(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174575
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】保管庫
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20221116BHJP
A47B 81/00 20060101ALI20221116BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
A61B1/00 653
A47B81/00 F
G02B23/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080460
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】502265840
【氏名又は名称】センシンメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】梶川 照展
(72)【発明者】
【氏名】大西 崇
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040EA02
4C161GG13
4C161JJ01
4C161JJ06
4C161JJ11
(57)【要約】
【課題】保管庫内における内視鏡の保管領域を変更又は選択する。
【解決手段】内視鏡91,92を保管するための第1保管領域R1、第2保管領域R2、及び第3保管領域R3が設定されている保管庫100は、保管庫の上下方向Aに直交する水平方向B1,B2に延びている取り付け部材20であって、内視鏡を保持するための懸下部材56を有する保持部材30が、水平方向の所望の位置に着脱可能に取り付けられる取り付け部材20と、取り付け部材が、上下方向の所望の位置に着脱可能に取り付けられる固定部材40とを備え、第1保管領域は、第2保管領域と第3保管領域との間に設定されており、第2保管領域は、第3保管領域と対向するように設定されており、固定部材は、第1保管領域、第2保管領域、及び第3保管領域のそれぞれに対応して配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡を保管するための第1保管領域、第2保管領域、及び第3保管領域が設定されている保管庫であって、
前記保管庫の上下方向に直交する水平方向に延びている取り付け部材であって、前記内視鏡を保持するための懸下部材を有する保持部材が、前記水平方向の所望の位置に着脱可能に取り付けられる取り付け部材と、
前記取り付け部材が、前記上下方向の所望の位置に着脱可能に取り付けられる固定部材とを備え、
前記第1保管領域は、前記第2保管領域と前記第3保管領域との間に設定されており、
前記第2保管領域は、前記第3保管領域と対向するように設定されており、
前記固定部材は、前記第1保管領域、前記第2保管領域、及び前記第3保管領域のそれぞれに対応して配置されている、保管庫。
【請求項2】
前記懸下部材は、着脱可能であるとともに、保持する前記内視鏡に応じて形状が異なる、請求項1に記載の保管庫。
【請求項3】
前記取り付け部材は、前記水平方向の長さが前記上下方向の長さよりも長い矩形部分を有している、請求項1又は2に記載の保管庫。
【請求項4】
前記上下方向における前記矩形部分の長さは25mmであり、
前記矩形部分の厚みは10mm又は9mmである、請求項3に記載の保管庫。
【請求項5】
前記保持部材は、前記取り付け部材を挟むように前記取り付け部材に取り付けられる第1部材及び第2部材を有しており、
前記第1部材は、前記取り付け部材の背面側に位置し且つ前記上下方向に延びる背面側部分を有しており、
前記第2部材は、前記取り付け部材の表面側に位置し且つ前記上下方向に延びる表面側部分を有している、請求項1又は2に記載の保管庫。
【請求項6】
前記固定部材は、前記取り付け部材が取り付けられる取り付け部分と、前記保管庫の筐体に固定される固定部分とを有している、請求項1から5のいずれか一項に記載の保管庫。
【請求項7】
前記固定部材は、一の取り付け部材が取り付けられる第1取り付け部分と、他の取り付け部材が取り付けられる第2取り付け部分とを有している、請求項1から5のいずれか一項に記載の保管庫。
【請求項8】
前記取り付け部材には、器具を収容するための収容部を取り付けることができる、請求項1に記載の保管庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡を保管するための複数の保管領域が設定されている保管庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内視鏡を保持する掛止スリットが形成された上部ハンガーと下部ハンガーを備える内視鏡保管ユニットが開示されている。上部ハンガーと下部ハンガーは、掛止スリットが形成された板状体である。このハンガーは、内壁面に固定したL型支持材等によって構成された架台に螺着などによって取り付けられている。そして、上部ハンガーに形成された掛止スリットに内視鏡の操作部を挿入し、該操作部から延出する挿入管を垂下させて下部ハンガーに形成した掛止スリットを通過させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーは、内視鏡の保管庫を設置した後に、異なる種類の内視鏡を保管することを望むことがある。この場合には、既に保管されている内視鏡と干渉しないように、ユーザーが、異なる種類の内視鏡の保管領域を選択できることが望ましい。また、ユーザーは、保管庫の設置位置の変更を望むことがある。この場合には、内視鏡の取り出しやすさ等を考慮して、ユーザーが、内視鏡の保管領域を変更できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る保管庫は、内視鏡を保管するための第1保管領域、第2保管領域、及び第3保管領域が設定されている保管庫であって、前記保管庫の上下方向に直交する水平方向に延びている取り付け部材であって、前記内視鏡を保持するための懸下部材を有する保持部材が、前記水平方向の所望の位置に着脱可能に取り付けられる取り付け部材と、前記取り付け部材が、前記上下方向の所望の位置に着脱可能に取り付けられる固定部材とを備え、前記第1保管領域は、前記第2保管領域と前記第3保管領域との間に設定されており、前記第2保管領域は、前記第3保管領域と対向するように設定されており、前記固定部材は、前記第1保管領域、前記第2保管領域、及び前記第3保管領域のそれぞれに対応して配置されている。
【0006】
これにより、ユーザーは、保管庫内における内視鏡の保管領域を変更又は選択できる。
【0007】
本発明のさらなる特徴は、添付図面を参照して例示的に示した以下の実施例の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】取り付け部の材取り付けを説明する概略斜視図である。
【
図9】変形例に係る保管庫の概略断面図であり、Aは略矩形状の断面を有する保管庫を示し、Bは略楕円状の断面を有する保管庫を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
【0010】
[第1実施形態]
図1を参照して、保管庫100について説明する。
図1は、前側上方から見た保管庫100の概略斜視図であり、保管庫100の筐体の天井と扉14(
図2)の図示は省略されている。また、説明の便宜上、
図1においては、右壁13を透過させている。一例として、筐体は略直方体状の形状を有しており、アルミ製の後壁11、左壁12及び右壁13と、床15及び天井と、前側に位置する開放可能な扉14とを備えている。例えば、扉14は、左壁12及び右壁13の一方にヒンジ接続されている。
【0011】
なお、本明細書において、上下方向Aは重力方向における上方向と下方向とに対応する。また、水平方向は、上下方向Aに直交する方向であって、保管庫100の左右方向B1と、左右方向B1に直交する前後方向B2とを含む。前後方向B2においては、後述する扉14が配置されている側が前方向であり、扉14に対向する側が後方向である。そして、左右方向B1は、保管庫100の前側から見て左方向と右方向とに対応する。
【0012】
保管庫100には、内視鏡を保管するための第1保管領域R1、第2保管領域R2、及び第3保管領域R3が設定されている。具体的に、第1保管領域R1は筐体の後壁11に対応し、第2保管領域R2は筐体の左壁12に対応し、第3保管領域R3は筐体の右壁13に対応する。そして、第1保管領域R1は、第2保管領域R2と第3保管領域R3との間に設定されている。すなわち、第1保管領域R1は、筐体の左壁12と右壁13との間に設定されている。また、第2保管領域R2は、第3保管領域R3と対向するように設定されている。なお、第2保管領域R2は、第3保管領域R3と正対していなくともよい。例えば、左壁12及び右壁13の一方が他方に対して傾いている場合には、第2保管領域R2が第3保管領域R3に対して傾くように設定される。
【0013】
保管庫100は、保管庫100の上下方向Aに直交する水平方向に延びている取り付け部材の一例である取り付けバー20を備えている。また、取り付けバー20には、内視鏡を保持するための懸下部材56(
図6)を有する保持部材の一例であるハンガー30が、水平方向の所望の位置に着脱可能に取り付けられる。
図1の例では、アルミ製の取り付けバー20が、第1保管領域R1及び第2保管領域R2のそれぞれに二つ配置されている。また、取り付けバー20は、第3保管領域R3に一つ配置されている。
【0014】
ハンガー30は、第1保管領域R1、第2保管領域R2、及び第3保管領域R3の少なくともいずれかにおいて、取り付けバー20に取り付けられる。すなわち、第1保管領域R1、第2保管領域R2、及び第3保管領域R3は、ハンガー30を取り付けバー20に取り付けることができる範囲を定めている。そして、内視鏡は、第1保管領域R1、第2保管領域R2、及び第3保管領域R3において、ハンガー30に保持される。
【0015】
また、保管庫100は、取り付けバー20が上下方向Aの所望の位置に着脱可能に取り付けられる固定部材の一例であるアングル40を備えている。そして、アングル40は、第1保管領域R1、第2保管領域R2、及び第3保管領域R3のそれぞれに対応して配置されている。
図1の例においては、略直方体状の保管庫100の四隅に対応して、第1アングル41、第2アングル42、第3アングル43、及び第4アングル44が配置されている。そして、第1アングル41及び第2アングル42が第2保管領域R2に対応している。また、第2アングル42及び第3アングル43が第1保管領域R1に対応している。さらに、第3アングル43及び第4アングル44が第3保管領域R3に対応している。なお、以下の説明では、第1アングル41、第2アングル42、第3アングル43、及び第4アングル44を総称して、単にアングル40という場合がある。
【0016】
例えば、アングル40はアルミ製であり、それぞれの下端が筐体の床15から700mm上方に離れた位置にある。また、各アングル40には、複数のアングルボルト穴45が形成されている。そして、複数のアングルボルト穴45は、上下方向Aに並んで互いに離間するように形成されている。一例として、複数のアングルボルト穴45は、アングルボルト穴45同士の間隔が50mmとなるように、一列に並んで形成されている。ただし、複数のアングルボルト穴45は、互い違いに配列されていてもよい。また、アングルボルト穴45同士の間隔は50mmより長くとも短くともよい。なお、
図1においては、第1アングル41の一つのアングルボルト穴45のみに参照符号を付している。ただし、第2アングル42、第3アングル43、及び第4アングル44にも、アングルボルト穴45が形成されている。
【0017】
アングル40は、取り付けバー20が取り付けられる取り付け部分46と、取り付け部分46から屈曲して連続し、保管庫100の筐体に固定される固定部分47とを有している。そして、固定部分47の上部と下部とには、固定ボルト穴48が形成されており、アングル40は、筐体に対してボルトとナットによって固定される。なお、
図1においては、第3アングル43のみに取り付け部分46、固定部分47、及び固定ボルト穴48の参照符号を付している。ただし、第1アングル41、第2アングル42、及び第4アングル44も、取り付け部分46、固定部分47、及び固定ボルト穴48を有している。
【0018】
また、
図1の例では、アングル40が略L字状に屈曲している。ただし、アングル40は、円弧状の形状を有していてもよく、その場合には、円弧の一部が取り付け部分46を構成し、円弧の残部が固定部分47を構成する。さらに、アングル40は、中空若しくは中実な多角柱、円筒、又は円柱であってもよい。この場合、アングル40の一部が取り付け部分46を構成し、他の一部分が固定部分47を構成する。
【0019】
代替的に、アングル40は、筐体に対して溶接されてもよい。さらに、アングル40の上端が筐体の天井に固定されていてもよく、アングル40の下端が筐体の床15に固定されていてもよい。また、固定部材は、筐体の一部であってもよい。例えば、筐体の一部に複数のアングルボルト穴45が形成されており、筐体の当該部分を固定部材として用いてもよい。また、複数のアングル40の少なくとも一つは、複数の保管領域に対応してもよい。具体的に
図1の例では、第2アングル42が、第1保管領域R1及び第2保管領域R2に対応している。また、第3アングル43が、第1保管領域R1及び第3保管領域R3に対応している。
【0020】
図1においては、第1保管領域R1に長い大腸用内視鏡91が保管されており、第2保管領域R2に短い気管支用内視鏡92が保管されている。そして、第1保管領域R1の上側に位置する取り付けバー20には、保持部の一例として、大腸用内視鏡91の操作部を保持する操作部用大ハンガー31が取り付けられている。また、第1保管領域R1の下側に位置する取り付けバー20には、保持部材の一例として、大腸用内視鏡91の光源を保持する光源用大ハンガー32が取り付けられている。さらに、第1保管領域R1の下側の取り付けバー20には、保持部材の一例として、耳鼻科用内視鏡の光源ジャックを保持する光源ジャックハンガー33が取り付けられている。
【0021】
第2保管領域R2の上側の取り付けバー20には、保持部材の一例として、気管支用内視鏡92の操作部を保持する操作部用小ハンガー34が取り付けられている。さらに、第2保管領域R2の下側の取り付けバー20には、器具を収容するための収容部の一例であるバスケット35が取り付けられている。バスケット35は、網目が形成されている略直方体状の箱であり、
図1の例では、気管支用内視鏡92の光源が収容されている。バスケット35に収容及び保管する器具は、ユーザーが自由に選択できる。例えば、ユーザーは、手術関連器具の付属部品などをバスケット35に収容してもよい。なお、以下の説明では、各操作部用大ハンガー31、光源用大ハンガー32、光源ジャックハンガー33、及び操作部用小ハンガー34を総称して、単にハンガー30という場合がある。
【0022】
各ハンガー30は、後述する第1部材51及び第2部材52を介して、ボルトによって取り付けバー20に取り付けられている。また、バスケット35は、取り付けバー20に対してナット及びボルトによって取り付けられている。そして、ユーザーは、ボルトを緩めることによって、取り付けバー20の延在方向(又は水平方向)において、各ハンガー30及びバスケット35摺動させることができる。そのため、ユーザーは、各ハンガー30及びバスケット35の位置を選択又は変更できる。これにより、水平方向における各ハンガー30及びバスケット35の取り付け位置を選択又は変更できる。さらに、ユーザーは、上下方向Aにおける取り付けバー20の取り付け位置を選択又は変更して、上下方向Aにおける各ハンガー30及びバスケット35の位置を選択又は変更できる。
【0023】
図2は、前側から見た保管庫100を示す概略図である。なお、第1アングル41及び第4アングル44は、破線によって図示されている。
図1とは異なり、第1保管領域R1の上側の取り付けバー20には操作部用大ハンガー31が四つ取り付けられている。また、第1保管領域R1の下側の取り付けバー20には光源用大ハンガー32が四つ取り付けられている。
図2の例では、破線によって図示されている上側の取り付けバー20と下側の取り付けバー20とのそれぞれに、最大四つのハンガー30を取り付けることができる。ただし、取り付けバー20に取り付けられるハンガー30の数は、三つ以下又は五つ以上であってもよい。
【0024】
また、
図2に示すように、扉14は、右壁13にヒンジ接続されている。扉14はガラス部分を含んでおり、保管庫100内の様子を外部から視認できる。さらに、筐体の底には、高さ調節用のアジャスター16が設けられている。なお、
図2には、前側から視認できる二つのアジャスター16のみが図示されている。ただし、筐体の底には、前側の二つのアジャスター16と、後ろ側の二つのアジャスター16とが設けられている。
【0025】
[取り付け部材の取り付け]
図3及び
図4を参照して、取り付けバー20のアングル40への取り付けについて説明する。
図3は保管庫100の概略断面図であり、
図4は第2保管領域R2に対応する第1アングル41及び第2アングル42に対する取り付けバー20の取り付けを説明する概略図である。
【0026】
図4に示すように、取り付けバー20は、水平方向の長さが上下方向Aの長さよりも長い矩形部分21を有している。そして、矩形部分21の両端のそれぞれには、バー穴22が形成されている。
図3及び
図4に示すように、第2保管領域R2に対応する第1アングル41及び第2アングル42に対して取り付けられる取り付けバー20は、略L字状の金具23を介して取り付けられる。当該金具23には二つの金具ボルト穴24が形成されている。取り付けバー20は、バー穴22を介して二つの金具ボルト穴24の一方にナットとボルトによって固定される。また、金具23は、二つの金具ボルト穴24の他方を介してアングルボルト穴45にナットとボルトによって取り付けらる。
【0027】
図3に示すように、第3保管領域R3に対応する第3アングル43及び第4アングル44に対して取り付けられる取り付けバー20は、金具23を介して取り付けられている。また、第1保管領域R1に対応する第2アングル42及び第3アングル43に取り付けられる取り付けバー20は、直接第2アングル42及び第3アングル43に取り付けられている。具体的に、当該取り付けバー20は、バー穴22及びアングルボルト穴45を介して、ボルトとナットによって第2アングル42及び第3アングル43に取り付けている。
【0028】
ユーザーは、取り付けバー20を取り付ける際に、所望の高さに形成されているアングルボルト穴45を選択する。これにより、ユーザーは、アングルボルト穴45の選択によって、上下方向Aにおける取り付けバー20の位置を選択又は変更できる。そのため、ユーザーは、上下方向Aにおける内視鏡の保管位置を選択又は変更できる。
【0029】
図4において、取り付けバー20の矩形部分21の上下方向Aの長さは25mmであり、左右方向B1における厚みは10mm又は9mmである。これらのサイズは、一般的な手術台に設けられているレールと同じである。そのため、手術台に使用する固定金具等の部品を取り付けバー20に取り付けて保管することもできる。さらに、手術台に使用する固定金具を介して、手術機器を取り付けバー20に取り付けて保管することもできる。
【0030】
[保持部材]
図5から
図8を参照して、ハンガー30について説明する。
図5は、ハンガー30の第1部材51及び第2部材52の概略斜視図である。また、
図6は、懸下部材56を有するハンガー30の一部の概略斜視図である。なお、
図6においては、後述する懸下部分55における懸下部材56と重なる部分を破線で示している。また、
図7及び
図8は、懸下部材56の具体例の概略平面図である。
【0031】
図5に示すように、ハンガー30は、取り付けバー20を挟むように取り付けバー20に取り付けられる第1部材51及び第2部材52を有している。第1部材51は、取り付けバー20の背面側に位置して上下方向Aに延びる背面側部分53を有している。また、第2部材52は、取り付けバー20の表面側に位置して上下方向Aに延びる表面側部分54を有している。そして、側方から見た場合に、第1部材51及び第2部材52はそれぞれ略L字状の形状を有している。
【0032】
ハンガー30を取り付けると、取り付けバー20は、第1部材51の背面側部分53と第2部材52の表面側部分54との間に挟まれる。そのため、第1部材51と第2部材52との間に画定される空間の上下方向Aの長さは例えば25mmであり、水平方向の長さは例えば10mmである。また、第2部材52の上部は水平方向(
図5の前後方向B2)に突出しており、第1部材51の下部も水平方向(
図5の前後方向B2)に突出している。そして、取り付けバー20の上方に第2部材52の上部が位置して、取り付けバー20の下方に第1部材51の下部が位置する。そのため、取り付けバー20は、背面側部分53、表面側部分54、第2部材52の上部、及び第1部材51の下部に接触する。これにより、ハンガー30は、取り付けバー20に保持される。
【0033】
図6に示すように、ハンガー30の第1部材51は、水平方向に延びる二本の懸下部分55を有している。そして、懸下部分55に対して、懸下部材56が着脱可能である。一例として、懸下部材56には穴部58が形成されている。そして、懸下部材56は、穴部58と懸下部分55の懸下部穴59(
図5)とを介して、ボルトとナットによって懸下部分55に取り付けられる。なお、ハンガー30を取り付けバー20に取り付ける場合、第1部材51の下部を取り付けバー20と保管庫100の筐体との間の空間に挿入する。そのために、取り付けバー20は、筐体の各壁から離間した位置に取り付けられる。
【0034】
また、懸下部材56は、例えばゴム製又は樹脂製(一例として塩化ビニル製)の板状部材であり、保持する内視鏡に応じて形状が異なる。具体的に、懸下部材56には、内視鏡の一部が挿入されるスリット57が形成されている。そして、スリット57の形状は、保持される内視鏡によって異なる。これにより、ハンガー30は、異なる形状の懸下部材56を懸下部分55に取り付けて、異なる内視鏡を保持できる。
【0035】
図7は、一例として、操作部用大ハンガー31の懸下部材56を示している。
図7の懸下部材56は、略L字状のスリット57が形成されている。また、
図8は、光源用大ハンガー32の懸下部材56を示している。当該懸下部材56には、鍵穴状のスリット57が形成されている。また、
図7及び
図8に示す懸下部材56は、四ケ所の穴部58が形成されている。そして、二本の懸下部分55のそれぞれには二ケ所の懸下部穴59(
図5)が形成されており、懸下部材56は懸下部分55に対してボルトとナットによって取り付けられる。
【0036】
懸下部材56は、ハンガー30から着脱可能であるとともに、保持する内視鏡に応じて形状が異なる。すなわち、内視鏡は、内視鏡のメーカー、内視鏡の種類、内視鏡の用途等によって、その形状又は大きさが異なる。そのため、同一の形状の懸下部材56を設けると、異なる内視鏡を保持することができない。一方、保持する内視鏡に応じて形状が異なる懸下部材56が、ハンガー30に対して着脱可能であれば、ユーザーは、保持する内視鏡に応じた形状の懸下部材56に交換できる。さらに、懸下部材56が個別に交換できるので、ユーザーが別の内視鏡を新たに保管する場合、又は保管する内視鏡を別の内視鏡に変更する場合には、懸下部材56を交換するのみで別の内視鏡を保管できる。
【0037】
以上説明した保管庫100によれば、ユーザーは、保管庫100内における内視鏡の保管領域を変更又は選択できる。そのため、異なる種類の内視鏡を保管する場合に、ユーザーは、異なる種類の内視鏡の保管領域を選択できる。また、ユーザーは、保管庫100の設置位置を変更する場合に、内視鏡の保管領域を変更できる。さらに、ユーザーは、内視鏡に合ったハンガー30を個別に任意の位置に配置できる。また、ユーザーは、内視鏡に合ったハンガー30(又は懸下部材56)に交換することによって、異なる内視鏡を保管するように保管庫100の保管対象を拡張できる。さらに、ハンガー30の懸下部材56が劣化又は破損した場合に、ユーザーは、懸下部材56を交換することもできる。また、ユーザーは、内視鏡の長さに応じて、その保管位置を選択又は変更できる。
【0038】
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
【0039】
[変形例]
図9A及び
図9Bは、変形例に係る保管庫100の概略断面図である。なお、
図9A及び
図9Bにおいては、説明の便宜上、取り付け可能な取り付けバー20を破線で示している。
【0040】
図9Aの保管庫100は、略矩形の断面形状を有している。また、当該保管庫100は、略U字状の断面形状を有する第1アングル41、第2アングル42、第3アングル43、及び第4アングル44を備えている。そして、
図9Aに示す各アングル40は、一の取り付けバー20が固定される第1取り付け部分46Aと、第1取り付け部分46Aから屈曲して連続しており、他の取り付けバー20が固定される第2取り付け部分46Bとを有している。また、第1取り付け部分46A、及び第2取り付け部分46Bには、不図示の複数のアングルボルト穴45が形成されている。
【0041】
さらに、第1アングル41、第2アングル42、第3アングル43、及び第4アングル44は、一対の第1取り付け部分46Aの一方によって、保管庫100の筐体に固定される。すなわち、各アングル40は、アングルボルト穴45を介して、ボルト及びナットによって筐体に固定される。これにより、各保管領域に取り付けられる取り付けバー20は、金具23を介さずに第1アングル41、第2アングル42、第3アングル43、及び第4アングル44に取り付けられる。そのため、取り付けバー20を取り付けるための金具23を省略できる。なお、
図9Aにおいては、第2アングル42のみに第1取り付け部分46A及び第2取り付け部分46Bの参照符号を付している。しかし、第1アングル41、第3アングル43、及び第4アングル44にも、第1取り付け部分46A及び第2取り付け部分46Bが設けられている。
【0042】
図9Bの保管庫100は、一つのアングル40に対して一つの取り付けバー20が取り付けられている。また、当該保管庫100は、略楕円状の断面形状を有している。そして、第1アングル41が第2保管領域R2に対応しており、第2アングル42が第1保管領域R1に対応しており、第3アングル43が第3保管領域R3に対応している。また、第2保管領域R2は、第3保管領域R3に対して傾いて対向している。すなわち、上方から見た場合に、第1アングル41に取り付けられる取り付けバー20は、第3アングル43に取り付けられる取り付けバー20に対して傾いている。
【0043】
第1アングル41及び第3アングル43は、中空の三角柱である。そして、第1アングル41の拡大
図Dに示すように、第1アングル41は、取り付けバー20が固定される取り付け部分46と、取り付け部分46から屈曲して連続し、保管庫100の筐体に固定される固定部分47とを有している。また、第2アングル42は、中空の角柱であり、略矩形状の断面形状を有する。そして、第2アングル42は、取り付けバー20が固定される取り付け部分46と、取り付け部分46に対向し且つ保管庫100の筐体に固定される固定部分47とを有している。
【0044】
なお、第1アングル41及び第3アングル43は、中実の三角柱であってもよい。また、第2アングル42は、中実の角柱であってもよい。また、
図9Bにおいては、第1アングル41のみに取り付け部分46及び固定部分47の参照符号を付している。しかし、第3アングル43にも、取り付け部分46及び固定部分47が設けられている。
【0045】
20:取り付け部材(取り付けバー)
21:矩形部分
30:保持部材(ハンガー)
35:収容部(バスケット)
40:固定部材(アングル)
46:取り付け部分
46A:第1取り付け部分
46B:第2取り付け部分
47:固定部分
56:懸下部材
51:第1部材
52:第2部材
53:背面側部分
54:表面側部分
91:内視鏡(大腸用内視鏡)
92:内視鏡(気管支用内視鏡)
100:保管庫
A:上下方向
B1:水平方向(左右方向)
B2:水平方向(前後方向)
R1:第1保管領域
R2:第2保管領域
R3:第3保管領域