(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174384
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】コーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
A47J 31/00 20060101AFI20221116BHJP
A47J 31/06 20060101ALI20221116BHJP
A47J 31/44 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
A47J31/00 201
A47J31/06
A47J31/44 180
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080140
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】500093339
【氏名又は名称】株式会社グリーンハウス
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】十文字 猛
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA21
4B104BA57
4B104DA10
4B104DA11
4B104DA18
4B104DA30
4B104DA47
4B104EA25
(57)【要約】
【課題】常温水を用いたときのコーヒーの抽出時間を大幅に短縮させること。
【解決手段】コーヒーメーカーは、コーヒー抽出用の常温水を収容する本体容器と、コーヒー粉を収容し、常温水を用いてコーヒー粉からコーヒーを抽出するコーヒー抽出部と、コーヒー抽出制御部と、を備えている。コーヒー抽出部は、抽出カップと、抽出カップの一端に取り付けられる第1フィルターと、を備える。コーヒー抽出制御部は、コーヒー抽出処理において、抽出カップを排気して減圧する減圧動作と、減圧動作後に抽出カップの減圧状態を保持する保持動作と、保持動作の後に抽出カップに給気して加圧する加圧動作とを行う。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー抽出用の常温水を収容する本体容器と、
コーヒー粉を収容し、常温水を用いて前記コーヒー粉からコーヒーを抽出するコーヒー抽出部と、
コーヒー抽出制御部と、
を備え、
前記コーヒー抽出部は、抽出カップと、前記抽出カップの一端に取り付けられる第1フィルターと、を備え、
前記コーヒー抽出制御部は、コーヒー抽出処理において、前記抽出カップを排気して減圧する減圧動作と、前記減圧動作後に前記抽出カップの減圧状態を保持する保持動作と、前記保持動作の後に前記抽出カップに給気して加圧する加圧動作とを行う、
コーヒーメーカー。
【請求項2】
請求項1に記載のコーヒーメーカーにおいて、
前記コーヒー抽出制御部は、前記コーヒー抽出処理において、前記減圧動作、前記保持動作、および前記加圧動作を抽出サイクルとして、前記抽出サイクルを複数回実行する、
コーヒーメーカー。
【請求項3】
請求項1に記載のコーヒーメーカーにおいて、
前記コーヒー抽出制御部は、前記減圧動作を行う第1ポンプと、前記加圧動作を行う第2ポンプと、前記第1ポンプおよび前記第2ポンプを制御する制御回路とを備えている、
コーヒーメーカー。
【請求項4】
請求項1に記載のコーヒーメーカーにおいて、
前記コーヒー抽出部は、前記抽出カップの前記一端と他端との間に第2フィルターを備える、
コーヒーメーカー。
【請求項5】
請求項1に記載のコーヒーメーカーにおいて、
コーヒーの抽出モードを選択する抽出モード選択スイッチを備え、
前記コーヒー抽出制御部は、前記抽出モード選択スイッチにより選択された前記抽出モードの設定抽出時間が経過するまで前記コーヒー抽出処理を行う、
コーヒーメーカー。
【請求項6】
請求項1に記載のコーヒーメーカーにおいて、
前記コーヒー抽出部を支持する支持部を備え、
前記コーヒー抽出部は、前記支持部に支持された状態で前記本体容器内に収容される、
コーヒーメーカー。
【請求項7】
請求項6に記載のコーヒーメーカーにおいて、
前記抽出カップの他端が前記支持部に取り付けられ、
前記支持部は、前記本体容器の上端に設置される、
コーヒーメーカー。
【請求項8】
請求項6に記載のコーヒーメーカーにおいて、
前記コーヒー抽出制御部は、前記支持部に収容されている、
コーヒーメーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒーメーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コーヒーの抽出は、熱湯を用いて行われる。その際、コーヒーとともに、カフェイン、タンニン、油分等の雑味成分も抽出される。これらの雑味成分は、コーヒーの雑味(例えば苦み、エグ味等)の原因となる成分である。コーヒーの味は、これらの雑味成分によって変化する。
【0003】
一方、雑味を抑えた口当たりの滑らかなコーヒーが好まれる場合もある。近年の健康志向もあり、欧米では、例えばカフェインの含有量を抑えた水出しコーヒーが人気となっている。水出しコーヒーは、常温水を用いて抽出されたコーヒーで、カフェイン、タンニン、油分等の雑味成分の含有量が熱湯で抽出されたコーヒーより少ない。
【0004】
水出しコーヒーの生成方法として、例えばドリップ方式や水浸方式が挙げられる。ドリップ方式では、専用の器具を使用し、水を一滴ずつコーヒー粉へ滴下することでコーヒーの抽出が行われる。これに対し、水浸方式では、常温水が入った容器にコーヒー粉を浸すことでコーヒーの抽出が行われる。しかし、これらの方式では、コーヒーの抽出に8時間以上の多大な時間が掛かるため、水出しコーヒーを手軽に楽しむことができない。
【0005】
このため、短時間で水出しコーヒーを生成する方法が要望されている。例えば特許文献1には、合理的な装置構成を採用しつつ煩雑な作業を必要とすることなく短時間で水出しコーヒーを製造する水出しコーヒー製造装置が開示されている。具体的に述べると、特許文献1には、抽出処理時にフィルター部を振動させることで、コーヒー粉末のフィルター部への目詰まりが抑制される旨記載されている。また、特許文献1には、フィルター部に対するコーヒー抽出液の通過が促進されるので、コーヒー抽出液の収容容器内からの払い出しを迅速に行うことができる旨記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、フィルター部におけるコーヒー抽出液の通過時間を短縮させることでコーヒー抽出液の払い出し時間を短縮させているものの、コーヒーの抽出時間を短縮させているわけではない。また、コーヒー抽出液の払い出し時間は、コーヒーの抽出時間よりはるかに短いため、特許文献1の技術を用いても、コーヒーの抽出からコーヒー抽出液の払い出しまでに掛かる水出しコーヒーの生成時間を大幅に短縮することはできない。
【0008】
そこで、本発明は、常温水を用いたときのコーヒーの抽出時間を大幅に短縮させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的な実施の形態によるコーヒーメーカーは、コーヒー抽出用の常温水を収容する本体容器と、コーヒー粉を収容し、常温水を用いてコーヒー粉からコーヒーを抽出するコーヒー抽出部と、コーヒー抽出制御部と、を備えている。コーヒー抽出部は、抽出カップと、抽出カップの一端に取り付けられる第1フィルターと、を備える。コーヒー抽出制御部は、コーヒー抽出処理において、抽出カップを排気して減圧する減圧動作と、減圧動作後に抽出カップの減圧状態を保持する保持動作と、保持動作の後に抽出カップに給気して加圧する加圧動作とを行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、常温水を用いたときのコーヒーの抽出時間を大幅に短縮させることが可能なコーヒーメーカーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るコーヒーメーカーの構成の一例を示す縦断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係るコーヒーメーカーの構成の一例を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係るコーヒー抽出制御部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係るコーヒー抽出処理の一例を示すフロー図である。
【
図6】コーヒー抽出時の状態を模式的に示す図である。
【
図7】本実施の形態におけるコーヒー抽出処理の概念と従来の抽出処理の概念とを比較して示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態1の変形例に係るコーヒーメーカーの構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【
図9】本発明の実施の形態2に係るコーヒーメーカーの構成の一例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0013】
(実施の形態1)
<コーヒーメーカーの構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係るコーヒーメーカーの構成の一例を示す縦断面図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係るコーヒーメーカーの構成の一例を示す分解斜視図である。
【0014】
コーヒーメーカー1は、
図1、
図2に示すように、本体容器10、コーヒー抽出部20、支持部30、コーヒー抽出制御部40等を備えている。
【0015】
本体容器10は、
図1、
図2に示すように、上端が開口され、内部空間12が形成されている。内部空間12は、コーヒー抽出部20、コーヒー抽出用の常温水、および抽出されたコーヒーを収容する。
【0016】
本体容器10の上端には、生成されたコーヒーをグラス等の容器へ注ぐための注ぎ口14が形成されている。本体容器10の注ぎ口14と反対側には、ハンドル19が設けられている。
【0017】
本体容器10の側面には、透明または半透明の部材で構成された観察窓16が設けられている。観察窓16を介して、本体容器10の内部(すなわち内部空間12)を観察することができる。ユーザは、観察窓16を介して本体容器10の内部を観察することで、本体容器10に供給された常温水の水位や抽出されたコーヒーの濃度等を確認することができる。観察窓16には、本体容器10に供給された常温水の水量(例えば500ml)を示す指標161が設けられている。ユーザは、観察窓16の指標161により、本体容器10に供給された常温水の水量を認識することができる。
【0018】
<コーヒー抽出部>
コーヒー抽出部20では、常温水を用いてコーヒー粉からコーヒーが抽出される。コーヒー抽出部20は、
図1、
図2に示すように、抽出カップ22、第1フィルター24、第2フィルター26を備えている。
【0019】
抽出カップ22は、一端(図示では下端)が開口された外形が円筒状である。抽出カップ22の他端(図示では上端)には、給排気口28が設けられている。抽出カップ22の一端には、第1フィルター24が取り付けられる。抽出カップ22の一端と他端との間には、第2フィルター26が取り付けられる。これにより、第1フィルター24と第2フィルター26との間に、コーヒー粉が投入される内部空間25が形成される。そして、第1フィルター24を介して本体容器10の内部空間12から抽出カップ22の内部空間25へ常温水が移動することで、水出しコーヒーの抽出が行われる。
【0020】
抽出カップ22の他端は、
図1に示すように支持部30に取り付けられる。このように、コーヒー抽出部20は、抽出カップ22の他端で支持部30に支持される。そして、支持部30が本体容器10の上端に設置されると、コーヒー抽出部20は、支持部30に支持された状態で本体容器10の内部空間12に収容される。具体的に述べると、コーヒー抽出部20は、一端が浮いた状態で内部空間12に収容される。すなわち、コーヒー抽出部20の下端と本体容器10の底面との間には内部空間12が存在している。
【0021】
第1フィルター24は、
図1に示すように、本体容器10の内部空間12と抽出カップ22の内部空間25とを仕切るように設けられている。第1フィルター24は、抽出カップ22から本体容器10へのコーヒー粉の移動を抑える。第1フィルター24は、例えば金属製であり、メッシュ状に構成されている。第1フィルター24は、抽出されたコーヒーが本体容器10へ移動する際、コーヒーに含まれるコーヒー粉の移動を抑制する。
【0022】
第2フィルター26は、
図1に示すように、第1フィルター24との間にコーヒー粉を収容する内部空間25を形成するために設けられている。第2フィルター26は、第1フィルター24と同様、例えば金属製であり、メッシュ状に構成されている。これにより、内部空間25内のコーヒー粉、コーヒー抽出液、常温水が給排気口28および給排気ノズル36を通ってコーヒー抽出制御部40に移動することを抑える。
【0023】
給排気口28は、支持部30の給排気ノズル36を介してコーヒー抽出制御部40の第1ポンプ44および第2ポンプ46と接続されている。コーヒー抽出時、第1ポンプ44により、給排気ノズル36および給排気口28を介して、抽出カップ22からの排気が行われる。また、第2ポンプ46により、給排気口28および給排気ノズル36を介して、抽出カップ22への給気が行われる。なお、支持部30およびコーヒー抽出制御部40の構成については、後で詳しく述べる。
【0024】
給排気口28には、
図1に示すように、フロートバルブ29が設けられている。フロートバルブ29は、抽出カップ22内の水位が上限水位を超えた場合に、給排気ノズル36を内側から塞ぐように構成されている。これにより、第1ポンプ44および第2ポンプ46への常温水等の流入を防止することができる。
【0025】
抽出カップ22は、透明または半透明の素材(例えばトライタン樹脂)で構成される。これにより、抽出カップ22内の様子を観察窓16から確認することが可能となる。また、トライタン樹脂を用いることで、抽出カップ22へのコーヒー色素の沈着が抑えられる。抽出カップ22は、トライタン樹脂以外の素材で構成されてもよい。
【0026】
<支持部>
支持部30は、コーヒー抽出部20を支持する。また、支持部30は、本体容器10の蓋としても機能する。すなわち、支持部30は、コーヒー抽出部20を支持した状態で本体容器10に設置されることで、コーヒー抽出部20を支持する機能と、本体容器10の蓋としての機能とを備える。また、
図1に示すように、支持部30は、コーヒー抽出制御部40を収容している。
【0027】
支持部30には、電源端子34が設けられている。電源端子34は、USB(Universal Serial Bus)コネクタであるが、これに限定されるものではない。また、USBコネクタとして、例えばType-Cが用いられるが、これ以外のタイプでも構わない。電源端子34は、電源ケーブルを介して外部電源と接続され、外部電源から供給される電気を操作部32やコーヒー抽出制御部40へ供給する。外部電源は、例えば、いわゆるモバイルバッテリでもよいし、一般的な家庭用電源でもよい。
【0028】
支持部30には、コーヒー抽出部20の給排気口28と対応する位置に給排気ノズル36が設けられている。すでに述べた通り、水出しコーヒー抽出時、第1ポンプ44により、給排気口28および給排気ノズル36を介して、抽出カップ22からの排気が行われる。また、第2ポンプ46により、給排気ノズル36および給排気口28を介して、抽出カップ22への給気が行われる。
【0029】
<操作部>
支持部30には、操作部32が設けられている。
図3は、操作部を示す図である。
図3に示すように、操作部32は、電源スイッチ321、抽出モード選択スイッチ322、抽出開始スイッチ323、抽出モード表示部324を備えている。これらのスイッチは、例えばタッチセンサ式のスイッチである。
【0030】
抽出モード選択スイッチ322は、コーヒーの抽出モードを設定するスイッチである。電源スイッチ321がタッチされて電源が入ったとき、抽出モードは第1抽出モードに設定されている。抽出モードが第1抽出モードのときに抽出モード選択スイッチ322が1回タッチされると、抽出モードは第2抽出モードに切り替わる。抽出モードが第2抽出モードのときに抽出モード選択スイッチ322がもう1回タッチされると、抽出モードは第3抽出モードに切り替わる。そして、抽出モードが第3抽出モードのときに抽出モード選択スイッチ322がもう1回タッチされると、抽出モードは第1抽出モードに戻る。
【0031】
設定された抽出モードは、抽出モード表示部324に表示される。抽出モード表示部324は、抽出モードごとのLEDランプを備えており、設定された抽出モードに対応するランプが点灯する。
【0032】
なお、ここでは、3種類の抽出モードが例示されているが、抽出モードは、4種類以上でもよいし2種類以下でもよい。なお、抽出モードごとに抽出モード選択スイッチが設けられてもよい。
【0033】
抽出モード間におけるコーヒーの抽出時間の関係は、特に制限されるものではない。ここでは、第1抽出モードのコーヒーの抽出時間が最も短く、第2抽出モード、第3抽出モードの順でコーヒーの抽出時間が順次長くなるものとする。具体的には、第1抽出モードにおける抽出時間は5分、第2抽出モードにおける抽出時間は10分、第3抽出モードにおける抽出時間は15分である。ただし、各抽出モードの抽出時間は、これらに限定されるものではない。
【0034】
抽出開始スイッチ323は、コーヒーの抽出を開始するスイッチである。抽出開始スイッチ323がタッチされると、設定された抽出モードでのコーヒーの抽出が開始される。
【0035】
<コーヒー抽出制御部>
コーヒー抽出制御部40は、水出しコーヒーの抽出に関わる制御を行う機能ブロックである。本実施の形態では、減圧動作、減圧された状態を保持する保持動作、および保持動作後の加圧動作を1サイクル(抽出サイクル)とし、複数サイクル(例えば5サイクル)を1セットとしてコーヒーの抽出処理が行われる。例えば1サイクルはおよそ1分であり、1セットは5サイクルである。したがって、1セットはおよそ5分となる。第1抽出モードでは1セット分の抽出処理が行われ、第2抽出モードでは2セット分の抽出処理が行われ、第3抽出モードでは3セット分の抽出処理が行われる。
【0036】
図4は、本発明の実施の形態1に係るコーヒー抽出制御部の構成の一例を示すブロック図である。なお、
図4には、コーヒー抽出制御部40の他、コーヒー抽出部20が示されている。
【0037】
コーヒー抽出制御部40は、
図4に示すように、制御回路42、第1ポンプ44、第2ポンプ46を備えている。制御回路42は、操作部32、第1ポンプ44、および第2ポンプ46と接続されている。
【0038】
第1ポンプ44は、コーヒー抽出部20の抽出カップ22を排気して減圧する減圧用ポンプである。第1ポンプ44は、制御回路42から出力される第1ポンプ制御信号に基づき減圧動作を行う。これに対し、第2ポンプ46は、コーヒー抽出部20の抽出カップ22へ給気して加圧する加圧用ポンプである。第2ポンプ46は、制御回路42から出力される第2ポンプ制御信号に基づき加圧動作を行う。
【0039】
なお、
図4の例では、減圧用ポンプおよび加圧用ポンプが設けられているが、1つのポンプで減圧と加圧とを両方行ってもよい。この場合、ポンプの個数を削減することができる。また、この場合、第1ポンプ制御信号を減圧用信号とし、第2ポンプ制御信号を加圧用信号とすることができる。
【0040】
制御回路42は、設定された抽出モードに基づき、第1ポンプ44および第2ポンプ46を制御する回路である。制御回路42は、
図4に示すように、計時回路421、ポンプ制御信号生成回路423、記憶装置425等を備えている。
【0041】
計時回路421は、ポンプ制御信号生成回路423からの指示に基づき時間を計測する回路である。計時回路421は、例えばカウンター回路等で構成される。計時回路421は、ポンプ制御信号生成回路423から出力された計時開始信号が入力されると、時間計測を開始する。計測開始からの計時時間がポンプ制御信号生成回路423により指定された時間(指定計測時間)が経過すると、計時回路421は、計時完了信号をポンプ制御信号生成回路423へ出力する。計時回路421が計測する時間は、例えば、第1ポンプ44の動作時間(排気時間)、排気状態を保持する保持時間、保持時間経過後の第2ポンプ46の動作時間(給気時間)等である。
【0042】
記憶装置425は、第1ポンプ44、第2ポンプ46の制御に関わる各種情報を記憶する装置である。記憶装置425は、例えば1サイクルにおける設定排気時間(例えば15秒)、設定保持時間(例えば25秒)、および設定給気時間(例えば20秒)を記憶する。また、記憶装置425は、抽出モードごとに、1セット当たりの設定サイクル数(例えば5サイクル)、および設定セット数等を記憶する。抽出モードごとのセット数は、抽出モードの設定抽出時間に対応する値である。これらの値は、例えば製品出荷前に設定され、記憶装置425に記憶される。
【0043】
《減圧動作》
抽出開始スイッチ323がタッチされると、ポンプ制御信号生成回路423は、第1ポンプ制御信号を第1ポンプ44へ出力する。これにより、第1ポンプ44が動作し、抽出カップ22の排気、減圧が行われる。また、これと並行して、ポンプ制御信号生成回路423は、計時開始信号を計時回路421へ出力し、排気時間を計時させる。これにより、抽出カップ22の内部空間25にコーヒー抽出用の常温水が供給され、コーヒーの抽出が行われる。計時開始から設定排気時間が経過すると、計時回路421は、計時完了信号をポンプ制御信号生成回路423へ出力する。計時完了信号が入力されると、ポンプ制御信号生成回路423は、第1ポンプ制御信号の出力を停止し、第1ポンプ44を停止させる。
【0044】
《保持動作》
次に、ポンプ制御信号生成回路423は、計時開始信号を計時回路421へ出力し、保持時間を計時させる。計時開始から設定保持時間が経過するまで、ポンプ制御信号生成回路423は、いずれのポンプ制御信号も出力しない。したがって、保持期間中は、第1ポンプ44および第2ポンプ46のいずれも動作を停止した状態となる。この間も、コーヒーの抽出が継続して行われる。計時開始から設定保持時間が経過すると、計時回路421は、計時完了信号をポンプ制御信号生成回路423へ出力する。
【0045】
《加圧動作》
計時完了信号が入力されると、ポンプ制御信号生成回路423は、第2ポンプ制御信号を第2ポンプ46へ出力する。これにより、第2ポンプ46が動作し、抽出カップ22への給気、加圧が行われる。また、これと並行して、ポンプ制御信号生成回路423は、計時開始信号を計時回路421へ出力し、給気時間を計時させる。これにより、抽出されたコーヒーが抽出カップ22の内部空間25から本体容器10の内部空間12に移動する。計時開始から設定給気時間が経過すると、計時回路421は、計時完了信号をポンプ制御信号生成回路423へ出力する。計時完了信号が入力されると、ポンプ制御信号生成回路423は、第2ポンプ制御信号の出力を停止し、第2ポンプ46を停止させる。
【0046】
1サイクル分の処理として、これら減圧動作、保持動作、および加圧動作がそれぞれ実行される。また、1セット分の処理として、例えば5サイクル分の処理が実行される。また、第2抽出モード、第3抽出モードでは、2セット分、3セット分の処理がそれぞれ行われる。設定された抽出モードに応じた所定サイクル分の処理を行うことで、選択された抽出モードに対応する設定抽出時間が経過するまでコーヒー抽出処理が行われる。
【0047】
<コーヒー抽出処理>
次に、コーヒー抽出処理について詳しく説明する。
図5は、本発明の実施の形態1に係るコーヒー抽出処理の一例を示すフロー図である。
図5には、コーヒー抽出処理として、ステップS10~S80が示されている。
【0048】
ステップS10では、コーヒー抽出のための準備が行われる。具体的に述べると、本体容器10に、所定量の常温水がコーヒー抽出用水として供給される。常温水の水位は、観察窓16の指標161である。なお、コーヒー抽出用水として、常温水より温度が低い水が用いられてもよいが、抽出効率が低下するおそれがある。所定量の常温水が本体容器10に供給されると、常温水の水位は、第1フィルター24の位置より高くなる。これにより、抽出カップ22の一端が塞がれ、第1ポンプ44による抽出カップ22の排気、減圧が可能となる。
【0049】
なお、常温水の水位が、第1フィルター24の位置より低いと、第1フィルター24を塞ぐことができないため、第1ポンプ44による抽出カップ22の減圧ができない。すなわち、この場合には、コーヒー抽出処理を行うことができない。
【0050】
次に、コーヒー抽出部20の抽出カップ22に第2フィルター26を取り付けられ、抽出カップ22内にコーヒー粉が投入される。コーヒー粉が投入されると、抽出カップ22の一端に第1フィルター24が取り付けられる。これにより、抽出カップ22の内部空間25にコーヒー粉が配置されることとなる。
【0051】
次に、抽出カップ22の他端が支持部30に取り付けられ、支持部30によりコーヒー抽出部20が支持される。コーヒー抽出部20が取り付けられた支持部30が本体容器10の上端に設置され、コーヒー抽出部20が本体容器10の内部空間12に浮遊した状態で収容される。次に、電源端子34に電源ケーブル(例えばUSBケーブル)が差し込まれ、電源端子34と外部電源とが接続される。そして、電源スイッチ321をタッチすると、電源がONになる。これらの処理が、コーヒーを抽出するための準備作業として行われる。なお、これらの処理を行う順序は、適宜変更可能である。
【0052】
ステップS20では、コーヒーの抽出モード、すなわちコーヒーの抽出時間が選択される。電源ON時には、初期状態として第1抽出モードが選択されている。ユーザは、抽出モード表示部324の表示内容を見ながら、抽出モード選択スイッチ322をタッチして抽出モードを選択する。すなわち、ユーザによる抽出モード選択スイッチ322へのタッチ回数により抽出モードが選択される。
【0053】
例えば味わい深いコーヒーを生成する場合、抽出モード選択スイッチ322が1回タッチされ、抽出時間が長い(例えば10分)第2抽出モードが選択される。また、より味わい深くて濃いコーヒーを生成する場合、抽出モード選択スイッチ322が2回タッチされ、第2抽出モードより抽出時間が長い(例えば15分)第3抽出モードが選択される。また、短時間でコーヒーを味わいたい場合や薄めのコーヒーを生成する場合、電源ON時に初期状態として選択される第1抽出モード(例えば5分)が選択される。なお、第3抽出モードよりもさらに濃いコーヒーを生成する場合、第3抽出モードでのコーヒーの抽出が終了後、続けて、第1抽出モードでコーヒーを抽出すればよい。
【0054】
抽出モードの設定後、抽出開始スイッチ323がタッチされると、抽出開始信号がコーヒー抽出制御部40へ出力される。また、選択された抽出モードが、コーヒー抽出制御部40へ通知される。これにより、コーヒーの抽出が開始される(ステップS30)。
【0055】
以下のステップS40~S70は、前述したコーヒー抽出処理の1サイクル分に相当する。ステップS40では、第1ポンプ44によりコーヒー抽出部20の抽出カップ22の排気、減圧が行われる(減圧動作)。コーヒー抽出制御部40に抽出開始信号が入力されると、ポンプ制御信号生成回路423は、第1ポンプ制御信号を第1ポンプ44へ出力し、第1ポンプ44を動作させる。これにより、抽出カップ22が減圧され、第1フィルター24を介して常温水が抽出カップ22内に供給される。そして、常温水がコーヒー粉に取り込まれ、コーヒー成分が常温水に取り込まれる。
【0056】
また、これと並行して、計時回路421は、第1ポンプ44による排気時間を計時する。排気時間が設定排気時間を経過すると、計時回路421は、計時完了信号をポンプ制御信号生成回路423へ出力する。計時完了信号が入力されると、ポンプ制御信号生成回路423は、第1ポンプ制御信号の出力を停止し、第1ポンプ44を停止させる。
【0057】
ステップS50では、第1ポンプ44、第2ポンプ46が停止し、抽出カップ22の減圧状態が保持される。また、これと並行して、計時回路421は、保持時間を計時する。保持時間が設定保持時間を経過すると、計時回路421は、計時完了信号をポンプ制御信号生成回路423へ出力する。保持動作では、引き続きコーヒー成分が常温水に取り込まれる。
【0058】
ステップS60では、第2ポンプ46によるコーヒー抽出部20の抽出カップ22への給気、加圧が行われる(加圧動作)。計時完了信号が入力されると、ポンプ制御信号生成回路423は、第2ポンプ制御信号を第2ポンプ46へ出力し、第2ポンプ46が動作し、抽出カップ22への給気、加圧が行われる。抽出カップ22が加圧されると、コーヒー粉からコーヒー成分を含んだ常温水がコーヒーとして抽出され、抽出されたコーヒーが第1フィルター24を介して本体容器10の内部空間12へ移動する。
【0059】
また、これと並行して、計時回路421は、第2ポンプ46による給気時間を計時する。給気時間が設定給気時間を経過すると、計時回路421は、計時完了信号をポンプ制御信号生成回路423へ出力する。計時完了信号が入力されると、ポンプ制御信号生成回路423は、第2ポンプ制御信号の出力を停止し、第2ポンプ46を停止させる。
【0060】
ステップS70では、コーヒーの抽出時間と所定の設定抽出時間とを比較することで、コーヒー抽出処理を終了するか否かが判定される。具体的には、例えばポンプ制御信号生成回路423は、コーヒー抽出処理においてカウントされたセット数と、選択された抽出モードに対応する設定セット数とを比較することで、コーヒーの抽出時間と設定抽出時間とを比較する。
【0061】
より詳しく述べると、ポンプ制御信号生成回路423は、ステップS40~S60の処理が完了する度にサイクル数をカウントする。サイクル数が設定サイクル数(例えば5サイクル)に達すると、セット数をカウントしサイクル数をリセットする。ポンプ制御信号生成回路423は、これらの処理を繰り返し行うことで、コーヒーの抽出時間が計測される。
【0062】
コーヒー抽出処理においてカウントされたセット数と、選択された抽出モードに対応する設定セット数とが一致しない場合、ポンプ制御信号生成回路423は、コーヒーの抽出時間が所定の設定抽出時間が経過していないと判断し(ステップS70、No)、ステップS40~S60が再度実行される。
【0063】
一方、コーヒー抽出処理においてカウントされたセット数と、選択された抽出モードに対応する設定セット数とが一致する場合、ポンプ制御信号生成回路423は、コーヒーの抽出時間が所定の設定抽出時間が経過したと判断し(ステップS70、Yes)、ステップS80において、第2ポンプ46による追加の加圧動作を所定時間実行させる。したがって、コーヒー抽出処理の最後には、ステップS60の加圧動作(例えば20秒)と、ステップS80の追加の加圧動作(例えば30秒)とが連続して実行される。
【0064】
ステップS80は、コーヒー粉に残存するコーヒーをなるべく多く抽出するために行われる処理である。ステップS80の追加の加圧動作に係る加圧時間は、計時回路421において計時される。計時回路421は、設定追加加圧時間が経過すると、計時完了信号をポンプ制御信号生成回路423へ出力する。計時完了信号が入力されると、ポンプ制御信号生成回路423は、第2ポンプ制御信号の出力を停止し、第2ポンプ46を停止させる。設定追加加圧時間は、例えば記憶装置425に記憶される。
【0065】
なお、ポンプ制御信号生成回路423は、ステップS60を実行中にステップS70の判定処理を行ってもよい。これにより、ステップS60における加圧動作と、ステップS80における追加加圧動作とを継続して実行することが可能となる。
【0066】
ステップS80の追加加圧動作が完了すると、コーヒー抽出処理に係る一連の処理が終了する。生成されたコーヒー(水出しコーヒー)は、注ぎ口14からグラス等の容器へ注がれる。
【0067】
なお、コーヒー抽出処理を終了させる際、例えば第1ポンプ44または第2ポンプ46を開放し、給排気ノズル36を外気と接続させることで、抽出カップ22内を大気圧に戻してもよい。
【0068】
<コーヒー抽出処理のより詳細な説明>
ここで、ステップS40~S60におけるコーヒー抽出処理の詳細を説明する。
図6は、コーヒー抽出時の状態を模式的に示す図である。
図6において、左側は減圧時の状態(ステップS40:減圧状態、S50:保持状態)を示し、右側は加圧時の状態(ステップS60:加圧状態)を示している。
【0069】
減圧時、抽出カップ22内には、本体容器10から常温水が移動し、抽出カップ22の内部空間25がコーヒー粉、常温水、抽出されたコーヒーで満たされる。
【0070】
一方、加圧時には、コーヒー粉からコーヒーが抽出され、抽出されたコーヒーが抽出カップ22から本体容器10へ移動する。このとき、
図6に示すように、本体容器10の水位は、抽出カップ22内の水位より高くなる。
【0071】
コーヒー抽出処理では、
図6に示すような減圧状態、保持状態、および加圧状態のサイクルが所定の設定セット数に達するまで繰り返される。これにより、コーヒーの抽出が促進される。
【0072】
<コーヒー抽出処理の概念>
図7は、本実施の形態におけるコーヒー抽出処理の概念と従来の抽出処理の概念とを比較して示す図である。従来の抽出処理では、コーヒー抽出部が減圧されないので、コーヒー粉POWが膨張しない。このため、コーヒー粉POWは、多くの水分(常温水)WATを取り込むことができない。また、コーヒー粉POWに取り込まれた水分WATは、多くのコーヒー成分COMを取り込むことができない。その結果、コーヒーの抽出には多くの時間が掛かってしまう。
【0073】
これに対し、本実施の形態に係るコーヒー抽出処理では、コーヒー抽出部20が減圧され、コーヒー粉POWが膨張する。これにより、コーヒー粉POWは、多くの水分WATを取り込むことができる。そして、コーヒー粉POWに取り込まれた水分WATは、多くのコーヒー成分COMを取り込むことができる。そして、コーヒー抽出部20が加圧されると、多くのコーヒー成分COMを含むコーヒーCOFがコーヒー粉POWから抽出される。
【0074】
また、前述の通り、本実施の形態では、抽出カップ22の減圧、減圧状態の保持、および加圧のサイクルが繰り返され、コーヒーの抽出が促進される。一方、従来のドリップ方式や水浸方式では、コーヒーの抽出を促進させる処理は行われない。よって、本実施の形態では、従来よりも短い時間でコーヒーを抽出することが可能となる。なお、コーヒー抽出処理として、抽出カップ22の減圧、減圧状態の保持、および加圧のサイクルが1回のみ行われてもよい。
【0075】
<本実施の形態による主な効果>
本実施の形態によれば、コーヒー抽出制御部40は、第1ポンプ44が抽出カップ22を排気して減圧する減圧動作と、減圧動作後に抽出カップ22の減圧状態を保持する保持動作と、保持動作後に第2ポンプ46が抽出カップ22に給気して加圧する加圧動作とを行う。
【0076】
この構成によれば、減圧動作時には、常温水が第1フィルター24を介して抽出カップ22内に移動する。また、コーヒー粉が膨張するので、コーヒー粉は多くの常温水を含むことができる。これにより、常温水は、コーヒー粉において多くのコーヒー成分を取り込むことができる。そして、保持動作では、常温水が抽出カップ22内で留まった状態が維持されるので、常温水によるコーヒー成分の取り込みが促進される。そして、加圧動作により抽出カップ22が加圧されると、多くのコーヒー成分を含むコーヒーがコーヒー粉から抽出される。このように、抽出カップ22の減圧、減圧状態の保持、および加圧を行うことでコーヒーの抽出が促進されるので、常温水を用いたときのコーヒーの抽出時間を大幅に短縮させることが可能となる。また、減圧状態が保持されることで、1サイクルにおけるコーヒーの抽出効率が向上する。
【0077】
また、本実施の形態によれば、コーヒー抽出処理において、減圧動作、保持動作、および加圧動作からなるサイクルが繰り返し行われる。この構成によれば、コーヒーの抽出がより促進されるので、常温水を用いたときのコーヒーの抽出時間をさらに短縮させることが可能となる。
【0078】
また、本実施の形態によれば、コーヒー抽出制御部は、前記抽出モード選択スイッチ322で選択された抽出モードの設定抽出時間が経過するまでコーヒー抽出処理を行う。この構成によれば、ユーザが所望する濃度のコーヒーを生成することが可能となる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、各種スイッチ(321、322、323)は、支持部30に設けられている。この構成によれば、各種スイッチ用のスペースを別途設ける必要がなくなる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、コーヒー抽出制御部40は、支持部30に収容される。この構成によれば、コーヒー抽出制御部40の収容スペースを別途設ける必要がなく、支持部30を有効に利用することが可能となる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、抽出カップ22は、例えばトライタン樹脂で構成される。この構成によれば、抽出カップ22へのコーヒー色素の沈着が抑えられる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、コーヒー抽出部20はパーツごとに分解できるように構成されている。これにより、本体容器10を含め、コーヒーやコーヒー粉が触れる箇所を個別にメンテナンスすることができる。これにより、コーヒーメーカー1を清潔に保つことが可能となる。
【0083】
また、支持部30が本体容器10の上端に設置されなくてもよい。この場合、コーヒー抽出部20は、例えば本体容器10の底面や側面に設けられた支持部で支持されてもよいし、ユーザにより支持されてもよい。また、コーヒー抽出制御部40は、支持部30に収容されなくてもよいし、操作部32が支持部30に設けられなくてもよい。
【0084】
[変形例]
図8は、本発明の実施の形態1の変形例に係るコーヒーメーカーの構成の一例を模式的に示す斜視図である。
図8のコーヒーメーカー500では、本体容器10の下方に、生成されたコーヒーを本体容器10から受け入れるコーヒー受け容器510が設けられている。コーヒー受け容器510は、本体容器10に対し着脱可能である。抽出されたコーヒーは、コーヒー受け容器510から、グラス等の容器へ注がれる。このため、
図8のコーヒーメーカー500では、注ぎ口14がなくてもよい。
【0085】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
図9は、本発明の実施の形態2に係るコーヒーメーカーの構成の一例を模式的に示す斜視図である。
図9のコーヒーメーカー600では、コーヒー抽出部20は、本体容器10の内部に収容されず、本体容器10の外部に配置される。そして、連結管660により、本体容器10とコーヒー抽出部20とが接続される。それ以外の構成は、実施の形態1と同様である。ただし、
図9のコーヒーメーカー600に、支持部30はなくてもよい。
【0086】
連結管660は、パイプや可撓性を有するチューブ等で構成される。連結管660には、逆止弁665が設けられてもよい。逆止弁665により、保持動作時における常温水やコーヒーの逆流を防止することができる。
【0087】
減圧動作時、コーヒー抽出用の常温水は、連結管660を介して、本体容器10から抽出カップ22へ供給され、コーヒーの抽出が行われる。加圧動作時、抽出されたコーヒーは、連結管660を介して、抽出カップ22から本体容器10へ移動する。
【0088】
本実施の形態においても、減圧動作、保持動作、および加圧動作を1サイクルとしたコーヒー抽出処理が行われるので、コーヒーの抽出時間を大幅に短縮させることが可能となる。
【0089】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えなくてもよい場合がある。例えば、抽出カップ22内に第2フィルター26がなくてもよい。第2フィルター26がなくても、第1フィルター24があればコーヒーの抽出は可能である。
【0090】
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態や変形例等の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。なお、図面に記載した各部材や相対的なサイズは、本発明を分かりやすく説明するため簡素化・理想化しており、実装上はより複雑な形状となる場合がある。
【符号の説明】
【0091】
1、500、600…コーヒーメーカー、10…本体容器、12、25…内部空間、20…コーヒー抽出部、22…抽出カップ、24…第1フィルター、26…第2フィルター、30…支持部、40…コーヒー抽出制御部、42…制御回路、44…第1ポンプ、46…第2ポンプ、510…コーヒー受け容器、660…接続パイプ。