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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174412
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】電気光学装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20221116BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1333 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080195
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】谷 俊樹
【テーマコード(参考)】
2H092
2H190
【Fターム(参考)】
2H092GA13
2H092GA16
2H092GA20
2H092HA02
2H092MA01
2H092NA25
2H190HA07
2H190HB03
2H190HC01
2H190HD00
2H190JB02
2H190LA21
(57)【要約】
【課題】耐光性が向上すると共に、隣り合う画素電極間の横電界の影響が低減される電気光学装置および電子機器を提供すること。
【解決手段】液晶装置100は、複数の画素電極15と、隣り合う画素電極15の間に設けられると共に、複数の画素電極15の側面に沿って設けられる保護層19と、を備え、保護層19の厚さは、各画素電極15の厚さよりも薄い。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画素電極と、
前記第1画素電極と隣り合う第2画素電極と、
前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に設けられると共に、前記第1画素電極および前記第2画素電極の側面に沿って設けられる保護層と、を備え、
前記保護層の厚さは、前記第1画素電極の厚さおよび前記第2画素電極の厚さよりも薄い、電気光学装置。
【請求項2】
前記第1画素電極および前記第2画素電極と前記保護層とは、平面視にて重ならない、請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記保護層は、原子堆積法によって設けられる、請求項1または請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記保護層は、酸化シリコンまたは窒化シリコンを含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第1画素電極および前記第2画素電極と対向する対向電極と、
前記対向電極を覆うように設けられた配向層と、を備え、
前記配向層は、前記対向電極に接して設けられる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気光学装置を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光変調装置として液晶装置などの電気光学装置を用いたプロジェクターが知られていた。プロジェクターでは、液晶装置に入射する光束密度が直視型の液晶装置に比べて大きくなる。そこで、液晶装置の耐光性を確保するために、隣り合う画素電極の間に保護層を設ける場合がある。例えば、特許文献1には、プロジェクターのライトバルブとして、隣り合う画素電極の間に窒化シリコンを含む保護層を設けた液晶装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-175493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の液晶装置では、画素の微細化を進めると、隣り合う画素電極間で横電界の影響を受け易くなるという課題があった。詳しくは、隣り合う画素電極の間が窒化シリコンを含む保護層で埋められて、隣り合う画素電極と窒化シリコンを含む保護層との液晶層側の面が平坦化されている。そのため、画素の微細化によって画素電極間の距離が短くなると、隣の画素電極の影響を無視できなくなる可能性があった。すなわち、耐光性が向上すると共に、隣り合う画素電極間において横電界の影響が低減される電気光学装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電気光学装置は、第1画素電極と、前記第1画素電極と隣り合う第2画素電極と、前記第1画素電極と前記第2画素電極との間に設けられると共に、前記第1画素電極および前記第2画素電極の側面に沿って設けられる保護層と、を備え、前記保護層の厚さは、前記第1画素電極の厚さおよび前記第2画素電極の厚さよりも薄い。
【0006】
電子機器は、上記の電気光学装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成を示す概略平面図。
図2】液晶装置の構成を示す概略断面図。
図3】液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。
図4】保護層などの構成を示す概略断面図。
図5】第2実施形態に係る電子機器としての投射型表示装置の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の各図においては、必要に応じて相互に直交する座標軸としてXYZ軸を付し、各矢印が指す方向を+方向とし、+方向と反対の方向を-方向とする。+Z方向を上方、-Z方向を下方ということもあり、+Z方向から見ることを平面視あるいは平面的という。また、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせている。
【0009】
なお、基板上に設けられる層などの構造物の厚さとは、特に断りがない限り、基板の法線方向であるZ軸に沿う方向における距離を指す。
【0010】
1.第1実施形態
本実施形態では、電気光学装置として薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)を備えたアクティブ駆動型の液晶装置を例示する。本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置100の構成について、図1から図3を参照して説明する。図2は、図1の線分H-H’を含み、YZ平面に沿う断面である。図2では、図示の便宜上、液晶層に含まれる液晶の大きさや数を実際とは異ならせている。
【0011】
図1に示すように、液晶装置100は、素子基板10、対向基板20、および後述する液晶層を備える。素子基板10と対向基板20とは、略矩形であって、対向基板20の外縁に沿って設けられるシール材60を介して重ねられて接合される。シール材60の内側には、複数の画素Pを含む表示領域Eが設けられる。複数の画素Pは、X軸およびY軸に沿ってマトリクス状に配列される。
【0012】
素子基板10は、データ線駆動回路101、2つの走査線駆動回路102、検査回路103、および複数の外部接続用端子104を有する。素子基板10は平面的に対向基板20よりも大きい。素子基板10には、対向基板20と重ならない領域に複数の外部接続用端子104が設けられ、複数の外部接続用端子104とシール材60との間にデータ線駆動回路101が設けられる。
【0013】
シール材60と表示領域Eとの間には、表示領域Eを囲む見切り部24が設けられる。見切り部24は、略矩形であって、2辺がY軸に沿い、他の2辺がX軸に沿う。Y軸に沿う上記2辺には、各々走査線駆動回路102が平面的に重ねられて設けられる。2つの走査線駆動回路102は、配線107を介して電気的に接続される。X軸に沿う上記2辺のうち、+Y方向の1辺には検査回路103が平面的に重ねられて設けられる。検査回路103は、後述するデータ線と電気的に接続される。
【0014】
データ線駆動回路101および2つの走査線駆動回路102は、外部接続用端子104と電気的に接続される。対向基板20の四隅には上下導通部106が設けられる。
【0015】
図2に示すように、素子基板10と対向基板20とはZ軸に沿う方向に対向する。素子基板10と対向基板20とは、シール材60によって離隔される。液晶層50は、素子基板10と対向基板20との間に設けられ、これらの2つの基板とシール材60とに囲まれる。液晶層50は液晶50aを含む。液晶50aは正または負の誘電異方性を有する。本実施形態では負の誘電異方性を有する液晶50aを採用する。
【0016】
素子基板10は、基板本体としての基板10s、トランジスターとしてのTFT30を含む配線層、複数の画素電極15、および配向層18を有し、これらの構成が基板10sから液晶層50に向かって上記の順に設けられる。配向層18は、複数の画素電極15と液晶層50との間に設けられる。なお、配向層18の-Z方向には、後述する保護層が設けられる。
【0017】
対向基板20は、基板本体としての基板20s、見切り部24、絶縁層25、対向電極21、および配向層22を有し、これらが基板20sから液晶層50に向かって上記の順に設けられる。配向層22は、対向電極21と液晶層50との間に設けられる。
【0018】
画素電極15は、平面的に見切り部24と重なる領域に設けられてもよい。見切り部24は遮光性を有するため、見切り部24と平面的に重なる領域の画素電極15は、液晶装置100の表示には寄与しない。
【0019】
複数の画素電極15および対向電極21は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明性を有する導電層を含んで成る。複数の画素電極15は、該導電層を形成した後、パターニングによって設けられる。
【0020】
配向層18,22は液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。配向層18,22としては、酸化シリコンなどの無機配向層、ポリイミドなどの有機配向層が採用される。本実施形態では、配向層18,22は、斜方蒸着によって形成された酸化シリコンの柱状構造体を含む。配向層18,22は、複数層から成ってもよく、Z軸に沿う方向から形成された蒸着層を含んでもよい。配向層18,22は、負の誘電異方性を有する液晶50aを略垂直配向させる。
【0021】
基板10s,20sには、例えば、ガラス基板や石英基板などの透光性および絶縁性を有する平板が採用される。本明細書において透光性とは、可視光の透過率が50%以上であることをいう。
【0022】
液晶装置100は、透過型であって、対向基板20から光Lが入射し、液晶層50を介して素子基板10から出射する。光Lは液晶層50を透過する際に、液晶50aの配向状態に応じて変調される。液晶装置100に対する光Lの入射方向は、上記に限定されず、素子基板10から光Lが入射する構成であってもよい。また、液晶装置100は、透過型であることに限定されず、反射型であってもよい。液晶装置100には、ノーマリーホワイトモードやノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。液晶装置100は、光Lの入射側と出射側とに偏光素子を備えてもよい。
【0023】
図3に示すように、液晶装置100は、互いに絶縁された信号配線として、データ線6、走査線3および容量線8を各々複数有する。走査線3はX軸に沿う方向に延在し、データ線6および容量線8はY軸に沿う方向に延在する。容量素子16はTFT30と電気的に接続される。容量線8は、Y軸に沿う構成に限定されず、X軸に沿う構成であってもよい。
【0024】
画素電極15、TFT30および容量素子16は、走査線3とデータ線6および容量線8とによって区分された領域に画素Pごと設けられる。すなわち、画素電極15は、複数の画素Pの各々に対応して設けられる。走査線3、データ線6および容量線8などの信号配線類は、上述の配線層に設けられる。
【0025】
走査線3は、スイッチング素子であるTFT30のゲートに対応する。データ線6は、TFT30のデータ線側ソースドレイン領域に対応する。走査線3は、同一行に設けられたTFT30のオン、オフを一斉に制御する。画素電極15は、TFT30の画素電極側ソースドレイン領域に対応する。
【0026】
データ線6は、上述のデータ線駆動回路101に電気的に接続され、データ線駆動回路101から供給される画像信号を画素Pに供給する。画像信号は、各データ線6へ線順次に供給されてもよく、隣り合う複数のデータ線6へグループごとに供給されてもよい。
【0027】
走査線3は、上述の走査線駆動回路102に電気的に接続され、走査線駆動回路102から供給される走査信号を画素Pに供給する。走査信号は、走査線3へ所定のタイミングにてパルス的に線順次で供給される。
【0028】
走査信号の入力によりTFT30が一定期間オン状態とされ、画像信号が所定のタイミングで画素電極15に印加される。画像信号は、画素電極15を介して液晶層50に所定レベルで書き込まれ、画素電極15と液晶層50を挟んだ対向電極21との間で一定期間保持される。このとき、画像信号に応じて印加される電圧によって、液晶50aの配向状態が変化する。保持された画像信号がリークするのを防ぐため、画素電極15と対向電極21との間に設けられた液晶容量に対して、容量素子16が電気的に並列接続される。容量素子16は、TFT30と容量線8との間の層に設けられる。
【0029】
上述したように、複数の画素PはX軸およびY軸に沿ってマトリクス状に設けられる。そして、複数の画素電極15もX軸およびY軸に沿ってマトリクス状に設けられる。本発明の第1画素電極とは、複数の画素電極15のうちのいずれかの画素電極15である。本発明の第2画素電極とは、第1画素電極である画素電極15に対して、平面視において隣り合う画素電極15である。第1画素電極である画素電極15と、第2画素電極である画素電極15とが隣り合う方向とは、X軸に沿う方向、Y軸に沿う方向、およびX軸とY軸とに平面的に交差する方向である。
【0030】
液晶装置100における保護層などの構成について、図4を参照して説明する。図4では、図2に示した断面において、-Y方向のシール材60および液晶層50を含む領域を拡大している。なお、図4では、液晶装置100における一部の構成の図示を省略している。
【0031】
図4に示すように、素子基板10は保護層19を備える。保護層19は、複数の画素電極15が設けられる下地の層の上方に設けられる。詳しくは、保護層19は、第1画素電極である画素電極15と、第2画素電極である画素電極15との間に設けられる。また、保護層19は、複数の画素電極15の各々において、Z軸に沿う側面に沿って設けられる。換言すれば、個々の画素電極15において、XY平面に沿う面以外には保護層19が設けられる。
【0032】
配向層18は、各画素電極15の上方の面と、保護層19の+Z方向の端部とを覆って設けられる。保護層19と複数の画素電極15とは平面視にて重ならず、各画素電極15と配向層18との間に保護層19は介在しない。そのため、液晶装置100において、液晶50aの応答性が確保されて所望の表示特性を維持することができる。なお、配向層18を設ける際の斜方蒸着の方向によっては、保護層19の画素電極15の側面に沿う部分および隣り合う画素電極15の間に設けられた部分の一部に配向層18が設けられないことがある。
【0033】
保護層19は、少なくとも、隣り合う画素電極15の間と、各画素電極15のZ軸に沿う側面に沿って設けられればよい。本実施形態では、シール材60と平面的に重なる領域の保護層19を省略しているが、これに限定されない。保護層19は、最もシール材60寄りの画素電極15からシール材60と重なる領域まで設けられてもよい。
【0034】
保護層19の厚さは、各々の画素電極15の厚さよりも薄い。各画素電極15のZ軸に沿う側面における、Y軸に沿う方向の保護層19の厚さも、同様に各画素電極15のZ軸に沿う方向の厚さよりも薄い。例えば、保護層19の厚さは約1~20nmであり、画素電極15の厚さは約50~200nmである。保護層19や画素電極15の厚さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)や走査型透過型電子顕微鏡(STEM)によって測定することが可能である。
【0035】
保護層19の形成には公知の製造方法が採用される。具体的には、気相薄膜形成法によって、下地、画素電極15の上方および側面に成膜した後に、フォトリソグラフィー法によるパターニングを施して保護層19としてもよい。特に、比較的に薄くかつ緻密な保護層19が得られる点から、保護層19は原子堆積法によって設けられることが好ましい。保護層19が薄くかつ緻密であることにより、隣り合う画素電極15の間の横電界の影響をさらに低減すると共に、耐光性をより向上させることができる。なお、原子堆積法により形成された層と、プラズマCVD法等の他の成膜方法により形成された層と、の構造または特性の相違は、測定や分析に基づく解析によって特定することは困難である。
【0036】
保護層19には、液晶装置100の耐光性に寄与する公知の材料が採用される。耐光性の向上および製造の容易さやコストの点から、保護層19は酸化シリコンや窒化シリコンを含むことが好ましい。
【0037】
対向基板20の対向電極21は、複数の画素電極15と液晶層50を隔てて対向する。配向層22は、対向電極21を覆うように、対向電極21に接して設けられる。対向電極21と液晶層50との間には、素子基板10の保護層19に相当する層は介在しない。これにより、液晶装置100において、液晶50aの応答性が確保されて所望の表示特性を維持することができる。
【0038】
本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
【0039】
液晶装置100の耐光性を向上させると共に、隣り合う画素電極15において横電界の影響を低減することができる。詳しくは、隣り合う画素電極15の間と、各々の画素電極15の側面とに、保護層19が設けられる。これにより、液晶装置100の耐光性が向上する。また、保護層19の厚さが各画素電極15の厚さよりも薄いため、隣り合う画素電極15の間が保護層19で埋まらない。これにより、隣り合う画素電極15の間に窪みが生じて、隣り合う画素電極15の間の横電界の影響が低減される。以上により、耐光性が向上し、隣り合う画素電極15の間で横電界の影響が低減される液晶装置100を提供することができる。
【0040】
2.第2実施形態
本実施形態に係る電子機器として投射型表示装置1000を例示する。
【0041】
図5に示すように、投射型表示装置1000は、ランプユニット1001、色分離光学系のダイクロイックミラー1011,1012、3個の液晶装置1B,1G,1R、反射ミラー1111,1112,1113、リレーレンズ1121,1122,1123、色合成光学系のダイクロイックプリズム1130、投射光学系の投射レンズ1140を備える。
【0042】
ランプユニット1001は、例えば、放電型の光源である。光源の方式はこれに限定されず、発光ダイオード、レーザーなどの固体光源を採用してもよい。
【0043】
ランプユニット1001から出射された光は、ダイクロイックミラー1011,1012によって、各々異なる波長域の3色の色光に分離される。3色の色光とは、略赤色の赤色光R、略緑色の緑色光G、略青色の青色光Bである。
【0044】
ダイクロイックミラー1011は、赤色光Rを透過し、赤色光Rよりも波長が短い、緑色光Gおよび青色光Bを反射する。ダイクロイックミラー1011を透過した赤色光Rは、反射ミラー1111で反射し、液晶装置1Rに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射した緑色光Gは、ダイクロイックミラー1012で反射した後、液晶装置1Gに入射する。ダイクロイックミラー1011で反射した青色光Bは、ダイクロイックミラー1012を透過して、リレーレンズ系1120へ入射する。
【0045】
リレーレンズ系1120は、リレーレンズ1121,1122,1123、反射ミラー1112,1113を有する。青色光Bは、緑色光Gや赤色光Rと比べて光路が長いため、光束が大きくなりやすい。そのため、リレーレンズ1122を用いて光束の拡大を抑える。リレーレンズ系1120に入射した青色光Bは、リレーレンズ1121によって収束しつつ反射ミラー1112で反射して、リレーレンズ1122の近傍で収束する。そして、青色光Bは、反射ミラー1113およびリレーレンズ1123を経て、液晶装置1Bに入射する。
【0046】
投射型表示装置1000における、光変調装置である液晶装置1R,1G,1Bには、上記実施形態の電気光学装置としての液晶装置100が適用される。液晶装置100は、液晶装置1R,1G,1Bに対して1つ以上に適用されればよく、全てに適用されることがより好ましい。
【0047】
液晶装置1R,1G,1Bのそれぞれは、投射型表示装置1000の上位回路と電気的に接続される。したがって、赤色光R、緑色光G、青色光Bの階調レベルを指定する各画像信号が外部回路から上位回路に供給されて処理されると、液晶装置1R,1G,1Bが駆動されて各色光が変調される。
【0048】
液晶装置1R,1G,1Bで変調された赤色光R、緑色光G、青色光Bは、ダイクロイックプリズム1130に3方向から入射する。ダイクロイックプリズム1130は、入射した赤色光R、緑色光G、青色光Bを合成する。ダイクロイックプリズム1130では、赤色光Rおよび青色光Bが90度に反射し、緑色光Gが透過する。これにより、赤色光R、緑色光G、青色光Bは、カラー画像を表示する表示光として合成されて投射レンズ1140に入射する。
【0049】
投射レンズ1140は、投射型表示装置1000の外側を向いて設けられる。表示光は、投射レンズ1140を介して拡大されて出射され、投射対象であるスクリーン1200に投射画像が投射される。
【0050】
本実施形態では、電子機器として投射型表示装置1000を例示したが、これに限定されない。本発明の電気光学装置は、例えば、投射型のHUD(Head-Up Display)、直視型のHMD(Head Mounted Display)、パーソナルコンピューター、デジタルカメラ、液晶テレビなどの電子機器に適用されてもよい。
【0051】
本実施形態によれば、液晶装置1R,1G,1Bにおいて、耐光性が向上すると共に、隣り合う画素電極15において横電界の影響が低減される。そのため、信頼性および投射画像の品質に優れる投射型表示装置1000を提供することができる。
【符号の説明】
【0052】
1B,1G,1R…液晶装置、19…保護層、21…対向電極、22…配向層、100…電気光学装置としての液晶装置、1000…電子機器としての投射型表示装置。
図1
図2
図3
図4
図5