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  • 特開-マスク装着型ストロー挿入具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174487
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】マスク装着型ストロー挿入具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20221116BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080319
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】502445844
【氏名又は名称】神谷 弘志
(72)【発明者】
【氏名】神谷 弘志
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】 本発明が解決しようとする課題は、本発明をマスクに装着した状態で、ストロー未挿入時にはマスク機能の維持を図りながら、ストロー挿入時にはストローの先端操作だけでマスク内にストローを挿着ことが出来、抜脱時には口から正面への飛沫飛散を抑えることの出来る弁を有する装着具を提供することにある。
【解決手段】 弁を有するタンク部と、マスク固定具挿入口が貫通する孔を有する内板及びマスク固定具を有し、開通孔をもうけたマスクの孔を内板及びタンク部で挟み、マスク固定具によって挟着し使用することにより、マスク着用時の喫茶において、ストローを口に差し込む際はストローの端部が容易に弁を通過して口に届き、抜脱後は自動で弁が閉まることによって、手を触れることなく清潔に、ストロー未挿入時のマスク内の息・飛沫が正面に飛散する事を抑えることが出来ることを特徴とする装着具である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストローを貫通させる筒状体と、前記筒状体前方の筒状体開口部付近に開閉可能に固定された第1弁と、前記第1弁の下部に設けられた第1弁ガイド溝と、前記筒状体下部に設けられた筒状体ガイド溝と、マスクの挟持部と、を備え、筒状体開口部を覆い、上方に開くことにより筒状体開口部が前方に露呈する弁を有することを特徴とする挿入具。
【請求項2】
前記筒状体内部の筒状体開口部付近に開閉可能に固定された第2弁を備える挿入具であって、前記第2弁はストロー未挿入時には筒状体開口部の内側に押し当てられ、筒状体開口部を密閉することを特徴とする挿入具。
【請求項3】
前記筒状体は前記挿入具を立体マスクに固定する狭持部を備え、前記狭持部は一対の外板と内板から構成され、当該一対の外板及び内板は立体マスクを前後から挟み込むことによって前記マスク装着型ストロー挿入具を立体マスクに固定することを特徴とする挿入具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体型マスクにストローを装着する挿入具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来マスクは口を覆い飛沫を防ぐためのものであり、自分の口から飛沫が飛散するのを抑えつつ喫茶する為には、都度マスクを外し、口にした後に付け直すという、煩わしい所作が必要であった。
【0003】
マスクに孔を設けてストローを口にする方法としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3が公知であるが、次のような問題があった。
(1) ストロー挿入口が目視出来ない位置にあり、またストローを挿入口に導くガイド等が無いため、ストロー装着作業を目で見ながら行えず、また、手探りでストロー挿入口に誘導する為、不衛生で感染対策の質を低下させる。
(2) 喫茶前喫茶後、マスクの穴を開け、ふさぐための作業が必要となり、時間と手間を要する。
本発明品はこれらの問題を解決するためになされたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実登3228849号公報
【特許文献2】実登3228583号公報
【特許文献3】特開2006-198305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明品が解決しようとする課題は、マスクを装着した状態でもストローの先端の操作だけでマスク内にストローを挿入することができ、抜脱時には口から正面への飛沫飛散を抑えることの出来る弁を有する挿入具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するために、本発明にかかるマスク装着型ストロー挿入具(1)は、図2のように曲がるストロー(2)を貫通させる筒状体(3)と、前記筒状体(3)前方の筒状体開口部(4)付近に開閉可能に固定された第1弁(5)と、前記第1弁(5)の下部に設けられた第1弁ガイド溝(6)と、前記筒状体(3)下部に設けられた筒状体ガイド溝(7)と、マスクの挟持部(8)と、を備え、筒状体開口部(4)を覆い、上方に開くことにより筒状体開口部(4)を前方に露呈させる弁を有する構造となっている。
【0007】
次に、図4のように前記筒状体内部(9)の筒状体開口部(4)付近に開閉可能に固定された第2弁(10)を備える挿入具であって、前記第2弁(10)はストロー未挿入時には筒状体開口部(4)の内側に押し当てられ、筒状体開口部(4)を密閉する構造となっている。
【0008】
さらに、図3のように前記筒状体(3)は前記マスク装着型ストロー挿入具(1)を立体マスク(11)に固定する狭持部(8)を備え、前記狭持部(8)は一対の外板(12)と内板(13)から構成され、当該一対の外板(12)及び内板(13)は立体マスク(11)を前後から挟み込むことによって前記マスク装着型ストロー挿入具(1)を立体マスク(11)に固定する構造となっている。
【0009】
本発明のマスク装着型ストロー挿入具(1)は、図2の第1弁(5)、筒状体(3)、マスク固定部(14)によって、図1のように構成される。
【0010】
第1弁(5)は図5のようにストロー端部(15)を筒状体開口部(4)に導くためのU字型もしくはV字型の第1弁ガイド溝(6)と、筒状体開口部(4)を覆い開閉可能に軸着するための第1弁軸(16)及び第1弁軸留め(17)を有し、筒状体(3)は図4のように、筒状体開口部(4)を塞ぐ面積で開閉可能に固定されている第2弁(10)と、ストロー端部(15)を第1弁ガイド溝(6)に導くための筒状体ガイド溝(7)と、テーパ状になっている筒状体開口部(4)と、マスク固定部挿入口(18)と、第1弁軸受け(19)と、を有し、マスク固定部(14)は図2及び図3のように、マスク固定部挿入口(18)を固着するための外板中央孔(20)を備える外板(12)と、マスク固定部挿入口(18)を貫通させる内板中央孔(21)を備える内板(13)と、マスク固定具(22)を有している。
【0011】
第1弁(5)は図7のように、本発明品を装着した立体マスク(11)を使用する時、目視線(23)のように目視できる長さを有する。図5-aの矢印24(24)及び図5-b矢印25(25)を通ったストロー端部(15)によって第1弁ガイド溝(6)は図5-cの矢印26(26)のように押し上げられ、筒状体開口部(4)の前にストロー端部(15)を誘導し、矢印27(27)のように移動するためのガイドとなる。なお、第1弁軸(16)による第1弁(5)の開閉運動については、軸着のほか、可とう性のある部材で連結させてもよい。
【0012】
筒状体(3)は、図4のように筒状体内部(9)前方に第2弁(10)が回転可能に設けられ、ストロー端部(15)が筒状体開口部(4)より侵入すると、第2弁(10)はストロー端部(15)に押し上げられて図6のように筒状体内部(9)内側に開放する。また、ストロー端部(15)抜脱時は自重及び、磁力・バネもしくは可とう性の高い部材で連結している時の反発力により、第2弁(10)は筒状体開口部(4)に圧接し、筒状体内部(9)前部の密閉を作る。
【0013】
筒状体(3)の下部にはU字型もしくはV字型の筒状体ガイド溝(7)が設けられ、図5-aの矢印24(24)のようにストロー端部(15)の当接及び矢印25(25)の第1弁ガイド溝(6)への移動動作を補助する。
【0014】
図3のように筒状体(3)後方にがマスク固定部挿入口(18)あり、外板中央孔(20)に固着してタンク部(28)を形成し、マスク中央孔(29)と内板中央孔(21)を通して内板(13)と立体マスク(11)を狭着する事により、マスク装着型ストロー挿入具(1)と立体マスク(11)を一体化させる。
【0015】
図2のようにマスク固定部(14)は、筒状体(3)のマスク固定部挿入口(18)を外板中央孔(20)に貫通させて固着した外板(12)と、マスク固定部挿入口(18)を自在に貫通させる直経をもつ内板中央孔(21)が設けられた内板(13)と、立体マスク(19)を狭着し固定するためのマスク固定具(22)で構成される。
【0016】
マスク固定部挿入口(18)外側とマスク固定具(22)内側をネジ状にし、マスク固定挿入口(18)を立体マスク(11)のマスク中央孔(29)、次に内板中央孔(21)に貫通させたうえ、ネジ状のマスク固定挿入口(18)にマスク固定具(22)を嵌合させることにより、立体マスク(11)は外板(12)と内板(13)の間に狭着されて、装着される。
【0017】
外板(12)及び内板(13)は、マスク装着において自重を安定的に支える面積が必要だが、内板(13)内側の通気性を確保する為に、ワイヤーフレーム構造にする、外板(12)及び内板(13)に外板通気口(30)及び内板通気口(31)を設ける等の構造にする。
【0018】
なお、マスク固定部挿入口(18)と内板中央孔(21)にツメ状の凹凸加工する、ラッチロック機構にするなど、嵌合による装着をしない形式の留め方の場合は、マスク固定具(22)は不要となる。
【0019】
マスク装着型ストロー挿入具(1)を立体マスク(11)に装着した状態で使用する場合、ストロー端部(15)を使用者の口に通す経緯は次のとおりである。
【0020】
飲料の入ったグラスに曲がるストロー(2)を挿し、片手で曲がる曲がるストロー(2)を押さえつつ、グラスごと筒状体ガイド溝(7)にストロー端部(15)を近づける。
【0021】
次に、第1弁(5)の目視により見当を付けて、図5-aの矢印24(24)のようにストロー端部(15)を下の方から筒状体ガイド溝(9)に当接させる。
【0022】
次に、図5-bの矢印25(25)の方向に、ストロー端部(15)を筒状体ガイド溝(7)に押し当てながらなぞるように第1弁ガイド溝(6)に移動させ、図5-cの矢印26(26)の方向に押し上げると、ストロー端部(15)と一緒に第1弁(1)も持ち上がり、ストロー端部(15)は筒状体開口部(4)前方に移動する。
【0023】
次に、図5-dの矢印27(27)のようにストロー端部(15)を筒状体開口部(4)の方向に移動させると、テーパ状である筒状体開口部(4)よりストロー端部(15)は筒状体開口部(4)の中央付近に誘導され、第2弁(10)を押し上げ、筒状体(3)の密閉を解除しながら筒状体内部(9)に侵入し、図6のようにマスク固定部挿入口(18)より、使用者の口にストロー端部(15)が到達し、使用者はコップの飲料を飲むことが出来る。
【0024】
抜脱する時は、ストロー端部(15)を前方に抜くように移動させると、第2弁(10)が閉まり、筒状体開口部(4)に密着することで、使用者は抜脱作業以外の操作を必要とせず、曲がるストロー(2)の抜脱と同時に第2弁(10)は筒状体内部(9)の密閉を作る。
【0025】
ストロー端部(15)が抜脱すると、曲がるストロー(2)によって押し上げられていた第1弁(5)は自重により直ちに閉まり、筒状体開口部(4)を覆い遮る。これにより、筒状体(3)から飛沫が前方に飛散するのを遮る。
【0026】
立体マスク(11)にマスク装着型ストロー挿入具(1)を装着して使用した後は、マスク固定具(22)及び内板(13)をタンク部(28)から脱することにより、使用済みの立体マスク(11)を交換することが出来る。
【発明の効果】
【0027】
マスク装着型ストロー挿入具(1)によれば、ストロー未挿入時には閉じられた弁の効果により、使用者の口から出た飛沫の直進性を遮り、孔をあけたマスクの性能劣化を大きく防ぐことが出来る。
【0028】
さらに、ストロー端部(15)の挿入時には、視認性のある第1弁(5)と筒状体ガイド溝(7)及び第1弁ガイド溝(6)によるストロー端部(15)の動線誘導により、ストローを持っての簡易な操作で、手を使って弁を開閉することなく、ストロー端部(15)をマスク内の口に到達させることが出来る。
【0029】
曲がるストロー(2)抜脱時には、第1弁(5)及び第2弁(10)は手による操作を行うことなく直ちに閉まり、第2弁(10)により筒状体(3)前方の密閉がされるので、ストロー抜脱という簡易な操作だけで、飛沫が正面に飛散する可能性のある時間を短くすることが出来る。
【0030】
マスク装着型ストロー挿入具(1)使用時には、ストロー端部(15)を口内に入れるためにマスクや本発明品を手で触る必要が無く、弁の開閉の度に手で操作する必要のある品よりも衛生的である。
【0031】
マスク装着型ストロー挿入具(1)の使用後、内板(13)及びマスク固定具(22)を外せば新しい立体マスク(11)への交換が容易であり、衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】非使用時における本発明品を示す斜視図である。
図2図1における3・5・14を分けた分解図である。
図3】断面線を記載した、図2の分解平面図である。
図4】本発明のA―B線組合せ断面斜視図である。
図5】本発明使用時におけるストロー端部の動線を示す図である。
図6】本発明の使用時におけるC―C線断面図である。
図7】本発明の使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図5図6図7は、本発明にかかるマスク装着型ストロー挿入具(1)の実施形態を示す。図5に示すマスク装着型ストロー挿入具(1)において、ストロー端部(15)は矢印24(24)、矢印25(25)、矢印26(26)、矢印27(27)のように、筒状体ガイド溝(7)及び第1弁ガイド溝(6)をつたい、第1弁(5)及び第2弁(10)を通過し、使用者の口に到達する。
【0034】
ストロー抜脱時には、第2弁(10)は自重及び、磁力・バネもしくは可とう性の高い部材で連結している時の反発力により、筒状体開口部(4)に圧接し、筒状体内部(9)前方の密閉を作り、第1弁(5)は自重により閉まり、第2弁(10)から漏れ出た飛沫の直進性を遮る。
【符号の説明】
【0035】
1 マスク装着型ストロー挿入具
2 曲がるストロー
3 筒状体
4 筒状体開口部
5 第1弁
6 第1弁ガイド溝
7 筒状体ガイド溝
8 挟持部
9 筒状体内部
10 第2弁
11 立体マスク
12 外板
13 内板
14 マスク固定部
15 ストロー端部
16 第1弁軸
17 第1弁軸留め
18 マスク固定部挿入口
19 第1弁軸受け
20 外板中央孔
21 内板中央孔
22 マスク固定具
23 目視線
24 矢印24
25 矢印25
26 矢印26
27 矢印27
28 タンク部
29 マスク中央孔
30 外板通気口
31 内板通気口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7