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特開2022-174367表示制御装置、表示システム、表示制御プログラムおよび表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174367
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示システム、表示制御プログラムおよび表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20221116BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
G09G5/00 530D
G09G5/00 530H
G09G5/36 530Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080110
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 禎
(72)【発明者】
【氏名】馬場 明日香
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 雅子
(72)【発明者】
【氏名】中西 克巳
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
【テーマコード(参考)】
5C182
【Fターム(参考)】
5C182BA01
5C182BB02
5C182BB03
5C182CB42
5C182CB43
5C182CB45
5C182CB47
5C182CB56
(57)【要約】
【課題】 第1表示手段に表示される第1画像に特定情報が含まれる場合に、第2表示手段には第1画像と同じ内容の画像を表示しつつ、特定情報については非表示とする、新規な表示制御装置、表示システム、表示制御プログラムおよび表示制御方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る会議システム10は、第1表示手段としての内部ディスプレイ200を有するノートPC20と、第2表示手段としての外部ディスプレイ30と、を備える。外部ディスプレイ30には、内部ディスプレイ200に表示される画像の複製画像が表示される。ここで、内部ディスプレイ200に特定情報としての通知情報200aが表示されるときに、外部ディスプレイ30の表示領域30dのうちの通知情報30aを含む特定領域に不透明なマスク30bが掛けられる。これにより、外部ディスプレイ30においては、通知情報30aが非表示となる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示手段に第1画像を表示するとともに第2表示手段に第2画像を表示する表示制御装置であって、
前記第1画像に所定の態様の特定情報が含まれるかどうかを判定する判定手段、および、
前記第1画像に前記特定情報が含まれないと前記判定手段により判定されたとき、当該第1画像と同じ内容の画像を前記第2画像として前記第2表示手段に表示し、当該第1画像に当該特定情報が含まれると当該判定手段により判定されたとき、当該第1画像と同じ内容の画像に当該特定情報が非表示となるような加工を施した加工画像を当該第2画像として当該第2表示手段に表示する表示制御手段を備える、表示制御装置。
【請求項2】
前記特定情報は、前記第1画像における特定領域に配され、
前記表示制御手段は、前記第1画像と同じ内容の画像における前記特定領域に対応する対応領域に不透明なマスクを掛けたマスク画像を前記加工画像として生成する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
第1ユーザ操作に従って前記対応領域を設定する第1領域設定手段をさらに備える、請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記特定情報の態様に係る態様情報および前記第2表示手段の属性情報に従って前記対応領域を設定する第2領域設定手段をさらに備える、請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記マスク上に付加情報を表示する情報付加手段をさらに備える、請求項2から4までのいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項6】
第2ユーザ操作に従って前記付加情報を設定する付加情報設定手段をさらに備える、請求項5に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記特定情報を含む前記第1画像と同じ内容の画像は、当該特定情報を表示するための特定レイヤを含む複数のレイヤが重ね合わせられることにより形成され、
前記表示制御手段は、前記複数のレイヤのうちの前記特定レイヤを前記特定情報が前記第2表示手段の表示領域外に配されるように変位させることにより前記加工画像を生成する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記特定情報を含む前記第1画像と同じ内容の画像は、当該特定情報を表示するための特定レイヤを含む複数のレイヤが重ね合わせられることにより形成され、
前記表示制御手段は、前記複数のレイヤのうちの前記特定レイヤを非表示とすることにより前記加工画像を生成する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項9】
特定通信網に接続可能な通信手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記通信手段が前記特定通信網に接続されているかどうかに基づいて、前記第1画像に前記特定情報が含まれるかどうかを判定する、請求項1から8までのいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項10】
特定ソフトウェアを実行可能なソフトウェア実行手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記ソフトウェア実行手段により前記特定ソフトウェアが実行されているかどうかに基づいて、前記第1画像に前記特定情報が含まれるかどうかを判定する、請求項1から9のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項11】
第3ユーザ操作に従って任意のソフトウェアを前記特定ソフトウェアとして設定するソフトウェア設定手段をさらに備える、請求項10に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記第1表示手段、前記第2表示手段、および、請求項1から11までのいずれかに記載の表示制御装置を備える、表示システム。
【請求項13】
第1表示手段に第1画像を表示するとともに第2表示手段に第2画像を表示する表示制御プログラムであって、
前記第1画像に所定の態様の特定情報が含まれるかどうかを判定する判定手順、および、
前記第1画像に前記特定情報が含まれないと前記判定手順により判定されたとき、当該第1画像と同じ内容の画像を前記第2画像として前記第2表示手段に表示し、当該第1画像に当該特定情報が含まれると当該判定手順により判定されたとき、当該第1画像と同じ内容の画像に当該特定情報が非表示となるような加工を施した加工画像を当該第2画像として当該第2表示手段に表示する表示制御手順を、コンピュータに実行させる、表示制御プログラム。
【請求項14】
第1表示手段に第1画像を表示するとともに第2表示手段に第2画像を表示する表示制御方法であって、
前記第1画像に所定の態様の特定情報が含まれるかどうかを判定する判定ステップ、および、
前記第1画像に前記特定情報が含まれないと前記判定ステップにより判定されたとき、当該第1画像と同じ内容の画像を前記第2画像として前記第2表示手段に表示し、当該第1画像に当該特定情報が含まれると当該判定ステップにより判定されたとき、当該第1画像と同じ内容の画像に当該特定情報が非表示となるような加工を施した加工画像を当該第2画像として当該第2表示手段に表示する表示制御ステップを含む、表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示システム、表示制御プログラムおよび表示制御方法に関し、特に、第1表示手段に第1画像を表示するとともに、第2表示手段に第2画像を表示する、表示制御装置、表示システム、表示制御プログラム、および、表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示された技術によれば、ノート型のパーソナルコンピュータ(以下、「ノートPC」と言う。)などの情報処理装置に、当該情報処理装置が備える第1表示手段としての内部(内蔵)ディスプレイとは別の第2表示手段としての外部ディスプレイが接続される。そして特に、複製モードによれば、内部ディスプレイに表示される画像の複製画像が、つまり当該内部ディスプレイに表示されるのと同じ内容の画像が、外部ディスプレイに表示され、いわゆるミラーリングが行われる。この複製モードは、たとえば会議システムに好適である。ただし、会議システムにおいては、これが使用される環境(状況)によっては、秘匿性やプライベート性のある情報が外部ディスプレイに表示されるのを防止する必要がある。特許文献1に開示された技術では、情報処理装置の現在位置が所定の位置以外である場合には、外部ディスプレイに表示(描画)される内容が加工され、極端には当該外部ディスプレイへの表示そのものが禁止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-69473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述のような会議システムにおいては、外部ディスプレイへの表示そのものが禁止されるのではなく、当該外部ディスプレイに表示される画像のうちの特定の情報についてのみ、当該外部ディスプレイに非表示とされるのが適当である場合がある。たとえば、メール受信確認用ソフトウェア(メールチェッカ)によりメールの受信が確認されたときや、オペレーティングシステムを含む特定のソフトウェアのアップデート時期が到来したときなどに、そのことを通知するための情報が所定の態様で表示され、常套的にはポップアップ表示されるが、これらの通知情報などの特定情報については、内部ディスプレイにのみ表示され、外部ディスプレイへは非表示とされるのが適当である。
【0005】
そこで、本発明は、第1表示手段に表示される第1画像に特定情報が含まれる場合に、第2表示手段には当該第1画像と同じ内容の画像を表示しつつ、特定情報については非表示とする、新規な表示制御装置、表示システム、表示制御プログラムおよび表示制御方法を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、表示制御装置に係る第1発明と、表示システムに係る第2発明と、表示制御プログラムに係る第3発明と、表示制御方法に係る第4発明と、を含む。
【0007】
このうちの表示制御装置に係る第1発明は、第1表示手段に第1画像を表示するとともに、第2表示手段に第2画像を表示することを、前提とする。この前提の下、本第1発明は、判定手段および表示制御手段を備える。判定手段は、第1画像に特定情報が含まれるかどうかを判定する。そして、表示制御手段は、第1画像に特定情報が含まれないと判定手段により判定されたとき、当該第1画像と同じ内容の画像を、第2画像として第2表示手段に表示する。一方、第1画像に特定情報が含まれると判定手段により判定されたとき、表示制御手段は、当該第1画像と同じ内容の画像に特定情報が非表示となるような加工を施した加工画像を、第2画像として第2表示手段に表示する。
【0008】
なお、特定情報は、第1画像における特定領域に配され、つまり予め定められた領域に配される。この場合、表示制御手段は、第1画像と同じ内容の画像における特定領域に対応する対応領域に実質的に不透明なマスクを掛けたマスク画像を、加工画像として生成してもよい。
【0009】
併せて、第1領域設定手段が、さらに備えられてもよい。この第1領域設定手段は、第1ユーザ操作に従って、つまりは手動操作に従って、対応領域を設定する。この対応領域は、特定情報の表示位置や大きさ、形状などの態様に合わせて、設定される。
【0010】
これに代えて、第2領域設定手段が、さらに備えられてもよい。この第2領域設定手段は、特定情報の態様に係る態様情報、および、第2表示手段の属性情報に従って、対応領域を設定し、言わば自動的に当該対応領域を設定する。ここで言う第2表示手段の属性情報とは、当該第2表示手段のサイズや解像度などを言う。すなわち、対応領域は、特定情報の表示位置や大きさ、形状などの態様と、第2表示手段のサイズや解像度などの属性と、に基づいて、自動的に設定される。
【0011】
加えて、情報付加手段が、さらに備えられてもよい。この情報付加手段は、マスク上に付加情報を表示する。
【0012】
併せて、付加情報設定手段が、さらに備えられてもよい。この付加情報設定手段は、第2ユーザ操作に従って、つまりは手動操作に従って、付加情報を設定する。
【0013】
本第1発明において、特定情報を含む第1画像と同じ内容の画像は、当該特定情報を表示するための特定レイヤを含む複数のレイヤが重ね合わせられることにより形成される。この場合、表示制御手段は、複数のレイヤのうちの特定レイヤを、当該特定レイヤ上の特定情報が第2表示手段の表示領域外に配されるように変位させることにより、加工画像を生成してもよい。
【0014】
あるいは、表示制御手段は、特定レイヤを非表示とすることにより、加工画像を生成してもよい。
【0015】
さらに、本第1発明においては、通信手段が、備えられてもよい。この通信手段は、特定通信網に接続可能である。この場合、判定手段は、通信手段が特定通信網に接続されているかどうかに基づいて、第1画像に特定情報が含まれるかどうかを判定してもよい。
【0016】
また、本第1発明においては、ソフトウェア実行手段が、さらに備えられてもよい。このソフトウェア実行手段は、特定ソフトウェアを実行可能である。この場合、判定手段は、ソフトウェア実行手段により特定ソフトウェアが実行されているかどうかに基づいて、第1画像に特定情報が含まれるかどうかを判定してもよい。
【0017】
このようなソフトウェア実行手段が備えられる場合には、さらに、ソフトウェア設定手段が、備えられてもよい。このソフトウェア設定手段は、第2ユーザ操作に従って、つまりは手動操作に従って、任意のソフトウェアを特定ソフトウェアとして設定する。
【0018】
本発明のうちの表示システムに係る第2発明は、第1発明に係る表示制御装置を備える。併せて、第2発明は、第1表示手段および第2表示手段を備える。
【0019】
本発明のうちの表示制御プログラムに係る第3発明は、第1表示手段に第1画像を表示するとともに、第2表示手段に第2画像を表示することを、前提とする。この前提の下、本第3発明は、判定手順および表示制御手順を、コンピュータに実行させる。判定手順では、第1画像に特定情報が含まれるかどうかを判定する。そして、表示制御手順では、第1画像に特定情報が含まれないと判定手順により判定されたとき、当該第1画像と同じ内容の画像を、第2画像として第2表示手段に表示する。一方、第1画像に特定情報が含まれると判定手順により判定されたとき、表示制御手順では、当該第1画像と同じ内容の画像に特定情報が非表示となるような加工を施した加工画像を、第2画像として第2表示手段に表示する。
【0020】
本発明のうちの表示制御方法に係る第4発明は、第1表示手段に第1画像を表示するとともに、第2表示手段に第2画像を表示することを、前提とする。この前提の下、本第4発明は、判定ステップおよび表示制御ステップを含む。判定ステップでは、第1画像に特定情報が含まれるかどうかを判定する。そして、表示制御ステップでは、第1画像に特定情報が含まれないと判定ステップにより判定されたとき、当該第1画像と同じ内容の画像を、第2画像として第2表示手段に表示する。一方、第1画像に特定情報が含まれると判定ステップにより判定されたとき、表示制御ステップでは、当該第1画像と同じ内容の画像に特定情報が非表示となるような加工を施した加工画像を、第2画像として第2表示手段に表示する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1表示手段に表示される第1画像に特定情報が含まれる場合に、第2表示手段には当該第1画像と同じ内容の画像が表示されつつ、特定情報については非表示とされる。このことは、たとえば本発明が前述のような会議システムに適用される場合に、極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の第1実施例に係る会議システムの全体的な構成ならびに内部ディスプレイおよび外部ディスプレイそれぞれの表示画面の一例を示す図である。
図2図2は、第1実施例におけるマスクレイヤの構成を概念的に示す図である。
図3図3は、第1実施例におけるノートPCの電気的な構成を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施例におけるノートPCの主記憶部のRAM内の構成を概念的に示すメモリマップである。
図5図5は、第1実施例における通知情報非表示制御タスクの流れを示すフロー図である。
図6図6は、第1実施例におけるマスクレイヤの別の例を示す図である。
図7図7は、第1実施例におけるマスクレイヤのさらに別の例を示す図である。
図8図8は、本発明の第2実施例における外部ディスプレイの表示画面の一例を示す図である。
図9図9は、第2実施例におけるコメントレイヤの構成を概念的に示す図である。
図10図10は、本発明の第3実施例におけるマスク態様自動設定タスクの流れを示すフロー図である。
図11図11は、本発明の第4実施例に係る会議システムの全体的な構成ならびに内部ディスプレイおよび外部ディスプレイそれぞれの表示画面の一例を示す図である。
図12図12は、第4実施例における通知レイヤの構成を概念的に示す図である。
図13図13は、第4実施例における通知情報非表示制御タスクの流れを示すフロー図である。
図14図14は、本発明の第5実施例における通知情報非表示制御タスクの流れを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施例]
本発明の第1実施例について、図1に示される会議システム10を例に挙げて説明する。
【0024】
本第1実施例に係る会議システム10は、ノートPC20および外部ディスプレイ30を備える。これらは、不図示のディスプレイケーブル、たとえばHDMI(登録商標)ケーブルにより、互いに接続され、つまりHDMI規格に従って画像信号(映像信号)を含む適宜の信号を送受信する。なお当然ではあるが、ノートPC20は、ディスプレイ200を有し、言わば内部ディスプレイ200を有する。そして、外部ディスプレイ30は、内部ディスプレイ200よりもサイズの大きい、いわゆる大型ディスプレイである。
【0025】
ノートPC20は、オペレーティングシステム(OS)として、たとえばWindows10(登録商標)を搭載する。そして、ノートPC20は、Windows10のマルチディスプレイ機能により、とりわけ当該マルチディスプレイ機能の複製モードにより、内部ディスプレイ200に表示される画像を複製した複製画像を、つまり内部ディスプレイ200に表示される画像と同じ内容の画像を、外部ディスプレイ30に表示し、いわゆるミラーリングを行うことが可能である。このミラーリングは、外部ディスプレイ30の表示画面に対する操作、たとえばポインタの操作や画面のスクロール操作を、当該外部ディスプレイ30を見ずとも、手元のノートPC20の内部ディスプレイ200を見ながら行うことができるので、会議やプレゼンテーションなどの用途に好適である。
【0026】
ここで、ノートPC20が、不図示の通信網、たとえば広域的な通信網(言わば外部回線)であるインターネットに、接続される、とする。併せて、ノートPC20にメール受信確認用ソフトウェアがインストールされており、このメール受信確認用ソフトウェアが起動される、とする。
【0027】
この状態において、たとえばメール受信確認用ソフトウェアによりメールの受信が確認されると、そのことを通知するための所定の態様の、詳しくは所定の大きさおよび形状の、通知情報200aが、内部ディスプレイ200(の表示面)の所定の位置に表示され、常套的にはポップアップ表示される。またたとえば、Windows10のアップデート時期が到来したときにも、同様の通知情報200aが表示される。この通知情報200aが表示される位置は、任意に設定(変更)することができる。なお、図1は、内部ディスプレイ200の右上隅の近傍の位置に通知情報200aが表示される例を示す。
【0028】
このように内部ディスプレイ200の所定位置に通知情報200aが表示されることに伴い、通常の複製モードであれば、外部ディスプレイ30(の表示面)の対応する位置にも、つまり当該外部ディスプレイ30の右上隅の近傍の位置にも、同様の通知情報30aが表示される。この通知情報30aには、秘匿性やプライベート性のある情報が含まれることがある。このような通知情報30aが外部ディスプレイ30に表示されるのは、たとえば会議システム10を使用しての会議の参加者が社内のメンバーのみである場合には、特段な不都合はないが、当該参加者に社外のメンバーが含まれる場合には、殊にセキュリティの観点から不都合であり、少なくとも好ましくはない。
【0029】
この不都合を回避するために、本第1実施例においては、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されるときに、換言すれば外部ディスプレイ30に通知情報30aが表示されるときに、厳密にはそのような状況(環境)にあるときに、当該外部ディスプレイ30の表示領域(有効表示領域)30dのうちの通知情報30aを含む所定の領域に不透明なマスク30bが掛けられる。つまりは、そのように加工した加工画像(マスク画像)を外部ディスプレイ30に表示するための画像信号が、ノートPC20から当該外部ディスプレイ30へ送られる。これにより、外部ディスプレイ30には、内部ディスプレイ200に表示される画像と同じ内容の画像が表示されつつ、通知情報30aについては非表示となる。この結果、会議の進行に支障が来されることなく、セキュリティが確保される。
【0030】
なお、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示される(状況にある)ときとは、少なくともノートPC20がインターネットに接続されているときを含む。併せて、メール受信確認用ソフトウェアやWindows10などの通知機能を有する特定のソフトウェアが起動されているときも、厳密には後述する如く非表示対象ソフトウェアとして予め設定(登録)された特定ソフトウェアが1以上起動されているときも、ここで言う内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されるときに含まれる。すなわち、ノートPC20がインターネットに接続されており、かつ、非表示対象ソフトウェアが1以上起動されているときが、ここで言う内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されるときに当たる。
【0031】
また、マスク30bは、たとえばグレーなどの適当な色が付された単色マスクであるが、これに限らず、マスク30bには、適当な色彩や模様などが付されてもよい。あるいは、マスク30bは、半透明であってもよく、詳しくは当該マスク30bを介して通知情報30aの内容を認識することができない程度に半透明であってもよく、言わば実質的に不透明であってもよい。併せて、マスク30bは、通知情報30aを確実に覆いつつ、当該マスク30bによって覆われる領域が可能な限り小さくなるように設定され、つまりはそうなるようにマスク30bの位置(座標)、大きさ、形状などの態様(スタイル)が適宜に設定される。
【0032】
このようなマスク30bを含む加工画像は、図2に示されるようなマスクレイヤ300が複製画像に重ね合わせられることにより、厳密には複製画像を形成する全てのレイヤの前面に当該マスクレイヤ300が配されることにより、生成される。このマスクレイヤ300は、マスク30bを含む。そして、マスクレイヤ300におけるマスク30b以外の部分は、透明である。
【0033】
なお前述したように、内部ディスプレイ200上における通知情報200aの表示位置は、任意に設定することができ、換言すれば予め決められている。これに対応するように、外部ディスプレイ30上における通知情報30aの表示位置もまた、決められている。このように外部ディスプレイ30上における通知情報30aの表示位置が決められていることから、そのような通知情報30aにマスク30bを掛ける処理は、当該マスク30bを含むマスクレイヤ300を形成することで簡単に実施することができる。
【0034】
マスク30bの位置、大きさ、形状などの態様は、たとえば手動により設定される。すなわち、外部ディスプレイ30上における通知情報30aの表示位置、大きさ、形状などの態様に合わせて、マスク30bの態様が手動により適宜に設定される。
【0035】
また、マスクレイヤ300は、たとえばWindows10における公知の描画関数の1つである『SetWindowPos』関数が適用されることで、とりわけパラメータ(定数)として『HWND_TOPMOST』が設定されることで、複製画像を形成する全てのレイヤの前面に配され、言わば有効化される。そして、『SetWindowPos』関数の適用が解除されることで、マスクレイヤ300が排除され、言わば無効化される。
【0036】
すなわち、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されるときには、マスクレイヤ300が有効化される。これにより、複製画像の前面にマスクレイヤ300が配された構成の加工画像が外部ディスプレイ30に表示される。言い換えれば、そのような加工画像を外部ディスプレイ30に表示するための画像信号が、ノートPC20から外部ディスプレイ30へ送られる。
【0037】
一方、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されないときには、つまりノートPC20がインターネットに接続されておらず、あるいは、非表示対象ソフトウェアが1つも起動されていないときには、マスクレイヤ300が無効化される。これにより、複製画像が外部ディスプレイ30に表示される。言い換えれば、複製画像を外部ディスプレイ30に表示するための画像信号が、ノートPC20から外部ディスプレイ30へ送られる。
【0038】
図3に、ノートPC20の電気的な構成を示す。この図3に示されるように、ノートPC20は、主制御部210を備える。主制御部210は、ノートPC20の全体的な制御を司る主制御手段であり、制御実行手段としてのCPU210aを有する。併せて、主制御部210は、CPU210aが直接的にアクセス可能な主記憶手段としての主記憶部210bを有する。主記憶部210bは、不図示のROMおよびRAMを含む。このうちのROMには、ノートPC20の電源がオンされた直後のCPU210aの動作を制御するための起動時制御プログラム、つまりファームウェアとしてのBIOSが、記憶される。一方、RAMは、CPU210aが各種の演算処理を実行する際の作業領域およびバッファ領域を構成する。
【0039】
主制御部210には、バス220を介して、補助記憶部230、通信部240、操作部250、表示制御部260などが接続される。なお、図3においては、本発明に直接的に関係しない要素の図示は省略してある。
【0040】
補助記憶部230は、補助記憶手段の一例であり、たとえば不図示のハードディスクドライブまたはSSDなどの半導体ドライブを有する。この補助記憶部230には、オペレーティングシステム、各種のデバイスドライバ、前述のメール受信確認用ソフトウェアを含む種々のアプリケーションソフトウェアなどの適宜のソフトウェアが記憶される。また、補助記憶部230には、種々のデータも記憶される。
【0041】
通信部240は、通信手段の一例である。この通信部240は、ノートPC20における前述の通信網との接続部を有し、当該通信網を介しての双方向通信処理を担う。通信網としては、インターネットの他に、たとえば閉域的な通信網(言わば内部回線)であるイントラネット(LAN)がある。この通信部240と通信網とは、有線により接続されることもできるし、無線により、とりわけWi-Fi(登録商標)により、接続されることもできる。
【0042】
操作部250は、ユーザによる操作を受け付ける操作受付手段の一例である。この操作部250は、不図示のキーボードおよびタッチパッドを含む。これ以外に、ノートPC20には、不図示のマウスなどの外付けの操作受付手段が接続されることも可能である。
【0043】
表示制御部260は、表示専用制御手段の一例である。この表示制御部260は、いわゆるグラフィックボードであり、表示制御実行手段としてのGPU260aを有する。併せて、表示制御部260は、GPU260aが直接的にアクセス可能な表示専用記憶手段としてのVRAM260bを有する。
【0044】
そして、表示制御部260は、内部ディスプレイ200に画像を表示するための画像表示データを生成し、言わば第1画像表示データを生成する。この第1画像表示データは、適宜数のレイヤを含み、とりわけ前述の通知情報200aが表示される際には、当該通知情報200aを表示するための通知レイヤを含む。そして、表示制御部260は、第1画像表示データに従う第1画像信号を生成し、当該第1画像信号を内部ディスプレイ200へ送る。これにより、第1画像信号に従う画像が内部ディスプレイ200に表示される。
【0045】
併せて、表示制御部260は、外部ディスプレイ30に前述の複製画像などの適宜の画像を表示するための画像表示データを生成し、言わば第2画像表示データを生成する。特に、複製モードにおいては、表示制御部260は、第1画像表示データを複製した第2画像表示データを生成し、つまり適宜数のレイヤを含む第2画像表示データを生成する。ゆえに、第1画像表示データに前述の通知レイヤが含まれる場合には、ここでの図示は省略するが、第2画像表示データにも当該通知レイヤを複製した通知レイヤ310(図12参照)が含まれる。さらに、第1画像表示データに通知レイヤが含まれる場合には、つまり第2画像表示データに通知レイヤ310が含まれる場合には、当該第2画像表示データにはマスクレイヤ300が含まれる。そして、表示制御部260は、第2画像表示データに従う第2画像信号を生成し、当該第2画像信号を外部ディスプレイ30へ送る。
【0046】
なお、表示制御部260は、第2画像信号を生成するに際して、外部ディスプレイ300のサイズや解像度などの属性に関する属性情報を当該外部ディスプレイ300から取得する。そして、表示制御部260は、外部ディスプレイ30から取得した属性情報に基づいて、当該外部ディスプレイ30の属性に合うように、第2画像信号を生成する。これにより、外部ディスプレイ30の属性に合わせられた状態で、第2画像信号に従う画像が当該外部ディスプレイ30に表示される。
【0047】
図4に、主記憶部210bのRAM内の構成を概念的に表すメモリマップ400を示す。このメモリマップ400に示されるように、RAMは、プログラム記憶領域410およびデータ記憶領域450を有する。
【0048】
このうちのプログラム記憶領域410には、種々のプログラムが記憶(展開)される。具体的には、アプリケーションプログラム412、通知情報非表示設定プログラム414、レイヤ生成プログラム416、通知情報非表示制御プログラム418などが、プログラム記憶領域410に記憶される。なお、図示は省略するが、オペレーティングシステムや各種のデバイスドライバなども、プログラム記憶領域410に記憶される。
【0049】
アプリケーションプログラム412は、前述のメール受信確認用ソフトウェアなどの種々のアプリケーションソフトウェアのプログラムを含む。通知情報非表示設定プログラム414は、非表示対象ソフトウェアを手動により設定するためのプログラムである。併せて、通知情報非表示設定プログラム414は、マスク30bの位置、大きさ、形状などの態様を手動により設定するためのプログラムでもある。レイヤ生成プログラム416は、マスクレイヤ300を含む適宜のレイヤを生成するためのプログラムである。すなわち、レイヤ生成プログラム416は、通知情報非表示設定プログラム414によりマスク30bの態様が設定されると、当該マスク30bの態様に応じたマスクレイヤ300を生成する。そして、通知情報非表示制御プログラム418は、CPU210aに後述する通知情報非表示制御タスクを実行させるためのプログラムである。
【0050】
一方、データ記憶領域450には、各種のデータが記憶される。この各種のデータとしては、通知情報非表示設定データ452、レイヤデータ454などがある。
【0051】
通知情報非表示設定データ452は、通知情報非表示設定プログラム414による設定内容を表すデータであり、つまり非表示対象ソフトウェアおよびマスク30bの態様についての設定データを含む。そして、レイヤデータ454は、レイヤ生成プログラム416により生成されたマスクレイヤ300などの適宜のレイヤのデータを含む。
【0052】
前述したように、本第1実施例によれば、複製モードにおいて、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されないときには、当該内部ディスプレイ200に表示される画像の複製画像が外部ディスプレイ30に表示される。一方、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されるときには、換言すれば外部ディスプレイ30に通知情報30aが表示されるときには、当該通知情報30aにマスク30bが掛けられた加工画像が外部ディスプレイ30に表示される。この言わば通知情報非表示機能を実現するために、CPU210aは、前述の通知情報非表示制御プログラム418に従って、通知情報非表示制御タスクを実行する。この通知情報非表示制御タスクの流れを、図5に示す。なお、通知情報非表示制御タスクは、一定の周期で、たとえば1秒間前後~数秒間周期で、繰り返し実行される。また、通知情報非表示制御タスクは、何らかのソフトウェアが起動されたり、操作部250により何らかの操作が行われたりするなどの、何らかのイベントが発生したときに、実行されてもよい。
【0053】
この通知情報非表示制御タスクによれば、CPU210aは、まず、ステップS1において、複製モードが有効化されているかどうかを判定する。ここでたとえば、複製モードが有効化されている場合(S1:YES)、CPU210aは、処理をステップS3へ進める。一方、複製モードが有効化されていない場合は(S1:NO)、CPU210aは、処理を後述するステップS11へ進める。
【0054】
ステップS3において、CPU210aは、通信部240がインターネットに接続されているかどうかを判定する。この判定は、通信部240の接続先のIPアドレスなどの当該接続先の属性情報に基づいて行われる。ここでたとえば、通信部240がインターネットに接続されている場合(S3:YES)、CPU210aは、処理をステップS5へ進める。一方、通信部240がインターネットに接続されていない場合は(S3:NO)、CPU210aは、処理を後述するステップS11へ進める。
【0055】
ステップS5において、CPU210aは、いずれかの非表示対象ソフトウェアが起動中であるかどうかを判定する。ここでたとえば、いずれかの非表示対象ソフトウェアが起動中である場合(S5:YES)、CPU210aは、処理をステップS7へ進める。一方、非表示対象ソフトウェアがいずれも起動されていない場合は(S5:NO)、CPU210aは、処理を後述するステップS11へ進める。
【0056】
ステップS7において、CPU210aは、マスクレイヤ300が有効化されているかどうかを判定する。ここでたとえば、マスクレイヤ300が有効化されている場合(S7:YES)、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。一方、マスクレイヤ300が有効化されていない場合は、つまり当該マスクレイヤ300が無効化されている場合は(S7:NO)、CPU210aは、処理をステップS9へ進める。
【0057】
ステップS9において、CPU210aは、マスクレイヤ300を有効化し、厳密にはそうするようにGPU260aを制御する。これにより、外部ディスプレイ30には、加工画像が表示される。このステップS9の実行後、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。
【0058】
これに対して、CPU210aは、前述のステップS1、ステップS3またはステップS5からステップS11へ処理を進めた場合、当該ステップS11において、マスクレイヤ300が有効化されているかどうかを判定する。ここでたとえば、マスクレイヤ300が有効化されている場合(S11:YES)、CPU210aは、処理をステップS13へ進める。一方、マスクレイヤ300が無効化されている場合は(S11:NO)、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。
【0059】
ステップS13において、CPU210aは、マスクレイヤ300を無効化し、厳密にはそうするようにGPU260aを制御する。これにより、外部ディスプレイ30には、複製画像が表示される。このステップS13の実行後、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。
【0060】
以上のように、本第1実施例によれば、とりわけ通知情報非表示機能によれば、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されないときには、当該内部ディスプレイ200に表示される画像の複製画像が、つまり当該内部ディスプレイ200に表示されるのと同じ内容の画像が、外部ディスプレイ30に表示される。一方、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されるときには、つまり外部ディスプレイ30に通知情報30aが表示されるときには、当該通知情報30aにマスク30bが掛けられた加工画像が外部ディスプレイ30に表示される。すなわち、外部ディスプレイ30には、内部ディスプレイ200に表示されるのと同じ内容の画像が表示されつつ、通知情報30aについては非表示となる。これにより、会議の進行に支障が来されることなく、セキュリティが確保される。
【0061】
また特に、外部ディスプレイ30上における通知情報30aの表示位置は、予め決められている。このような通知情報30aに、つまり予め決められた位置(領域)に、マスク30bを掛ける処理は、換言すれば当該マスク30bを含むマスクレイヤ300を設ける処理は、複雑ではなく、比較的に簡単である。すなわち、比較的に簡単な処理により、本第1実施例を実現することができる。
【0062】
なお、本第1実施例において、マスク30bは、外部ディスプレイ30の右上隅の近傍に配されたが、これに限らない。すなわち、マスク30bの位置、大きさ、形状などの態様は、通知情報30aの位置、大きさ、形状などの態様に応じて適宜に定められる。また、通知情報30a(200a)の態様が非表示対象ソフトウェア(の種類)によって変わる場合には、当該通知情報30aを実際に発している非表示対象ソフトウェア(の種類)に応じて、マスク30bの態様が変わるように、構成されてもよい。
【0063】
さらにたとえば、図6または図7に示されるように、マスクレイヤ300におけるマスク30bの候補30cが予めいくつか定められており、ユーザ操作により任意の候補30cがマスク30bとして設定(選択)されるように、構成されてもよい。なお、図6は、4つの候補30c,30c,…が予め定められた例を示し、たとえば外部ディスプレイ30のサイズが比較的に大きい場合に適した例を示す。そして、図7は、2つの候補30cおよび30cが予め定められた例を示し、たとえば外部ディスプレイ30のサイズが比較的に小さい場合に適した例を示す。いずれにしても、候補30cの数、位置、大きさ、形状などの態様は、これらの図6および図7に示される例に限らない。また、図6および図7に示されるような比較的に大きめの候補30cがマスク30bとして設定された場合には、ノートPC20のユーザは、当該マスク30bが掛けられた領域を使って適当なソフトウェアを立ち上げるなど、当該領域を作業用領域として利用することが可能となる。
【0064】
本第1実施例における内部ディスプレイ200は、本発明に係る第1表示手段の一例である。そして、内部ディスプレイ200に表示される画像は、本発明に係る第1画像の一例である。また、本第1実施例における外部ディスプレイ30は、本発明に係る第2表示手段の一例である。そして、外部ディスプレイ30に表示される画像は、本発明に係る第2画像の一例である。
【0065】
さらに、本第1実施例における通知情報200aおよび300aは、本発明に係る特定情報の一例である。そして、内部ディスプレイ200に表示される画像のうちの通知情報200aが占める領域は、本発明に係る特定領域の一例である。また、外部ディスプレイ30に表示される画像のうちのマスク30bが掛けられる領域は、本発明に係る対応領域の一例である。
【0066】
加えて、通知情報非表示制御タスク(図5参照)を実行するCPU210aは、とりわけステップS1~ステップS5を実行するCPU210aは、本発明に係る判定手段の一例である。また、通知情報非表示制御タスクを実行するCPU210aは、とりわけステップS7~ステップS13を実行するCPU210aは、表示制御部260と協働して、本発明に係る表示制御手段の一例を構成する。
【0067】
さらにまた、本第1実施例におけるインターネットは、本発明に係る特定通信網の一例である。そして、本第1実施例における非表示対象ソフトウェアは、本発明に係る特定ソフトウェアの一例である。この非表示対象ソフトウェアは、言うまでもなくCPU210aにより実行されるが、当該非表示対象ソフトウェアを含む種々のソフトウェアを実行するCPU210aは、本発明に係るソフトウェア実行手段の一例である。
【0068】
さらに加えて、非表示対象ソフトウェアは、前述の如く通知情報非表示設定プログラム414により設定される。厳密に言えば、ユーザによる手動操作に応じて、CPU210aが当該通知情報非表示設定プログラム414を実行することにより、任意のソフトウェアが非表示対象ソフトウェアとして設定される。この非表示対象ソフトウェアを設定するために通知情報非表示設定プログラム414を実行するCPU210aは、本発明に係るソフトウェア設定手段の一例である。そして、非表示対象ソフトウェアを設定するためのユーザによる手動操作は、本発明に係る第3ユーザ操作の一例である。
【0069】
マスク30bの態様もまた、前述の如く通知情報非表示設定プログラム414により設定され、厳密に言えば、ユーザによる手動操作に応じて、CPU210aが当該通知情報非表示設定プログラム414を実行することにより設定される。このマスク30bの態様を設定するために通知情報非表示設定プログラム414を実行するCPU210aは、本発明に係る第1領域設定手段の一例である。そして、マスク30bの態様を設定するためのユーザによる手動操作は、本発明に係る第1ユーザ操作の一例である。
【0070】
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について、説明する。
【0071】
本第2実施例においては、図8に示されるように、外部ディスプレイ30に表示されるマスク30b上に適宜のコメント50が付される。このコメント50として、たとえば会議の参加者名を盛り込むことができる。また、会議システム10を構成するカメラやマイク、スピーカなどの各要素の設定内容などについても、コメント50に盛り込むことができる。さらに、コメント50には、文字のみならず、図形や写真(小画像)などの適宜のオブジェクトを盛り込むこともできる。
【0072】
このコメント50は、図9に示されるようなコメントレイヤ500がマスクレイヤ300の前面に配されることにより表示される。図9に示されるように、コメントレイヤ500は、コメント50を含む。そして、コメントレイヤ500におけるコメント50以外の部分は、透明である。
【0073】
このコメントレイヤ500もまた、前述の第2画像表示データに含まれる。そして、コメントレイヤ500は、たとえば前述の『SetWindowPos』関数が適用されることで、とりわけパラメータとして『HWND_TOPMOST』が設定されることで、有効化される。また、『SetWindowPos』関数の適用が解除されることで、コメントレイヤ500は無効化される。
【0074】
コメント50の内容は、ユーザによる手動操作により任意に設定することができ、詳しくは前述の通知情報非表示設定プログラム414により設定される。そして、コメント50を含むコメントレイヤ500は、レイヤ生成プログラム416により生成される。このレイヤ生成プログラム416により生成されたコメントレイヤ500のデータは、前述のレイヤデータ454として記憶される。
【0075】
本第2実施例においても、CPU210aは、通知情報非表示制御タスク(図5参照)を実行する。図示は省略するが、CPU210aは、ステップS9において、マスクレイヤ300を有効化する際に、これと併せて、コメントレイヤ500を有効化し、厳密にはそうするようにGPU260aを制御する。これにより、マスク30b上にコメント50が表示される。
【0076】
また、CPU210aは、ステップS13において、マスクレイヤ300を無効化する際に、これと併せて、コメントレイヤ500を無効化し、厳密にはそうするようにGPU260aを制御する。これにより、マスク30bが非表示となるとともに、コメント50もまた非表示となる。
【0077】
このように、本第2実施例によれば、外部ディスプレイ30に表示されるマスク30b上に適宜のコメント50が付される。すなわち、マスク30bが掛けられた言わばマスク領域が、コメント50を表示するための言わばコメント表示領域として有効活用される。また、マスク30bが掛けられることによる視覚的な違和感が軽減される、という副次的な効果も奏される。
【0078】
加えて、マスク30bの位置、大きさ、形状などの態様が予め決められていることから、コメント50を付すべき領域が自ずと決まる。このように予め決められた領域にコメント50を付す処理は、つまり当該コメント50を含むコメントレイヤ500を設ける処理は、複雑ではなく、比較的に簡単である。すなわち、比較的に簡単な処理により、本第2実施例を実現することができる。
【0079】
なお、本第2実施例におけるコメント50は、本発明に係る付加情報の一例である。このコメント50は、前述の如く通知情報非表示設定プログラム414により設定され、厳密に言えば、ユーザによる手動操作に応じて、CPU210aが当該通知情報非表示設定プログラム414を実行することにより設定される。このコメント50を設定するために通知情報非表示設定プログラム414を実行するCPU210aは、本発明に係る付加情報設定手段の一例である。そして、コメント50を設定するためのユーザによる手動操作は、本発明に係る第2ユーザ操作の一例である。
【0080】
また、CPU210aは、前述の如く通知情報非表示制御タスクのステップS9において、マスクレイヤ300を有効化する際に、これと併せて、コメントレイヤ500を有効化するが、このようなCPU210aは、本発明に係る情報付加手段の一例である。厳密に言えば、ステップS9を実行するCPU210aは、表示制御部260と協働して、情報付加手段の一例を構成する。
【0081】
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例について、説明する。
【0082】
本第3実施例においては、通知情報30aの位置、大きさ、形状などの態様に基づいて、マスク30bの位置、大きさ、形状などの態様が自動的に設定される。厳密に言えば、内部ディスプレイ200側の通知情報200aの位置、大きさ、形状などの態様と、外部ディスプレイ30のサイズや解像度などの属性情報と、に基づいて、マスク30bの態様が自動的に設定される。
【0083】
そのために、本第3実施例におけるCPU210aは、マスク態様自動設定タスクを実行する。このマスク態様自動設定タスクの流れを、図10に示す。なお、CPU210aは、前述(図4)のプログラム記憶領域410に記憶された不図示のマスク態様自動設定プログラムに従って、マスク態様自動設定タスクを実行する。また、CPU210aは、ノートPC20に外部ディスプレイ30が接続されたことを認識したときに、マスク態様自動設定タスクを実行する。
【0084】
このマスク態様自動設定タスクによれば、CPU210aは、まず、ステップS101において、外部ディスプレイ30の属性情報を当該外部ディスプレイ30から取得する。そして、CPU210aは、処理をステップS103へ進める。
【0085】
ステップS103において、CPU210aは、外部ディスプレイ30用のデバイスドライバ(対応ドライバ)が既にインストールされているかどうかを判定する。ここでたとえば、外部ディスプレイ30用のデバイスドライバが既にインストールされている場合は(S103:YES)、CPU210aは、処理を後述するステップS107へ進める。一方、外部ディスプレイ30用のデバイスドライバがまだインストールされていない場合は(S103:NO)、CPU210aは、処理をステップS105へ進める。
【0086】
ステップS105において、CPU210aは、外部ディスプレイ30用のデバイスドライバをインストールするための処理を行う。そして、CPU210aは、処理をステップS107へ進める。
【0087】
ステップS107において、CPU210aは、内部ディスプレイ200側の通知情報200aの態様に係る態様情報を取得する。この態様情報は、非表示対象ソフトウェアから取得され、詳しくは当該非表示対象ソフトウェアの通知情報200aに係る設定内容から認識される。そして、CPU210aは、処理をステップS109へ進める。
【0088】
ステップS109において、CPU210aは、ステップS101で取得された外部ディスプレイ30の属性情報と、ステップS107で取得された通知情報200aの態様に係る態様情報と、に基づいて、マスク30bの態様を設定する。このステップS109の実行をもって、CPU210aは、マスク態様自動設定タスクを終了する。
【0089】
このように、本第3実施例によれば、通知情報30aの位置、大きさ、形状などの態様に基づいて、マスク30bの位置、大きさ、形状などの態様が自動的に設定される。したがってたとえば、ユーザにとっては、第1実施例とは異なり、マスク30bの態様を手動操作により設定するための作業が不要となる。このことは、会議システム10の効率的な運用に、大きく貢献する。
【0090】
なお、本第3実施例において、マスク態様自動設定タスクを実行するCPU210aは、本発明に係る第2領域設定手段の一例である。
【0091】
また、本第3実施例は、第2実施例と組み合わされてもよい。この場合、コメントの位置や大きさなどの態様についても、マスク30bの態様に合わせて、自動的に設定されるのが、好ましい。
【0092】
[第4実施例]
次に、本発明の第4実施例について、説明する。
【0093】
本第4実施例においては、図11に示されるように、外部ディスプレイ30の表示領域30dの外方に通知情報30aが配されることで、当該通知情報30aが非表示とされる。なお、図11は、外部ディスプレイ30の表示領域30dの右方に通知情報30aが配される例を示す。
【0094】
そのために、本第4実施例においては、図12に示されるように、通知情報30aを表示するための通知レイヤ310が、外部ディスプレイ30の表示領域30dの右方へ、換言すれば表示領域30dの座標のX軸方向へ、厳密にはX軸のプラス方向へ、ΔXだけシフト(変位)される。このシフト量ΔXは、通知情報30aが表示領域30dの外方へ配されるのに十分な値に設定される。
【0095】
このような通知レイヤ310のシフトは、たとえば当該通知レイヤ310(のデータ)に対して、前述の『SetWindowPos』関数が適用されることで、とりわけ当該通知レイヤ310の基点(図12における左上の頂点)のX軸座標値にシフト量ΔXが加算されることで、実現される。そして、この通知レイヤ310を含む前述の第2画像表示データに基づく第2画像信号が外部ディスプレイ30へ送られる。これにより、通知情報30aが外部ディスプレイ30の表示領域30dの外方に配され、その結果、当該通知情報30aが外部ディスプレイ30上で非表示となる。なお、『SetWindowPos』関数の適用が解除されることで、通知レイヤ310のシフトが解除され、つまり当該通知レイヤ310がシフトされる前の本来の位置に戻る。
【0096】
本第4実施例においても、CPU210aは、通知情報非表示制御タスクを実行する。本第4実施例における通知情報非表示制御タスクの流れを、図13に示す。この図13に示されるように、本第4実施例における通知情報非表示制御タスクは、第1実施例における通知情報非表示制御タスク(図5参照)のステップS7~ステップS13に代えて、ステップS201~ステップS207を含む。
【0097】
すなわち、本第4実施例における通知情報非表示制御タスクによれば、CPU210aは、ステップS1において、複製モードが有効化されていない場合(S1:NO)に、処理を後述するステップS205へ進める。また、CPU210aは、ステップS3において、通信部240がインターネットに接続されていない場合にも(S3:NO)、処理をステップS205へ進める。さらに、CPU210aは、ステップS5において、非表示対象ソフトウェアがいずれも起動されていない場合にも(S5:NO)、処理をステップS205へ進める。一方、CPU210aは、ステップS5において、いずれかの非表示対象ソフトウェアが起動中である場合に(S5:YES)、処理をステップS201へ進める。
【0098】
ステップS201において、CPU210aは、通知レイヤ(第2の通知レイヤ)310がシフトされているかどうかを判定する。ここでたとえば、通知レイヤ310がシフトされている場合(S201:YES)、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。一方、通知レイヤ310がシフトされていない場合は(S201:NO)、CPU210aは、処理をステップS203へ進める。
【0099】
ステップS203において、CPU210aは、通知レイヤ310をシフトさせ、厳密にはそうするようにGPU260aを制御する。これにより、通知情報30aが外部ディスプレイ30の表示領域30dの外方に配され、つまり当該通知情報30aが非表示となる。これにより、外部ディスプレイ30には、複製画像と同じ加工画像が表示される。このステップS203の実行後、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。
【0100】
これに対して、CPU210aは、ステップS1、ステップS3またはステップS5からステップS205へ処理を進めた場合、当該ステップS205において、通知レイヤ310がシフトされているかどうかを判定する。ここでたとえば、通知レイヤ310がシフトされている場合(S205:YES)、CPU210aは、処理をステップS207へ進める。一方、通知レイヤ310がシフトされていない場合は(S205:NO)、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。
【0101】
ステップS207において、CPU210aは、通知レイヤ310のシフトを解除し、厳密にはそうするようにGPU260aを制御する。これにより、通知レイヤ310がシフト前の元の位置に戻る。その一方で、通知情報30aが非表示の状態であるので、外部ディスプレイ30には、複製画像が表示される。このステップS207の実行後、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。
【0102】
このように、本第4実施例によれば、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されないときは、外部ディスプレイ30には、当該内部ディスプレイ200に表示される画像の複製画像が表示される。一方、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されるときは、つまり外部ディスプレイ30に通知情報30aが表示される状況にあるときには、当該外部ディスプレイ30の表示領域30dの外方に通知情報30aが配される。これにより、外部ディスプレイ30には、通知情報30aが非表示とされた画像が加工画像として表示される。したがって、会議の進行に支障が来されることなく、セキュリティが確保される。
【0103】
また特に、本第4実施例においては、通知情報30aを表示するための通知レイヤ310がシフトされることで、当該通知情報30aが非表示とされる。このような処理は、複雑ではなく、比較的に簡単である。すなわち、比較的に簡単な処理により、本第4実施例を実現することができる。
【0104】
なお、本第4実施例における通知レイヤ310は、本発明に係る特定レイヤの一例である。この通知レイヤ310は、常にシフトされた状態にあってもよく、つまり当該シフトされた状態が解除されなくてもよい。
【0105】
また、通知レイヤ310がシフトされる方向は、X軸のプラス方向ではなく、たとえばX軸のマイナス方向(図12における左方)であってもよい。この場合も、通知レイヤ310は、通知情報30aが外部ディスプレイ30の表示領域30dの外方に配されるのに十分な程度にシフトされるのが、肝要である。
【0106】
さらに、図示を含む詳しい説明は省略するが、通知レイヤ310は、X軸方向ではなく、Y軸方向へ、シフトされてもよい。すなわち、通知情報30aが外部ディスプレイ30の表示領域30dの上方または下方に配されるように、通知レイヤ310がシフトされてもよい。この場合も、通知レイヤ310は、通知情報30aが外部ディスプレイ30の表示領域30dの外方に配されるのに十分な程度にシフトされるのが、肝要である。
【0107】
加えて、図示を含む詳しい説明は省略するが、通知レイヤ310は、X軸方向およびY軸方向の両方へシフトされてもよい。すなわち、通知情報30aが外部ディスプレイ30の表示領域30dの斜め上方または斜め下方に配されるように、通知レイヤ310がシフトされてもよい。この場合も、通知レイヤ310は、通知情報30aが外部ディスプレイ30の表示領域30dの外方に配されるのに十分な程度にシフトされるのが、肝要である。
【0108】
[第5実施例]
次に、本発明の第5実施例について、説明する。
【0109】
本第5実施例においては、通知レイヤ310が非表示(非アクティブ)とされることで、言わば当該通知レイヤ310が削除されることで、外部ディスプレイ30上で通知情報30aが非表示とされる。そのために、たとえば通知レイヤ310(のデータ)に対して、前述の『SetWindowPos』関数が適用されることで、とりわけパラメータとして『SWP_HIDEWINDOW』が設定されることで、通知レイヤ310が非表示とされる。または、パラメータとして『HWND_BOTTOM』が設定されることで、通知レイヤ310が最後方に置かれ、結果的に、当該通知レイヤ310が非表示とされてもよい。
【0110】
本第5実施例においても、CPU210aは、通知情報非表示制御タスクを実行する。本第5実施例における通知情報非表示制御タスクの流れを、図14に示す。この図14に示されるように、本第5実施例における通知情報非表示制御タスクは、たとえば第1実施例における通知情報非表示制御タスク(図5参照)のステップS7~ステップS13に代えて、ステップS301~ステップS307を含む。
【0111】
すなわち、本第5実施例における通知情報非表示制御タスクによれば、CPU210aは、ステップS1において、複製モードが有効化されていない場合(S1:NO)に、処理を後述するステップS305へ進める。また、CPU210aは、ステップS3において、通信部240がインターネットに接続されていない場合にも(S3:NO)、処理をステップS305へ進める。さらに、CPU210aは、ステップS5において、非表示対象ソフトウェアがいずれも起動されていない場合にも(S5:NO)、処理をステップS305へ進める。一方、CPU210aは、ステップS5において、いずれかの非表示対象ソフトウェアが起動中である場合に(S5:YES)、処理をステップS301へ進める。
【0112】
ステップS301において、CPU210aは、通知レイヤ310が非表示の状態にあるかどうかを判定する。ここでたとえば、通知レイヤ310が非表示の状態にある場合(S301:YES)、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。一方、通知レイヤ310が非表示の状態にない場合は、つまり当該通知レイヤ310が表示された状態にある場合は(S301:NO)、CPU210aは、処理をステップS303へ進める。
【0113】
ステップS303において、CPU210aは、通知レイヤ310を非表示とし、厳密にはそうするようにGPU260aを制御する。これにより、通知情報30aが非表示となり、外部ディスプレイ30には、複製画像と同じ加工画像が表示される。このステップS303の実行後、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。
【0114】
これに対して、CPU210aは、ステップS1、ステップS3またはステップS5からステップS305へ処理を進めた場合、当該ステップS305において、通知レイヤ310が非表示の状態にあるかどうかを判定する。ここでたとえば、通知レイヤ310が非表示の状態にある場合(S305:YES)、CPU210aは、処理をステップS307へ進める。一方、通知レイヤ310が非表示の状態にない場合は、つまり当該通知レイヤ310が表示された状態にある場合は(S305:NO)、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。
【0115】
ステップS307において、CPU210aは、通知レイヤ310を表示させ、厳密にはそうするようにGPU260aを制御する。これにより、通知レイヤ310が表示される。その一方で、通知情報30aが非表示の状態であるので、外部ディスプレイ30には、複製画像が表示される。このステップS307の実行後、CPU210aは、一旦、通知情報非表示制御タスクを終了する。
【0116】
このように、本第5実施例によれば、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されないときは、外部ディスプレイ30には、当該内部ディスプレイ200に表示される画像の複製画像が表示される。一方、内部ディスプレイ200に通知情報200aが表示されるときは、つまり外部ディスプレイ30に通知情報30aが表示される状況にあるときには、当該表示領域30dを表示させるための通知レイヤ310が非表示とされる。これにより、外部ディスプレイ30には、通知情報30aが非表示とされた画像が加工画像として表示される。したがって、会議の進行に支障が来されることなく、セキュリティが確保される。
【0117】
また特に、本第5実施例においては、前述の如く通知情報30aを表示するための通知レイヤ310が非表示とされることで、外部ディスプレイ30上で当該通知情報30aが非表示とされる。このような処理は、複雑ではなく、比較的に簡単である。すなわち、比較的に簡単な処理により、本第5実施例を実現することができる。
【0118】
なお、通知レイヤ310は、常に非表示とされた状態にあってもよく、つまり当該非表示とされた状態が解除されなくてもよい。
【0119】
[その他の適用例]
以上の各実施例は、本発明の具体例であり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。これら各実施例以外の局面にも、本発明を適用することができる。
【0120】
たとえば、ノートPC20および外部ディスプレイ30間では、HDMI規格に従って画像信号を含む適宜の信号が送受信されることとしたが、これに限らない。HDIM規格に代えて、DVI規格やディスプレイポート規格などの当該HDMI規格以外のデジタル式の表示規格が採用されてもよい。また、デジタル式の表示規格に代えて、VGAなどのアナログ式の表示規格が採用されてもよい。さらに、ノートPC20および外部ディスプレイ30間は、ケーブルによる有線接続ではなく、無線により、たとえばMIRACAST(登録商標)もしくはMirrorOp(登録商標)により、接続されてもよい。
【0121】
加えて、表示制御部26については、とりわけグラフィックボードについては、ノートPC20の外部に設けられてもよく、たとえばUSBケーブルなどの適当なケーブルを介してノートPC20の外部に設けられる、いわゆる独立型のものであってもよい。また、表示制御部26については、主記憶部210に組み込まれる、いわゆるオンボード型のもの(オンボードグラフィック)であってもよい。
【0122】
さらに、ノートPC20に代えて、デスクトップ型のパーソナルコンピュータが採用されてもよいし、スマートフォンやタブレットなどの携帯情報端末が採用されてもよい。また、外部ディスプレイ30は、プロジェクタであってもよい。
【0123】
そして、前述の各実施例においては、Windows10のマルチディスプレイ機能の複製モードが利用される場合について、説明したが、これに限らない。複製モードと同様の機能を奏するソフトウェアが利用される場合や、複製モードと同様の機能を奏する専用の装置(ハードウェア装置)が利用される場合にも、本発明を適用することができる。
【0124】
併せて、各実施例においては、Windows10の『SetWindowPos』関数が適用されたが、これに限らない。すなわち、『SetWindowPos』関数以外の描画関数が適用されることにより、あるいは、当該描画関数以外の適宜の処理により、各実施例と同様の作用および効果が奏されるように構成されてもよい。
【0125】
また、本発明は、会議システム10以外の表示システムにも、適用することができる。加えて、本発明は、表示システムのみならず、表示制御装置という装置の形態によっても、提供することができるし、表示制御プログラムというプログラムの形態、あるいは、表示制御方法という方法の形態によっても、提供することができる。
【0126】
さらに加えて、本発明は、表示制御プログラムが記録された非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体という形態によっても、提供することができる。ここで言う記録媒体としては、USBメモリやSDメモリカードなどの半導体メディア、あるいは、CDやDVDなどのディスクメディアがある。また、可搬型の媒体ではなく、ROMやハードディスクドライブなどのようなコンピュータシステムに組み込まれる組込み型(内蔵型)の媒体もまた、ここで言う記録媒体として適用可能である。
【符号の説明】
【0127】
10 … 会議システム
20 … ノートPC
30 … 外部ディスプレイ
30a … 通知情報
30b … マスク
30d … 表示領域
50 … コメント
200 … 内部ディスプレイ
200a … 通知情報
210 … 主制御部
210a … CPU
240 … 通信部
260 … 表示制御部
260a … GPU
図1
図2
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図5
図6
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図10
図11
図12
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図14