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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174352
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/00 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
H01H25/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2019195904
(22)【出願日】2019-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120204
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 巌
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(72)【発明者】
【氏名】牛来 栄人
(72)【発明者】
【氏名】沼田 哲
(72)【発明者】
【氏名】日下 昭宏
(72)【発明者】
【氏名】木村 駿介
(72)【発明者】
【氏名】小山 礼史
【テーマコード(参考)】
5G031
【Fターム(参考)】
5G031AS10H
5G031AS10J
5G031AS31H
5G031AS31J
5G031CS01J
5G031CS01N
5G031CS04H
5G031HS17
5G031HU03
5G031HU41
5G031HU96
5G031JS02
5G031KS03
5G031KS56
(57)【要約】
【課題】スイッチ操作体を横方向に押圧操作する際に、操作ストロークと押圧力を適切に設定でき、良好な操作性を確保することができるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】接点構造13及び第1操作軸11を有するスイッチユニット10と、第1操作軸11に接触する接触部27が設けられた第2フランジ部25及び第2操作軸22と、第2フランジ部25の上側面25aに係合する係合部43を有した保持部材40と、保持部材40が挿入されるスイッチ操作体30と、を備え、スイッチ操作体30に横方向の押圧力F2が加わったときに、第2フランジ部25と係合部43との第2当接部43aが支点となって第2操作軸22が回動し、第2操作軸22の回動に伴って第1操作軸11が回動することで、接点構造13が電気的に導通する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接点構造と、前記接点構造を動作させる操作部材とを有するスイッチ装置において、
前記操作部材は、前記接点構造を動作させる第1操作軸と操作力を受ける第2操作軸とを少なくとも含む複数の操作軸とから構成されており、
前記第2操作軸に倒れ方向の操作力が与えられたときに、前記第2操作軸が倒れ動作することで前記第1操作軸が倒れ動作し、前記接点構造が動作させられることを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記第2操作軸をほぼ軸方向に押圧する操作力が作用したときに、その操作力により前記第1操作軸がほぼ軸方向に移動して、前記接点構造が動作させられる請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記第1操作軸と前記第2操作軸とが軸方向に並んで接しており、前記第2操作軸が倒れ動作したときに、その倒れ力を受けて前記第1操作軸が倒れ動作する請求項1または2記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記第2操作軸が第2フランジ部を有し、前記第2操作軸は、第2固定側支持部と前記第2フランジ部との第2当接部を支点として倒れ動作し、前記第1操作軸が第1フランジ部を有し、前記第1操作軸は、第1固定側支持部と前記第1フランジ部との間の第1当接部を支点として倒れ動作する請求項3記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記第1操作軸は、前記第1当接部を挟んで接点構造側に、前記接点構造を押圧する接点押圧部を有し、第2操作軸側に被押圧部を有し、
前記第2操作軸には、前記第2当接部を挟んで第1操作軸側に前記被押圧部を押圧する連結押圧部が設けられ、操作側に操作力を受ける被操作部が設けられている請求項4記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記第1操作軸の倒れ動作に応じて、前記第1動作軸の倒れ動作の支点が、接点押圧部と可動接点との接点当接部から前記第1当接部に変化する請求項4または5記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記第1操作軸と前記第2操作軸が、互いに異なる向きに倒れ動作する請求項2ないし6のいずれかに記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記第1操作軸と前記第2操作軸が、互いに同じ向きに倒れ動作する請求項2ないし6のいずれかに記載のスイッチ装置。
【請求項9】
操作力が作用していない初期状態で、前記第1操作軸の軸線と前記第2操作軸の軸線とが、互いに非平行な線上に位置している請求項2ないし8のいずれかに記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関し、特に、垂直方向及び横方向のいずれの方向に操作してもスイッチ入力可能なスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、垂直方向及び横方向のいずれの方向に操作してもスイッチ入力可能なスイッチ装置が知られている。このような釦スイッチ装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された多方向操作スイッチ900を図14に示す。
【0003】
多方向操作スイッチ900は、図14に示すように、上方開口部が方形で、底面に中心固定接点933、外側固定接点934及びその角部に周辺固定接点935~938を配した樹脂製のケース931に、円形ドーム状可動接点945を外側固定接点934に当接状態に装着する。そして、この上方に配されたフランジ部946B下面に接触片947を備えた操作体946の軸部946Aを押圧操作して中心固定接点933と外側固定接点934との間を、また傾倒操作して円形ドーム状可動接点945を反転させつつ周辺固定接点935~938の隣接するいずれか二つの間をスイッチングさせるように構成されている。
【0004】
このような構成によって、操作体の押圧および傾倒操作のいずれの場合においても、一つの円形ドーム状可動接点を反転させて節度感を得ながら所定のスイッチングを行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-035319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、多方向操作スイッチ900では、操作体946と操作つまみ948とが一体となって、1つのスイッチ操作体となっていると共に、操作体946が円形ドーム状可動接点945を直接押圧する形態となっている。そのため、操作つまみ948を垂直方向に操作する場合は問題ないが、操作つまみ948を横方向から操作しようとした場合、操作つまみ948に加えられた横方向への操作力が円形ドーム状可動接点945を押圧するための押圧力に変換されにくく、円形ドーム状可動接点945を押圧し辛くなっていた。
【0007】
操作つまみ948の横方向への軽い操作力で円形ドーム状可動接点945を動作させるためには、操作体946を軸方向へ長くすることが必要になるが、操作体946の軸方向の寸法を長くすると、横方向へ押圧したときの操作体946の倒れ角度が大きくなり、横方向へ操作ストロークが大きくなる問題が生じる。
【0008】
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、スイッチ操作体を軸方向に長くできるようにして横方向に押圧操作する際の操作性を向上し、また横方向への操作ストロークが大きくなるのを抑制することができるスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、接点構造と、前記接点構造を動作させる操作部材とを有するスイッチ装置において、
前記操作部材は、前記接点構造を動作させる第1操作軸と外部からの操作力を受ける第2操作軸とを少なくとも含む複数の操作軸とから構成されており、
前記第2操作軸に倒れ方向の操作力が与えられたときに、個々の前記操作軸が連動して、前記第1操作軸が倒れ動作し、前記接点構造が動作させられることを特徴とするものである。
【0010】
本発明のスイッチ装置は、前記第2操作軸をほぼ軸方向に押圧する操作力が作用したときに、その操作力により前記第1操作軸がほぼ軸方向に移動して、前記接点構造が動作させられるものである。
【0011】
本発明のスイッチ装置は、前記第1操作軸と前記第2操作軸とが軸方向に並んで接しており、前記第2操作軸が倒れ動作したときに、その倒れ力を受けて前記第1操作軸が倒れ動作するものとして構成できる。
【0012】
本発明のスイッチ装置は、前記第2操作軸が第2フランジ部を有し、前記第2操作軸は、第2固定側支持部と前記第2フランジ部との第2当接部を支点として倒れ動作し、前記第1操作軸が第1フランジ部を有し、前記第1操作軸は、第2固定側支持部と前記第1フランジ部との間の第1当接部を支点として倒れ動作する。
【0013】
本発明のスイッチ装置は、前記第1操作軸は、前記第1当接部を挟んで接点構造側に、前記接点構造を押圧する接点押圧部を有し、第2操作軸側に被押圧部を有し、
前記第2操作軸には、前記第2当接部を挟んで第1操作軸側に前記被押圧部を押圧する連結押圧部が設けられ、操作側に操作力を受ける被操作部が設けられている
ものとなる。
【0014】
本発明のスイッチ装置は、前記第1操作軸の倒れ動作に応じて、前記第1動作軸の倒れ動作の支点が、接点押圧部と可動接点との接点当接部から前記第1当接部に変化するものであってもよい。
【0015】
本発明のスイッチ装置は、前記第1操作軸と前記第2操作軸が、互いに異なる向きに倒れ動作するものである。
あるいは、前記第1操作軸と前記第2操作軸が、互いに同じ向きに倒れ動作するものである。
【0016】
本発明のスイッチ装置は、操作力が作用していない初期状態で、前記第1操作軸の軸線と前記第2操作軸の軸線とが、互いに非平行な線上に位置しているものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のスイッチ装置は、操作体が複数の操作軸に分割されており、横方向の操作力が与えられて、第2操作軸が傾き動作したときに、その傾き力が個々の操作軸に伝達されて、第1操作軸が傾き、第1操作軸によって接点構造が動作させられる。そのため、操作体の軸方向の寸法が長くても、接点構造を動作させるために必要となる横方向への操作ストロークが過大になるのを防止できる。そのため、操作しやすく、しかも接点構造を確実に動作させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態におけるスイッチ装置の分解斜視図である。
図2】スイッチ装置の斜視図である。
図3】スイッチ装置の内部構造を示す透視斜視図である。
図4】スイッチユニットと操作部材とを示す斜視図である。
図5】スイッチユニットの拡大断面図である。
図6】スイッチ装置に操作力が作用していない初期状態を示す断面図である。
図7】スイッチ装置を垂直方向に操作した操作後の断面図である。
図8】スイッチ装置を横方向に操作した操作後の断面図である。
図9】スイッチ装置を横方向に操作した際の第1操作軸と第2操作軸との関係を示す拡大模式図である。
図10】第1変形例のスイッチ装置を横方向に操作した操作後の断面図である。
図11】第1変形例のスイッチ装置を横方向に操作した際の第1操作軸と第2操作軸との関係を示す拡大模式図である。
図12】第2変形例のスイッチ装置の断面図である。
図13】第3変形例のスイッチ装置の断面図である。
図14】従来例に係る多方向操作スイッチの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
以下、本発明のスイッチ装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明のスイッチ装置は、例えば、手に持って操作する操作機器等に組み込まれる小型のスイッチ装置である。特に、スイッチ操作体を目視で確認しない状態でも操作することができ、スイッチ操作体を垂直方向及び横方向のいずれの方向に操作しても接点構造を動作させることができるスイッチ装置として用いられる。尚、本発明のスイッチ装置の用途については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。また、本明細書では、特に断りの無い限り、各図面のX1側を右側、X2側を左側、Z1側を上側、Z2側を下側として説明する。
【0020】
最初に、図1ないし図4を参照して、スイッチ装置100の全体の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態におけるスイッチ装置100の分解斜視図であり、図2は、スイッチ装置100の斜視図である。また、図3は、スイッチ装置100の内部構造を示す斜視図であり、図4は、スイッチユニット10と操作部材20とを示す斜視図である。
【0021】
図1に示すように、スイッチ装置100は、基台55と、ケース50と、フレキシブル基板17と、スイッチユニット10と、保持部材40と、操作部材20と、スイッチ操作体30と、を備えて構成されている。
【0022】
スイッチ装置100では、図2に示すように、平坦な上面を有する基台55の上に、中央に大きな平面視円形の開口50aを有したケース50が固定されている。ケース50の開口50a内にスイッチ操作体30が配設され、その上部が上方向に突出した形状となっている。スイッチ装置100は、スイッチ操作体30を押圧操作することによってスイッチ動作が行なわれる。スイッチ操作体30は垂直方向(Z方向:各操作軸のほぼ軸方向)に操作可能であると共に、横方向、即ち垂直方向とは異なるいずれの方向(操作軸の倒れ動作方向)に操作しても操作可能に構成されている。
【0023】
基台55およびケース50は、平面視矩形状に形成され、硬質の合成樹脂材料などの耐久性に優れた材料で形成されている。なお、ケース50の形状は、矩形状でなく、手で把持し易いように丸みを帯びた形状に形成されていても良い。スイッチ操作体30は、手になじみ易いように、弾性を有するシリコンゴムなどで形成される。また、スイッチ操作体30は、上側端が閉塞され、下側端が開放された筒状に形成されており、その内部が他の部材を収納するための収納域35(図3図6参照)となっている。
【0024】
図3図6に示すように、スイッチ操作体30の収納域35内に、基台55上に保持部材40が配設され、その内部にスイッチユニット10が配設されている。保持部材40の上方には、操作部材20を構成する第2操作軸22の被操作部が突出している。
【0025】
保持部材40は、その内部に配設されたスイッチユニット10を保持すると共に、第2操作軸22との間で第2当接部を形成するために設けられている。保持部材40は、合成樹脂材料で形成されており、上方向及び下方向に開口を有している。保持部材40は、基台55上に載置される平面視円形の台座部49と、台座部49の上方に突出するように形成された筒状の保持部41と、保持部41の上方に突出して形成された、保持部41より直径の小さい筒状の係合部43とで形成されている。保持部材40の上部の係合部43が、第2操作軸22との間で第2当接部を形成する「第2固定側支持部」となっている。
【0026】
保持部材40の保持部41には、直方体形状に形成されたスイッチユニット10のスイッチ本体15(図4参照)を保持するために、内部に直方体形状に形成された保持空間41aが形成されている。保持部41のスイッチユニット10の外側の4つの角部に相当する部分には、スイッチユニット10の4つの角部が露出する開口が設けられている。また、保持部41の上側の内部及び係合部43の内部には、第1操作軸11(図4参照)及び第2操作軸22を収納するための円筒状の空域が形成されている。
【0027】
スイッチユニット10は、図4に示すように、前述した直方体形状に形成されたスイッチ本体15と、スイッチ本体15より上方向に突出した円柱状の第1操作軸11と、を有して形成されている。第1操作軸11は操作部材20の一部を構成している。すなわち、操作部材20は、第1操作軸11と第2操作軸22とから構成されている。なお、本発明では、操作部材20が、第1操作軸11と第2操作軸22および両操作軸11,22の間に挟まれた他の操作軸で構成されていてもよい。
【0028】
スイッチユニット10は、基台55上にフレキシブル基板17を介して載置され、取り付けられている。スイッチ本体15は、筐体と第1操作軸11が、合成樹脂材料で形成されている。スイッチ本体15には、下方向に延びる4本の導電性を有する金属で形成された接続端子19が設けられている。接続端子は、フレキシブル基板17の表面のランド部に導通されている。
【0029】
図4図6に示すように、操作部材20を構成する第1操作軸11と第2操作軸22は軸方向に並んで配置されており、第1操作軸11の上端部と第2操作軸22の下端部は互いに接している。第2作軸22の下側の下端部には第2フランジ部25が形成され、第2フランジ部25は第2操作軸22の本体部分よりも大きな直径を有している。第2操作軸22の上端部22aは、平面視円形に形成された平坦な面となっている。
【0030】
次に、図5及び図6を参照して、スイッチ装置100の詳細な構造について説明する。図5は、スイッチユニット10の、図2におけるA-A線から見た拡大断面図であり、図6は、スイッチ装置100の操作前の、図2におけるA-A線から見た断面図である。
【0031】
スイッチユニット10は、スイッチ本体15と、操作部材20の一部である第1操作軸11と、上部筐体16とを有して形成されている。第1操作軸11は、上部筐体16に形成された穴部を通じて上方へ突出している。スイッチ本体15の上部筐体16が、第1操作軸11との間で第1当接部を形成する「第1固定側支持部」となっている。
【0032】
スイッチ本体15の内部には、図5に示すように、スイッチ機構空間15aが、平面視円形形状に形成されており、周囲を壁面で取り囲まれていると共に、その下面が平坦な底面15bとなっている。なお、スイッチ機構空間15aは、平面視円形形状でなく、平面視正方形形状等の正多角形形状に形成されていても良い。上部筐体16は、スイッチ本体15の上側で、スイッチ機構空間15aを覆うように取り付けられている。
【0033】
スイッチ機構空間15aの内部には接点構造13が設けられている。接点構造13は、可動接点13aと第1固定接点13bと第2固定接点13cと第2固定接点13dとで構成されている。図5に示すように、可動接点13aは、上方へドーム状に突き出た形状で形成されていて、バネ性を有した導電性の金属から成る。可動接点13aは、スイッチ形成穴15a内の底面15bに載置され、スイッチ形成穴15aの周囲の壁面によって支持されている。
【0034】
第1固定接点13b、第2固定接点13c、及び第2固定接点13dは、導電性の金属から成り、スイッチ形成穴15a内の底面15bに設けられている。第1固定接点13bは、底面15bの中央に配置され、第2固定接点13cおよび第2固定接点13dは、底面15bの壁面側に配置される。第2固定接点13cと第2固定接点13dとは、電気的に接続されている。また、上述した可動接点13aの端部は、第2固定接点13cと第2固定接点13dとに常に接触するように配設されている。
【0035】
第2固定接点13cまたは第2固定接点13dと、第1固定接点13bは、それぞれ接続端子19に接続されている。接続端子19は、スイッチ装置100が組み込まれる操作機器の本体内部に設けられる回路に、前記フレキシブル基板17の導体層を通じて接続される。
【0036】
スイッチ本体15のスイッチ機構空間15aの上部には、第1操作軸11がスイッチ本体15の上面より上方向に突出して設けられている。スイッチユニット10では、垂直方向の押圧力及び横方向の押圧力のいずれの押圧力によっても第1操作軸11が変位し、この第1操作軸11が変位することにより上述した接点構造13が電気的に導通し、接点構造13が動作状態となる。すなわち、第1固定接点13b、第2固定接点13c、及び第2固定接点13dそれぞれが、同時に可動接点13aに接触し、第1固定接点13bと第2固定接点13c及び第2固定接点13dとが導通する。また、第1操作軸11への押圧力が解除されると第1操作軸11が元の位置に復帰する。
【0037】
第1操作軸11は、円柱状に形成されており、その上側の上端部が平坦な面を有する上面11aとなっており、その上面11aの周囲から下方向に延在して側面11bが形成されている。また、第1操作軸11の上面11aと側面11bの境界部分が縁部11cである。第1操作軸11は、縁部11cまたは上面11aが、第2操作軸22に動作により押圧力を受ける「被押圧部」となる。
【0038】
第1操作軸11には、その下側に第1フランジ部11eが形成されている。第1操作軸11は、第1フランジ部11eの上側の面であるフランジ上側面11fが、上部筐体16の下側の面に当接するように配設されている。第1操作軸11の第1フランジ部11eと上部筐体16の下側の面との間に第1当接部を形成できるようになっている。
【0039】
第1フランジ部11eの下側の中央には、接点押圧部11dが設けられている。接点押圧部11dは、下方向に向かって突出した半球状に形成されており、接点押圧部11dの下端は、スイッチ形成穴15a内に取り付けられている可動接点13aの中央部に当接している。第1操作軸11の当初の倒れ動作では、接点押圧部11dと可動接点13aとの当接部が接点当接部となって、第1操作軸11が倒れ動作する。第1操作軸11は、前記第1当接部を挟んで接点構造側に、接点構造を押圧する接点押圧部11dを有し、第2操作軸側に被押圧部を有している。また、第2操作軸22には、第2当接部43aを挟んで第1操作軸側に被押圧部を押圧する連結押圧部が設けられ、操作側に操作力を受ける被操作部が設けられている
【0040】
図6に示すように、スイッチ装置100において、基台55上に載置されたスイッチユニット10の第1操作軸11の上に、前記第2操作軸22が配設されている。第2操作軸22の下側の第2フランジ部25の下面には、第1操作軸11に接触する接触部27が設けられている。この接触部27が、第1操作軸11に力を与える「連結押圧部」となっている。
【0041】
スイッチユニット10のスイッチ本体15は、保持部材40の保持部41内に収められ保持されている。また、スイッチユニット10の第1操作軸11の上に配設されている第2操作軸22の第2フランジ部25の上側面25aは、保持部材40の上部に設けられた係合部43に係止している。スイッチ本体15が保持部41内に保持され、第2フランジ部25の上側面25aが係合部43によって係止しているため、図6に示すように、押圧操作される前の初期状態においては、操作部材20を構成する第1操作軸11と第2操作軸22が、保持部材40によって静止状態で支持されている。
【0042】
ケース50には、スイッチ操作体30がケース50に取り付けられた際にスイッチ操作体30を支持する段差部50bが設けられている。また、スイッチ操作体30には、ケース50の段差部50b上に当接する当接部30aが設けられている。このように、ケース50に段差部50bを設けると共に、スイッチ操作体30に当接部30aを設けることにより、スイッチ操作体30が、どの方向に押圧操作されたとしても、スイッチ操作体30をケース50によって強固に支持することができる。
【0043】
また、スイッチ操作体30の脚部30bは、保持部材40の周囲を囲むように配設されるので、スイッチ操作体30を操作する際に、安定した状態で操作を行なうことができる。
【0044】
スイッチ操作体30は、その内部に操作部材20の第2操作軸22の上側部22bに係合する凹部31を有しており、スイッチ操作体30は、第2操作軸22を覆うように配設される。第2操作軸22の上側の上側部22bが、スイッチ操作体30から操作力を受ける「被操作部」となっている。凹部31は、その内側面の形状が方形となっている。凹部31は、スイッチ操作体30が押圧操作される前の状態において、スイッチ操作体30の凹部31を形成している天井部と第2操作軸22の上端部22a、及び凹部31を形成している壁部と第2操作軸22の側面部22cとは当接しておらず、その間にわずかな隙間を有している。
【0045】
凹部31は、その内部に第2操作軸22の上側部22bが挿入されている状態でスイッチ操作体30が押圧操作された際に、第2操作軸22の上端部22aまたは側面部22cが凹部31に当接し凹部31内で上側部22bが係止するので、スイッチ操作体30に掛かった押圧力を第2操作軸22に確実に伝えることができる。
【0046】
スイッチユニット10および操作部材20を保持した保持部材40は、スイッチ操作体30の収納域35内に収納される。尚、スイッチ操作体30の下端部30cは、保持部材40の台座部49の上側の面に当接する。
【0047】
次に、図5ないし図9を参照して、スイッチ装置100の、操作時の動作について説明する。図7は、スイッチ装置100を垂直方向(操作軸のほぼ軸方向)に操作した操作後の、図2におけるA-A線から見た断面図であり、図8は、スイッチ装置100を横方向(操作軸の倒れ方向)に操作した操作後の図2におけるA-A線から見た断面図である。また、図9は、スイッチ装置100を横方向に操作した際の第1操作軸11と第2操作軸22との関係を示す拡大模式図である。
【0048】
スイッチ操作体30に操作力が作用していない初期状態では、第1操作軸11と第2操作軸22は、それぞれの軸線が中心線Oaに一致し、可動接点13aの弾性復元力により、第1操作軸11と第2操作軸22が、Z1方向に移動して安定している。
【0049】
図7に示すように、スイッチ装置100において、スイッチ操作体30に対し上方から下方へ垂直方向の押圧力F1が加わったときには、第2操作軸22の上端部22aが押圧され、操作部材20が下方向に変位し、操作部材20の27を介してスイッチユニット10の第1操作軸11を下方向に押圧することにより接点構造13が動作状態となって接点間が電気的に導通する。
【0050】
スイッチ操作体30に上方から下方へ垂直方向の押圧力F1が加わったときは、スイッチユニット10内の接点構造13において、図5に示す第1操作軸11の接点押圧部11dが可動接点13aを押圧し、押圧された可動接点13aが変形して、第1固定接点13b、第2固定接点13c、及び第2固定接点13dそれぞれに接触する。その結果、第1固定接点13bと第2固定接点13c及び第2固定接点13dとが導通し、スイッチ装置100が導通状態となる。
【0051】
このとき、図7に示すように、操作部材20の第2フランジ部25の上側面25aは、保持部材40の係合部43から離間して、係合部43に係止していない状態となる。このとき、スイッチユニット10の第1操作軸11と第2操作軸22は、上下方向から受ける圧力によって支持された状態となる。
【0052】
次に、スイッチ装置100において、図8に示すように、スイッチ操作体30に横方向の押圧力F2が加わったときは、押圧力F2が第2操作軸22を介してスイッチユニット10の第1操作軸11に伝わり、第1操作軸11が倒れ動作して、接点構造13が電気的に導通する。
【0053】
詳細に説明すると、スイッチ操作体30に横方向の押圧力F2が加わったとき、例えば、X2方向から押圧力F2が加わったときに、図9に示すように、第2操作軸22の上側部22bすなわち被操作部の側面部22cが押圧され、第2操作軸22の軸線O2が右方向へ傾く。第2操作軸22が右方向へ倒れ動作する際に、第2操作軸22における第2フランジ部25の上側面25aの端部と保持部材40の係合部(第2固定側支持部)43とが第2当接部43aとなる。第2操作軸22の右方向への回動(軸線O2の倒れ動作)は、第2当接部43aが支点となって行われる。
【0054】
第2操作軸22が右方向へ倒れる前は、図6に示すように、第2操作軸22の接触部27の大部分が第1操作軸11の上面11aに当接していたが、第2操作軸22が右方向へ倒れると、図8図9に示すように、第2操作軸22の接触部27と第1操作軸11との当接位置が、接触部27の右側方向へ移動し、接触部27が第1操作軸11の縁部11cと当接する。
【0055】
接触部27と縁部11cとが当接した状態で、さらにスイッチ操作体30へ横方向の押圧力F2が加わると、接触部27が第1操作軸11の縁部11cを横押しし、第1操作軸11は、軸線O1が左方向へ倒れるようにして回動する。第1操作軸11が左方向へ回動する際に、当初は、第1操作軸11は、接点押圧部11dと可動接点13aとの当接部が接点当接部となり、この接点当接部を支点として倒れ動作する。さらに第1操作軸11が倒れていくと、第1操作軸11における第1フランジ部11eの、図9における右側(X1側)のフランジ上側面11fの端部と、スイッチ本体15の上側の上部筐体16の下面との当接部が第1当接部16aとなり、第1操作軸11は第1当接部16aを支点として倒れ動作する。このように、第1操作軸11が倒れ動作するときに、支点の位置が、接点当接部から第1当接部へ変化する。
【0056】
なお、操作の仕方や各部材の寸法の関係によっては、第1操作軸11が、接点押圧部11dと可動接点13agとの当接部である接点当接部のみを支点として倒れ動作し、その後、フランジ上側面11fと上部筐体16とが当接するに至らないこともある。
【0057】
第2操作軸22の回動に伴って第1操作軸11が倒れ動作すると、図8に示すように、第1操作軸11が左に傾斜した状態で、接点押圧部11dが可動接点13aを変形させ、接点構造13が電気的に導通する。接点構造13内における導通に関する動作は、上述したスイッチ操作体30に垂直方向の押圧力F1が加わった場合と同様である。
【0058】
スイッチ操作体30にX2方向、即ち水平方向から押圧力F2が加わった場合以外の、例えば、左側斜め方向から押圧力F2が加わった場合であっても、スイッチ装置100内における動作は、上述したX2方向から押圧力F2が加わった場合と同様である。なお、横押し構造を有したスイッチユニットとしては、上述した構造以外の横押し構造を有したものであっても良い。
【0059】
このように、スイッチ操作体30を横方向へ押圧する際に、操作部材20の第2フランジ部25と保持部材40の係合部43との第2当接部43aが支点となって第2操作軸22が回動すると共に、第1操作軸11は、当初は接点押圧部11dと可動接点13aとの接点当接部が支点となり、その後は第1フランジ部11eと上部筐体16の下側の面との第1当接部16aが支点となって第1操作軸11が左方向へ回動し、スイッチユニット10内の接点構造13が導通する。このように構成されているので、横方向への小さな操作ストロークと適切な押圧力とによってスイッチ装置100を操作することが可能となる。
【0060】
また、スイッチ操作体30を横方向へ押圧する際の操作ストロークや第1操作軸11の下端から第2操作軸22の上端までの長さを、第1操作軸11及び第2操作軸22それぞれの長さや係合部43の位置によって容易に調整することができる。そのため、横方向への操作ストロークとスイッチ操作体30の高さとを個別に調整することができる。その結果、それぞれを最適化することによって良好な操作性を確保することが可能となる。
【0061】
[第1変形例の実施形態]
次に、図6図7図10及び図11を参照して、本実施形態の第1変形例であるスイッチ装置110の構成について説明する。図10は、スイッチ装置110を横方向に操作した操作後の断面図であり、図11は、スイッチ装置110を横方向に操作した際の第1操作軸11と第2操作軸22との関係を示す拡大模式図である。
【0062】
スイッチ装置110の構成とスイッチ装置100の構成とは、図6に示すように、基本的に同一である。そのため、スイッチ装置110の構成については、その説明を省略する。また、各構成部品に対する符号は、スイッチ装置100の各構成部品に対する符号をそのまま使用する。
【0063】
スイッチ装置110において、スイッチ操作体30に対し上方から下方へ垂直方向の押圧力F1が加わったときには、スイッチ装置100と同様、図7に示すように、第2操作軸22の上端部22aが押圧され、操作部材20が下方向に変位し、操作部材20の接触部27を介してスイッチユニット10の第1操作軸11を下方向に押圧することにより接点構造13が電気的に導通する。この時の接点構造13における動作は、スイッチ装置100と同様であるので、その説明を省略する。
【0064】
次に、スイッチ装置110において、図10に示すように、スイッチ操作体30に横方向の押圧力F2が加わったときは、押圧力F2が第2操作軸22を介してスイッチユニット10の第1操作軸11に伝わり、第1操作軸11を押圧することで、接点構造13が電気的に導通する。
【0065】
詳細に説明すると、スイッチ操作体30に横方向の押圧力F2が加わったとき、例えば、X2方向から押圧力F2が加わったときに、図11に示すように、第2操作軸22の被操作部である上端部22aの側面部22cが押圧され、第2操作軸22が右方向へ倒れる。第2操作軸22が右方向へ倒れ動作する際に、第1操作軸22における第2フランジ部25の上側面25aの端部と保持部材40の係合部43との第2当接部43aが支点となって、第2操作軸22の軸線O2が右方向に向けて傾く。
【0066】
第2操作軸22が右方向へ回動する前においては、図6に示すように、第2操作軸22の接触部27の大部分が第1操作軸11の上面11aに当接していたが、第2操作軸22が右方向へ回動すると、図10及び図11に示すように、第2操作軸22の接触部(連結押圧部)27と第1操作軸11の上面(被押圧部)11aとの当接位置が、接触部27の右側方向へ移動し、接触部27の略半分に相当する右側(X1側)部分の領域が第1操作軸11の上面11aと当接する。
【0067】
図8に示したときのスイッチ装置100とは異なり、図10図11では、第2操作軸22の接触部27と第1操作軸11の上面11aとの面どうしが当接する。図8に示したスイッチ装置100では、第2操作軸22が右方向へ回動したときに、第1操作軸11の上面11aの大部分が第2操作軸22の接触部27から離間して、縁部11cだけが接触部27に当接していた。しかし、図10図11に示すスイッチ装置110では、第2操作軸22の接触部27と第1操作軸11の上面11aとが密着し易くなっているため、第2操作軸22が右方向へ回動したときに、第1操作軸11の上面11aが第2操作軸22の接触部27から離間しにくくなっている。そのため、第1操作軸11の上面11aが右方向に平行移動した状態で、第1操作軸11は軸線O1が第2操作軸22の軸線O2の傾きと同じ向きに動作する構成となっている。
【0068】
図8に示すスイッチ装置100と図10に示すスイッチ装置110との動作の違いは、主に第1操作軸11の上面11aの大きさに依存する。図8に示すスイッチ装置100での上面11aの面積を、図10に示す上面11aの面積よりもかなり小さくすることで、前記動作の違いが生じる。あるいは、第2操作軸22の接触部27と第1操作軸11の上面11aとの間の摩擦力の差によっても動作の違いが生じる。スイッチ装置110のような動作を実現させるためには、釦スイッチ装置110の第2操作軸22の接触部27と第1操作軸11の上面11aとの間の摩擦係数を、接触部27と第1操作軸11の上面11aとが適切な密着性を有するような摩擦係数に設定すれば良い。逆に、スイッチ装置100では、第2操作軸22の接触部27と第1操作軸11の上面11aとの間の摩擦係数を、接触部27と第1操作軸11の上面11aとが密着しないような摩擦係数に設定すれば良い。
【0069】
第2操作軸22の接触部27と第1操作軸11の上面11aとが当接した状態で、スイッチ操作体30へ横方向の押圧力F2が更に加わると、第1操作軸11が第2操作軸22と一体となって右方向へ倒れ動作する。第1操作軸11が右方向へ倒れ動作する際に、当初は、接点押圧部11dと可動接点13aとの接点当接部が支点となり、第1操作軸11が接点当接部を支点として傾き動作する。その後は、第1操作軸11における第1フランジ部11eの、図11における左側(X2側)のフランジ上側面11fの端部と、スイッチ本体15の上側の上部筐体16の下面との第1当接部16aを支点として、第1操作軸11の軸線O1が右方向へ倒れる。
【0070】
第1操作軸11が右方向へ回動すると、図10に示すように、第1操作軸11が右に傾斜した状態で、接点押圧部11dが可動接点13aを変形させ、接点構造13が電気的に導通する。接点構造13内における導通に関する動作は、上述したスイッチ操作体30に垂直方向の押圧力F1が加わった場合と同様である。
【0071】
[第2変形例の実施形態]
次に、図12を参照して、スイッチ装置120の構成について説明する。スイッチ装置120は、上述したスイッチ装置100の第2変形例である。図12は、図2のA-A線から見た時の、スイッチ装置120の断面図である。
【0072】
図12に示すスイッチ装置120の構成と図8に示すスイッチ装置100の構成との相違点は、操作部材60の形状が異なっているだけである。そのため、操作部材60に関係する箇所以外については、その説明を省略する。また、各構成部品に対する符号は、操作部材60以外、スイッチ装置100の各構成部品に対する符号をそのまま使用する。尚、スイッチ装置120を上方から見た斜視図は、図2に示したスイッチ装置100の斜視図と同等である。
【0073】
図12に示すように、スイッチ装置120は、基台55と、ケース50と、スイッチユニット10と、保持部材40と、操作部材60と、スイッチ操作体30と、を備えて構成されている。
【0074】
操作部材60は、第1操作軸11と第2操作軸62とから構成されている。第2操作軸62は第1操作軸11上に接して軸方向に並んで配置されている。第2操作軸62の下側の下部には、平面視円形に形成された第1フランジ65と、第1フランジ65の上側面65aとが形成されている。
【0075】
スイッチ装置120の第2操作軸62は、その上側の上側部62bの形状が球形である。また、スイッチ操作体30の凹部31の内側面の形状は、スイッチ装置100の凹部31と同様に方形である。
【0076】
スイッチ操作体30は、押圧操作される前の状態においては、スイッチ操作体30の凹部31を形成している天井部と第2操作軸62の上端部62aとが当接しておらず、凹部31を形成している壁部と第2操作軸62の上側部62bの横方向の端部とも当接しておらず、その間にわずかな隙間を有している。
【0077】
凹部31は、その内部に第2操作軸62の上側部62bが挿入された状態でスイッチ操作体30が押圧操作された際に、第2操作軸62の上端部62aまたは上側部62bの横方向の端部が凹部31に当接し凹部31内で係止するので、スイッチ操作体30に掛かった押圧力を第2操作軸62に確実に伝えることができる。
【0078】
また、第2操作軸62の上側部62bの形状を球形としたので、スイッチ操作体30を垂直方向及び横方向のいずれの方向に操作した場合でも、押圧した位置が多少ずれたとしても、第2操作軸62と第1操作軸11との接触する点が大きくずれることがない。そのため、第2操作軸62の上側部62bの形状が筒状である場合より良好な操作感触を得ることができる。
【0079】
[第3変形例の実施形態]
次に、図13を参照して、スイッチ装置130の構成について説明する。図13に示すスイッチ装置130は、上述したスイッチ装置100の第3変形例である。図13は、図2のA-A線から見た時の、スイッチ装置130の断面図である。
【0080】
図13に示すスイッチ装置130の構成と図6に示すスイッチ装置100の構成との相違点は、操作部材80を構成する第2操作軸82及びスイッチ操作体90それぞれの形状が異なっているだけである。そのため、操作部材80及びスイッチ操作体90に関係する箇所以外については、その説明を省略する。また、各構成部品に対する符号は、操作部材80及びスイッチ操作体90以外、スイッチ装置100の各構成部品に対する符号をそのまま使用する。
【0081】
図13に示すように、スイッチ装置130は、基台55と、ケース50と、スイッチユニット10と、保持部材40と、操作部材80と、スイッチ操作体90と、を備えて構成されている。
【0082】
操作部材80は、第1操作軸11と第2操作軸82を有している。第2操作軸82の下側の下部には、平面視円形に形成された第1フランジ部85と、第1フランジ部85の上側面85aとが形成されている。
【0083】
スイッチ装置130の第2操作軸82は、第1操作軸11に対して傾斜して設けられている。すなわち、第1操作軸11の軸線と、第2操作軸82の軸線は、非平行な線上に位置している。本実施形態では、第2操作軸82が、第1操作軸11に対して左側(X2側)に傾斜して設けられている。すなわち、第2操作軸82の中央の軸が保持部材40に対して偏った位置となる。また、スイッチ操作体90の凹部91の内側面の形状も、第2操作軸82に対応するために、左側へ傾斜して設けられている。
【0084】
更に、スイッチ操作体90の外形も、第2操作軸82に対応して、左側へ傾斜して設けられている。スイッチ操作体90の左側の端部は、ケース50の左側の端部に合わせた位置になるように設けられている。
【0085】
スイッチ操作体90は、スイッチ操作体90が押圧操作される前の状態においては、スイッチ操作体90の凹部91を形成している天井部と第2操作軸82の上側の上端部82a、及び凹部91を形成している壁部と第2操作軸82の上側部82bの側面とは当接しておらず、その間にわずかな隙間を有している。
【0086】
凹部91は、その内部に第2操作軸82の上側部82bが挿入された状態でスイッチ操作体90が押圧操作された際に、第2操作軸82の上端部82aまたは第2操作軸82の上側部82bの側面が凹部91に当接し凹部91内で係止するので、スイッチ操作体90に掛かった押圧力を第2操作軸82に確実に伝えることができる。
【0087】
また、第2操作軸82の中央の軸が保持部材40に対して偏った位置となるために、スイッチ装置130が組み込まれる機器の隅部にスイッチ操作体90を配置することが容易に可能となる。
【0088】
以下、本発明の実施形態としたことによる効果について説明する。
【0089】
本発明のスイッチ装置100は、スイッチ操作体30を横方向へ押圧する際に、第2操作軸22は第2フランジ部25と保持部材40の係合部43とが係合する第2当接部43aが支点となって第2操作軸22が回動し、第2操作軸22の回動に伴って第1操作軸11が回動するので、スイッチ操作体30への横方向の押圧力F2を、接点構造13を電気的に導通させるための押圧力へ効率良く変換させることができる。そのため、横方向への小さな操作ストロークと適切な押圧力とによって操作することができる。その結果、操作性を向上させることができる。
【0090】
また、スイッチ操作体30に横方向の押圧力F2が加わった場合に、操作部材20の接触部27が縁部11cと当接し、第1操作軸11を横押しするように構成されているので、より適切な押圧力によって操作することができる。また、スイッチ操作体30を横方向へ押圧する際の操作ストロークや第1操作軸11の下端から第2操作軸22の上端までの長さを、第1操作軸11及び第2操作軸22それぞれの長さや係合部43の位置によって容易に調整することができる。そのため、横方向への操作ストロークとスイッチ操作体30の高さとを個別に調整することができる。その結果、それぞれを最適化することによって良好な操作性を確保することが可能となる。
【0091】
また、本発明の第1変形例のスイッチ装置110は、スイッチ操作体30に横方向の押圧力F2が加わった場合に、操作部材20の接触部27が第1操作軸11の上面11aと面どうしで当接するので、操作部材20と第1操作軸11とを広い面積で当接させることができる。そのため、適切な押圧力で操作することが、より確実にできる。
【0092】
また、本発明の第2変形例のスイッチ装置120は、第2操作軸62の上側部62bの形状を球形としたので、スイッチ操作体30を垂直方向及び横方向のいずれの方向に操作した場合でも、押圧した位置が多少ずれた際に、第2操作軸62と第1操作軸11との接触する点が大きくずれることがない。そのため、第2操作軸62の上側部62bの形状が筒状である場合より良好な操作感触を得ることができる。
【0093】
また、本発明の第3変形例のスイッチ装置130は、第2操作軸82の中央の軸が保持部材40に対して偏った位置となるために、スイッチ装置130が組み込まれる機器の隅部にスイッチ操作体90を配置することが容易に可能となる。
【0094】
以上説明したように、本発明のスイッチ装置は、スイッチ操作体を横方向へ押圧する際に、第2操作軸の第2フランジ部と保持部材の係合部との間に第2当接部が形成され、第2当接部が支点となって第2操作軸が回動し、第2操作軸の回動に伴って第1操作軸が回動するの。そのため、スイッチ操作体への横方向の押圧力を、接点構造を電気的に導通させるための押圧力へ効率良く変換させることができる。そのため、横方向への小さな操作ストロークと適切な押圧力とによって操作することができる。その結果、操作性を向上させることができる。
【0095】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば、倒れ動作する操作軸が、第1操作軸11と第2操作軸22のみなら3本以上で構成され、例えば、第2操作軸の上に第3操作軸が重ねられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0096】
10 スイッチユニット
11 第1操作軸
11a 上面(被押圧部)
11c 縁部(被押圧部)
11d 接点押圧部
11e 第1フランジ部
13 接点構造
13a 可動接点
13b 第1固定接点
13c 第2固定接点
13d 第2固定接点
15 スイッチ本体
16 上部筐体(第1固定側支持部)
16a 第1当接部
19 接続端子
20 操作部材
22 第2操作軸
22a 上端部
22b 上側部
22c 側面部(被操作部)
25 第2フランジ部
25a 上側面
27 接触部(連結押圧部)
30 スイッチ操作体
40 保持部材
41 保持部
41a 保持空間
43 係合部(第2固定側支持部)
43a 第2当接部
50 ケース
50a 開口
55 基台
60 操作部材
62 第2操作軸
65 第1フランジ部
65a 上側面
80 操作部材
82 第2操作軸
85 第1フランジ部
90 スイッチ操作体
100 スイッチ装置
110 スイッチ装置
120 スイッチ装置
130 スイッチ装置
F1 押圧力
F2 押圧力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14