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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174351
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】自動駐車支援システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/48 20180101AFI20221116BHJP
   B60W 30/06 20060101ALI20221116BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20221116BHJP
【FI】
H04W4/48
B60W30/06
H04W88/02 131
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019195639
(22)【出願日】2019-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 幸光
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 俊彦
【テーマコード(参考)】
3D241
5K067
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BB03
3D241CE01
3D241CE02
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DB09Z
3D241DB12Z
5K067AA34
5K067BB03
5K067DD11
5K067DD20
5K067EE02
5K067EE35
5K067FF03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来の車両自動運転システムにおいて、運転状況通知画像がスマートフォンの表示部に表示され、物体位置通知画像を見て自動運転車両を操作する場合で、スマートフォン(携帯機)の画面を操作することが困難な場合に、車両に自動駐車を行わせるための携帯機の操作が容易な自動駐車支援システムを提供する。
【解決手段】自動駐車支援システム300において、利用者に保持される携帯機(スマートフォン200)は、利用者に対して指示内容を提示する指示提示部と、指示内容に従って前記携帯機の姿勢が変更されたかどうかを判定する判定部と、を有する。車両10のECU100は、判定部によって携帯機の姿勢が変更されたと判定されると、車両の自動駐車を許可する自動運転許可部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に保持される携帯機と、
前記利用者に対して指示内容を提示する指示提示部と、
前記指示内容に従って前記携帯機の姿勢が変更されたかどうかを判定する判定部と、
前記判定部によって前記携帯機の姿勢が変更されたと判定されると、車両の自動駐車を許可する自動運転許可部と
を含む自動駐車支援システム。
【請求項2】
前記指示提示部は、前記携帯機に搭載される、請求項1記載の自動駐車支援システム。
【請求項3】
前記指示内容は、前記携帯機の画面に表示される矢印が所定の方向を向くように前記利用者に前記携帯機の向きを変化させる指示を含む、請求項2記載の自動駐車支援システム。
【請求項4】
前記指示提示部は、前記携帯機の画面の表示による指示、又は、前記携帯機が出力する音声による指示を提示する、請求項3記載の自動駐車支援システム。
【請求項5】
前記指示内容は、前記携帯機の振動素子による振動が無くなる方向に前記携帯機が向くように前記利用者に前記携帯機の向きを変化させる指示を含む、請求項2記載の自動駐車支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動駐車支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動運転車両を自動運転させる車両自動運転システムであって、駐車場において、車両一台分の通路に対する通行方向が一方向に定まっているか否かを表す情報である通行方向情報を取得する通行方向取得部と、前記通行方向取得部が前記通行方向情報を取得でき、かつ、前記通行方向情報から、前記通路における通行方向が一方向に定まっていると判断できることに基づいて、前記駐車場における前記自動運転を許可する許可決定部とを備えることを特徴とする車両自動運転システムがある。運転状況通知画像がスマートフォンの表示部に表示され、物体位置通知画像を見て、自動運転車両を停止させる必要があると判断した場合には、停止ボタンを操作することで、自動運転車両を停止させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-099953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スマートフォン(携帯機)の画面を操作することが困難な場合もある。例えば、手で荷物を持っているとき、降雨のため手で傘を差しているとき、寒冷時で手が悴んでいるとき等には、携帯機の画面を操作することが困難である。
【0005】
そこで、車両に自動駐車を行わせるための携帯機の操作が容易な自動駐車支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態の自動駐車支援システムは、利用者に保持される携帯機と、前記利用者に対して指示内容を提示する指示提示部と、前記指示内容に従って前記携帯機の姿勢が変更されたかどうかを判定する判定部と、前記判定部によって前記携帯機の姿勢が変更されたと判定されると、車両の自動駐車を許可する自動運転許可部とを含む。
【発明の効果】
【0007】
車両に自動駐車を行わせるための携帯機の操作が容易な自動駐車支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態の自動駐車支援システム300を示す図である。
図2】スマートフォン200のディスプレイ220に表示される指示内容と、姿勢を変化させる操作とを説明する図である。
図3】スマートフォン200の制御装置210が実行する処理を示すフローチャートである。
図4】実施の形態の変形例におけるスマートフォン200のディスプレイ220に表示される指示内容と、姿勢を変化させる操作とを説明する図である。
図5】実施の形態の変形例によるスマートフォン200の利用形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の自動駐車支援システムを適用した実施の形態について説明する。
【0010】
<実施の形態>
図1は、実施の形態の自動駐車支援システム300を示す図である。自動駐車支援システム300は、車両10に搭載されるECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)100と、スマートフォン200とを含む。スマートフォン200は、車両10の外から無線通信によって車両10を移動操作可能な携帯機の一例である。
【0011】
自動駐車支援システム300は、スマートフォン200が車両10に搭載されたECU100に対して無線通信で遠隔的に指令を送信することによって車両10が自立的に駐車位置に駐車する自動駐車システムにおける駐車処理を支援する装置である。このような自動駐車システムに必要な機能は、一例としてECU100及びスマートフォン200に搭載されるが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0012】
車両10は、自動駐車支援システム300に関連する構成要素として、ECU100、加速度センサ11、速度センサ12、通信部13、及び自動駐車ECU20を含む。自動駐車ECU20は、スマートフォン200から送信される指令に基づき、図示しないカメラや超音波センサ等で検出される空き駐車スペースに車両10を自動駐車する。
【0013】
加速度センサ11は、車両10の前後方向及び横方向における加速度を検出できる加速度センサであればよい。加速度センサ11は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)による容量型の加速度センサ又はヨーレートセンサ等を用いることができる。また、加速度センサ11の代わりにジャイロセンサを用いてもよい。
【0014】
速度センサ12は、車両10の前進時又は後進時の車速を検出するセンサである。通信部13は、スマートフォン200との間で指令等のデータを送信又は受信するための通信部であり、一例としてBluetooth(登録商標)規格の近距離無線通信器である。通信部13は、車両10に複数設けられている。各通信部13は複数のアンテナを有する。なお、通信部13は、Bluetoothに限らず、WLAN(Wireless Local Area Network)やその他の規格の通信器等であってもよい。
【0015】
ECU100は、自動駐車支援システム300に用いられるECUである。車両10にはECU100以外にも種々のECUが搭載されており、ECU100と車載ネットワークを介して通信可能に接続されている。加速度センサ11、速度センサ12、及び通信部13は、ECU100以外のECUに接続されていて、ECU100以外のECU及び車載ネットワークを介してECU100と通信可能に接続されていてもよいし、車載ネットワークを介して直接的にECU100に接続されていてもよい。
【0016】
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び内部バス等を含むコンピュータによって実現される。ECU100は、主制御部110、位置測定部120、自動運転許可部130、及びメモリ140を有する。主制御部110、位置測定部120、自動運転許可部130は、ECU100が実行する自動駐車支援プログラムの機能(ファンクション)を機能ブロックとして示したものである。また、メモリ140は、ECU100のメモリを機能的に表したものである。
【0017】
主制御部110は、ECU100の制御処理を統括する処理部であり、位置測定部120及び自動運転許可部130が実行する処理以外の処理を実行する。
【0018】
位置測定部120は、一例としてAOA(Angle Of Arrival)形式でスマートフォン200の測位を行い、車両10の周囲でスマートフォン200が存在する位置を求める。AOA形式の場合は、位置測定部120は、2つの通信部13の各々によって検出されるビーコン信号の位相差から、2つの通信部13に対してスマートフォン200が位置する方向を表す2つの角度を求め、2つの角度と、2つの通信部13の位置関係(2つの通信部13の間の距離)とを用いて、スマートフォン200の位置を求める。
【0019】
また、位置測定部120は、1個の通信部13の複数のアンテナで受信されるビーコン信号の位相差から、1個の通信部13に対してスマートフォン200が位置する方向を表す角度を求め、1個の通信部13に対する角度と、RSSI値とに基づいて車両10の大凡の位置を求める。RSSI値によって通信部13からスマートフォン200までの大凡の距離が分かるからである。
【0020】
自動運転許可部130は、位置測定部120によって測定されるスマートフォン200が存在する位置が車両10から所定距離以内であるときに、スマートフォン200の判定部213によってスマートフォン200の姿勢が変更されたと判定されると、車両10の自動駐車ECU20による自動駐車を許可する。
【0021】
メモリ140は、主制御部110、位置測定部120、自動運転許可部130が上述のような処理を実行するために必要な自動駐車支援プログラムやデータ等を格納する。
【0022】
スマートフォン200は、自動駐車支援システム300に関連する構成要素として、制御装置210、ディスプレイ220、スピーカ230、加速度センサ240、通信部250、及びカメラ260を含む。
【0023】
制御装置210は、主制御部211、指示提示部212、判定部213、及びメモリ214を有する。
【0024】
主制御部211は、制御装置210の制御処理を統括する処理部であり、指示提示部212、判定部213が実行する処理以外の処理を実行する。
【0025】
指示提示部212は、ディスプレイ220に指示内容を提示する。ディスプレイ220に指示内容を提示することは、スマートフォン200の利用者に対して指示内容を提示することに相当する。提示内容は、スマートフォン200の姿勢を変更させて所定の方向に向けさせる指示を表す。なお、この詳細については後述する。
【0026】
判定部213は、指示提示部212によって生成される指示内容と、加速度センサ240によって検出されるスマートフォン200の姿勢とに基づいて、指示提示部212によってディスプレイ220に提示される指示内容に従ってスマートフォン200の姿勢が変更されたかどうかを判定する。
【0027】
メモリ214は、指示提示部212、判定部213が上述のような処理を実行するために必要なプログラムやデータ等を格納する。
【0028】
ディスプレイ220は、例えば、液晶ディスプレイパネルであり、タッチパネルと一体化されている。ディスプレイ220は、スマートフォン200の操作を受け付けるとともに、操作内容に応じた画像等を表示する。また、ディスプレイ220は、自動駐車システムにおいて操作者が操作指令を入力する入力部としての役割も担う。
【0029】
スピーカ230は、スマートフォン200の操作内容に応じた音声等を出力する。
【0030】
加速度センサ240は、一例としてMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を利用した加速度センサであり、3軸方向の加速度を検出する。加速度センサ240を用いれば、3軸方向におけるスマートフォン200の姿勢を検出することができる。
【0031】
通信部250は、車両10のECU100との間で指令等のデータを送信又は受信するための通信部であり、一例としてBluetooth(登録商標)規格の近距離無線通信器である。なお、通信部250は、Bluetoothに限らず、WLANやその他の規格の通信器等であってもよい。
【0032】
カメラ260は、静止画像又は動画像を取得するデジタル式の撮像部である。
【0033】
図2は、スマートフォン200のディスプレイ220に表示される指示内容と、姿勢を変化させる操作とを説明する図である。
【0034】
ここでは、一例として、指示提示部212がディスプレイ220に表示する「傾けて下さい」というメッセージに従って、ディスプレイ220に表示される直線状の矢印221が真下の方向(地面がある方向)を向くように利用者がスマートフォン200を傾ければ、判定部213はメッセージに従ってスマートフォン200の姿勢が変更されたと判定する。
【0035】
そして、この結果、スマートフォン200の制御装置210から通信部250を通じて車両10側に判定結果が通知され、車両10側では通信部13で判定結果を受信し、ECU100の自動運転許可部130が自動駐車ECU20による自動駐車を許可し、自動駐車ECU20による自動駐車が続行可能な状態になる。
【0036】
図2(A)に示すように、ディスプレイ220に「傾けて下さい」というメッセージと、傾ける方向を示す曲線状の矢印222とが表示される。図2(A)における矢印222が示す傾ける方向は、スマートフォン200をディスプレイ220側から見て時計回りの方向である。
【0037】
図2(A)の矢印222に従って利用者がスマートフォン200を傾けると、図2(B)に示す姿勢になり、メッセージに従ってスマートフォン200の姿勢が変更されたと判定部213が判定し、判定部213がディスプレイ220に「OK」のメッセージを表示する。
【0038】
また、図2(B)のように「OK」のメッセージが表示されると、図2(C)に示すように、ディスプレイ220に「傾けて下さい」というメッセージと、傾ける方向を示す曲線状の矢印222とが表示される。図2(C)における矢印222が示す傾ける方向は、スマートフォン200をディスプレイ220側から見て反時計回りの方向である。
【0039】
図2(C)の矢印222に従って利用者がスマートフォン200を傾けると、図2(D)に示す姿勢になり、メッセージに従ってスマートフォン200の姿勢が変更されたと判定部213が判定し、判定部213がディスプレイ220に「OK」のメッセージを表示する。
【0040】
また、図2(D)のように「OK」のメッセージが表示されると、図2(E)に示すように、ディスプレイ220に「傾けて下さい」というメッセージと、傾ける方向を示す曲線状の矢印222とが表示される。図2(E)における矢印222が示す傾ける方向は、スマートフォン200をディスプレイ220側から見て反時計回りの方向である。
【0041】
図2(E)の矢印222に従って利用者がスマートフォン200を傾けると、図2(F)に示す姿勢になり、メッセージに従ってスマートフォン200の姿勢が変更されたと判定部213が判定し、判定部213がディスプレイ220に「OK」のメッセージを表示する。
【0042】
以上のように利用者に対してスマートフォン200を傾けることを要求するメッセージをディスプレイ220に表示し、スマートフォン200の姿勢の変化がメッセージ通りに正しく行われると、メッセージの表示を繰り返し行うことになる。
【0043】
このような処理を所定時間(例えば3秒)毎に行うことにより、利用者に対してスマートフォン200を介しての車両10の自動駐車の操作を要求することができる。利用者がメッセージに従ってスマートフォン200の姿勢を正しく変更しなかった場合は、自動駐車ECU20による自動駐車を行わない状態になる。
【0044】
図3は、スマートフォン200の制御装置210が実行する処理を示すフローチャートである。
【0045】
主制御部211は、処理をスタートさせると、加速度センサ240から加速度データを取得する(ステップS1)。
【0046】
指示提示部212は、ステップS1で取得された加速度データが表すスマートフォン200の姿勢を考慮し、変化後の姿勢が現在の姿勢と異なる姿勢になるように、「傾けて下さい」というメッセージと、傾ける方向を示す矢印222とをディスプレイ220に表示する(ステップS2)。
【0047】
主制御部211は、指示提示部212によってメッセージと矢印222とがディスプレイ220に表示されると、加速度センサ240から加速度データを取得する(ステップS3)。
【0048】
判定部213は、ステップS3で取得された加速度データに基づいて、メッセージに従ってスマートフォン200の姿勢が変更されたかどうかを判定する(ステップS4)。
【0049】
判定部213は、メッセージに従って(正しく)姿勢が変更された(S4:YES)と判定すると、ディスプレイ220に「OK」のメッセージを表示する(ステップS5)。
【0050】
次いで、主制御部211は、メッセージに従って姿勢が変更されたことを表す判定部213の判定結果を車両10に通知する(ステップS6)。この結果、判定結果は、通信部250から車両10の通信部13に送信され、ECU100の自動運転許可部130が自動駐車ECU20による自動駐車を許可し、自動駐車ECU20による自動駐車が続行可能な状態になる。
【0051】
主制御部211は、ステップS6の処理が終了すると、処理を終了するかどうかを判定する(ステップS7)。処理を終了するのは、スマートフォン200に対して自動駐車の処理を終了するための操作が行われた場合である。
【0052】
主制御部211は、処理を終了しない(S7:NO)と判定すると、フローをステップS1にリターンさせる。この結果、ステップS1から処理が繰り返し実行される。例えば、図2(B)で「OK」になった後に、図2(C)の状態に遷移する場合に相当する。
【0053】
一方、主制御部211は、処理を終了させる(S7:YES)と判定すると、一連の処理を終了する(エンド)。
【0054】
また、ステップS4において、判定部213がメッセージに従って(正しく)姿勢が変更されていない(S4:NO)と判定すると、判定部213は、ディスプレイ220に「処理中止」のメッセージを表示する(ステップS8)。
【0055】
次いで、主制御部211は、メッセージに従って姿勢が変更されていないことを表す判定部213の判定結果を車両10に通知する(ステップS9)。この結果、判定結果は、通信部250から車両10の通信部13に送信され、ECU100の自動運転許可部130が自動駐車ECU20による自動駐車を許可しない状態になり、自動駐車ECU20による自動駐車が続行できない状態になる。以上で一連の処理が終了する。
【0056】
以上のように、ディスプレイ220に表示されるメッセージと矢印222とに従ってスマートフォン200を傾けて姿勢を正しく変化させれば、自動駐車を続行可能な状態になる。この際に、ディスプレイ220へのタッチ操作は必要なく、スマートフォン200を所望の方向に傾けるだけでよい。このような操作は非常に簡単であり、片手で行うことができる。
【0057】
したがって、車両10に自動駐車を行わせるためのスマートフォン200の操作が容易な自動駐車支援システム300を提供することができる。
【0058】
スマートフォン200のディスプレイ220にタッチ操作を行うには、片手では困難で両手が必要な場合もある。また、例えば、手で荷物を持っているとき、降雨のため手で傘を差しているとき、寒冷時で手が悴んでいるとき等には、ディスプレイ220にタッチ操作を行うことは困難である。
【0059】
これに対して、実施の形態では、ディスプレイ220へのタッチ操作は必要なく、スマートフォン200を所望の方向に傾けるだけでよいため、利用者の負担は軽く、例えば、手で荷物を持っているとき、降雨のため手で傘を差しているとき、寒冷時で手が悴んでいるとき等においても、容易に操作することができる自動駐車支援システム300を提供することができる。
【0060】
なお、以上では、判定部213が、指示提示部212によって生成される指示内容と、加速度センサ240によって検出されるスマートフォン200の姿勢とに基づいて、指示提示部212によってディスプレイ220に提示される指示内容に従ってスマートフォン200の姿勢が変更されたかどうかを判定する形態について説明した。
【0061】
しかしながら、加速度センサ240によって検出されるスマートフォン200の姿勢の代わりに、カメラ260で取得した周囲の風景を表す画像を処理することによって検出されるスマートフォン200の姿勢を用いてもよい。
【0062】
また、以上では、矢印221が真下の方向(地面がある方向)を向くように利用者がスマートフォン200を傾ければ、判定部213はメッセージに従ってスマートフォン200の姿勢が変更されたと判定する形態について説明した。
【0063】
しかしながら、矢印221の向け方はこのような形態に限られるものではなく、どのような方向であってもよい。
【0064】
また、以上では、矢印221をディスプレイ220に表示させる形態について説明したが、図4のようにしてもよい。図4は、実施の形態の変形例におけるスマートフォン200のディスプレイ220に表示される指示内容と、姿勢を変化させる操作とを説明する図である。
【0065】
図4(A)~図4(F)では、矢印222を表示し、矢印221(図2参照)は表示しない。このため、利用者は「傾けて下さい」のメッセージと矢印222に従ってスマートフォン200を所望の方向に傾けることになる。ディスプレイ220への表示は、このような形態であってもよい。矢印221(図2参照)を表示しないため、メッセージと矢印222をより大きく表示することができる。
【0066】
図5は、実施の形態の変形例によるスマートフォン200の利用形態を示す図である。図5(A)では、スマートフォン200を傾ける方向を矢印222及びメッセージ(「右に傾けて下さい」)とともに音声("右に傾けて下さい")で案内している。このように、利用者にスマートフォン200の姿勢を変化させるための指示内容を矢印222、メッセージ、及び音声案内で伝達してもよい。矢印222及びメッセージでの指示内容の生成は、指示提示部212が行ってディスプレイ220に表示させればよく、音声案内での指示内容の生成は、指示提示部212が行ってスピーカ230に出力させればよい。なお、ディスプレイ220における矢印222及び/又はメッセージを省いてもよい。
【0067】
図5(B)では、スマートフォン200のディスプレイ220の表示色が変化したときに、利用者にスマートフォン200の姿勢を変化させることを求めている。このように、利用者にスマートフォン200の姿勢を変化させるための指示内容をディスプレイ220の表示の変化で伝達してもよい。
【0068】
図5(C)では、利用者がスマートフォン200を振ることによって姿勢の変化を生じさせるために、「振って下さい」というメッセージと、スマートフォン200の振動素子223を振動させることによる振動とで案内している。すなわち、メッセージと振動とが利用者にスマートフォン200を振らせるという指示内容を表している。なお、振動素子223は、一例としてピエゾ素子であり、ディスプレイ220の裏側に設けられている。
【0069】
利用者は、スマートフォン200が振動したときに、スマートフォン200の姿勢を変化させるためにスマートフォン200を振ればよい。なお、ディスプレイ220におけるメッセージを省いてもよい。
【0070】
図5(D)では、車両10のヘッドライト15が点滅したときに、利用者にスマートフォン200を振ることを求めている。このように、車両10のヘッドライト15が点滅を利用して、利用者にスマートフォン200の姿勢を変化させるための指示内容を伝達してもよい。すなわち、車両10のヘッドライト15の点滅が利用者にスマートフォン200を振らせるという指示内容を表している。なお、ヘッドライト15の代わりに、又は、ヘッドライト15に加えて、クラクション等の音を利用してもよい。
【0071】
以上、本発明の例示的な実施の形態の自動駐車支援システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
10 車両
13 通信部
100 ECU
130 自動運転許可部
200 スマートフォン
212 指示提示部
213 判定部
300 自動駐車支援システム
図1
図2
図3
図4
図5