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特開2022-174398真空二重配管と流体機器との接続構造
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  • 特開-真空二重配管と流体機器との接続構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174398
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】真空二重配管と流体機器との接続構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/075 20060101AFI20221116BHJP
   F16L 59/065 20060101ALI20221116BHJP
   F16L 59/16 20060101ALI20221116BHJP
   F16L 9/18 20060101ALI20221116BHJP
   F16L 9/22 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
F16L59/075
F16L59/065
F16L59/16
F16L9/18
F16L9/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080164
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000143972
【氏名又は名称】株式会社ササクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕介
【テーマコード(参考)】
3H036
3H111
【Fターム(参考)】
3H036AA02
3H036AB33
3H036AE07
3H111CA32
3H111CA33
3H111DA15
(57)【要約】
【課題】 真空二重配管に接続された流体機器のメンテナンスを迅速容易に行うことができる真空二重配管と流体機器との接続構造を提供する。
【解決手段】 真空二重配管1と流体機器100との接続構造であって、真空二重配管1は、低温流体が通過する内管10と、内管10を覆う外管20とを備え、内管10と外管20との間に真空層30が形成されており、真空層30は、流路に沿って設けられた上流側隔壁部材32aおよび下流側隔壁部材32bの間に隔離部33が形成され、開閉弁35a,35bを有するバイパス流路34a,34bによって、隔離部33が真空層30の隔離部33以外の部分と連通可能とされており、隔離部33において、内管10に流体機器100が設けられると共に外管20の少なくとも一部が取り外し可能に構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空二重配管と流体機器との接続構造であって、
前記真空二重配管は、低温流体が通過する内管と、前記内管を覆う外管とを備え、前記内管と前記外管との間に真空層が形成されており、
前記真空層は、流路に沿って設けられた上流側隔壁部材および下流側隔壁部材の間に隔離部が形成され、開閉弁を有するバイパス流路によって、前記隔離部が前記真空層の前記隔離部以外の部分と連通可能とされており、
前記隔離部において、前記内管に前記流体機器が設けられると共に前記外管の少なくとも一部が取り外し可能に構成されている真空二重配管と流体機器との接続構造。
【請求項2】
前記外管は、前記隔離部における少なくとも一部が、半筒状に形成された一対の分割体を円筒状に組み合わせて構成され、前記分割体を径方向に取り外すことができる請求項1に記載の真空二重配管と流体機器との接続構造。
【請求項3】
前記上流側隔壁部材および下流側隔壁部材は、前記真空二重配管の径方向および長手方向に伸縮可能となるように、それぞれ前記内管および前記外管の双方に支持されている請求項1または2に記載の真空二重配管と流体機器との接続構造。
【請求項4】
前記上流側隔壁部材および下流側隔壁部材の少なくとも一方は、前記内管および前記外管のそれぞれから長手方向に間隔をあけてリング状に突出する内管側取付部および外管側取付部と、前記内管側取付部および外管側取付部間に取り付けられたベローズ管とを備えており、
前記ベローズ管の少なくとも一方端における開口縁部には、径方向に延びる複数の長孔が形成された取付リングが設けられている請求項3に記載の真空二重配管と流体機器との接続構造。
【請求項5】
前記上流側隔壁部材および下流側隔壁部材の少なくとも一方は、リング状の屈曲部材を備え、
前記屈曲部材は、径方向中央部が突出するように屈曲形成されている請求項3に記載の真空二重配管と流体機器との接続構造。
【請求項6】
前記流体機器はバルブであり、前記流体機器の下流側において前記外管の少なくとも一部が取り外し可能とされている請求項1から5のいずれかに記載の真空二重配管と流体機器との接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空二重配管と流体機器との接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
液化水素などの低温流体を輸送するため、低温流体が通過する内管および内管を覆う外管の間に真空層を形成した真空二重配管が、従来から使用されている。真空二重配管には、バルブ等の流体機器を接続する場合があり、特許文献1には、このような真空二重配管により輸送される低温流体の流路を開閉する真空断熱形バルブが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4-62498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に開示された真空断熱形バルブは、真空二重配管との接続がねじの螺合によって行われており、メンテナンスの際には真空二重配管から取り外すことができる。
【0005】
ところが、これによって真空二重配管の真空層が大気に開放されるため、メンテンナンスの終了時に真空層をもとの真空状態に戻すのに時間がかかるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、真空二重配管に接続された流体機器のメンテナンスを迅速容易に行うことができる真空二重配管と流体機器との接続構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、真空二重配管と流体機器との接続構造であって、前記真空二重配管は、低温流体が通過する内管と、前記内管を覆う外管とを備え、前記内管と前記外管との間に真空層が形成されており、前記真空層は、流路に沿って設けられた上流側隔壁部材および下流側隔壁部材の間に隔離部が形成され、開閉弁を有するバイパス流路によって、前記隔離部が前記真空層の前記隔離部以外の部分と連通可能とされており、前記隔離部において、前記内管に前記流体機器が設けられると共に前記外管の少なくとも一部が取り外し可能に構成されている真空二重配管と流体機器との接続構造により達成される。
【0008】
この真空二重配管と流体機器との接続構造において、前記外管は、前記隔離部における少なくとも一部が、半筒状に形成された一対の分割体を円筒状に組み合わせて構成されていることが好ましく、前記分割体を径方向に取り外すことができる。
【0009】
前記上流側隔壁部材および下流側隔壁部材は、前記真空二重配管の径方向および長手方向に伸縮可能となるように、前記内管および前記外管の双方に支持されていることが好ましい。この構成において、前記上流側隔壁部材および下流側隔壁部材の少なくとも一方は、前記内管および前記外管のそれぞれから長手方向に間隔をあけてリング状に突出する内管側取付部および外管側取付部と、前記内管側取付部および外管側取付部間に取り付けられたベローズ管とを備え、前記ベローズ管の少なくとも一方端における開口縁部には、径方向に延びる複数の長孔が形成された取付リングが設けられた構成にすることができる。あるいは、前記上流側隔壁部材および下流側隔壁部材の少なくとも一方は、リング状の屈曲部材を備え、前記屈曲部材は、径方向中央部が突出するように屈曲形成することができる。
【0010】
前記流体機器はバルブとすることができ、前記流体機器の下流側において前記外管の少なくとも一部が取り外し可能とされていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、真空二重配管に接続された流体機器のメンテナンスを迅速容易に行うことができる真空二重配管と流体機器との接続構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る真空二重配管と流体機器との接続構造を示す断面図である。
図2図1に示す真空二重配管の要部を示す図であり、(a)が正面図、(b)が側面図である。
図3図1に示す真空二重配管の一部を取り外した状態を示す断面図である。
図4図1に示す真空二重配管の他の要部を示す断面図である。
図5図4の要部正面図である。
図6図1に示す要部の変形例を示す図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る真空二重配管と流体機器との接続構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る真空二重配管1と流体機器100との接続構造を示す断面図である。図1に示すように、真空二重配管1は、ステンレス等の金属材料からなる内菅10および外管20を備えており、内管10の内部を、液化水素、液化アンモニア、液化ヘリウム、液化窒素、液化酸素等の低温流体が矢示F方向に通過する。
【0014】
外管20は、内管10を覆うように内管10と同心状に配置されており、内管10と外管20との間に真空層30が形成されている。真空層30は、真空ポンプ(図示せず)による真空引きが行われて、内管10を真空断熱する。
【0015】
流体機器100は、バルブであり、弁箱102と、弁箱102内に配置された弁体104と、弁体104を回動自在に支持する弁軸106とを備えている。弁箱102の上流側および下流側は、内管10の上流側部分10aおよび下流側部分10bに対して、ボルト・ナット等の締結具で気密にフランジ結合されており、弁体104を弁軸106まわりに回転させることで、内管10の流路を開閉することができる。
【0016】
内管10の上流側部分10aおよび下流側部分10bは、流体機器100側から順に、第1部分11a,11b、第2部分12a,12b、および第3部分13a,13bに分割されており、これらは互いに気密にフランジ結合されている。
【0017】
外管20は、流体機器100を覆うカバー部分29と、カバー部分29の上流側および下流側にそれぞれ気密にフランジ結合された上流側部分20aおよび下流側部分20bとを備えている。流体機器100の弁軸106は、カバー部分29を貫通して外方に延びている。
【0018】
外管20の上流側部分20aおよび下流側部分20bは、カバー部分29側から順に、第1部分21a,21b、第2部分22a,22b、および第3部分23a,23bに分割されている。外管20の第1部分21a,21b、第2部分22a,22b、および第3部分23a,23bは、それぞれ内管10の第1部分11a,11b、第2部分12a,12b、および第3部分13a,13bに対応する位置に配置されている。
【0019】
内管10および外管20の上流側部分10a,20aには、それぞれ内管側取付部14aおよび外管側取付部24aが設けられている。内管側取付部14aおよび外管側取付部24aは、リング状に形成されており、真空二重配管1の断面に沿うように、それぞれ第2部分12aの外周面および第2部分22aの内周面に溶接等で固定されている。
【0020】
内管側取付部14aおよび外管側取付部24aは、内管10および外管20の長手方向に間隔をあけて配置されており、内管側取付部14aおよび外管側取付部24aの間には、軸方向に伸縮可能なベローズ管31aが取り付けられている。内管側取付部14a、外管側取付部24aおよびベローズ管31aは、真空層30を内管10および外管20の長手方向に遮断する上流側隔壁部材32aを構成している。
【0021】
内管10および外管20の下流側部分10b,20bには、上流側部分10a,20aと同様に、それぞれ内管側取付部14bおよび外管側取付部24bが設けられている。内管側取付部14bおよび外管側取付部24bは、リング状に形成されており、真空二重配管1の断面に沿うように、それぞれ第2部分12bの外周面および第2部分22bの内周面に溶接等で固定されている。
【0022】
内管側取付部14bおよび外管側取付部24bは、内管10および外管20の長手方向に間隔をあけて配置されており、内管側取付部14bおよび外管側取付部24bの間には、軸方向に伸縮可能なベローズ管31bが取り付けられている。内管側取付部14b、外管側取付部24bおよびベローズ管31bは、真空層30を内管10および外管20の長手方向に遮断する下流側隔壁部材32bを構成している。真空層30の上流側隔壁部材32aおよび下流側隔壁部材32bの間には、真空層30の他の部分と分断された隔離部33が形成される。
【0023】
外管20の上流側部分20aには、真空層30における上流側隔壁部材32aの上流側および下流側を連通する配管により、バイパス流路34aが形成されている。バイパス流路34aには開閉弁35aが設けられており、開閉弁35aの操作によりバイパス流路34aを開閉することができる。
【0024】
外管20の下流側部分20bには、真空層30における下流側隔壁部材32bの上流側および下流側を連通する配管により、バイパス流路34bが形成されている。バイパス流路34bには開閉弁35bが設けられており、開閉弁35bの操作によりバイパス流路34bを開閉することができる。
【0025】
図2は、図1に示す外管20の下流側部分20bにおける第1部分21bを示しており、図2(a)が正面図、図2(b)が側面図である。図2(a)および(b)に示すように、第1部分21bは、半筒状に形成された一対の分割体25,26を備えており、これら分割体25,26を円筒状となるように組み合わせて構成されている。分割体25,26の周方向両側には、軸方向に延びる帯板状のフランジ部251,261を備えており、フランジ部251,261同士がボルト・ナット等の締結具で気密に結合されると共に、締結具を取り外すことにより分割体25,26を矢示の径方向に取り外すことができる。
【0026】
外管20の上流側部分20aにおける第1部分21a、内管10の上流側部分10aにおける第1部分11a、および、内管10の下流側部分10bにおける第1部分11bについても、上記の第1部分21bと同様に、半筒状に形成された一対の分割体25,26を円筒状に組み合わせて構成されており、分割体25,26を径方向に取り外すことができる。
【0027】
上記の構成を備える真空二重配管1と流体機器100との接続構造は、バイパス流路34a,34bの開閉弁35a,35bをいずれも開くことで、真空層30の全体を連通することができ、従来の真空二重配管と同様に、真空層30の全体を真空引きすることができる。
【0028】
一方、流体機器100のメンテナンス時などにおいては、開閉弁35a,35bをいずれも閉じることで、隔離部33が、真空層30の隔離部33以外の部分から遮断される。この後、外管20の下流側部分20bにおける第1部分21b、および、内管10の下流側部分10bにおける第1部分11bの一対の分割体25,26(図2参照)を、径方向に取り外すことにより、図3に示すように、流体機器100の下流側に、流体機器100のメンテンナンスを行うためのメンテナンススペースMを形成することができる。
【0029】
メンテナンススペースMの形成により、真空層30の隔離部33は大気に開放されるが、真空層30の隔離部33以外の部分(ドット模様を付した部分)は、真空状態が維持される。メンテナンスの終了後は、メンテナンススペースMを再び図1に示す状態に戻し、バイパス流路34a,34bの開閉弁35a,35bをいずれも開いて真空引きを行うことにより、真空層30の全体を真空状態にすることができる。
【0030】
本実施形態の真空二重配管1と流体機器100との接続構造によれば、流体機器100のメンテナンス時において、真空層30の大気開放を部分的なものに抑制することで、メンテナンスの終了後に、真空層30を短時間でもとの真空状態に戻すことができる。したがって、真空二重配管1に接続された流体機器100のメンテナンスを迅速容易に行うことができる。
【0031】
本実施形態においては、外管20の上流側部分20aにおける第1部分21a、および、内管10の上流側部分10aにおける第1部分11aも、図2に示す一対の分割体25,26により構成されているため、流体機器100の上流側にもメンテナンススペースを形成することができる。但し、流体機器100の上流側のメンテナンススペースが不要な場合には、第1部分11a,21aが分割不能な構成であってもよい。
【0032】
流体機器100のメンテナンスを行うためのメンテナンススペースの形成は、外管20の少なくとも一部を取り外し可能な構成により行うことが可能であり、本実施形態の構成以外に、例えば、外管20に形成した開口部を蓋体により開閉可能に構成して行うことができる。
【0033】
外管20に対するバイパス流路34a,34bの接続箇所は、隔離部33を真空層30の他の部分と連通可能な位置であれば特に限定されないが、本実施形態においては、図1に示すように、上流側のバイパス流路34aの両端を、第1部分21aおよび第2部分22aに接続し、下流側のバイパス流路34bの両端を、いずれも第2部分22bに接続している。下流側のバイパス流路34bを設ける代わりに、上流側のバイパス流路34aを分岐させて、隔離部33の下流側に接続してもよい。
【0034】
隔離部33を形成する上流側隔壁部材32aおよび下流側隔壁部材32bは、真空層30を気密に分断可能な構成であればよく、例えば、内管10および外管20をフランジ結合により形成する際に介在させるリング状の隔壁部材であってもよい。但し、内管10は、内部を通過する低温流体の温度変化により伸縮することから、本実施形態の上流側隔壁部材32aおよび下流側隔壁部材32bは、ベローズ管31a,31bを備えることによって真空二重配管1の長手方向に伸縮可能であり、更に、後述するように真空二重配管1の径方向にも伸縮可能となるように、内管10および外管20の双方に支持されている。
【0035】
図1に示す上流側隔壁部材32aのベローズ管31aは、下流側の一方端における開口縁部に取付リング36aを備えており、ベローズ管31aの上流側が内管側取付部14aに直接取り付けられる一方、ベローズ管31aの下流側が取付リング36aを介して外管側取付部24aに取り付けられている。
【0036】
図4は、図1に示す上流側隔壁部材32aの要部を示す断面図である。図4に示すように、取付リング36aには、径方向に延びる長孔37aが形成されており、ボルト38を長孔37aに挿通して、外管側取付部24aのねじ孔に螺合させることにより、取付リング36aが外管側取付部24aに対して径方向に移動可能に支持される。図5に正面図で示すように、取付リング36aの長孔37aは、複数が中心部を挟んで互いに対向するように、周方向にバランスよく配置されている。
【0037】
下流側隔壁部材32bについても、上流側隔壁部材32aと同様に、ベローズ管31bの上流側の一方端における開口縁部に取付リング36bを備えており、真空二重配管1の径方向および長手方向に伸縮可能に構成されている。
【0038】
図6は、図1に示す上流側隔壁部材32aの要部の変形例を示しており、ベローズ管31aの両端における開口縁部に、それぞれ取付リング36a,36aが設けられている。各取付リング36aは、径方向に延びる複数の長孔37aが形成されており、この長孔37aを利用して、内管側取付部14aおよび外管側取付部24aに取り付けられる。
【0039】
図7は、本発明の他の実施形態に係る真空二重配管1と流体機器100との接続構造を示す断面図であり、上流側隔壁部材32aおよび下流側隔壁部材32bの他の変形例を示している。図7に示す上流側隔壁部材32aおよび下流側隔壁部材32bは、リング状に形成されて径方向中央部39が真空二重配管1の軸方向に突出するように屈曲形成された屈曲部材からなる。この屈曲部材の内周縁部および外周縁部は、内管10および外管20をフランジ結合する際に挟持されて、内管10および外管20に支持されている。このように構成された上流側隔壁部材32aおよび下流側隔壁部材32bも、真空二重配管1の径方向および長手方向に伸縮することができる。
【0040】
真空二重配管1が接続される流体機器100の構成は特に限定されるものではなく、例えば、図7に示すように、弁箱102の下流側に、弁箱102内のメンテナンスを行うためのメンテナンスホール108を備える場合には、外管20における少なくともメンテナンスホール108の直上部分Uを取り外し可能に構成することで、メンテナンスホール108のメンテナンスカバー109を開閉することができる。また、流体機器100は、低温流体が通過、供給または排出される各種流体機器であれば必ずしもバルブに限定されるものではなく、例えば、流量計、ポンプ、アキュムレータ、タンク、熱交換器などであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 真空二重配管
10 内管
14a,14b 内管側取付部
20 外管
24a,24b 外管側取付部
25,26 分割体
30 真空層
31a,31b ベローズ管
32a 上流側隔壁部材
32b 下流側隔壁部材
33 隔離部
34a,34b バイパス流路
35a,35b 開閉弁
36a,36b 取付リング
37a,37b 長孔
100 流体機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7