(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174522
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/04 20060101AFI20221116BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20221116BHJP
【FI】
H02K5/04
H02K11/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080367
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】000149033
【氏名又は名称】株式会社エクセディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大野 弘貴
(72)【発明者】
【氏名】村田 康介
(72)【発明者】
【氏名】下垣 好文
【テーマコード(参考)】
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
5H605BB05
5H605BB14
5H605BB17
5H605CC01
5H605GG02
5H605GG03
5H611BB06
5H611TT01
(57)【要約】
【課題】モータの軸方向の寸法を大きくすることなくプリント配線板を支持する。
【解決手段】モータ10は、ハウジング2、ステータ4、及びプリント配線板5を備える。ハウジング2は、底部23を有する。ステータ4は、ハウジング2に支持される。プリント配線板5は、底部23と間隔をあけた状態でハウジング2に支持される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部を有するハウジングと、
前記ハウジングに支持されるステータと、
前記底部と間隔をあけた状態で前記ハウジングに支持されるプリント配線板と、
を備える、モータ。
【請求項2】
前記ハウジングは、外周壁部と、前記外周壁部から径方向内側に延びる複数の台座部と、を有し、
前記プリント配線板は、前記台座部上に載置される、
請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記プリント配線板は、第1貫通孔を有し、
前記ハウジングは、前記台座部から延びて前記第1貫通孔内に挿入される支持ピンを有する、
請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記台座部は、第2貫通孔を有し、
前記支持ピンは、前記第2貫通孔内に圧入される、
請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記プリント配線板は、両面プリント配線板である、
請求項1から4のいずれかに記載のモータ。
【請求項6】
前記ハウジングは、内周壁部を有し、
前記ステータは、前記内周壁部に支持される、
請求項1から5のいずれかに記載のモータ。
【請求項7】
前記プリント配線板は、前記ステータと対向する第1面と、前記底部と対向する第2面と、前記第1面から前記第2面まで貫通するスルーホールと、を有し、
前記ステータは、コイルと、前記コイルから延びる導線を有し、
前記導線は、前記スルーホールを介して前記プリント配線板を貫通し、前記第2面に半田付けされる、
請求項1から6のいずれかに記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータは、ロータ、ステータ、及びプリント配線板を有している。特許文献1に示すようにプリント配線板は、ステータのインシュレータから軸方向に延びる係合爪によって支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように構成されたモータでは、プリント配線板を支持するためにインシュレータから軸方向に係合爪が延びているため、その係合爪の分だけモータの軸方向の寸法が大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、モータの軸方向の寸法を大きくすることなくプリント配線板を支持することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある側面に係るモータは、ハウジングと、ステータと、プリント配線板とを備える。ハウジングは、底部を有する。ステータは、ハウジングに支持される。プリント配線板は、底部と間隔をあけた状態でハウジングに支持される。
【0007】
この構成によれば、プリント配線板はハウジングによって支持されるため、インシュレータから係合爪を延ばす必要がない。この結果、モータの軸方向の寸法を大きくすることなくプリント配線板を支持することができる。
【0008】
好ましくは、ハウジングは、外周壁部と、複数の台座部とを有する。台座部は、外周壁部から径方向内側に延びる。プリント配線板は、台座部上に載置される。
【0009】
好ましくは、プリント配線板は、第1貫通孔を有する。ハウジングは、台座部から延びて第1貫通孔内に挿入される支持ピンを有する。
【0010】
好ましくは、台座部は、第2貫通孔を有する。支持ピンは、第2貫通孔内に圧入される。
【0011】
好ましくは、プリント配線板は、両面プリント配線板である。
【0012】
好ましくは、ハウジングは、内周壁部をする。ステータは、内周壁部に支持される。
【0013】
好ましくは、プリント配線板は、第1面、第2面、及びスルーホールを有する。第1面は、ステータと対向する。第2面は、底部と対向する。スルーホールは、第1面から第2面まで貫通する。ステータは、コイルと、コイルから延びる導線を有する。導線は、スルーホールを介してプリント配線板を貫通し、第2面に半田付けされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、モータの軸方向の寸法を大きくすることなくプリント配線板を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】プリント配線板が取り付けられた状態のベース部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施形態に係るモータについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、軸方向とは、ロータの回転軸が延びる方向である。また、周方向とは、回転軸を中心とした円の周方向であり、径方向とは、回転軸を中心とした円の径方向である。
【0017】
[モータ]
図1は、モータ10の平面図であり、
図2は、
図1のA-A線断面図である。
図1及び
図2に示すように、モータ10は、ハウジング2と、ロータ3と、ステータ4と、プリント配線板5とを有している。モータ10は、アウターロータ型である。このモータ10は、例えば、ハンドリフト、台車、又は無人搬送車などの搬送装置に取り付けることができる。
【0018】
[ハウジング]
ハウジング2は、ロータ3、ステータ4、及びプリント配線板5を収容するように構成されている。ハウジング2は、ベース部21と、カバー部22とから構成されている。ベース部21にカバー部22が固定されている。
【0019】
ハウジング2は、底部23、外周壁部24、内周壁部25,及び天板部26を有している。底部23は、円板状である。外周壁部24は、円筒状である。外周壁部24は、底部23の外周縁部から天板部26まで延びている。外周壁部24は、ベース部21の部分と、カバー部22の部分とに分かれている。
【0020】
内周壁部25は、円筒状である。内周壁部25は、外周壁部24に対して、径方向内側に配置されている。内周壁部25は、底部23から天板部26に向かって延びている。なお、内周壁部25は、天板部26には到達していない。すなわち、内周壁部25の先端は、天板部26と間隔をあけて配置されている。
【0021】
天板部26は、円板状である。天板部26の外周縁部から外周壁部24が底部23まで延びている。天板部26は、円筒状の突出部261を有している。突出部261は、天板部26の中央部に配置されている。突出部261は、底部23と反対側に向かって軸方向に延びている。
【0022】
図3は、ハウジング2のベース部21の平面図である。
図2及び
図3に示すように、ハウジング2は、複数の台座部27、及び複数の支持ピン28を有している。なお、本実施形態では、ハウジング2は、3つの台座部27と、3本の支持ピン28とを有している。
【0023】
台座部27は、外周壁部24から径方向内側に延びている。また、台座部27は、底部23から軸方向に延びている。台座部27は、外周壁部24及び底部23と一つの部材によって一体的に形成されている。
【0024】
各台座部27は、周方向において間隔をあけて配置されている。各台座部27の間隔は等間隔ではないが、等間隔にしてもよい。
【0025】
台座部27は、第2貫通孔271を有している。第2貫通孔271は、軸方向に延びている。支持ピン28は、台座部27から軸方向に延びている。詳細には、支持ピン28は、第2貫通孔271内に圧入されている。支持ピン28の先端部は、第2貫通孔271から突出している。
【0026】
[ロータ]
図2に示すように、ロータ3は、回転可能にハウジング2に支持されている。ロータ3は、ロータフレーム31、磁石32、シャフト33を有している。
【0027】
ロータフレーム31は、円板部311、内周ガイド部312,及び外周ガイド部313を有している。円板部311は、中央に開口部を有している。円板部311は、軸方向において、ステータ4と天板部26との間に配置されている。円板部311は、複数の貫通孔3111を有している。各貫通孔3111は、周方向において配列されている。
【0028】
内周ガイド部312は、円筒状である。円板部311の内周端部から軸方向に延びている。内周ガイド部312は、円板部311から底部23に向かって延びている。
【0029】
外周ガイド部313は、円筒状である。外周ガイド部313は、円板部311の外周端部から底部23に向かって軸方向に延びている。
【0030】
磁石32は、永久磁石である。磁石32は、ロータフレーム31の外周ガイド部313に取り付けられている。詳細には、磁石32は、外周ガイド部313の内周面に取り付けられている。磁石32は、ステータ4に対して、径方向外側に配置されている。すなわち、磁石32は、ステータ4を囲むように配置されている。
【0031】
シャフト33は、ハウジング2によって回転可能な状態で支持されている。詳細には、シャフト33は、2つのベアリング34a、34bを介して、ハウジング2に支持されている。まず、シャフト33は、ハウジング2の突出部261内に取り付けられたベアリング34aに支持されている。また、シャフト33は、ハウジング2の内周壁部25内に取り付けられたベアリング34bに支持されている。
【0032】
シャフト33は、天板部26の中央部を貫通して、ハウジング2の外部へと軸方向に延びている。シャフト33は、ロータフレーム31を支持している。シャフト33は、ロータフレーム31と一体的に回転する。シャフト33は、ロータフレーム31の内周ガイド部312に圧入されている。
【0033】
[ステータ]
ステータ4は、ハウジング2に支持されている。詳細には、ステータ4は、内周壁部25に支持されている。ステータ4は、ハウジング2内に回転不能に配置されている。ステータ4は、ステータコア41、インシュレータ42、複数のコイル43、及び導線44を有している。
【0034】
ステータコア41は、複数枚の電磁鋼板を積層することによって構成することができる。インシュレータ42は、ステータコア41を覆うように構成されている。詳細には、インシュレータ42は、ステータコア41のティース部分を覆っている。インシュレータ42は、樹脂などの絶縁性の材料によって構成されている。
【0035】
コイル43は、ステータコア41に巻かれている。詳細には、コイル43は、ステータコア41のティース部分に巻かれている。なお、コイル43とティース部分との間には上述したインシュレータ42が介在している。また、コイル43とステータコア41のヨーク部分との間にもインシュレータが介在している。
【0036】
導線44は、コイル43から底部23に向かって延びている。なお、導線44は、コイル43を構成する導線の一部である。
【0037】
[プリント配線板]
図4は、プリント配線板5を取り付けた状態のハウジング2のベース部21の平面図である。
図2及び
図4に示すように、プリント配線板5は、ハウジング2に支持されている。詳細には、プリント配線板5は、台座部27上に載置されている。このように、プリント配線板5は、ハウジング2と接触している。
【0038】
プリント配線板5は、底部23と間隔をあけて配置されている。プリント配線板5は、ステータ4と底部23との間に配置されている。
【0039】
プリント配線板5は、C字状であり、外周壁部24と内周壁部25との間に配置されている。プリント配線板5は、外周壁部24及び内周壁部25と間隔をあけて配置されている。プリント配線板5は、外周縁部に、複数の第1貫通孔51を有している。第1貫通孔51の数は、支持ピン28の数と同じである。この第1貫通孔51内に支持ピン28を挿入することによって、プリント配線板5は周方向に位置決めされる。
【0040】
プリント配線板5は、両面プリント配線板である。プリント配線板5は、第1面52、第2面53、及びスルーホール54を有している。第1面52は、ステータと対向している。第2面53は、底部23と対向している。スルーホール54は、プリント配線板5を第1面52から第2面53まで貫通している。
【0041】
導線44は、スルーホール54を介してプリント配線板5を貫通し、第2面53に半田付けされている。なお、導線44は、コイル43から第2面53まで弛んだ状態で延びている。また、支持ピン28は、プリント配線板5の第1面52に半田付けされている。
【0042】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0043】
変形例1
上記実施形態では、支持ピン28は、台座部27の第2貫通孔271に圧入されているが、支持ピン28の構成はこれに限定されない。例えば、支持ピン28は、台座部27と一つの部材によって一体的に形成されていてもよい。
【0044】
変形例2
上記実施形態では、支持ピン28は、プリント配線板5に半田付けされていたが、支持ピン28によるプリント配線板5の固定方法はこれに限定されない。例えば、プリント配線板5の第1貫通孔51を貫通した支持ピン28の先端部を折り曲げることで、プリント配線板5を固定してもよい。そのほかにも、支持ピン28をカシメピンとして構成し、カシメによってプリント配線板5を固定してもよい。
【0045】
変形例3
上記実施形態では、プリント配線板5は、C字状に形成されているが、プリント配線板5の形状はこれに限定されない。例えば、プリント配線板5は、環状に形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
2 :ハウジング
23 :底部
24 :外周壁部
25 :内周壁部
27 :台座部
271 :第2貫通孔
28 :支持ピン
4 :ステータ
43 :コイル
44 :導線
5 :プリント配線板
51 :第1貫通孔
52 :第1面
53 :第2面
54 :スルーホール
10 :モータ