(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017451
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】低温電子気化デバイスおよびその方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20220118BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20220118BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/57
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021179254
(22)【出願日】2021-11-02
(62)【分割の表示】P 2019040756の分割
【原出願日】2012-08-16
(31)【優先権主張番号】61/524,308
(32)【優先日】2011-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】315012459
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Juul Labs, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス・モンシーズ
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ボーエン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・マイアル
(72)【発明者】
【氏名】クリスタ・ハンター
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB11
4B162AC22
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】タバコ製品をエアロゾル化することができ、喫煙と比較して、ユーザーに送達されるホフマン検体および突然変異誘発性物質を減らすことができるデバイスおよび製品を提供する。
【解決手段】当該デバイスは、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成され、少なくともオンモードとスタンバイモードとのために構成されている、ヒーターと、加速度計または振動センサーの少なくとも一つを含む、前記デバイスの移動を検知するように構成されている、少なくとも一つのセンサーと、並びに、前記少なくとも一つのセンサーが前記デバイスの移動を検知することに基づいて、スタンバイモードからオンモードに変換するように構成されているコントローラとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生成するデバイスであって、
吸入可能なエアロゾルを生成するように構成され、少なくともオンモードとスタンバイモードとのために構成されている、ヒーターと、
加速度計または振動センサーの少なくとも一つを含む、前記デバイスの移動を検知するように構成されている、少なくとも一つのセンサーと、
前記少なくとも一つのセンサーが前記デバイスの移動を検知することに基づいて、スタンバイモードからオンモードに変換するように構成されているコントローラと
を備える、デバイス。
【請求項2】
更に、前記コントローラは、前記少なくとも一つのセンサーにより検知される移動の欠如に基づいて、オンモードから、オフモード若しくはスタンバイモードに変換するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記スタンバイモードにおけるヒーターの標的スタンバイ温度は、前記オンモードのための標的運転温度未満の約5℃と、当該標的運転温度未満の約30℃との間である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
更に、前記コントローラは、前記少なくとも一つのセンサーに基づいて、前記デバイスについての、動きのない時間の長さと、位置との、少なくとも一つを測定するように構成され、
更に、前記コントローラは、当該時間の長さと、当該位置との、少なくとも一つに基づいて、オンモードからスタンバイモードに変換するように構成されている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも一つのセンサーは、触覚センサーを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記オンモードにおけるヒーターの標的運転温度が固定されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記オンモードにおけるヒーターの標的運転温度がユーザーによって選択自在である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも一つのセンサーは、タッチセンサー式インタフェースを含み、
更に、前記コントローラは、
前記タッチセンサー式インタフェースの第1のユーザーのタッチに基づいて、オフモードからオンモードに変換し、
前記タッチセンサー式インタフェースの第2のユーザーのタッチに基づいて、スタンバイモードからオンモードに変換し、及び、
前記タッチセンサー式インタフェースの第3のユーザーのタッチに基づいて、オンモードからオフモードに変換する
ように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記タッチセンサー式インタフェースは、機械的スイッチ、触覚ボタン、及び容量センサーのうちの、少なくとも一つを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
更に、前記コントローラは、ヒーターの温度を調節するように構成され、
当該温度の調節は、
ヒーターのスタンバイモードの間に、第1の温度を適用すること、及び、
スタンバイモードの間に移動を検知する前記少なくとも一つのセンサーに応じて、第2の温度を適用すること
を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記少なくとも一つのセンサーは、複数の所定の作用のうちの一つの作用を検知するように構成されている単一のボタン・インタフェースを含み、
更に、前記コントローラは、前記作用を検知することに基づいて、デバイスの機能を変更するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記複数の所定の作用は、第1の期間、前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを含み、
更に、前記複数の所定の作用は、前記第1の期間より長い第2の期間、前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを含む、
請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記機能を変更することは、前記第2の期間前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを検知することに基づいて、ヒーターの標的運転温度を増大させること、を含む
請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記機能を変更することは、前記第1の期間前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを検知することに基づいて、ヒーターをオフモードからオンモードに変換すること、を含み、並びに、
前記機能を変更することは、前記第1の期間前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを検知することに基づいて、ヒーターをオフモードに変換すること、を含む、
請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
前記単一のボタン・インタフェースは、機械的スイッチ、触覚ボタン、及び容量センサーのうちの、少なくとも一つを含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項16】
更に、デバイスを充電デバイスに機械的に結合するように構成されている磁石を、含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
更に、充電式電池を含み、
前記磁石は、当該充電式電池を充電する管を供給するように構成されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
更に、前記磁石を含む一対の磁石を含み、当該一対の磁石は、更に、前記充電デバイスから電力を受け取る充電管を供給するように構成されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
更に、前記コントローラは、
ユーザーがデバイスを吹かすかどうか検知し、及び、
吹かすことを検知するのに基づいて、ヒーターの温度を増大させる
ように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
更に、ヒーターがオンであるかどうか示すように構成されているLEDインジケータを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
更に、本体部を含み、当該本体部は押出成形されたアルミニウムを含み、並びに、
当該本体部は、熱を分配してヒーターの温度より低い露出面温度を維持するように構成されている熱伝導性のシェルを含む、外部面を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
更に、本体部とヒーターとの間に多孔物質を含み、当該多孔物質はヒーターから本体部を絶縁する、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記多孔物質は、エアロゲルを含む、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
更に、第1の端部であって、ヒーターが配される第1の端部と、
第1の端部の反対側にある第2の端部と、及び、
単一ピースで形成される熱伝導性のシェルと
を含み、
当該単一ピースは、第1の温度と第2の端部との間に、デバイスの全ての表面を形成する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
更に、第2の端部に吸い口を含み、当該吸い口は、ユーザーにより吸入される、生成された吸入可能なエアロゾルを供給するように構成されている、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
吸入可能なエアロゾルを生成する方法であって、
デバイスにおいて、少なくとも一つのセンサーがデバイスの移動を検知することに基づいて、デバイスのスタンバイモードからデバイスのオンモードに変換するステップを含み、
デバイスは、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成されており、
デバイスは、ヒーター及び前記少なくとも一つのセンサーを含み、
前記少なくとも一つのセンサーは、加速度計または振動センサーの少なくとも一つを含み、前記デバイスの移動を検知するように構成されている、方法。
【請求項27】
更に、前記少なくとも一つのセンサーにより検知される移動の欠如に基づいて、オンモードから、オフモード若しくはスタンバイモードに変換するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記スタンバイモードにおけるヒーターの標的スタンバイ温度は、前記オンモードのための標的運転温度未満の約5℃と、当該標的運転温度未満の約30℃との間である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
更に、
前記少なくとも一つのセンサーに基づいて、前記デバイスについての、動きのない時間の長さと、位置との、少なくとも一つを測定するステップと、及び、
当該時間の長さと、当該位置との、少なくとも一つに基づいて、オンモードからスタンバイモードに変換するステップと
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも一つのセンサーは、触覚センサーを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記オンモードにおけるヒーターの標的運転温度が固定されている、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記オンモードにおけるヒーターの標的運転温度がユーザーによって選択自在である、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
更に、
タッチセンサー式インタフェースの第1のユーザーのタッチに基づいて、オフモードからオンモードに変換するステップと、
前記タッチセンサー式インタフェースの第2のユーザーのタッチに基づいて、スタンバイモードからオンモードに変換するステップと、及び、
前記タッチセンサー式インタフェースの第3のユーザーのタッチに基づいて、オンモードからオフモードに変換するステップと
を含み、
前記少なくとも一つのセンサーは、前記タッチセンサー式インタフェースを含む、
請求項26に記載の方法。
【請求項34】
前記タッチセンサー式インタフェースは、機械的スイッチ、触覚ボタン、及び容量センサーのうちの、少なくとも一つを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
更に、
前記少なくとも一つのセンサーに基づいて、移動を検知するステップと、
スタンバイモードの間に、ヒーターへ第1の温度を適用するステップと、及び、
スタンバイモードの間に移動を検知することに応じて、ヒーターへ第2の温度を適用するステップと
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
更に、
単一のボタン・インタフェースを介して、複数の所定の作用のうちの一つの作用を検知するステップであって、前記少なくとも一つのセンサーは当該単一のボタン・インタフェースを含む、検知するステップと、及び、
前記作用を検知することに基づいて、デバイスの機能を変更するステップと
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
前記複数の所定の作用は、第1の期間、前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを含み、
更に、前記複数の所定の作用は、前記第1の期間より長い第2の期間、前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを含む、
請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記機能を変更するステップは、前記第2の期間前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを検知するステップに基づいて、ヒーターの標的運転温度を増大させるステップを含む
請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記機能を変更するステップは、前記第1の期間前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを検知することに基づいて、ヒーターをオフモードからオンモードに変換するステップを含み、並びに、
前記機能を変更するステップは、前記第1の期間前記単一のボタン・インタフェースをユーザーが押し続けることを検知することに基づいて、ヒーターをオフモードに変換するステップを含む、
請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記単一のボタン・インタフェースは、機械的スイッチ、触覚ボタン、及び容量センサーのうちの、少なくとも一つを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
更に、
磁石を介して、充電デバイスに機械的に結合するステップを、含む
請求項26に記載の方法。
【請求項42】
更に、
前記磁石を介して、デバイスの充電式電池を充電する管を供給するステップを、含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
更に、
前記磁石を含む一対の磁石を介して、前記充電デバイスから電力を受け取る充電管を供給するステップを、含む、
請求項41に記載の方法。
【請求項44】
更に、
デバイスの熱伝導性のシェルを介して、ヒーターから熱を分配するステップであって、当該熱伝導性のシェルは押出成形されたアルミニウムを含む、分配するステップと、並びに、
当該熱伝導性のシェルを介して、ヒーターの温度より低い露出面温度を維持するステップと
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項45】
更に、
前記熱伝導性のシェルとヒーターとの間の多孔物質を介して、ヒーターから前記熱伝導性のシェルを絶縁するステップを、含む、
請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記多孔物質は、エアロゲルを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
更に、
デバイスの第2の端部における吸い口を介して、ユーザーにより吸入される、生成された吸入可能なエアロゾルを供給するステップであって、ヒーターはデバイスの第2の端部の反対側にある第1の端部に配されている、供給するステップを、含む、
請求項26に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2011年8月16日に出願された米国仮特許出願第61/524,308号の優先権を主張し、その全体は引用によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
タバコ製品の使用と喫煙の有害な副作用は、世界中で注目を集め続けている。職場または公共の場での喫煙に関して多くの規定が施行されると、代替製品の開発に対する関心が著しく大きくなる。喫煙の有害な副作用を減らす1つの方法は、タバコ製品を燃やさないことである。これは、喫煙から得られるホフマン検体(Hoffman analytes)などの有害な検体の多くが、物質の燃焼によって摂取されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国出願第11/485,168号
【特許文献2】米国特許第4,819,665号
【特許文献3】米国特許第4,793,365号
【特許文献4】米国特許第5,027,836号
【特許文献5】国際出願WO2006/082571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアロゾル化したタバコ製品を運ぶことができるデバイスを開発し販売することの難しさは、使用することの視覚的かつ物理的な魅力という点で、ユーザーに迎合しつつある。様々な異なる物質をエアロゾル化するために何度も使用可能で、一方で、目に見える蒸気などの喫煙の感覚と同じような感覚をユーザーに提供するデバイスが望ましい。タバコ製品をエアロゾル化することができ、喫煙と比較して、ユーザーに送達されるホフマン検体および突然変異誘発性物質を減らすことができるデバイスおよび製品が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは以下を含む:吸い口、本体部;吸入可能なエアロゾルを生成するべく粘着性の気化可能な材料を加熱するためにプリント回路基板を含む、前記本体部内の電子ヒーター;および、温度調節器。吸入可能なエアロゾルは、約2ミクロン未満の粒子(長さ、幅、深さに関係なく、その最長寸法で)を含むポッド、または、ほぐれた葉タバコおよび他の植物製品(ポッドはない)を収容することができる。
【0006】
1つの態様では、抵抗発熱体と、蒸発温度をモニタし正確に制御するためのサーミスタが、材料をエアロゾル化するためのデバイスでの使用のために開示される。幾つかの実施形態では、発熱体は、電子ヒーターを駆動させるためのパワートランジスタを備えた電子回路を含む。特定の実施形態では、電子回路の尾部(tail)は、PCB(プリント回路基板)とはんだ付けされる。幾つかの実施形態では、デバイスは、効率および低露出面温度を維持するために、エアロゲル絶縁体を含む。特定の実施形態では、エアロゲルは、強化繊維(例えば、Pyrogel 2250 フレキシブルエアロゲルブランケット)を備えたシリカエアロゲルである。幾つかの実施形態では、デバイスは単一のボタン・インタフェースを含み、単一のボタン・インタフェースは、オンにする、オフにする、および、スリープから起こすための手段を提供する。
【0007】
幾つかの実施形態では、電子ヒーターは、ポリイミド薄膜(「flex」)プリントヒーター回路(heater circuit)(同様に/代替的にフレキシブルヒータ回路と呼ぶ)を含む。特定の実施形態において、制御ループのためにはんだ付けしたサーミスタ素子を含む電子ヒーターが提供される。特定の実施形態では、デバイスは、運転温度を制御するためにPID(比例・積分・微分の)制御ループを含む。
【0008】
幾つかの実施形態において、デバイスは、磁荷コネクタ(magnetic charge connector)を含む。幾つかの実施形態では、デバイスは、バッテリーを節約するために、時間またはセンサーベースのスタンバイ起動部(stanby actication)を含む。これも同様に/代替的にスタンバイモードと呼ばれることもある。特定の実施形態において、検知手段は、加速度計または他の触覚/振動センサー、容量(タッチ)センサー、または、デバイスを吹かすユーザーによってヒーターが装填されているかどうか検知するためにサーミスタをモニタすることを含む。
【0009】
幾つかの実施形態では、ヒーターは金属ヒーターであり、ヒーターの部品はヒートステークされ、超音波接合され、または、オーバーモールドされ、高温に対応するプラスチック部品になる。そのプロセスはハーメチックシールまたはダストシールを形成する。幾つかの実施形態では、分離した吸い口設計が、材料をエアロゾル化するデバイスでの使用について開示されている。分離した吸い口の半分は除去可能であり、デバイスの外形に一致する。幾つかの実施形態では、吸い口は、希土類磁石を用いてデバイスの本体部に取り付けられる。幾つかの実施形態では、吸い口は、プラスチックの戻り止めまたは他の同様の機構で本体部に取り付けられる。他の実施形態では、吸い口は、ヒンジまたは他の機構(例えば、紐など)を用いてデバイスと一体化する。特定の実施形態では、吸い口は、加熱チャンバーを見えるようにするために、回転するまたはスライドする。特定の実施形態では、吸い口は、掃除または交換のために取り付け機構から完全に分離されるが、デバイスには再度接続する(「取り外し可能なように捕らえられる」)。
【0010】
別の態様において、ほぐれた葉タバコおよび/または他の植物製品とともに使用するための電子による独立型の気化器デバイスが提供される。幾つかの実施形態では、デバイスは、プッシュプッシュ(push-push)機構を備えた前記デバイスから引っ込められる吸い口を含む。幾つかの実施形態では、プッシュプッシュ機構も、吸い口に埋め込まれた磁石とPCB(プリント回路基板)の上のホール効果センサーによって、デバイスを回転させる。特定の実施形態では、吸い口は、圧縮ばね、板ばね、および、キャッチ用溝(catch groove)とトグルスライダ(toggle slider)で吸い口に取り付けられたステンレス鋼管を含む。幾つかの実施形態では、デバイスは、リードまたはホール効果スイッチを用いる、磁気オン・オフ制御部を含む。特定の実施形態では、磁気制御部は、追加のボタンを除去するために吸い口に一体化される。幾つかの実施形態では、吸い口は、吸い口の引っ張りおよび/または引っ込みのためにプッシュプッシュ機構を適合させる。幾つかの実施形態では、デバイスは、気化チャンバーを覆うための磁石の蓋を含む。幾つかの実施形態では、デバイスは、余剰な熱を分配し、かつ低露出面温度を維持するために、熱伝導性のシェルを含む。幾つかの実施形態では、デバイスは、視覚式の、可聴式のインジケータ、および/または、他の体感出力(例えば振動)を含むボタン作動型の温度選択部を含む。幾つかの実施形態では、吸い口は、ヒンジまたは他の機構(例えば、紐など)を用いてデバイスと一体化する。幾つかの実施形態では、気化デバイスは薄壁金属加熱チャンバーを含む。薄壁は低熱量とゆえに迅速な始動を可能にする。幾つかの実施形態では、デバイスは、蓋が偶然開くのを防ぐべく蓋をその閉位置に留めるために、磁石取り付け具またはスナップ取り付け具を用いる傾斜した蓋を含む。傾斜した蓋には目に見える取り外しボタンがない。
【0011】
別の態様において、喫煙を模倣したデバイスが提供され、該デバイスは、植物製品を含む粘着性物質を約150℃まで加熱することによって、被験体に吸入されるエアロゾルを生成し、エアロゾルは口または呼吸器で触覚応答(tactile response)を有する。粘着性物質は、加熱されると目に見えるエアロゾルを生成するために、プロピレングリコールとグリセリンの少なくとも1つを含むことができる、エアロゾル形成媒体を含むことができる。粘着性物質はタバコと風味材料(flavorants)も含むことができる。
【0012】
デバイスは、エアロゾルの一部である活性要素を、ユーザーに送達することができる。活性要素は呼吸器で吸収され得る。エアロゾルは直径約2ミクロン未満の粒子を含むことができる。
【0013】
デバイス中の粘着性物質を加熱するための標的温度は、約100℃から約200℃でありえる。好ましくは、標的温度は、エアロゾルを生成する約150℃である。
【0014】
別の態様では、口または呼吸器で触覚応答をもたらす方法が開示される。前記方法は、喫煙を模倣するデバイスを展開する工程であって、前記デバイスが、内部に植物製品を含む粘着性物質を加熱することによって、口または呼吸器で触覚応答を有する無煙のエアロゾルを生成する、工程;標的温度まで粘着性物質を加熱する工程;加熱した粘着性物質から、口または呼吸器で触覚応答を有するエアロゾルを生成する工程;および、エアロゾルを吸入する工程、を含む。粘着性物質は、加熱されると目に見えるエアロゾルを生産するために、プロピレングリコールとグリセリンの少なくとも1つを含むことができるエアロゾル形成媒体を含むことができる。粘着性物質は、タバコと風味材料の少なくとも1つを含むことができる。デバイスは、エアロゾルの一部である活性要素をユーザーに送達することができる。活性要素は呼吸器で吸収され得る。
【0015】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、前記本体部内にヒーター回路、オーブン、および、プリント回路基板を含む電子ヒーターであって、前記電子ヒーターが、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された、電子ヒーター;および、温度調節器、を含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、吸い口は分離しているか、または、デバイスに一体化される。幾つかの実施形態では、吸い口は、プッシュプッシュ機構でデバイスから引っ込められる。
【0017】
幾つかの実施形態では、ヒーター回路はヒーター回路基板にはんだ付けされる。幾つかの実施形態では、電子ヒーターは、抵抗発熱体と、粘着性の気化可能な材料の気化温度をモニタし、正確に制御するように構成されたサーミスタとを含む。幾つかの実施形態では、ヒーター回路は薄膜ポリイミドヒーターである。
【0018】
幾つかの実施形態では、電子ヒーターはハーメチックシールまたはダストシールによって密封される。
【0019】
幾つかの実施形態では、デバイスはリードまたはホール効果スイッチを用いる磁気制御部を含む。幾つかの実施形態では、リードまたはホール効果スイッチを用いる磁気制御部は、吸い口に一体化される。
【0020】
幾つかの実施形態において、デバイスは磁石の蓋を含む。
【0021】
幾つかの実施形態では、デバイスは、余剰な熱を分配し、低露出面温度を維持するように構成された熱伝導性のシェルを含む。
【0022】
幾つかの実施形態では、デバイスは、時間ベースまたはセンサーベースのスタンバイモード起動部を含む。幾つかの実施形態では、センサーは、加速度計または他の触覚/振動センサー、容量(タッチ)センサー、あるいは、デバイスを吹かすユーザーによって、ヒーターが装着されているかどうかを検知するように構成されたサーミスタをモニタするためのセンサーを含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、デバイスは、運転温度を制御するように構成された比例・積分・微分(PID)の制御ループを含む。
【0024】
幾つかの実施形態では、デバイスは薄壁金属加熱チャンバーを含む。
【0025】
他の実施形態において、デバイスはエアロゲル絶縁体を含む。幾つかの実施形態では、エアロゲル絶縁体は、強化繊維を備えたシリカエアロゲルを含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、ヒーターは、熱で押圧され、超音波接合され、または、オーバーモールドされることで、高温に対応するプラスチック部品になる。幾つかの実施形態では、ヒーターは、ヒートステーク(heat stated)または熱でスエージ加工されることで、高温に対応するプラスチック部品になる。幾つかの実施形態では、ヒーターは熱でスエージ加工されることで、高温に対応するプラスチック部品になる。
【0027】
幾つかの実施形態では、デバイスは、充電器にデバイスを接続するように構成された磁荷コネクタをさらに含む。
【0028】
幾つかの実施形態において、デバイスは、単一のボタン・インタフェースを含む。
【0029】
幾つかの実施形態では、粘着性の気化可能な材料は、除去可能なポッドの中にある。幾つかの実施形態では、除去可能なポッドは、約2ミクロン未満の粘着性の気化可能な材料の粒子を含む。幾つかの実施形態では、除去可能なポッドは、約2ミクロン未満の粒径から本質的になる粘着性の気化可能な材料を含む。
【0030】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;温度調節器、および、エアロゲル絶縁体、を含む。
【0031】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;温度調節器、および、磁荷コネクタを、含む。
【0032】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;バッテリー、温度調節器、および、バッテリーの電源を節約するように構成された時間またはセンサーベースのスタンバイ起動部、を含む。
【0033】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;バッテリー、温度調節器、または、温度制御ループ、を含む。
【0034】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;バッテリー、温度調節器、および、単一のボタン・インタフェース、を含む。
【0035】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;バッテリー、および、温度調節器、を含み、電子ヒーターはハーメチックシールまたはダストシールによって密封される。
【0036】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、気化チャンバー;粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;温度調節器、および、気化チャンバーを覆うように構成された磁石の蓋、を含む。
【0037】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;余剰な熱を分配し、低露出面温度を維持するように構成された熱伝導性のシェル;および、温度調節器、を含む。
【0038】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;および、温度調節器、および、引っ込められた位置と「オン」の位置との間で吸い口をトグルで留めるように構成されたプッシュプッシュ機構、を含む。
【0039】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;温度調節器、および、視覚的なインジケータ、聴覚的なインジケータ、および/または、振動によるインジケータによるボタン作動式の温度選択部、を含む。
【0040】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;温度調節器、および、その閉位置で維持するように構成された、および/または、蓋が偶然開くのを防ぐように構成された、磁石取り付け具またはスナップ取り付け具を含む傾斜した蓋、を含む。
【0041】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;および、温度調節器、を含み、吸い口はデバイスに一体化される。
【0042】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内のヒーター回路を含む電子ヒーター;および、温度調節器、を含み、単一のバッテリーがデバイスを作動させることができるように、ヒーター回路は抵抗性が低い。
【0043】
(参照による組み込み)
本明細書で言及されるすべての公報、特許、および、特許出願は、あたかも各々の個々の公報、特許、または、特許出願が、具体的かつ個別に引用によって組み込まれると指示されたのと同じ程度まで、引用によって本明細書に組み込まれる。
【0044】
本発明の特徴および利点の優れた理解は、本発明の原理が用いられる例証的な実施形態を説明する以下の詳細な記載と、添付の図面を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】単一のボタン・インタフェース、LiPoバッテリー、および、本体部の外側半分を含むデバイスを例証しており、フレキシブルヒータ回路の尾部はPCBにはんだ付けされる。
【
図2】
図1で示された同じ実施形態の断面図である。
【
図3】分離可能な吸い口と、LED照射型「ハロー」インジケータを備えた触覚ボタンとを備えたデバイスの斜視図である。
【
図4】押出成形されたアルミニウム外部本体部(extruded aluminum outer body)を備えた単一ピースのデバイスを実証しており、デバイスの吸い口がプッシュプッシュ機構によりデバイスから引っ込む。
【
図5】
図4で示されるようなデバイスの詳細斜視図である。
【
図6】磁気的に取り付けられた気化チャンバーの蓋がどのように作動するかを示している。
【
図7】典型的なバッテリー充電ソース(例えば、USB充電器)によってバッテリーを充電する方法を示す。
【
図8】USB充電器によって充電されたデバイスの詳細な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書に記載の発明には、本開示を検討した当業者によって評価されるように、活性物質の吸入の広範な用途がある。例えば、デバイス、米国出願第11/485,168号(特許出願1)で開示されたようなカートリッジ(すなわち、ポッド)、システム、キット、および、方法は、例えば、口または鼻を通ってタバコ製品を吸入するために使用することができる。デバイス、システム、キット、および、方法は、植物性物質、医薬物質、栄養物質、任意の他の物質のような任意の物質を吸入して、例えば、エンド・ユーザーに利益または興奮を与えるために、使用することができる。
【0047】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、前記本体部内にヒーター回路、オーブン、および、プリント回路基板を含む電子ヒーターであって、電子ヒーターは、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された、電気ヒーター、および、温度調節器、を含む。
【0048】
幾つかの実施形態では、吸い口は分離するかデバイスに一体化される。幾つかの実施形態では、吸い口はプッシュプッシュ機構でデバイスから引っ込められる。
【0049】
幾つかの実施形態では、ヒーター回路はヒーター回路基板にはんだ付けされる。幾つかの実施形態では、電子ヒーターは、抵抗発熱体と、粘着性の気化可能な材料の気化温度をモニタし、正確に制御するように構成されたサーミスタを含む。幾つかの実施形態では、ヒーター回路は薄膜ポリイミドヒーターである。
【0050】
幾つかの実施形態では、電子ヒーターはハーメチックシールまたはダストシールによって密封される。
【0051】
幾つかの実施形態では、デバイスはリードまたはホール効果スイッチを使用する磁気制御部を含む。幾つかの実施形態では、リードまたはホール効果スイッチを使用する磁気制御部は、吸い口に一体化される。
【0052】
幾つかの実施形態において、デバイスは磁石の蓋を含む。
【0053】
幾つかの実施形態では、デバイスは、余剰な熱を分配し、低露出面温度を維持するように構成された熱伝導性のシェルを含む。
【0054】
幾つかの実施形態では、デバイスは、時間ベースまたはセンサーベースのスタンバイモード起動部を含む。幾つかの実施形態では、センサーは、加速度計または他の触覚/振動センサー、容量(タッチ)センサー、デバイスを吹かすユーザーによって、ヒーターが装着されているかどうかを検知するように構成されたサーミスタをモニタするためのセンサーを含む。
【0055】
幾つかの実施形態では、デバイスは、運転温度を制御するように構成された比例・積分・微分(PID)の制御ループを含む。
【0056】
幾つかの実施形態では、デバイスは薄壁金属加熱チャンバーを含む。
【0057】
他の実施形態において、デバイスはエアロゲル絶縁体を含む。幾つかの実施形態では、エアロゲル絶縁体は、強化繊維を備えたシリカエアロゲルを含む。
【0058】
幾つかの実施形態では、ヒーターは、熱で押圧され、超音波接合され、または、オーバーモールドされることで、高温に対応するプラスチック部品になる。幾つかの実施形態では、ヒーターは、熱で規定され(heat stated)またはスエージ加工されることで、高温に対応するプラスチック部品になる。幾つかの実施形態では、ヒーターは熱でスエージ加工されることで、高温に対応するプラスチック部品になる。
【0059】
幾つかの実施形態では、デバイスは、充電器にデバイスを接続するように構成された磁荷コネクタをさらに含む。
【0060】
幾つかの実施形態において、デバイスは、単一のボタン・インタフェースを含む。
【0061】
幾つかの実施形態では、粘着性の気化可能な材料は除去可能なポッド内にある。幾つかの実施形態では、除去可能なポッドは、約2ミクロン未満の粘着性の気化可能な材料の粒子を含む。幾つかの実施形態では、除去可能なポッドは、約2ミクロン未満の粒径から本質的になる粘着性の気化可能な材料を含む。
【0062】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター、バッテリー、温度調節器、および、単一のボタン・インタフェース、を含む。典型的なデバイス(100)が
図1で例証され、該デバイスは、オン、オフ、および、スリープ機構からの起動のための単一のボタン・インタフェース(102)、および、PCB(104)とバッテリー(103)(例えば、LiPoバッテリー)にはんだ付けされたヒーター回路(105。尾部を示す)を含んでいる。
図1で示されているように、本体部の外側半分(101)は、デバイスを保持し保護するためにカチッと噛み合わせる。いくつかの例では、外側の本体部は1つの部品として成型される。幾つかの実施形態では、単一のボタン・インタフェースは、オンにする、オフにする、および、スリープから起こすための機構を提供する。他の実施形態では、追加のボタンがこれらの機能のいずれかに含まれる。例えば、1秒間単一のボタンを押すことでデバイスをオンにする。5秒間ボタンを押し続けると動作に基づいた低消費電力スタンバイを無効にし、自動的に電源を切る。あるいは、第2のボタンは、動作に基づいた低消費電力スタンバイを無効にし、および/または、電源を切るために用いることができる。ユーザーがテーブルの上に置いたままデバイスを冷却させたくないときは、例えば、ユーザーはこのオーバーライドを使用することができる。幾つかの実施形態では、起動後、単一のボタンが非常に長い間(10秒以上)押されると、デバイスは再度電源を切る。これは財布の中などで不注意な起動を防ぐためである。オンの時に、ボタンを瞬間的に押すと電源が切れる。幾つかの実施形態では、単一のまたは1つ以上のボタンは、バッテリーの残量を(例えば、LEDの明滅を介して)報告し、デバイスの運転温度を変更し、または、ユーザーが暗環境にいて光に気を散らされたくない場合、LEDの名目上の強度を変更することができる。これらの様々な特徴は、指示された押す時間または押す回数、1以上のボタンまたは同じボタンを押すことによって、1以上のボタンまたは同じボタンによって引き起こされることがある。
【0063】
本明細書に記載されるように、電子ヒーターは、吸入可能なエアロゾルを生成すべく、粘着性の気化可能な材料を加熱するために、ヒーター回路、オーブン、およびプリント回路基板を含む。ヒーター回路はフレキシブルであってもよい。幾つかの実施形態では、フレキシブルヒータ回路は、銅またはコンスタンタンで被覆したポリイミド膜から典型的にエッチングされる。幾つかの実施形態では、フレキシブルヒータは、コンスタンタンまたは銅の薄いシートを打ち抜く(ダイカットする)ことにより構築される。この場合、ヒーター回路は、高温で安定しているポリイミドまたは他の適切な絶縁体を使用して、アセンブリ内の隣接する導電素子から電気的に絶縁されなければならない。ヒーター回路は取り付けられたオーブンを加熱し、オーブンは熱伝導によってカートリッジまたは活性物質を加熱する。抵抗性のヒーター回路は電流が内部を通過すると熱くなる。熱はその後、回路からオーブンの壁に伝わる。熱伝導はオーブンの壁からカートリッジまたは活性物質へと続く。熱は対流と放射によってオーブンの壁から活性物質またはカートリッジへと移るが、ほとんどの移動は伝導によって生じることに注意する。
【0064】
幾つかの実施形態では、デバイスは、オン、オフ、スリープからの起動の機構のための1以上のボタン・インタフェースと、PCBにはんだ付けされたヒーター回路とを含む。
【0065】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;バッテリー、温度調節器、および、バッテリーの電源を節約するように構成された時間またはセンサーベースのスタンバイ起動部、を含む。幾つかの実施形態では、デバイスは、バッテリーの電源を節約するために、時間またはセンサーベースのスタンバイ起動部を含む。これは、同様に/代替的に、スタンバイモードと呼ばれることもある。スタンバイモードは、同様に/代替的に、スリープまたはスリープモードとも呼ばれることもある。時間、移動または移動の欠如、充電台での位置(例えば、垂直)または配置に基づく不使用後、あるいは、これらのいずれかの任意の組み合わせ後に、デバイスは、少なくともバッテリー電源を節約するために、スリープモード(スタンバイモード)に切り替わるようにプログラムされる。デバイスは、移動(例えば、垂直から水平、水平から垂直、または、ユーザーがデバイスを拾い上げたことを指示する移動)、充電台からの取り外し、ユーザータッチ、デバイスを吹かすユーザー、あるいは、デバイス上の任意のボタン(またはその任意の組み合わせ)を押すことによる起動、のいずれかにおける変化によって、このスタンバイモードまたはスリープモードから解除されてもよい。スタンバイモードで長時間経つと、デバイスは電源が切れ、ユーザーがデバイス上のボタンを押すことによって、実施形態によっては、ユーザーがデバイスを吹かすことによって、解除されるおよび/または電源が入る。そのような実施形態では、デバイスを移動させるか、あるいは、充電台からデバイスを取り除くだけでは、いったん電源が切れたデバイスを作動させない。他の実施形態では、デバイスを移動させるか、あるいは、充電台からデバイスを取り除くことで、デバイスはオフ状態またはスタンバイモードからオンになる。
【0066】
幾つかの実施形態では、スタンバイモードは、デバイスの調節温度を低下させることによってバッテリー電源を節約する。例えば、ユーザーがデバイスを吹かすかどうかに関わらず、デバイスによって生じた熱の大部分は環境で失われる。したがって、デバイスがスタンバイで費やす時間を最大限にし、スタンバイ状態でいる間に内部温度を最小化することで、電力が節約される。しかしながら、デバイスがスタンバイから目覚めると、ユーザーに対して一服する経験が中断されないという印象を与えるために、デバイスは主要な運転温度に可能な限り迅速に戻ることが望ましい。したがって、釣り合った状態が確立されなければならない。例えば、現在の電子カートリッジに基づいたデバイスでは、主要な運転温度は165℃であり、スタンバイ温度は150℃である。この温度差が十分に小さいことから、ユーザーがスタンバイ状態からデバイスを作動させる場合、ユーザーが一服を始める時間までには、ヒーターには温度を上昇させる十分な時間があり、ユーザーは、蒸気の生成がほとんどまたはまったく中断されなかったと認識する。幾つかの実施形態では、温度差は主要な運転温度およびスタンバイ温度の間で、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃、または、5℃になるように設定される。幾つかの実施形態では、温度差は、主要な運転温度およびスタンバイ温度の間で、30℃から5℃までの任意の温度になるように設定される。
【0067】
他の実施形態において、バッテリーは使い捨てのバッテリーである。他の実施形態において、バッテリーは充電式電池である。特定の実施形態では、充電式電池は、鉛-酸、ニッケル-カドミウム(NiCd)、ニッケル金属水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)、リチウムイオンポリマー(Li-ionポリマーまたはLiPo)などである。
【0068】
充電式電池、蓄電池(storage batteryまたはaccumulator)は、電池の種類である。電池は1つ以上の電気化学電池を含み、エネルギー蓄積器の一種である。それは、その電気化学反応が電気的に可逆的であるため、二次電池として知られている。充電式電池には、ボタン電池から、配電網を安定させるために接続されたメガワットシステムまでに及ぶ、多くの異なる形状および大きさがある。化学物質のいくつかの異なる組み合わせが一般に用いられ、次のものを含む:鉛-酸、ニッケル-カドミウム(NiCd)、ニッケル金属水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)、および、リチウムイオンポリマー(Li-ionポリマー、Li-poly、Li-pol、Lipo、LIP、PLI、または、Lip)。
【0069】
デバイスは、デバイス内部に含まれる製品をエアロゾル化するために十分に高い温度を作り出すことができる。典型的なデバイスは、吸い口と、ヒーター、オーブンチャンバー、LiPoバッテリー、および運転温度を維持するための制御装置を有する本体部とを含むことができる。ユーザーに選択された温度は、上に記載されたように、このシステムに対する入力として使用することができる。幾つかの実施形態では、温度はあらかじめ設定することができる。デバイスの運転温度調節器の例は、二金属のアクチュエーターを含んでいる。代替的に、システムは現在の温度を測定するために使用することができ、例えば、熱電対センサーとともに用いることにより現在の温度と所定の温度を比較することができ、例えば、マイクロコントローラとともに用いることにより、電気化学バルブ(例えば、サーボバルブまたはソレノイドバルブ)を制御することができる。ユーザーが選択した温度は、上に記載されたように、このシステムに対する入力として使用することができる。典型的には、デバイスの運転温度はせいぜい200℃である。
【0070】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;バッテリー、温度調節器、および、温度制御ループ、を含む。特定の実施形態において、制御ループのためにはんだ付けされたサーミスタ素子を含むヒーターが供給される。特定の実施形態では、デバイスは、運転温度を制御するためにPID(比例・積分・微分の)の制御ループを含む。制御ループは、デバイスにとって所望の設定値温度を正確に調節する役目を果たす。デバイスの設計と用途によって、設定値温度は、実施形態によっては固定され、他の実施形態では、設定値温度はユーザーが選択することができる。設定値は、デバイスの操作中に劇的に変化することがある。例えば、スタンバイモードでは、設定値は特定の量だけ低下する。幾つかの実施形態では、制御ループのための入力部は一般的に、ヒーター回路上にまたは該回路に隣接して位置するサーミスタである。このサーミスタはマイクロコントローラにつながっており、マイクロコントローラはA/D測定を行ない、結果として生じる値がPID制御変数を計算する際に使用される。その後、制御変数は、ヒーター回路のデューティサイクル(および結果として生じる出力)を設定する。
【0071】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内のヒーター回路を含む電子ヒーター、および、温度調節器、を含み、単一のバッテリーがデバイスを作動させることができるように、ヒーター回路は抵抗性が低い。幾つかの実施形態では、ヒーター回路は抵抗性が低いため、デバイスを作動させるために単一のバッテリーが使用されてもよい。幾つかの実施形態では、ヒーター回路の出力が許容可能な加熱時間内に所定の運転温度に達するほどに十分に高くなるように、および、デバイスを吹かすユーザーによるシステムの負荷に耐えることができるように、ヒーター回路の抵抗は選択される。概算は以下の関係式によって提供される:R=V^2/P,式中、Vは負荷の下でのバッテリー電圧であり、Pはヒーターの所望のワット数であり、Rはヒーター回路抵抗である。
【0072】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;バッテリー、温度調節器、を含み、電子ヒーターはハーメチックシールまたはダストシールによって密封される。
図2で示されるように、例証的なデバイス(200)は、カプセル(すなわち、ポッド)の密封された蓋に穴を開ける薄壁ステンレス鋼管(210)を含む。例証されたデバイス内の薄壁のステンレス鋼管(210)(例えば、金属性の「オーブン」)は、熱で押圧され(例えば、ヒートステークされ、または、熱でスエージ加工され)、超音波接合され、または、オーバーモールドされることで、高温に対応するプラスチック部品になる。そのプロセスは、ハーメチックシールまたはダストシール(気密シール)(240)を形成し、これは、周囲のほこりがデバイスの内部チャンバーに入るのを防ぎ、内部絶縁材料からのほこりがデバイスから出たり、加熱チャンバーに入ったりするのを防ぐ。プラスチック部品は、高温安定性を提供する任意の熱可塑性材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、プラスチック部分は、硫化ポリフェニレン(PPS(商品名Ryton))、ポリエーテルイミド(PEI(商品名Ultem))、液晶ポリマー(LCP)などを含む。特定の実施形態において、プラスチック部分はPPSである。PPSはその一般的な優れた成形性ゆえに使用される。
【0073】
幾つかの実施形態では、オーブンは、ヒートステークまたは熱でスエージ加工されることで、高温に対応するプラスチック部品になる。本明細書で言及しているように、ヒートステークにより、材料は嵌合縁部の周囲のまわり全体に形成される。ヒートステークにより、形成された金属製のオーブン内の穴を通って挿入される数本の熱可塑性の柱ができ、柱は加熱されることで一種の「リベット」を形成する。特定の実施形態において、オーブンは熱でスエージ加工されることで、高温に対応するプラスチック部品になる。幾つかの実施形態では、オーブンは接着剤を用いてプラスチック部品に接合される。特定の実施形態では、接着剤は、柔らかくなったり、オフガスになったりしないように、高温で安定している。幾つかの実施形態では、オーブンは、圧着によるネジ接続(crimp threaded connection)、圧入などを用いて、機械的な機構によってプラスチック部品につなげられる。任意の機械的な接合については、幾つかの実施形態では、ダストシールが確実に形成されるように、o-リングが2つの部品の間で使用される。この接合点での熱の伝達を最小化することが重要である。なぜなら、このようにして、多くの熱がデバイスの外部ケーシングに伝達される(したがって環境に失われる)からである。
【0074】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;温度調節器、および、エアロゲル絶縁体、を含む。幾つかの実施形態では、エアロゲル絶縁体はエアロゲルブランケット(aerogel blanket)である。幾つかの実施形態では、デバイスは、効率および低露出面温度を維持するために、エアロゲルブランケット(
図2に示されず。
図5を参照)を含む絶縁チャンバ(220)を含む。幾つかの実施形態では、エアロゲルは、強化繊維を備えたシリカエアロゲル(例えば、Pyrogel 2250 フレキシブルエアロゲルブランケット)であってもよい。
【0075】
本明細書で提供されるように、用語「エアロゲル」は、ゲルの液体要素がガスと置き換えられたゲルに由来する合成多孔物質を指す。その結果として、非常に低密度かつ低熱伝導度を備えた固体である。エアロゲルは、熱伝達の3つの方法(対流、伝導、および放射)をほぼ無効にするので、優れた断熱材である。エアロゲルはほぼ完全にガスからできており、ガスは非常に貧弱な熱導体であるため、エアロゲルは優れた導電絶縁体である。シリカも脆弱な熱伝導体であるため、シリカエアロゲルはとりわけ優れている(他方で、金属のエアロゲルはさほど有効ではない)。エアロゲルは、空気が格子を通って循環することができないため、優れた対流阻害物である。シリカエアロゲルは、エアロゲルの最も一般的なタイプであり、もっとも広範囲に研究され使用されている。それはシリカゲルに由来する、シリカベースの物質である。カーボンエアロゲルは、ナノメーターの範囲の大きさを備えた粒子からできており、 ともに共有結合される。それは、非常に高い多孔度(50%以上。孔径100nm未満)と、400-1,000m2/gの間に及ぶ表面積を有している。酸化アルミニウムで作られたエアロゲルは、アルミナエアロゲルとして知られている。これらのエアロゲルは、特にAlとは異なる金属で「ドープされる」と、触媒として使用される。ニッケル-アルミナエアロゲルがもっとも一般的な組み合わせである。
【0076】
幾つかの実施形態では、デバイスは、機械的な取り付けと、充電台へのバッテリー充電管(battery charging conduit)(図示せず)の両方として使用される、2つの磁石(230)(例えば、金めっきした希土類磁石など)を含む。磁石は、充電台においてデバイスを適所に保持するほどに十分に強力である必要がある。幾つかの実施形態では、磁石はNdFeB、グレードN42を含む。幾つかの実施形態では、磁石は6128ガウスの表面場を有する。ポッド(270)は、ポリイミド薄膜ヒーターとその外部に適用されたサーミスタを有するオーブンへと挿入される。ポリイミド薄膜ヒーターは、非常に優れた引っ張り強さ、引き裂き抵抗、および、寸法安定性を提供する、薄く、高誘電体で、軽量の有機ポリマー膜から構成される。
【0077】
したがって、吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター、温度調節器、および、磁荷コネクタ、を含む。
【0078】
幾つかの実施形態では、デバイスで使用されるバッテリーは、デバイスの繰り返しの使用のための単一の電池LiPoバッテリー(例えば、18-650の大きさ、2600mAhのリチウムイオン単一電池、または、14-650の大きさ、940mAhのリチウムイオン単一電池)である。幾つかの実施形態では、デバイスに使用されるバッテリーは、18-650の大きさ、2600mAh、あるいは、14-650の大きさ、940mAhの他の適切な充電バッテリーである。デバイスは、(どの大きさの充電式バッテリーが用いられるかに依存して)10、20、30、40、50、60まで、または、それ以上の用途に使用することができる。幾つかの実施形態では、デバイスは60以上の用途に使用することができる。デバイスは、1、2、3、4、5、6、7または8時間まで、あるいは、それ以上の連続的または非連続的な用途にも使用することができる。デバイスとともに使用するためのカートリッジは、各々の使用の後に処分することもでき、あるいは、複数の用途に使用することもできる。デバイスの長く継続する使用は、ユーザーにデバイスを修理したり、定期的にバッテリーを充電したりする必要がないという利点を与える。
【0079】
一般的に、デバイスの運転温度はせいぜい200℃である。多くの場合、製品をエアロゾル化するのに必要な温度は、約100~200℃の間である。幾つかの実施形態では、製品をエアロゾル化するのに必要な温度は約150℃である。ひとたびデバイス内の製品がエアロゾル化されると、エアロゾル化された製品は吸い口を介してユーザーに提供される。多くの場合、典型的なデバイスは、たばこ、パイプ、または葉巻用パイプのなどの喫煙デバイスを手本とするように設計される。
【0080】
図3では、典型的なデバイス(300)は分離式の吸い口(310)設計物を含み、その半分は取り外し可能であり、デバイスの外形に一致する。幾つかの実施形態では、吸い口は希土類磁石を備えた本体部に取り付けられる。幾つかの実施形態では、吸い口はプラスチックの戻り止めまたは他の機構を備えた本体部に取り付けられる。
【0081】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;および、温度調節器、を含み、吸い口はデバイスに一体化される。幾つかの実施形態では、吸い口は、ヒンジまたは他の機構(紐など)でデバイスに一体化される。特定の実施形態では、吸い口は、加熱チャンバーを見えるようにするために、回転するまたはスライドする。特定の実施形態では、吸い口は、掃除または交換のために取り付け機構から完全に分離されるが、デバイスには再度接続する(「取り外し可能なように捕らえられる」)。幾つかの実施形態では、デバイスはさらに、磁荷接触部(312)と、LED照射型「ハロー」インジケータを備えた触覚ボタンとを含む。インジケータは、デバイスの状態に関する情報を報告する。幾つかの実施形態では、のこぎり歯のパターンは、それが熱くなっていることを示す。幾つかの実施形態では、一様なパターン(solid pattern)は、設定値温度に到達しており、ユーザーがデバイスを吹かすことができることを示す。バッテリーが非常に低い場合、幾つかの実施形態では、LEDインジケータは、複数回(例えば5回)点滅し、その後、デバイスは電源が切れる。幾つかの実施形態では、デバイスを振っている間、動きセンサーがこれを検知し、LEDは、現在のバッテリーレベルを示す。例えば、充電が完了すれば3回点滅し、ある程度充電すれば2回点滅し、充電が少なければ1回点滅する。デバイスはその後、正常運転を再開する。デバイスが充電台に置かれるとき、幾つかの実施形態では、のこぎり歯パターンは、現在充電中であることを示す。特定の実施形態では、充電が完了すると、LEDは一様になる。幾つかの実施形態では、エラー状態も報告することができる。内部の故障が測定されると、インジケータは10回点滅し、デバイスはひとりでに電源が切れる。
【0082】
幾つかの実施形態では、デバイスは、除去可能なポッドを取り付けおよび/または該ポッドに挿入することができる取り外し可能な吸い口を含む。吸い口は、除去可能なポッドを露出するために、4分の一回転して外される。除去可能なポッドは、タバコおよび/または吸入可能なエアロゾルを生成するために使用される他の植物製品を含む。ポッドは、実施形態によっては、直径約2ミクロン未満の粒子を含む。幾つかの実施形態において、ほぐれた葉タバコおよび他の植物製品(ポッドはない)などの粘着性の気化可能な材料とともに使用するための気化デバイスが提供される。
【0083】
図4は、プッシュプッシュ機構を備えたデバイスから引っ込められる吸い口(410)を備えた典型的なデバイス(400)を実証する。これは、吸い口に埋め込まれた磁石とPCB上のホール効果センサーを介してデバイスをオンにする。デバイスはLEDインジケータ(460)(など)と、単一ピースの押出成形されたアルミニウム外部本体部とを含む。幾つかの実施形態では、LEDインジケータは、三色(RGB)である。幾つかの実施形態では、LEDインジケータは多くの色を表示する。例えば、加熱時、インジケータは紫に光る。ひとたび設定値温度に到達すると、インジケータは緑に光る。スタンバイ中は、それは青く光る。デバイスを振ると、バッテリーインジケータは3回点滅し、色が充電レベルを決定する:充電が完了すれば緑、ある程度充電されると黄色、充電が少なければ赤である。吸い口がデバイスから完全に取り外されると、デバイスはすぐに加熱をやめ、LEDは現在のユーザーが選択可能な温度設定:高温では赤、中温ではオレンジ、低温では黄色を示す。吸い口を取り外すことで露わになる「温度設定ボタン」を押すことにより、ファームウェアの温度設定を循環させ、新しい設定がLEDに反映される。吸い口を再挿入すると、デバイスは通常の加熱運転に戻る。充電中、LEDは一様にオレンジである。充電が完了すると、LEDは一様に緑になる。他の実施形態と同様に、LEDは、点滅することで、および/または、特徴的な色の点滅によって、エラー状態を報告することができる。上記の色は、本発明の実施に従って任意の色に変更されてもよい。
【0084】
幾つかの実施形態では、デバイスは、プッシュプッシュ機構で、前記デバイスから引っ込む吸い口を含んでいる。幾つかの実施形態では、プッシュプッシュ機構も、吸い口に埋め込まれた磁石と、PCB(プリント回路基板)上のホール効果センサーによって、デバイスをオンにする。当業者は、適切なセンサーでデバイスをオンにするために、他の適切な機構を容易に認識するであろう。
【0085】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;および、温度調節器、および、引っ込められた位置と「オン」の位置との間で吸い口をトグルで留めるように構成されたプッシュプッシュ機構、を含む。
図4の典型的なデバイスの内部の図が
図5に示される。プッシュプッシュ機構を含むそのような実施形態では、デバイスは、気化チャンバー蓋(576)(吸い口(510)の反対側)を含む。デバイスは、ポリイミド薄膜回路ヒーターが適用された、深絞り成形したステンレス鋼加熱チャンバー(524)(「オーブン」)を含む。吸い口を引っ込めるためのプッシュプッシュ機構は、キャッチ用溝(534)とトグルスライダ(509)とともに、圧縮ばね(513)、板ばね(512)、および、吸い口(510)に取り付けられたステンレス鋼管(511)からなる。リードスイッチ/ホール効果センサー(533)は、吸い口が挿入されているかどうかを検知するために組み込まれる(デバイスは動作しない)。吸い口を「オン」の位置まで伸張するために、ユーザーは吸い口(510)を押す。吸い口は管(511)に取り付けているため、この作用は圧縮ばね(513)を圧縮する。この作用により、板ばね(512)が管の軸から離れ、トグルスライダ(509)の外径上へと動く。その後、ユーザーが吸い口を解放すると、圧縮ばねは、吸い口と管のサブアセンブリをデバイスから外側に押し出す。板ばねの傾斜のついた蓋はトグルスライダに引っ掛かり、それによって、スライダは、管の肩に達するまで管上を移動する。この点で、吸い口はデバイスから伸び続け、板ばねはこのときトグルスライダに沿って擦り、管の外径の肩部に沿って続いていく。それは径が等しく、したがって何の抵抗ももたらさない。管のキャッチ用溝が板ばねの蓋と交差すると、吸い口は停止し、伸長した「オン」の位置にある。「オン」の位置から吸い口を押すことで、吸い口を引っ込められた位置に動かすためにプッシュプッシュ機構が用いられる。プッシュプッシュ機構はこのように、「オン」の位置、または、吸い口がデバイスの本体部から伸長するような伸長位置と、引っ込められた位置との間で吸い口をトグルで留めるように構成される。幾つかの実施形態において、引っ込められた位置では、吸い口は完全にデバイスの本体部の内部にある。幾つかの実施形態において、引っ込められた位置では、吸い口は完全にデバイスの本体部の内部にあるが、デバイスの開放端部で露出する。幾つかの実施形態では、引っ込められた位置では、吸い口は、吸い口の一部がデバイスの本体部から端部を越えて伸長するように、デバイスのほぼ本体部内部にある。
【0086】
温度調節器(二金属ディスクまたは他の調節器)が、温度がもっとも重大な意味を持つ領域に(オーブンで)近接して配されるため、多くのデバイスは温度調節スキームを使用している。温度選択ボタン(535)、PCB(504)、潜在的なエアロゲルのほこりを制御するOリング・シール(526)、および、エアロゲルブランケットを含む絶縁チャンバ(525)を参照する。関連技術は一般的に、フローバルブに温度感受性の部品を置いているが、それは、冷温の膨らんだ燃料ガスの影響を容易に受けかねず、気化チャンバーと最小限にしか密接に接触していない。関連するデバイスおよび方法の例は、米国特許出願第11/485,168号(特許出願1)、米国特許第4,819,665号(特許出願2)、米国特許第4,793,365号(特許出願3)、米国特許第5,027,836号(特許出願4)、および、国際出願WO2006/082571号(特許出願5)に記載されている。典型的なデバイスの調節スキームは、オーブンのスイッチをねじるだけで、特定の温度に合わせるものであってもよい。
【0087】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;温度調節器、および、視覚的なインジケータ、聴覚的なインジケータ、および/または、振動によるインジケータを備えた、ボタン作動式の温度選択部、を含む。幾つかの実施形態では、デバイスは、視覚的なインジケータ、聴覚的なインジケータ、および/または、他の体感出力(例えば、振動)を含む、ボタン作動型の温度選択部を含む。幾つかの実施形態では、触覚(機械的)スイッチは、マイクロコントローラへの入力として使用され、これは、そのソフトウェアを介して、(例えば、視覚的なLED、聴覚的なLED、振動などによって)ユーザーに変更を示し、デバイスの設定値温度を変更する。スイッチは容量性、抵抗性などでもあってもよい。
【0088】
幾つかの実施形態では、気化デバイスは、薄壁金属加熱チャンバー(またはオーブンチャンバ)を含む。薄壁は低熱量としたがって迅速な始動を可能にする。デバイスが、ポッド(またはカートリッジ)中にこのような壁を含むことなく粘着性の気化可能な材料を直接使用する場合、用語「加熱チャンバー」、「オーブンチャンバー」、および、「気化チャンバー」は交換可能なように使用される。ポッドまたはカートリッジを含むデバイスについては、用語「加熱チャンバー」または「オーブンチャンバー」は、交換可能なように使用される。
【0089】
吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、気化チャンバー;粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;温度調節器、および、気化チャンバーを覆うように構成された磁石の蓋、を含む。
図6の典型的なデバイス(600)では、典型的な磁気的に取り付けられる気化チャンバー蓋(676)が示されている。蓋(676)は名目上は、デバイスの本体部に完全に埋め込まれている。これは、ユーザーのポケット、財布などで蓋が不注意に取り外されるのを防ぐためである。蓋を取り外すためには、ユーザーは、楕円形の蓋の片側面に指を押しつける。蓋の裏面は面取りされており、これにより、蓋の反対側が軸を中心に回転して上がる。2つの希土類磁石は、その短い軸に沿って蓋のいずれかの側に埋め込まれる。2つの嵌合する磁石が対応する点でデバイスの本体部に埋め込まれる。これらの磁石は「ヒンジ」を形成し、その周りで、蓋は回転することができる。ひとたび蓋が回転すれば、磁力に打ち勝って蓋を完全に取り外すことは比較的容易であり、それによって、気化チャンバーにアクセスすることが可能となる。幾つかの実施形態では、気化チャンバーの蓋は、ねじ式、スナップ式などの他の機構によって取り付けられる。したがって、実施形態によっては、デバイスは、蓋が偶発的に開くのを防ぐべく蓋をその閉位置に留めるために、磁石取り付け具またはスナップ取り付け具を用いる傾斜した蓋を含む。吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター;温度調節器、および、蓋をその閉位置で維持するように構成された、および/または、蓋が偶発的に開くのを防ぐように構成された、磁石取り付け具またはスナップ取り付け具を含む傾斜した蓋、を含む。
【0090】
当業者は、バッテリーを充電するためにエネルギー供給源を容易に使用するであろう。例えば、
図7では、USB充電ケーブル(734)を備えたUSB充電器(724)が示されている。幾つかの実施形態では、エネルギー供給源は壁掛け式の充電器である。幾つかの実施形態では、エネルギー供給源は車の充電器である。幾つかの実施形態では、エネルギー供給源は携帯充電器である。特定の実施形態では、エネルギー供給源は、ソーラー式充電器、風力発電式充電器、あるいは、他のグリーンエネルギーを利用した充電器を含む。
【0091】
幾つかの実施形態では、デバイスは、余剰な熱を分配し、低露出面温度を維持するために、熱伝導性のシェルを含む。幾つかの実施形態では、熱伝導性のシェルは、低比熱であるが高い熱伝導度を有する材料から作られる。幾つかの実施形態では、熱伝導性のシェル内の材料の構造は、シェルの温度が、華氏140度未満、華氏130度未満、華氏120度未満、華氏110度未満、華氏100度未満、華氏140度以下、華氏130度以下、華氏120度以下、華氏110度以下、華氏100度以下、華氏98.6度以下、華氏90度以下、室温以下、華氏約140度以下、華氏約140度以下、華氏約130度以下、華氏約120度以下、華氏約110度以下、華氏約100度以下、皮膚が2秒間触れるとやけどする温度以下、皮膚が5秒間触れるとやけどする温度以下、皮膚が10秒間触れるとやけどする温度以下、および/または、およそ室温になるようなものである。この組み合わせは、熱がすぐに拡散するが、握ったときに手に吸収される十分な熱はないことを意味している。幾つかの実施形態では、熱伝導性のシェルはアルミニウムなどで作られる。吸入可能なエアロゾルを生成するためのデバイスが本明細書で提供され、該デバイスは、吸い口、本体部、粘着性の気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された前記本体部内の電子ヒーター、余剰な熱を分配し、低露出面温度を維持するように構成された熱伝導性のシェル、および、温度調節器、を含む。
【0092】
USB充電器によって充電された典型的なデバイスの内部図が
図8に示されている。デバイスは、希土類磁荷ベースのインタフェース(824)を含む充電器台(827)(典型的なUSB充電器)を含んでいる。バッテリー(803)(例えば、Li-ionバッテリー)は、バッテリー端子と接触するために下まで続いているフレキシブルPCB(804)の力を借りて充電される。同様に、気化温度をモニタし、および、正確に制御するために、ボタン(802)、加速度計(816)、エアロゲル(814)、および、サーミスター(815)も示されている。吸い口は点(844)および(845)から本体部に取り付けられる。本明細書に記載される、または、当業者に知られている吸い口の様々な実施形態が用いられてもよい。
【0093】
ユーザーによってエアロゾル化され吸入されることができる任意の材料は、当業者に明らかとなるように、本発明のデバイスまたはカートリッジへ組み込まれてもよい。材料が、呼吸器内の触覚応答の観点で、または、吸入される材料の放出に関して視覚フィードバックの観点のいずれかで、ユーザーに経験をもたらすことはとりわけ興味深い。例えば、多くの材料は本発明との使用が企図されており、限定されないが、タバコ、天然または人工の風味材料、コーヒーの出し殻またはコーヒー豆、ミント、カモミール、レモン、ハチミツ、茶葉、ココア、および、他の植物製品に基づいた他の非タバコ代替物を含む材料を含んでいる。本発明のデバイスまたはカートリッジは、医薬用途または娯楽用途のいずれかで、医薬化合物または合成化合物とともに使用するための適合性を有し得る。比較的低温で、かつ、有害な分解産物なく気化(または揮発)可能な任意の化合物は、本発明のカートリッジまたはデバイスとともに使用するのに適している。化合物の例としては、限定されないが、メントール、カフェイン、タウリン、および、ニコチンが挙げられる。
【0094】
植物製品に含まれる活性成分は、様々な温度で気化する。デバイスは、例えば、特定の製品を気化する目的で、単一の安定温度を確立するために調整することができる。制御装置も様々な温度設定を選択するために使用することができる。ユーザーは、カートリッジのタイプに基づいてどの設定が使用されるのかを決める。制御装置は、バルブの流速を変更するなどして機械的に、あるいは、電気機械バルブおよびマイクロコントローラ中間物などによって電気的に、所望の温度にも影響を与えることができる。例えば、本発明のデバイスの運転温度を変更するために、オーブンチャンバーは、二金属ディスクなどの温度調節器に対して移動させることができる。
【0095】
ここで、タバコまたはタバコ材料は、娯楽用途または医薬用途で気化することができる天然および合成の材料の任意の組み合わせとして定義される。本発明の1つの実施形態では、カートリッジは、乾燥したタバコ、グリセリン、および調味料を使用して調製することができる。タバコ製品製造業の当業者は、タバコ、葉巻きなどに使用されたこれらの材料やその他の成分に精通している。タバコをみじん切りにして(例えば、2mm未満の直径、好ましくは1mm未満直径)、他の成分を加え、稠度だけでも達成されるまで混合することによって、カートリッジを作ることができる。別の実施形態では、カートリッジは、充填材料をペースト状の稠度(例えば、1mm未満の粒径)にまで処理することで調製することができ、これは、例えば、オーガー・フィラー(auger filler)、蠕動ポンプ、またはピストンポンプを使用することによって、カートリッジの充填を容易にする。
【0096】
好ましくは、本発明のデバイスとともに使用する材料、または、本発明のカートリッジ内部に含まれる材料は、蒸気形成媒体、および、ユーザーの呼吸器で触覚応答をもたらす媒体の少なくとも1つを含む。デバイスに挿入される材料からエアロゾル化された製品は、気相ガスと、気相から凝縮してガス/空気の混合物中に懸濁したままである小滴との組み合わせであり得る(後者は、吸入された物質の目に見える部分を構成する)。
【0097】
プロピレングリコール(PG)、グリセリン、または両方の組み合わせが、蒸気形成媒体として使用することができる。他の蒸気形成媒体は、本発明のカートリッジおよびデバイスと共に使用することができる。蒸気形成媒体は、加熱時、煙のような蒸気などの目に見える蒸気を生成する役目を果たす。この蒸気は、吸入前、および、媒体の蒸発中に視覚化され得る。PGが、同等の温度ではるかに高い蒸気圧を示し、低温でもデバイスを動作させることを可能にするため、PGはグリセリン単独と比較して幾つかの利点を備えている。運転温度を下げることでエネルギーが蓄えられ、潜在的には、このシステムを使用する健康上の利益をさらに改善することがある。
【0098】
ユーザーは周囲の絶縁特徴物によって熱い内部要素に触れずに済む。典型的なデバイスは、ユーザーが、デバイスの熱い部分に必ずしも触れることのないようにする絶縁体を含むことができる。より大きな熱絶縁能力が好ましく、その結果、デバイスは可能な限りもっとも優れた効率で動作を行う一方で、ユーザーにとって重要な態様は比較的冷たい表面温度を知覚することである。デバイスの温度に関して、ユーザーの知覚に対処するために様々な戦略を用いることができる。デバイスは、外部での使用のための十分な耐久性を有する断熱材で包まれてもよい。この目的のための材料は、低熱伝導度および低熱容量(比熱)を有する。これらの特性の組み合わせにより、ユーザーの指に熱はほとんど伝わらない。低熱伝導度と低熱容量を備える材料の例としては、いくつかのポリマーおよびセラミックスが挙げられる。個別の戦略は、ユーザーが高温領域に直接触れるのを防ぐ絶縁体特徴を用いることである。これは、知覚される熱をさらに減らすために、ユーザーの指とデバイスの接触領域を最小化することができる。絶縁体特徴の熱伝導度および比熱は可能な限り低くなければならない。
【0099】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されていることが当業者には明らかであろう。多くの変更、変化および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者の心に思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替物が本発明を実行する際に用いられてもよいことが理解されよう。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法および構造は、それによって包含されるものであるということが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生成するデバイスであって、
本体部と、
気化可能な材料を加熱し、吸入可能なエアロゾルを生成するように構成された、前記本体部内の電子ヒーターと、
前記本体部内の温度調節器と、
前記デバイスをオンにするため、および、前記デバイスの運転温度を変更するために操作可能な単一のボタン・インタフェースと、
を含む、デバイス。
【請求項2】
温度選択の視覚的なインジケータ、温度選択の聴覚的なインジケータ、および/または温度選択の振動によるインジケータを含む、請求項1記載のデバイス。
【請求項3】
前記吸入可能なエアロゾルの加熱効率を維持するように、および、前記本体部の低露出面温度を維持するように構成されたエアロゲル絶縁体を更に含む、請求項1または2記載のデバイス。
【請求項4】
スタンバイモード、オンモードおよびオフモードを含む3つの運転モードを有し、
前記スタンバイモードは、スタンバイ運転温度を有し、
前記オンモードは、設定運転温度を有し、
前記スタンバイ運転温度は、前記設定運転温度よりも5~30℃低い、
請求項1から3のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスの移動の欠如、前記デバイスの位置、前記デバイスの充電器への設置、またはこれらの組み合わせに基づき、前記デバイスの不使用を検知するために動作可能なセンサーを含み、前記センサーによるそのような不使用の検知に応じて、前記オンモードから前記スタンバイモードへ切り替わるようにプログラムされている、請求項4記載のデバイス。
【請求項6】
前記センサーは、加速度計、容量タッチセンサーまたはその他の触覚/振動センサーを含む、請求項5記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスの、前記スタンバイモードでの長時間の運転に応答して、電源が切れるようにプログラムされている、請求項4から6のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項8】
充電器から前記デバイスが取り除かれることによって、またはデバイスの移動によって、オンになるように構成されている、請求項1から7のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項9】
LEDおよびバッテリーを含む、請求項1から8のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項10】
前記LEDは、LEDの色の変化および/または前記LEDの点滅によりバッテリーの充電レベルを示す、請求項9記載のデバイス。
【請求項11】
前記LEDは、前記オンモード、前記スタンバイモードおよび加熱モードを含むデバイスモードを示す、請求項4に従属する場合の請求項9または10記載のデバイス。
【請求項12】
前記LEDは、前記デバイスのエラー状態を示すために、点滅する、および/または色を変更する、請求項9から11のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項13】
前記単一のボタン・インタフェースは、前記デバイスの電源を切るために操作可能である、請求項1から12のいずれか1項記載のデバイス。
【請求項14】
吸い口を含む、請求項1から12のいずれか1項記載のデバイス。
【外国語明細書】