセージは、例えばユーザインターフェースを介して使用者に提供される。
【0150】
方法3200により、抵抗しきい値を超えることなく、可能な限り高速になるように速度が調整される。
【0151】
図14は、自動注射器のプランジャロッドを移動させるための、例示的な方法3400のフローチャートを示している。
【0152】
最初に、プランジャロッドは、例えば第1プランジャロッド方向に、例えば第1プランジャロッド速度で移動3402される。
【0153】
プランジャロッドの移動に対する抵抗は、監視、例えば連続的に監視される。第1抵抗基準3404により、プランジャロッドの移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値を超えたか否かが判定される。
【0154】
プランジャロッドの移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値を超えていない場合(第1抵抗基準3404がnoと回答)、プランジャロッドの移動速度が増加3406する。
【0155】
プランジャロッドの位置は、監視、例えば連続的に監視される。プランジャロッドの移動に対する抵抗が第1高抵抗しきい値を超えた場合(第1抵抗基準3404がyesと回答)、第1位置基準3408により、プランジャロッドが、第1プランジャロッド位置、第2プランジャロッド位置、第3プランジャロッド位置、第4プランジャロッド位置、及び/又は第5プランジャロッド位置等の所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過したか否かが判定される(例示的な位置については、例えば
図7および
図9を参照)。
【0156】
プランジャロッド位置が所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過していない場合(第1位置基準3408がnoと回答)、プランジャロッドの移動速度が減少3410する。
【0157】
プランジャロッド位置が所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過した場合(第1位置基準3408がyesと回答)、プランジャロッドの移動を継続してもよい。従って、プランジャロッドが所定のプランジャロッド位置に到達及び/又は通過した場合、第1高抵抗しきい値を超えてもよい。この場合、第2抵抗基準3412により、プランジャロッドの移動に対する抵抗が第2高抵抗しきい値を超えたか否かが決定される。
【0158】
プランジャロッドの移動に対する抵抗が第2高抵抗しきい値を超えていない場合(第2抵抗基準3412がnoと回答)、プランジャロッドの移動速度が増加3406する。
【0159】
プランジャロッドの移動に対する抵抗が第2高抵抗しきい値を超えた場合(第2抵抗基準3412がyesと回答)、速度基準3414により、プランジャロッド速度がゼロであるか、すなわちプランジャロッドが移動していないか否かが判定される。
【0160】
プランジャロッド速度がゼロでない場合(速度基準3414がnoと回答)、プランジャロッド速度は減少3410する。プランジャロッド速度がゼロである場合(速度基準3414がyesと回答)、プロセスを停止3416させる。停止させる工程3416では、例えばカートリッジ内の圧力の急激な低下を防ぐ目的で、例えば薬剤の逆流を防止する目的で、滞留時間の間、プランジャロッドをその位置に係止してもよい。停止させる工程3416では、注射の終了が想定され得る。
方法3400により、抵抗しきい値を超えることなく、可能な限り高くなるように速度が調整される。
【0161】
特定の特徴が示され且つ説明されたが、それらは請求された発明を限定することを意図していないことが理解されるであろう。また、請求された発明の要旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。従って、明細書および図面は、制限的ではなく例示的であるとして見なされるべきである。請求された発明は、全ての代替案、修正、および同等物を網羅することを意図している。
【符号の説明】
【0162】
2 システム
4 自動注射器
6 ハウジング
10 バッテリ
20 処理部
22 方向センサ
24 コードセンサ
26 プランジャロッド位置センサ
28 カートリッジセンサ
30 針センサ
32 温度センサ
34 抵抗センサ
300 カートリッジ受入部
301 カートリッジ受入開口部
304 受入方向
400 プランジャロッド
402 内側プランジャロッド
404 外側プランジャロッド
500 駆動モジュール
502 モータ
600 カートリッジアセンプリ
700 カートリッジ
701 デュアルチャンバカートリッジ
702 カートリッジコンポーネント
704 第1カートリッジサブコンポーネント
706 第2カートリッジサブコンポーネント
708 第1ストッパ
710 第2ストッパ
712 バイパスセクション
714 カートリッジ出口
716 カートリッジ背面
718 第1端部
720 第2端部
722 第1ストッパ方向
800 カートリッジホルダ
808 カートリッジ保持部材
812 針アセンブリ連結部
900 針アセンブリ
902 針
904 針ハブ
906 カートリッジホルダ連結部
908 針カバー
1000 カートリッジコード機能
1100 ユーザインターフェース
1102 接触部材
1108 第1入力部材
1110 第1出力部材
1200 抵抗グラフ
1200X 位置軸
1200Y 抵抗軸
1201 第1高抵抗しきい値
1202 第2高抵抗しきい値
1204 第3高抵抗しきい値
1206 第1スロープ
1208 第2スロープ
1210 第3スロープ
1220 第1プランジャロッド位置
1222 第2プランジャロッド位置
1223 第3プランジャロッド位置
1224 第4プランジャロッド位置
1226 第5プランジャロッド位置
1228 引き戻しプランジャロッド位置
1229 押し込みプランジャロッド位置
1240 第1プランジャロッド速度
1242 第2プランジャロッド速度
1300 速度グラフ
1300X 位置軸
1300Y 速度軸
3000 方法
3001 受け入れる工程
3002 移動させる工程
3004 決定する工程
3006 受信する工程
3010 調整する工程
3100 方法
3102 第1速度でプランジャロッドを移動させる
3104 第1抵抗基準
3106 プランジャロッドの移動を停止させる
3108 第1位置基準
3110 第2速度でプランジャロッドを移動させる
3112 第2抵抗基準
3114 プランジャロッドの移動を停止させる
3200 方法
3202 第1速度でプランジャロッドを移動させる
3204 抵抗基準
3206 速度を増加させる
3208 速度基準
3210 速度を減少させる
3212 プランジャロッドの移動を停止させる
3300 方法
3302 第1速度でプランジャロッドを移動させる
3304 第1抵抗基準
3306 プランジャロッドの移動を停止させる
3308 第2抵抗基準
3310 第1位置基準
3312 プランジャロッドの移動を停止させる
3400 方法
3402 第1速度でプランジャロッドを移動させる
3404 第1抵抗基準
3406 速度を増加させる
3408 第1位置基準
3410 速度を減少させる
3412 第2抵抗基準
3414 速度基準
3416 プランジャロッドの移動を停止させる
【手続補正書】
【提出日】2022-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を投与するための自動注射器であって、
ハウジングと、
第1ストッパを備えるカートリッジを受け入れるように構成されたカートリッジ受入部と、
前記第1ストッパを移動させるように構成されたプランジャロッドを、引き戻しプランジャロッド位置と押し込みプランジャロッド位置との間で移動させるように連結された駆動モジュールと、
前記プランジャロッドの移動に対する抵抗を示す抵抗信号を提供するように構成された抵抗センサと、
前記駆動モジュールと前記抵抗センサとに連結された処理部と、
を備え、
前記処理部は、
前記駆動モジュールを制御して前記プランジャロッドをプランジャロッド速度で前記押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させるように構成され、
プランジャロッド位置を決定するように構成され、
前記抵抗信号を受信するように構成され、そして
前記抵抗信号が前記プランジャロッドの高抵抗しきい値を超える移動に対する抵抗を示す場合に、前記駆動モジュールを制御して前記プランジャロッドの移動を調整するように構成されている、自動注射器。
【請求項2】
前記プランジャロッドの移動を調整することが、前記プランジャロッド速度を下げることを含む、
請求項1に記載の自動注射器。
【請求項3】
前記プランジャロッドの移動を調整することが、前記プランジャロッドの移動を停止させることを含む、、
請求項1又は2に記載の自動注射器。
【請求項4】
前記プランジャロッドの移動を調整することが、前記プランジャロッドを前記引き戻しプランジャロッド位置に移動させることを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項5】
前記処理部は、前記プランジャロッド速度を決定するように構成される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項6】
前記プランジャロッド速度がゼロでない場合、前記プランジャロッド速度が減少される、
請求項5に記載の自動注射器。
【請求項7】
前記プランジャロッド位置が、第1プランジャロッド位置を通過する前に、前記抵抗信号が、前記高抵抗しきい値を超える、前記プランジャロッドの移動に対する抵抗を示すときに、前記処理部が、前記プランジャロッドを引き戻しプランジャロッド位置に引き戻すように、前記駆動モジュールを制御するように構成される、
請求項1~6のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項8】
カートリッジコード機能を読み取るように構成されたコードセンサを備え、前記処理部が、前記コードセンサと連結されており、前記処理部が、前記カートリッジコード機能を示すコード信号を前記コードセンサから受信するように構成されている、
請求項1~7に記載の自動注射器。
【請求項9】
前記処理部は、カートリッジコード機能に基づいて、前記高抵抗しきい値を決定するように構成される、
請求項8に記載の自動注射器。
【請求項10】
前記処理部は、前記コード信号に基づいて、前記第1プランジャロッド位置を決定するように構成される、
請求項8又は9に記載の自動注射器。
【請求項11】
前記抵抗センサは、前記駆動モジュールによって消費される電力を決定するように構成される、
請求項1~10のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項12】
前記抵抗センサが、前記プランジャロッドのプランジャロッド前端に加えられる圧力及び/又は力を測定するように構成されている、
請求項1~11のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項13】
前記駆動モジュールの回転数を示す回転速度計信号を提供するように構成された回転速度計を備え、前記処理部が、前記回転速度計に連結されており、前記処理部が、前記回転速度計信号を受信し且つ前記回転速度計信号に基づいて前記プランジャロッド位置を決定するように構成されている、
請求項1~12のいずれか一項に記載の自動注射器。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の自動注射器と、第1ストッパを備えるカートリッジとを備えるシステムであって、前記カートリッジが、カートリッジ受入部に受け入れられるように構成されている、システム。
【請求項15】
自動注射器を制御するための方法であって、前記方法が、
第1ストッパを備えるカートリッジを受け入れる工程と、
プランジャロッドを押し込みプランジャロッド位置に向かって移動させる工程と、
プランジャロッド位置を決定する工程と、
前記プランジャロッドの移動に対する抵抗を示す抵抗信号を受信する工程と、
前記抵抗信号が前記プランジャロッドの高抵抗しきい値を超える移動に対する抵抗を示す場合に、前記プランジャロッドの移動を調整する工程と、
を含む、方法。
【請求項16】
前記プランジャロッドの移動を調整する工程は、前記プランジャロッド速度を下げる工程を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プランジャロッド速度を決定する工程を含む、
請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記プランジャロッド速度がゼロでない場合、前記プランジャロッド速度を減少する工程を含む、、
請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。