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  • 特開-タクシー待ち表示具 図1
  • 特開-タクシー待ち表示具 図2
  • 特開-タクシー待ち表示具 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174386
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】タクシー待ち表示具
(51)【国際特許分類】
   G09F 7/00 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
G09F7/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080143
(22)【出願日】2021-05-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】521201481
【氏名又は名称】千田 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】千田 寛之
(57)【要約】
【課題】タクシー乗り場以外において、簡便な手段により、タクシーに乗りたいと思うお客様と、「空車」のタクシーにお客様を乗せたいと思うタクシードライバの双方の要望を達成すること。
【解決手段】タクシーに乗車する意思20を腕章10に表示したので、進行方向に向かって歩きながら後ろを振り向くことなく、タクシーに乗車したいお客様は手を挙げることなく明確に意思表示することができ、タクシードライバは見過ごすことなく、お客様を乗せることができる。腕章の意思20を光る文字「TAXI」で表示すると、夜でもハッキリと視認することができる。光る文字は、点灯又は点滅の切替式とすると、一層便利である。光る文字は、昼は赤地に白文字とし、夜は白地に赤文字とすると、色彩的に視認しやすい。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タクシーに乗車する意思を腕章に表示したことを特徴とするタクシー待ち表示具。
【請求項2】
請求項1において、前記意思は、光る文字としたことを特徴とするタクシー待ち表示具。
【請求項3】
請求項2において、前記文字は、点灯又は点滅に切り替えられることを特徴とするタクシー待ち表示具。
【請求項4】
請求項2において、前記文字は、TAXI又はタクシーを含むことを特徴とするタクシー待ち表示具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タクシーに乗車したいお客様が装着するタクシー待ち表示具に関する。
【背景技術】
【0002】
タクシーは、基本的に、お客様が乗車しているときはメータ機器表示ランプに「賃走」と表示して走行し、お客様を乗車可能な時には、メータ機器表示ランプに「空車」と表示して走行するのがルールとなっている。
【0003】
タクシーに乗りたいと思う人は、自宅や会社からタクシー会社に電話してタクシーを配車してもらう電話配車か、駅前やホテル等に設置されているタクシー乗り場で列を作って待つか、或いは、自身のスマホアプリからタクシーを呼ぶこと、いわゆる、アプリ配車を除くと、「空車」と表示された流しのタクシーを見つけて、手を挙げて、タクシードライバに対して乗車する意思を表示するのが一般的である。
タクシードライバとしては、「空車」の状態を少なくすべく、乗車する意思を有するお客様を探している状態で運転しているが、乗車の意思を有するか否かが不明瞭なためにうっかり見過ごすことがある。
【0004】
例えば、道路上できょろきょろ周りを見渡している歩行者がいると、乗車の意思がありそうでもあるが、単に友人との待ち合わせをしているに過ぎないと考えて見過ごすことがある。
また、夜中や雨の中で傘をさしていると、表情や人影が良く見えないので、なおさら見過ごしやすい。
特に、初心者のタクシードライバにとっては、手を挙げる等の明確な意思表示がないと、お客を乗せるのは大変である。
【0005】
一方、買い物帰りにタクシーに乗りたいと思っていても、両手に荷物を持っているときには、手を挙げて乗車の意思を表示することはできないため、声をだしてタクシーを乗車の意思を示すしかないが、路上では騒音が大きいために聞き取り難いこともある。
また、前後左右を振り向きながら歩いて、「空車」のタクシーを探しても、うっかり、見過ごすこともあった。
【0006】
なお、特許文献1には、タクシー乗り場に設置されるタクシー待ち利用者支援装置及びタクシー待ち利用者支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-162566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示されている発明は、タクシー乗り場におけるタクシー待ち利用者の利便性を図ることができるものの、メインユニット、表示ユニット等を構築するための複数の電子機器が必要なために高価となるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、タクシー乗り場以外において、簡便な手段により、タクシーに乗りたいと思うお客様と、「空車」のタクシーにお客様を乗せたいと思うタクシードライバの双方の要望を達成することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点におけるタクシー待ち表示具は、タクシーに乗車する意思を腕章に表示したことを特徴とする。
【0011】
更に好適には、前記意思は、光る文字としたことを特徴とする。
【0012】
更に好適には、前記文字は、点灯又は点滅に切り替えられることを特徴とする。
【0013】
更に好適には、前記文字は、TAXI又はタクシーを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のタクシー待ち表示具によれば、タクシーに乗車する意思を腕章に表示したので、進行方向に歩きながら、後ろをキョロキョロ振り返ることなくタクシーを呼ぶことが出来る。これにより、(1)アプリ配車や電話配車時にかかる迎車料金の節約、(2)乗車距離の節約ができる。なお、本発明のタクシー待ち表示具は、一つで2役を果たすという利点もある。即ち、腕章の形にしたことにより、腕章として使用することができる他、腕にはめたくなければ、二つ折りにしてキーホルダのように鞄にも装着できる。また、腕章の意思を光る文字で表示すると、夜でもハッキリと視認することができる。光る文字は、点灯又は点滅の切替式とすると、便利である。光る文字は、昼は赤地に白文字とし、夜は白地に赤文字とすると、色彩的に視認しやすい。光る文字は、TAXI又はタクシーを含むことにより、意思表示を明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施例に係るタクシー待ち表示具の概略図である。
図2】本発明の第2の実施例に係るタクシー待ち表示具の概略図である。
図3】本発明の第3の実施例に係るタクシー待ち表示具の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のタクシー待ち表示具について、図面に示す実施例を参照して詳細に説明する。
[実施例1]
【0017】
本発明の第1の実施例に係るタクシー待ち表示具を図1に示す。
本実施例のタクシー待ち表示具は、腕章10に、タクシーに乗車する意思として、アルファベットによる「TAXI」の文字20を表示したものである。
【0018】
「TAXI」の文字20としては、明朝体、ゴシック体等の任意の書体によるものとする。縦書き、横書きも問わない。
また、「TAXI」の文字20は、昼は赤地に白文字とし、夜は白地に赤文字とすると、色彩的に視認しやすい。
【0019】
「TAXI」の文字20を光らせる構成としては、例えば、多数のLED(発光ダイオード)をテープ上に連続的に配列したLEDテープ(図示省略)を使用すると簡単である。
即ち、LEDテープを縦、横、斜めに組み合わせて「TAXI」の文字20を構成し、電源としてボタン電池を接続する。LEDテープには、赤、青、緑等の様々な色があるので、赤地に白文字、白地に赤文字以外にも多種類の文字を構成することができる。
LEDテープは、省電力で長寿命という特徴がある。ボタン電池は、安価で入手しやすい利点がある。
【0020】
更に、LEDテープは、点灯と点滅の切替式としても良い。詳しくは、後述する。
このように、「TAXI」の文字20を光らせることにより、夜でも視認性が良好となる。「TAXI」の文字20がハッキリと視認できるので、見過ごしを防止することができる。
【0021】
腕章10は、人の腕に巻き付けられる程度の長さを有する長方形状のものであり、一端側には、2本の紐11を取り付け、他端側には、紐11を通す二つの装着穴12を設けたものである。
紐11を装着穴12に夫々通し、相互に結ぶことにより、容易に腕に脱着することができる。紐11の長さにより、細い腕でも太い腕の人でも対応可能である。衣服にダメージを与えることなく簡単に脱着できれば、紐11、装着穴12に限らない。
【0022】
即ち、腕章10を着脱式とする方法としては、安全ピンを使用する方法、マジックテープ又はボタンを使用する方法など様々な方法がある。
また、本発明のタクシー待ち表示具は、一つで2役を果たすことにも利点がある。即ち、腕章10として腕にはめることができる他、腕にはめたくないときは、二つ折りにしてキーホルダのように鞄に装着することができる。そのため、鞄に取り付けやすくするための金具13を付け加えたものである。
尚、「腕章」とは、一般には、儀式や行事があるときに、係の人が腕に装着する目印、或いは、軍隊など組織において地位や役割を示す記章のことを言うが、本発明においては、そのような意味に用いない。
【0023】
また、「TAXI」の文字20を構成するLEDテープ及びボタン電池等の電気系統は透明なビニール袋で覆うことにより、ある程度の防水性を持たせれば、雨の日でも安心である。また、雨で傘をさす際にも、腕章10は手をふさぐことがないという利点もある。
【0024】
上記構成を有する本実施例によれば、腕章10に、タクシーに乗車する意思として、アルファベットによる「TAXI」の文字20を表示したので、タクシー乗り場以外において、進行方向に向かって歩きながら後ろを振り向くことなく、タクシーに乗りたいと思うお客様と、「空車」のタクシーにお客様を乗せたいと思うタクシードライバの双方の要望を達成するという効果を奏する。
【0025】
即ち、タクシー乗り場以外において、本実施例のタクシー待ち表示具を装着することにより、タクシーに乗りたいと思うお客様は進行方向に向かって歩きながら後ろを振り向くことなく、手を挙げることなく、タクシードライバに対して乗車の意思を表示することができるという効果を奏する。
また、タクシー乗り場以外の場所において、本実施例のタクシー待ち表示具を装着したお客様をタクシードライバが発見すると、「TAXI」の文字20によりタクシーに乗車する意思が表示されているとして見過ごすことなく乗車させることができる。
【0026】
また、「TAXI」の文字20はアルファベットであるので、訪日外国人にも容易に理解することができる。
特に、「TAXI」の文字20をLEDテープにより光る構成とすると、視認性が高まり、夜においても、見過ごすことがない。そして、視認性が高まることにより、脇見運転をしなくなり、交通事故の予防となる。
【0027】
更に、「TAXI」の文字20は腕章10に表示されているので、腕章10を装着することにより、昼夜を問わず、振り返ることなく、目的地に歩きながらタクシーを呼ぶことが可能となる利点もある。目的地に向かって歩くので、タクシー料金を抑えられる利点もある。
【0028】
なお、歩かなくても、本実施例のタクシー待ち表示具を装着したお客様をタクシードライバが発見すると、見過ごすことの防止に繋がり、確実に乗車させられる。
【0029】
ここで、本実施例のタクシー待ち表示具の利用方法としては、コンビニエンスストア、100円ショップ等において、安価な値段で販売しても良い。営業順位としては、(1)ヴィレッジヴァンガード等の雑貨屋、(2)駅と併設しているコンビニエンスストア、(3)その他のコンビニエンスストア、(4)タクシー会社である。更には、利用方法について、ポスター、掲示板等で広く周知すると良い。
【0030】
また、複数のタクシー会社が加盟するタクシー協会が一括して大量発注して生産し、多数の人々が利用する駅構内や公園等において無料配布することが考えられる。無料配布する際には、「タクシーに乗りたいときに腕に巻いてください。」等の説明文を記載したパンフレットも添付しておくと良い。
一方、タクシー会社は、タクシードライバに対して、本実施例のタクシー待ち表示具を腕に巻いたお客様はタクシーに乗車する意思があるので、遠慮なく乗せてくださいという旨の教習を予め行うものとする。
【0031】
[実施例2]
本発明の第2の実施例に係るタクシー待ち表示具を図2に示す。
本実施例のタクシー待ち表示具は、腕章30に、タクシーに乗車する意思として、カタカナによる「タクシー」の文字40を表示したものである。
腕章30は、人の腕に巻き付けられる程度の長さを有する長方形状のものであり、一端側には、2本の紐31を取り付け、他端側には、紐31を通す二つの装着穴32を設けたものである。更に、金具33を付け加えたものである。
【0032】
本実施例は、第1の実施例におけるアルファベットによる「TAXI」をカタカナによる「タクシー」に代えたものであって、アルフアベットに比べてカタカナであるために、平易に理解できる点が特徴であって、その他については上記と同様の構成であり、同様な作用効果を奏する。
なお、米国では、タクシーをcabと呼ぶのが一般的であるので、タクシーへの乗車の意思として「TAXI」、「タクシー」に代えて「CAB」、「キャブ」を使用することも可能である。更には、タクシーへの乗車の意思として、「TAXI」、「タクシー」、「CAB」又は「キャブ」を含む他の文字列を使用することも可能である。
【0033】
[実施例3]
本発明の第3の実施例に係るタクシー待ち表示具を図3に示す。
図3は、本実施例における回路図(電気系統)を示すものである。即ち、乗車の意思を表示する文字をLEDテープ50により腕章(図示省略)上に構成し、LEDテープ50を配線60によりスイッチ70を介してボタン電池80に接続したものである。
【0034】
従って、スイッチ70をONすると、ボタン電池80から配線60を経てLEDテープ50へ電流が流れ、文字を構成するLEDテープ50が点灯することになる。昼間は、スイッチ70をOFFとして、LEDテープ50を消灯する。
また、スイッチ70に代えて点灯・点滅切替スイッチ(図示省略)を使用すると、LEDテープ50の点灯と点滅を切り替えることができる。状況に応じて、点灯と点滅を切り替えると、便利である。
【0035】
上記構成を有する本実施例においては、LEDテープ50により構成される文字が点灯又は点滅するので、特に、夜間における視認性が高まるという効果を奏する。このように視認性が高まることにより、脇見運転をしなくなり、交通事故の予防となる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明のタクシー待ち表示具は、タクシーに乗車したいお客様が装着することにより、進行方向に向かって歩きながら後ろを振り向くことなく、タクシー乗り場以外において、タクシーに乗りたいと思うお客様と、「空車」のタクシーにお客様を乗せたいと思うタクシードライバの双方の要望を達成することができるので、産業上広く利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
10,30 腕章
11,31 紐
12,32 装着穴
13,33 金具
20,40 文字
50 LEDテープ
60 配線
70 スイッチ
80 ボタン電池
図1
図2
図3