(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174471
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】エアーシャワー付きゲート
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20221116BHJP
A61L 2/20 20060101ALI20221116BHJP
F24F 8/24 20210101ALI20221116BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
A61L2/18
A61L2/20
F24F8/24
F24F7/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080286
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】521202765
【氏名又は名称】株式会社ウインズ
(74)【代理人】
【識別番号】100085257
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 有
(72)【発明者】
【氏名】有福 潔
(72)【発明者】
【氏名】橋本 仁
【テーマコード(参考)】
3L058
4C058
【Fターム(参考)】
3L058BF04
3L058BG04
4C058AA28
4C058BB07
4C058CC02
4C058CC05
4C058DD01
4C058DD02
4C058DD13
4C058EE26
4C058JJ06
4C058JJ12
4C058JJ21
4C058JJ22
4C058JJ24
(57)【要約】
【課題】 浄化地域と非浄化地域の境界に設けられるエアーシャワー付きゲートを提供する。
【解決手段】
エアーシャワー付きゲートは柱状の筐体1の上面に浄化用溶液(媒体)を吹き出すノズル2が設けられ、筐体1の側面にゲートを通過する人体を含む通過物体を検出するセンサー3、異常を検出した場合にそれを知らせるLEDなどの警報手段4、通過物体に何をすべきかを指示する表示手段5、通過物体の温度を測定する温度検出センサー6、通過物体の通過を阻止するバー7が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄化地域と非浄化地域の境界に設けられるエアーシャワー付きゲートであって、このエアーシャワー付きゲートは柱状の筐体に人体を含む通過する物体の検出手段、通過する物体の温度検出手段、通過する物体の通過阻止手段、浄化用媒体を吹き出す吹き出し手段、表示手段及びこれらの手段をコントロールする制御装置を含んで構成されることを特徴とするエアーシャワー付きゲート。
【請求項2】
請求項1に記載のエアーシャワー付きゲートにおいて、前記浄化用媒体を吹き出す吹き出し手段は、人体を含む通過物体の汚染物質吐き出し口よりも高い位置にあることを特徴とするエアーシャワー付きゲート。
【請求項3】
請求項2に記載のエアーシャワー付きゲートにおいて、前記吹き出し手段は水平より上方に向かって浄化用媒体を吹き出すことを特徴とするエアーシャワー付きゲート。
【請求項4】
請求項1に記載のエアーシャワー付きゲートにおいて、前記吹き出し手段は通過物体の進行方向前方に向かって浄化用媒体を吹き出すことを特徴とするエアーシャワー付きゲート。
【請求項5】
請求項1に記載のエアーシャワー付きゲートにおいて、前記吹き出し手段は吹き出し方向が可変であることを特徴とするエアーシャワー付きゲート。
【請求項6】
請求項1に記載のエアーシャワー付きゲートにおいて、前記吹き出し手段が吹き出す浄化用媒体は液体または気体であることを特徴とするエアーシャワー付きゲート。
【請求項7】
請求項1に記載のエアーシャワー付きゲートにおいて、前記通過する物体の通過阻止手段は、物理的障害物、音、光またはスマートフォンへの表示であることを特徴とするエアーシャワー付きゲート。
【請求項8】
請求項1に記載のエアーシャワー付きゲートにおいて、前記温度検出手段が通過する物体が汚染していると判断した場合には、前記制御手段は通過阻止手段はオンで吹き出し手段はオフとする信号を発信することを特徴とするエアーシャワー付きゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染の可能性のある人体を含んだ物体が、浄化地域に入り込む動きを阻止するゲート(付帯機能を含む)に関する。
【背景技術】
【0002】
感染症の細菌やウイルスの蔓延を防止・軽減するため、公共の場所で定期的に消毒するインテリジェントセンサー噴霧器が特許文献1に開示されている。
このインテリジェントセンサー噴霧器は、赤外線センサによって人体などを感知すると、吸水ホースによって瓶容器内の液体を吸い上げ、霧化片を通じて吸水ホースによって吸い上げられた液体を霧化させ、霧化した後の液体を噴霧口から排出する構造になっている。
【0003】
また、特許文献2には、建造物の出入口を通過する際、人や物に由来する汚染物を、非清浄エリアから清浄エリア内に持ち込ませない汚染遮断エアーゲートが提案されている。
この汚染遮断エアーゲートは、機体中央の吸込口を挟んで対向エアー吹出口及び一方向エアー吹出口を設けた両側エアー吹出機と、機体中央の吸込口の片側に対向エアー吹出口を設けた片側エアー吹出機と、これらを繋ぐ天板とからなり、両側及び片側エアー吹出機は、向かい合わせに出入口に設置し、対向エアー吹出口を非清浄エリア側、一方向エアー吹出口を清浄エリア側に位置させて、対向エアー吹出口から水平方向エアーを吹き出し、一方向エアー吹出口から水平方向エアーを吹き出して、非清浄エリアから汚染物が清浄エリア内に侵入するのを遮断するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第322851号公報
【特許文献2】特開2012-149864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の先行特許文献では、汚染に危険性のある体温が高い人を検出することはできず、また、汚染されている人の行動制限(通過阻止)を行うことができない。
【0006】
また、霧化した消毒液を噴霧すると、人の顔にかかる可能性があり、通過する人が不快になるおそれがある。更にゲートを通過する際は常に人は動いているため、人が通過した後の空間に消毒液を噴霧しても無駄になる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解消するため、本発明に係るエアーシャワー付きゲートは、柱状の筐体に人体を含む通過する物体の検出手段、通過する物体の温度検出手段、通過する物体の通過阻止手段、浄化用媒体を吹き出す吹き出し手段、表示手段及びこれらの手段をコントロールする制御装置を含んで構成される。
【0008】
前記浄化用媒体を吹き出す吹き出し手段は、人体を含む通過物体の汚染物質吐き出し口よりも高い位置にすること、水平より上方に向かって浄化用媒体を吹き出すこと、通過物体の進行方向前方に向かって浄化用媒体を吹き出すことが好ましい。また、前記吹き出し手段は吹き出し方向を可変とすることができる。
【0009】
また、通過する物体の通過阻止手段は、物理的障害物、音、光またはスマートフォンへの表示が考えられる。
【0010】
更に、前記温度検出手段が通過する物体が汚染していると判断した場合には、前記制御手段は通過阻止手段はオンで吹き出し手段はオフとする信号を発信することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るエアーシャワー付きゲートによれば、温度検出器で人体を検出した場合、進行方向の雰囲気に滅菌、消毒などを目的とした霧状の液体を噴霧すると共に、体温を測定し、危険値を検出した場合に通過を阻止し、浄化地域の汚染を未然に防止することができる。
【0012】
本発明に係るエアーシャワー付きゲートによれば、通過する者も口元よりも高い位置で噴霧されるため、不快感や違和感を感じることが少ない。
【0013】
通過する人(物体)の前方の雰囲気全体に噴霧されるため、服などに付着したウイルスがそのまま浄化空間に持ち込まれることがない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るエアーシャワー付きゲートの正面図
【
図3】同エアーシャワー付きゲートのフローチャート
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施例を説明する。
図1に示すように、エアーシャワー付きゲートは柱状の筐体1の上面に浄化用溶液(媒体)を吹き出すノズル2が設けられ、筐体1の側面にゲートを通過する人体を含む通過物体を検出するセンサ3、異常を検出した場合にそれを知らせるLEDなどの警報手段4、通過物体に何をすべきかを指示する表示手段5、通過物体の温度を測定する温度検出センサ6、通過物体の通過を阻止するバー7が設けられている。
【0016】
尚、筐体1の上面及び側面に取付けられた各部材は上記に限定される同等の機能を有する他の部材に交換することができる。
【0017】
また、
図2に示すように上記各部材は制御装置(CPU)8によってコントロールされる。
【0018】
制御装置(CPU)8からの信号がバルブドライバー9に送られ、バルブドライバー9はバルブ10を動作させ、コンプレッサ11からのエアーをノズル2に送る。また、制御装置(CPU)8からの信号がゲートドライバ12に送られ、バー(ゲート)7が開閉される。また、通過物体を検出するセンサ3、警報手段4、表示手段5、温度検出センサ6、液量センサが制御装置(CPU)8と接続され、電源14からの電気がスイッチ15を介して給電され、更にテストスイッチ16およびリセットスイッチ17を備える。
【0019】
動作の流れは、
図3に示すように、電源スイッチ15をオンにすると、動作がスタートし、コンプレッサ11が動作開始し、液量がチェックされ、液量が少ない場合は警報手段4が警告を発し液を補充する。液量が十分な場合には警報手段4は作動せず次に進む。尚、テストスイッチ16が押されている場合には、テストモードに進む。
【0020】
テストモードに進まない場合には、センサ3によって人などの通過物体を検出する。センサ3が人を検出すると、温度検出センサ6が作動し、測定値が規定値より低い場合にはNとなってバルブ解放動作が開始し、バルブドライバー9が動作し、バルブ10を開放にする。ノズル2から浄化用溶液が噴出する。一定時間タイマー動作した後、バルブ10を閉め、噴出動作を終了する。
【0021】
温度検出センサ6が作動し、測定値が規定値より高い場合(Y)には、ゲート閉じの動作をする。具体的には、
図1のバー(ゲート)7が半円を描いて動作し、ゲート通過を阻止する。また警報手段4が点灯し、なぜ通過が阻止されたかを表示手段5に表示し、係員がリセットスイッチ17を操作し、対象者の処理が終わるまでは動作が維持される。操作後、(Y)となって警報手段4の警告は消え、バー(ゲート)7は開となって最初の状態に戻る。
【0022】
図4は別実施例を示し、この別実施例では、前記実施例のコンプレッサ11の代わりにオゾン発生器18を設けている。空気の代わりにオゾンを浄化用溶液の噴霧用に用いることで、更に殺菌(滅菌)効果が増加する。
【符号の説明】
【0023】
1…柱状の筐体、2…ノズル、3…通過物体を検出するセンサ、4…警報手段、5…表示手段、6…温度検出センサ、7…バー(ゲート)、8…制御装置(CPU)、9…バルブドライバー、10…バルブ、11…コンプレッサ、12…ゲートドライバ、13…液量センサ、14…電源、15…スイッチ、16…テストスイッチ、17…リセットスイッチ、18…オゾン発生器。