(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174461
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】薬剤散布機
(51)【国際特許分類】
A01M 9/00 20060101AFI20221116BHJP
A01C 15/00 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
A01M9/00 D
A01C15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080269
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】幡上 宏政
【テーマコード(参考)】
2B052
2B121
【Fターム(参考)】
2B052BC05
2B052BC08
2B052BC14
2B052BC15
2B052EA03
2B052EB06
2B052EB14
2B052EC07
2B052EC19
2B121CB09
2B121CB20
2B121CB24
2B121CB33
2B121CB46
2B121CB61
2B121CB66
2B121CB69
2B121CC02
2B121CC05
2B121CC28
2B121CC29
2B121EA26
2B121FA02
2B121FA11
(57)【要約】
【課題】薬剤の固着による繰り出し量の減少が生じにくい薬剤散布機を提供する。
【解決手段】この薬剤散布機1は、貯留部10から供給される薬剤を繰り出す繰り出し部20を備える。繰り出し部20は、環状のベルト23を有するコンベアである。ベルト23は、第1プーリ21と第2プーリ22との間で、斜めに回動する。ベルト23は、外周面に複数の凹部24を有する。貯留部10から供給される薬剤9は、凹部24に収容され、ベルト23の回動により斜め上向きに搬送された後、排出部30へ排出される。ベルト23が傾斜した姿勢であるため、薬剤は、凹部24に略一定量ずつ収容される。このため、凹部24に収容される薬剤の升切りを行う必要がない。したがって、升切りによる押圧力で、凹部24に薬剤が固着するという問題を抑制できる。その結果、薬剤の繰り出し量を一定に維持することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒状の薬剤を圃場に散布する薬剤散布機であって、
薬剤を貯留する貯留部と、
前記貯留部から供給される薬剤を繰り出す繰り出し部と、
繰り出された薬剤を圃場へ排出する排出部と、
を備え、
前記繰り出し部は、
第1プーリと、
前記第1プーリの斜め上方に位置する第2プーリと、
前記第1プーリと前記第2プーリの間で回動する環状のベルトと、
を有するコンベアであり、
前記ベルトは、外周面に複数の凹部を有し、
前記貯留部から供給される薬剤が、前記凹部に収容され、前記ベルトの回動により斜め上向きに搬送された後、前記排出部へ排出される、薬剤散布機。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤散布機であって、
水平面に対する前記ベルトの傾斜角度は、30°以上かつ60°以下である、薬剤散布機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の薬剤散布機であって、
前記貯留部は、
前記繰り出し部の前記第1プーリの付近へ薬剤を供給する供給口
を有する、薬剤散布機。
【請求項4】
請求項3に記載の薬剤散布機であって、
前記供給口の開口面積を調整する仕切板
をさらに有する、薬剤散布機。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の薬剤散布機であって、
前記複数の凹部は、前記ベルトの回動方向に沿って、等間隔に設けられている、薬剤散布機。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の薬剤散布機であって、
圃場に接触しつつ回転する駆動輪を有する機体に搭載され、
前記ベルトは、前記駆動輪と連動して回動する、薬剤散布機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を圃場に散布する薬剤散布機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顆粒状の薬剤を圃場に散布する薬剤散布機が知られている。従来の薬剤散布機については、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の薬剤散布機は、円形の繰出ロールを有する。繰出ロールは、外周面に、複数の繰出穴を有する。薬剤散布機は、繰出ロールを回転させることにより、繰出穴に汲み上げられた薬剤を、薬剤収容部の外側へ繰り出す(特許文献1の段落0017参照)。
【0003】
また、特許文献1の薬剤散布機は、升切りブラシを有する。升切りブラシは、繰出穴に汲み上げられた薬剤のうち、繰出ロールの外周面の高さよりも突出している余分な薬剤を升切りする(特許文献1の段落0018参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、升切りブラシを使用すると、升切りブラシの押圧力によって、繰出穴に薬剤が固着し、繰出穴から薬剤が排出されにくくなる場合がある。また、繰出穴に薬剤が固着し、それが徐々に堆積すると、繰出穴の容積が小さくなる。その結果、薬剤の繰り出し量が減少してしまうという問題がある。特に、ダイアジノン粒剤のように、不活性鉱石粒状物および結合材を含む薬剤の場合、繰出穴に対する薬剤の固着が発生しやすい。
【0006】
特許文献1の薬剤散布機は、このような薬剤の固着を抑制するために、升切りブラシの後段に、弾性線材からなる固化防止部材を備えている。固化防止部材は、その先端部を繰出穴に接触させることにより、繰出穴内の薬剤を掻き出す(特許文献1の段落0019-0020参照)。しかしながら、升切りブラシおよび固化防止部材の両方を設けると、薬剤散布機の部品点数が増加する。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、升切りブラシおよび固化防止部材を設けることなく、薬剤を略一定量ずつ繰り出し、薬剤の固着による繰り出し量の減少が生じにくい薬剤散布機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、顆粒状の薬剤を圃場に散布する薬剤散布機であって、薬剤を貯留する貯留部と、前記貯留部から供給される薬剤を繰り出す繰り出し部と、繰り出された薬剤を圃場へ排出する排出部と、を備え、前記繰り出し部は、第1プーリと、前記第1プーリの斜め上方に位置する第2プーリと、前記第1プーリと前記第2プーリの間で回動する環状のベルトと、を有するコンベアであり、前記ベルトは、外周面に複数の凹部を有し、前記貯留部から供給される薬剤が、前記凹部に収容され、前記ベルトの回動により斜め上向きに搬送された後、前記排出部へ排出される。
【0009】
本願の第2発明は、第1発明の薬剤散布機であって、水平面に対する前記ベルトの傾斜角度は、30°以上かつ60°以下である。
【0010】
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の薬剤散布機であって、前記貯留部は、前記繰り出し部の前記第1プーリの付近へ薬剤を供給する供給口を有する。
【0011】
本願の第4発明は、第3発明の薬剤散布機であって、前記供給口の開口面積を調整する仕切板をさらに有する。
【0012】
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の薬剤散布機であって、前記複数の凹部は、前記ベルトの回動方向に沿って、等間隔に設けられている。
【0013】
本願の第6発明は、第1発明から第5発明までのいずれか1発明の薬剤散布機であって、圃場に接触しつつ回転する駆動輪を有する機体に搭載され、前記ベルトは、前記駆動輪と連動して回動する。
【発明の効果】
【0014】
本願の第1発明から第6発明によれば、傾斜したベルトの凹部に、略一定量ずつ薬剤が収容される。このため、凹部に収容される薬剤の升切りを行う必要がない。したがって、升切りによる押圧力で、凹部に薬剤が固着するという問題を抑制できる。その結果、薬剤の繰り出し量を一定に維持することができる。
【0015】
特に、本願の第2発明によれば、凹部により搬送される薬剤の量を精度よく一定とし、かつ、凹部の容積に対する薬剤の収容率が低下することも抑制できる。
【0016】
特に、本願の第3発明によれば、ベルトの凹部に薬剤が供給された後、ベルトの回動により、斜め上向きに薬剤が搬送される距離を長くとることができる。これにより、ベルトの表面よりも上方へ盛り上がる薬剤が、良好に滑り落ちる。したがって、凹部に収容される薬剤の量を、より精度よく一定とすることができる。
【0017】
特に、本願の第4発明によれば、薬剤の流動性に応じて、供給口の開口面積を変化させて、繰り出し部への薬剤の供給量を調整できる。これにより、例えば、貯留部から繰り出し部への薬剤の供給量が過少となることを抑制できる。また、貯留部から繰り出し部への薬剤の供給量が過大となって、コンベアの第2プーリ付近まで薬剤が溜まることを抑制できる。
【0018】
特に、本願の第5発明によれば、繰り出し部から排出部へ、薬剤をより一定量ずつ排出できる。したがって、圃場に対して薬剤を、より均一に散布できる。
【0019】
特に、本願の第6発明によれば、圃場を走行する機体の速度に応じた速さで、ベルトが回動する。したがって、機体の走行距離に応じて、薬剤を散布できる。これにより、圃場に対する薬剤の散布量をより均一化できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】機体に搭載された薬剤散布機の概略図である。
【
図4】薬剤散布機の動作時におけるベルトの一部分を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
<1.薬剤散布機の構成>
図1は、機体100に搭載された薬剤散布機1の概略図である。
図2は、薬剤散布機1の構成を示した図である。この薬剤散布機1は、顆粒状の薬剤(農薬)を圃場Gに散布する装置である。
図1に示すように、薬剤散布機1は、圃場Gを走行する機体100に搭載される。なお、
図1では、機体100が、二点鎖線で概念的に示されている。機体100は、例えば、播種機や移植機などの機体である。すなわち、薬剤散布機1は、播種機や移植機に、付加的な機能として搭載される。ただし、機体100は、薬剤散布機1専用の機体であってもよい。
【0023】
図1および
図2に示すように、薬剤散布機1は、貯留部10、繰り出し部20、および排出部30を備えている。
【0024】
貯留部10は、薬剤を貯留する容器である。貯留部10は、天板部11、側壁部12、および底板部13を有する。天板部11は、貯留部10の上部を覆う。側壁部12は、天板部11の縁から下方へ向けて、筒状に延びる。底板部13は、側壁部12の下端部から、下方へ向かうにつれて徐々に収束する。散布前の薬剤は、天板部11、側壁部12、および底板部13により囲まれた空間に貯留される。
【0025】
底板部13の下端部には、供給口14が設けられている。供給口14は、側壁部12よりも内径が小さい開口である。貯留部10に貯留された薬剤は、供給口14を介して、下方へ供給される。
【0026】
繰り出し部20は、貯留部10から供給される薬剤を、略一定量ずつ繰り出す部分である。繰り出し部20は、貯留部10の下部に位置する。繰り出し部20は、第1プーリ21、第2プーリ22、および環状のベルト23を有するコンベアにより構成されている。第2プーリ22は、第1プーリ21の斜め上方に位置する。第1プーリ21および第2プーリ22は、それぞれ、水平方向に延びる回転軸を中心として回転する。ベルト23は、第1プーリ21と第2プーリ22の間に架け渡されている。
【0027】
図1に示すように、薬剤散布機1が搭載される機体100は、圃場Gに接触しつつ回転する駆動輪101を有する。機体100は、駆動輪101を回転させつつ前進する。駆動輪101は、ギヤやチェーンなどの動力伝達機構(図示省略)を介して、第1プーリ21または第2プーリ22と接続されている。駆動輪101の回転運動は、動力伝達機構を介して、第1プーリ21または第2プーリ22に伝達される。したがって、圃場Gに対して薬剤散布機1を前進させるときには、駆動輪101とともに第1プーリ21および第2プーリ22も回転する。これにより、第1プーリ21と第2プーリ22との間で、ベルト23が回動する。
【0028】
図3は、繰り出し部20を部分的に示した図である。
図3に示すように、ベルト23は、複数の凹部24を有する。複数の凹部24は、ベルト23の外周面の全周に、回動方向に沿って、等間隔に設けられている。なお、
図2では、一部の凹部24の図示が省略されている。各凹部24は、ベルト23の外周面から、ベルト23の内側へ向けて凹んだ、非貫通の穴である。複数の凹部24の大きさ(容積)は、互い同一である。貯留部10から供給される薬剤は、凹部24に収容される。そして、凹部24に収容された薬剤は、ベルト23の回動により、第2プーリ22へ向けて、斜め上向きに搬送される。
【0029】
排出部30は、繰り出し部20により略一定量ずつ繰り出された薬剤を、圃場Gに排出する部分である。
図1および
図2に示すように、排出部30は、受け部材31と、排出ホース32とを有する。受け部材31は、第2プーリ22の下方に位置する。受け部材31は、その上端部が第2プーリ22へ向けて開口し、下方へ向かうにつれて徐々に収束する、漏斗状の部材である。排出ホース32の上端部は、受け部材31の下端部の開口に接続される。排出ホース32の下端部は、圃場Gへ向けて開口する。
【0030】
凹部24に収容された薬剤は、第2プーリ22の周りを回動する際に、凹部24から脱落する。そして、脱落した薬剤は、受け部材31により回収され、排出ホース32を通って、圃場Gへ排出される。これにより、圃場Gに薬剤が散布される。
【0031】
図4は、薬剤散布機1の動作時におけるベルト23の一部分を示した図である。
図4のように、ベルト23の下部付近(第1プーリ21の付近)には、貯留部10から供給される薬剤9が溜まる(以下「薬剤溜まり」と称する)。ベルト23の凹部24は、この薬剤溜まりを通過する。すなわち、ベルト23の凹部24は、薬剤溜まりに埋もれた状態から、薬剤溜まりの上面91よりも上方へ、斜めに移動する。これにより、凹部24内に略一定量の薬剤9が収容される。
【0032】
このとき、ベルト23が傾斜した姿勢であるため、凹部24に保持される薬剤9のうち、ベルト23の表面よりも上方に盛り上がる薬剤9は、ベルト23の僅かな振動により、
図4の破線矢印のように、ベルト23の表面に沿って、下方へ滑り落ちる。これにより、凹部24上に薬剤9が山状に積層されることが抑制される。したがって、薬剤9は、凹部24の内部空間のみに収容されるため、凹部24内に収容される薬剤9の量を略一定とすることができる。
【0033】
本実施形態の構造を採れば、凹部24内に収容される薬剤9の量を一定とするために、上述した特許文献1のような升切りブラシを設ける必要がない。そして、升切りブラシを省略すれば、升切りブラシの押圧力がかからないため、凹部24に薬剤9が固着するという問題も生じにくい。したがって、特許文献1のような固化防止部材を設ける必要もない。凹部24に収容された薬剤9は、凹部24から排出部30へ、良好に排出される。また、凹部24に固着した薬剤9により凹部24の容積が減少するという問題も生じにくい。したがって、薬剤9の繰り出し量を略一定に維持することができる。
【0034】
また、本実施形態の構造を採れば、凹部24に薬剤残りが発生しにくいため、ベルト23の清掃にかかる作業負担も軽減できる。
【0035】
水平面に対するベルト23の傾斜角度θが小さ過ぎると、凹部24から盛り上がる薬剤9が良好に滑り落ちにくくなる。すなわち、ベルト23の傾斜角度θが小さ過ぎると、凹部24により搬送される薬剤9の量に、ばらつきが生じやすくなる。一方、ベルト23の傾斜角度θが大き過ぎると、凹部24内において薬剤9が収容されない空間(
図4の空間S)が大きくなる。すなわち、ベルト23の傾斜角度θが大き過ぎると、凹部24の容積に対する薬剤9の収容率が小さくなる。
【0036】
水平面に対するベルト23の傾斜角度θは、凹部24により搬送される薬剤9の量を精度よく一定とし、かつ、凹部24の容積に対する薬剤9の収容率が低下することを抑制できるように、適切な角度に設定することが望ましい。例えば、水平面に対するベルト23の傾斜角度θは、30°以上かつ60°以下とすることが望ましい。また、水平面に対するベルト23の傾斜角度θは、40°以上かつ50°以下とすることがより望ましい。また、水平面に対するベルト23の傾斜角度θは、45°とすることがより望ましい。
【0037】
また、本実施形態の構成では、貯留部10の供給口14から、繰り出し部20の第1プーリ21の付近へ、薬剤9が供給される。このようにすれば、ベルト23の凹部24に薬剤9が供給された後、第2プーリ22へ向けて斜め上向きに薬剤9が搬送される距離を、長くとることができる。そうすると、ベルト23の表面よりも上方へ盛り上がる薬剤9が、良好に滑り落ちる。したがって、凹部24に収容される薬剤9の量を、より精度よく一定とすることができる。
【0038】
また、
図2に示すように、本実施形態の薬剤散布機1は、仕切板40をさらに備える。仕切板40は、供給口14を部分的に塞ぐ板である。仕切板40は、供給口14の下部に、ベルト23と平行な姿勢で固定されている。また、供給口14に対する仕切板40の位置は、調整可能となっている。仕切板40の位置を調整することにより、供給口14の仕切板40により塞がれる部分の割合が変化する。これにより、供給口14の開口面積を調整することができる。
【0039】
薬剤散布機1のユーザは、使用する薬剤9の流動性に応じて、仕切板40の位置を調整する。これにより、供給口14の開口面積を調整して、繰り出し部20への薬剤9の供給量を調整できる。このようにすれば、例えば、貯留部10から繰り出し部20への薬剤9の供給量が過小となることを抑制できる。また、貯留部10から繰り出し部20への薬剤9の供給量が過大となって、繰り出し部20の第2プーリ22付近まで薬剤9が溜まることを抑制できる。その結果、薬剤9の繰り出し量を、より精度よく一定とすることができる。
【0040】
また、本実施形態では、複数の凹部24が、ベルト23の回動方向に沿って、等間隔に設けられている。このため、繰り出し部20から排出部30へ、薬剤9をより一定量ずつ排出できる。したがって、圃場Gに対して薬剤9を、より均一に散布できる。
【0041】
また、本実施形態では、第1プーリ21または第2プーリ22が、動力伝達機構を介して、機体100の駆動輪101に接続されている。このため、ベルト23は、駆動輪101と連動して回動する。このようにすれば、圃場Gを走行する機体100の速度に応じた速さで、ベルト23が回動する。したがって、機体100の走行距離に応じて、薬剤9を散布できる。これにより、圃場Gに対する薬剤9の散布量を、さらに均一化できる。
【0042】
<2.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0043】
複数の凹部24は、ベルト23の外周面に、複数列に配列されていてもよい。すなわち、ベルト23の回動方向に沿って配列された複数の凹部24により構成される列が、ベルト23の幅方向に、複数設けられていてもよい。その場合、凹部24同士が接近しないように、ベルト23の回動方向における凹部24の位置を、列ごとに相違させてもよい。例えば、ベルト23の外周面に凹部24を2列に配列する場合、凹部を千鳥状に配列してもよい。
【0044】
また、薬剤散布機1は、複数の繰り出し部20を備えていてもよい。例えば、1つの薬剤散布機1で、複数条の畝に薬剤9を散布する場合、畝の間隔に対応する間隔で、複数の繰り出し部20を設けるとよい。また、1つの機体100に、複数の薬剤散布機1を搭載してもよい。
【0045】
また、薬剤散布機の細部の構成については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 薬剤散布機
9 薬剤
10 貯留部
14 供給口
20 繰り出し部
21 第1プーリ
22 第2プーリ
23 ベルト
24 凹部
30 排出部
31 受け部材
32 排出ホース
40 仕切板
100 機体
101 駆動輪
G 圃場
θ 傾斜角度