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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174301
(43)【公開日】2022-11-22
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20221115BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20221115BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20221115BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20221115BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20221115BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20221115BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221115BHJP
【FI】
F21S2/00 230
F21S2/00 110
F21S8/04 410
F21V17/00 155
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V3/02 400
F21V3/02 500
F21V3/00 320
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022150924
(22)【出願日】2022-09-22
(62)【分割の表示】P 2021151092の分割
【原出願日】2011-05-17
(31)【優先権主張番号】P 2010137892
(32)【優先日】2010-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2010147460
(32)【優先日】2010-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2010205050
(32)【優先日】2010-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕剛
(72)【発明者】
【氏名】永島 光典
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より見栄えのよい長尺のLEDモジュールおよびLED照明装置を提供する。
【解決手段】LED照明装置601は、第1の方向に沿って配列された複数のLEDモジュール2と、上記複数のLEDモジュール2を収容し、上記第1の方向における端部が開口する筒体と、上記筒体の上記第1の方向における両端部を封鎖する複数のエンドキャップ3と、を備えた複数のLEDランプ501を備え、上記複数のLEDランプ501が、上記第1の方向に沿って並べられた、LED照明装置601であって、上記複数のLEDランプ501のうち、隣接する2つの上記LEDランプ501の上記エンドキャップ3の上記第1方向における端部同士が正対しており、互いに正対する2つの上記エンドキャップ3を挟んで設置された上記LEDモジュール2同士の間隔が、同一の上記LEDランプ501内で隣接する上記LEDモジュール2同士の間隔と等しい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に沿って配列された複数のLEDモジュールと、上記複数のLEDモジュールを収容し、上記第1の方向における端部が開口する筒体と、上記筒体の上記第1の方向における両端部を封鎖する複数のエンドキャップと、を備えた複数のLEDランプを備え、
上記複数のLEDランプが、上記第1の方向に沿って並べられた、LED照明装置であって、
上記複数のLEDランプのうち、隣接する2つの上記LEDランプの上記エンドキャップの上記第1方向における端部同士が正対しており、
互いに正対する2つの上記エンドキャップを挟んで設置された上記LEDモジュール同士の間隔が、同一の上記LEDランプ内で隣接する上記LEDモジュール同士の間隔と等しい、LED照明装置。
【請求項2】
互いに隣り合う上記2つのLEDランプの上記エンドキャップ同士の間に、各エンドキャップと接する板材が設けられており、
上記板材は、上記複数のLEDモジュールからの光を透過させつつ拡散させる、請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
上記板材は、上記各エンドキャップの出射面と連続する面を有している、請求項1または2に記載のLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のLEDチップを収容し、たとえば屋内の床面照明や壁面照明に用いられるLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図39は、従来のLEDランプの一例を断面図で示している。同図に示されたLEDランプ900は、長矩形状の基板91と、基板91上に1列に配列された複数のLEDチップ92と、基板91を収容する管93と、端子94と、LEDチップ92を点灯させるための回路95とを備えている。基板91上には複数のLEDチップ92および端子94に接続される図示しない配線が形成されている。
【0003】
このLEDランプ900は、端子94を天井などに設置されたたとえば蛍光灯用のソケットの差込口に嵌合させることにより、複数のLEDチップ92を発光させることができるように構成されている。LEDチップ92は、低消費電力であるとともに長寿命であることから、LEDランプ900を既存の蛍光灯の代替として利用すれば、コスト面および環境面において改善が期待できる。
【0004】
しかしながら、LEDランプ900は長手方向の両端に端子94が配置されているため、複数個のLEDランプ900を長手方向に沿って並ぶように繋ぎ合わせた場合、LEDランプ900同士の繋ぎ目部分を発光させることが不可能であった。このため、LEDランプ900を繋ぎ合わせて長尺の照明装置を構成する場合、長手方向に沿って発光しない暗部が断続的に並ぶことになり、見るものに煩雑な印象を与えることがあった。
【0005】
また、一列に並ぶ複数のLEDチップ92では、その列を中心として急峻な輝度分布を生じ、眩しく感じられやすい。これは、LEDチップ92の個数が多くなるほどより顕著となる。これにより、全体の光量増加と輝度の均一化とを両立させ難い面があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6-54103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より見栄えのよい長尺のLED照明装置と、そのようなLED照明装置を実現可能なLEDランプおよびLEDランプを収容するのに適したランプケースの提供を課題としている。また、全体の光量増加とともに輝度の均一化を図ることができるLEDモジュールおよびLED照明装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面によって提供されるLEDランプは、第1の方向に沿って配列された複数のLEDモジュールと、上記複数のLEDモジュールを収容し、上記第1の方向における端部が開口する筒体と、上記筒体の上記第1の方向における両端部を封鎖する複数のエンドキャップと、を備えており、上記各エンドキャップが、上記複数のLEDモジュールからの光を透過させつつ拡散させるように形成されており、かつ、上記第1の方向と直交する方向に光を出射する出射面を有していることを特徴としている。
【0009】
本発明の第2の側面によって提供されるLEDランプは、本発明の第1の側面によって提供されるLEDランプにおいて、上記筒体は、上記第1の方向と直交する第2の方向における一方側に上記複数のLEDモジュールを搭載する搭載面を有する支持部材と、上記支持部材の上記第2の方向における一方側を覆い、上記複数のLEDモジュールからの光を透過させつつ拡散させる拡散カバーとを具備しており、上記出射面は、上記第2の方向における一方側に形成されている。
【0010】
本発明の第3の側面によって提供されるLEDランプは、本発明の第1または第2の側面によって提供されるLEDランプにおいて、上記各エンドキャップは、上記LEDモジュールからの光を拡散させる拡散材が添加された透明樹脂により形成されている。
【0011】
本発明の第4の側面によって提供されるLEDランプは、本発明の第2または第3の側面によって提供されるLEDランプにおいて、上記出射面が、上記拡散カバーの外周面と連続する面となるように形成されている。
【0012】
本発明の第5の側面によって提供されるLEDランプは、本発明の第1ないし第4の側面のいずれかによって提供されるLEDランプにおいて、上記複数のLEDモジュールは一定の間隔ごとに配置されており、上記複数のLEDモジュールのうち上記第1の方向において上記エンドキャップと最も近いものと上記エンドキャップとの距離は上記一定の間隔よりも短い。
【0013】
本発明の第6の側面によって提供されるLEDランプは、本発明の第5の側面によって提供されるLEDランプにおいて、上記エンドキャップの上記第1の方向における外側の端面と、上記第1の方向において上記エンドキャップと最も近い上記LEDモジュールとの距離は、上記一定の間隔の半分である。
【0014】
本発明の第7の側面によって提供されるLEDランプは、本発明の第1ないし第3の側面のいずれかによって提供されるLEDランプにおいて、上記各エンドキャップは、上記第1の方向に沿って上記筒体の内方へ突出する連結板を備えており、上記連結板には、上記第1の方向に長く延びるネジ通し穴が形成されており、上記エンドキャップは、上記ネジ通し穴に挿通されたネジを介して上記筒体に取り付けられており、かつ、上記出射面を上記筒体内に収容可能である。
【0015】
本発明の第8の側面によって提供されるLEDランプは、本発明の第1ないし第6の側面のいずれかによって提供されるLEDランプにおいて、上記複数のエンドキャップは、上記第1の方向における外方ほど上記出射面から遠ざかるように傾斜する傾斜面を有する第1のエンドキャップと、上記第1の方向における外方ほど上記出射面に近づくように傾斜する傾斜面を有する第2のエンドキャップとを含んでいる。
【0016】
本発明の第9の側面によって提供されるLEDランプは、本発明の第1ないし第6の側面のいずれかによって提供されるLEDランプにおいて、上記各エンドキャップは、上記第1の方向における外方ほど上記出射面に近づくように傾斜する傾斜面を有する雄部と、上記第1の方向における外方ほど上記出射面から遠ざかるように傾斜する傾斜面を有する雌部とを備えている。
【0017】
本発明の第10の側面によって提供されるLED照明装置は、少なくとも2以上の本発明の第1ないし第6の側面によって提供されるLEDランプを上記第1の方向に沿って並べて構成されており、上記複数のLEDランプのうち、隣接する2つの上記LEDランプの上記エンドキャップの上記第1の方向における端部同士が正対していることを特徴としている。
【0018】
本発明の第11の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第10の側面によって提供されるLED照明装置において、上記隣接する2つのLEDランプの上記エンドキャップの上記第1の方向における端部同士が当接している。
【0019】
本発明の第12の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第11の側面によって提供されるLED照明装置において、上記隣接する2つのLEDランプの上記出射面同士が連続する面となっている。
【0020】
本発明の第13の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第10の側面によって提供されるLED照明装置において、上記隣接する2つのLEDランプの上記エンドキャップ同士の間に、上記各エンドキャップと接する板材が設けられており、上記板材は、上記複数のLEDモジュールからの光を透過させつつ拡散させるように形成されている。
【0021】
本発明の第14の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第13の側面によって提供されるLED照明装置において、上記板材は、上記各エンドキャップの出射面と連続する面を有している。
【0022】
本発明の第15の側面によって提供されるLED照明装置は、少なくとも2以上の本発明の第7の側面によって提供されるLEDランプを上記第1の方向に沿って並べて構成されており、上記複数のLEDランプのうち、隣接する2つのLEDランプの上記エンドキャップの上記第1の方向における端部同士が当接していることを特徴としている。
【0023】
本発明の第16の側面によって提供されるLED照明装置は、少なくとも2以上の本発明の第8の側面によって提供されるLEDランプを上記第1の方向に沿って並べて構成されており、上記複数のLEDランプのうち、隣接する2つのLEDランプは、それぞれ上記第1の方向における一方側に上記第1のエンドキャップを備え、他方側に上記第2のエンドキャップを備えており、上記隣接する2つのLEDランプのうち一方のLEDランプの上記第1のエンドキャップの傾斜面と、他方のLEDランプの上記第2のエンドキャップの傾斜面とが互いに向かい合っていることを特徴としている。
【0024】
本発明の第17の側面によって提供されるLED照明装置は、少なくとも2以上の本発明の第9の側面によって提供されるLEDランプを上記第1の方向に沿って並べて構成されており、上記隣接する2つのLEDランプのうち一方のLEDランプの上記エンドキャップの雌部と、他方のLEDランプの上記エンドキャップの雄部とが噛み合っていることを特徴としている。
【0025】
本発明の第18の側面によって提供されるランプケースは、第1の方向に沿って配列された複数のLEDモジュールと、上記複数のLEDモジュールを収容する筒体と、を備えたLEDランプを収容するとともに、上記第1の方向における両端に1対の連結部を有する本体部材と、上記1対の連結部のいずれかに連結される終端部材と、を備えており、上記終端部材は、上記1対の連結部に対して着脱可能であり、かつ、上記第1の方向に垂直な壁面を有していることを特徴としている。
【0026】
本発明の第19の側面によって提供されるランプケースは、本発明の第18の側面によって提供されるランプケースにおいて、上記連結部には、上記第1の方向に長く延びる長孔が形成されており、上記終端部材は、上記長孔を挿通するボルト部材を介して上記連結部に連結されている。
【0027】
本発明の第20の側面によって提供されるLED照明装置は、2以上の本発明の第18または第19の側面によって提供されるランプケースと、上記ランプケースに収容されており、上記第1の方向に沿って配列された2以上のLEDランプと、上記2以上のランプケースのうち、上記第1の方向において隣接する2つのランプケースの双方に連結される中間部材と、を備えていることを特徴としている。
【0028】
本発明の第21の側面によって提供されるLED照明装置は、上記第1の方向に沿って並べられた2以上の本発明の第1ないし第6の側面のいずれかによって提供されるLEDランプと、上記複数のLEDランプを収容する2以上の本発明の第18または第19の属面によって提供されるランプケースと、上記2以上のランプケースのうち、上記第1の方向において隣接する2つのランプケースの双方に連結される中間部材と、を備えており、上記2以上のLEDランプのうち、隣接する2つのLEDランプの上記エンドキャップの上記第1の方向における端部同士が正対していることを特徴としている。
【0029】
本発明の第22の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第21の側面によって提供されるLED照明装置において、上記隣接する2つのLEDランプの上記エンドキャップの上記第1の方向における端部同士が当接している。
【0030】
本発明の第23の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第22の側面によって提供されるLED照明装置において、上記隣接する2つのLEDランプの上記出射面同士が連続する面となっている。
【0031】
本発明の第24の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第21の側面によって提供されるLED照明装置において、上記隣接する2つのLEDランプの上記エンドキャップ同士の間に、上記各エンドキャップと接する板材が設けられており、上記板材は、上記複数のLEDモジュールからの光を透過させつつ拡散させるように形成されている。
【0032】
本発明の第25の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第24の側面によって提供されるLED照明装置において、上記板材は、上記各エンドキャップの出射面と連続する面を有している。
【0033】
本発明の第26の側面によって提供されるLED照明装置は、上記第1の方向に沿って並べられた2以上の請求項7に記載のLEDランプと、上記2以上のLEDランプを収容する2以上の本発明の第18または第19の側面によって提供されるランプケースと、上記2以上のランプケースのうち、上記第1の方向において隣接する2つのランプケースの双方に連結される中間部材と、を備えており、上記複数のLEDランプのうち、隣接する2つのLEDランプの上記エンドキャップの上記第1の方向における端部同士が当接していることを特徴としている。
【0034】
本発明の第27の側面によって提供されるLED照明装置は、上記第1の方向に沿って並べられた2以上の本発明の第8の側面によって提供されるLEDランプと、上記2以上のLEDランプを収容する2以上の本発明の第18または第19の側面によって提供されるランプケースと、上記2以上のランプケースのうち、上記第1の方向において隣接する2つのランプケースの双方に連結される中間部材と、を備えており、上記2以上のLEDランプのうち、隣接する2つのLEDランプは、それぞれ上記第1の方向における一方側に上記第1のエンドキャップを備え、他方側に上記第2のエンドキャップを備えており、上記隣接する2つのLEDランプのうち一方のLEDランプの上記第1のエンドキャップの傾斜面と、他方のLEDランプの上記第2のエンドキャップの傾斜面とが互いに向かい合っていることを特徴としている。
【0035】
本発明の第28の側面によって提供されるLED照明装置は、上記第1の方向に沿って並べられた2以上の本発明の第9の側面によって提供されるLEDランプと、上記2以上のLEDランプを収容する2以上の請求項18または19に記載のランプケースと、上記2以上のランプケースのうち、上記第1の方向において隣接する2つのランプケースの双方に連結される中間部材と、を備えており、上記隣接する2つのLEDランプのうち一方のLEDランプの上記エンドキャップの雌部と、他方のLEDランプの上記エンドキャップの雄部とが噛み合っていることを特徴としている。
【0036】
このような構成によれば、上記LEDランプ同士の繋ぎ目が上記LEDモジュールからの光を通すため、上記LED照明装置は長手方向に沿って暗部が生じにくくなっている。このため、本発明の第1の側面により提供されるLEDランプを繋ぎ合わせることで、より見栄えのよい長尺のLED照明装置を実現することができる。
【0037】
本発明の第29の側面によって提供されるLEDモジュールは、帯状の基板と、上記基板上に配置された複数のLEDチップと、を備えており、上記複数のLEDチップは、各々が上記基板の長手方向に配列されており、かつ上記基板の短手方向に間隔をあけて配置された複数の列を形成しており、上記複数の列のうち互いに隣り合う列どうしは、これらの列に含まれる上記複数のLEDチップが上記基板の長手方向にずれた千鳥配列とされていることを特徴としている。
【0038】
本発明の第30の側面によって提供されるLEDモジュールは、本発明の第29の側面によって提供されるLEDモジュールにおいて、上記複数のLEDチップは、上記基板の厚み方向視において長矩形状の光出射面を有する複数の発光部に含まれており、これら複数の発光部は、上記光出射面の長辺が上記基板の長手方向に沿うように配置されている。
【0039】
本発明の第31の側面によって提供されるLEDモジュールは、本発明の第30の側面によって提供されるLEDモジュールにおいて、上記各列においては、上記複数の発光部が上記光出射面の長辺より短い間隔をあけて等間隔に並んでいる。
【0040】
本発明の第32の側面によって提供されるLEDモジュールは、本発明の第29の側面によって提供されるLEDモジュールにおいて、上記複数のLEDチップは、上記基板の厚み方向視において長矩形状の光出射面を有する複数の発光部に含まれており、これら複数の発光部は、上記光出射面の短辺が上記基板の長手方向に沿うように配置されている。
【0041】
本発明の第33の側面によって提供されるLEDモジュールは、本発明の第29ないし第31の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールにおいて、上記複数の列は、2列である。
【0042】
本発明の第34の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第29ないし第33の側面のいずれかによって提供されるLEDモジュールと、上記基板を支持した状態でこの基板の長手方向に沿って延びる細長状の支持部材と、上記支持部材に連結され、上記複数のLEDチップを覆い、上記複数のLEDチップからの光を拡散させて外部へ出射する拡散カバーと、を備えており、上記拡散カバーは、上記基板の長手方向視において、上記LEDチップからの距離がもっとも小である部分を含み、かつ上記複数のLEDチップからの光を拡散する度合いが上記拡散カバー全体の平均よりも強い強拡散部を有することを特徴としている。
【0043】
本発明の第35の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第34の側面によって提供されるLED照明装置において、上記拡散カバーは、上記基板の長手方向視において、上記LEDチップからの距離が近い部分ほど、より厚く形成されている。
【0044】
本発明の第36の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第34の側面によって提供されるLED照明装置において、上記強拡散部は、上記拡散カバーのうち上記強拡散部以外の部分の材質よりも上記LEDチップからの光をより強く拡散する材質で形成されている。
【0045】
本発明の第37の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第34の側面によって提供されるLED照明装置において、上記強拡散部は、上記拡散カバーの本体と、この本体に積層された、上記複数のLEDチップからの光を拡散させる拡散部材とによって構成されている。
【0046】
本発明の第38の側面によって提供されるLED照明装置は、本発明の第34ないし第37の側面のいずれかによって提供されるLED照明装置において、上記LEDチップは、上記基板の厚み方向が主出射方向となるように設置されており、上記拡散カバーは、上記基板の長手方向視において、その外周形状が、上記LEDチップを中心とし、上記基板の厚み方向を短径方向とする楕円状である。
【0047】
このような構成では、拡散カバーにおいてLEDチップから近い部分が遠い部分よりもLEDチップからの光をより強く拡散し、より少ない光を透過させる。そのため、LEDチップから遠い部分と近い部分とで、拡散カバーを透過した後の光の強さに差が生じにくくなっている。したがって、本発明の第2の側面によれば、拡散カバーによって輝度の均一化がより一層図られ、発光時における見栄えをよりよくすることができる。
【0048】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の第1実施形態に基づくLEDランプを示す要部斜視図である。
図2図1に示したエンドキャップの拡大斜視図である。
図3図1のIII-III線に沿う断面図である。
図4図3のIV-IV線に沿う断面図である。
図5図1に示したLEDランプを組み合わせたLED照明装置を示す平面図である。
図6図5に示したLED照明装置の連結部を示す図である。
図7図5に示すLED照明装置の別の実施例を示す平面図である。
図8】本発明の第2実施形態に基づくLEDランプを示す断面図である。
図9図8に示したエンドキャップの平面図である。
図10図8に示すLEDランプを組み合わせたLED照明装置を示す断面図である。
図11】本発明の第3実施形態に基づくLEDランプを組み合わせたLED照明装置の連結部分を示す平面図である。
図12図11のXII-XII線に沿う断面図である。
図13】本発明の第4実施形態に基づくLEDランプを組み合わせたLED照明装置の連結部分を示す平面図である。
図14図13のXIV-XIV線に沿う断面図である。
図15】本発明におけるランプケースの一例を示す側面図である。
図16図15に示すランプケースにLEDランプを組み込んで天井に取り付けた状態を示す図である。
図17図15に示すランプケースにLEDランプを組み込み、複数個並べて天井に取り付けた状態を示す図である。
図18図15のXVIII-XVIII線に沿う断面図である。
図19図18のXIX-XIX線に沿う断面図である。
図20図19の要部拡大図である。
図21図15に示すランプケースの一部を拡大した平面図である。
図22図15に示すランプケースの一部を拡大した底面図である。
図23図15に示す本体部材の一方の端部を拡大した図である。
図24図15に示す本体部材の他方の端部を拡大した図である。
図25図17における複数のランプケースの連結部を示す図である。
図26】本発明のランプケースの効果を説明するための図である。
図27】ランプケースの第1の変形例を説明するための図である。
図28】ランプケースの第2の変形例を説明するための図である。
図29】本発明の第1実施形態に基づくLEDモジュールの平面図である。
図30図29に示すLEDモジュールの発光部を示す断面図である。
図31図29のLEDモジュールを備えたLED照明装置の断面図である。
図32図31に示すLED照明装置の要部断面図である。
図33】本発明の第2実施形態に基づくLEDモジュールの平面図である。
図34】本発明の第3実施形態に基づくLEDモジュールの平面図である。
図35】本発明の第4実施形態に基づくLED照明装置の要部断面図である。
図36】本発明の第5実施形態に基づくLED照明装置の要部断面図である。
図37】本発明の第6実施形態に基づくLED照明装置の要部断面図である。
図38】本発明の第7実施形態に基づくLED照明装置の要部断面図である。
図39】従来のLEDランプの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0051】
図1図4は、本発明の第1実施形態に基づくLEDランプを示している。本実施形態のLEDランプ501は、x方向に長く延びるように形成された筒体1と、筒体1に収容された複数のLEDモジュール2と、筒体1の端部に取り付けられたエンドキャップ3と、2つのマウント4と、電力変換部5とを備えている。LEDランプ501は、内部に収容された複数のLEDモジュール2からの光によりz方向における一方側を主に照明するように構成されており、たとえば天井などに取り付けられて床面を照らすのに用いられる。
【0052】
筒体1は、支持部材11と拡散カバー12とを備えている。図3に示すように、支持部材11は、複数のLEDモジュール2を支持しつつ、これに電力を供給するためのものであり、基板111およびブラケット112からなる。
【0053】
基板111は、x方向を長手方向、y方向を幅方向とする帯状であり、たとえばガラスエポキシ樹脂からなる。基板111は、z方向に一定の厚みを有し、z方向における一方側に搭載面111aを備えている。搭載面111aには、たとえば288個のLEDモジュール2が搭載されており、これらのLEDモジュール2を点灯させるための図示しない配線パターンが形成されている。
【0054】
図3に示すように、ブラケット112は、ベース部113および1対のアウター部114からなる。ベース部113およびアウター部114は、たとえばアルミ製である。ベース部113は、断面コの字状であり、その底面の外側に基板111が取り付けられている。アウター部114は、ベース部113の略片側部分と、基板111のy方向端縁とを覆う形状とされている。ベース部113とアウター部114とは、複数のネジ13によって締結されている。
【0055】
各アウター部114には、z方向における他方側に向けて窪む係止溝114aが形成されている。係止溝114aは、x方向における各アウター部114の略全長に渡って形成されている。さらに、各アウター部114には、y方向の一方の端部付近からy方向に突出する膨出部114bと、各膨出部114bに形成されたz方向における他方側に窪む係止溝114cと、係止溝114cの底面と対向する係止面114dとを備えている。膨出部114b、係止溝114cおよび係止面114dはそれぞれ各アウター部114のx方向における略全長に渡って形成されている。
【0056】
拡散カバー12は、図1に示すようにx方向に延びる断面円弧状の帯状であり、たとえば、塩化水銀などの拡散材を添加された透明なポリカーボネート樹脂により形成されている。このような拡散カバー12は、LEDモジュール2からの光を拡散しつつ透過する。図3に示すように、拡散カバー12は、y方向における一方の端縁には係止片12aを、他方の端縁には係止片12bを備えている。係止片12aおよび係止片12bは、y方向の内方に突出するように形成されており、それぞれ係止面114dに当接する面を有している。係止片12bは、さらにz方向の他方側に向けて突出する部分を備えており、係止溝114cに嵌合する形状となっている。拡散カバー12は、係止片12bをy方向における一方側の係止溝114cに嵌合させた状態で、係止片12aをy方向における他方側の係止溝114cに押し込むことで支持部材11に固定される。
【0057】
各LEDモジュール2は、LEDチップを内蔵しており、搭載面111aに形成された図示しない配線パターンと導通し、主にz方向の一方側に向けて光を出射するように構成されている。
【0058】
複数のLEDモジュール2は、x方向に沿って等間隔に並ぶように搭載面111aに搭載されている。本実施形態では、図4に示すように、隣り合う2つのLEDモジュール2のx方向における近いほうの端部同士の距離をLEDモジュール2同士の間隔81とする。複数のLEDモジュール2のうちx方向における一方側の最も端に位置するLEDモジュール2は、その一方側の端部が支持部材11のx方向における一方の端部から間隔81よりも短い距離82だけ離れた位置にくるように配置されている。複数のLEDモジュール2のうちx方向における他方側の最も端に位置するLEDモジュール2は、その他方側の端部が支持部材11のx方向における他方の端部から距離82だけ離れた位置にくるように配置されている。
【0059】
エンドキャップ3は、筒体1内部に埃などが入るのを防ぐための部品であり、図1に示すように、筒体1のx方向における端部を封鎖するように形成されている。エンドキャップ3のz方向における一方側は拡散カバー12の形状に沿うように円弧状の外周を有している。図2には、エンドキャップ3の斜視図を示すとともに、拡散カバー12の外周を二点鎖線で示している。エンドキャップ3は、拡散カバー12との間に隙間が生じないように設置されており、図2に示すように、拡散カバー12の外周面と連続した面となる出射面31と、x方向に突出する1対の連結板32とを備えている。1対の連結板32は、y方向に離間しつつ互いに平行となるように形成されており、図3に示すように、ブラケット112のベース部113の内側面に接している。さらに、1対の連結板32にはy方向に貫通するネジ通し穴32aが形成されており、ネジ通し穴32aにネジ13が通されることで、1対の連結板32は支持部材11に固定されている。図4に示すように、エンドキャップ3は、x方向に一定の厚み83を有している。この厚み83は、たとえば1.5mm程度である。
【0060】
エンドキャップ3は、拡散カバー12と同様に、たとえば、塩化水銀などの拡散材を添加された透明なポリカーボネート樹脂により形成されている。このようなエンドキャップ3は、LEDモジュール2からの光を拡散しつつ透過する。エンドキャップ3における拡散材の比率は、拡散カバー12における拡散材の比率と同程度である。
【0061】
なお、本実施形態では、筒体1のx方向における一方側に取り付けられたエンドキャップ3のx方向他方側の端部は、支持部材11のx方向一方側の端部と密接している。また、筒体1のx方向における他方側に取り付けられたエンドキャップ3のx方向一方側の端部は、支持部材11のx方向他方側の端部と密接している。さらに、図4に示す距離82と厚み83とを足し合わせた長さ84が、LEDモジュール2同士の間隔81の半分となるように、距離82が設定されている。
【0062】
各マウント4は、LEDランプ501を天井や壁などに固定する際に用いられる部品であり、ベース金具41およびホルダ42からなる。ベース金具41は、たとえば金属板に対して穴あけ加工および折り曲げ加工を施すことにより形成されるものであり、ネジを通すための孔部41aを備えている。孔部41aは図1に示すようにy方向に延びる長孔とx方向に延びる長孔とを組み合わせたT字状に形成されている。このため、ベース金具41は、ネジを用いて天井や壁に取り付けた後にも孔部41aの大きさ分だけ位置を調整可能となっている。
【0063】
ホルダ42は、たとえば金属製のプレートに対して折り曲げ加工を施すことによって形成されており、図3に示すように1対の係止片42a、1対の可撓部42b、および、一対の可撓部42bを連結する連結部42cを有している。可撓部42bは、係止片42aを支える格好となっている。1対の可撓部42bは外力が与えられると、1対の係止片42aを互いに接近離間させる方向に弾性変形可能とされている。1対の係止片42aは、支持部材11の係止溝114aに係合する部分であり、図3において図中上方に向かうほど互いに距離が小となるように傾いている。
【0064】
電力変換部5は、たとえば商用AC100V電力をDC36Vに変換する機能を果たすものであり、支持部材11に収容されている。電力変換部5は、ケース51、電源基板52および複数の電子部品53からなる。ケース51は、断面コの字状であり、たとえば金属製である。電源基板52は、ケース51に固定されており、複数の電子部品53が実装されている。複数の電子部品53は、たとえばトランスや整流器、さらには定電流制御のためのトランジスタなどである。電力変換部5からは、コネクタ54が延びている。このコネクタ54は、たとえば、LEDランプ501が設置される天井か壁に設けられたコネクタと接続される。
【0065】
本実施形態においては、2つの電力変換部5が設けられており、1つの電力変換部5から144個のLEDモジュール2に対して給電される。これらの144個のLEDモジュール2は、互いに直列に接続された12個が1組とされた12のグループに分かれている。これらのグループどうしは、並列に接続されている。この結果、各LEDモジュール2内の各LEDチップには、電圧が3V程度、電流が20mA程度の直流電力が供給される。
【0066】
次に、LEDランプ501の作用について説明する。
【0067】
このようなLEDランプ501においては、図4に示すように、エンドキャップ3には主にx方向の端部に設置されたLEDモジュール2からの光が入射する。エンドキャップ3は、上述したように拡散材が添加された樹脂からなるため、エンドキャップ3に入射した光は拡散され、その一部は出射面31からz方向に向けて出射される。このため、LEDランプ501をたとえば天井に設置して点灯させた場合、下から見上げる人からはLEDランプ501のx方向における端部も他の部分と同様に光っているように見える。
【0068】
図5には、上述したLEDランプ501を複数組み合わせて構成されるLED照明装置601の一部を平面図で示している。図5に示すように、LED照明装置601において、複数のLEDランプ501は、x方向に沿って一列に並ぶように天井あるいは壁に取り付けられている。図6は、隣接するLEDランプ501同士の繋ぎ目部分を示す拡大図であり、LEDランプ501の内部を表すために拡散カバー12を省略している。
【0069】
図6に示すように、LED照明装置601では、隣接するLEDランプ501のエンドキャップ3同士が接しており、2つのエンドキャップ3を挟んで設置されたLEDモジュール2同士の間隔が丁度間隔81となるようになっている。隣接するLEDランプ501のエンドキャップ3同士が接しているため、一方のエンドキャップ3を通り抜けた光が他方のエンドキャップ3で拡散されることになる。このため、LED照明装置601では、LEDランプ501からx方向に向けて出射される光の一部が隣接するLEDランプ501のエンドキャップ3の出射面31からz方向に出射されることになる。従って、LED照明装置601はLEDモジュール2からの光を有効活用することができる。
【0070】
上述したように、エンドキャップ3はLEDモジュール2からの光を透過させつつ散乱させるため出射面31が光っているように見える。このため、LED照明装置601では、隣接するLEDランプ501の繋ぎ目部分が暗くなることがない。従って、LEDランプ501を組み合わせることでx方向に長く延びるより見栄えのよい長尺のLED照明装置601を実現することが可能である。
【0071】
本実施形態では、隣接するLEDランプ501同士の繋ぎ目部分においても、LEDモジュール2の間隔が他の部分と同じ間隔81であるため、繋ぎ目部分が他の部分と比べて暗くなることもなく、より見栄えをよくすることができる。
【0072】
図7図26は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0073】
図7には、上述したLEDランプ501を複数組み合わせて構成されるLED照明装置602の一部を平面図で示している。図7に示すLED照明装置602は、隣り合うLEDランプ501のエンドキャップ3同士の間に板材6が設けられており、その他の構成は図5および図6に示すLED照明装置601と同様である。
【0074】
図7に示すように、板材6は、x方向において図中左側にあるエンドキャップ3の右側の端面と、図中右側にあるエンドキャップ3の左側の端面とに挟まれている。板材6は、x方向視における形状がエンドキャップ3のx方向視における形状と一致するように形成されており、図7における左右のエンドキャップ3の出射面31と連続する出射面61を備えている。板材6は、たとえば、塩化水銀などの拡散材を添加された透明なポリカーボネート樹脂により形成されている。板材6における拡散材の比率は、拡散カバー12における拡散材の比率と同程度である。このような板材6は、LEDモジュール2からの光のうちエンドキャップ3を通過してきた光を拡散しつつ透過する。板材6の内部で拡散した光の一部は出射面61からz方向に向けて出射される。
【0075】
このようなLED照明装置602においても、エンドキャップ3と同様に板材6が発光しているように見えるため、隣接するLEDランプ501の繋ぎ目部分が暗くなることがない。従って、LED照明装置602はより見栄えのよいものとなる。
【0076】
図7に示すような構成を好ましく実現するには、x方向における厚みが異なる複数種類の板材6を予め用意しておき、図7における左右のエンドキャップ3の間に隙間が生じた場合に、その隙間に応じた厚みの板材6を選択して隙間にはめ込むようにするのがよい。
【0077】
なお、LED照明装置601においても、多数のLEDランプ501を一列に並べる場合、隣り合うLEDランプ501の端部同士の間に隙間が生じてしまう場合が起こりえる。そのような場合にLED照明装置602における板材6を併用することで、LEDランプ501の繋ぎ目部分が暗くなるのを防ぐことができる。
【0078】
上述した実施形態では、出射面31が拡散カバー12の外周面と連続した面となるように、拡散カバー12の外側にエンドキャップ3が設置されているが、出射面31が拡散カバー12の内周面と接するように拡散カバー12の内側にエンドキャップ3が設置される構成としてもよい。この場合、拡散カバー12のx方向における長さは支持部材11のx方向における長さよりもエンドキャップ3のx方向における厚みの2倍分だけ長くなる。
【0079】
図8は、本発明の第2実施形態に基づくLEDランプの端部付近の様子を示している。図8に示すLEDランプ502は、エンドキャップ3の形状および拡散カバー12のx方向長さがLEDランプ501と異なっており、その他の構成は同じである。図9には、LEDランプ502におけるエンドキャップ3をLEDランプ502の内方から見た図を示している。図10にはLEDランプ502を複数組み合わせて構成されるLED照明装置603の連結部分を示している。LED照明装置603において、複数のLEDランプ502は、x方向に沿って一列に並ぶように天井あるいは壁に取り付けられている。なお、図10では、説明のためにLEDランプ502同士の間隔を意図的に大きく示している。
【0080】
本実施形態における拡散カバー12は、支持部材11よりもx方向に長くなるように形成されている。さらに、本実施形態では、エンドキャップ3が拡散カバー12の内側に配置されている。本実施形態のエンドキャップ3は、図9における下端付近に傘部33を備えている。図8に示すように、傘部33はエンドキャップ3の外周縁からx方向に沿って筒体1の内方に延出するように形成されている。傘部33の外周面は出射面31と一体となっている。本実施形態において、エンドキャップ3の出射面31は、拡散カバー12の内周面と接している。
【0081】
さらに、本実施形態の連結板32に形成されているネジ通し穴32aはx方向に長く延びる長孔となっている。このため、エンドキャップ3は、ネジ通し穴32aの長さ分だけx方向に移動可能となっている。エンドキャップ3をx方向に沿って筒体1の外方へ引き出すと、傘部33の外周面が拡散カバー12の外側に露出する。
【0082】
このようなLEDランプ502を繋ぎ合わせたLED照明装置603においては、図10に示すようにLEDランプ502同士の間に隙間が生じた場合に、エンドキャップ3を筒体1から引き出すことにより、その隙間を傘部33で塞ぐことができる。傘部33はエンドキャップ3の一部であるため、LEDモジュール2からの光を拡散させつつ透過させる。このため、LED照明装置603をz方向下方から見た場合に、傘部33が発光しているように見える。従って、LED照明装置603はx方向に沿って暗所が生じにくい構成となっている。
【0083】
図11および図12は、本発明の第3実施形態に基づくLEDランプを用いたLED照明装置の繋ぎ目部分の様子を示している。図11および図12に示すLEDランプ503は、x方向における一方の端部にエンドキャップ3Aを、他方の端部にエンドキャップ3Bを備えており、その他の構成はLEDランプ501と同様である。
【0084】
エンドキャップ3Aは、図12におけるz方向下方ほどx方向に厚くなるように形成されており、傾斜面31aを備えている。傾斜面31aは、x方向における外方ほどz方向に出射面31から遠ざかるように傾斜している。エンドキャップ3Bは、図12におけるz方向下方ほどx方向に薄くなるように形成されており、傾斜面31bを備えている。傾斜面31bは、x方向における外方ほどz方向に出射面31に近づくように傾斜している。
【0085】
このようなLEDランプ503を繋ぎ合わせたLED照明装置604では、その繋ぎ目部分において、図11および図12に示すようにエンドキャップ3Aとエンドキャップ3Bとが対向する。傾斜面31aと傾斜面31bとが接するように複数のLEDランプ503を配置するのが望ましいが、多数のLEDランプ503を並べる場合には完全に隙間なく配置するのは困難である。本実施形態では、エンドキャップ3Aとエンドキャップ3Bとの間に隙間が生じた場合でも、LED照明装置604を図12中z方向下方から見ると傾斜面31bが光って見える。このため、LED照明装置604はx方向に沿って暗所が生じにくい構成となっている。
【0086】
図13および図14は、本発明の第4実施形態に基づくLEDランプを用いたLED照明装置の繋ぎ目部分の様子を示している。図13および図14に示すLEDランプ504は、エンドキャップ3のかわりにエンドキャップ3Cを備えており、その他の構成はLEDランプ501と同様である。
【0087】
エンドキャップ3Cは、y方向における一方側に形成された雄部34と、y方向における他方側に形成された雌部35とを備えている。雄部34は、x方向における外方ほどz方向に出射面31に近づくように傾斜する傾斜面34aを有している。z方向において出射面31に近づくにつれてx方向の外方に膨出するように形成されており、かつ、y方向における中央ほどx方向の外方に膨出している。雌部35は、x方向における外方ほどz方向において出射面31から遠ざかるように傾斜する傾斜面35aを有している。雌部35は、雄部34と嵌合するように、z方向において出射面31に近づくにつれてx方向の内方へ凹むように形成されており、かつ、y方向における中央ほどx方向の内方に凹んでいる。
【0088】
LEDランプ504をx方向に並べて形成されるLED照明装置605においては、図13および図14に示すように、連結されるLEDランプ504の端に取り付けられたエンドキャップ3Cの雄部34と雌部35とが互いに噛み合うようになっている。エンドキャップ3C同士が接するように複数のLEDランプ504を設置するのが望ましいが、多数のLEDランプ504を並べた場合には、エンドキャップ3C同士の間に隙間が生じることがあり得る。そのような場合でも、本実施形態のエンドキャップ3C同士の隙間から見えるのは傾斜面35aであり、出射面31と同様に光って見える。また、本実施形態のエンドキャップ3Cは筒体1の両端に対して取り付け可能であるため経済的である。
【0089】
図15図26は、本発明におけるランプケースの一例を示している。図15に示すランプケース650は、上述した実施形態におけるマウント4のかわりにLEDランプ501~504を天井に固定するのに用いられる部材である。なお、図15では参考のためにLEDランプ501を示している。図16には、LEDランプ501をランプケース650に収容して天井750に取り付けた状態を示している。さらに、図17に示すように、各々がLEDランプ501を収容した複数のランプケース650をx方向に配列して構成されたLED照明装置606を示している。なお、LED照明装置606は、LED照明装置601におけるマウント4をランプケース650に置き換えたものに相当する。
【0090】
ランプケース650は、図15に示すように、本体部材71と、コネクタ収容部72と、終端部材73と、中間部材74とを備えている。終端部材73および中間部材74は、図17に示すようにボルト部材75を介して本体部材71に取り付けられる。ボルト部材75はたとえば雄ネジである。終端部材73および中間部材74は、本体部材71と同じ色の塗装が施されているものとする。
【0091】
本体部材71は、z方向の一方に開口するコの字状の断面を有し、x方向に長く延びるように形成されており、x方向における一方の端に連結部711を、他方の端に連結部712を備えている。図23に示すように、連結部711には、x方向に長く延びる1対の長孔711aが形成されている。図24に示すように、連結部712には、x方向に長く延びる1対の長孔712aが形成されている。長孔711a,712aの形状は同一となっており、いずれもボルト部材75を通すことが可能となっている。また、本体部材71は、y方向における両側縁からy方向に突き出す突出部713を備えている。突出部713はx方向に長く延びる溝を有する形状となっている。この突出部713は、図16および図18に示すように、ランプケース650を天井750に取り付けた際には天井750の内側に入り込まずに外側に露出する。本体部材71は、突出部713が天井750に当接することにより、天井750に沿うように固定される。このため、ランプケース650は天井750に対して傾斜することなく天井750に取り付けられ、LEDランプ501を好ましく収容することができる。
【0092】
図19に示すように、本体部材71とコネクタ収容部72との間には、貫通孔71aが設けられている。この貫通孔71aは、コネクタ54と電力変換部5とを繋ぐケーブルを通すのに用いられる。コネクタ収容部72には、コネクタ54が収容される。コネクタ54は、天井750内に設けられた電源装置に接続される。
【0093】
終端部材73は、金属板を折り曲げて形成されており、連結部711および連結部712に対して着脱可能な部材である。終端部材73は、図18および図20に示すように、互いに直交する板部731,732と、1対の内壁部733と、外板部734と、起立壁735,736とを備えている。
【0094】
板部731は、z方向視矩形状に形成されており、本体部材71の連結部711,712に、ボルト部材75を介して固定される部分である。板部731には、z方向の厚みが周辺よりも厚くなる1対の膨出部731aが形成されている。1対の膨出部731aにはボルト部材75に嵌合する1対のネジ受け孔が設けられている。1対のネジ受け孔にはボルト部材75に形成された雄ネジに対応する雌ネジが形成されている。
【0095】
板部732は、板部731のx方向における端部から延出しており、x方向視矩形状に形成されている。この板部732は、図20に示すように、本体部材71のx方向の端部を塞ぐ部分であり、x方向に垂直な壁面732aを有している。1対の内壁部733は、板部732のy方向における両側縁からx方向に突出するように形成されている。1対の内壁部733のx方向における長さは、長孔711a,712aのx方向における長さよりも長くなっている。
【0096】
外板部734は、板部732および1対の内壁部733の図20中下端から延出し、図22に示すように、z方向視において突出部713を延長させた枠状と見えるように形成されている。起立壁735は、外板部734のy方向両端縁から起立し、突出部713のy方向両端縁に沿うように形成されている。図18に示すように、起立壁735のz方向における図中上端部の位置は、突出部713のz方向の図中上端部の位置と一致している。起立壁736は、外板部734のx方向における端部から板部732と対向するように起立している。起立壁736は、y方向の両端において起立壁735と連結されている。起立壁735,736は、突出部713を延長させたような外観となっている。
【0097】
中間部材74は、金属板を折り曲げて形成されており、連結部711および連結部712に対して着脱可能な部材である。中間部材74は、本体部材71の外周に重なるように断面コの字状に形成されている。この中間部材74は、図25に示すように複数のランプケース650を繋ぎ合わせる際に用いられる部材である。中間部材74は、突出部713に設けられた溝に嵌合する縁部741を備えている。
【0098】
中間部材74は、z方向の厚みが周辺よりも厚くなる2対の膨出部74aを備えている。2対の膨出部74aにはそれぞれボルト部材75に嵌合するネジ受け孔が設けられている。これらのネジ受け孔にもボルト部材75に設けられた雄ネジに対応する雌ネジが設けられている。図25に示すように、2対の膨出部74aは、連結部711,712を繋ぎ合わせた場合に長孔711a,712aと重なる位置に設けられている。
【0099】
次に、ランプケース650の作用について図26も参照しつつ説明を行う。
【0100】
ランプケース650をx方向に複数配列させて天井750に取り付けた場合、隣り合うランプケース650の端部同士を密接させると、他の隣り合うランプケース650の端部同士の間に隙間が生じてしまうという事態が起こりえる。図26は、隣り合うランプケース650の本体部材71同士の間に隙間が生じた場合にその繋ぎ目部分を床から見上げた状態を示している。なお、図26ではLEDランプ501を省略している。
【0101】
本実施形態では、図26に示すように、隣接する本体部材71の連結部711,712との間に隙間がある場合でも、長孔711a,712a内におけるボルト部材75の位置をずらすことで、中間部材74を連結部711,712に取り付けることが可能である。さらに図26に示すように、本体部材71同士の隙間から、天井面ではなく中間部材74が見えるため、外観の悪化を抑制することができる。
【0102】
さらに、終端部材73も長孔711a,712a内におけるボルト部材75の位置をずらすことで、x方向にずらすことが可能である。このため、上述した中間部材74による調整では対応できない場合にも、x方向における両端のランプケース650の終端部材73をずらすことで対応することが可能である。
【0103】
図27には、ランプケース650の第1の変形例を示している。この変形例においては、長孔711aの代わりに円形のネジ通し孔711bが設けられている。その他の構成は図15~26に示すランプケース650と同様である。図27では、図26と同様に、このようなランプケース650を並べた場合の様子を示している。図27に示すように、隣接する本体部材71の連結部711,712との間に隙間がある場合でも、長孔712a内におけるボルト部材75の位置をずらすことで、中間部材74を連結部711,712に取り付けることが可能である。さらに、本体部材71同士の隙間から、天井面ではなく中間部材74が見えるため、外観の悪化を抑制することができる。
【0104】
図28には、ランプケース650の第2の変形例を示している。この変形例においては、長孔712aの代わりに円形のネジ通し孔712bが設けられている。その他の構成は図15~26に示すランプケース650と同様である。図28では、図26と同様に、このようなランプケース650を並べた場合の様子を示している。図28に示すように、隣接する本体部材71の連結部711,712との間に隙間がある場合でも、長孔711a内におけるボルト部材75の位置をずらすことで、中間部材74を連結部711,712に取り付けることが可能である。さらに、本体部材71同士の隙間から、天井面ではなく中間部材74が見えるため、外観の悪化を抑制することができる。またさらに、終端部材73をx方向にずらすことで調整を行うことも可能である。
【0105】
本発明に係るLEDランプ、ランプケースおよびLED照明装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDランプおよびLED照明装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0106】
たとえば、LEDモジュール2の個数および設置間隔は適宜設定可能である。上述した実施形態ではLEDモジュール2が一定間隔で配置されているが、LEDモジュール2が不規則に配置されている場合であっても、エンドキャップ3が光を透過させつつ拡散させる構成であれば本発明の効果は生じる。また、x方向における最も端に位置するLEDモジュール2と支持部材11のx方向における端部との位置関係も上述した条件に限定されない。LED照明装置601における隣り合うLEDランプ501の繋ぎ目部分においてLEDモジュール2同士の間隔が極端に開きすぎないように、x方向における端に位置するLEDモジュール2が支持部材11のx方向における端に寄るように搭載されていればよい。
【0107】
また、LED照明装置602~605において、マウント4のかわりにランプケース650を採用しても構わない。LED照明装置602~605においては、隣接するLEDランプ501~504同士の間に隙間が生じる場合が想定されている。このような場合においては、隣接するランプケース650同士の間にも隙間が生じることがあるが、ランプケース650同士の隙間からは本体部材71と同色の中間部材74が見えるようになっている。このため、外観の悪化を防ぐことができる。
【0108】
図29および図30は、本発明の第1実施形態に基づくLEDモジュールを示している。本実施形態のLEDモジュール511は、基板201および複数の発光部202を備える。
【0109】
図29に示すように、基板201は、たとえばガラスエポキシ製であり、帯状に形成されている。基板201は、たとえば長手方向寸法が略200mm、短手方向寸法が略20mmである。特に図示しないが、基板201の一面には、複数の発光部202を実装するための配線パターンが形成されている。
【0110】
図29に示すように、複数の発光部202は、基板201の一面に実装されており、その長手方向に沿って2つの列202A,202Bをなすように配置されている。基板201の一面を厚み方向に見た状態において、発光部202は、長矩形状の光出射面220を有する。全ての発光部202は、光出射面220の長辺220aが基板201の長手方向に沿うように配置されている。各列202A,202Bの発光部202どうしは、基板201の長手方向に間隔85をあけて等間隔に並んでいる。この間隔85は、光出射面220の長辺220aと同程度の寸法である。列202A,202Bどうしは、基板201の長手方向に半ピッチずれている。これにより、複数の発光部202は、千鳥配列になっている。なお、本実施形態では、間隔85が光出射面220の長辺220aと同程度であるが、この間隔85が長辺220aより長くてももちろんよい。
【0111】
図30に示すように、発光部202は、LEDチップ221、互いに離間する金属製のリード222,223、ワイヤ224、および樹脂パッケージ225を有する。
【0112】
LEDチップ221は、たとえばn型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた活性層とが積層された構造からなる。LEDチップ221は、たとえばGaN系半導体からなる場合、青色光を発光する。LEDチップ221は、リード222に搭載されている。LEDチップ221の上面は、ワイヤ224を介してリード223に接続されている。リード222,223は、基板201上の配線パターンに接合される。樹脂パッケージ225は、LEDチップ221およびワイヤ224を保護するためのものである。樹脂パッケージ225は、LEDチップ221からの光に対して透光性を有するたとえばエポキシ樹脂により形成される。樹脂パッケージ225には、たとえば青色光により励起されて黄色光を発する蛍光材料が混入されている。これにより、発光部202は、白色光を出射する。樹脂パッケージ225において、基板201と対向する面とは反対側の一面は、光出射面220になっている。
【0113】
図31および図32は、LEDモジュール511を備えたLED照明装置の一例を示している。本実施形態のLED照明装置611は、複数のLEDモジュール511、マウント203、支持部材204、拡散カバー205、および電力変換部206によって構成される。LED照明装置611は、たとえば屋内の天井面に取り付けられた状態で、床面を照らす用途に用いられものであり、同図の紙面を貫く方向に長くなっている。
【0114】
図31に示すように、マウント203は、本体230および複数のホルダ231を備えている。本体230は、同図の紙面を貫く方向に延びる細長状であり、たとえばアルミ製である。本体230には、凹部230aが設けられている。凹部230aは、LEDモジュール511を収容するためのものである。本体230は、凹部230aを挟んで連続するような曲率とされた曲面を有している。
【0115】
本体230は、ベースプレート310およびウイング320によって構成されている。ベースプレート310は、図31の紙面を貫く方向を長手方向とし、y方向を幅方向とする細長の板状に形成されており、複数の膨出部311を備えている。ベースプレート310のy方向における両端縁は、剛性を確保するために、z方向下方に向けて折り曲げられている。複数の膨出部311は、z方向下方に突出するように形成された部分であり、図31の紙面を貫く方向に沿って互いに離間するように配列されている。各膨出部311は、ウイング部320に当接している。
【0116】
ウイング部320は、図31の紙面を貫く方向に見て全体的に傘状に形成されており、内側に底板部321、2つの壁部322、および規制部323を有している。底板部321は、ベースプレート310に対して平行である。2つの壁部322は、底板部321のy方向両端からz方向に起立している。底板部321および2つの壁部322は、LEDユニット2を収容するための凹部230aを構成している。一方側の壁部322には、弾性部材であるホルダ231が配置されており、他方側の壁部322には、規制部材323が形成されている。規制部材323は、壁部322からy方向に突出する板状であり、壁部322に対して垂直である。この規制部材323は、たとえば図31の紙面を貫く方向におけるウイング部320の略全長に渡って設置される。
【0117】
ホルダ231は、たとえば金属製のプレートに対して折り曲げ加工を施すことによって形成されており、係止片231a、可撓部231b、および、固定部231cを有している。図31に示すように、係止片231aは、z方向において底板部321から遠ざかるほど、y方向においてLEDモジュール511から遠ざかるように傾斜している。可撓部231bは、z方向において底板部321から遠ざかるほど、y方向においてLEDモジュール511に近づくように傾斜している。可撓部231bは、一方の端で係止片231aを支え、他方の端が固定部231cに繋がる格好となっており、弾性的に湾曲変形可能に形成されている。固定部231cは、底板部321に重なるように設けられた板状部材であり、ネジ331を介してウイング部320に固定されている。なお、このホルダ231は、図31の紙面を貫く方向に沿って複数並ぶように設置される。
【0118】
図31に示すように、支持部材204は、複数のLEDモジュール511を支持しつつ、これに電力を供給するためのものである。複数のLEDモジュール511は、その長手方向に沿って並んだ状態で支持部材204に支持されている。
【0119】
支持部材204は、ベース部241および一対のアウター部242からなる。ベース部241およびアウター部242は、たとえばアルミ製である。ベース部241は、断面コの字状であり、その底面の外側にLEDモジュール511の基板201が取り付けるための凹部410が形成されている。凹部410は、z方向上方に凹んでおり、基板201が嵌め込まれる。アウター部242は、ベース部241の略片側部分と、基板201のy方向端縁とを覆う形状とされている。
【0120】
各アウター部242には、係止溝420が形成されている。係止溝420は、図31の紙面を貫く方向に延びており、z方向においてLEDモジュール511の出射方向とは反対側に窪んでいる。一方側の係止溝420は、ホルダ231の係止片231aと係合する部分である。他方側の係止溝420は、規制部323と係合する部分である。
【0121】
また、一方のアウター部242には、係止溝421が形成されている。係止溝421は、図31の紙面を貫く方向に延びており、z方向においてLEDモジュール511の出射方向とは反対側に窪んでいる。他方のアウター部242にも、係止溝422が形成されている。この係止溝422も、図31の紙面を貫く方向に延びており、z方向においてLEDモジュール511の出射方向とは反対側に窪んでいる。
【0122】
図31および図32に示すように、拡散カバー205は、同図の紙面を貫く方向に延びる断面円弧状であり、LEDモジュール511からの光を拡散しつつ透過するたとえば乳白色の樹脂からなる。図31に示すように、拡散カバー205の両端縁には、係止片251,252が形成されている。一方の係止片251は、係止溝421と係合する。他方の係止片252は、係止溝422と係合する。
【0123】
図32に示すように、拡散カバー205の中央部205aは、LEDモジュール511のz方向真下を中心とし、y方向に一定幅を有する領域である。中央部205aのy方向における幅は、発光部202が千鳥配列に並ぶy方向の幅よりも長くなるように形成されている。中央部205aは、本発明の要部となる強拡散部の一例に相当する。
【0124】
電力変換部206は、たとえば商用AC100V電力をDC36Vに変換する機能を果たすものであり、支持部材204に収容されている。電力変換部206は、ケース261、電源基板262および複数の電子部品263からなる。ケース261は、断面コの字状であり、たとえば金属製である。ケース261は、電力変換部206をベース部241に固定するために用いられる。電源基板262は、ケース261に固定されており、複数の電子部品263が実装されている。複数の電子部品263は、たとえばトランスや整流器、さらには定電流制御のためのトランジスタなどである。電力変換部206からは、図示しないコネクタが延びている。このコネクタは、マウント203に取り付けられたコネクタと接続される。
【0125】
本実施形態においては、複数の電力変換部206が設けられており、1つの電力変換部206から複数のLEDモジュール511の発光部202に対して給電される。たとえば各LEDチップ221には、電圧が3V程度、電流が20mA程度の直流電力が供給される。
【0126】
次に、LEDモジュール511およびLED照明装置611の作用について説明する。
【0127】
本実施形態のLEDモジュール511では、千鳥配列された複数の発光部202が基板201の長手方向および短手方向にある程度広がりをもつ発光領域を形成する。この発光領域からの光は、基板201の長手方向だけでなく短手方向にもある程度広がりつつ照射される。
【0128】
しかも、上記発光領域においては、一方の列202Aを構成する発光部202が他方の列202Bを構成する発光部202どうしの間に位置するため、他方の列202Bからの光と重なりにくい。これにより、2つの列202A,202Bを含む発光領域は、急峻な傾向の輝度分布を生じさせにくく、基板201の短手方向にある程度なだらかに広がった輝度分布を形成する。
【0129】
すなわち、上記発光領域は、線状に集中して光るようには見えず、ある程度帯状に広がって光るように見える。そのため、複数の発光部202がそれほど眩しく感じられることはない。したがって、LEDモジュール511によれば、複数の発光部202を千鳥配列に並べることにより、全体の光量増加を図るとともに、輝度の均一化を図ることができる。
【0130】
本実施形態のLED照明装置611では、拡散カバー205の厚く形成された部分ほど光をより拡散し、光透過率が低下する。このため、拡散カバー205の中央部205aは、その他の領域よりも光透過率が小さな値となっている。たとえば、中央部205aにおける光透過率は75%程度であり、その他の領域における光透過率は85%程度である。
【0131】
拡散カバー205は、中央部205aにおいてLEDモジュール511との距離が最も小さく、中央部205aからy方向に離間するほどLEDモジュール511との距離が大きくなるように形成されている。このため、中央部205aに到達するLEDモジュール511からの光の強さは、他の領域に到達するLEDモジュール511からの光の強さよりも大きくなる。
【0132】
LED照明装置611によれば、比較的強い光が到達する中央部205aにおいて光透過率を小さくすることにより、中央部205aから出射される光とその他の領域から出射される光とが、同程度の強さとなる。このため、LED照明装置611では、点灯時に拡散カバー205から出射される光のムラが抑えられ、個々の発光部202が点々と配置されている様や列202A,202Bをなす様が視認されることを防止することができる。したがって、LED照明装置611によれば、拡散カバー205によって輝度の均一化がより一層図られ、点灯時の見栄えをよりよくすることができる。
【0133】
図33および図34は、本発明の第2および第3実施形態に基づくLEDモジュールを示し図35~10は、本発明の第4ないし第7実施形態に基づくLED照明装置を示している。なお、図33~10において、先述した第1実施形態によるものと同一または類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0134】
図33に示す第2実施形態に基づくLEDモジュール512において、各列202A,202Bの発光部202どうしは、基板201の長手方向に間隔86をあけて等間隔に並んでいる。この間隔86は、光出射面220の長辺220aよりも短い寸法である。列202A,202Bどうしは、基板201の長手方向に半ピッチずれている。これにより、複数の発光部202は、第1実施形態によるものよりも狭間隔で千鳥配列になっており、個数が多くなっている。このような構成によれば、輝度の均一化を図りつつ全体の光量をより増加させることができる。
【0135】
図34に示す第3実施形態に基づくLEDモジュール513において、全ての発光部202は、光出射面220の短辺220bが基板201の長手方向に沿うように配置されている。各列202A,202Bの発光部202どうしは、基板201の長手方向に間隔87をあけて等間隔に並んでいる。列202A,202Bどうしは、基板201の長手方向に半ピッチずれており、複数の発光部202は、千鳥配列になっている。このような構成によれば、各列202A,202Bにおける発光部202どうしの間隔87をLEDチップの指向性に応じて適切に設定し、輝度の均一化を図ることができる。なお、本実施形態では、間隔87が光出射面220の短辺220bに比べて相当大きいが、この間隔87が短辺220bより短くてももちろんよい。そうした場合、発光部202の個数をより多くし、全体の光量をより増加させることができる。
【0136】
図35に示す第4実施形態に基づくLED照明装置では、拡散カバー205の中央部205aが平板状に形成されている。このような拡散カバー205を用いても、拡散カバー205から出射される光のムラを抑えることが可能となっている。
【0137】
図36に示す第5実施形態に基づくLED照明装置において、拡散カバー205は、y方向において端部から中央に向かうほど徐々に厚みが増すように形成されている。このような拡散カバー205は、LEDモジュール511との距離が近い部分ほど厚くなっている。これにより、LED照明装置の点灯時に、拡散カバー205から出射される光のムラをより抑えることが可能となっている。したがって、LED照明装置の点灯時における見栄えをよりよくすることができる。
【0138】
図37に示す第6実施形態に基づくLED照明装置において、拡散カバー205は、厚みが一定であり、その中央部205aが、その他の領域よりも光透過率が低い乳白色樹脂で形成されている。拡散カバー205の中央部205a以外の領域における光透過率は85%程度であり、中央部205aにおける光透過率は75%程度となっている。このような拡散カバー205を用いても、先述した実施形態によるものと同様に、拡散カバー205から出射される光のムラを抑えることが可能である。
【0139】
図38に示す第7実施形態に基づくLED照明装置において、拡散カバー205は、厚みが一定であり、中央部205aに重なるように拡散部材250が設けられている。拡散カバー205の拡散部材250が設けられていない部分での光透過率は85%程度である。拡散部材250は、たとえば拡散カバー205と同じ乳白色樹脂からなり、拡散部材250が重ねられた中央部205aでの光透過率が75%程度となるように形成されている。このような拡散部材250を備えた拡散カバー205を用いても、拡散カバー205から出射される光のムラを抑えることが可能である。さらに、拡散カバー205とは別に拡散部材250を用意する場合、拡散カバー205自体の製造が容易となる利点がある。
【0140】
なお、本発明に係るLEDモジュールおよびLED照明装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDモジュールおよびLED照明装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0141】
たとえばLEDモジュールは、基板に発光部を搭載する構成に限定されず、基板にLEDチップを直接搭載した構成であってもよい。基板は、細長い帯状に限定されず、矩形状あるいは円形状のものであってもよい。複数の発光部は、3列以上の千鳥配列に並んだ構成であってもよい。
【0142】
複数のLEDチップについては、RGB色の光を発するものであってもよく、基板の長手方向に複数列をなすように配置してもよい。RGB色のLEDチップを用いた場合、LED照明装置は、たとえば電光掲示板や画像表示装置として適用することも可能である。
【0143】
LED照明装置には、第1実施形態のLEDモジュールに限定されず、第2あるいは第3実施形態のLEDモジュールを適用することもできる。
【符号の説明】
【0144】
501,502,503,504 LEDランプ
601,602,603,604,605,606 LED照明装置
650 ランプケース
x 方向
y 方向
z 方向
1 筒体
2 LEDモジュール
3A,3B,3C エンドキャップ
4 マウント
5 電力変換部
6 板材
11 支持部材
12 拡散カバー
12a,12b 係止片
13 ネジ
31 出射面
31a,31b 傾斜面
32 連結板
32a ネジ通し穴
33 傘部
34 雄部
34a 傾斜面
35 雌部
35a 傾斜面
41 ベース金具
41a 孔部
42 ホルダ
42a 係止片
42b 可撓部
42c 連結部
51 ケース
52 電源基板
53 電子部品
54 コネクタ
61 出射面
71 本体部材
71a 貫通孔
72 コネクタ収容部
73 終端部材
74 中間部材
74a 膨出部
75 ボルト部材
111 基板
111a 搭載面
112 ブラケット
113 ベース部
114 アウター部
114a 係止溝
114b 膨出部
114c 係止溝
114d 係止面
711,712 連結部
711a,712a 長孔
712b,712b ネジ通し孔
713 突出部
731,732 板部
731a 膨出部
732a 壁面
733 内壁部
734 外板部
735,736 起立壁
741 縁部
750 天井
511~513 LEDモジュール
611 LED照明装置
201 基板
202 発光部
202A,202B 列
220 光出射面
220a 長辺
220b 短辺
221 LEDチップ
204 支持部材
205 拡散カバー
205a 中央部
250 拡散部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39