(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174362
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】未収金管理プログラム、未収金管理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20221116BHJP
G06Q 20/10 20120101ALI20221116BHJP
【FI】
G16H10/00
G06Q20/10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080103
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】天野 靖彦
【テーマコード(参考)】
5L055
5L099
【Fターム(参考)】
5L055AA32
5L099AA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】患者にとって妥当な分納計画を作成する未収金管理プログラム、未収金管理方法および情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置101は、未収金が発生した患者102の診療情報110を取得する。情報処理装置101は、取得した診療情報110に基づいて、患者102の通院予定(通院間隔)120を特定する。情報処理装置101は、特定した通院予定(通院間隔)120が示す通院間隔が、第1のしきい値以上(例えば、70日以上)又は第1のしきい値とは異なる第2のしきい値以下(例えば、14日以下)の基準を満たすか否かを判定する。情報処理装置101は、第1のしきい値以上又は第2のしきい値以下の基準を満たす場合、患者102の通院間隔に関わらず未収金を定期に分納する分納計画130を作成して、作成した分納計画130を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
未収金が発生した患者の診療情報を取得し、
取得した前記診療情報に基づいて、前記患者の通院予定を特定し、
特定した前記通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値以上、または、前記第1のしきい値とは異なる第2のしきい値以下の基準を満たすか否かを判定し、
前記基準を満たす場合、前記通院間隔に関わらず前記未収金を定期に分納する計画を作成して、作成した前記計画を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする未収金管理プログラム。
【請求項2】
前記基準を満たさない場合、前記通院予定に応じて前記未収金を通院ごとに分納する計画を作成して、作成した前記計画を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の未収金管理プログラム。
【請求項3】
前記患者の属性情報に基づいて、前記患者についての分納可否を判定し、
前記患者について分納不可と判定した場合、前記未収金を分納する計画を作成せずに、前記患者について分納不可である旨のメッセージを出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1または2に記載の未収金管理プログラム。
【請求項4】
前記通院予定は、前記患者の傷病が治癒するまでの通院予定である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の未収金管理プログラム。
【請求項5】
前記通院予定が示す予測残り通院期間が第1の範囲内であるか否かを判定し、
前記予測残り通院期間が前記第1の範囲外の場合、前記予測残り通院期間に応じた警告情報を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の未収金管理プログラム。
【請求項6】
前記通院予定が示す予測残り通院回数が第2の範囲内であるか否かを判定し、
前記予測残り通院回数が前記第2の範囲外の場合、前記予測残り通院回数に応じた警告情報を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の未収金管理プログラム。
【請求項7】
未収金が発生した患者の診療情報を取得し、
取得した前記診療情報に基づいて、前記患者の通院予定を特定し、
特定した前記通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値以上、または、前記第1のしきい値とは異なる第2のしきい値以下の基準を満たすか否かを判定し、
前記基準を満たす場合、前記通院間隔に関わらず前記未収金を定期に分納する計画を作成して、作成した前記計画を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする未収金管理方法。
【請求項8】
未収金が発生した患者の診療情報を取得し、
取得した前記診療情報に基づいて、前記患者の通院予定を特定し、
特定した前記通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値以上、または、前記第1のしきい値とは異なる第2のしきい値以下の基準を満たすか否かを判定し、
前記基準を満たす場合、前記通院間隔に関わらず前記未収金を定期に分納する計画を作成して、作成した前記計画を出力する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、未収金管理プログラム、未収金管理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療機関における医療費の未収金が相当額存在することが明らかになってきている。未収金の増加は医療機関の経営に影響を与えることになるため、未払いの患者に対して適切な督促を行って未収金を回収することは重要である。
【0003】
関連する先行技術としては、傷病別に傷病が治癒するまでの診療の手順と必要来院回数とを記憶したマスタファイルの記憶内容と、患者の傷病名と来院情報とを記憶するマスタファイルの記憶内容とに従って、患者の通算来院回数および残り来院回数を演算するものがある。また、複数の患者の保険負担関連情報、複数の患者に対する診療情報および複数の患者の入院情報のいずれか1つ以上を含む患者情報と、患者情報と関連付けられた過去の実績情報とを用いて算出モデルを生成し、ある患者の患者情報に算出モデルを適用することで、ある患者に対する診療費未払いリスクに関する情報を出力する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-213069号公報
【特許文献2】特開2019-091369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、未収金が発生した場合に、患者にとって妥当な分納計画を立てることが難しい。例えば、未収金が発生した患者に対して回収担当者等から分納を提案するにあたり、どういった分割の仕方がよいのかの判断に工数がかかる。
【0006】
一つの側面では、本発明は、患者にとって妥当な分納計画を作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様では、未収金が発生した患者の診療情報を取得し、取得した前記診療情報に基づいて、前記患者の通院予定を特定し、特定した前記通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値以上、または、前記第1のしきい値とは異なる第2のしきい値以下の基準を満たすか否かを判定し、前記基準を満たす場合、前記通院間隔に関わらず前記未収金を定期に分納する計画を作成して、作成した前記計画を出力する、未収金管理プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、患者にとって妥当な分納計画を作成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかる未収金管理方法の一実施例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、情報処理システム200のシステム構成例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、未収金管理装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、患者DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、請求DB230の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、分納DB240の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図7】
図7は、診療履歴DB250の記憶内容の一例を示す説明図である。
【
図8】
図8は、電子カルテ画面の画面例を示す説明図である。
【
図9】
図9は、未収金管理画面の画面例を示す説明図である。
【
図10】
図10は、未収金管理装置201の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、分納設定画面の画面例を示す説明図(その1)である。
【
図12】
図12は、分納管理画面の画面例を示す説明図(その1)である。
【
図13】
図13は、分納設定画面の画面例を示す説明図(その2)である。
【
図14】
図14は、分納管理画面の画面例を示す説明図(その2)である。
【
図15】
図15は、未収金管理装置201の未収金管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、分納可否判定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
【
図17】
図17は、分納可否判定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
【
図18】
図18は、分納計画作成処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明にかかる未収金管理プログラム、未収金管理方法および情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
図1は、実施の形態にかかる未収金管理方法の一実施例を示す説明図である。
図1において、情報処理装置101は、未収金が発生した患者の分納計画を作成するコンピュータである。患者は、医療機関において診療や検査を受ける者である。医療機関は、例えば、病院や診療所などである。
【0012】
未収金とは、患者が支払う医療費等のうち、支払われるべき期日(例えば、診療日当日や、診療日以降の支払い期限)までに支払われなかった金額である。医療費等は、例えば、診療費、薬剤費、入院費、検査費などを含む。分納計画とは、未収金を分割して納める(支払う)ための計画である。
【0013】
ここで、医療機関における未収金の合計額は、医療機関の経営に影響を及ぼすほど多大なものとなることがあり、無視することができない。一方、医療費の未収金は、少額な案件が多く、手間隙のかかる督促は非効率である。このため、未払いの患者に対して適切な督促を行って、未収金の医療費を回収することは重要である。
【0014】
例えば、督促業務の一つとして、医事課の職員などが、未収金を回収するために患者と交渉を行うことがある。この際、本人による支払いが難しい場合、家族などに立替えを求めることが考えられる。しかし、本人が世帯代表であり、立替えることができる者がいない場合、本人から回収するしかない。
【0015】
また、経済的に困窮している患者の場合、一括での支払いが難しいことから、可能な金額で一部入金を繰り返す方法が取られることがあるが、受付・会計などの職員の手間が増えてしまう。さらに、可能なときに支払ってもらえばよいという対応をとると、期日に関する圧力がなくなり、支払いに対する意識が薄くなる。また、たとえ支払い期限があったとしても、計画性がないため、途中で頓挫して未回収となる場合が多い。
【0016】
このような場合に、例えば、患者の通院予定に合わせて、未払いの医療費を分納払いとすることで、患者の負担を軽減しつつ、計画的に支払いを行わせることが考えられる。しかしながら、患者が分納期間中に完治して通院しなくなると、それ以降の支払いが行われないケースが多い。
【0017】
一方、通院予定の回数が少ないと、1回当たりの支払い金額が多くなり、支払いが滞る場合がある。このように、どういった分割の仕方がよいのか患者ごとに異なることが多いため、患者にあった分納計画を人手で立てるには工数がかかり、回収担当の職員の負担が増加するという問題がある。
【0018】
そこで、本実施の形態では、未収金が発生した患者の通院予定を考慮して、患者にとって妥当な分納計画を自動で作成する未収金管理方法について説明する。ここで、情報処理装置101の処理例について説明する。
【0019】
(1)情報処理装置101は、未収金が発生した患者の診療情報を取得する。診療情報は、患者の診療に関する情報であり、例えば、患者の病名、その病名のけがや病気の診療、検査等のために通院した通院日、通院回数などを特定する情報を含む。
【0020】
図1の例では、未収金が発生した患者102の診療情報110が取得された場合を想定する。診療情報110は、例えば、患者102の病名を特定する情報を含む。
【0021】
(2)情報処理装置101は、取得した診療情報に基づいて、患者の通院予定を特定する。通院予定は、例えば、患者の傷病が治癒(完治)するまでの通院予定である。通院予定は、例えば、患者の通院間隔を示す。通院間隔は、例えば、患者の傷病が治癒するまで通院する場合の平均的な通院間隔である。
【0022】
ここで、同じ傷病(けが、病気)の場合、異なる患者であっても、傷病が治癒するまでの平均的な通院回数や平均的な通院期間は同様のものとなる傾向がある。このため、情報処理装置101は、例えば、取得した診療情報に基づいて、患者の病名に対応する平均通院回数と平均通院期間とを特定する。そして、情報処理装置101は、特定した平均通院期間を平均通院回数で除算することにより、患者の通院予定(通院間隔)を特定することにしてもよい。
【0023】
図1の例では、患者102の診療情報110に基づいて、患者102の通院予定(通院間隔)120が特定された場合を想定する。通院予定(通院間隔)120は、患者102の傷病が治癒するまで通院する場合の平均的な通院間隔を示す。
【0024】
(3)情報処理装置101は、特定した通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値以上、または、第1のしきい値とは異なる第2のしきい値以下の基準を満たすか否かを判定する。第1のしきい値は、任意に設定可能であり、例えば、70日程度の値に設定される。第2のしきい値は、任意に設定可能であり、例えば、14日程度の値に設定される。
【0025】
図1の例では、第1のしきい値を「70日」とし、第2のしきい値を「14日」とする。また、患者102の通院予定(通院間隔)120が示す通院間隔が、第1のしきい値以上、または、第2のしきい値以下の基準を満たす場合を想定する。
【0026】
(4)情報処理装置101は、第1のしきい値以上、または、第2のしきい値以下の基準を満たす場合、患者の通院間隔に関わらず未収金を定期に分納する分納計画を作成する。そして、情報処理装置101は、作成した分納計画を出力する。未収金を定期に分納する分納計画は、例えば、月払いの分納計画である。月払いの分納計画は、毎月の決められた日(基準日)に、決められた分の金額(分納額)を支払う計画である。
【0027】
ここで、通院間隔が長すぎると、支払いに対する意識が薄くなったり、支払いの約束を忘れたりしてしまうおそれがある。このため、
図1の例では、情報処理装置101は、例えば、患者102の通院間隔が、第1のしきい値(70日)以上の場合、患者102の通院間隔に関わらず、月払いの分納計画130を作成する。
【0028】
また、通院間隔が短すぎると、支払い回数が増えて、患者102の負担が増えるとともに、受付・会計などの職員の手間が増えてしまう。このため、
図1の例では、情報処理装置101は、例えば、患者102の通院間隔が、第2のしきい値(14日)以下の場合、患者102の通院間隔に関わらず、月払いの分納計画130を作成する。
【0029】
このように、情報処理装置101によれば、未収金が発生した患者にとって妥当な分納計画を作成することができる。これにより、回収担当者(例えば、医事課の職員)は、一括での支払いが難しい患者などに対して、未収金の分納計画を提案することができる。計画性があり定期的な期限を設けることで、患者の支払いに対する意識を強めて、未収金の回収につなげることができる。
【0030】
例えば、通院間隔が長すぎると、支払いに対する意識が薄くなったり、支払いの約束を忘れたりしてしまうおそれがある。このため、情報処理装置101は、例えば、患者102の通院間隔が第1のしきい値以上の場合には、未収金を通院ごとに分納する計画ではなく、月払いの分納計画130を作成する。
【0031】
また、通院間隔が短すぎると、支払い回数が増えて、患者102の負担が増えるとともに、受付・会計などの職員の手間が増えてしまう。このため、情報処理装置101は、例えば、患者102の通院予定が第2のしきい値以下の場合には、未収金を通院ごとに分納する計画ではなく、月払いの分納計画130を作成する。
【0032】
これにより、回収担当者は、患者の支払いに対する意識が薄くならないように、また、患者や職員などの負担が大きくなりすぎないように、計画的に未収金を支払うことが可能な分納計画を提案することができる。また、月払いなどの未収金を定期に分納する計画とすることで、完治により患者の通院機会がなくなった場合でも、未払いとなることを防ぐことができる。
【0033】
(情報処理システム200のシステム構成例)
つぎに、
図1に示した情報処理装置101を含む情報処理システム200のシステム構成例について説明する。ここでは、
図1に示した情報処理装置101を、情報処理システム200内の未収金管理装置201に適用した場合を例に挙げて説明する。情報処理システム200は、例えば、医療機関における未収金を管理するコンピュータシステムに適用される。
【0034】
図2は、情報処理システム200のシステム構成例を示す説明図である。
図2において、情報処理システム200は、未収金管理装置201と、電子カルテシステム202と、医事会計システム203と、複数の共用端末204と、を含む。情報処理システム200において、未収金管理装置201、電子カルテシステム202、医事会計システム203および共用端末204は、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などである。
【0035】
ここで、未収金管理装置201は、患者DB(Database)220、請求DB230、分納DB240および診療履歴DB250を有し、未収金が発生した患者の分納計画を作成する。未収金管理装置201は、例えば、サーバである。各種DB220,230,240,250の記憶内容については、
図4~
図7を用いて後述する。
【0036】
電子カルテシステム202は、電子カルテDB260を有し、医師や看護師などの医療従事者が記録する診療録(カルテ)を、電子的に記録、保存するコンピュータシステムである。電子カルテDB260は、電子カルテ情報を記録する。電子カルテ情報は、患者の診療録を電子化した情報であり、例えば、患者情報、疾病情報、診療情報などを含む。
【0037】
医事会計システム203は、医事会計DB270を有し、医療事務のうちの会計事務に関する情報を管理するコンピュータシステムである。医事会計DB270は、会計事務に関する情報であり、例えば、患者情報、医療費等の伝票情報、収納情報などを含む。電子カルテシステム202や医事会計システム203は、例えば、1または複数のサーバにより実現される。
【0038】
共用端末204は、医療機関の職員が使用するコンピュータである。医療機関の職員は、例えば、医事課の職員、医師、看護師などである。共用端末204は、例えば、電子カルテの入力、診療費請求、未収金管理などに利用される。共用端末204は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンなどである。
【0039】
なお、ここでは、未収金管理装置201を電子カルテシステム202等と別体に設けることにしたが、これに限らない。例えば、未収金管理装置201は、電子カルテシステム202、医事会計システム203および共用端末204のいずれかにより実現されることにしてもよい。
【0040】
(未収金管理装置201のハードウェア構成例)
図3は、未収金管理装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3において、未収金管理装置201は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ディスクドライブ303と、ディスク304と、通信I/F(Interface)305と、可搬型記録媒体I/F306と、可搬型記録媒体307と、を有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
【0041】
ここで、CPU301は、未収金管理装置201の全体の制御を司る。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMがOSのプログラムを記憶し、ROMがアプリケーションプログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0042】
ディスクドライブ303は、CPU301の制御に従ってディスク304に対するデータのリード/ライトを制御する。ディスク304は、ディスクドライブ303の制御で書き込まれたデータを記憶する。ディスク304としては、例えば、磁気ディスク、光ディスクなどが挙げられる。
【0043】
通信I/F305は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して外部のコンピュータ(例えば、
図2に示した電子カルテシステム202、医事会計システム203、共用端末204など)に接続される。そして、通信I/F305は、ネットワーク210と装置内部とのインターフェースを司り、外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。通信I/F305には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0044】
可搬型記録媒体I/F306は、CPU301の制御に従って可搬型記録媒体307に対するデータのリード/ライトを制御する。可搬型記録媒体307は、可搬型記録媒体I/F306の制御で書き込まれたデータを記憶する。可搬型記録媒体307としては、例えば、CD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。
【0045】
なお、未収金管理装置201は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを有することにしてもよい。また、
図2に示した電子カルテシステム202、医事会計システム203および共用端末204についても、未収金管理装置201と同様のハードウェア構成により実現することができる。ただし、共用端末204は、上述した構成部のほかに、例えば、入力装置、ディスプレイなどを有する。
【0046】
(各種DB220,230,240,250の記憶内容)
つぎに、
図4~
図7を用いて、各種DB220,230,240,250の記憶内容について説明する。各種DB220,230,240,250は、例えば、
図3に示したメモリ302、ディスク304などの記憶装置により実現される。
【0047】
図4は、患者DB220の記憶内容の一例を示す説明図である。
図4において、患者DB220は、患者番号、氏名、住所、電話番号、世帯コード、注意コードおよび支払約束のフィールドを有し、各フィールドに情報を設定することで、患者情報(例えば、患者情報400-1~400-3)をレコードとして記憶する。
【0048】
ここで、患者番号は、患者を一意に識別する識別子である。氏名は、患者の氏名である。住所は、患者の住所である。電話番号は、患者の電話番号である。世帯コードは、患者が属する世帯を一意に識別する識別子である。注意コードは、未収金の交渉を行うにあたり、注意すべき患者を分類するための識別子である。
【0049】
注意すべき患者には、10以上の値の注意コードが設定される。例えば、注意コード「0」は、通常の患者を示す。注意コード「10」は、要注意の患者を示す。支払約束は、未納金についての支払約束の有無を示すフラグである。支払約束「0」は、支払約束なしを示す。支払約束「1」は、支払約束ありを示す。
【0050】
図5は、請求DB230の記憶内容の一例を示す説明図である。
図5において、請求DB230は、患者番号、発行日、管理番号、延滞コード、請求額、延滞額、延滞理由、病名コード、通院回数、請求区分、入院/退院フラグおよび退院後通院回数のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、請求情報(例えば、請求情報500-1~500-7)がレコードとして記憶される。
【0051】
ここで、患者番号は、患者を一意に識別する識別子である。発行日は、医療費等の伝票(請求書)を発行した日である。管理番号は、医療費等の伝票を管理する番号である。延滞コードは、医療費等の延滞の有無を示すフラグである。延滞コード「0」は、延滞なしを示す。延滞コード「1」は、延滞ありを示す。請求額は、医療費等の請求額である。
【0052】
延滞額は、医療費等の延滞額である。延滞理由は、延滞の理由を示す識別子である。例えば、延滞理由「10」は、所持金不足を示す。延滞理由「20」は、生活困窮を示す。延滞理由「30」は、入院費分割を示す。延滞理由「90」は、悪質故意の延滞理由を示す。なお、延滞理由「0」は、延滞なしを示す。病名コードは、患者の病名(けがや病気の名称)を一意に識別する識別子である。通院回数は、患者が治療のために通院した回数を示す。
【0053】
請求区分は、医療費等の区分を示す。例えば、請求区分「0」は、外来を示す。請求区分「1」は、入院を示す。請求区分「9」は、雑費を示す。入院/退院フラグは、患者の入退院を示す。例えば、入院/退院フラグ「1」は、入院を示す。入院/退院フラグ「0」は、退院を示す。なお、入院/退院フラグ「空白」は、入退院していないことを示す。退院後通院回数は、退院後に患者が経過観察等のために通院した回数を示す。請求DB230は、例えば、電子カルテDB260および医事会計DB270の記憶内容をもとに作成される。
【0054】
図6は、分納DB240の記憶内容の一例を示す説明図である。
図6において、分納DB240は、患者番号、管理番号、計画番号、延滞額、初回、回まわり、分納パターン、予測残り通院回数、予測残り通院期間、回収回数、残回数、回収金額、残金額、予測通院間隔、支払い基準日、n回目予定日(n:自然数)およびn回目実績日のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、分納情報(例えば、分納情報600-1,600-2)がレコードとして記憶される。
【0055】
ここで、患者番号は、患者を一意に識別する識別子である。管理番号は、医療費等の伝票(請求書)を管理する番号である。計画番号は、患者の分納計画を識別する識別子である。延滞額は、医療費等の延滞額である(単位:円)。初回は、医療費等を分納する際の初回の支払い額を示す。回まわりは、医療費等を分納する際の2回目以降の支払い額を示す。
【0056】
分納パターンは、未収金を分納するパターンを示す。残り回数は、未収金を通院ごとに分納するパターンを示す。通院期間(月払)は、残りの通院期間において未収金を月ごとに分納するパターンを示す。予測残り通院回数は、患者の傷病が治癒するまでの残りの通院回数の予測結果を示す。予測残り通院期間は、患者の傷病が治癒するまでの残りの通院期間の予測結果を示す。回収回数は、医療費等を回収した回数を示す。
【0057】
残回数は、残りの支払い回数を示す。回収金額は、未収金のうち回収した金額の合計を示す。残金額は、未回収分の金額を示す。予測通院間隔は、患者の通院間隔の予測結果を示す(単位:日)。支払い基準日は、月払い等の定期に分納する際の支払日を示す。n回目予定日は、n回目の支払い予定日を示す。n回目実績日は、n回目の支払い実績日を示す。
【0058】
図7は、診療履歴DB250の記憶内容の一例を示す説明図である。
図7において、診療履歴DB250は、病名コード、病名、疾病分類、平均通院回数、平均通院期間、入院前平均通院回数、入院前平均通院期間、平均入院日数、退院後平均通院回数および退院後平均通院期間のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、診療履歴情報(例えば、診療履歴情報700-1~700-4)がレコードとして記憶される。
【0059】
ここで、病名コードは、けがや病気の病名を一意に識別する識別子である。病名は、けがや病気の名称である。疾病分類は、けがや病気の分類である。平均通院回数は、けがや病気が治癒するまでの平均通院回数である。平均通院期間は、けがや病気が治癒するまでの平均通院期間である。入院前平均通院回数は、入院前に検査等のために通院する回数の平均である。
【0060】
入院前平均通院期間は、入院前に検査等のために通院する期間の平均である。平均入院日数は、診療のために入院する日数の平均である。退院後平均通院回数は、退院後に経過観察等のために通院する回数の平均である。退院後平均通院期間は、退院後に経過観察等のために通院する期間の平均である。診療履歴DB250は、例えば、電子カルテDB260の記憶内容をもとに作成される。
【0061】
(電子カルテ画面の画面例)
つぎに、
図2に示した共用端末204に表示される電子カルテ画面の画面例について説明する。電子カルテ画面は、例えば、共用端末204から、
図2に示した電子カルテシステム202にアクセスすることにより表示可能である。
【0062】
図8は、電子カルテ画面の画面例を示す説明図である。
図8において、電子カルテ画面800は、患者P1(富士太郎、男、80才)の診療録を表示する操作画面の一例である。なお、患者P1は、患者番号「P1」の患者を示す。電子カルテ画面800は、メニュー情報801と、カルテ情報802と、オーダー情報803と、オーダー補助情報804と、を含む。
【0063】
電子カルテ画面800によれば、医療従事者(医師、看護師など)は、患者P1(富士太郎、男、80才)の診療録を確認することができる。例えば、カルテ情報802には、病名コード、初診日、通院回数などが含まれる。これにより、医療従事者は、病名コード、初診日、通院回数などの受診履歴を確認することができる。
【0064】
(未収金管理画面の画面例)
つぎに、共用端末204に表示される未収金管理画面の画面例について説明する。未収金管理画面は、例えば、共用端末204から、
図2に示した未収金管理装置201にアクセスすることにより表示可能である。
【0065】
図9は、未収金管理画面の画面例を示す説明図である。
図9において、未収金管理画面900は、未収金が発生した患者P1(富士太郎、男、80才)の情報を表示する操作画面の一例である。未収金管理画面900は、属性情報901と、請求・収納情報902と、交渉履歴情報903と、を含む。
【0066】
属性情報901は、患者P1の住所、電話番号、注意コードなどの属性を示す。請求・収納情報902は、医事会計システム203から連携される勘定情報、請求情報などを示す。例えば、請求・収納情報902には、病名コード、世帯コード、請求日付、請求額、未収額などが含まれる。交渉履歴情報903は、未収金についての患者P1との交渉歴を示す。
【0067】
未収金管理画面900によれば、ユーザは、患者P1(富士太郎、男、80才)の未収金に関する情報を確認することができる。ユーザは、例えば、回収担当者(医事課の職員)である。例えば、回収担当者は、請求・収納情報902を参照することで、どの傷病について、いつどれだけの医療費を請求し、現在どれだけの未収額があるかを確認することができる。
【0068】
未収金管理画面900において、不図示の入力装置を用いたユーザの入力操作により、分納設定ボタン904を選択(押下)すると、共用端末204から未収金管理装置201に分納設定要求が送信される。ここで、分納設定要求は、患者の分納計画を設定するための要求である。この結果、例えば、後述の
図11に示すような分納設定画面1100が表示される。
【0069】
分納設定要求には、例えば、患者P1(富士太郎、男、80才)の患者番号が含まれる。分納計画は、未収金を分割して納める(支払う)ための計画である。分納設定ボタン904は、例えば、未収金についての患者との交渉時に、患者から分納を要望されたり、患者に分納を提案したりする場合に押下される。
【0070】
(未収金管理装置201の機能的構成例)
図10は、未収金管理装置201の機能的構成例を示すブロック図である。
図10において、未収金管理装置201は、取得部1001と、特定部1002と、判定部1003と、作成部1004と、出力部1005と、を含む。取得部1001~出力部1005は制御部となる機能であり、具体的には、例えば、
図3に示したメモリ302、ディスク304、可搬型記録媒体307などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、通信I/F305により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。
【0071】
取得部1001は、患者の未収情報を取得する。未収情報は、未収金に関する情報であり、例えば、未払いとなっている医療費等の伝票(請求書)の内容、過去の支払履歴、時効予定日などを特定する情報を含む。また、未収情報には、例えば、患者との交渉履歴、延滞理由などが含まれていてもよい。
【0072】
具体的には、例えば、取得部1001は、
図2に示した医事会計システム203から患者の未収情報を取得する。これにより、未収金管理装置201は、例えば、共用端末204からの表示要求に応じて、
図9に示したような未収金管理画面900を表示することができる。
【0073】
また、取得部1001は、未収金が発生した患者の診療情報を取得する。診療情報は、患者の診療に関する情報であり、例えば、患者の病名、その病名の傷病(けがや病気)の診療、検査等のために通院した初診日、通院日、通院回数などを特定する情報を含む。具体的には、例えば、取得部1001は、
図2に示した電子カルテシステム202から未収金が発生した患者の診療情報を取得する。
【0074】
未収金が発生した患者は、例えば、回収担当者(医事課の職員)によって指定されてもよく、また、医事会計システム203によって特定されてもよい。より詳細に説明すると、例えば、取得部1001は、未収金が発生した患者について、共用端末204から分納設定要求を受信したことに応じて、分納設定要求に含まれる患者番号をもとに、電子カルテシステム202から当該患者の診療情報を取得する。分納設定要求は、例えば、
図9に示した未収金管理画面900において、分納設定ボタン904が選択されると、共用端末204から未収金管理装置201に送信される。
【0075】
取得された患者の診療情報は、例えば、取得された当該患者の未収情報と対応付けて、
図5に示した請求DB230に記憶される。これにより、新たな請求情報がレコードとして請求DB230に記憶される。請求情報に含まれる発行日、管理番号、延滞コード、請求額、延滞額および延滞理由は、例えば、患者の未収情報から特定される。また、請求情報に含まれる病名コード、通院回数、請求区分、入院/退院フラグおよび退院後通院回数は、例えば、患者の診療情報から特定される。
【0076】
以下の説明では、未収金が発生した患者を「患者P」と表記する場合がある。
【0077】
特定部1002は、取得された診療情報に基づいて、患者Pの通院予定を特定する。通院予定は、例えば、患者Pの傷病が治癒(完治)するまでの通院予定である。通院予定は、例えば、患者Pの通院予定の有無、通院間隔、予測残り通院回数、予測残り通院期間などを示す。
【0078】
通院間隔は、例えば、患者Pの傷病が治癒するまで通院する場合の平均的な通院間隔である。予測残り通院回数、例えば、患者Pの傷病が治癒するまで通院する場合の残りの平均的な通院回数である。予測残り通院期間は、例えば、患者Pの傷病が治癒するまで通院する場合の残りの平均的な通院期間である。
【0079】
具体的には、例えば、特定部1002は、請求DB230(
図5参照)を参照して、患者Pの請求情報に含まれる病名コードを特定する。つぎに、特定部1002は、
図7に示した診療履歴DB250を参照して、特定した病名コードに対応する平均通院回数および平均通院期間を特定する。また、特定部1002は、請求DB230を参照して、患者Pの請求情報に含まれる通院回数を特定する。
【0080】
そして、特定部1002は、特定した平均通院回数と通院回数とに基づいて、患者Pの予測残り通院回数を算出する。ここで、予測残り通院回数が0より大きい場合、特定部1002は、患者Pに通院予定ありと判断して、平均通院回数と平均通院期間とに基づいて、患者Pの通院間隔を算出する。
【0081】
また、特定部1002は、患者Pの予測残り通院期間を算出し、予測残り通院期間が0より大きい場合に、患者Pに通院予定ありと判断することにしてもよい。予測残り通院期間は、例えば、平均通院期間と通院回数と通院間隔とに基づいて算出されてもよく、平均通院期間と初診日と現在日とに基づいて算出されてもよい。
【0082】
なお、患者Pの通院間隔、予測残り通院回数および予測残り通院期間の算出例については後述する。また、患者Pの病名コードに対応する平均通院回数および平均通院期間が診療履歴DB250に登録されていない場合、特定部1002は、患者Pの病名コードと同一の疾病分類の別の病名コードに対応する平均通院回数および平均通院期間を特定してもよい。
【0083】
判定部1003は、特定された通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値Th1以上、または、第1のしきい値Th1とは異なる第2のしきい値Th2以下の基準を満たすか否かを判定する。第1のしきい値Th1は、任意に設定可能であり、例えば、70日程度の値に設定される。第2のしきい値Th2は、任意に設定可能であり、例えば、14日程度の値に設定される。
【0084】
作成部1004は、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たすと判定された場合、患者Pの通院間隔に関わらず未収金を定期に分納する分納計画を作成する。未収金を定期に分納する分納計画は、例えば、月払いの分納計画である。
【0085】
月払いの分納計画は、毎月の決められた日(基準日)に、決められた分の金額(分納額)を支払う計画である。基準日は、例えば、毎月の1日、25日などに設定される。ただし、基準日が休日の場合は、作成部1004は、休日の前後いずれかの日に基準日をずらすことにしてもよい。
【0086】
また、月払いの間隔は、任意に設定可能である。例えば、月払いの分納計画は、2ヶ月ごとの決められた日(年金支給日など)に、決められた分の金額を支払う計画であってもよい。未収金(全未収額)は、例えば、患者Pの請求情報に含まれる延滞額から特定される。患者Pの複数の伝票について未収金が発生している場合は、未収金(全未収額)は、例えば、患者Pの請求情報に含まれる延滞額を集計した合計額となる。
【0087】
ここで、通院間隔が長すぎると、支払いに対する意識が薄くなったり、支払いの約束を忘れたりしてしまうおそれがある。このため、作成部1004は、例えば、患者Pの通院間隔が、第1のしきい値Th1以上の場合、患者Pの通院間隔に関わらず、月払いの分納計画を作成する。
【0088】
また、通院間隔が短すぎると、支払い回数が増えて、患者Pの負担が増えるとともに、受付・会計などの職員の手間が増えてしまう。このため、作成部1004は、例えば、患者Pの通院間隔が、第2のしきい値Th2以下の場合、患者Pの通院間隔に関わらず、月払いの分納計画を作成する。
【0089】
より詳細に説明すると、例えば、作成部1004は、基準を満たす場合、患者Pの通院予定が示す予測残り通院期間をもとに残り通院月数を算出する。残り通院月数は、分納回数(支払い回数)に相当する。例えば、予測残り通院期間を「320日」とする。この場合、残り通院月数は、「11ヶ月(≒10.5=320÷(365÷12))」となる。つぎに、作成部1004は、患者Pの未収金(全未収額)を残り通院月数で分割することにより、月払いの分納計画を作成する。月払いの分納計画の具体例については、
図13および
図14を用いて後述する。
【0090】
なお、予測残り通院期間が1ヶ月未満などの短い期間の場合、月払いの分納計画を作成することが難しい。このため、作成部1004は、例えば、予測残り通院期間が、あらかじめ設定された期間min未満の場合、あらかじめ設定された分納期間Xをもとに残り分納月数を算出することにしてもよい。期間minは、任意に設定可能であり、例えば、30日~60日程度の値に設定される。分納期間Xは、任意に設定可能であり、例えば、180日~360日程度の値に設定される。そして、作成部1004は、患者Pの全未収額を残り分納月数で分割することにより、月払いの分納計画を作成することにしてもよい。
【0091】
また、作成部1004は、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たさないと判定された場合、患者Pの通院予定に応じて未収金を通院ごとに分納する分納計画を作成する。未収金を通院ごとに分納する分納計画は、患者Pが診療のために通院した際に、その都度、決められた分の金額(分納額)を支払う計画である。
【0092】
具体的には、例えば、作成部1004は、基準を満たさない場合、患者Pの未収金(全未収額)を、患者Pの通院予定が示す予測残り通院回数で分割することにより、未収金を通院ごとに分納する分納計画を作成する。予測残り通院回数は、分納回数に相当する。未収金を通院ごとに分納する分納計画の具体例については、
図11および
図12を用いて後述する。
【0093】
作成された分納計画は、例えば、
図6に示した分納DB240に記憶される。
【0094】
なお、通院期間が短すぎると、分納計画を作成するのが難しくなる場合がある。また、通院期間が長すぎると、月払いの分納回数が増えて、1回の支払い額が少額になる可能性がある。このため、作成部1004は、患者Pの分納計画を作成するにあたり、患者Pの通院予定が示す予測残り通院期間が第1の範囲内であるか否かを判定することにしてもよい。そして、出力部1005は、予測残り通院期間が第1の範囲外の場合、予測残り通院期間に応じた警告情報を出力することにしてもよい。第1の範囲は、任意に設定可能であり、例えば、2週間以上2年未満などの範囲に設定される。
【0095】
また、通院ごとに分納する分納計画を作成するにあたり、通院回数が少なすぎると、1回の支払い額が高額になる可能性がある。また、通院回数が多すぎると、1回の支払い額が少額になる可能性がある。このため、作成部1004は、患者Pの分納計画を作成するにあたり、患者Pの通院予定が示す予測残り通院回数が第2の範囲内であるか否かを判定することにしてもよい。そして、出力部1005は、予測残り通院回数が第2の範囲外の場合、予測残り通院回数に応じた警告情報を出力することにしてもよい。第2の範囲は、任意に設定可能であり、例えば、2回以上100回未満などの範囲に設定される。
【0096】
また、患者Pの通院予定が示す予測残り通院回数が0の場合、または、予測残り通院期間が0の場合、特定部1002は、患者Pに通院予定なしと判断する。この場合、作成部1004は、患者Pの通院間隔に関わらず未収金を定期に分納する分納計画を作成することにしてもよい。
【0097】
また、患者Pが複数の傷病で通院している場合がある。この場合、特定部1002は、例えば、患者Pの診療情報に基づいて、複数の傷病それぞれについて、患者Pの通院間隔、予測残り通院回数および予測残り通院期間を特定する。そして、特定部1002は、複数の傷病のうち、予測残り通院回数および予測残り通院期間の少なくともいずれかが最大となる傷病の通院間隔、予測残り通院回数および予測残り通院期間を、患者Pの通院予定として特定することにしてもよい。
【0098】
出力部1005は、作成された分納計画を出力する。出力部1005の出力形式としては、例えば、メモリ302、ディスク304などの記憶装置への記憶、通信I/F305による他のコンピュータ(例えば、
図2に示した共用端末204)への送信、不図示のディスプレイへの表示、不図示のプリンタへの印刷出力などがある。
【0099】
具体的には、例えば、出力部1005は、分納DB240を参照して、作成された分納計画を共用端末204に送信することにしてもよい。この結果、後述の
図11~
図14に示すような未収金管理画面が共用端末204に表示される。
【0100】
また、作成部1004は、作成した分納計画における分納回数(例えば、残り通院月数、予測残り通院回数)が所定の範囲内であるか否かを判定することにしてもよい。所定の範囲は、任意に設定可能であり、例えば、2回以上20回未満などの範囲が設定される。そして、出力部1005は、分納計画における分納回数が所定の範囲外の場合、分納計画を出力する際に、分納回数に応じた警告情報を出力することにしてもよい。
【0101】
例えば、分納回数が少なすぎると、1回の支払い額が高額になる可能性がある。このため、出力部1005は、分納回数が2回未満の場合、1回の支払い額が高額になっていないかの確認を促す警告メッセージを出力してもよい。また、分納回数が多すぎると、1回の支払い額が少額になったり、超長期の分納計画となる可能性がある。このため、出力部1005は、分納回数が20回以上の場合、分納回数が多すぎるために1回の支払い額が少額になっていないかの確認を促す警告メッセージを出力してもよい。
【0102】
また、判定部1003は、患者Pの属性情報に基づいて、患者Pについての分納可否を判定することにしてもよい。患者Pの属性情報は、例えば、患者Pの特徴をあらわす情報であり、例えば、
図4に示した患者情報に含まれる注意コードである。具体的には、例えば、判定部1003は、患者Pの患者情報を参照して、注意コードが10以上の場合、患者Pについて分納不可と判定することにしてもよい。一方、注意コードが10未満の場合には、判定部1003は、患者Pについて分納可と判定することにしてもよい。
【0103】
また、判定部1003は、患者Pの未収金(全未収額)に基づいて、患者Pについての分納可否を判定することにしてもよい。具体的には、例えば、判定部1003は、患者Pの未収金(全未収額)が所定の範囲外の場合、患者Pについて分納不可と判定することにしてもよい。一方、未収金(全未収額)が所定の範囲内の場合には、判定部1003は、患者Pについて分納可と判定することにしてもよい。所定の範囲は、任意に設定可能であり、例えば、1000円以上100万円未満などの範囲が設定される。
【0104】
作成部1004は、患者Pについて分納不可と判定された場合、患者Pについての分納計画を作成しないことにしてもよい。また、この場合、出力部1005は、例えば、患者Pについて分納不可である旨のエラーメッセージを出力することにしてもよい。エラーメッセージは、例えば、要注意人物(注意コードが10以上)のため分納不可である旨のメッセージである。
【0105】
また、作成部1004は、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たすと判定された場合であっても、患者Pの通院予定に応じて未収金を通院ごとに分納する分納計画を作成することにしてもよい。そして、出力部1005は、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たすと判定された場合であっても、未収金を通院ごとに分納する分納計画を出力することにしてもよい。この際、出力部1005は、未収金を定期に分納する分納計画とともに、未収金を通院ごとに分納する分納計画を出力することにしてもよい。
【0106】
また、作成部1004は、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たさないと判定された場合であっても、患者Pの通院間隔に関わらず未収金を定期に分納する分納計画を作成することにしてもよい。そして、出力部1005は、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たさないと判定された場合であっても、未収金を定期に分納する分納計画を出力することにしてもよい。この際、出力部1005は、未収金を通院ごとに分納する分納計画とともに、未収金を定期に分納する分納計画を出力することにしてもよい。
【0107】
具体的には、例えば、作成部1004は、患者Pの通院予定が示す通院間隔に関わらず未収金を定期に分納する分納計画と、患者Pの通院予定に応じて未収金を通院ごとに分納する分納計画とを作成する。そして、出力部1005は、基準を満たす場合であっても、作成された未収金を定期に分納する分納計画とともに、作成された未収金を通院ごとに分納する分納計画を出力する。また、出力部1005は、基準を満たさない場合であっても、作成された未収金を通院ごとに分納する分納計画とともに、作成された未収金を定期に分納する分納計画を出力する。
【0108】
また、作成部1004は、患者Pに通院中の家族がいる場合、その家族の通院予定をもとに、患者Pの分納計画を作成することにしてもよい。患者Pの家族は、例えば、患者Pの世帯コードから特定することができる。例えば、世帯コードが同一の患者同士は、家族であると判断することができる。
【0109】
具体的には、例えば、作成部1004は、患者Pの患者情報を参照して、患者Pの世帯コードを特定する。つぎに、作成部1004は、患者DB220を参照して、患者Pと世帯コードが同一の他の患者を特定する。そして、特定部1002は、他の患者(患者Pの家族)の診療情報に基づいて、他の患者(患者Pの家族)の通院予定を特定する。
【0110】
判定部1003は、特定された他の患者(患者Pの家族)の通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たすか否かを判定する。作成部1004は、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たすと判定された場合、他の患者(患者Pの家族)の通院間隔に関わらず、患者Pの未収金を定期に分納する分納計画を作成する。
【0111】
また、作成部1004は、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たさないと判定された場合、他の患者(患者Pの家族)の通院予定に応じて、患者Pの未収金を通院ごとに分納する分納計画を作成する。この場合、回収担当者は、患者Pの未収金を回収するための交渉を、他の患者(患者Pの家族)と行う。
【0112】
なお、上述した未収金管理装置201の機能部は、情報処理システム200内の複数のコンピュータ(例えば、未収金管理装置201と共用端末204)により実現されることにしてもよい。
【0113】
(患者Pの通院間隔等の算出例)
ここで、患者Pの通院間隔、予測残り通院回数および予測残り通院期間の算出例について説明する。ここでは、患者Pの通院間隔、予測残り通院回数および予測残り通院期間の算出タイミングを、患者Pが今回通院した際の会計時とする。また、残り通院回数に、今回通院分を含めることとする。
【0114】
まず、請求区分が「0(外来)」の場合を想定する。また、患者Pを患者「P1(氏名:富士太郎)」とする。
【0115】
この場合、特定部1002は、例えば、請求DB230を参照して、患者P1の請求情報500-3に含まれる病名コード「10」および通院回数「3」を特定する。つぎに、特定部1002は、例えば、診療履歴DB250を参照して、患者P1の病名コード「10」に対応する平均通院回数「5回」および平均通院期間「160日」を特定する。そして、特定部1002は、例えば、下記式(1)を用いて、患者P1の予測残り通院回数を算出する。
【0116】
予測残り通院回数=平均通院回数-(通院回数-1)・・・(1)
【0117】
ここでは、患者P1の予測残り通院回数は、「3回(=5-(3-1))」となる。
【0118】
また、特定部1002は、例えば、下記式(2)を用いて、患者P1の通院間隔を算出する。
【0119】
通院間隔=平均通院期間÷(平均通院回数-1)・・・(2)
【0120】
ここでは、患者P1の通院間隔は、「40日(=160÷(5-1))」となる。
【0121】
また、特定部1002は、例えば、下記式(3)を用いて、患者P1の予測残り通院期間を算出する。
【0122】
予測残り通院期間=平均通院期間-通院間隔×(通院回数-1)・・・(3)
【0123】
ここでは、患者P1の予測残り通院期間は、「80日(=160-{40×(3-1)})」となる。
【0124】
つぎに、請求区分が「1(入院)」の場合を想定する。また、患者Pを患者「P3(氏名:富士花子)」とする。
【0125】
この場合、特定部1002は、例えば、請求DB230を参照して、患者P3の請求情報500-7に含まれる病名コード「30」および退院後通院回数「0」を特定する。つぎに、特定部1002は、例えば、診療履歴DB250を参照して、患者P3の病名コード「30」に対応する退院後平均通院回数「4回」および退院後平均通院期間「320日」を特定する。そして、特定部1002は、例えば、下記式(4)を用いて、患者P3の予測残り通院回数を算出する。
【0126】
予測残り通院回数=退院後平均通院回数-(退院後通院回数-1)・・・(4)
【0127】
ここでは、患者P3の予測残り通院回数は、「5回(=4-(0-1))」となる。
【0128】
また、特定部1002は、例えば、下記式(5)を用いて、患者P3の通院間隔を算出する。
【0129】
通院間隔=退院後平均通院期間÷退院後平均通院回数・・・(5)
【0130】
ここでは、患者P3の通院間隔は、「80日(=320÷4)」となる。
【0131】
また、特定部1002は、例えば、下記式(6)を用いて、患者P3の予測残り通院期間を算出する。
【0132】
予測残り通院期間=退院後平均通院期間-通院間隔×退院後通院回数・・・(6)
【0133】
ここでは、患者P3の予測残り通院期間は、「320日(=320-(80×0))」となる。
【0134】
(未収金管理画面の画面例)
つぎに、
図11~
図14を用いて、共用端末204に表示される未収金管理画面の画面例について説明する。
【0135】
図11は、分納設定画面の画面例を示す説明図(その1)である。
図11において、分納設定画面1100は、未収金が発生した患者P1(氏名:富士太郎)について、未収金を通院ごとに分納する分納計画(通院回数予測)を表示する未収金管理画面の一例である。ここでは、患者P1が今回通院した際の会計時から分納を開始する場合を想定する。
【0136】
分納設定画面1100には、例えば、初回支払額「16,940円」、回まわり支払額「16,940円」、支払回数「3」および未収額合計「50,820円」が表示されている。初回支払額および回まわり支払額は、未収額合計「50,820円」を支払回数「3」で除算することにより算出される。なお、分割の余り額(端数)は、例えば、初回支払額に組み入れることにしてもよい。
【0137】
分納設定画面1100によれば、患者P1の未収金を通院ごとに分納する分納計画を提案することができる。分納設定画面1100において、不図示の入力装置を用いたユーザの入力操作により、通院回数予測ボタン1101を選択すると、例えば、
図12に示すような分納管理画面1200が表示される。分納管理画面1200では、患者P1の未収金を通院ごとに分納する分納計画の詳細を確認することができる。
【0138】
また、分納設定画面1100において、通院期間予測(月払い)ボタン1102を選択すると、月払いの分納計画を表示することができる。また、分納設定画面1100において、家族名寄せボタン1103を選択すると、患者P1の家族の状況を表示する画面(不図示)に遷移する。この場合、未収金管理装置201は、通院中の家族がいれば、その家族の通院予定をもとに、患者P1の分納計画を作成して出力することにしてもよい。
【0139】
メッセージボックス1110には、各種警告メッセージが表示される。警告メッセージとしては、例えば、“注意(不履行)”、“注意(回数範囲外)”、“注意(金額範囲外)”、“名寄せなし0”、“名寄せなし1”などがある。“注意(不履行)”は、過去不履行注意を示す。“注意(回数範囲外)”は、分納回数がしきい値外を示す。“注意(金額範囲外)”は、未収金(全未収額)がしきい値外を示す。“名寄せなし0”は、家族情報なしを示す。“名寄せなし1”は、通院中家族なしを示す。
【0140】
なお、分納設定済みの分納計画を変更する場合は、例えば、現時点の分納計画が「現在の分納設定」に表示され、変更後の分納計画が「今回診療費を追加」に表示される。
【0141】
図12は、分納管理画面の画面例を示す説明図(その1)である。
図12において、分納管理画面1200は、未収金が発生した患者P1(氏名:富士太郎)について、未収金を通院ごとに分納する分納計画(通院回数予測)の内容を表示する未収金管理画面の一例である。
【0142】
分納管理画面1200には、例えば、分納設定日、分納回数、初回額、回まわり額が表示される。また、分納管理画面1200には、未収金を通院ごとに分納する際の各回の支払予測日および支払予定額が表示される。支払予測日は、分納設定日(当日)を基準として、患者P1の傷病(病名コード:10)が治癒するまで通院する場合の平均的な通院間隔と分納回数とをもとに設定される。平均的な通院間隔は、例えば、患者P1の通院予定が示す通院間隔(例えば、40日)である。また、平均的な通院間隔は、患者P1の予測残り通院回数と予測残り通院期間とから算出されてもよい。分納回数は、予測残り通院回数をもとに設定される。
【0143】
ここでは、1回目の支払予測日「2021.3.31」および支払予定額「16,940」、2回目の支払予測日「2021.5.10」および支払予定額「16,940」、3回目の支払予測日「2021.6.19」および支払予定額「16,940」が表示されている。なお、実際に各回の支払いが行われた場合、支払実績日および支払実績額が表示される。
【0144】
分納管理画面1200によれば、例えば、回収担当者(医事課の職員)は、患者P1の未収金を通院ごとに分納する分納計画の詳細な内容を確認しながら、患者P1との未収金についての交渉を行うことができる。
【0145】
なお、分納管理画面1200において、回収担当者は、患者P1からの希望に応じて、分納回数、支払予測日、支払予定額などを変更することが可能であってもよい。例えば、分納管理画面1200において、ユーザの入力操作により、初回額を変更して、再計算ボタン1201を選択すると、変更後の初回額をもとに回まわり額が更新される。
【0146】
また、分納管理画面1200において、ユーザの入力操作により、戻るボタン1202を選択すると、
図11に示した分納設定画面1100が表示される。メッセージボックス1210には、各種警告メッセージが表示される。
【0147】
また、分納管理画面1200において、ユーザの入力操作により、決定ボタン1203を選択すると、患者P1の分納計画を確定することができる。患者P1の分納計画が確定すると、その内容に応じて
図6に示した分納DB240の記憶内容(例えば、分納情報600-1)が更新される。
【0148】
図13は、分納設定画面の画面例を示す説明図(その2)である。
図13において、分納設定画面1300は、未収金が発生した患者P3(氏名:富士花子)について、未収金を定期(月ごと)に分納する分納計画(通院期間予測(月払い))を表示する未収金管理画面の一例である。ここでは、患者P3が今回通院した際の会計時から分納を開始する場合を想定する。また、月払い間隔を「1ヶ月」とし、月払い基準日を「1日」とする。
【0149】
分納設定画面1300には、例えば、初回支払額「64,380円」、回まわり支払額「64,377円」、支払回数「11」および未収額合計「708,150円」が表示されている。初回支払額および回まわり支払額は、未収額合計「708,150円」を支払回数「11」で除算することにより算出される。分割の余り額(端数)は、初回支払額に組み入れられる。
【0150】
分納設定画面1300によれば、患者P3の未収金を月ごとに分納する分納計画を提案することができる。分納設定画面1300において、ユーザの入力操作により、通院期間予測(月払い)ボタン1302を選択すると、例えば、
図14に示すような分納管理画面1400が表示される。分納管理画面1400では、患者P3の未収金を月ごとに分納する分納計画の詳細を確認することができる。
【0151】
また、分納設定画面1300において、通院回数予測ボタン1301を選択すると、患者P3の未収金を通院ごとに分納する分納計画を表示することができる。また、分納設定画面1300において、家族名寄せボタン1303を選択すると、患者P3の家族の状況を表示する画面(不図示)に遷移する。この場合、未収金管理装置201は、通院中の家族がいれば、その家族の通院予定をもとに、患者P3の分納計画を作成して出力することにしてもよい。
【0152】
メッセージボックス1310には、各種警告メッセージが表示される。警告メッセージとしては、例えば、“注意(不履行)”、“注意(回数範囲外)”、“注意(金額範囲外)”、“名寄せなし0”、“名寄せなし1”などがある。
【0153】
図14は、分納管理画面の画面例を示す説明図(その2)である。
図14において、分納管理画面1400は、未収金が発生した患者P3(氏名:富士花子)について、未収金を月ごとに分納する分納計画(通院期間予測(月払い))の内容を表示する未収金管理画面の一例である。
【0154】
分納管理画面1400には、例えば、分納設定日、間隔(月)、分納回数、初回額、回まわり額、支払基準日が表示される。分納設定日は、支払開始日に相当する。また、分納管理画面1400には、未収金を月ごとに分納する際の各回の支払予測日および支払予定額が表示される。支払予測日は、支払開始日(当日)を基準として、患者P3の傷病(病名コード:30)が治癒するまで通院する場合の予測残り通院期間に応じた残り通院月数をもとに設定される。
【0155】
分納管理画面1400によれば、例えば、回収担当者(医事課の職員)は、患者P3の未収金を月ごとに分納する分納計画の詳細な内容を確認しながら、患者P3との未収金についての交渉を行うことができる。
【0156】
分納管理画面1400において、回収担当者は、患者P3からの希望に応じて、分納回数、支払予測日、支払予定額などを変更することが可能である。ここでは、患者の要望により、支払基準日が「26日」に変更されて、再計算ボタン1401が選択された場合を想定する。
【0157】
この場合、2回目以降の支払予測日が、変更後の支払基準日をもとに設定される。この結果、例えば、1回目の支払予測日「2021.3.31」および支払予定額「64,380」、2回目の支払予測日「2021.4.26」および支払予定額「64,377」、3回目の支払予測日「2021.5.26」および支払予定額「64,377」、4回目の支払予測日「2021.6.26」および支払予定額「64,377」、5回目の支払予測日「2021.7.26」および支払予定額「64,377」が表示されている。
【0158】
また、分納管理画面1400において、ユーザの入力操作により、戻るボタン1402を選択すると、
図13に示した分納設定画面1300が表示される。メッセージボックス1410には、各種警告メッセージが表示される。
【0159】
また、分納管理画面1400において、ユーザの入力操作により、決定ボタン1403を選択すると、患者P3の分納計画を確定することができる。患者P3の分納計画が確定すると、その内容に応じて
図6に示した分納DB240の記憶内容(例えば、分納情報600-2)が更新される。
【0160】
(未収金管理装置201の未収金管理処理手順)
つぎに、
図15を用いて、未収金管理装置201の未収金管理処理手順について説明する。
【0161】
図15は、未収金管理装置201の未収金管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15のフローチャートにおいて、まず、未収金管理装置201は、共用端末204から分納設定要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS1501)。ここで、未収金管理装置201は、共用端末204から分納設定要求を受け付けるのを待つ(ステップS1501:No)。
【0162】
そして、未収金管理装置201は、共用端末204から分納設定要求を受け付けた場合(ステップS1501:Yes)、分納可否判定処理を実行する(ステップS1502)。分納可否判定処理は、未収金が発生した患者Pについての分納可否を判定する処理である。分納可否判定処理の具体的な処理手順については、
図16および
図17を用いて後述する。
【0163】
つぎに、未収金管理装置201は、分納計画作成処理を実行する(ステップS1503)。分納計画作成処理は、未収金が発生した患者Pの分納計画を作成する処理である。分納計画作成処理の具体的な処理手順については、
図18を用いて後述する。
【0164】
そして、未収金管理装置201は、作成した患者Pの分納計画を出力して(ステップS1504)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。これにより、未収金が発生した患者Pについて、未収金を分納する分納計画を出力することができる。
【0165】
つぎに、
図16および
図17を用いて、ステップS1502の分納可否判定処理の具体的な処理手順について説明する。
【0166】
図16および
図17は、分納可否判定処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16のフローチャートにおいて、まず、未収金管理装置201は、患者Pの未収額がしきい値範囲外であるか否かを判断する(ステップS1601)。患者Pの未収額は、例えば、分納設定要求に含まれる患者番号に対応する請求情報の延滞額を集計することにより算出される。しきい値範囲は、例えば、1000円以上100万円未満などの範囲に設定される。
【0167】
ここで、未収額がしきい値範囲外の場合(ステップS1601:Yes)、未収金管理装置201は、分納不可(限度額)メッセージを出力して(ステップS1602)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。分納不可(限度額)メッセージは、未収額が少ない、あるいは、多いため、分納不可である旨のエラーメッセージである。分納不可(限度額)メッセージは、例えば、
図9に示したような未収金管理画面900のメッセージボックス905に出力される。これにより、未収額が少なすぎる、あるいは、多すぎる患者Pに対して、分納計画を提案してしまうことを防ぐことができる。
【0168】
一方、未収額がしきい値範囲内の場合(ステップS1601:No)、未収金管理装置201は、患者Pの注意コードが10より大きいか否かを判断する(ステップS1603)。患者Pの注意コードは、例えば、分納設定要求に含まれる患者番号に対応する患者情報から特定される。
【0169】
ここで、注意コードが10より大きい場合(ステップS1603:Yes)、未収金管理装置201は、分納不可(管理)メッセージを出力して(ステップS1604)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。分納不可(管理)メッセージは、要注意人物のため、分納不可である旨のエラーメッセージである。分納不可(管理)メッセージは、例えば、
図9に示したような未収金管理画面900のメッセージボックス905に出力される。これにより、悪意のある未収を発生させる患者Pに対して、分納計画を提案してしまうことを防ぐことができる。
【0170】
一方、注意コードが10以下の場合(ステップS1603:No)、未収金管理装置201は、患者Pの分納支払実績が20%以下であるか否かを判断する(ステップS1605)。患者Pの分納支払実績は、例えば、分納設定要求に含まれる患者番号に対応する請求情報から特定される。より詳細に説明すると、例えば、未収金管理装置201は、請求DB230を参照して、分納設定要求に含まれる患者番号に対応する請求情報の総数のうち、延滞額が0円の請求情報(延滞コード:0)の数の割合を算出することにより、患者Pの分納支払実績を求めることができる。
【0171】
ここで、分納支払実績が20%以下の場合(ステップS1605:Yes)、未収金管理装置201は、注意(不履行)メッセージを出力する(ステップS1606)。注意(不履行)メッセージは、延滞割合が高いため注意を促す警告メッセージである。注意(不履行)メッセージは、例えば、
図9に示したような未収金管理画面900のメッセージボックス905に出力される。これにより、支払約束の不履行が多い患者Pに分納計画を提案する際に注意を促すことができる。
【0172】
つぎに、未収金管理装置201は、注意(不履行)メッセージに対する確認操作が行われたか否かを判断する(ステップS1607)。注意(不履行)メッセージに対する確認操作は、例えば、
図9に示したような未収金管理画面900において確認ボタン906を選択することにより行われる。
【0173】
ここで、未収金管理装置201は、注意(不履行)メッセージに対する確認操作が行われるのを待つ(ステップS1607:No)。そして、未収金管理装置201は、注意(不履行)メッセージに対する確認操作が行われた場合(ステップS1607:Yes)、ステップS1608に移行する。
【0174】
また、ステップS1605において、分納支払実績が20%より大きい場合(ステップS1605:No)、未収金管理装置201は、請求DB230を参照して、分納設定要求に含まれる患者番号に対応する請求情報のうち、未収金が発生している請求情報を取得する(ステップS1608)。
【0175】
つぎに、未収金管理装置201は、診療履歴DB250を参照して、取得した請求情報に基づいて、患者Pの通院予定を特定して(ステップS1609)、
図17に示すステップS1701に移行する。具体的には、例えば、未収金管理装置201は、患者Pの通院予定として、患者Pの通院間隔、予測残り通院回数および予測残り通院期間を算出する。
【0176】
図17のフローチャートにおいて、まず、未収金管理装置201は、患者Pの通院予定が示す予測残り通院回数がしきい値範囲外であるか否かを判断する(ステップS1701)。しきい値範囲は、例えば、2回以上100回未満などの範囲に設定される。
【0177】
ここで、予測残り通院回数がしきい値範囲外の場合(ステップS1701:Yes)、未収金管理装置201は、注意(回数範囲外)メッセージを出力する(ステップS1702)。注意(回数範囲外)メッセージは、予測残り通院回数が少ない、あるいは、多いため注意を促す警告メッセージである。注意(回数範囲外)メッセージは、例えば、
図9に示したような未収金管理画面900のメッセージボックス905に出力される。これにより、予測残り通院回数が少なすぎる、あるいは、多すぎる患者Pに分納計画を提案する際に注意を促すことができる。
【0178】
つぎに、未収金管理装置201は、注意(回数範囲外)メッセージに対する確認操作が行われたか否かを判断する(ステップS1703)。注意(回数範囲外)に対する確認操作は、例えば、
図9に示したような未収金管理画面900において確認ボタン906を選択することにより行われる。
【0179】
ここで、未収金管理装置201は、注意(回数範囲外)メッセージに対する確認操作が行われるのを待つ(ステップS1703:No)。そして、未収金管理装置201は、注意(回数範囲外)メッセージに対する確認操作が行われた場合(ステップS1703:Yes)、ステップS1704に移行する。
【0180】
また、ステップS1701において、予測残り通院回数がしきい値範囲内の場合(ステップS1701:No)、未収金管理装置201は、患者Pの通院予定が示す予測残り通院期間がしきい値範囲外であるか否かを判断する(ステップS1704)。しきい値範囲は、例えば、2週間以上2年未満などの範囲に設定される。
【0181】
ここで、予測残り通院期間がしきい値範囲外の場合(ステップS1704:Yes)、未収金管理装置201は、注意(期間範囲外)メッセージを出力する(ステップS1705)。注意(期間範囲外)メッセージは、予測残り通院期間が短い、あるいは、長いため注意を促す警告メッセージである。注意(期間範囲外)メッセージは、例えば、
図9に示したような未収金管理画面900のメッセージボックス905に出力される。これにより、予測残り通院期間が短すぎる、あるいは、長すぎる患者Pに分納計画を提案する際に注意を促すことができる。
【0182】
つぎに、未収金管理装置201は、注意(期間範囲外)メッセージに対する確認操作が行われたか否かを判断する(ステップS1706)。注意(期間範囲外)に対する確認操作は、例えば、
図9に示したような未収金管理画面900において確認ボタン906を選択することにより行われる。
【0183】
ここで、未収金管理装置201は、注意(期間範囲外)メッセージに対する確認操作が行われるのを待つ(ステップS1706:No)。そして、未収金管理装置201は、注意(期間範囲外)メッセージに対する確認操作が行われた場合(ステップS1706:Yes)、分納可否判定処理を呼び出したステップに戻る。
【0184】
また、ステップS1704において、予測残り通院期間がしきい値範囲内の場合(ステップS1704:No)、未収金管理装置201は、分納可否判定処理を呼び出したステップに戻る。
【0185】
つぎに、
図18を用いて、ステップS1503の分納計画作成処理の具体的な処理手順について説明する。
【0186】
図18は、分納計画作成処理の具体的処理手順の一例を示すフローチャートである。
図18のフローチャートにおいて、まず、未収金管理装置201は、特定した患者Pの通院予定が示す通院間隔がしきい値範囲外であるか否かを判断する(ステップS1801)。しきい値範囲は、例えば、第2のしきい値Th2より大きく、第1のしきい値Th1未満の範囲に相当する。
【0187】
ここで、通院間隔がしきい値範囲内の場合(ステップS1801:No)、未収金管理装置201は、患者Pの未収金(全未収額)を予測残り通院回数で分割して支払額(分納額)を算出する(ステップS1802)。そして、未収金管理装置201は、分割の余り(端数)がある場合、余りを初回支払額に充当する(ステップS1803)。
【0188】
つぎに、未収金管理装置201は、分納設定日(例えば、当日)を基準として、患者Pの通院間隔と予測残り通院回数とをもとに支払い予定日を特定する(ステップS1804)。そして、未収金管理装置201は、算出した支払額と、特定した支払い予定日とに基づいて、未収金を通院ごとに分納する分納計画を作成して(ステップS1805)、分納計画作成処理を呼び出したステップに戻る。
【0189】
また、ステップS1801において、通院間隔がしきい値範囲外の場合(ステップS1801:Yes)、未収金管理装置201は、患者Pの通院予定が示す予測残り通院期間をもとに残り通院月数を算出する(ステップS1806)。つぎに、未収金管理装置201は、患者Pの未収金(全未収額)を残り通院月数で分割して支払額(分納額)を算出する(ステップS1807)。
【0190】
そして、未収金管理装置201は、分割の余り(端数)がある場合、余りを初回支払額に充当する(ステップS1808)。つぎに、未収金管理装置201は、分納設定日(例えば、当日)を基準として、支払い基準日(例えば、1日)と残り通院月数とをもとに支払い予定日を特定する(ステップS1809)。
【0191】
そして、未収金管理装置201は、算出した支払額と、特定した支払い予定日とに基づいて、未収金を月ごとに分納する分納計画を作成して(ステップS1810)、分納計画作成処理を呼び出したステップに戻る。これにより、患者Pの通院間隔に応じて、未収金を分納する分納計画を作成することができる。
【0192】
以上説明したように、実施の形態にかかる未収金管理装置201によれば、未収金が発生した患者Pの診療情報を取得し、取得した診療情報に基づいて、患者Pの通院予定を特定し、特定した通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値Th1以上、または、第2のしきい値Th2以下の基準を満たすか否かを判定することができる。患者Pの通院予定は、例えば、患者Pの傷病(けがや病気)が治癒するまでの通院予定である。そして、未収金管理装置201によれば、基準を満たす場合、通院間隔に関わらず未収金を定期に分納する分納計画を作成して、作成した分納計画を出力することができる。具体的には、例えば、未収金管理装置201は、未収金を、患者Pの通院予定が示す予測残り通院期間に基づく残り通院月数、または、あらかじめ設定された分納期間に基づく残り分納月数で分割することにより、未収金を定期に分納する分納計画を作成する。
【0193】
これにより、未収金管理装置201は、患者Pにとって妥当な分納計画を作成することができる。例えば、通院間隔が長すぎると、支払いに対する意識が薄くなったり、支払いの約束を忘れたりしてしまうおそれがある。このため、未収金管理装置201は、例えば、患者Pの通院予定が示す通院間隔が第1のしきい値Th1以上の場合には、未収金を通院ごとに分納する計画ではなく、月払いの計画を立てることができる。また、通院間隔が短すぎると、支払い回数が増えて、患者Pの負担が増えるとともに、受付・会計などの職員の手間が増えてしまう。このため、未収金管理装置201は、例えば、患者Pの通院予定が示す通院間隔が第2のしきい値Th2以下の場合には、未収金を通院ごとに分納する計画ではなく、月払いの計画を立てることができる。
【0194】
また、未収金管理装置201によれば、基準を満たさない場合、患者Pの通院予定に応じて未収金を通院ごとに分納する分納計画を作成して、作成した分納計画を出力することができる。具体的には、例えば、未収金管理装置201は、未収金を、患者Pの通院予定が示す予測残り通院回数で分割することにより、未収金を通院ごとに分納する分納計画を作成する。
【0195】
これにより、未収金管理装置201は、通院間隔が長すぎたり、短すぎたりしない場合は、未収金を通院ごとに分納する計画を立てることができる。この分納計画によれば、患者Pは、通院の際に未収金の支払いを行うことができるため、支払いのために別途医療機関に訪れるなどの手間が省ける。
【0196】
また、未収金管理装置201によれば、患者Pの属性情報(例えば、注意コード)に基づいて、患者Pについての分納可否を判定し、患者Pについて分納不可と判定した場合には、未収金を分納する分納計画を作成せずに、患者Pについて分納不可である旨のメッセージを出力することができる。
【0197】
これにより、未収金管理装置201は、経済的困窮ではない悪意のある未収を発生させるような患者Pに対して、分納計画を提案してしまうことを防ぐことができる。
【0198】
また、未収金管理装置201によれば、患者Pの通院予定が示す予測残り通院期間が第1の範囲内であるか否かを判定し、予測残り通院期間が第1の範囲外の場合、予測残り通院期間に応じた警告情報を出力することができる。
【0199】
これにより、未収金管理装置201は、患者Pの分納計画を作成するにあたり、患者Pの残りの通院期間が長すぎたり、短すぎたりする場合は、未収金を分割払いとすることが好ましくない可能性があるため、回収担当者等に対して注意喚起することができる。
【0200】
また、未収金管理装置201によれば、患者Pの通院予定が示す予測残り通院回数が第2の範囲内であるか否かを判定し、予測残り通院回数が第2の範囲外の場合、予測残り通院回数に応じた警告情報を出力することができる。
【0201】
これにより、未収金管理装置201は、患者Pの分納計画を作成するにあたり、患者Pの残りの通院回数が多すぎたり、少なすぎたりする場合は、未収金を分割払いとすることが好ましくない可能性があるため、回収担当者等に対して注意喚起することができる。
【0202】
また、未収金管理装置201によれば、作成した分納計画における分納回数が所定の範囲内であるか否かを判定し、分納回数が所定の範囲外の場合、分納計画を出力する際に、分納回数に応じた警告情報を出力することができる。
【0203】
これにより、未収金管理装置201は、患者Pの分納計画を提案するにあたり、分納回数が多すぎたり、少なすぎたりする場合、患者Pや職員の負担が大きくなる可能性があるため、回収担当者等に対して注意喚起することができる。
【0204】
また、未収金管理装置201によれば、患者Pの通院予定が示す通院間隔に関わらず未収金を定期に分納する分納計画と、患者Pの通院予定に応じて未収金を通院ごとに分納する分納計画とを作成し、基準を満たす場合であっても、作成した未収金を定期に分納する分納計画とともに、作成した未収金を通院ごとに分納する分納計画を出力することができる。
【0205】
これにより、回収担当者等は、未収金を定期に分納する分納計画と未収金を通院ごとに分納する分納計画の両方を用いて、患者Pと交渉を行うことができる。
【0206】
また、未収金管理装置201によれば、患者Pの通院予定が示す通院間隔に関わらず未収金を定期に分納する分納計画と、患者Pの通院予定に応じて未収金を通院ごとに分納する分納計画とを作成し、基準を満たさない場合であっても、作成した未収金を通院ごとに分納する分納計画とともに、作成した未収金を定期に分納する分納計画を出力することができる。
【0207】
これにより、回収担当者等は、未収金を定期に分納する分納計画と未収金を通院ごとに分納する分納計画の両方を用いて、患者Pと交渉を行うことができる。
【0208】
これらのことから、実施の形態にかかる未収金管理装置201(情報処理装置101)によれば、患者Pにとって妥当な分納計画を作成することで、患者Pの支払いに対する意識を強めて、未収金の回収につなげることができる。また、未収金管理装置201(情報処理装置101)によれば、分納計画を自動で作成することで、医療機関における回収担当者の負荷やミスを軽減することができ、患者Pとの交渉時間も削減することができる。また、患者Pにとっても、一定根拠に基づいた妥当な分納計画の提案をスピーディに受けることができる。さらに、未収金管理装置201(情報処理装置101)によれば、患者Pの要望による条件変更にも対応できるため、手早く最適な分納計画を選択することが可能となる。また、未収金管理装置201(情報処理装置101)によれば、患者Pの家族への案内、督促、立替の機会を確保することで、本人が無理な計画で支払い意欲が減退することを防ぐことができる。
【0209】
なお、本実施の形態で説明した未収金管理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本未収金管理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD、USBメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本未収金管理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0210】
また、本実施の形態で説明した未収金管理装置201(情報処理装置101)は、スタンダードセルやストラクチャードASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定用途向けICやFPGAなどのPLD(Programmable Logic Device)によっても実現することができる。
【0211】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0212】
(付記1)未収金が発生した患者の診療情報を取得し、
取得した前記診療情報に基づいて、前記患者の通院予定を特定し、
特定した前記通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値以上、または、前記第1のしきい値とは異なる第2のしきい値以下の基準を満たすか否かを判定し、
前記基準を満たす場合、前記通院間隔に関わらず前記未収金を定期に分納する計画を作成して、作成した前記計画を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする未収金管理プログラム。
【0213】
(付記2)前記基準を満たさない場合、前記通院予定に応じて前記未収金を通院ごとに分納する計画を作成して、作成した前記計画を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の未収金管理プログラム。
【0214】
(付記3)前記患者の属性情報に基づいて、前記患者についての分納可否を判定し、
前記患者について分納不可と判定した場合、前記未収金を分納する計画を作成せずに、前記患者について分納不可である旨のメッセージを出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1または2に記載の未収金管理プログラム。
【0215】
(付記4)前記通院予定は、前記患者の傷病が治癒するまでの通院予定である、ことを特徴とする付記1~3のいずれか一つに記載の未収金管理プログラム。
【0216】
(付記5)前記通院予定が示す予測残り通院期間が第1の範囲内であるか否かを判定し、
前記予測残り通院期間が前記第1の範囲外の場合、前記予測残り通院期間に応じた警告情報を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載の未収金管理プログラム。
【0217】
(付記6)前記通院予定が示す予測残り通院回数が第2の範囲内であるか否かを判定し、
前記予測残り通院回数が前記第2の範囲外の場合、前記予測残り通院回数に応じた警告情報を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の未収金管理プログラム。
【0218】
(付記7)作成した前記計画における分納回数が所定の範囲内であるか否かを判定し、
前記分納回数が前記所定の範囲外の場合、前記計画を出力する際に、前記分納回数に応じた警告情報を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の未収金管理プログラム。
【0219】
(付記8)前記作成する処理は、
前記基準を満たす場合、前記未収金を、前記通院予定が示す予測残り通院期間に基づく残り通院月数、または、あらかじめ設定された分納期間に基づく残り分納月数で分割することにより、前記未収金を定期に分納する計画を作成する、ことを特徴とする付記1に記載の未収金管理プログラム。
【0220】
(付記9)前記作成する処理は、
前記基準を満たさない場合、前記未収金を、前記通院予定が示す予測残り通院回数で分割することにより、前記未収金を通院ごとに分納する計画を作成する、ことを特徴とする付記2に記載の未収金管理プログラム。
【0221】
(付記10)前記通院間隔に関わらず前記未収金を定期に分納する計画と、前記通院予定に応じて前記未収金を通院ごとに分納する計画とを作成し、
前記基準を満たす場合であっても、作成した前記未収金を定期に分納する計画とともに、作成した前記未収金を通院ごとに分納する計画を出力する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の未収金管理プログラム。
【0222】
(付記11)未収金が発生した患者の診療情報を取得し、
取得した前記診療情報に基づいて、前記患者の通院予定を特定し、
特定した前記通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値以上、または、前記第1のしきい値とは異なる第2のしきい値以下の基準を満たすか否かを判定し、
前記基準を満たす場合、前記通院間隔に関わらず前記未収金を定期に分納する計画を作成して、作成した前記計画を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする未収金管理方法。
【0223】
(付記12)未収金が発生した患者の診療情報を取得し、
取得した前記診療情報に基づいて、前記患者の通院予定を特定し、
特定した前記通院予定が示す通院間隔が、第1のしきい値以上、または、前記第1のしきい値とは異なる第2のしきい値以下の基準を満たすか否かを判定し、
前記基準を満たす場合、前記通院間隔に関わらず前記未収金を定期に分納する計画を作成して、作成した前記計画を出力する、
処理を実行する制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0224】
101 情報処理装置
102,P 患者
110 診療情報
130 月払いの分納計画
200 情報処理システム
201 未収金管理装置
202 電子カルテシステム
203 医事会計システム
204 共用端末
210 ネットワーク
220 患者DB
230 請求DB
240 分納DB
250 診療履歴DB
260 電子カルテDB
270 医事会計DB
300 バス
301 CPU
302 メモリ
303 ディスクドライブ
304 ディスク
305 通信I/F
306 可搬型記録媒体I/F
307 可搬型記録媒体
800 電子カルテ画面
900 未収金管理画面
1001 取得部
1002 特定部
1003 判定部
1004 作成部
1005 出力部
1100,1300 分納設定画面
1200,1400 分納管理画面