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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174506
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20221116BHJP
   F16B 5/07 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
H05K5/02 V
F16B5/07 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080346
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 聡
【テーマコード(参考)】
3J001
4E360
【Fターム(参考)】
3J001FA07
3J001GA01
3J001GA06
3J001GB01
3J001HA04
3J001JD24
4E360AA02
4E360AB02
4E360AB12
4E360AB20
4E360AB42
4E360BA02
4E360BB22
4E360BC04
4E360BC06
4E360BD03
4E360BD05
4E360CA02
4E360EA12
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED12
4E360ED23
4E360ED28
4E360GA06
4E360GB46
4E360GC02
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】より小さい荷重による部材間の取り付けが可能な電子機器を得る。
【解決手段】電子機器は、第1の係合面を有する被係合部と、前記第1の係合面と当接することで第1の部材と第2の部材とが互いに離間することを制限する第2の係合面を有し、前記第2の係合面が前記第1の係合面から前記第1の係合面に沿う第1の方向に離間するように曲がることが可能である、爪と、前記被係合部と前記爪とのうち一方に設けられ、前記第1の部材と前記第2の部材とが互いに取り付けられるときに前記被係合部と前記爪とのうち他方に押されることで前記爪を曲げるよう構成され、前記第1の係合面に対して斜めに傾き、前記第1の方向と交差するとともに前記第1の係合面に沿う第2の方向における端に設けられた第1の縁と、前記第2の方向の反対の第3の方向における端に設けられた第2の縁と、の間で前記第1の係合面に対して傾く角度が変化する、傾斜面と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材と、
前記第1の部材に取り付けられる第2の部材と、
前記第1の部材に設けられ、第1の係合面を有する被係合部と、
前記第2の部材に設けられ、前記第1の係合面と当接することで前記第1の部材と前記第2の部材とが互いに離間することを制限する第2の係合面を有し、前記第2の係合面が前記第1の係合面から前記第1の係合面に沿う第1の方向に離間するように弾性的に曲がることが可能である、爪と、
前記被係合部と前記爪とのうち一方に設けられ、前記第1の部材と前記第2の部材とが互いに取り付けられるときに前記被係合部と前記爪とのうち他方に押されることで前記爪を弾性的に曲げるよう構成され、前記第1の係合面に対して斜めに傾き、前記第1の方向と交差するとともに前記第1の係合面に沿う第2の方向における端に設けられた第1の縁と、前記第2の方向の反対の第3の方向における端に設けられた第2の縁と、の間で前記第1の係合面に対して傾く角度が変化する、傾斜面と、
を具備する電子機器。
【請求項2】
前記第1の係合面に対して前記傾斜面が傾く角度は、前記第1の縁から前記第2の縁へ向かって徐々に大きくなる、請求項1の電子機器。
【請求項3】
前記第1の縁は、第1の端と、前記第1の端よりも前記第1の係合面に近い第2の端と、を有し、
前記第2の縁は、第3の端と、前記第3の端よりも前記第1の係合面に近い第4の端と、を有し、
前記第1の端と前記第1の係合面との間の距離は、前記第3の端と前記第1の係合面との間の距離よりも長い、
請求項2の電子機器。
【請求項4】
前記第1の方向において、前記第1の縁は、前記第2の縁よりも長い、請求項2又は請求項3の電子機器。
【請求項5】
前記傾斜面は、前記爪に設けられた、請求項1乃至請求項4のいずれか一つの電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコン、タブレット型PC(Personal Computer)、携帯電話、及びスマートフォンのような電子機器では、二つの部材がいわゆるスナップフィット(snap-fit)により互いに取り付けられることがある。スナップフィットでは、弾性変形可能な一方の部材に設けられた爪が、他方の部材の被係合部に引っかかることで、当該二つの部材が互いに離間することを制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-60900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば爪に、ガイドのための傾斜面が設けられることがある。傾斜面は、二つの部材の取付時に被係合部に当接することで、爪が曲がりやすくする。しかし、傾斜面と被係合部との間の角度が小さいと、爪を曲げながら二つの部材を互いに取り付けるための荷重が増大してしまう虞がある。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、より小さい荷重による部材間の取り付けが可能な電子機器を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る電子機器は、第1の部材と、前記第1の部材に取り付けられる第2の部材と、前記第1の部材に設けられ、第1の係合面を有する被係合部と、前記第2の部材に設けられ、前記第1の係合面と当接することで前記第1の部材と前記第2の部材とが互いに離間することを制限する第2の係合面を有し、前記第2の係合面が前記第1の係合面から前記第1の係合面に沿う第1の方向に離間するように弾性的に曲がることが可能である、爪と、前記被係合部と前記爪とのうち一方に設けられ、前記第1の部材と前記第2の部材とが互いに取り付けられるときに前記被係合部と前記爪とのうち他方に押されることで前記爪を弾性的に曲げるよう構成され、前記第1の係合面に対して斜めに傾き、前記第1の方向と交差するとともに前記第1の係合面に沿う第2の方向における端に設けられた第1の縁と、前記第2の方向の反対の第3の方向における端に設けられた第2の縁と、の間で前記第1の係合面に対して傾く角度が変化する、傾斜面と、を備える。
【0007】
前記電子機器では、前記第1の係合面に対して前記傾斜面が傾く角度は、前記第1の縁から前記第2の縁へ向かって徐々に大きくなる。
【0008】
前記電子機器では、前記第1の縁は、第1の端と、前記第1の端よりも前記第1の係合面に近い第2の端と、を有し、前記第2の縁は、第3の端と、前記第3の端よりも前記第1の係合面に近い第4の端と、を有し、前記第1の端と前記第1の係合面との間の距離は、前記第3の端と前記第1の係合面との間の距離よりも長い。
【0009】
前記電子機器では、前記第1の方向において、前記第1の縁は、前記第2の縁よりも長い。
【0010】
前記電子機器では、前記傾斜面は、前記爪に設けられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記態様によれば、より小さい荷重による部材間の取り付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1の実施形態に係るタブレットコンピュータを分解して示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態のフロントカバーの一部及びバックカバーの一部を概略的に示す断面図である。
図3図3は、第1の実施形態の爪を概略的に示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態の爪を概略的に示す平面図である。
図5図5は、第1の実施形態の爪を概略的に示す正面図である。
図6図6は、第1の実施形態の取付時におけるフロントカバーの一部及びバックカバーの一部を概略的に示す断面図である。
図7図7は、第1の実施形態の爪が曲がったフロントカバーの一部及びバックカバーの一部を概略的に示す断面図である。
図8図8は、第1の実施形態の爪がさらに曲がったフロントカバーの一部及びバックカバーの一部を概略的に示す断面図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る被係合部及び爪を分解して概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図8を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0014】
図1は、第1の実施形態に係るタブレットコンピュータ10を分解して示す斜視図である。タブレットコンピュータ10は、電子機器の一例である。なお、電子機器は、タブレットコンピュータ10に限られず、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、ゲーム機、ウェアラブル機器、又は他の電子機器であっても良い。
【0015】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、タブレットコンピュータ10の長さに沿って設けられる。Y軸は、タブレットコンピュータ10の幅に沿って設けられる。Z軸は、タブレットコンピュータ10の厚さに沿って設けられる。
【0016】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。
【0017】
タブレットコンピュータ10は、筐体11と、表示装置12と、保護パネル13と、内部部品14とを有する。タブレットコンピュータ10は、この例に限られず、他の部品を有しても良いし、表示装置12が省略されても良い。筐体11は、表示装置12の少なくとも一部と、内部部品14とを収容する。
【0018】
表示装置12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機ELディスプレイである。表示装置12は、映像を表示する表示面12aを有する。表示面12aは、+Z方向に向き、筐体11の外部に露出されている。表示面12aは、透明な保護パネル13に覆われる。
【0019】
内部部品14は、例えば、基板と、中央演算装置(CPU)のようなプロセッサと、リードオンリーメモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)のような記憶装置と、バッテリとを含む。内部部品14は、他の部品を含んでも良い。
【0020】
筐体11は、フロントカバー21と、バックカバー22と、インナーカバー23とを有する。フロントカバー21は、第1の部材の一例である。バックカバー22は、第2の部材の一例である。
【0021】
フロントカバー21は、例えば、金属によって作られる。なお、フロントカバー21は、合成樹脂のような他の材料によって作られても良い。フロントカバー21は、枠壁31と側壁32とを有する。
【0022】
枠壁31は、X-Y平面に沿って広がる略矩形の板状に形成される。なお、枠壁31は、他の形状に形成されても良い。枠壁31の内側に設けられた開口31aに、表示装置12が嵌め込まれる。これにより、表示装置12の表示面12aは、筐体11の外部に露出する。側壁32は、枠壁31の外側の縁から、当該枠壁31と交差する-Z方向に突出している。
【0023】
バックカバー22は、例えば、合成樹脂によって作られる。このため、バックカバー22は、フロントカバー21よりも弾性変形しやすい。なお、バックカバー22は、金属のような他の材料によって作られても良い。
【0024】
バックカバー22は、底壁41と側壁42とを有する。底壁41は、フロントカバー21の枠壁31から-Z方向に離間している。底壁41は、X-Y平面に沿って広がる略矩形の板状に形成される。なお、底壁41は、他の形状に形成されても良い。側壁42は、底壁41の外側の縁から、当該底壁41と交差する+Z方向に突出している。
【0025】
インナーカバー23は、例えば、金属によって作られる。なお、インナーカバー23は、合成樹脂のような他の材料によって作られても良い。インナーカバー23は、フロントカバー21とバックカバー22との間に位置する。インナーカバー23は、例えば、いわゆるスナップフィット(snap-fit)又はネジ留めによってフロントカバー21又はバックカバー22に取り付けられる。例えば、内部部品14が、インナーカバー23に取り付けられる。
【0026】
図2は、第1の実施形態のフロントカバー21の一部及びバックカバー22の一部を概略的に示す断面図である。図2に示すように、タブレットコンピュータ10は、フロントカバー21に設けられた被係合部51と、バックカバー22に設けられた爪52とを有する。被係合部51と爪52とが、いわゆるスナップフィットにより互いに係合することで、フロントカバー21とバックカバー22とは互いに取り付けられる。
【0027】
被係合部51は、例えば、フロントカバー21の側壁32に設けられる。なお、被係合部51は、フロントカバー21の他の部分に設けられても良い。被係合部51は、例えば、基部61と突出部62とを有する。
【0028】
基部61は、略Z方向に延びる板状に形成される。図2の例では、基部61は、Y-Z平面に沿って広がる板状に形成される。なお、基部61は、この例に限られない。突出部62は、基部61から、Z方向と交差する方向に突出している。図2の例では、突出部62は、基部61から-X方向に突出している。
【0029】
基部61は、内面61aを有する。突出部62は、内面62aと、第1の係合面62bとを有する。内面61a,62aは、筐体11の内側に向く。図2の例では、内面61a,62aは、-X方向に向く。X方向において、突出部62の内面62aは、基部61の内面61aから-X方向に離間している。
【0030】
第1の係合面62bは、-Z方向における内面61aの端と、+Z方向における内面62aの端と、の間に設けられる。第1の係合面62bは、+Z方向に向く。第1の係合面62bは、例えば、フロントカバー21の枠壁31から離間した位置で、枠壁31に向く。なお、第1の係合面62bは、この例に限られない。
【0031】
被係合部51は、上述の例に限られない。例えば、被係合部51に、側壁32の内面から窪んだ凹部が設けられても良い。この場合、被係合部51は、当該凹部の内面としての第1の係合面62bを有する。
【0032】
爪52は、延部71と係合部72とを有する。延部71は、バックカバー22の底壁41から+Z方向に突出している。延部71は、略Z方向に延びる板状に形成される。図2の例では、延部71は、Y-Z平面に沿って広がる板状に形成される。なお、延部71は、この例に限られない。係合部72は、底壁41から+Z方向に離間した位置で、延部71からZ方向と交差する方向に突出している。図2の例では、係合部72は、延部71から+X方向に突出している。
【0033】
延部71は、外面71aを有する。係合部72は、外面72aと、第2の係合面72bとを有する。外面71a,72aは、筐体11の外部に向く。図2の例では、外面71a,72aは、+X方向に向く。X方向において、係合部72の外面72aは、延部71の外面71aから+X方向に離間している。
【0034】
フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられているとき、延部71の外面71aは、突出部62の内面62aに向く。さらに、係合部72の外面72aは、基部61の内面61aに向く。
【0035】
第2の係合面72bは、+Z方向における外面71aの端と、-Z方向における外面72aの端と、の間に設けられる。第2の係合面72bは、-Z方向に向く。第2の係合面72bは、例えば、バックカバー22の底壁41から離間した位置で、底壁41に向く。なお、第2の係合面72bは、この例に限られない。
【0036】
フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられているとき、爪52の第2の係合面72bは、被係合部51の第1の係合面62bと当接する。なお、第2の係合面72bは、第1の係合面62bから一時的に又は僅かに離間しても良い。
【0037】
第1の係合面62bと第2の係合面72bとは、互いに当接することで、フロントカバー21が+Z方向に移動すること、及びバックカバー22が-Z方向に移動することを制限する。すなわち、第1の係合面62bと第2の係合面72bとは、互いに当接することで、フロントカバー21とバックカバー22とが互いに離間することを制限する。
【0038】
図2に二点鎖線で示すように、爪52は、弾性的に曲がることが可能である。例えば、爪52は、延部71とバックカバー22の底壁41とが接続された部分を基点として、弾性的に曲がることができる。
【0039】
図2に示すように爪52が弾性的に曲がることで、爪52の第2の係合面72bが、被係合部51の第1の係合面62bから離間する。図2の例では、爪52は、第2の係合面72bが第1の係合面62bから-X方向に離間するように、弾性的に曲がる。-X方向は、第1の係合面62bに沿う方向であり、第1の方向の一例である。
【0040】
爪52が曲がることで、第1の係合面62bと第2の係合面72bとが互いから離間し、第1の係合面62bと第2の係合面72bとの当接が解除される。これにより、フロントカバー21とバックカバー22とは、互いから離間することが可能となる。
【0041】
フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられるとき、フロントカバー21は、バックカバー22に対して-Z方向に移動する。このとき、爪52は、弾性的に曲げられ、被係合部51の突出部62を乗り越える。
【0042】
また、フロントカバー21とバックカバー22とが互いから取り外されるとき、フロントカバー21は、バックカバー22に対して+Z方向に移動する。このとき、爪52は、弾性的に曲げられ、被係合部51の突出部62を避ける。このように、フロントカバー21とバックカバー22とは、スナップフィットにより、互いに取り外し可能に取り付けられる。
【0043】
図3は、第1の実施形態の爪52を概略的に示す斜視図である。図3に示すように、第1の実施形態において、爪52は、端面81と傾斜面82とをさらに有する。言い換えると、傾斜面82は、爪52に設けられる。
【0044】
端面81は、+Z方向における爪52の端部に設けられる。端面81は、おおよそ+Z方向に向く。ただし、本実施形態の端面81は、Z方向に対して斜めに傾いた方向に向く。このため、端面81は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して斜めに傾いている。なお、端面81は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bと略平行であっても良い。
【0045】
図4は、第1の実施形態の爪52を概略的に示す平面図である。図4に示すように、端面81は、略台形の平面である。端面81は、二つの側縁81a,81bと、接続縁81cと、を有する。
【0046】
側縁81aは、本実施形態において、-Y方向における端面81の端に設けられる。-Y方向は、-X方向と交差するとともに第1の係合面62b及び第2の係合面72bに沿う方向であり、第2の方向の一例である。側縁81bは、+Y方向における端面81の端に設けられる。+Y方向は、-Y方向の反対方向であり、第3の方向の一例である。
【0047】
側縁81a,81bは、X方向に延びている。すなわち、二つの側縁81a,81bは、略平行に延びている。接続縁81cは、+X方向における側縁81a,81bの端に接続され、略直線状に延びている。
【0048】
図3に示すように、傾斜面82は、端面81の接続縁81cと、係合部72の外面72aとの間に設けられる。傾斜面82は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して斜めに傾いている。傾斜面82は、二つの側縁82a,82bと、二つの接続縁82c,82dと、を有する。側縁82aは、第1の縁の一例である。側縁82bは、第2の縁の一例である。
【0049】
側縁82aは、本実施形態において、-Y方向における傾斜面82の端に設けられる。側縁82bは、+Y方向における傾斜面82の端に設けられる。接続縁82cは、+Z方向における側縁82a,82bの端に接続され、略直線状に延びている。接続縁82dは、-Z方向における側縁82a,82bの端に接続され、略直線状に延びている。
【0050】
爪52は、X方向に延びている。このため、接続縁82cも、全体的にX方向に延びている。例えば、X方向における接続縁82cの長さは、Y方向における接続縁82cの長さよりも長い。
【0051】
傾斜面82の接続縁82cは、端面81の接続縁81cに接続され、当該接続縁81cと一致している。別の表現によれば、接続縁81c,82cは、端面81と傾斜面82との間の角であり、端面81と傾斜面82との間の稜線である。傾斜面82の接続縁82dは、係合部72の外面72aに接続される。接続縁82dは、略Y方向に延びている。
【0052】
傾斜面82が第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾く角度は、側縁82aと側縁82bとの間で変化する。本実施形態では、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾斜面82が傾く角度は、側縁82aから側縁82bへ向かって徐々に大きくなる。
【0053】
図2に示すように、側縁82aにおいて傾斜面82が第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾く角度θ1は、例えば、約45°である。一方、側縁82bにおいて傾斜面82が第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾く角度θ2は、例えば、約70°である。なお、角度θ1,θ2は、これらの例に限られない。
【0054】
第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾斜面82が傾く角度は、上述の例に限られない。例えば、二つの側縁82a,82bの間の部分において、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾く角度が、側縁82a,82bよりも大きく又は小さく設定されても良い。
【0055】
図3に示すように、傾斜面82の側縁82aは、上端82eと下端82fとを有する。上端82eは、第1の端の一例である。下端82fは、第2の端の一例である。なお、本実施形態において、上及び下は、例えば図2を基準とした便宜上の呼称であり、上下関係を限定するものではない。
【0056】
上端82eは、+Z方向における側縁82aの端である。上端82eは、接続縁82cの一方の端に接続される。さらに、上端82eは、側縁81aの一方の端に接続される。図2に示すように、X方向において、上端82eは、第1の係合面62b及び第2の係合面72bから離間している。
【0057】
下端82fは、-Z方向における側縁82aの端である。下端82fは、上端82eよりも、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに近い。下端82fは、接続縁82dの一方の端に接続される。
【0058】
図3に示すように、傾斜面82の側縁82bは、上端82gと下端82hとを有する。上端82gは、第3の端の一例である。下端82hは、第4の端の一例である。上端82gは、+Z方向における側縁82bの端である。上端82gは、接続縁82cの他方の端に接続される。さらに、上端82gは、側縁81bの一方の端に接続される。
【0059】
図2に示すように、X方向において、上端82gは、X方向における第1の係合面62b及び第2の係合面72bの両端の間に位置する。言い換えると、上端82gは、第1の係合面62b及び第2の係合面72bとZ方向に重なる。
【0060】
下端82hは、-Z方向における側縁82bの端である。下端82hは、上端82gよりも、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに近い。下端82hは、接続縁82dの他方の端に接続される。
【0061】
図2に示すように、Z方向において、側縁82aの上端82eと第1の係合面62b又は第2の係合面72bとの間の距離D1は、側縁82bの上端82gと第1の係合面62b又は第2の係合面72bとの間の距離D2よりも長い。なお、Z方向における距離に限らずとも、上端82eと第1の係合面62bとの間の距離は、上端82gと第1の係合面62bとの間の距離よりも長い。
【0062】
図5は、第1の実施形態の爪52を概略的に示す正面図である。図5に示すように、Z方向において、側縁81aの長さL1は、側縁82bの長さL2よりも長い。なお、Z方向における長さに限らずとも、側縁81aの長さは、側縁82bの長さよりも長い。
【0063】
傾斜面82は、第1の領域85と第2の領域86とを含む。第1の領域85と第2の領域86とはそれぞれ、傾斜面82の一部である。図5は、第1の領域85と第2の領域86とを二点鎖線で区切って示す。
【0064】
第1の領域85は、Z方向において、側縁82bの上端82gと、接続縁82dと、の間に位置する領域である。言い換えると、第1の領域85は、側縁82bの上端82gよりも、第1の係合面62b又は第2の係合面72bに近い領域である。
【0065】
第2の領域86は、Z方向において、側縁82aの上端82eと、側縁82bの上端82gと、の間に位置する領域である。言い換えると、第2の領域86は、側縁82bの上端82gよりも、第1の係合面62b又は第2の係合面72bから遠い領域である。
【0066】
図4に示すように、X方向(-X方向、+X方向)において、端面81の側縁81aの長さL3は、側縁81bの長さL4よりも短い。また、X方向(-X方向、+X方向)において、傾斜面82の側縁82aの長さL5は、側縁82bの長さL6よりも長い。
【0067】
端面81の接続縁81c及び傾斜面82の接続縁82cは、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して平行ではない。一方、傾斜面82の接続縁82dは、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して略平行である。接続縁81c,82cは、接続縁82dと平行でなく交差もせず、接続縁82dに対してねじれの位置にある直線(skew line)である。
【0068】
図2に示すように、傾斜面82は、Z方向において、第2の係合面72bの反対側に位置する。さらに、傾斜面82は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bと、少なくとも部分的にZ方向に重なる位置に配置される。このため、フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられるとき、傾斜面82は、被係合部51に当接し、被係合部51をガイドする。
【0069】
図6は、第1の実施形態の取付時におけるフロントカバー21の一部及びバックカバー22の一部を概略的に示す断面図である。図6に示すように、フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられるとき、フロントカバー21は、バックカバー22に対して-Z方向に移動する。これにより、被係合部51が、爪52の傾斜面82に当接する。
【0070】
上述のように、側縁82aの上端82eと第2の係合面72bとの間の距離D1は、側縁82bの上端82gと第2の係合面72bとの間の距離D2よりも長い。このため、フロントカバー21がバックカバー22に取り付けられる前では、上端82eは、上端82gよりも、被係合部51に近い。
【0071】
また、傾斜面82の第2の領域86は、第1の領域85よりも、第2の係合面72bから遠い。このため、フロントカバー21がバックカバー22に取り付けられる前では、第2の領域86は、第1の領域85よりも、被係合部51に近い。
【0072】
被係合部51が傾斜面82に当接し始めるとき、被係合部51は、側縁82aの上端82eの近傍において、第2の領域86に当接する。すなわち、被係合部51は、第1の領域85よりも先に第2の領域86に当接する。また、被係合部51は、傾斜面82に当接し始めるとき、側縁82bから離間している。
【0073】
以上のように、傾斜面82のうち、被係合部51に最初に当接する部分は、側縁82a又は当該側縁82aの近傍を含む。このため、図6に示すように、被係合部51が傾斜面82に当接し始めるとき、被係合部51と、傾斜面82のうち被係合部51に当接する部分と、の間の角度θ3は、角度θ1(45°)と略等しくなる。
【0074】
なお、被係合部51は、最初に傾斜面82の接続縁82cに当接する。このため、被係合部51と傾斜面82との接触は、点接触となることがある。しかし、爪52は、曲がり、捻じれ、及び歪みのような弾性変形をすることで、傾斜面82を被係合部51に当接させる。このため、被係合部51と傾斜面82とは、角度θ1に近い角度θ3で線接触することができる。なお、爪52及び傾斜面82は、この例に限られない。
【0075】
被係合部51が傾斜面82に当接し始めるとき、傾斜面82の側縁82bと被係合部51との間の角度θ4は、角度θ2(70°)と略等しい。しかし、側縁82bを含む傾斜面82の第1の領域85は、まだ被係合部51から離間している。
【0076】
図7は、第1の実施形態の爪52が曲がったフロントカバー21の一部及びバックカバー22の一部を概略的に示す断面図である。図7に示すように、被係合部51が傾斜面82に当接した状態で、フロントカバー21がバックカバー22に対して-Z方向に移動させられる。これにより、被係合部51から傾斜面82に荷重Fが作用する。
【0077】
被係合部51から傾斜面82に作用する荷重Fは、爪52を曲げる方向の成分Fbを含む。このため、傾斜面82は、フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられるときに、被係合部51に押されることで爪52を弾性的に曲げる。
【0078】
フロントカバー21が-Z方向に移動すると、被係合部51は、爪52を曲げながら、傾斜面82の側縁82bに近づく。別の表現によれば、被係合部51は、傾斜面82の第2の領域86に沿って移動し、第1の領域85に近づく。
【0079】
フロントカバー21が-Z方向に移動するに従って、被係合部51が傾斜面82に当接する位置は、側縁82aの近傍から側縁82bの近傍へ近づく。爪52がX方向に延びているため、被係合部51が傾斜面82に当接する位置の移動は、緩やかになっている。
【0080】
被係合部51が側縁82bの上端82gに到達して側縁82bに当接するとき、側縁82aは被係合部51から離間する。なお、被係合部51は、側縁82aの近傍に当接していても良い。
【0081】
爪52が曲がるほど、側縁82aと被係合部51との間の角度θ5は小さくなる。しかし、被係合部51が側縁82bの上端82gに到達するほど爪52が曲がると、被係合部51が側縁82bの近傍において傾斜面82に当接し、側縁82aから離間する。このため、被係合部51と、傾斜面82のうち被係合部51に当接する部分と、の間の角度θ6は、角度θ5よりも大きくなる。
【0082】
被係合部51と、傾斜面82のうち被係合部51に当接する部分と、の間の角度θ6が大きいほど、成分Fbが大きくなる。このため、角度θ6が大きい本実施形態では、より小さい荷重Fにより、爪52が容易に弾性的に曲がることができる。
【0083】
図8は、第1の実施形態の爪52がさらに曲がったフロントカバー21の一部及びバックカバー22の一部を概略的に示す断面図である。図8に示すように、フロントカバー21が-Z方向にさらに移動すると、被係合部51は、爪52をさらに曲げながら、接続縁82dに近づく。言い換えると、被係合部51は、傾斜面82の第1の領域85に沿って移動し、外面72aに近づく。
【0084】
被係合部51が接続縁82dに到達するとき、被係合部51と、傾斜面82のうち被係合部51に当接する部分と、の間の角度θ7は、例えば約40°である。すなわち、被係合部51と傾斜面82との間の角度θ7は、傾斜面82の端にある接続縁82dにおいても比較的大きくなる。従って、成分Fbが大きくなり、より小さい荷重Fにより爪52が容易に弾性的に曲がることができる。
【0085】
フロントカバー21が-Z方向にさらに移動すると、被係合部51は、爪52をさらに曲げながら、係合部72の外面72aに沿って移動する。被係合部51の突出部62が係合部72を乗り越えると、爪52の弾性変形が解除され、爪52が元の形状に戻る。これにより、爪52の第2の係合面72bが、被係合部51の第1の係合面62bに当接し、フロントカバー21とバックカバー22とが互いに離間することを制限する。以上により、フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられる。
【0086】
以上説明された第1の実施形態に係るタブレットコンピュータ10において、被係合部51は、第1の係合面62bを有する。爪52は、第1の係合面62bと当接することでフロントカバー21とバックカバー22とが互いに離間することを制限する第2の係合面72bを有する。爪52は、第2の係合面72bが第1の係合面62bから当該第1の係合面62bに沿う-X方向に離間するように、弾性的に曲がることが可能である。傾斜面82が、被係合部51と爪52とのうち一方(爪52)に設けられ、第1の係合面62bに対して斜めに傾いている。傾斜面82は、フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられるときに、被係合部51と爪52とのうち他方(被係合部51)に押されることで爪52を弾性的に曲げるよう構成される。このとき、傾斜面82と被係合部51との間の角度が大きいほど、爪52を曲げながらフロントカバー21とバックカバー22とを互いに取り付けることが可能な荷重Fの大きさが小さくなる。また、爪52が曲がるほど、一般的に、傾斜面82と被係合部51との間の角度が小さくなる。本実施形態の傾斜面82では、-X方向と交差するとともに第1の係合面62bに沿う-Y方向における当該傾斜面82の端に設けられた側縁82aと、-Y方向の反対の+Y方向における当該傾斜面82の端に設けられた側縁82bと、の間で第1の係合面62bに対して傾く角度が変化する。これにより、傾斜面82と被係合部51との間の角度が一様でなくなるため、フロントカバー21とバックカバー22とを互いに取り付けるための荷重Fの大きさを調整することができる。すなわち、本実施形態のタブレットコンピュータ10は、より小さい荷重Fによる部材間の取り付けを可能とする。
【0087】
第1の係合面62bに対して傾斜面82が傾く角度は、側縁82aから側縁82bへ向かって徐々に大きくなる。これにより、当該角度が増減したり非連続的に変化したりする場合に比べ、フロントカバー21とバックカバー22とを互いに取り付けるための荷重Fの大きさの調整が容易となる。
【0088】
上述のように、傾斜面82と被係合部51との間の角度が大きいほど、爪52を曲げながらフロントカバー21とバックカバー22とを互いに取り付けることが可能な荷重Fの大きさが小さくなる。しかし、傾斜面82と被係合部51との間の角度が大きいと、例えば、爪52の端面81と被係合部51とが互いに干渉する虞がある。当該干渉を抑制するために爪52の係合部72を薄くした場合、第1の係合面62bと第2の係合面72bとが互いに当接する面積が小さくなる虞がある。また、当該干渉を防ぐために爪52が筐体11の内側に配置される場合、爪52が筐体11の内部部品14に干渉する虞がある。しかし、本実施形態では、側縁82aは、上端82eと、上端82eよりも第1の係合面62bに近い下端82fと、を有する。側縁82bは、上端82gと、上端82gよりも第1の係合面62bに近い下端82hと、を有する。上端82eと第1の係合面62bとの間の距離は、上端82gと第1の係合面62bとの間の距離よりも長い。これにより、フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられるときに、側縁82bの周辺が、側縁82aの周辺よりも後に、被係合部51に当接することができる。すなわち、側縁82aの周辺よりも第1の係合面62bに対して傾く角度が大きい側縁82bの周辺は、爪52が曲がった状態で被係合部51に当接し始める。これにより、傾斜面82は、爪52の端面81と被係合部51とが互いに干渉することを抑制できる。また、本実施形態のタブレットコンピュータ10は、係合部72を薄くする必要が無く、第1の係合面62bと第2の係合面72bとが互いに当接する面積が小さくなることを抑制できる。さらに、タブレットコンピュータ10は、爪52を筐体11の内側に配置する必要が無く、爪52が内部部品14に干渉することを抑制できる。
【0089】
-X方向において、側縁82aは、側縁82bよりも長い。これにより、被係合部51は、側縁82bの近傍よりも、側縁82aの近傍に当接しやすくなる。
【0090】
傾斜面82は、爪52に設けられる。爪52は、弾性変形可能である。このため、爪52は、傾斜面82が被係合部51に当接するように、曲がり、捻じれ、及び歪みのような弾性変形をすることができる。従って、本実施形態のタブレットコンピュータ10は、傾斜面82が接続縁82cだけで被係合部51に当接してしまうことを抑制でき、フロントカバー21とバックカバー22とを互いに取り付けるための荷重Fの大きさを調整することができる。
【0091】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図9を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0092】
図9は、第2の実施形態に係る被係合部101及び爪102を分解して概略的に示す斜視図である。第2の実施形態において、フロントカバー21に、被係合部51の代わりに被係合部101が設けられる。また、バックカバー22に、爪52の代わりに爪102が設けられる。
【0093】
図9に示すように、被係合部101は、第1の実施形態の被係合部51と同じく、基部61及び突出部62を有する。さらに、被係合部101に、端面111及び傾斜面112が設けられる。
【0094】
端面111は、-Z方向における被係合部101の端部に設けられる。端面111は、おおよそ-Z方向に向く。ただし、本実施形態の端面111は、Z方向に対して斜めに傾いた方向に向く。このため、端面111は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して斜めに傾いている。なお、端面111は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bと略平行であっても良い。端面111は、略台形の平面である。
【0095】
傾斜面112は、端面111と、突出部62の内面62aとの間に設けられる。傾斜面112は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して斜めに傾いている。傾斜面112は、二つの側縁112a,112bと、二つの接続縁112c,112dと、を有する。側縁112aは、第1の縁の一例である。側縁112bは、第2の縁の一例である。
【0096】
側縁112aは、本実施形態において、-Y方向における傾斜面112の端に設けられる。側縁112bは、+Y方向における傾斜面112の端に設けられる。接続縁112cは、-Z方向における側縁112a,112bの端に接続され、略直線状に延びている。接続縁112dは、+Z方向における側縁112a,112bの端に接続され、略直線状に延びている。
【0097】
傾斜面112の接続縁112cは、端面111に接続される。傾斜面112の接続縁112dは、突出部62の内面62aに接続される。接続縁112dは、略Y方向に延びている。
【0098】
傾斜面112が第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾く角度は、側縁112aと側縁112bとの間で変化する。本実施形態では、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾斜面112が傾く角度は、側縁112aから側縁112bへ向かって徐々に大きくなる。第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾斜面112が傾く角度は、この例に限られない。
【0099】
傾斜面112の側縁112aは、下端112eと上端112fとを有する。下端112eは、第1の端の一例である。上端112fは、第2の端の一例である。下端112eは、-Z方向における側縁112aの端である。上端112fは、+Z方向における側縁112aの端である。上端112fは、下端112eよりも、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに近い。
【0100】
傾斜面112の側縁112bは、下端112gと上端112hとを有する。下端112gは、第3の端の一例である。上端112hは、第4の端の一例である。下端112gは、-Z方向における側縁112bの端である。上端112hは、+Z方向における側縁112bの端である。上端112hは、下端112gよりも、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに近い。
【0101】
Z方向において、側縁112aの下端112eと第1の係合面62bとの間の距離は、側縁112bの下端112gと第1の係合面62bとの間の距離よりも長い。Z方向において、側縁112aの長さは、側縁112bの長さよりも長い。また、X方向において、傾斜面112の側縁112aの長さは、側縁112bの長さよりも長い。
【0102】
傾斜面112の接続縁112cは、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して平行ではない。一方、傾斜面112の接続縁112dは、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して略平行である。
【0103】
第2の実施形態の爪102は、第1の実施形態の爪52と同じく、延部71及び係合部72を有する。さらに、爪102に、端面81及び傾斜面82の代わりに、端面121及び傾斜面122が設けられる。
【0104】
端面121は、+Z方向における爪52の端部に設けられる。端面121は、+Z方向に向く。このため、端面121は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bと略平行である。端面121は、略台形の平面である。
【0105】
傾斜面122は、端面121と、係合部72の外面72aとの間に設けられる。傾斜面122は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して斜めに傾いている。傾斜面122は、二つの側縁122a,122bと、二つの接続縁122c,122dと、を有する。側縁122aは、第1の縁の一例である。側縁122bは、第2の縁の一例である。
【0106】
側縁122aは、本実施形態において、-Y方向における傾斜面122の端に設けられる。側縁122bは、+Y方向における傾斜面122の端に設けられる。接続縁122cは、+Z方向における側縁122a,122bの端に接続され、略直線状に延びている。接続縁122dは、-Z方向における側縁122a,122bの端に接続され、略直線状に延びている。
【0107】
傾斜面122の接続縁122cは、端面121に接続される。傾斜面122の接続縁122dは、係合部72の外面72aに接続される。接続縁122dは、略Y方向に延びている。
【0108】
傾斜面122が第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾く角度は、側縁122aと側縁122bとの間で変化する。本実施形態では、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾斜面122が傾く角度は、側縁122aから側縁122bへ向かって徐々に大きくなる。第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して傾斜面122が傾く角度は、この例に限られない。
【0109】
傾斜面122の側縁122aは、上端122eと下端122fとを有する。上端122eは、第1の端の一例である。下端122fは、第2の端の一例である。上端122eは、+Z方向における側縁122aの端である。下端122fは、-Z方向における側縁122aの端である。下端122fは、上端122eよりも、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに近い。
【0110】
傾斜面122の側縁122bは、上端122gと下端122hとを有する。上端122gは、第3の端の一例である。下端122hは、第4の端の一例である。上端122gは、+Z方向における側縁122bの端である。下端122hは、-Z方向における側縁122bの端である。下端122hは、上端122gよりも、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに近い。
【0111】
Z方向において、側縁122aの上端122eと第1の係合面62b又は第2の係合面72bとの間の距離は、側縁122bの上端122gと第1の係合面62b又は第2の係合面72bとの間の距離と略等しい。Z方向において、側縁122aの長さは、側縁122bの長さと略等しい。また、X方向において、傾斜面122の側縁122aの長さは、側縁122bの長さよりも長い。
【0112】
傾斜面122の接続縁122cは、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して略平行である。一方、傾斜面122の接続縁122cは、被係合部101の傾斜面112の接続縁112cと平行ではない。
【0113】
第2の実施形態のタブレットコンピュータ10において、フロントカバー21とバックカバー22とが互いに取り付けられるとき、被係合部101の傾斜面112と爪102の傾斜面122とが互いに当接する。最初に、傾斜面112の側縁112aの近傍と、傾斜面122の側縁122aの近傍とが互いに当接する。このとき、傾斜面112の側縁112bと、傾斜面122の側縁122bとは、互いに離間している。
【0114】
フロントカバー21が-Z方向に移動すると、被係合部101の傾斜面112に爪102の傾斜面122が押されることで、爪102が弾性的に曲げられる。傾斜面112,122は、被係合部101から爪102に作用する荷重のうち、爪102を曲げる成分を大きくする。このため、爪102が容易に弾性的に曲げられる。
【0115】
フロントカバー21が-Z方向に移動すると、被係合部101と爪102とが互いに接触する部分が、側縁112a,122aの近傍から、側縁112b,122bの近傍に近づく。このため、爪102が曲がっても、被係合部101と爪102とが互いに接触する部分と、第1の係合面62b及び第2の係合面72bと、の間の角度は比較的大きくなる。従って、荷重のうち爪102を曲げる成分が大きくなり、より小さい荷重により爪102が容易に弾性的に曲がることができる。
【0116】
以上説明された第1の実施形態及び第2の実施形態のように、傾斜面82,112,122は、被係合部51,101及び爪52,102のうち一方又は両方に設けられ得る。また、爪52,102の端面81,121は、第1の係合面62b及び第2の係合面72bに対して平行であっても良いし、平行でなくても良い。また、第2の実施形態の爪102は、第1の実施形態の爪52と置き換えられ得る。
【0117】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0118】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0119】
10…タブレットコンピュータ(電子機器)、21…フロントカバー(第1の部材)、22…バックカバー(第2の部材)、51,101…被係合部、52,102…爪、82,112,122…傾斜面、82a,112a,122a…側縁(第1の縁)、82b,112b,122b…側縁(第2の縁)、82e,122e…上端(第1の端)、82f,122f…下端(第2の端)、82g,122g…上端(第3の端)、82h,122h…下端(第4の端)、112e…下端(第1の端)、112f…上端(第2の端)、112g…下端(第3の端)、112h…上端(第4の端)、D1,D2…距離。
図1
図2
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図9