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特開2022-174454情報処理装置、プログラム、情報処理方法及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174454
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04847 20220101AFI20221116BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20221116BHJP
【FI】
G06F3/0484 170
G06F3/0481 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080255
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】521023539
【氏名又は名称】Cellid株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】白神 賢
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA13
5E555AA27
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC04
5E555BE16
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB16
5E555CB45
5E555CC05
5E555DB22
5E555DB51
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC84
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】二次元画像を表示する端末において、他の端末を使用するユーザに三次元空間における位置を伝えられるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、二次元画像を表示部12に表示させる画像表示部152と、二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付ける操作受付部153と、選択位置を示す選択位置データと奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて、二次元画像に対応する三次元空間を視認可能な情報端末2に送信するデータ送信部154と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元画像を表示部に表示させる画像表示部と、
前記二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付ける操作受付部と、
前記選択位置を示す選択位置データと前記奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて、前記二次元画像に対応する三次元空間を視認可能な情報端末に送信するデータ送信部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記画像表示部は、前記奥行位置を指定するための奥行設定用画像を前記表示部に表示させ、
前記操作受付部は、前記奥行設定用画像において選択された位置を、指定された前記奥行位置として受け付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像表示部は、前記二次元画像において前記奥行方向の基準位置を示す画像と、前記基準位置に対する距離を示す情報とを、前記奥行設定用画像とともに前記表示部に表示させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像表示部は、前記二次元画像に含まれる被写体を前記奥行方向と異なる方向から見た状態を示す他視点画像を前記表示部に表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像表示部は、指定された前記奥行位置に対応する位置を示す画像を前記他視点画像に重ねて表示させる、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
二次元画像を表示部に表示させる画像表示部と、
前記二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付ける操作受付部と、
前記選択位置を示す選択位置データと前記奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて、前記二次元画像に対応する三次元空間を視認可能な情報端末に送信するデータ送信部と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
コンピュータが、
二次元画像を表示部に表示させるステップと、
前記二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付けるステップと、
前記選択位置を示す選択位置データと前記奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて、前記二次元画像に対応する三次元空間を視認可能な情報端末に送信するステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
画像を表示する情報端末と、前記情報端末を使用するユーザが視認可能な三次元空間に対応する二次元画像を表示する情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
前記二次元画像を表示部に表示させる画像表示部と、
前記二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付ける操作受付部と、
前記選択位置を示す選択位置データと前記奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて前記情報端末に送信するデータ送信部と、
を有し、
前記情報端末は、
前記選択位置データと前記奥行位置データとを受信するデータ受信部と、
前記三次元空間における、前記選択位置データと前記奥行位置データとにより特定される位置に、所定の画像を表示させる表示処理部と、
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示するための情報処理装置、プログラム、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の端末間で共通の画像を表示することができるシステムが知られている。特許文献1には、共通に表示する画像に重ねて、第1端末のユーザの操作により移動するマウスポインタ画像を第2端末にも表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-198018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、ユーザが見ることのできる画像が二次元画像であることが想定されていた。ところが、画像における位置を指定する操作を行う側の第1端末に二次元画像が表示され、第1端末と通信する第2端末で三次元空間又は三次元空間に対応する三次元画像を見ることができる場合もある。
【0005】
このような場合、第1端末のユーザは、第2端末のユーザが見ている三次元空間における奥行方向の位置を指定することができなかった。したがって、第1端末のユーザが指定した位置を示す指定位置画像を第2端末に表示することで、第1端末のユーザが指定した位置を第2端末のユーザに伝えようとしても、第2端末のユーザが、第1端末のユーザが意図した三次元空間における位置を把握することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、二次元画像を表示する端末において、他の端末を使用するユーザに三次元空間における位置を伝えられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、二次元画像を表示部に表示させる画像表示部と、前記二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付ける操作受付部と、前記選択位置を示す選択位置データと前記奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて、前記二次元画像に対応する三次元空間を視認可能な情報端末に送信するデータ送信部と、を有する。
【0008】
前記画像表示部は、前記奥行位置を指定するための奥行設定用画像を前記表示部に表示させ、前記操作受付部は、前記奥行設定用画像において選択された位置を、指定された前記奥行位置として受け付けてもよい。
【0009】
前記画像表示部は、前記二次元画像において前記奥行方向の基準位置を示す画像と、前記基準位置に対する距離を示す情報とを、前記奥行設定用画像とともに前記表示部に表示させてもよい。
【0010】
前記画像表示部は、前記二次元画像に含まれる被写体を、前記奥行方向と異なる方向から見た状態を示す他視点画像を前記表示部に表示させてもよい。
【0011】
前記画像表示部は、指定された前記奥行位置に対応する位置を示す画像を前記他視点画像に重ねて表示させてもよい。
【0012】
本発明の第2の態様のプログラムは、コンピュータを、二次元画像を表示部に表示させる画像表示部と、前記二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付ける操作受付部と、前記選択位置を示す選択位置データと前記奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて、前記二次元画像に対応する三次元空間を視認可能な情報端末に送信するデータ送信部と、として機能させる。
【0013】
本発明の第3の態様の情報処理方法は、コンピュータが、二次元画像を表示部に表示させるステップと、前記二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付けるステップと、前記選択位置を示す選択位置データと前記奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて、前記二次元画像に対応する三次元空間を視認可能な情報端末に送信するステップと、を実行する。
【0014】
本発明の第4の態様の情報処理システムは、画像を表示する情報端末と、前記情報端末を使用するユーザが視認可能な三次元空間に対応する二次元画像を表示する情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記二次元画像を表示部に表示させる画像表示部と、前記二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付ける操作受付部と、前記選択位置を示す選択位置データと前記奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて前記情報端末に送信するデータ送信部と、を有し、前記情報端末は、前記選択位置データと前記奥行位置データとを受信するデータ受信部と、前記三次元空間における、前記選択位置データと前記奥行位置データとにより特定される位置に、所定の画像を表示させる表示処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、二次元画像を表示する端末において、他の端末を使用するユーザに三次元空間における位置を伝えられるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】情報処理システムの概要を示す図である。
図2】情報処理装置の動作について説明するための図である。
図3】ユーザが奥行方向の位置を指定することができるようにするための画面の例を示す図である。
図4】情報処理装置の構成を示す図である。
図5】基準位置を示す画像の表示例を示す図である。
図6】他視点画像の一例を示す図である。
図7】情報端末の構成を示す図である。
図8】表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を示す図である。情報処理システムSは、情報処理装置1及び情報端末2を備えており、情報処理装置1と情報端末2とは、ネットワークNを介してデータを送受信することができる。ネットワークNは、例えばインターネット及び携帯電話通信網を含む。情報処理装置1及び情報端末2は、例えばコンピュータ、スマートフォン、タブレット又は眼鏡型端末である。本実施形態においては、情報処理装置1がコンピュータであり、情報端末2が眼鏡型端末である場合を例示する。情報端末2は、例えば無線チャネルWを介してネットワークNにアクセスする。
【0018】
情報処理装置1は、情報端末2を使用しているユーザU2が見ている三次元空間に対応する二次元画像を表示する。情報処理装置1は、例えば、情報端末2において撮影されることにより作成された撮像データに基づく二次元画像を表示する。
【0019】
情報処理装置1及び情報端末2は、例えば、情報処理装置1を使用するユーザU1又は情報端末2を使用するユーザU2の操作を受け付けて、ユーザU1又はユーザU2の操作に応じて、所定の画像を同時に表示する。同時に表示される画像は、操作位置を示すポインタ画像であってもよく、情報端末2が撮影して生成された撮像画像に重ねて表示される拡張現実画像(以下、「AR画像」という。)であってもよい。
【0020】
本実施形態に係る情報処理装置1は二次元画像を表示することができるが、三次元画像を表示することができない。一方、情報端末2は、三次元空間をユーザU2に視認させたり、三次元空間に対応する三次元画像を表示したりすることができる。二次元画像は、互いに直交するX軸とY軸の2つの軸により定められる複数の(X、Y)座標に対応する複数の画素により構成される画像である。三次元画像は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の3つの軸により定められる複数の(X、Y、Z)座標に対応する複数の画素により構成される画像である。
【0021】
情報処理装置1は、例えば、情報端末2を使用するユーザU2が情報端末2で撮影した三次元空間(すなわちユーザU2が視認可能な三次元空間)に対応する二次元画像を表示する。情報端末2が眼鏡型端末である場合、情報処理装置1は、情報端末2が周囲の三次元空間内で被写体を撮影して生成した撮像画像データに基づく二次元画像を表示して、ユーザU1により位置の指定を受け付ける。情報端末2は、ユーザU2が情報端末2のレンズを通して見ている三次元空間、又は情報端末2が撮影した三次元空間に対応する三次元画像における、ユーザU1が操作した位置に対応する位置に、ユーザU1の操作内容に応じたAR画像を表示する。
【0022】
ところで、上述のとおり、情報端末2においてユーザU2は三次元空間又は三次元画像を視認することができるが、情報処理装置1においてユーザU1は二次元画像しか見ることができない。この場合、ユーザU1は、ユーザU2が見ている三次元空間における特定の位置を指定することができない。
【0023】
そこで、情報処理装置1は、情報端末2が撮影した画像を表示した状態で、ユーザU1が情報処理装置1の画面に表示された二次元画像に重ねて、奥行方向の位置を指定するための奥行設定用画像を表示することを特徴としている。これにより、情報処理装置1に表示された二次元画像が撮影された三次元空間内の特定の位置(すなわちユーザU2が存在する三次元空間内の特定の位置)をユーザU1が指定することが可能になる。
【0024】
図2及び図3は、情報処理装置1の動作について説明するための図である。図2(a)は、情報処理装置1に二次元画像が表示された画面の一例を示している。図2(a)における左右方向がX方向であり、上下方向がY方向であり、奥行き方向がZ方向である。図2(b)は、図2(a)に表示された二次元画像が撮影された三次元空間を上方から見た図である。図2(b)における左右方向がX方向であり、上下方向がZ方向であり、奥行き方向がY方向である。
【0025】
図2(a)には、情報端末2を使用するユーザU2が図2(b)に示す位置からZ方向に向いて撮影したメイン画像である画像T1~T4と、重ねて表示されたAR画像A~Cが表示されている。ユーザU1がAR画像Cを表示させるための操作をした後に手HをAR画像Aの位置に触れたことにより、AR画像Cが、AR画像Aの近傍に表示されている。
【0026】
この状態で、ユーザU1がAR画像CをAR画像Bに向けて移動させたいと考えた場合に、AR画像Bに触れる操作を行うものとする。この際、情報処理装置1は、ユーザU1が、Z方向のどの位置にAR画像Cを移動させようとしているかを認識することができない。具体的には、二次元画像におけるAR画像Bの位置に向かう方向として、図2(b)に矢印画像C1、C2、C3が示すように複数の方向が存在するため、情報処理装置1は、ユーザU1が複数の方向のうちどの方向にAR画像Cを移動させたいかを認識することができない。
【0027】
図3は、ユーザU1が奥行方向の位置を指定することができるようにするための画面の例を示す図である。図3に示す画面の左側には、奥行設定用画像の一例であるスライダー画像SLが表示されている。スライダー画像SLには、黒色で示されたカーソル画像CSが含まれている。ユーザU1は、カーソル画像CSをスライダー画像SLの上方に移動させることで、Z方向における奥側の位置を指定することができる。また、ユーザU1は、カーソル画像CSをスライダー画像SLの下方に移動させることで、Z方向における手前側の位置を指定することができる。
【0028】
ユーザU1は、二次元画像における所望の位置に触れることにより、目標位置の(X、Y)座標を指定し、スライダー画像SLにおいてカーソル画像CSを移動させて奥行方向のZ座標を指定することにより、三次元空間における(X、Y、Z)座標を指定することができる。ユーザU1は、例えば、AR画像Bに触れることにより目標位置(図3において目標位置画像Gで示す位置)を指定した後にカーソル画像CSを移動させてもよく、カーソル画像CSを移動させてZ方向の位置を指定した後にAR画像Bに触れることにより目標位置を指定してもよい。
【0029】
AR画像Bの(X、Y)座標が(X1、Y1)であり、図3(a)に示すカーソル画像CSの位置に対応するZ方向の座標がZ1である場合、ユーザU1が指定した位置は(X1、Y1、Z1)になる。この位置は、例えば図2(b)における矢印画像C1の先端の位置に相当する。図3(b)に示すカーソル画像CSの位置に対応するZ方向の座標がZ2である場合、ユーザU1が指定した位置は(X1、Y1、Z2)になる。この位置は、例えば図2(b)における矢印画像C2の先端の位置に相当する。図3(c)に示すカーソル画像CSの位置に対応するZ方向の座標がZ3である場合、ユーザU1が指定した位置は(X1、Y1、Z3)になる。この位置は、例えば図2(b)における矢印画像C1の先端の位置に相当する。
【0030】
情報処理装置1は、このようにしてユーザU1が指定した位置に対応する座標を示す座標データを情報端末2に送信する。情報端末2が、受信した座標データに対応する位置にAR画像を表示することで、情報端末2を介して三次元空間又は三次元空間に対応する三次元画像を見るユーザU2は、ユーザU1が指定した三次元空間上の位置にAR画像を見ることが可能になる。このように動作する情報処理システムSは、各種の用途に適用することができ、ユーザU1及びユーザU2が、同じ画面を見ながらゲームをする場合、及び工場で組み立て作業をしているユーザU2が装着した情報端末2が撮影した画像をユーザU1が遠隔で見ながら、ユーザU2に対して三次元空間内での位置を指示したりする場合等に好適である。
以下、情報処理装置1及び情報端末2の構成を詳細に説明する。
【0031】
[情報処理装置1の構成]
図4は、情報処理装置1の構成を示す図である。情報処理装置1は、通信部11と、表示部12と、操作部13と、記憶部14と、制御部15と、を有する。制御部15は、データ取得部151と、画像表示部152と、操作受付部153と、データ送信部154と、を有する。
【0032】
通信部11は、ネットワークNに接続するための通信インターフェースを有する。通信部11は、ネットワークNを介して、情報端末2との間で各種のデータを送受信する。通信部11は、ネットワークNを介して受信したデータをデータ取得部151に入力し、データ送信部154から入力されたデータを情報端末2に向けて送信する。
【0033】
表示部12は、各種の情報を表示するディスプレイを有する。表示部12は、例えば画像表示部152から入力された画像データに基づく画像を表示する。具体的には、表示部12は、図3に示したようなメイン画像、サブ画像、及びスライダー画像SLを表示する。
【0034】
操作部13は、ユーザU1が各種の操作を行うためのデバイスであり、例えばマウス及びキーボードを含む。操作部13は、ユーザU1の操作に応じた操作データを操作受付部153に入力する。操作データは、例えばマウスの移動量を示すデータ、マウスにおいてクリックされたことを示すデータ、及びキーボードにおいて押されたキーを示すデータである。
【0035】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を有する。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部14は、表示部12に表示される画像データを一時的に記憶する。
【0036】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有している。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、データ取得部151、画像表示部152、操作受付部153及びデータ送信部154として機能する。
【0037】
データ取得部151は、通信部11を介して、情報端末2が送信した画像データを受信する。データ取得部151は、例えば、ユーザU2が情報端末2を用いて撮影した被写体を含む撮像画像データを受信する。データ取得部151が取得する画像データは、例えば二次元画像データであるが、データ取得部151は三次元画像データを取得してもよい。データ取得部151は、受信した画像データを画像表示部152に入力する。
【0038】
データ取得部151は、記憶部14に記憶されている画像データを取得してもよい。データ取得部151が記憶部14から取得する画像データは、アプリケーションソフトウェアを実行することにより表示部12に表示する画面データであり、例えばゲームの画像データである。
【0039】
画像表示部152は、データ取得部151から入力された画像データに基づく二次元画像を表示部12に表示させる。画像表示部152は、データ取得部151から入力された画像データが二次元画像データである場合、二次元画像データに含まれる複数の画素値に基づく二次元画像を表示部12に表示させる。画像表示部152は、データ取得部151から入力された画像データが三次元画像データである場合、三次元画像データに含まれる複数の画素値のうち、特定のZ座標に対応する(X、Y)座標に対応する複数の画素値に基づく二次元画像を表示部12に表示させる。画像表示部152は、例えば、情報端末2が画像データを送信した時点におけるユーザU2の視線の方向に対応する二次元画像(例えばZ座標が0の画像)を表示部12に表示させる。
【0040】
また、画像表示部152は、奥行位置を指定するための奥行設定用画像を表示部12に表示させる。奥行設定用画像は、例えば図3に示したようなスライダー画像SLであるが、奥行位置を指定できる限りにおいて、奥行設定用画像の態様は任意であり、図3に例示した態様のような長方形に限らず、他の形状であってもよい。また、奥行設定用画像は、奥行方向の座標に対応する数値を入力するための画像であってもよい。
【0041】
ところで、奥行設定用画像が表示部12に表示されるだけでは、ユーザU1が、どの程度の位置に奥行設定するのが妥当であるかを把握しづらいという場合が想定される。そこで、画像表示部152は、二次元画像において奥行方向の基準位置を示す画像を表示させるとともに、基準位置に対する距離を示す情報を奥行設定用画像とともに表示部12に表示させてもよい。
【0042】
図5は、基準位置を示す画像の表示例を示す図である。図5においては、スライダー画像SLの左側に、画像T1、画像T4、AR画像A、AR画像Bの奥行方向を示すテキスト画像が表示されている。画像表示部152がこのような画像を表示することで、ユーザU1は、自身が指定したい奥行方向の位置がどのあたりであるかを把握しやすくなる。
【0043】
画像表示部152は、二次元画像に含まれる被写体を、奥行方向と異なる方向から見た状態を示す他視点画像をさらに表示部12に表示させてもよい。他視点画像データは、例えば情報端末2において視認可能な三次元画像の奥行方向に直交する方向から、三次元画像に対応する空間を見た画像に対応する画像データである。他視点画像データは、三次元画像に対応する空間を上方から見た画像に対応する画像データであってもよい。
【0044】
他視点画像データは、例えば、ユーザU2がいる空間を他のカメラで撮影することにより作成された他視点撮像画像データに基づく画像である。他視点撮像画像データは、情報処理装置1が情報端末2から撮像画像データを受信している間に撮影されることにより作成された画像データであってもよく、予め撮影されて作成された画像データであってもよい。
【0045】
他視点画像は、予め記憶部14に記憶された画像データであってもよい。例えば制御部15がゲームのアプリケーションソフトウェアを実行する場合、ゲームの制作者が予め複数の視点に対応する複数の画像データを他視点画像データとして作成し、記憶部14がこれらの複数の他視点画像データを記憶しておいてもよい。
【0046】
図6は、他視点画像の一例を示す図である。図6は、図3に示した画面の右下に他視点画像Dを表示した状態を示している。図6に示す他視点画像Dは、図6に示す二次元画像に対応する空間を図6の右側から見た状態を示している。ユーザU1は、他視点画像Dを見ることにより、二次元画像内の各被写体の奥行方向の位置関係を把握することができるので、スライダー画像SLを用いて奥行方向を指定しやすくなる。
【0047】
なお、ユーザU1がスライダー画像SLにおいてカーソル画像CSを移動させた際に、奥行方向におけるどの位置を指定しているかをユーザU1が把握しやすくするために、画像表示部152は、ユーザU1によって指定された奥行位置に対応する位置を示す画像を他視点画像に重ねて表示させてもよい。
【0048】
図6(b)は、カーソル画像CSの位置に対応する位置を示すマーカー画像Mが他視点画像Dに表示された状態を示している。画像表示部152は、例えば、他視点画像Dの左右方向におけるマーカー画像Mの位置が、スライダー画像SLにおけるカーソル画像CSの位置に対応するようにマーカー画像Mを表示する。マーカー画像Mの態様は図6(b)に示した態様に限らず任意の態様でよく、画像表示部152は、他視点画像Dにおけるカーソル画像CSに対応する位置を他の位置と異なる色又は異なる輝度で表示してもよい。
【0049】
操作受付部153は、二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付ける。図3図5及び図6に示した例の場合、操作受付部153は、スライダー画像SLにおいて選択された位置(すなわちカーソル画像CSの位置)を、指定された奥行位置として受け付ける。操作受付部153は、例えば、カーソル画像CSが所定の時間(例えば1秒)以上同じ位置にある場合に、当該位置を、ユーザU1が指定した奥行方向の位置として受け付けて、受け付けた位置に対応する奥行方向の座標を特定する。操作受付部153は、二次元座標空間における選択位置の座標と、奥行方向の座標とをデータ送信部154に通知する。
【0050】
データ送信部154は、操作受付部153から入力された選択位置の座標を示す選択位置データと、奥行方向の座標を示す奥行位置データとを作成する。データ送信部154は、選択位置を示す選択位置データと奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて、二次元画像に対応する三次元画像を表示する情報端末2に送信する。データ送信部154は、選択位置データ及び奥行位置データを異なるデータとして送信してもよく、選択位置データ及び奥行位置データが統合されたデータとして送信してもよい。選択位置データ及び奥行位置データが統合されたデータは、例えば(X0、Y0、Z0)のように、三次元空間における座標を示すデータである。
【0051】
[情報端末2の構成]
図7は、情報端末2の構成を示す図である。情報端末2は、通信部21と、表示部22と、操作部23と、記憶部24と、制御部25と、撮像部26と、を有する。
【0052】
通信部21、表示部22、操作部23、記憶部24及び制御部25のそれぞれは、図4に示した通信部11、表示部12、操作部13、記憶部14及び制御部15に対応している。通信部21、表示部22、操作部23、記憶部24及び制御部25のそれぞれは、通信部11、表示部12、操作部13、記憶部14及び制御部15と同等の機能を有していてもよく、他の機能を有していてもよい。
【0053】
ただし、情報端末2が眼鏡型の端末である場合、表示部22は、表示部12と異なり、眼鏡のレンズの領域に画像を投影する素子を有していてもよい。また、操作部23は、操作部13と異なり、ユーザU2の視線を検出する素子を有していており、ユーザU2の視線の位置又は動きの少なくともいずれかに基づいてユーザU2の操作内容を検出する。
【0054】
撮像部26は、ユーザU2の操作に応じて情報端末2の周辺の被写体を撮影することにより撮像画像データを生成するデバイスであり、例えばカメラである。撮像部26は、例えば複数の撮像素子を有するステレオカメラであり、三次元画像データを生成することができる。情報端末2が眼鏡型の端末である場合、撮像部26が有する複数の撮像素子は、例えば2つのレンズの上部の位置に設けられている。撮像部26は、生成した三次元画像データをデータ送信部254に入力する。
【0055】
データ送信部254は、例えば、操作受付部253を介して入力されたユーザU2の指示に応じて、撮像部26から入力された三次元画像データを、通信部21を介して情報処理装置1に送信する。データ送信部254は、ユーザU2から指示を受けた後に、継続して三次元画像データを送信してもよい。すなわち、データ送信部254は、三次元の動画像データを送信してもよい。
【0056】
データ受信部251は、通信部21を介して、情報処理装置1が送信した選択位置データ及び奥行位置データを受信する。データ受信部251は、受信した選択位置データ及び奥行位置データを表示処理部252に入力する。
【0057】
表示処理部252は、三次元画像における、情報処理装置1から受信した選択位置データと奥行位置データとにより特定される位置に、所定の画像を表示させる。所定の画像は、例えば操作受付部153が受け付けたユーザU1の操作に基づいて複数のAR画像から選択されたAR画像である。データ受信部251が、ユーザU1が行った操作の内容を示す操作データを情報処理装置1から受信し、表示処理部252は、当該操作データに基づいて、記憶部24に記憶されている複数のAR画像から一以上のAR画像を所定の画像として選択してもよい。
【0058】
図8は、表示部22に表示される画像の一例を示す図である。図8に示す画像は、情報処理装置1を使用するユーザU1が、情報処理装置1において図3に示した操作を行った場合に表示部22に表示される画像である。
【0059】
図3において、ユーザU1は、AR画像Cを表示させた状態で、AR画像Bの位置を指定した。その結果、図8においては、AR画像Bの位置にAR画像Cが表示されている。このような機能は、ユーザU1とユーザU2が同じ画面を見ながらAR画像Cを動かすゲームをするような場合に好適である。また、ユーザU2が作業をしている間に撮影された画像を見ながらユーザU1がユーザU2に伝えたい位置を示すような場合にも好適である。
【0060】
[情報処理システムSによる効果]
以上説明したように、情報処理システムSにおいては、情報処理装置1が、二次元画像において選択された選択位置に対応する奥行方向の位置である奥行位置を指定する操作を受け付けて、選択位置を示す選択位置データと奥行位置を示す奥行位置データとを関連付けて情報端末2に送信する。そして、情報端末2においては、ユーザU2が三次元空間又は三次元空間に対応する三次元画像を視認している状態で、ユーザU1が情報処理装置1において指定した位置に所定の画像を表示する。以上の構成により、ユーザU1が情報処理装置1において二次元画像しか視認できない場合であっても、ユーザU2が視認する三次元空間における適切な位置をユーザU1が指し示したり、ユーザU1が意図した位置に画像を表示させたりすることができる。
【0061】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0062】
1 情報処理装置
2 情報端末
11 通信部
12 表示部
13 操作部
14 記憶部
15 制御部
21 通信部
22 表示部
23 操作部
24 記憶部
25 制御部
26 撮像部
151 データ取得部
152 画像表示部
153 操作受付部
154 データ送信部
251 データ受信部
252 表示処理部
253 操作受付部
254 データ送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8