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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017463
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】芯のない蒸発装置と方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/485 20200101AFI20220118BHJP
【FI】
A24F40/485
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021179675
(22)【出願日】2021-11-02
(62)【分割の表示】P 2018500485の分割
【原出願日】2016-07-11
(31)【優先権主張番号】62/191,307
(32)【優先日】2015-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】315012459
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Juul Labs, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ボーウェン
(72)【発明者】
【氏名】アリエル・アトキンス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ジェイ・グールド
(72)【発明者】
【氏名】カルロス・シューラー
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー・インゲブレスセン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率よく、しかも高品質の蒸気を提供する改良蒸発装置を提供する。
【解決手段】蒸発装置(例えば、電子たばこ)のための変形自在のバルブとアトマイザが構成される。蒸発装置は液体と有機物資の両方又はどちらか一方を蒸発させるために使われ得る。蒸発装置により、流体の流動制御を改善し高品質で大量の蒸気を効率的に発生させられる。ある例で、蒸発装置の流路により、バルク流体流が可能となり、例えば連続的な毛管流で流体を蒸発装置の周辺まで流す。ある例で、蒸発装置は、蒸発装置用の改良されたアトマイザ構造を利用し、その構造は呼吸調節変形自在バルブの多様な実施形態を任意に有するように構成され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長い本体と、
気化性流体を収容するように構成されたリザーバと、
気化性流体からの蒸気を生成するように構成された細長い本体内のアトマイザとを有しており、
アトマイザは、
加熱部品と、
リザーバと加熱部品の間に伸びる内側の細長いチューブと、
リザーバから加熱部品まで内側の細長いチューブを通る流体の流れを調節するように構成された流動調節器とを有している手持ち蒸発装置。
【請求項2】
マウスピースを備える細長い本体と、
気化性の流体を収容するように構成されたリザーバと、
気化性の流体からの蒸気を生成するように構成された細長い本体内部の芯のないアトマイザとを有しており、
アトマイザは、
加熱部品と、
リザーバと、揮発性流体のバルク流を可能にするように構成されたヒータの間でリザーバから加熱部品まで延びる内側の細長いチューブと、
リザーバから加熱部品まで内側の細長いチューブを通る流体の流れを調節するように構成された流量調節器と、
使用者がマウスピースを吸ったことを検知するように構成された吸い込みセンサと、
使用者がマウスピースを吸うとき、流量調節器を制御し、気化性のバルク流を可能にするように構成された制御部とを有する芯のない手持ち蒸発装置。
【請求項3】
内側の細長いチューブを介する流体移送の主な方法が毛管作用によるものではない請求項1に記載の装置。
【請求項4】
内側の細長いチューブを介する流体移送の主な方法がバルク流体流を介するものである請求項1に記載の装置。
【請求項5】
流動調節器がバルブを有する請求項1に記載の装置。
【請求項6】
流動調節器が変形する物を有する請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
変形する物は弾力性がある請求項6に記載の装置。
【請求項8】
変形する物はスプリングである請求項6に記載の装置。
【請求項9】
変形するものが弾力性のある部品である請求項6に記載の装置。
【請求項10】
変形するものが刺激に反応して1つ又はそれ以上の軸に沿って曲がる又はねじれるように構成されたバイメタル状の合成物質を有する請求項6に記載の装置。
【請求項11】
刺激が熱である請求項10に記載の装置。
【請求項12】
変形するものの変形が流動調節器の開閉をする請求項6から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
変形するものが静止状態を有する請求項6から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
静止状態で変形するものにより内側の細長い部品を通る流体流が妨げられる請求項13に記載の装置。
【請求項15】
アトマイザは芯を有しない請求項1から14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
内側の細長いチューブがチューブを有する請求項15に記載の装置。
【請求項17】
内側の細長いチューブが全体にわたって広がる開いたチャンネルを有する請求項15の装置。
【請求項18】
内側の細長い部品が円筒状である請求項15に記載の装置。
【請求項19】
ヒータがコイルを有する請求項1から18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
ヒータが少なくとも一部、内側の細長いチューブの周りに巻かれた請求項1から18のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
ヒータが抵抗のあるヒータである請求項1から18のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
使用者の吸入のために全体にわたって蒸気を流すように構成されたチャンバを有する請求項1から21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
流動調節器の構成がチャンバにもたらされた真空度に依拠する請求項22に記載の装置。
【請求項24】
内側の細長い本体が1つ又はそれ以上のスロットを有する請求項1から23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
1つ又はそれ以上のベントスロットが流体を1つ又はそれ以上のベントスロット全体に流れるようにする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
内側の細長いチューブが蒸気と空気を混合するように構成されたディフューザを有する請求項1から25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
内側の細長いチューブが、蒸気はチャンバに放出するが流体の蒸発しない部分はアトマイザ内部に保持したままにするように構成されたバッフルを有する請求項1から26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
アトマイザが、アトマイザ内部に流体の蒸発しない部分を解放した状態で保持するように構成されたバッフルを有する請求項1から26のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
バッフルが1つ又はそれ以上抜け穴を有する請求項27又は28のいずれかに記載の装置。
【請求項30】
抜け穴が約0.01インチ以下である請求項29に記載の装置。
【請求項31】
抜け穴が約0.006インチ以下である請求項30に記載の装置。
【請求項32】
内側の細長い部品は吸入用の蒸気を解放するが流体の蒸発しなかった部分をアトマイザ内部に保持するように構成された多孔質フィルタを有する請求項1から31のいずれかの蒸発器。
【請求項33】
アトマイザは吸入用の蒸気を解放するが流体の蒸発しなかった部分をアトマイザ内部に保持するように構成された多孔質フィルタを有する請求項1から31のいずれかに記載の装置。
【請求項34】
多孔質フィルタが1つ又はそれ以上の穴を有する請求項32又は33に記載の装置。
【請求項35】
1つ又はそれ以上の細穴の実質的な部分が約0.01インチ以下の請求項34に記載の装置。
【請求項36】
1つ又はそれ以上の穴の平均的な大きさが約0.01インチ以下の請求項34に記載の装置。
【請求項37】
1つ又はそれ以上の細穴の実質的な部分が約0.006インチ以下の請求項34に記載の装置。
【請求項38】
1つ又はそれ以上の穴の平均的な大きさが約0.006インチと等しいか又はそれより小さい請求項34に記載の装置。
【請求項39】
装置が、使用者の吸入に反応してアトマイザを作動させるように構成された1つ又はそれ以上の工程を有する請求項1から38のいずれかに記載の装置。
【請求項40】
内側の細長いチューブを通る流体を能動的にくみ上げるように構成された流体ポンプを有する請求項1から39のいずれかに記載の装置。
【請求項41】
使用者の吸入に反応してベンチュリチューブののど部内側に大きな真空を生成するように構成されたベンチュリチューブを有する請求項1から40のいずれかに記載の装置。
【請求項42】
芯のない手持ち蒸発装置を用いて物質を蒸発させる方法であって、
使用者が蒸発装置のマウスピースを吸うことを感知する工程と、
蒸発温度までヒータを加熱する工程と、
チューブを介して蒸発装置の流体リザーバからヒータへ気化性流体を流すために流動調節器を制御する工程と、
気化性流体を蒸発させ、蒸気を生成する工程と、
装置からマウスピースを介して蒸気を発出する工程とを有する方法。
【請求項43】
芯のない手持ち蒸発装置を用いて物質を蒸発させる方法であり、
使用者が蒸発装置のマウスピースを吸うことを感知する工程と、
蒸発温度までヒータを加熱する工程と、
ヒータが、流れがチューブを介するバルク流である蒸発温度に到達した後、チューブを介して蒸発装置の流体リザーバからヒータへ気化性流体を流すために流動調節器を制御する工程と、
気化性流体を蒸発させ、蒸気を生成する工程と、
装置からマウスピースを介して蒸気を発出する工程と、
使用者がマウスピースを介して吸わなくなったとき、流動調節器によりチューブを通る流れを止める工程とを有する方法。
【請求項44】
マウスピースを有する細長い本体と、
気化性流体を収容するように構成されたリザーバと、
気化性液体から蒸気を生成するように構成された細長い本体内のアトマイザとを有し、
アトマイザは、
ヒータと、
使用者がマウスピースを吸うことを検知するように構成された吸入センサと、
ヒータが1分以上の自浄期間で400℃よりも高い自浄温度まで加熱されるように、使用者がマウスピースを吸っていない間、ヒータを制御し、自浄サイクルを始めるように構成された制御部とを有する自浄式手持ち蒸発装置。
【請求項45】
自浄温度が445℃よりも高い請求項44に記載の装置。
【請求項46】
自浄期間が2分より長い請求項44に記載の装置。
【請求項47】
自浄期間が5分より長い請求項44に記載の装置。
【請求項48】
装置が請求項1から41のいずれかの手持ち蒸発装置である請求項44に記載の装置。
【請求項49】
手持ち蒸発装置を使用した自浄方法であって、
使用者が蒸発装置のマウスピースを介して吸っていないときを決定付ける工程と、
2分より長い予め決められて自浄時間で装置の蒸発温度より高い自浄温度までヒータを加熱する工程と、
ヒータが自浄温度である間、蒸発装置の流体リザーバからヒータまで気化性流体の流れを妨げる工程とを有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2015年7月10日に出願された「芯のない蒸発装置とその方法」と題する米国仮特許出願62/191,307の優先権を主張し、その全内容を本明細書の一部を構成するものとして援用する。
【0002】
各出版物又は特許出願が具体的にかつ別々に参考文献として援用されるように、同じ程度でこの明細書で言及される全ての出版物と特許出願が参考文献として本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
従来のたばこ商品の代替物に対して高まる需要に応じて、広範囲の特性がある蒸発装置(例えば、電子たばこ装置、e-cigarette、e-cig等)が開発されてきた。一般的に、蒸発装置は、液体と有機生成物の両方又はどちらか一方の蒸発のために使われる持ち運び可能でかつ自己内蔵型の電気駆動装置である。例えば、蒸発装置は、熱を利用してプロピレングリコル(PG)系又は植物性グリセリン(VG)系の液体を蒸発又は変化させて吸入用のエアロゾルにする。ある例で、蒸発装置は、たばこから生成される煙のミスト又はエアロゾルと同様に、物理的な感覚、見かけ及び又は若しくは匂いを含むミスト又はエアロゾルを生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在の蒸発装置にはいくつかの制限がある。例えば、現在の蒸発装置は、水没、焼けた又は焦げた匂い、匂いの充満及び又は若しくはバッテリの短命化に関する問題のため、必然的に使用者にとって使用勝手の悪い構造であった。さらに、現在の蒸発装置は、装置全体にわたって液体の流れを調節する又は制御する能力に欠けている。そのような問題は、芯を使用することと加熱部品(例えば、アトマイザ(噴霧器)、ヒータ(加熱器)等)の上に材料を重ねることの蓄積の両方又はそのどちらか一方に関係している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
流体を引き込みかつ蒸発させるように構成された蒸発装置であり、効率よく、しかも高品質の蒸気を提供する改良蒸発装置が必要とされていた。これらの制限を対処する装置(装置とシステム)と方法を本明細書で説明する。
【0006】
本明細書で開示された実施形態は、流体を引き込みかつ蒸発させるための装置、システム及び方法を提供する。多くの実施例で、蒸発装置は蒸気を発生させるために利用される。蒸発装置は、エアロゾル化物質を燃焼することなく液体を蒸発させ得る。蒸発装置は、バルブと改良アトマイザの両方又はどちらか一方を備え得る。ある例で、本明細書に記載されたような蒸発装置は、呼吸調節による液体流動制御を伴う芯のない蒸発装置を備える。呼吸調節液体流動制御は、呼吸調節バルブであってもよい。ある実施例で、蒸発装置はチューブと加熱要素(ヒータ)を有するアトマイザを備える。バルブと改良アトマイザの両方又はどちらか一方は、蒸発性能を改善し、装置の流動制御と効率の両方又はどちらか一方を向上させる。
【0007】
例えば、本明細書に記載される手持ち蒸発装置は、細長い本体と、気化性流体を収容するように構成されたリザーバと、気化性流体から蒸気を生成するように構成された細長い部品の内部のアトマイザとを有し、アトマイザは、加熱部品と、リザーバと加熱部品の間に伸びる内側の細長いチューブと、内側の細長い部品を介してリザーバから加熱部品までの流体の流れを調節するように構成された流動調節器を有し得る。
【0008】
これらの手持ち蒸発装置はいずれも芯のない手持ち蒸発装置であり、マウスピースを有する細長い本体と、気化性流体を収容するように構成されたリザーバと、気化性流体から蒸気を生成するように構成された細長い本体内側の芯のないアトマイザとを有し、アトマイザは、ヒータと、リザーバとヒータの間に伸びる内側の細長いチューブであり、リザーバからヒータへ気化性流体のバルク流を可能にするように構成されたチューブと、リザーバからヒータまで内側の細長いチューブを通る液体の流れを調節するように構成された流動調節器と、使用者がマウスピースで息を吸うことを検知するように構成された吸入センサと、流動調節器を制御し、使用者がマウスピースを吸うとき、気化性流体のバルク流を可能にするように構成された制御部とを備え得る。
【0009】
例えば、手持ち蒸発装置は、流体を収容するように構成されたリザーバを有するカートリッジと、液体から蒸気を生成するように構成されたアトマイザと、リザーバから始まりアトマイザへ続く第1の部分を有する流路と、アトマイザから蒸発装置の出口へ蒸気を送るように配置された流路の第2の部分を有する流路と、バルブが流路の第1の部分の内側の流体流を調節するように構成される開構成と閉構成を有するバルブとを備えている。ある実施形態で、流路の第1の部分を介して流体を移動させる主な方法は、毛管作用によるものではない。ある実施形態で、流路の第1の部分を介して流体を移動させる主な方法は、流体のバルク流によるものである。ある実施形態で、バルブは変形するものを有する。ある実施形態で、変形するものは弾力性がある。ある実施形態で、変形するものはスプリングを有する。ある実施形態で、変形するものは弾力性のある膜を有する。ある実施形態で、変形するものは刺激に反応して1つ又はそれ以上の軸に沿ってねじれる又は曲がるように構成されたバイメタル合成物を有する。ある実施形態で、刺激は熱である。ある実施形態で、変形するものの変形はバルブの構造と同じである。ある実施形態で、変形するものは静止状態を有する。ある実施形態で、バルブは流路の第1の部分を通る流体の流れを妨げる。ある実施形態で、流路の第1の部分は細長い部品によって構成される。ある実施形態で、細長い部品はチューブを有する。ある実施形態で、細長い部品は全体にわたって広がる開いたチャンネル(導管)を有する。ある実施形態で、細長い部品は円筒形状であり得る。ある実施形態で、アトマイザは流体を蒸発させるように構成されたヒータを有する。ある実施形態で、アトマイザは流体を蒸発させるように構成された超音波エネルギ発生機を有する。ある実施形態で、ヒータは抵抗性のヒータである。ある実施形態で、ヒータは第1の端部で細長い部品と電気的に接続され、第2の端部でチャンバのチャンバ壁に接続される。ある実施形態で、ヒータとチャンバ壁は互いに電気的に絶縁されている。ある実施形態で、細長い部品は1つ又はそれ以上のスロットを有する。ある実施形態で、1つ又はそれ以上の曲がりスロットは流体を放出するように構成される。ある実施形態で、流路は蒸気と空気を混合するように構成されたディフューザ(拡散器)を有する。ある実施形態で、流路は、蒸気をチャンバへ放出するように構成されたバッフル(調節器)を備えるが蒸発しない流体はアトマイザ内部に留める。ある実施形態で、アトマイザは、蒸気をチャンバへ放出するように構成されたバッフルを備えるが蒸発しない流体はアトマイザ内部に留める。ある実施形態で、バッフルは1つ又はそれ以上の抜け穴を備える。ある実施形態で、抜け穴は約0.01インチと以下である。ある実施形態で、抜け穴は0.006インチ以下である。ある実施形態で、流路は蒸気をチャンバへ放出するように構成された多孔質フィルタを有するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留める。ある実施形態で、アトマイザは蒸気をチャンバへ放出するように構成された多孔質フィルタを有するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留める。ある実施例で、多孔質フィルタは1つ又はそれ以上の細穴を有する。ある実施形態で、1又はそれ以上の細穴の実質的な部分は、約0.01インチ以下である。ある実施形態で、1つ又はそれ以上の細穴の平均的な大きさは、約0.01インチ以下である。ある実施形態で、1つ又はそれ以上細穴の実質的な部分は、約0.006インチ以下である。ある実施形態で、1つ又はそれ以上細穴の平均的大きさは、約0.006インチ以下である。ある実施形態で、蒸発装置は、使用者の吸入に反応してアトマイザを作動させるように構成された1つ又はそれ以上のプロセッサをさらに有する。ある実施形態で、蒸発装置は、流路を通る流体を能動的に汲み出すように構成された流体ポンプをさらに有する。ある実施形態で、蒸発装置は、使用者の吸入に反応してベンチュリチューブののど部内側に大きな真空を作るように構成されたベンチュリチューブをさらに有する。
【0010】
本明細書に提供された手持ち蒸発装置は、流体を収容するように構成されたリザーバと、流体から蒸気を生成するアトマイザと、リザーバから始まりアトマイザへ続く第1の部分と、アトマイザ以降の部分であり、空気入口から始まり第1の部分と協働して、空気入口からの空気とアトマイザのチャンバ内部の蒸気を収容する流路の第3の部分を形成する第2の部分と、流路の第1の部分を通る流体の流れを調節するように構成されたバルブであり、構成がチャンバの真空度に依拠するバルブとを備える。ある実施形態で、流路の第1の部分を介して流体を流す主な方法は毛管作用によらない。ある実施形態で、流路の第1の部分を介して流体を流す主な方法は、バルク流体流によるものである。ある実施形態で、バルブは変形するものを有する。ある実施形態で、変形するものは弾力性がある。ある実施形態で、変形するものはスプリングを有する。ある実施形態で、変形するものは弾力性のある部品を有する。ある実施形態で、変形するものは、刺激に反応して1つ又はそれ以上の軸に沿って曲がる又はねじれるように構成されたバイメタル状の合成物を有する。ある実施形態で刺激は熱である。ある実施形態で、変形するものの変形はバルブの構成と等しい。ある実施形態で、変形するものは静止状態を有する。ある実施形態で、バルブは流路の第1の部分を介する流体の流れを妨げる。ある実施形態で、流路の第1の部分は細長い部品を有する。ある実施形態で、細長い部品はチューブを有する。ある実施形態で、細長い部品は全長にわたって開いたチャンネルを有する。ある実施形態で、細長い部品は円筒形状を有する。ある実施形態で、アトマイザは流体を蒸発させるように構成されたヒータを有する。ある実施形態で、アトマイザは流体を蒸発させるように構成された超音波エネルギ発生器を有する。ある実施形態で、ヒータは抵抗ヒータである。ある実施形態で、ヒータは第1の端部で細長い部品と電気的に接続され、第2の端部でチャンバのチャンバ壁に電気的に接続される。ある実施形態で、ヒータとチャンバ壁は互いに電気的に絶縁している。ある実施形態で、細長い部品は1つ又はそれ以上のベントスロットを有する。ある実施形態で、1つ又はそれ以上のベントスロットは流体を放出するように構成される。ある実施形態で、流路は蒸気と空気を混合するように構成されたディフューザを有する。ある実施形態で、流路は蒸気をチャンバへ放出するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留めるように構成されたバッフルを有する。ある実施形態で、アトマイザは蒸気をチャンバに放出するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留めるように構成されたバッフルを有する。ある実施形態で、バッフルは1つ又はそれ以上の抜け穴を有する。ある実施形態で、抜け穴は約0.01インチ以下である。ある実施形態で、抜け穴は約0.006インチ以下である。ある実施形態で、流路は蒸気をチャンバに放出するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留めるように構成された多孔質フィルタを有する。ある実施形態で、アトマイザは蒸気をチャンバに放出するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留めるように構成された多孔質フィルタを有する。ある実施形態で、多孔質フィルタは1つ又はそれ以上の細穴を有する。ある実施形態で、1つ又はそれ以上の実質的な細穴の部分は約0.01インチ以下である。ある実施形態で、1つ又はそれ以上の細穴の平均的な大きさは約0.01インチ以下である。ある実施形態で、1つ又はそれ以上細穴の実質的な部分は約0.006インチ以下である。ある実施形態で、1つ又はそれ以上の細穴の平均的な大きさは約0.006インチ以下である。ある実施形態で、蒸発器は使用者の吸入に反応してアトマイザを作動させるように構成された1つ又はそれ以上の工程をさらに有する。ある実施形態で、蒸発器は流路を通る流体を能動的に汲み出すように構成された流体ポンプをさらに有する。ある実施形態で、蒸発装置は使用者の吸入に反応してベンチュリチューブののど部の内側で大きな真空を作るように構成されたベンチュリチューブをさらに有する。
【0011】
本開示は、多くの作業を実施するために処理装置を含む電子装置を提供するが、その処理装置は、蒸発装置に組み込まれた呼吸調節流動制御バルブに限定しない。
【0012】
電子装置はさらに多くの作業を記憶するための記憶装置(たとえば、記憶ユニット)を備えていてもよく、その記憶装置は、改良アトマイザ構造と呼吸調節流量に組み込まれた統合蒸発検査製品を含む。
【0013】
本開示は芯のない蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブと芯のない電子蒸発装置の呼吸調節制御方法を提供する。
【0014】
ある実施形態では、本発明は芯のない電子蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブを提供する。ある形態で、呼吸調節バルブは弾力性があるか又はバイメタル状である。
【0015】
本発明の目的は、電子蒸発装置の呼吸調節制御の方法を提供することであり、その方法は、呼吸調節バルブを提供する工程と、前記バルブをリザーバの開口部に接続し出口を改良アトマイザに接続することによって電子蒸発装置にバルブを任意に組み込む工程とを有する。
【0016】
別の形態では、本発明はステンレスチューブの周りで曲がった又は曲がっていないコイルと、芯のない電子蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブを有するアトマイザ構造を提供する。そこでは、アトマイザはエアインコイルアトマイザである。
【0017】
別の形態では、本発明は、呼吸調節バルブを利用することでアトマイザ構造における改良が蒸発効率を改善し得ることを示す。
【0018】
ある形態では、本開示は蒸発装置の複数の改良アトマイザ構造を示しており、前記構造は呼吸調節バルブを有するように構成され、任意に蒸発装置を組み込まれ、前記装置は電子たばこであり、前記バルブは本開示に記載されるようなバルブのいずれかである。
【0019】
また別の形態では、本開示は蒸発装置の改良アトマイザ構造を示しており、前記構造がステンレスチューブの周りで曲がった又は曲がっていないコイルを有し、前記改良アトマイザが本開示に記載されるように、任意に呼吸調節バルブを有し、蒸発装置に組み込まれて構成され、前記バルブが弾力性のある部品又はバイメタル状の部品を有する。
【0020】
さらに別の形態で、本開示は蒸発装置の改良アトマイザ構造を示しており、前記構造はエアインコイルアトマイザであり、前記アトマイザは蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブを任意に有するように構成され、前記装置は電子たばこであり、前記バルブは本開示に記載されるバルブのいずれかである。
【0021】
また別の形態で、本開示は蒸発装置の改良アトマイザ構造を示しており、前記構造はエアインコイルアトマイザであり、前記アトマイザは蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブを任意に有するように構成され、前記装置は電子たばこであり、前記バルブは本開示に記載されるバルブのいずれかである。
【0022】
別の形態で、本開示は蒸発装置の改良アトマイザ構造を示しており、前記構造はエアインコイルアトマイザであり、前記アトマイザは蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブを任意に有するように構成され、前記装置は電子たばこであり、前記バルブは本開示に記載されるバルブのいずれかである。
【0023】
また別の形態で、本開示は蒸発装置の改良アトマイザ構造を示しており、前記構造は多孔質フィルタアトマイザであり、前記アトマイザは蒸発装置に任意に組み込まれた呼吸調節変形自在バルブを任意に有するように構成され、前記装置は電子たばこであり、前記バルブは本開示に記載されるバルブのいずれかである。
【0024】
また別の形態で、本開示は蒸発装置の改良アトマイザ構造を示しており、前記構造は多孔質フィルタアトマイザであり、前記アトマイザは蒸発装置に任意に組み込まれた呼吸調節バルブを任意に有するように構成され、前記装置は電子たばこであり、前記バルブは本開示に記載されるバルブのいずれかである。
【0025】
別の形態で、本開示は改良アトマイザ構造と呼吸調節流の様々な形態を組み込む統合蒸発システムを示しており、アトマイザは蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブを任意に有するように構成され、前記装置は電子たばこであり、前記バルブは本開示に記載されるバルブのいずれかであり、前記アトマイザは本開示に記載されるアトマイザいずれかである。
【0026】
別の形態で、本開示は蒸発装置用の加熱部品における代替改良物を示しており、これらは本開示の様々な形態で例示的に説明される。また、代替改良物はステンレスチューブ周りで曲げられたコイル又は曲げられていないコイルを有するように構成された2つのヒータを備えているが、それら2つのヒータに制限されるわけではない。
【0027】
蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブであって、電子たばこのような呼吸調節バルブが本開示に提供される。その装置では、芯は取り除かれており、前記バルブは芯に置き換わるものである。ある例で、電子たばこ装置である液体蒸発装置の呼吸調節流制御方法は、液体蒸発装置を提供する工程と、前記装置に呼吸調節バルブを組み込み、従来の芯を置き換える工程と、バルブ入口をリザーバの開口部に接続する工程と、バルブ出口を改良アトマイザに接続する工程と、使用者が装置のマウスピースから吸入すると、リザーバからアトマイザへの流れを作る工程とを有し、バルブは弾力性がある又はバイメタル状の部品であり、アトマイザは本明細書に記載されたアトマイザ構造の実施形態のうちのいずれかである。
【0028】
本開示は、蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブに引用されてもよい。引用された場合、前記装置は芯がないままであり、前記装置は電子たばこであり、前記装置用の呼吸調節流量制御方法を有する。
【0029】
ある形態で、本開示は電子たばこのような蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブに引用され、そこでは、バルブは芯を取り替え、前記バルブは弾力性のある部品から作られ、前記部品はゴム、シリコーン(例えば、室温加硫(「RTV」)シリコン)、硬化液体シリコーン樹脂(例えば、NuSil MED-48シリーズ)若しくは別の適当な弾力のある物質を有する物質から選択される。
【0030】
ある形態で、本開示は、電子たばこのような蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブに引用され、本開示が従来の芯と置き換わる場合、バルブはバイメタル状の部品から作られ、例えば、前記部品はスチールと銅を含む物質又はスチールと真ちゅうを含む物質から選択される。
【0031】
また別の形態で、本明細書は、従来の蒸発装置の芯の代替として呼吸調節器に任意に組み込まれた電子蒸発装置の改良構成を示しており、前記代替物は、使い捨て可能なリザーバに常閉の弾力性のあるバルブを組み込む。そしてその常閉の弾力性のあるバルブは、カートリッジが蒸発装置に固定され、使用準備完了時のみ開く。
【0032】
別の形態で、本開示は組み込まれた電子蒸発装置の改良された構成を示している。その電子蒸発装置は、従来の蒸発装置の芯の代わりとしての呼吸調節バルブを任意に有しており、前記構成により異なる匂いの液体間で完全な交換が可能になる。
【0033】
別の形態で、本開示は組み込まれた電子蒸発装置の改良された構成を示している。その電子蒸発装置は、従来の蒸発装置の芯の代わりとして呼吸調節バルブを任意に有しており、前記バルブは弾力性のある又はバイメタル状の構成要素を有する。
【0034】
別の形態で、本開示は組み込まれた電子蒸発装置の改善された構成を示す。その電子蒸発装置は、従来の蒸発装置の芯の代わりとして任意に呼吸調節バルブを有し、前記バルブは弾力性のある又はバイメタル状の構成要素を有し、前記弾力性のある部品はゴム、シリコーン(例えば、室温加硫(「RTV」)シリコン)、硬化液体シリコーン樹脂(例えば、NuSil MED-48シリーズ)若しくは他の適切な弾力性のある物質を有する。
【0035】
別の形態で、本開示は組み込まれた電子蒸発装置の改善された構成を示している。その電子蒸発装置は、従来の蒸発装置の芯の代わりとして任意に呼吸調節バルブを有し、前記バルブは弾力性のある又はバイメタル状の部品を有し、前記バイメタル状の部品は2つの異なる物質が接着された合成物質のいずれかであり、合成物質は加熱されると、物質間の熱膨張率の違いにより1つ又はそれ以上の軸に沿って曲がる又はねじれる。蒸発装置の加熱部品又は独立した加熱部品によって加熱エネルギが提供され得る。加熱部品は、装置の真空感知又は手動スイッチによって起動され得る。
【0036】
本明細書にはまた、(上述の装置のいずれかも含めて、)芯のない手持ち蒸発装置を用いて物質を蒸発させる方法も記載されている。例えば、方法は、蒸発装置のマウスピースを使用者が吸うことを感知する方法と、蒸発温度までヒータを加熱する工程と、蒸発装置の流体リザーバからヒータへチューブを介して気化性流体を流す流動調節器を制御する工程と、蒸気を生成するために気化性流体を蒸発させると、マウスピースを介して装置から蒸気を放出する工程とを有する。
【0037】
芯のない手持ち蒸発装置を使って物質を蒸発させる方法は、蒸発装置のマウスピースを介して使用者が吸引することを感知する工程と、ヒータを蒸発温度まで加熱する工程と、流動調節器を制御し、ヒータが蒸発温度になった後、チューブを介して気化性流体を蒸発装置の流体リザーバからヒータまで流す工程と(その工程で、流れはチューブを通るバルク流である)、気化性流体を揮発させ、蒸気を生成する工程と、マウスピースを介して装置からの蒸気を放出する工程と、使用者がマウスピースを吸わなくなったとき流動調節器によってチューブを通る流れが止められる工程とを含む。
【0038】
本明細書にはまた、自浄式手持ち蒸発装置も記載されている。例えば、自浄式装置は、マウスピースを有する細長い本体と、気化性液体を含むように構成されたリザーバと、気化性液体から蒸気を生成するように構成されたアトマイザであり、細長い本体内部のアトマイザとを有しており、アトマイザはヒータと、使用者がマウスピースで吸うことを感知するように構成された吸入感知器と、1分より長い自浄期間の間にヒータが400度より高い自浄温度まで加熱されるように、使用者がマウスピースを吸っていない間ヒータを制御し自浄式サイクルを開始するように構成された制御部とを有する。
【0039】
手持ち蒸発装置を使用して自浄する方法もまた説明する。例えば、自浄蒸発装置を作動させる方法は、使用者が蒸発装置のマウスピースを介して吸っていないときを決定する工程と、2分より長い予め決められた自浄時間の間に装置の蒸発温度より高い自浄温度までヒータを加熱する工程と、ヒータが自浄温度の間、蒸発装置の流体リザーバからヒータまでの気化性流体の流れを妨げる工程とを有する。
【0040】
本発明の別の形態はそれぞれに、まとめて若しくは互いに組み合わせて理解されるべきである。本明細書に記載された様々な形態は、以下に発表される特定の出願のいずれか又は電子たばこのような別の種類の蒸発装置のいずれかに適用され得る。
【0041】
本開示のさらなる形態と利点は、以下の詳細な明細書からすぐに当業者に明らかになる。そこでは、本開示の例示的な実施形態のみが示され、説明されている。明らかに、本開示は別の異なる実施形態も可能であり、いくつかの詳細部は、本開示から生じるのではなく種々の明白な観点から修正が可能であり。つまり、図面と明細書は当然例示的なものと見なされ、限定的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
例示的な実施形態を明らかにし、本発明の主旨が利用される以下の詳細な説明と添付図面(本明細書では「図」「FIG.」とも言われる)を参照することで、本発明の特徴と利点はよりよく理解される。
図1図1は、実施形態に係る、蒸発装置と流体流調節器を示す。
図2図2は、実施形態に係る、スプリングを使用する蒸発装置の閉じた構成(閉構成)を示す。
図3図3は、実施形態に係る、スプリングを使用する蒸発装置の開いた構成(開構成)を示す。
図4図4は、実施形態に係る、変形自在な部品を使用する蒸発装置の閉じた構成を示す。
図5図5は、実施形態に係る、変形自在な部品を使用する蒸発装置の開いた構成を示す。
図6A図6Aは、実施形態に係る、バイメタル状のバルブ部品を有する蒸発装置の開いた構成を示す。
図6B図6Bは、実施形態に係る、バイメタル状のバルブ部品を有する蒸発装置の閉じた構成を示す。
図7A図7Aは、実施形態に係る、マイクロ電気機械システム(MEMS)を使用する蒸発装置の開いた構成を示す。
図7B図7Bは、実施形態に係る、マイクロ電気機械システム(MEMS)を使用する蒸発装置の閉じた構成を示す。
図8A図8Aは、実施形態に係る、流入口チューブ周りに加熱部品を有するアトマイザを備える蒸発装置を示しており、システム図を示す。
図8B図8Bは、実施形態に係る、流入口チューブ周りに加熱部品を有するアトマイザを備える蒸発装置を示しており、ベント穴を有する流入口チューブの詳細を示す。
図8C図8Cは、リザーバの圧力(例えば、空気圧又は流体圧)を調整することで、リザーバからヒータ(例えば、アトマイザのヒータ部分)への気化性溶液の流れを制御する流体流調節器を有する蒸発装置の一部の一例を概略的に示す。図8Cの実施例では、リザーバは外気に向けて開放しており、気化性流体が流れることできる。(その代わり、圧力は周囲/外気に対して上がり得る。)
図8D図8Dは、リザーバの圧力(例えば、空気圧又は流体圧)を調整することで、リザーバからヒータ(例えば、アトマイザのヒータ部分)への気化性溶液の流れを制御する流体流調節器を有する蒸発装置の一部の一例を概略的に示す。図8Dでは、リザーバは閉じておりかつ圧力が低く流体流を妨げる又は、リザーバ閉じているか圧力が低くて、流体流を妨げる。
図9図9は、実施形態に係る、エアインコイルアトマイザを有する蒸発装置を示す。
図10A図10Aは、実施形態に係る、エアインコイルアトマイザを有する蒸発装置を示しており、システム図を示す。
図10B図10Bは、実施形態に係る、エアインコイルアトマイザを有する蒸発装置を示しており、ディフューザの詳細を示す。
図11図11は、実施形態に係る、多孔質フィルタアトマイザを有する蒸発装置を示す。
図12図12は、実施形態に係る、バッフルチューブアトマイザを有する蒸発装置を示す。
図13図13は、本明細書に記載されたような蒸発装置のある実施例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
芯のない蒸発装置を本明細書で説明する。
【0044】
蒸発させること又は蒸発は、熱又は別のエアロゾル化方法(例えば、超音波エネルギーの応用)が、エアロゾルを発生させる又は液体の微小液体を発生させる工程に関連する。本明細書で使用される蒸発と噴霧の両方又はどちらか一方は、加熱を伴って生じることもあれば、加熱を伴わず生じることもある。「蒸発」と「噴霧」、「蒸発する」と「噴霧する」、「蒸発すること」と「噴霧すること」という用語は、互換的に使用されてもよい。本明細書で使用される蒸発装置は、蒸発装置、電子たばこ、e-cig若しくは装置と呼ばれ、前述の用語はいずれも本明細書全体にわたって互換的に使用されてよい。蒸発すると、例えば、使用者の吸入のための蒸気又はエアロゾルが液体から発生し得る。
【0045】
ある例で、流体流を調節又は制御できる流体流調節器を利用することは蒸発装置にとって有益である。以下でさらに説明されるように、蒸発装置で流体流を制御できるそのような流体流調節器はバルブを備えてもよい。バルブの構成は、少なくとも一部が使用者の動作(例えば、ボタンを押す、息を吸う等)に依拠し、蒸発装置の1つ又はそれ以上のセンサに反応するか又はそれらのいずれかをし得る。バルブの構成は、バルブの開栓具合に関連し得る。ある例で、バルブの構成は、バルブによって塞がれて、妨げられる又はそれらの一方が為される流体流の量に関連する。ある例で、バルブの構成は、(例えば、直線運動式の又は回転式の)バルブ又はバルブ部品の位置に相当する。
【0046】
ある例で、バルブにより流体はスムーズに流れる。ある例で、バルブは流体流を完全に妨げる。ある例で、バルブはバルク流体流を通す流路と接続される。ある例で、バルブは、流体輸送の主な方法がバルク流体流を介するものである流路と接続される。ある例で、バルブは、毛管現象によってバルク流体流をくみ出さない流路と接続される。ある例で、バルブは流体輸送の主な方法が毛管現象によらない流路と接続される。
【0047】
ある例で、効率的で質の高い又はそれらのどちらか一方の蒸気を生成するアトマイザを利用することは蒸発装置にとって有益である。流路を通る流体の流れを調節又は制御できることから、そのような改良されたアトマイザ構造が利用可能となる。
【実施例0048】
図1は、実施形態に沿って、流体流調節器128を有する蒸発装置100を示す。蒸発装置は細長い本体101、カートリッジ102、アトマイザ104及びバッテリユニット122を有する。細長い本体101、カートリッジ102、アトマイザ104及びバッテリユニット122は互いに、例えば、取り外し自在に又は固定して接続されるように構成されている。ある例で、カートリッジ、アトマイザ及び又は若しくはバッテリユニットは3つの異なるユニット(例、構成部品)を有してもよい。ある例で、細長い本体101、カートリッジ102、アトマイザ104及び又は若しくはバッテリユニット122は単一統合ユニットを有してもよい。例えば、カートリッジ102とアトマイザ104は単一統合部品を備える。
【0049】
細長い本体101は、近位端110と遠位端112を有し得る。ある例で、蒸発装置100の近位端110は使用者の口に配置されるように構成され、例えば、マウスピースを有する。ある例で、細長い部品の遠位端112は、バッテリユニットに接続されるように構成され、かつ空気(例えば、装置への空気流)を流入させるか、そのどちらか一方をなされている。
【0050】
蒸発装置100は1つ又はそれ以上の流路を備え得る。ある例で、流路は方向性を有する。本明細書で使用される流路は、液体、蒸気及び又は若しくは空気が流れる流路に関連し得る。ある例で、流路は、液体、蒸気及び又は若しくは空気が流れ得る細長い部品、チューブ、チャンネル若しくはチャンバによって示される。ある例で、流路は、以下でさらに説明されるリザーバから始まる液体、蒸気及び又は若しくは空気の流れに関連する。ある例で、流路は蒸発装置のマウスピースを介する液体、蒸気及び又は若しくは空気の流れに関連する。例えば、流路はアトマイザへのリザーバから蒸発装置のマウスピースまでの流路に関係する。例えば、どこからでもよく、蒸発装置のマウスピースまでの流路に関係する。流路は1つ又はそれ以上の部分を有する。例えば、流路は1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ若しくはそれ以上の部分を有する。
【0051】
例えば、流路は流体リザーバ108から(例えば、流体流のための)アトマイザ104まの流体流路126と、アトマイザから近位端110又は蒸発装置100の出口(例、マウスピース)まで蒸気を運ぶ蒸気路127を有する。流路はさらに、蒸発装置の外部118から蒸発装置101の内側チャンバ116へ流れる空気流を有する空気流路118を備え得る。流体リザーバ108からアトマイザ104までの(つまり、液体の流れのための)流体流路126は、本明細書で、流路の第1の部分又は第1の流路とも呼ばれる。アトマイザ104から蒸発装置100の出口110(例、マウスピース)までの蒸気流路127は、本明細書で、流路の第2の部分又は第2の流路と呼ばれ得る。蒸発装置100の外部から蒸発装置100の内側チャンバ116までの空気流路118(つまり、空気の経路)は本明細書で、流路の第3の部分又は第3の流路と呼ばれ得る。
【0052】
ある例で、細長い部品101は1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ若しくはそれ以上の開口部を有する。例えば、細長い本体101は近位端110と遠位端112の両方に開口部を有する。ある例で、近位端と遠位端の両方の開口部は、空気が流れ得るチャンバ又はチャンネルの開始点と終点を示す。ある例で、1つ又はそれ以上の開口部は細長い部品101のどこか別の箇所、例えば、中間部又は細長い本体101の側面に配置される。
【0053】
カートリッジ102は流体リザーバ108を備え得る。本明細書で使用されるカートリッジは、リザーバを有する電子たばこの本体と呼ばれ得る。カートリッジ102はプラスチック又は金属といった物質から作られてもよい。ある例で、カートリッジ102は複数の物質、例えば、弾性材、金属若しくはポリマ(重合体)を含む。ある例で、カートリッジ102は容器、例えば、小さい使い捨て容器を備え得る。
【0054】
リザーバ108は、例えば、溶液を基にするプロピレングリコール(PG)と植物性のグリセリン(VG)の両方又はどちらか一方といった気化性液体114のためのキャリア液体(「液体」)を含むように構成され得る。ある例で、流体はニコチンと匂いの両方又はどちらか一方を有する。ある例で、リザーバは濃厚液、非液体及び又は若しくはろう状のものを含むように構成される。ある例で、リザーバは有機物質と有機物質調合物の両方又はどちらか一方を含むように構成される。有機物質は、カナビス、カナビスエキス及びそれらの混合物から抽出された非液体及び又は若しくはろう状のもののいずれかである非液体気化性の(エアロゾル化可能な)物質を有する。それらの物質は現在、当分野で知られている抽出物を含む。有機物質調合物は、非液体及び又は若しくはろう状のものいずれかである気化性の(エアロゾル化可能な)調合物を有する。そこでは、前記調合物は、主成分としてカナビス、カナビスエキス及びそれらの混合物から抽出された抽出物を含む。それらの物質は現在、当分野で知られている抽出物を含む。液体の典型的な調合物は、2014年5月6日に出願された「エアロゾル化装置のためのニコチン塩調合物とその方法」と題する米国特許出願14/271,071に記載されている。その出願は現在、米国特許出願公開2014-0345631-A1であり、その全内容を本明細書の一部を構成するものとして援用する。
【0055】
カートリッジ102はアトマイザ104に接続されるように構成され得る。ある例で、カートリッジ102はアトマイザ104を収容し、アトマイザ104はカートリッジの一部である。アトマイザ104を収容する又は単一ユニットとしてアトマイザと統合されるカートリッジ102は本明細書でカートマイザと呼ばれ得る。ある例で、アトマイザ104は細長い本体101のチャンバ116内に収容される。ある例で、チャンバ116は、空気が、例えば遠位端から近位端へ、通るチャンネルによって構成される。ある例で、アトマイザ104はチャンバ116の内側に収容され、蒸発装置100を介して流れる流路118からの外気と伝達する。
【0056】
アトマイザ104は加熱部品120を有し得る。ある例で、アトマイザは、例えば加熱部品を使って流体から蒸気を生成するように構成された部品と関連する。アトマイザ104は,流体流路126を収容する内側の細長い部品129を備えており、その部品に接続され得る又は部品129を備えるか部品129に接続されるかである。(つまり、内側の細長い部品129は第1の流路を示す。)アトマイザ104は、加熱部品120によって熱を発生させるように構成され得る。例えば、加熱部品120は、例えば、短い抵抗線又は抵抗コイルといったワイヤ又はコイルを有する。本明細書では主に、ワイヤとコイルの両方又はどちらか一方を有する加熱部品が説明されるが、ワイヤとコイルの両方又はどちらか一方を有する加熱部品代わりに、どんな加熱部品が用いられてもよいと理解されるべきである。
【0057】
以下でさらに説明されるが、ある例で、加熱部品120は流路内部にあるか又は流路の一部である。
【0058】
加熱部品120は、(例えば、スイッチ124を経て)バッテリユニット122と作動可能なように接続され得る。スイッチ124が作動させられると、加熱部品120を介して電流が流れ、熱が発生する。スイッチ124は、1つ又はそれ以上の方法、例えば、使用者のボタン押下、使用者のマウスピースからの吸い込み、センサに基づいた方法等によって作動させられる。例えば、使用者が蒸発装置から吸入し、圧力センサが吸入を感知して、加熱部品が高熱になるようにスイッチを作動させる。ある例で、蒸発装置は、センサの反応に対応してスイッチ124を作動させるように構成された1つ又はそれ以上の工程を有する。ある例で、1つ又はそれ以上の工程は加熱部品120に加えられた力を調節し、加熱部品120の抵抗を測定すること及び間接的に加熱部品120の温度を測定するように働き、使用者の入力(ボタン、動き、容量等)を感知し、装置の作動状態又はパラメータを変更する。ヒータを作動させて制御する又はそのどちらか一方をする典型的な方法は、2014年12月23日に出願された「蒸発装置システムと方法」と題する米国特許出願15/053,927に記載されている。その出願は現在、米国特許出願公開2016-0174611-A1であり、その全内容を本明細書の一部を構成するものとして援用する。
【0059】
バッテリユニット122はバッテリとバッテリハウジングの両方又はどちらか一方を備え得る。バッテリユニットは充電式バッテリ、例えば、充電式リチウムイオンバッテリであってもよい。ある例で、バッテリユニットは、蒸発装置100の作動に必要な電子部品(例えば、回路、演算装置、LEDライト等)を有する。代わりに又は追加して、電子部品は蒸発装置100のどこか、例えばカートリッジ102又は分離した部品に収容されてもよい。ある例で、バッテリと電子部品の両方又はどちらか一方がバッテリハウジングの内部に収容されている。ある例で、バッテリユニットは1つ又はそれ以上の表示器を備える。LEDのような(例えば視覚的な、聴覚的な)表示器は、蒸発装置の作動(例えば、使用)と非作動の両方又はどちらか一方を表示し得る。例えば、色付けされたLEDがバッテリユニットに含まれ、使用者の吸入に反応する。
【0060】
ある例で、バッテリユニット122は1つ又はそれ以上のセンサ、例えば気流、圧力センサ、振動センサ、加速度計等を備える。1つ又はそれ以上のセンサは使用者が蒸発装置100を使用することを感知し得る。例えば、圧力センサと空気流センサの両方又はどちらか一方は、使用者が蒸発装置を介して息を吸うこと(例えば、吸入)を感知する。例えば、加速度計は、蒸発装置の作動を感知する。ある例で、本明細書で既述したように、スイッチは感知された使用者の吸入に基づいて(例えば、プロセッサの助けを借りて)作動し、加熱ユニットは熱を発生させる。ある例で、蒸発装置は1つ又はそれ以上のセンサ(例えば、加速度計)の出力に基づいて作動する又は非作動になる。
【0061】
アトマイザ104はオームで測定される特定の抵抗を有し得る。アトマイザ104の抵抗とバッテリの付加電圧の両方又はどちらか一方は、蒸発装置が生成する蒸気の量に影響するパラメータを有し得る。例えば、蒸発装置に用いられる高い抵抗と低い電圧の両方又はどちらか一方は、より多量の(例えば、より濃い)蒸気を生成し、より強いのど当たりとなる。ある例で、付加電圧に対して低い抵抗と高い電圧の両方又はどちらか一方は、エアロゾルの焦げた味になる。ある例で、付加電圧に対して低い抵抗と高い電圧の両方又はどちらか一方は、エアロゾルのはっきりとした味になる。ある例で、蒸発装置100は可変電圧を有する。可変電圧蒸発装置により、使用者は装置のバッテリの作動電圧を選択することができる。装置のバッテリの作動電圧を選択できることで、蒸発装置は残留電力にかかわらず一定の蒸気量を生成できる。
【0062】
アトマイザ104は1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくはそれ以上の加熱部品120を有し得る。多くの加熱部品を有するアトマイザは、少ない加熱部品を有するアトマイザより多量の蒸気を発生させることができる。多くの加熱部品を有するアトマイザは、少ない加熱部品を有するアトマイザより強いバッテリ力が必要となり得る。例えば、アトマイザ104は2つのコイルを有する。2つのコイルは、同じ抵抗であってもよい。2つのコイルは並列に配線され、全抵抗はそれぞれのコイルの抵抗の半分である。ある例で、二重コイル蒸発装置はシングルコイル蒸発装置より強いバッテリの力を必要とする。
【0063】
ある例で、アトマイザ104はカートリッジ102とバッテリの間に配置される。たとえば、アトマイザ104はカートリッジとバッテリの中心に配置される。あるいは、アトマイザ104の相対的な位置はカートリッジとバッテリの両方又はどちらか一方に対する位置である。(例えば、バッテリとカートリッジの両方又はどちらか一方の近位端側に、カートリッジの最も端部に配置される等)
【0064】
リザーバ108からの流体114は、蒸発するために、チューブ等の内側の細長い部品129を介して加熱部品120の近辺に送られてもよい。本明細書で使用される「近辺」は、流体が加熱部品120によって蒸発できるような十分近い距離のことを言う。ある例で、内側の細長い部品129は第1の流路126を形成する。第1の流路126は、流体リザーバ108から細長い本体101の近位端110の出口まで伸びる流路の第1の部分であってもよい。リザーバ108からの流体は、第1の流路126又は細長い部品129通って加熱部品120に接続されて動作する。内側の細長い部品129は、例えば、取り外し自在に又は不変に加熱部品120とリザーバ108の両方又はどちらか一方に接続されてもよい。ある例で、内側の細長い部品129と第1の流路の両方又はどちらか一方は、リザーバ108から加熱部品120の近辺まで物理的に伸びている。
【0065】
ある例で、内側の細長い部品129は、抵抗加熱器のように働くステンレススチールのような物質を有する。例えば、内側の細長い129は、抵抗物質で表面を覆われ、めっきされている又はそれら一方が為されている。例えば、内側の細長い129は厚いニッケルめっきで表面を覆われ、めっきされている又はそれらの一方が為されている。
【0066】
加熱部品120は内側の細長い部品129と(例えば、細長い部品の遠位端で)接続されていてもよい。例えば、加熱部品120は内側の細長い部品129の遠位端を囲む又はその遠位端周りに巻き付く抵抗コイルであってもよい。ある例で、加熱部品120は、1つ又はそれ以上の中間補助器で内側の細長い部品129と接続される。例えば、加熱部品120は中間物によって内側の細長い部品129の近辺に保持されていてもよい。例えば、加熱部品120は、内側の細長い部品129を受け入れる又は囲む中間ハウジング又は中間チューブと接続されていてもよい。ある例で、中間ハウジング(例えば、中間チューブ)と内側の細長い129は、加熱部品120と内側の細長い部品129があわさるように接合特徴を有する。加熱部品120は、単独であろうと中間物と一緒であろうと本明細書ではヒータとも言われる。ある例で、ヒータは加熱部品120を有するが中間物を有していない。例えば、ヒータは内側の細長い部品129に直接接続される。ある例で、ヒータは加熱部品120と前記中間物を有する。
【0067】
加熱部品120は内側の細長い部品129と接する。ある例で、加熱部品120は内側の細長い部品129の近辺にあるが、内側の細長い部品129から物理的に離れている。ある例で、加熱部品120の部分は内側の細長い部品129と直接接し、別の部分が内側の細長い部品129から物理的に離れている。加熱部品120は内側の細長い部品129を介して運ばれてきた液体を蒸発させ、エアロゾル(例えば、蒸気)を発生させる。発生したエアロゾルは、マウスピース等の細長い蒸発部品101の遠位端110を介して使用者にもたらされ得る。
【0068】
「芯のない」変更が本明細書で説明されているが、本明細書に記載される蒸発装置は、別の特徴のいずれか(例えば、自己清掃加熱器、バルブ、気化性物質の圧力制御、ディフューザ、バッフル等)に加えて芯を有していてもよい。例えば、ある例で、内側の細長い部品129は芯のある部品又は芯を有する。芯のある部品は毛管現象で流体を引っ張る。芯のある部品は、リザーバ108から液体を蒸発させることができる蒸発装置104の加熱部品120の近辺へ液体を毛管作用で運ぶ、移動させる若しくは汲み出す。芯のある部品は、毛管作用で流体を移動させるように構成されたシリコン、コットン若しくは適切な材料を有する。例えば、芯のある部品はステンレススチール製の網状の芯を有する。ある例で、芯のある部品のある部分は、(例えばリザーバの開口部を介して)リザーバ108内の液体114の中へ沈められる。芯のある部品の沈められていない部分は、アトマイザ104の加熱部品120の近くに配置されるか又はアトマイザ104の加熱部品120に接する。液体は、例えば、芯のある部品の沈められた部分から沈められていない部分へ、毛細現象によって芯のある部品を介して移動できる。ある例で、芯のある部品を通る液体の流れは、調整されなければ覆われ(例えば、妨げ)もされない。ある例で、芯のある部品を通る液体の流れは制御されない。ある例で、芯は、リザーバ108の内側とリザーバ108の外側の間に、直接的で非干渉な開いた経路を備える。
【0069】
あるいは又はさらに、内側の細長い部品129は、中空の導管、開口部若しくはチャンネルを有していてもよい。従って、内側の細長い部品129は、遠位端、近位端及び遠位端から近位端へ伸びる開口チャンネルを有していてもよい。ある例で、開口チャンネルは、例えば流量調節128によって覆われてもよい。
【0070】
それゆえ、芯のない蒸発装置が本明細書に記載されている。そこでは、気化性物質は、流体リザーバから芯を有ない又は毛管作用を使用するアトマイザ(例えば、ヒータ)へ移動させられる。そのような芯のない変更により、量(例えば、アトマイザ/ヒータへ運ばれる気化性の物質の量とそれゆえ生成された蒸気の量)の制御を改良することができるため、芯のない変更は有益であり得る。一般的に、本明細書に記載された装置はいずれも、リザーバからアトマイザ/ヒータへの気化性流体の流れ(例えば、バルク流又は移送流)を制御するための流体流調節器を有し得る。流体流調節器は、バルブと圧力調節器の両方又はどちらか一方を含む複数の構成部品を有する。ある変更で、流体流調節器はバルブを有していい。例えば、装置は、気化性の液体が表面張力によって保たれるように構成され得る。1つ又はそれ以上の圧力調節部品(「圧力調節器」)が流体流調節器として含まれる場合、(例えば、空気又は気化性流体の両方またはどちらか一方をリザーバへくみ上げるために、)圧力調節部品は(本明細書でより詳細に記載されるような)ベンチュリ又は能動的な汲み出し/圧縮部品を有してもよい。ある変更で、圧力調節部品は流体リザーバのかさを増減させ、リザーバの圧力を増減させるように構成される。ある変更で、圧力調節器は、周囲の気圧に対してリザーバを開閉するためのバルブを備える。(例えば、以下に記載される図8Cと8Dを参照。)
【0071】
ある例で、内側の細長い部品129はチューブであり、本明細書で流入口チューブとも呼ばれる。チューブは、例えば円筒状、長方形、立方体等、どんな形状をしていてもよい。チューブは、リザーバから加熱部品又はアトマイザの周辺まで伸びる開口チャンネルを備え得る。チューブは金属とポリマを含む物質から作られてもよい。例えば、チューブはステンレススチール、チタニウム、銅、銀金などを含む。ある例で、チューブはハイポチューブである。ある例で、チューブは加熱部品を有する。例えば、チューブは抵抗のあるヒータを有する。例えば、チューブは抵抗のあるヒータとして作用し得るステンレススチールのような物質を備える。例えば、チューブは抵抗のある物質で覆われてメッキされるか又はそのどちらか一方がなされる。例えば、チューブは厚いニッケルめっきで覆われてメッキされるか又はそのどちらか一方がなされる。
【0072】
細長い部品129チューブにより、リザーバ108から液体を蒸発させるために加熱部品120の周辺へ液体の自然な流れ(例えば、バルク流、大量の流れ)が可能となる。ある例で、リザーバ108から加熱部品120の周辺への流体の流れは別の力、例えば使用者の吸入から生じる吸い込み、外部の力(例えば、コックスプリングからの力、作動流体ポンプ)かつ又は若しくは重力によって促進される。例えば、内側の細長い部品129チューブは作動流体ポンプ部品、例えばマイクロポンプに接続される。ある例で、内側の細長い部品129チューブは作動流体ポンプ部品と有し、流体の流れ(例えば、大量の流体流)を援助する。例えば、リザーバ108は柔軟性があり、スプリングはリザーバ108の外側と外側の堅いハウジングの内側で圧縮される。代わりに又はさらに、リザーバ108は堅い壁のチャンバであってもよい。1つの壁が移動可能な(注射器のような)ピストンを有し、圧縮スプリングがピストンのもう一方の側面で圧縮される。
【0073】
ある例で、内側の細長い部品129チューブを介する液体の流れは、例えば、流動調節器128で調節されるか又は遮られる。流体流調節器は、流体の流れを調節する装置、部品、機械装置若しくは構造に関連し得る。流体流調節器は内側の細長い部品129(かつ、第1の流路126の中に)の内側に配置されて示されているが、流体流調節器128はどこか別の場所、例えば、カートリッジ102、バッテリユニット122の中等に配置されてもよい。流体流調節器128は、流体の流れを制御するバルブとして作用し得る。本明細書に記載された流体流調節器はいずれもバルブを有していてもよい。流体流調節器は、例えば第1の流路等、1つ又はそれ以上の流路内又はその流路を通って流体の流れを制御又は調節するバルブとして作用してもよい。流体流調節器128は内側の細長い部品129を通る流体流を調節し、制御し得るか又はそのどちらか一方をし得る。従って、流体流調節器128は、リザーバ108からアトマイザ104又は加熱部品120の近辺へ、例えば第1の流路126を通る流体流を調節し得る。流体流調節器128は、流体流を妨げることと、流体流がスムーズに流れるようにすることの両方又はどちらか一方をなし得る。
【0074】
本明細書に記載された変形のうちのいずれかで、装置はアトマイザ/ヒータ(例えば、コイルを通る抵抗)の熱を制御する制御部と流体流調節器の両方又はどちらか一方を備え得る。1つ又はそれ以上のセンサ(タッチセンサ、リップセンサ、吸入センサ等)は制御部への入力を提供し、この入力が流体流調節器を作動させるために使われ得る。例えば、ヒータが予め決められた(気化)温度(例えば、100℃から400℃の間等)にあると決定付けられる又はみなされるときのみリザーバからの流れが提供される。流体流調節器を制御するための独立した制御部が提供されるか、又はヒータを制御するために使われる同じ制御部が用いられ得る。ヒータは、例えば、加熱部品の抵抗に基づき、制御ループを使って制御され得る。(例えば容量性のリップ感知等によって)吸入が検知されるとヒータ温度は上昇し、ヒータ温度が予め決めた範囲内にあると、気化性の流体がヒータに流れ得る。図13は、本明細書に記載される蒸発装置1300の実施例を概略的に示している。この実施例で、制御部1305はアトマイザ(ヒータ1335)を制御し、1つ又はそれ以上の感知器(点線で示されたヒータからの抵抗/電圧入力、容量性/接触/リップ感知器、加速度計などを含む)からの入力を受け付け得る。制御部は、チューブ1309に接続された1つ又はそれ以上のバルブのような流動調節器1307を制御し得る。そのチューブを介して、気化性流体はリザーバ1301からアトマイザ1335と圧力調節器1311の両方又はどちらか一方へ流れる。アトマイザと圧力調節器1311の両方又はどちらか一方はリザーバに任意に接続され、制御部1305によって任意に制御されるか又はそのどちらかがされ得る。例えば、リザーバとチューブの両方又はどちらか一方、流動調節器1307及びアトマイザ1335といった蒸発装置1300のいずれの部分も、取り外し可能で使い捨て可能又はそれらどちらか一方が可能なカートリッジ1330の一部であってよい。
【0075】
図1に示された実施例に戻ると、ある実施形態で、流体流調節器128は、スプリング、弾力性のある部品、バイメタル状の部品及びさらに別の箇所に記載される同じようなもののような変形可能な部品を有する。その変形可能な部品は本明細書で変形するものと呼ばれる。変形するものは、弾性があってもよい。例えば、収縮、伸張及び又は若しくはねじり後、変形するものは自然に静止状態に戻り得る。変形するものは、バイアス力を有し得る。バイアス力は流体流調節器128(例えば、バルブ)をデフォルトの構成(例えば、平衡状態、静止状態、安定状態構成等)に維持し得る。ある例で、バイアス力は流体流調節器128を閉じた状態に維持する。閉構成は、流体流調節器128の静止状態(例えば、外部の力が及ばない)に相当する。閉構成は、変形するものの平衡状態に相当し得る。
【0076】
流体流調節器128は開構成と閉構成を有し得る。開構成は流体をスムーズに流し、閉構成は、例えば第1の流路126内部に流体を流さない。ある例で、流体流調節器128は、複数の個別構成を有し、各構成は異なる量の流体流を可能にするか又は、例えば、第1の流体流路126の内部に流されない異なる量の流体流に相当する。ある例で、流体流調節器128は、例えば、第1の流路内をスムーズに流れる流体流とスムーズに流れない流体流の間のどんな量の流体流も可能にする連続した構成を有する。流体流調節器128は静止状態と作動状態を有し得る。静止状態は、外部の力が流体流調節器に作用しないとき、流体流調節器の状態に関連し得る。作動状態は、外部の力が流体流調節器に作用するとき、流体流調節器の状態に関連し得る。ある例で、静止状態は閉構成に相当する。ある例で、作動状態は開構成に相当する。ある例で、作動状態は開構成と閉構成の間の構成に相当する。
【0077】
流体流調節器128の構成又は状態は、使用者の吸い込み圧に基づく又は依拠し得る。流体流調節器128の構成は、バルブの開き具合に関連し得る。ある例で、流体流調節器の構成は、流体流調節器によって覆われ妨げられる又はその一方をされる流体流の量に関連する。ある例で、流体流調節器の構成は、流体流調節器(例えば、直線的、回転的)又はバルブ部品の位置に相当し得る。流体流調節器の構成は開構成、閉構成及びそれらの間の構成を有し得る。従って、ある例で、使用者は蒸発装置100のマウスピースを吸い(吸引し)、吸引により蒸発装置100内で吸い込み又は減圧が生じる。例えば、使用者の吸入は、チャンバ116、内側の細長い部品129及び又は若しくは流体流調節器128の内部で吸い込み又は減圧を生じる。流体流調節器128の構成又は状態は使用者の吸入により生じる吸い込み又は減圧の力によって影響を受け得る。
【0078】
さらに、吸入の程度(例えば、強さ)は流体流調節器128の構成に相当し得る。ある例で、チャンバ116内に作られた真空の度合いは、流体流調節器128の構成に相当し得る。吸入の程度(例えば、強さ)は流体流調節器の開放の程度に相当し得る。ある例で、チャンバ116内に作られた真空の程度は、流体流調節器128の開口度に相当する。
【0079】
例えば、流体流調節器128は、使用者の吸入のための開構成であり、任意の閾値以上の真空(例えば、減圧)を作る開構成に置かれる。同様に、流体流調節器128は、使用者の吸入のための閉構成であり、任意の閾値以下の真空(例えば、減圧)を作る閉構成に置かれる。さらに、調節器は2つの閾値の間の使用者の吸入のための構成であり、開構成と閉構成の間の構成に置かれる。ある実施形態で、吸入の程度(例えば、強さ)は、例えばリザーバ108から加熱部品120の近辺までの流体流の量に相当する。
【0080】
代わりに又は追加して、流体流調節器128の構成又は状態は1つ又はそれ以上のセンサの出力に基づくか、又は依拠し得る。既に本明細書に記載したように、蒸発装置100は1つ又はそれ以上のセンサを有し得る。例えば、蒸発装置100は圧力センサ、空気流センサ、加速度計及び似たようなものを備える。1つ又はそれ以上のセンサは、例えば直接的に又は間接的に流体流調節器128の構成に影響し得る。例えば、使用者は蒸発装置100のマウスピースを吸い(例えば、吸入し)、センサは、吸引が及ぼす圧力を感知し反応を出力する(例えば、二進法又は集合論の連続体)。流体流調節器128の構成(例えば、開、閉、開と閉の間の構成)はセンサの出力に相当し得る。
【0081】
代わりに又は追加して、流体流調節器128の構成又は状態は、外部の(例えば、環境の)刺激に基づくか又は依拠し得る。例えば、流体流調節器128は外部の刺激を感知し、反応するように構成される。例えば、流体流調節器は温度の上昇又は低下に反応する(例えば、上昇又は低下に基づいて構成を変化する)。別の例として、流体流調節器128は電気的な刺激に反応し得る(例えば電気的刺激に基づいて構成を変化する)。別の例として、流体流調節器128は圧力の増減に反応し得る(例えば、圧力の増減に基づいて構成を変化させる)。ある実施形態で、流体流調節器128は、使用者の吸入に反応して構成を変える。(例えば、吸入はアトマイザ(例えば、加熱部品)を作動させ、結果的に流体流調節器128によって感知され得る温度上昇となる。)
【0082】
リザーバ108からの流体は、ある液体流量で内側の細長い部品129と第1の流路126の内部の両方又はどちらか一方を流れ得る。ある例で、液体流量は、約0、20、40、60、80、100、120,140、160、180、200、220、240、260、280若しくは300マイクロリットル/分と以上である。ある例で、液体流量は約0、20,40、60、80,100、120、140、160、180、200、220、240、260、280若しくは300マイクロリットル/分以下である。ある例で、液体流量は、約20から200、40から180、若しくは60から160マイクロリットル/分の範囲である。例えば、液体流量は別の力(例えば、使用者の吸入、(例えば、コックスプリングからの)外力、重力の全て又はいずれか)に多様に依拠する。
【0083】
液体流量は、流体流調節器128の構成に依拠してもよい。ある例で、液体流量は、(例えば、バルブの)開構成で約0、20、40、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280若しくは300マイクロリットル/分以上である。ある例で、液体流量は、(例えば、バルブの)開構成で、約0、20、40、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280若しくは300マイクロリットル/分以下である。ある例で、(例えば、バルブの)閉構成で、流体流は、(例えば、バルブの)閉構成で、約0、20、40、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280若しくは300マイクロリットル/分以下である。ある例で、液体流量は、(例えば、バルブの)閉構成で、約0、20、40、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280若しくは300マイクロリットル/分以下である。
【0084】
ある例で、液体流量は、例えば流体流調節器128を介して制御できる。例えば、液体流量は約0から100、0から120、0から140、0から160、0から180、0から200若しくは0から300マイクロリットル/分の範囲内で制御できる。
【0085】
ある例で、蒸発装置100はさらに、吸収性のある物質(例えば、スポンジ)を有する。例えば、カートリッジ102は吸収性のある物質を有し、吸収性のある物質はカートリッジ102の中に納めされる。吸水性のある物質は、吸水性のある物質を(例えば、マウスピースの)開口部から離す境界(例えば、プラスチック製の境界)に接する。吸水性のある物質は液体の通過を妨げる。例えば、吸水性のある物質は、液体がカートリッジ102を通って使用者の口へ流れることを防ぐ。
【0086】
ある例で、蒸発装置100はベンチュリチューブを有する。ベンチュリチューブは開口チャンネルを有し得る。ベンチュリチューブは1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくはそれ以上の開口部を有していてもよい。例えば、ベンチュリチューブは空気の流入のために構成された入口開口部と空気の流出のための出口開口部を有する。ある例で、ベンチュリチューブは、例えば、中間部で狭くなっている。ベンチュリチューブの狭い部分を本明細書ではベンチュリチューブののど部と呼ぶ。ある例で、ベンチュリチューブののど部は、実質上ベンチュリチューブの中間部分に配置される。代わりに、狭い部分は、例えば、ベンチュリチューブの出口付近のさらに下等、別のところに配置されてもよい。ある例で、ベンチュリチューブは分離チューブに接続されるように構成の開口部を有する。(例えば、中間部分で、のど部で)分離したチューブは分離開口チャンネルを有してもよい。分離したチューブは空気流又は吸い込みを作るために構成されてもよい。分離チューブ又はのど部は、以下でさらに説明されるように、分離した部品(例えば、バルブ、空気チャンネル等)と接続されるように構成される。
【0087】
ある例で、ベンチュリチューブは第1の直径の入口を有する。ベンチュリチューブは徐々に狭くなり、第2の径を有する中間部分で最も狭くなる。ベンチュリチューブはその後、第3の径の出口まで徐々に広がる。中間部分は分離したチューブに接続されてもよい。ある例で、第1と第3の径は同じである。ある例で、第1、2及び3の径は同じである。ある例で、第1、2及び3の径は異なっている。ある例で、第1、2及び3のうちの2が同じである。
【0088】
第2の直径に対する第1の直径の比率は、約0.25:1、0.5:1、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:17:1若しくは8:1以下である。ある例で、第2の直径に対する第1の直径の比率は、約0.25:1、0.5:1、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:17:1若しくは8:1以上である。ある例で、第2の直径に対する第1の直径の比率は、約0.25:1、0.5:1、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:17:1若しくは8:1の間である。
【0089】
ある例で、ベンチュリチューブは、(例えば、圧力差を作ることで)流体流調節器128の構成を調節し制御するように又はそのどちらか一方をするように構成される。ベンチュリチューブは、流動調節器128にわたって圧力差を作るように構成されてもよい。ある例で、ベンチュリチューブは使用者の吸入に反応して流動調節器にわたる圧力差を作るように構成されてもよい。それゆえ、(例えば、閉構成から開構成へ)流体流調節器128の構成を変える。ある例で、ベンチュリチューブ(例えば、カートリッジ102又はチャンバ116と一緒に)は、分離したチューブとのど部の両方又はどちらか一方の内側に大きな真空を作るように構成される。
【0090】
蒸発装置100は、単一統合装置又は複数の独立した部品を備え得る。蒸発装置100の1つ又はそれ以上の部品は再利用できる。蒸発装置100の1つ又はそれ以上部品は、使い捨て可能であってもよい。例えば、カートリッジ102内の液体が使い尽さえると、カートリッジ102は処分され、別の予め充電されたカートリッジに取り替えられるように構成される。ある例で、カートリッジ102は、アトマイザ104が使用された後(例えば、予め決められた使用回数又は予め決められた使用時間の後)に取り替えられるように構成される。
【実施例0091】
図2は、蒸発装置100と同様の特徴を有する典型的な蒸発装置200の閉構成を示す。しかし、蒸発装置200は、スプリング230と流体ストッパ232を有する流動調節器228を備える。スプリング230と流体ストッパ232により、蒸発装置200は流体流を調節又は制御できる。スプリング230と流体ストッパ232は、例えば、第1の流路226の内部の又は細長い部品226を介してリザーバからの流体流を調節するバルブとして作動し得る。スプリング230は、金属、プラスチック、弾性のある部品及び同じようなものを含む物質から作られ得る。弾力のある部品は、別の物質と比べて一般的に低いヤング率と高い破断ひずみを有する粘弾性のあるポリマに関し得る。弾性のある部品は、ゴム、シリコーン(例えば、室温加硫(「RTV」)シリコン)、硬化液体シリコーン樹脂(例えば、NuSil MED-48シリーズ)及び同様のものを有し得る。
【0092】
スプリング230は変形自在である。さらに、スプリング230は、例えば収縮、伸張及び又は若しくはねじり後、自然に静止状態に戻り得る等、弾力がある。従って、スプリング230はバイアス力を有し得る。バイアス力は流体流調節器228をデフォルト構成(例えば、平衡状態、静止状態、安定状態構成等)に維持し得る。ある例で、バイアス力は流体流調節器228を閉構成に維持する。閉構成は、例えば、外力を受けていない流動調節器228の静止状態に相当し得る。閉構成はスプリング230の平衡状態に相当し得る。閉構成で、流体ストッパ232は、リザーバ208から加熱部品220の周辺までの細長い部品226を通る液体の流れを妨げ得る。閉構成で、液体ストッパ232は第2の流路226内の液体の流れを妨げ得る。
【0093】
蒸発装置100と同様に、蒸発装置200は内側の細長い部品229を有し得る。蒸発装置200はさらに、内側の細長い部品229の延長であり得るさらなる部品234を有し得る。代替として、部品234は、内側の細長い部品229に加熱部品220を接続するように構成された中間構造(例えば、チューブ、ハウジング等)を示し得る。内側の細長い部品229の近位端は、リザーバ208につなげられ(例、接続され)得る。内側の細長い部品229の遠位端は、例えば、直接又は中間構造を介して加熱部品220に接続され得る。アトマイザの出口部236は、蒸発装置のチャンバ216の方に向いていてもよい。
【0094】
流体ストッパ232は、片方の側面で内側の細長い部品226と伝達し、もう片方の側面で空気チャンバ238と接続され得る。流体ストッパ232は第1の流路226と伝達し得る。ある例で、流体ストッパ232は、ストッパ232の置換軸に沿って内側の細長い部品229(例えば、第1の流路226)側に加えられた力が空気チャンバ238側に加えられた力より小さくなるように構成され得る。例えば、これは、図2に示されるような同じように広がる断面のチューブの内部に配置された2つの異なる断面直径を有する2部分プランジャを使うことで達成され得る。より小さい断面直径を有するプランジャの部分は細長い部品側又は流体と接し得る。より大きい断面直径を有するプランジャの部分は空気チャンバ又は空気に接し得る。両側の表面領域における違い(例えば、断面直径の違い)により、流体ストッパは圧力アンプとして作動できる。
【0095】
ある例で、空気チャンバ238は、蒸発装置200の外側の細長い部品201のチャンバと接続する。ある例で、空気チャンバ238はベンチュリチューブ240ののど部と接続する。ベンチュリチューブは外気218とチャンバ216の両方又はどちらか一方と繋がり得る。例えば、ベンチュリチューブ240の入口は外気218と伝達し、ベンチュリチューブ240の出口は、チャンバ216と伝達する。ある例で、ベンチュリチューブ240は、ベンチュリチューブ240に空気を提供する独立したチューブを介して空気チャンバ238に接続される。
【実施例0096】
図3は、蒸発装置300の開構成を示している。開構成は、使用者の吸入に反応した図2の装置200の構成に相当する。使用者の吸入により、チャンバ316内は真空になり得る。チャンバ316内が真空になると、ベンチュリチューブ340を経てチャンバ316内へ空気流路318が設けられ得る。本明細書に既に記載したように、空気流路318は、第3の流路内を移動する空気に関連し得る。チャンバ316への空気流は、ベンチュリチューブ340ののど部内側で大きな真空を引き起こす。そしてそれは、独立したチューブ342を経て空気チャンバ338と伝達し得る。ある例で、チャンバ316への空気流は、空気チャンバ338内の大きな真空を引き起こす。
【0097】
ベンチュリチューブ340ののど部内の真空は流体ストッパ332に力(例えば、上向きの力)を働かせ得る。代わりに又はさらに、チャンバ316の真空は、内側の細長い部品329内に真空を生じさせ得る。内側の細長い部品329内の真空は流体ストッパ332に力(例えば、下向きの力)を働かせ得る。ベンチュリチューブ340(又は空気チャンバ338)ののど部内の真空が及ぼす力は、内側の細長い部品329内の真空が及ぼす力より強くなり得る。流体ストッパ332に働く上向きの力は、使用者の吸入によって流体ストッパ332に及ぶ下向きの力より強くなり得る。例えば、使用者の吸入のため、圧力差が流体ストッパ332にわたって生じ得る。圧力差により、流体流調節器328(例えば、流体ストッパとスプリングの両方又はどちらか一方)は開位置に移り得る。そしてこれは、リザーバ308からの液体を内側の細長い部品を介して加熱部品320の周辺へ流し得る。
【0098】
ある例で、内側の細長い部品329の開口程度は、チャンバ316にもたらされる真空に比例する。ある例で、内側の細長い部品329の開口程度は、使用者によって与えられる真空に比例する。ある例で、流動調節器328の構成は、チャンバ316に適用された真空に相当する。ある例で、流動調節器328の構成は、例えば使用者の吸入等、使用者によって適用された真空に依拠する。ある例で、流動調節器328の開口具合は、チャンバ316に適用された真空の量と等しい。
【実施例0099】
ある例で、流動調節器は、変形自在な膜を有し得る。その変形自在な膜は、本明細書では膜とも呼ばれる。図4は、装置100と同様だが、流動調節器428の一部として変形自在な膜444を備える蒸発装置400の閉構成を示す。変形自在な膜444と流体ストッパ432により、蒸発装置400は流体流を調節し又は制御できる。変形自在な膜444と流体ストッパ432は、例えば、内側の細長い部品429を介するリザーバ408からの流体流又は第1の流路内の流体流を調節するバルブとして作動し得る。流体ストッパ432は作動可能なように、変形自在な膜444に接続される。例えば、流体ストッパ432は変形自在な膜444に直接接続され得る。流体ストッパ432は、取り外し自在に又は固定して膜444に接続され得る。ある例で、流体ストッパ432の動作は変形自在な膜の動作に相当する。
【0100】
変形自在な膜444は、金属、プラスチック若しくは弾性のある部品を含むどんな物質から作られてもよい。弾性のある部品は、別の物質と比べて一般的に低いヤング率と高い破断ひずみを有する粘弾性のあるポリマに関係し得る。弾性のある部品は、ゴム、シリコーン(例えば、室温加硫(「RTV」)シリコン)、硬化液体シリコーン樹脂(例えば、NuSil MED-48シリーズ)等を有し得る。膜444は変形自在である。膜444は弾力があり、例えば収縮、伸張及び又は若しくはねじり後、自然に静止状態に戻り得る。
【0101】
膜444にはバイアス力が存在し得る。バイアス力は、流動調節器428をデフォルト構成(例えば、平衡状態、静止状態、安定状態構成等)に維持し得る。ある例で、バイアス力は、流動調節器428を閉構成に維持する。閉構成は、例えば、外力を受けていない流動調節器428の静止状態に相当し得る。閉構成で、流体ストッパ432は、内側の細長い部品426を介してリザーバ408から加熱部品420の周辺までの溶液の流れを妨げ得る。
【0102】
部品434、内側の細長い部品426の延長部を示し得る。代わりに、部品434は、加熱部品420を細長い部品に接続するように構成された中間構造(例えば、チューブ、ハウジング等)を示し得る。その構造は、別の箇所に既に記載している。
【0103】
内側の細長い部品429の近位端は、リザーバ408に繋がれて(接続されて)いてもよい。内側の細長い部品429の遠位端は、例えば直接又は中間構造を介して加熱部品420に接続され得る。アトマイザの出口部は、蒸発装置400のチャンバ416の方に向いていてもよい。
【0104】
流体ストッパ432は、片側の側面で内側の細長い部品429に接続し得る。流体ストッパの反対の側面は、空気チャンバ438と伝達し得る膜に直接接続され得る。ある例で、流動調節器428(例えば、流体ストッパと弾力のある部品)は、流動調節器428の置換軸にそって細長い部品側に働く力が、空気チャンバ側の力より小さい構成を有し得る。例えば、より小さい断面直径を有するプランジャは内側の細長い部品側又は液体と接し得る。より大きい断面直径を有する弾力のある部品の部分は空気側又は空気と接し得る。両側の表面領域の違い(例えば、断面直径の差)により、バルブは圧力アンプとして作動しできる。
【0105】
ある例で、空気チャンバ438はベンチュリチューブ440ののど部と繋がり得る。代わりに又はさらに、ベンチュリチューブ440は外気418とチャンバ416の両方又はどちらか一方と繋がり得る。例えば、ベンチュリチューブ440の入口(例えば、流入口)は外気と繋がり、ベンチュリチューブ440の出口(例えば、流出口)はチャンバと繋がり得る。
【実施例0106】
図5は、変形自在な膜を利用する蒸発装置500の開構成示す。開構成は、使用者の吸入に反応した図4の装置400の構成に相当する。使用者の吸入は、チャンバ516内に真空を作り得る。チャンバ516の真空は、ベンチュリチューブ540を通るチャンバの空気流を設け得る。外気からチャンバ516への空気流518は、空気チャンバ538と接続し得るベンチュリチャンバ540ののど部内側に大きな真空を引き起こし得る。ベンチュリチャンバ540ののど部内側の真空は、変形自在な膜544に力(例えば、下向きの力)を働かせ得る。変形自在な膜544に働く力により、変形自在な膜544の力の方向への動きと、膜544に接続される流体ストッパ532の力の方向への動きが生じ得る。ベンチュリチャンバ540ののど部内側の真空により、流動調節器528(例えば、流体ストッパ532)は開位置(例えば、下)に移る。それにより、リザーバ508内の液体は、内側の細長い部品529を介してかつ、加熱部品520の周辺へ流路526に沿って流れることができる。ある例で、内側の細長い部品528の開口具合は、例えば、使用者の吸入によってチャンバ516にもたらされた真空に比例し得る。ある例で、流動調節器528の開口具合は、チャンバ516にもたらされた真空に等しい。
【0107】
ある例で、本明細書に記載される流体流調節器は、バイメタル状の部品を有する。本明細書で使用されるバイメタル状の部品は、2つの異なる物質が接着された合成物質に関係し得る。バイメタル状の部品もまた、本明細書全文にわたりバイメタル状の合成物資と呼ばれ得る。2つの異なる物質は、2つの異なる熱膨張率係数を有し得る。物質の熱膨張率係数の間の違いにより、バイメタル状の部品は加熱されると、1つ又はそれ以上の軸に沿って曲がる又はねじれる。物質の熱膨張率係数の間の違いにより、バイメタル状の部品は加熱されると構造を変える。加熱エネルギは、蒸発装置で使用される加熱部品によって又は独立した加熱部品によって提供され得る。加熱部品はセンサ(例えば、真空感知センサ)又は蒸発装置内の手動スイッチによってスイッチを入れられ得る。真ちゅうとスチール、銅とスチール、アルミニウムとポリプロピレン若しくは別の物質の組み合わせを含む通常用いられる物質の組み合わせは、接着され、異なる熱膨張率係数を有し得る。例えば、バイメタル状の部品は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ若しくはそれ以上の物質を有する。
【実施例0108】
図6Aと6Bは、バイメタル状のバルブ部品を有する流動調節器628を備える蒸発装置600の閉構成(図6A)と開構成(図6B)を示す。バイメタル状の部品は、第1の金属646と第2の金属648を有し得る。(図6Aに示される)閉構成で、流動調節器628(例えば、合成物質又はバイメタル状の部品)は物理的に内側の細長い部品629の出口を塞ぎ得る。例えば、リザーバ608からの流体は、内側の細長い部品629を介して流れる。開口部又は内側の細長い部品629の出口は流体流調節器628によって塞がれ得る。例えば、内側の細長い部品629の開口部699により近い金属646(「第1の金属」)は開口部699を塞ぎ得る。閉構成で、2つの金属646と648は長さが等しく、その合成物質は流体が加熱部品620の周辺へ流れ込むことを防ぎ得る。
【0109】
図6Bに示される)開構成で、内側の細長い部品629の開口部699により近い金属646は、内側の細長い部品629の開口部699からより離れた金属648(「第2の金属」)より長くなる。金属646、648の長さの違いは合成物質を曲げ、内側の細長い部品629の開口部699を露出させ、液体は流路626に沿って全長にわたって流れ得る。
【0110】
別の実施形態を参照して上述のように、バイメタル状の流動調節器628は、外部の刺激(例えば、温度変化)に反応して、センサに反応して及び又は若しくは使用者に反応して、(例えば、閉から開へ)構成を変え得る。例えば、使用者が蒸発装置600のマウスピースを介して息を吸う(例えば、吸い込む)。加熱部品620を作動させ得る使用者の動きは、(例えば、圧力センサ又は空気流センサによって)感知され得る。その後、加熱部品620から生じる熱によりバイメタル状の流動調節器628は構成を変え得る。
【0111】
開口部699を通る流体の流れを妨げる1つの金属646が図6Aに示されているが、金属646と648の両方が流体の流れを妨げると理解するべきである。代わりに又はさらに、バイメタル状の部品は、流体の流れを妨げ得る独立したかつ付加的な又はそれらどちらか一方の状態の流体止め部品と接続され得る。独立した流体止め部品は、例えば、熱に反応してバイメタル状の部品に相当する構成を変える。例えば、バイメタル状の部品は、以下に記載するMEMSと同様にシリコンとシリコーン酸化物の両方又はどちらか一方に接続され得る。図6Aと6Bは蒸発装置の簡略化された構成を示すが、全文にわたって記載された蒸発装置の部品はいずれも(例えば、ベンチュリチューブ)、バイメタル状のバルブと併せて用いられ得ることが理解されるべきである。
【実施例0112】
図7Aと7Bは、マイクロ電気機械的なシステム(MEMS)バルブを有する流動調節器728を備える蒸発装置700の閉構成(図7A)と開構成(図7B)を示す。ある例で、MEMSバルブはシリコン750、アルミニウム752及びシリコン酸化物754を有する。シリコン、アルミニウム及びシリコーン酸化物を有するMEMS構成が図7Aと7Bに示されるが、図7Aと7Bは単なる例示的なものであり、多くの別のMEMS構成が可能であることが理解されるべきである。
【0113】
図7Aの閉構成で、MEMS流動調節器728は、内側の細長い部品729を介するリザーバ708からの流体流を妨げ得る。開口部799又は内側の細長い部品729の出口は、MEMS流動調節器728によって妨げられ得る。図7Bを参照して、流動調節器728が、(例えば、蒸発装置700を作動させる使用者に反応して加熱部品720よって)加熱されると、上側チャンバ壁745は、シリコン750に接着さえたアルミニウム752の異なる膨張率により、変形し得る。変形物は開口部799の路からMEMSs部品を動かし、流体がリザーバ708から加熱部品720へ又は加熱部品720の近くに流れ得る。
【0114】
スプリング、変形自在な膜及びバイメタル状の部品を有する変形自在な部品が主に本明細書で説明されてきたが、本開示の蒸発装置は変形可能な部品を利用し得ることを理解すべきである。ある例で、変形可能な部品又は、流体流を制御し調節する又はそのどちらか一方をするように構成されたバルブを使用することで、新しいアトマイザ構造を利用することが可能になる。
【実施例0115】
図8Aと8Bは、本明細書に記載された内側の細長い部品に加熱部品を接続するための流入口チューブ834を備えるアトマイザ804を有する蒸発装置800を示している。ある例で、蒸発装置800は、呼吸調節バルブ又は、ベンチュリチューブ等の本明細書に記載された部品のいずれかと接続されたアトマイザ804を有する。ある例で、流入口チューブ834は、既に上述した内側の細長い部品の一部である。代わりに、流入口チューブ834は、加熱部品820を内側の細長い部品に接続するように構成された中間部品であってもよい。流入口チューブ834により、加熱部品820の周辺で、(例えば、リザーバからの)流体の自然な流れ(例えば、バルク流、多量の流れ)が可能になり、液体が蒸発し得る。ある例で、リザーバから加熱部品周辺への流体流は、例えば、使用者の吸入により生じる真空、(例えば、コックスプリング、流体ポンプ等からの)外部の力及び又は若しくは重力等の他の力によって促進される。
【0116】
言及したように、本明細書に記載されたリザーバはいずれも気圧を正常に保たれ、リザーバからの流体流を付勢されるか又は、(例えば、流体流調節器の一部として)圧力調節器を有し、能動的又は受動的にリザーバの圧力を増減し得る。例えば、図8Cと8Dは、気化性流体物質856を保有する流体リザーバ854(図8Cと8Dに概略的に示されている)が圧力調節器860を有する実施例を示す。この実施例で、リザーバの圧力が調節され、大気圧より高くなる(図8Cに示されている)又は大気圧とほぼ同じになる(図8D)と、気化性流体は、(細長いチューブ/流入口チューブ834の領域として示された)アトマイザ864に流入しかつ流出する。重力(又はその他の別の力、例えば磁力等)が気化性流体の流れを押し流すように蒸発装置が構成されると、リザーバを大気へ開放すること(例えば、圧力調節器が大気へ開放するバルブである)により、加熱領域864へ流れることが可能になり、一方でリザーバの大気への開放を閉じることで流れを妨げ得る。図8Dで、例えば、圧力調節器860は閉じられ、リザーバ内の圧力を(細長いチューブ又は流入口チューブ834による流れの抵抗の増減と)ほぼ同一に設定するか又はそのどちらか一方をする。上述したように、流動調節器は、バルブによってというよりむしろ表面張力を介して流体流を制御するように構成されたメカニズムを備え得る。
【0117】
流入口チューブ834は例えば、ポリマ又はステンレススチールのような金属から作られ得る。流入口チューブ834はコーティングされ得る。例えば、流入口チューブ834は断熱材でコーティングされる。ある例で、流入口チューブ834は酸化させられ、厚い断熱コーティングを生成する。コーティングは、蒸発装置800の作動に関連する電位短絡問題を克服し得る又はその問題を回避し得る。
【0118】
加熱部品820は流入口チューブ834に接続され得る。本明細書で既に記載したように、加熱部品は熱を発生させ、リザーバからの液体を蒸発させるように構成された部品を備える。例えば、加熱部品820は電気ヒータワイヤ又はコイルを有する。ある例で、電気ヒータワイヤはニッケルクロムワイヤである。ある例で、加熱部品820は流入口チューブ834の周りを覆う。加熱部品820は、例えば、流入口チューブ834の近位端858付近等、チューブの全長に沿ったどこかに配置され得る。
【0119】
ある例で、加熱部品834ははんだ付けできないものである。例えば、電気ヒータワイヤははんだ付けできないものである。ある例で、(例えば、流入口チューブ834と加熱部品820の間の)確実な電気接続は、加熱部品820を構成するコイルの両方の自由端周りに流入口チューブ834を固定することで達成される。次に、絶縁銅ワイヤリード817は固定された流入口チューブ834の短尺部にはんだ付けされ得る。代わりに、加熱ワイヤに対する点溶接ワイヤリードによって確実な電気接続が直接的になされ得る。
【0120】
加熱部品820(例えば、電気ヒータワイヤ)の直径は例えば、約0.001、0.002、0.05、0.075、0.01、0.0125、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045若しくは0.05インチ以下である。例えば、加熱部品又はワイヤの直径は、約0.001、0.002、0.05、0.075、0.01、0.0125、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045若しくは0.05インチ以上である。
【0121】
加熱部品820(例えば、ワイヤ)は、予め決められた間隔でチューブの周りに巻かれ得る。例えば、間隔は約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.012、0.014、0.016、0.018、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045若しくは0.05インチ以下である。例えば、間隔は約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.012、0.014、0.016、0.018、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045若しくは0.05インチ以上である。ある例で、間隔は、約0.005から0.001インチの範囲にある。ある例で、蒸発装置の抵抗(例えば、アトマイザ)は、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10オーム以下である。外部電源(例えば、バッテリ)は加熱ワイヤに電力を供給し得る。ある例で、外部電源の電力の範囲は約0ワットから10ワットである。ある例で、電力範囲は約0.5ワットから10ワットである。ある例で、電力範囲は約1ワットから10ワットである。ある例で、電力範囲は約0.5ワットから12ワットである。ある例で、電力範囲は約0.5ワットから15ワットである。
【0122】
流入口チューブ834は、塞がれている又は開口している近位先端858を備え得る。ある例で、流入口チューブ834は、流入口チューブ834の外部壁に沿って広がる1つ又はそれ以上のベントスロット860を有する(図8B参照)。例えば、流入口チューブ834は、外部壁に沿って0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10若しくはそれ以上のベントスロット860を有する。ベントスロット860は、本明細書ではスロットとも呼ばれ、互いに等距離にある。例えば、図8の流入口チューブ834は、チューブの近位先端858の近くに4つの等距離スロット860を有する。代わりに、スロット860は、どんな構成又は様式で配置されてもよく、互いに等距離でなくてもよい。スロット860はどんな大きさでもよい。例えば、スロット860は、幅と長さの両方又はどちらか一方が0.05、0.0075、0.1、0.125、0.15、0.2、0.25、0.03、0.4若しくは0.5インチ以下である。例えば、スロット860は、幅と長さの両方又はどちらか一方が0.05、0.0075、0.1、0.125、0.15、0.2、0.25、0.03、0.4若しくは0.5以上である。ある例で、スロット860は、長さが約0.125インチ以上で幅が0.02インチ以上である。ある例で、スロット860は、幅が約0.125インチで長さが0.02インチ以上である。流入口チューブ834の各ベントスロット834は、同じ大きさであってもよい。ある例で、流入口チューブ834の壁に沿ったベントスロット860は異なる大きさである。ある例で、流入口チューブ834は、外側壁に沿って複数の細穴を有する。ある例で、流入口チューブ834は多孔質である。
【0123】
ベントスロット860、細穴及び又は若しくは開口穴は、流体を開放するように構成され得る。例えば、リザーバからの流体は、流入口チューブ834を介して流れ、ベントスロット860を介して放出される。ある例で、加熱部品820はベントスロット860に接続される。例えば、加熱部品820(例えば、コイルとワイヤ又はそれらの一方)は流入口チューブ834のベントスロット860に沿って流れる。加熱部品820はベントスロット860を覆い得る。代わりに又はさらに、加熱部品820はベントスロット860の近くで接続されるが、直接ベントスロット860を覆わなくてもよい。ベントスロット860を介して放たれる流体は、加熱部品820に接する(例えば、加熱部品820の近くにくることと加熱部品820と接触することの両方又はどちらか一方)と直ぐに高温になり蒸発する。ある例で、加熱部品820を通過する流体は直ぐに高温になり沸騰する。(例えば、流入口チューブ834内の)加熱された液体は、チャンバ816へ出ていく。液体流量と(例えば、電源による加熱部品820への)入力電力によって、液体はチャンバ816内に存在する空気中へ蒸発するか又は、沸騰しチャンバ816内の空気と混ざり得る。チャンバ816内の空気は、存在する開口部のいずれかを介して流入し得る。例えば、空気はポート862を介して又はポート862から流入する。ある例で、ポート862は、本明細書で既に記載されたベンチュリチューブを有するか又はベンチュリチューブに接続され得る。いずれの例でも、ポート862から流入する冷えた空気と混合する際、蒸発した又は沸騰した物質はチャンバ816内の下降気流を凝縮し、喫煙者が近位側のマウスピース864を介して吸入できる濃縮蒸気雲を生成し得る。
【0124】
いくつかの例で、流入口チューブ834は穴が開けられていない。例えば、流入口チューブ834は、側壁にベントスロットを有しない。そのような場合、ベントスロットを有しない流入口チューブ834は開口先端858を有し得る。ある例で、加熱部品820(例えば、加熱ワイヤ)は先端858の近くで(例えば、出口の近く、開口先端の近く等)流入口チューブ834の周りを覆う。加熱部品820を通過する流体は、加熱部品820に接続された流入口チューブ834の一部を介して流れる際、直ぐに高温になり蒸発し得る。発生した蒸気は、開口先端858を介して放たれ得る。ある例で、加熱部品820を通過する流体は直ぐに高温になり沸騰し得る。(例えば、流入口チューブ834内で)加熱された液体はチャンバ816へ流出し得る。液体流量と(例えば、電源による加熱部品への)電力入力によって、液体はチャンバ816内に存在する空気中へ蒸発するか又は沸騰して、チャンバ816内の空気と混合し得る。いずれの例でも、ポート862から流入する冷えた空気と混合する際、蒸発又は沸騰した物質は、チャンバ816内の下降気流を凝縮し、喫煙者が近位側のマウスピース864を介して吸う凝縮蒸気雲を生成し得る。
【0125】
空気(周囲の空気又は別の箇所で既に説明したベンチュリ部品からの空気)は、送り込みポート862を介してチャンバ816へ流入し得る。送り込みポートは予め決められた直径を有し得る。例えば、送り込みポートの直径は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.12、0.14、0.16、0.18、0.2、0.3、0.4若しくは0.5インチ以上である。例えば、入口ポートの直径は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.12、0.14、0.16、0.18、0.2、0.3、0.4若しくは0.5インチ以下である。
【0126】
空気はある空気流量でチャンバ816へ流入し得る。空気流量は、使用者の吸入に反応した空気流量に相当し得る。ある例で、空気流量は約1L/分、2L/分、3L/分、5L/分、10L/分、15L/分、20L/分、30L/分、40L/分、50L/分、60L/分、70L/分、80L/分、90L/分、100L/分、120L/分、140L/分、160L/分、180L/分若しくは200L/分以上である。ある例で、空気流量は約1L/分、2L/分、3L/分、5L/分、10L/分、15L/分、20L/分、30L/分、40L/分、50L/分、60L/分、70L/分、80L/分、90L/分、100L/分、120L/分、140L/分、160L/分、180L/分若しくは200L/分以下である。ある例で、空気流量は約5L/分から100L/分、10/分から140L/分若しくは10L/分から100L/分の範囲にある。本明細書に記載された空気流量は、本開示の全体にわたって記載された実施形態のいずれにも適用でき、関連している。
【実施例0127】
図9は、(流入口チューブ834と同様の)流入口チューブ934を有するエアインコイルアトマイザ904を備える蒸発装置900を示す。ある例で、蒸発装置900は、呼吸調節バルブと接続されたアトマイザ904又は、例えば、ベンチュリチューブといった全文にわたって記載されているいずれの部品も備え得る。エアインコイルアトマイザ904は片方の端部のみが流入口チューブ934に接続(例えば、電気的に接続)されるコイルを含み得る。ある例で、流入口チューブ934は、本明細書に既述された内側の細長い部品の一部である。続いて上述されたように、代わりとして、流入口チューブ934は、加熱部品920を内側の細長い部品に接続するように構成された中間部品であってもよい。ある例で、エアインコイルアトマイザ904は、片側が流入口チューブ934に接続されかつ、もう片方の端部が異なる部品に接続されているコイルを有し得る。そのような実施形態で、異なる部品と流入口チューブ934とは電気的に分離され得る。ある例で、エアインコイルアトマイザは、片側の終端が流入口チューブ934に接続され、もう片側の終端が出口又は排出チューブ972に接続されるコイルを備える。流入口チューブ934と排出チューブ972は電気的に分離されてもよい。
【0128】
ある例で、エアインコイルアトマイザ904は、加熱部品920(例えば、加熱ワイヤ)の接合性を高める。本明細書で既述したように、例えば、エアインコイルアトマイザ904は、圧着接合又はスポット溶接接合の利用を避ける。ある例で、加熱部品920(例えば、コイル)は、一方の端部で流体を受け入れるために構成された流入口チューブ934と密着する。さらに、排出チューブ972は、蒸気を別のところへ開放するためのチャンバ916を備え得る。ある例で、流入口チューブ934と排出チューブ972は、金属製であり、流入口チューブ934と排出チューブ972と電気的に接続される。それにより、加熱部品(例えば、コイル)を通電する。エアインコイルアトマイザ904は、コイルと流入口チューブ934の間の電気の短絡問題を回避し得る。例えば、コイルは片側で流入口チューブ934とのみ接触し、蒸発装置の迂回路の短絡を避ける。例えば、直接的な電気接続が流入口チューブ934とチャンバ916の外側(例えば、排出チューブ972)に作られる。
【0129】
ある例で、流入口チューブ934と排出チューブ972(例えば、金属製のチャンバ又はチューブ)は絶縁中空ハウジング966に同軸上に同時に接続されるが、それにより互いに電気的な接触はしない(例えば、互いに電気的に分離される)。例えば、流入口チューブ934と排出チューブ972は、同軸にかつ互いに接近して絶縁中空ハウジング966内へ突き出ているが、接触はしていない。ハウジング966は、例えばファイバー、グラス、ポリマ若しくはシリコーンゴム等の絶縁物質から作られ得る。
【0130】
ある例で、加熱ワイヤ920のコイルは分離して作られる。例えば、0.01”ニクロムワイヤは、小型の心棒周りに巻かれる。その後、コイルは、外側チューブ972の先端周りと同様に流入口チューブ934の先端周りで滑るように動かされ得る。ある例で、流入口チューブ934と排出チューブ972の間にギャップがある。そしてそのギャップは、加熱部品920のワイヤによって一体に接続される。例えば、約0.001”、0.002”、0.005”、0.01”、0.02”、0.05”、0.1”、0.2”、0.3”、0.4”若しくは0.5”と等しい又はそれらより大きいギャップが流入口チューブと流出口チューブの間にある。例えば、約0.001”、0.002”、0.005”、0.01”、0.02”、0.05”、0.1”、0.2”、0.3”、0.4”若しくは0.5と等しい又はそれらより大きいギャップが流入口チューブと流出口チューブの間に残される。例えば、約0.001”、0.002”、0.005”、0.01”、0.02”、0.05”、0.1”、0.2”、0.3”、0.4”若しくは0.5”の間のギャップが流入口チューブ934と排出チューブ972の間に残される。ある例で、隙間は約0.005”と0.01”の間にある。コイルは、空き空間の中に(例えば、ギャップ内に)留められ得る。ある例で、コイルは隙間無く巻かれる。しかしながら、一度チューブ(例えば、934と972)上へずらされると、チューブ934と972の間の接触(例えば、しまりばめ)を調節することでギャップが作られ得る。
【実施例0131】
図10Aと10Bは、実施形態に沿って、エアインコイルアトマイザ1004を有する蒸発装置1000を示す。ある例で、蒸発装置1000は、呼吸調節バルブ又は全文にわたって記載されたいずれかの部品(例えば、ベンチュリチューブ)に接続されたアトマイザ1004を有する。エアインコイルアトマイザ1004は、(例えば、液体リザーバからの)液体を通過させ、液体が加熱部品(例えば、コイル)と接触することなく蒸気を発生させるように構成され得る。従って、エアインコイルアトマイザ1004は、コイル(巻き線)1020の間の加熱された液体の流路で、蒸発を促進させることが不要なままであることを示す。エアインコイルアトマイザ1004構造は、加熱液体との空気交換を改善し得る。例えば、空気は加熱された液体を収容する加熱コイルの上を流れ、液体を蒸発させる。
【0132】
エアインコイルアトマイザ1004は、流入口チューブ1034とチャンバ内へ押し込められたディフューザ1068を備え得る。チューブ1034、ディフューザ1068及び又は若しくはチャンバ1016は金属を含むか又は金属性の部品から作られ得る。ある例で、流入口チューブ1034は、本明細書で既述したように内側の細長い部品の一部である。続いて上述されているように、代わりに、流入口チューブ1034は、加熱部品を内側の細長い部品に接続するように構成された中間部品であってもよい。ある例で、流入口チューブ1034と排出チューブ1002は共に、絶縁物質から作られたハウジング1066と同軸上に接続される。ある例で、流入口チューブ1034とディフューザ1068は、ハウジング1066内に突き出しているが、互いに接触しない。流入口チューブ1034とディフューザ1068の相対位置は、例えば、止めねじ1070で固定され得る。例えば、ハウジング1066の止めねじ1070は、流入口チューブ1034、ディフューザ1068及び又は若しくはチャンバ1016に突き刺さり、各部品の相対位置は固定され得る。ある例で、電気的接続が各止めねじに作られるか、又は代わりに流入口チューブ1034とチャンバ1016(例えば、流出口チューブ)の両方又はどちらか一方に作られる。
【0133】
金属製のディフューザ1016は、蒸発した液体と気流の完全な混合を可能にするチャンネルの構成を有し得る。蒸気流、高温液体流、沸騰液体流及び又は若しくは気流の混合は、蒸気の凝結を強め、促進するか又はそのどちらか一方をし得る。図10Bを参照して、ある例で、ディフューザ1068は、蒸気を運ぶ又は流すためにチャンネル(例えば、中心チャンネル)を有し得る。ある例で、ディフューザ1068は、空気を運ぶ又は流すために4つのチャンネル1074、1076、1078、1080を備える。ある例で、空気を流すように構成された4つのチャンネルは、蒸気を流すように構成されたチャンネルの周囲に配置される。代わりに、ディフューザ1068は、それぞれ蒸気と空気の両方又はどちらか一方を流すための1つ、2つ、3つ、4つ、5つ若しくはそれ以上のチャンネルを有し得る。チャンネルの(例えばディフューザ1068の)チャンバ1016への出口で、混合は蒸気の凝縮を促進し強め得る。空気と蒸気の両方又はどちらか一方は、ディフューザ1068を経て、チャンバ1016へ流れるように混ざり合い凝縮し続け得る。ある例で、ディフューザ1068は、蒸気と空気の間に乱流混合が生じるように構成される。
【0134】
エアインコイルアトマイザ1004は、より近いコイル間隔を可能にする。例えば、混合のために空気がエアインコイルアトマイザ1004のコイル内へ流れる必要がないので、コイル間隔は可能な限り近づけられる。液体(例えば、高粘度の高温液体)は小さな穴を通ってコイル間隔内側を簡単に流れ得る。蒸発がコイルだけで生じるので、空気はコイルの外部周りを流れ、蒸発を起こし得る。液体がコイルに流入する(例えば、コイルを介して流れる)と同時に空気をコイル内部で流さなければならないことは、気流又は液体の流れが優位を占める不安定な状態を作り得る。
【0135】
ある例で、狭いコイル間隔は、アトマイザ1004の周辺(例えば、加熱部品、コイル等)で液体を効率的に加熱することを促進する。コイルは予めきめられた間隔でチューブ周りにまかれ得る。例えば、間隔は、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.012、0.014、0.016、0.018、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045若しくは0.05インチ以下である。例えば、間隔は、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.012、0.014、0.016、0.018、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045若しくは0.05インチ以上である。ある例で、間隔は約0.005から0.01インチまでの範囲にある。ある例で、間隔は約0.001から0.02インイチまでの範囲にある。ワイヤの長さと構成の物質は回路抵抗を決め得る。ある例で、蒸発装置(例えば、アトマイザ)の抵抗は、約0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10オーム以上である。ある例で、蒸発装置(例えば、アトマイザ)の抵抗は、約0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10オーム以下である。
【0136】
ある例で、加熱ワイヤのコイルは分離して形成される。例えば、ニクロムワイヤの0.001”は、小型の心棒周りに巻かれる。続いて、コイルは、(例えば、中央チャンネル1072から突き出たチューブに接続している)ディフューザ1068と同様、流入口チューブ1034の先端(例えば、近位端、出口部等)周りで滑るように動き得る。ある例で、ギャップ(例えば0.1”)が、流入口チューブ1034とディフューザ1068の間にあり、それにより、コイルは流入口チューブ1034とディフューザ1068の間の空き空間に留められ得る。ある例で、コイルは隙間なく巻かれる。しかしながら、一度チューブ(例えば、チューブ1034とディフューザ1068のチューブ)上へずらされると、チューブ間の接触(例えば、しまりばめ)を調節することで、ギャップつまり隙間が作られ得る。
【実施例0137】
図11は、実施形態に沿って、多孔質フィルタを有する蒸発装置1100を示している。ある例で、蒸発装置1100は呼吸調節器と又は例えばベンチュリチューブといった全文に記載されたいずれかの部品とも接続される多孔質フィルタアトマイザ1104を備える。多孔質フィルタアトマイザ1104は流入口チューブ1134の加熱領域に挿入された多孔質部品1182を有し得る。多孔質フィルタ部品1182は、本明細書で多孔質フィルタとも呼ばれ得る。ある例で、流入口チューブ1034は、本明細書に既述した内側の細長い部品の一部である。続いて上述されているように、代わりに、流入口チューブは、加熱部品1120を内側の細長い部品に接続するように構成された中間部品であってもよい。
【0138】
ある例で、多孔質フィルタ部品1182は、例えば、コイルといった加熱部品1120を有する流入口チューブ1134の領域に配置される。例えば、加熱部品1120は、多孔質フィルタ部品1182を有する流入口チューブ1134の部分の上にある。ある例で、多孔質フィルタ部品1182は流入口チューブ1134の全長にわたって配置される。ある例で、多孔質フィルタ部品1182は、(例えば、コイルのような分離した加熱部品1120の代わりに)ヒータとして用いられる。
【0139】
多孔質フィルタ部品1182は、外部から絶縁されていてもよい。ある例で、流入口チューブ1134の外側は、電気的に絶縁したコーティング1162(例えば、セラミック粘着)を有する。ある例で、電気的に絶縁したコーティング1162は、例えば多孔質フィルタを有する領域等、注ぎ口チュー1134の部分にのみ存在する。ある例で、加熱されたコイルのような加熱部品1120は電気的に絶縁されたコーティング上にある。ある例で、コイルの部分は非絶縁チューブ部分にあるが、別のコイルの部分はチャンバ1116から突き出る。
【0140】
多孔質フィルタ部品1182は、流入チャンバ1116から非蒸発液体を減し得る。例えば、フィルタ部品1182の穴は、液体が流出できない穴を通って気体が流出する又は流れるように大きさ付けられる。流入口チューブ1134内部に残っている液体は、蒸発のためにさらい加熱され得る。例えば、多孔質フィルタの穴の大きさは、約0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ若しくは0.02インチ以上である。例えば、多孔質フィルタの穴の大きさは、約0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ若しくは0.02インチ以下である。例えば、多孔質フィルタの穴の大きさは、約0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ若しくは0.02インチの間の大きさである。
【0141】
多孔質部品1182は、従来知られたいずれの工程からでも作られ得る。例えば、多孔質部品は、燃結処理を用いて粉末金属から作られる。
【0142】
多孔質フィルタアトマイザ1104を有する蒸発装置を利用することは電気的短絡に関連するリスクを軽減する。例えば、加熱部品との接続は、コイル又はチャンバ116の片方の終端1184ともう片方の終端1186の流入口チューブ1134に作られ得る。コイルはチューブ1134の絶縁された部分、つまり、多孔質フィルタにあるので、電気的短絡のリスクがない。ある例で、例えば加熱され、チャンバ1116の中の開口端で蒸発した状態で存在する間、液体はチューブ1134に流入し、フィルタ1182を通って流れる。
【実施例0143】
図12は、実施形態に沿って、バッフル付きのアトマイザ1204を有する蒸発装置1200を示している。ある例で、蒸発装置1200は、呼吸調節バルブ又は例えばベンチュリチューブといった全文に記載されたいずれかの部品と接続されたバッフル付きアトマイザ1204を有する。バッフル付きチューブアトマイザ1204はバッフル部品1290を備え得る。バッフル部品1290はまた、本明細書全文にわたってバッフル又はバッフルチューブとも呼ばれ得る。ある例で、バッフル部品1290は金属製である。ある例で、バッフル部品1290は流入口チューブ1234の流出口(例えば、出口、近位端等)へ押し込まれる。ある例で、流入口チューブ1234は、本明細書に既述した内側の細長い部品の出口である。続いて上述されるように、代わりに、流入口チューブ1234は、加熱部品1220を内側の細長い部品に接続するように構成された中間部品であってもよい。
【0144】
ある例で、バッフル部品1290は、注入チャンバ1216から非蒸発液体を減し得る。例えば、バッフル1290の抜け穴は、非蒸発液体は流出できないが、蒸気がバッフル部品1290を抜けるように大きさ付けられる。例えば、バッフル部品1290の抜け穴の大きさは、約0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ若しくは0.02インチ以上である。例えば、バッフル部品1290の抜け穴の大きさは、約0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ若しくは0.02インチ以下である。例えば、バッフル部品1290の抜け穴の大きさは、約0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ若しくは0.02インチの間である。
【0145】
ある例で、バッフル部品1290の長さは、流入口チューブ1234の一部を囲む。バッフル部品1290の長さはチューブ1234の加熱された領域の一部を囲み得る。例えば、バッフル部品1290の長さは、加熱部品が存在する又は接続されるチューブ1234の一部に相当し得る。例えば、バッフル部品1290の長さは、約0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ若しくは0.02インチ以上である。例えば、バッフル部品1290の長さは、約0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ若しくは0.02インチ以下である。例えば、バッフル部品1290の長さは、約0.0005インチ、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、0.005インチ、0.006インチ、0.007インチ、0.008インチ、0.009インチ、0.01インチ、0.012インチ、0.014インチ、0.016インチ、0.018インチ若しくは0.02インチと等しいか又はそれらの間にある。
【0146】
ある例で、流入口チューブ1234の外側は電気的に絶縁するコーティング1262(例えば、セラミック粘着)を有する。ある例で、電気的に絶縁したコーティング1262は、例えば、バッフル部品1290の長さに沿ってチューブ1234の部分にある。ある例で、加熱されたコイルのような加熱部品1220は、電気的に絶縁するコーティング1262上にある。ある例で、コイルの一部は非絶縁チューブ部分にあるが、コイルの別の部分がチャンバ1216から突き出る。図12はバッフルチューブアトマイザ構造を示しており、そこではコイル又チャンバの一端1284側にあるチューブ1234とコイル又はチューブの別の端部1286がヒータに連結される。コイルが流入口チューブ1234の絶縁部に載っているので、電気的に短絡する危険はない。
【0147】
ヒータがコイルである実施形態で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド、ガラス若しくはセラミックのような温度抵抗誘電絶縁体におけるコイルのワイヤは被覆され得る。絶縁被覆は、例えば、0.1から20ミクロンの間の厚みを有し得る。ワイヤを被覆することで、さらに電気的短絡を避けることができる。
【0148】
本明細書に記載されたいずれの変更でも、装置(蒸発装置)は定期的にヒータを洗浄するように構成され得る。芯のある(例えば、芯を使用する)ヒータと芯のないヒータを含むヒータは、使用に伴い残留物又は表面の不純者を蓄積し得る。ある例で、ヒータ構造と制御ループは、液体を完全かつすっかり蒸発させるように特別に構成され得る。そうすることで、(蒸気生成物の品質を低下し、雑味の原因となり及び有害な分解物を潜在的に放ち得る)超過期間に残留物がヒータの表面で成長することを防ぎ得る。結果として、本明細書に記載されたヒータは、例えば9ヶ月以上というように、6ヶ月以上の間機能し得る。
【0149】
代わりに又はさらに、本明細書に記載された蒸発装置はいずれも周期的な清掃サイクル(自浄)を有し得る。使用者が息を吹かずにヒータは着火されヒータに生じた残留物を徐々に焦がす又は焼く。蒸発装置は、洗浄を開始するために自動表示器を有しており、自動的に洗浄するか又はそのどちらか一方をし得る。そのような表示器又は自動洗浄は、装置を吹く設定回数、任意の使用回数及び又は若しくは別の使用データに基づいて決定され得る。図13に示される概略的な図は、自己洗浄1315能力を有するように任意に構成されたコントローラを有する実施例を示す。この実施例で、コントローラ1305は、装置を制御しヒータ1335を自浄するためのソフトウェアとのファームウェアの両方又はどちらか一方を備え得る。
【0150】
例えば、蒸発装置はヒータ(例えば、加熱コイル等)を洗浄するために予め決められた期間の間、高温にまで加熱するように構成され得る。いくつかの変更で、洗浄温度は通常稼働(蒸発)温度のいずれよりも高い。例えば、その温度は300℃、350℃、400℃、410℃、425℃、430℃、440℃、450℃、475℃、500℃、525℃、550℃等より高い。予め決められた洗浄タイマ期間は30秒、1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分、12分、15分、17分等より長い。(例えば、1分から10分の間等)
【0151】
装置は、制御部が装置を稼働しないと決断したとき自浄を予定し始める又はそのどちらか一方をするように構成され得る。例えば、制御部は充電時と、センサが使用者による装置の稼働がないと判断したときの両方又はどちらか一方のときのみ自浄を始める。(例えば、以下の延長期間。例えば、動きと使用者の接触の両方又はどちらか一方がない30分より短い期間。)スケジュール(予定)は一部、(例えば、先の作動に基づく非使用時間で)日単位の時間に基づく。ある変更で、装置は自浄が予定されてかつ実行中である又は予定されているか実行中である信号又はメッセージを使用者に提供する。使用者は自浄を終わらせる又は中断させることができる。装置は、装置上に表示することで使用者に知ら得る。(例えば、LEDの使用、画面、携帯電話のような使用者の装置への伝達等)
【0152】
ある実施例で、ヒータは、各使用者が吹かし、完全に液体が蒸発したことを確認し、残留物がヒータの表面で成長することを防いだ後、簡単に火がつくように構成される。
【0153】
本明細書に記載されたいずれの装置においても、蒸発装置は、ヒータがセミダブルで周期的に置き換わる3部分システムを有し得る。置換のタイミングは、例えば装置を吹く設定回数、任意の使用回数及び又は若しくは別の使用データに基づき、装置に示され得る。
【0154】
本明細書で開示される蒸発装置は、本明細書に記載された1つ又はそれ以上の部品又は実施形態を有し得る。例えば蒸発装置は、流体流調節器と、多孔質フィルタとバッフル部品を有するアトマイザを備える。
【0155】
本開示は蒸発装置における流量制御の方法を示す。その方法は、蒸発装置が電子たばこである蒸発装置を提供する方法と、本明細書に既述されたいずれのバルブをも前記装置内に構成する方法と、本明細書に既述した改良アトマイザ構成のいずれかを有する前記装置を構成する方法とを有する。
【0156】
別の形態で、本開示は蒸発装置における高められた流量制御の方法を示す。その方法は以下の工程を有する。装置が電子たばこである蒸発装置を提供する工程と、本明細書に既述された呼吸調節された弾力性のある又はバイメタル状のバルブのいずれかを前記装置内に構成する工程と、本明細書に既述した改良アトマイザ構成のいずれかを有する前記装置を構成することを有する。
【0157】
本開示は有機物質を蒸発させるための蒸発装置における呼吸調節制御の方法を提供する。その方法は、呼吸調節バルブを有する蒸発装置を提供する工程、従来の芯の代替としてバルブを構成する工程、使用者が装置のマウスピースから吸入するとき、リザーバからアトマイザへ流れを作る工程を有する。本開示は、蒸発装置のための改良アトマイザ構造の実施形態を提供する。そこでは、蒸発装置に組み込まれた呼吸調節バルブの種々の実施形態を任意に有する前記構造は、従来の芯を置き換えるように構成される。ある例で、蒸発装置は電子たばこである。
【0158】
例えば、芯のない蒸発装置といった本明細書に記載された蒸発装置は、従来の蒸発装置と比較すると多くの利点を有し得る。例えば、本明細書に記載された蒸発装置により、効率が良くかつ高品質な蒸気を生成する又はそれらどちらかの一方の蒸発装置を作ることができる。例えば、本開示の蒸発装置は焦げた又は燃えた匂い、水没又はごぼごぼと音を立てること、漏損、細長い部品の移動、残留物の蓄積、匂いクロスオーバー、バッテリの短命化及び又は若しくは典型的に使用者にとって使用勝手の悪い構造に関連した問題を取り除く。例えば、従来の蒸発装置で使用された電力と等しい電力を使うことで、本開示の蒸発装置は、従来の蒸発装置の少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、5倍、6倍、8倍若しくは10倍の流量を生成し得る。
【0159】
ある例で、本明細書に開示された改良で、環境圧力又は温度の変化(例えば、屋内から屋外へ行く、民間航空機の客室にいる等)は、内側の細長い部品の過飽和又は漏損には至らない。ある例で、蒸発装置の内側の細長い部品は、移動を前提としない。内側の細長い部品が移動すると、蒸発装置は機能しない状態のままであり得る。ある例で、移動した内側の細長い部品は、使用者の唇、口蓋及び又は若しくは舌に直接接触し、結果的に不快できれいでないものになる。ある例で、蒸発装置は超過又は使用期間後水没(例えば、ごぼごぼと音を立てる等)しない。ある例で、(例えば、液体リザーバ内の)懸濁液中の溶液の沈殿は生じない。ある例で、蒸発装置の内側の細長い部品は、乾燥に左右されず、蒸発装置によって生成された蒸気は連続使用後でも過熱せずかつ焦げた味がしないか又は過熱しないか焦げた味がしない。ある例で、蒸発中に作られた生成物は、例えば流体流量調節器があるため、リザーバ内へ移されない又は到達しない。例えば、分解物が蓄積される中間物がない。ある例で、異なる匂いを有する異なる溶液と化学合成物の両方又はどちらか一方が蓄積されるか又は残ったままになる中間物がない。ある例で、液体の蒸発において溶液と共に(例えば、繰り返し)加熱され冷却される必要がある外付け部がない。加熱と冷却の追加部品を必要とすると、結果的に(例えば、バッテリ電源からの)無駄なエネルギを生成し、1回の充電で引き起こされ得る周期回数(例えば、使用者からの吹き込み、蒸発等)を制限し得る。
【0160】
流体流を調節する又は制御する性能は前述の利点をもたらし得る。
【0161】
本明細書に記載された主題は様々な工程を説明しており、蒸発装置内の部品内部に含まれる又は部品と接続された別の部品を多様化させる。本明細書で開示された構成と部品の両方又はどちらか一方は単なる例であり、事実、同じ機能を果たす多数の別の部品が実装され得ることが理解されるべきである。
【0162】
本明細書で用いられるように、「約」という言葉は、後続の値の±1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10%以内の値をいう。例えば、空気流量約100L/分は、空気流量101、102、103、104、105、106、107、108、109、若しくは110L/分でもある。
【0163】
値に範囲が設けられている場合、その範囲の上限と下限の間の各中間値もまた特別に開示されるが、状況がはっきりとそうでないことを示さない限り、その値は下限値の単位の10倍までである。表示された値又は表示範囲の中間値と別の表示値又は表示範囲の中間値の間のより狭い範囲がそれぞれ、本発明内に含まれる。これらのより狭い範囲の上限値と下限値はそれぞれ、その範囲に含まれていてもいいし含まれていなくてもいい。特別に除かれた表示範囲内の制限値に依拠して、上限値と下限値の両方がより狭い範囲に含まれる範囲、上限値と下限値のどちらか一方がより狭い範囲に含まれる範囲若しくは上限と下限の両方ともがより狭い範囲に含まれない範囲はそれぞれ、本発明に含まれる。表示範囲が上限値と下限値の両方又はどちらか一方を含む場合、上限値と下限値の両方又はどちらか一方を除いた範囲もまた本明細書に含まれる。
【0164】
本明細書に開示された部品はいずれも、構造又は中間部品に関係なく所望機能性が達成されるように互いに「関連」し得る。同様に、そのように関連する部品はいずれも、互いに「作動可能なように繋がる」又は「作動可能なように接続する」と見なされ所望機能性を達成する。関連し得る部品はいずれも互いに「作動可能なように接続し得る」と見なされ、所望の機能性を達成する。例えば、作動可能なように接続できる部品は、物理的に接合可能かつ/又は物理的に相互作用する部品、芯を有さない相互作用可能かつ/又は相互作用する部品、論理的に相互作用するかつ/又は論理的に相互作用可能な部品のうちの全て、いずれか若しくはいくつかを有するがそれらに制限するものではない。
【0165】
この開示で、有機調合物のエアロゾル化が開始されるのは、蒸発装置が実際に使用されるときである。そしてその開始は、使用者が蒸発装置を吹くこととエアロゾル化した調合物を吸うことの両方又はどちらか一方として明示される。
【0166】
オームの加熱により電子たばこに熱が生じ得る。オーム加熱で、電気的抵抗物質を介して流れが生じ、隣接のものに伝達され得る熱を発生させる。この加熱生成物の形態は、例えばたばこのような使用者の吸入のために気化性物質を蒸発させる又は加熱するために用いられ得る。オームの加熱によりたばこ香料とたばこ以外の薬剤を蒸発させるために電気抵抗コイルを有し、熱を発生させるたばこホルダとパイプボウルが既に記載されている。オームの加熱は、熱の発生を決定するために加えられるエネルギの正確な制御を促進し得る。あるケースで、オーム加熱システムは加熱開始時と最高温度に達した時の間の数秒又は数分の遅延に関連する。遅延は特に、(例えば、バッテリを使うとき)利用できるエネルギが制限された小さいシステムに関連し得る。
【0167】
本明細書で「複数の」と「1つの」の両方又はどちらか一方に続いて使われる用語に関して、当業者は、状況と応用の両方又はどちらか一方に当てはめるように「複数のから1つのへ」と「1つのから複数のへ」の両方又はどちらか一方と解釈する。「1つの」と「複数」の様々な置換は、明瞭目的で本明細書にはっきりと示される。
【0168】
本明細書と特に従属請求項(例えば、従属項の本文)で通常使われる用語は、一般的に「開いた」用語と意図されることが当業者によって理解される。(例えば、「含んでいる」という用語は「含んでいるが制限はしない」と解釈されるべきで、「有する」という言葉は「少なくとも有する」と解釈されるべきで、「含む」という用語は「含むが制限はされない」と解釈されるべき等。)クレームに記載された限定事項の数が具体的に記載されている場合、そのような意図は請求項内にはっきりと記載され、そのような記載がなければ、そのような意図はないということが当業者によって理解される。例えば、理解を助けるものとして、以下の従属項は、「少なくとも1つ」と「1つ又はそれ以上の」という前置きのフレーズを引用請求項の記載に用いる。しかしながら、そういったフレーズを使用することで、同じ請求項が前置きのフレーズ「1つ又はそれ以上の」又は「少なくとも1つの」と「1つの」又は「1個の」といった不定冠詞を含む場合でも、定冠詞「1つの」又は「1個の」により請求項記載の引用が、そのように引用された請求項記載を含む特定の請求項をたった1つのそのような記載を含む本発明に制限する。(例えば、「1つの」と「1個の」の両方又はどちらか一方は一般的に、「少なくとも1つの」又は「1つ又はそれ以上の」と意味するように解釈されるべきである。)同じことが引用請求項の記載に用いられた不定冠詞の使用についても言える。さらに、引用請求項記載の特定の番号がはっきりと記載されるときでも、当業者はそのような記載は一般的に少なくとも1つの記載番号を意味すると理解するべきである。(例えば、「2つの記載」の最低限の記載は、「別の修正なしで」一般的に少なくとも2つの記載又は2つ又はそれ以上の記載を意味する。)
【0169】
この記載された明細書内で、部品の特定の名付け、用語の大文字使用、特性、データ構造若しくは別のプログラミング又は構造的側面は、必須のものでも需要なものでもなく、本開示を実施するメカニズム又はその特徴は、異なる名称、様式若しくはプロトコルを有していてもよい。さらに、呼吸調節アセンブリは説明したようにハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって又は完全にハードウェア部品で実施されてもよい。また、本明細書に記載された複数のシステム構成部品間の機能による特定の境界は、単なる例であって必須のものではない。単一システム構成部品によって実施される機能は代わりに、複数の構成部品によって実施されても良く、複数のシステム構成部品によって実施される機能は代わりに、単一の構成部品によって実施されてもよい。
【0170】
上述の開示された変更と別の特徴と機能若しくはそれらの代替は、多くの別のシステム又はアプリケーションへまとめられることが望ましいことが分かる。現在は予測できない又は予期できないが、以下の請求項に含まれるであろう代替、修正、変更若しくは改良が今後当業者によって作られるかもしれない。
【0171】
本明細書に用いられる言葉は、主に読みやすくすることと産業的な目的のために選択され、本発明の主題を詳細に記述又は制限するために選ばれたのではない。つまり、本発明の開示は例示的である、本発明の範囲を制限するものではない。上記の本開示を説明することで、技術、工程、物質及び装備の多数の修正が当業者に明らかになる。従属項の範囲と真意内にそのような多様性の全てが含まれるであろう。
【0172】
前述の実施例は、本開示の多数の態様と本開示の方法の実施を示す。実施例は、本開示の多くの異なる実施形態の包括的な説明を提供するものではない。従って、前記本開示は明瞭な理解のために説明と実施例によりある程度詳細に記載されたが、当業者は、本開示の真意又は範囲から生じるのではない多くの変更と修正が作られ得ることを容易に理解する。
【0173】
別に示さない限り、本明細書と請求項で使用される量や状態等を示す数字は全て、「約」という言葉によって全ての例で加減されるものと理解される。本明細書で使用される技術は特定の実施形態を説明するためのものであり、本開示を制限するものではない。文脈ではっきりと示さない限り、本明細書で使用されるように単数形の「1つ」「1個」及び「その」は、複数形も同様に含む。「有する」「有している」「備える」及び又は若しくは「備えている」という言葉は、本明細書で使われる場合、上述の特徴、完全なもの、工程、実施、構成部品及び又は構成部品の存在を示すが、1つ又はそれ以上の別の特徴、完全なもの、工程、実施、構成部品、構成部品及び又は若しくはそれらの集合体が存在する又は追加されることを妨げているのではない。
【0174】
本開示は以下、本開示の実施形態に沿った方法、装置(システムと装置の両方又はどちらか一方)及び又は若しくはコンピュータブログラム生成物のブロック図とフローチャート図の両方又はどちらか一方を参照する。ブロック図とフローチャート図の両方又はどちらか一方のブロックと、ブロック図とフローチャート図の両方又はどちらか一方おけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラムの指示によって実行され得る。これらのコンピュータプログラムの指示は、通常の目的コンピュータ、特別な目的コンピュータ及び又は若しくは機械を製造するための別のプログラミング可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。そのため、コンピュータプロセッサと別のプログラミング可能なデータ処理装置の両方又はどちらか一方によって実行されるそれらのコンピュータプログラムの指示が、(機能的な)方法と、ブロック図とフローチャート図の両方又はどちらか一方に示された機能/動作を実施するための構成を作り得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021-12-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本明細書に提供された手持ち蒸発装置は、流体を収容するように構成されたリザーバと、流体から蒸気を生成するアトマイザと、リザーバから始まりアトマイザへ続く第1の部分と、アトマイザ以降の部分であり、空気入口から始まり第1の部分と協働して、空気入口からの空気とアトマイザのチャンバ内部の蒸気を収容する流路の第3の部分を形成する第2の部分と、流路の第1の部分を通る流体の流れを調節するように構成されたバルブであり、構成がチャンバの真空度に依拠するバルブとを備える。ある実施形態で、流路の第1の部分を介して流体を流す主な方法は毛管作用によらない。ある実施形態で、流路の第1の部分を介して流体を流す主な方法は、バルク流体流によるものである。ある実施形態で、バルブは変形するものを有する。ある実施形態で、変形するものは弾力性がある。ある実施形態で、変形するものはスプリングを有する。ある実施形態で、変形するものは弾力性のある部品を有する。ある実施形態で、変形するものは、刺激に反応して1つ又はそれ以上の軸に沿って曲がる又はねじれるように構成されたバイメタル状の合成物を有する。ある実施形態で刺激は熱である。ある実施形態で、変形するものの変形はバルブの構成と等しい。ある実施形態で、変形するものは静止状態を有する。ある実施形態で、バルブは流路の第1の部分を介する流体の流れを妨げる。ある実施形態で、流路の第1の部分は細長い部品を有する。ある実施形態で、細長い部品はチューブを有する。ある実施形態で、細長い部品は全長にわたって開いたチャンネルを有する。ある実施形態で、細長い部品は円筒形状を有する。ある実施形態で、アトマイザは流体を蒸発させるように構成されたヒータを有する。ある実施形態で、アトマイザは流体を蒸発させるように構成された超音波エネルギ発生器を有する。ある実施形態で、ヒータは抵抗ヒータである。ある実施形態で、ヒータは第1の端部で細長い部品と電気的に接続され、第2の端部でチャンバのチャンバ壁に電気的に接続される。ある実施形態で、ヒータとチャンバ壁は互いに電気的に絶縁している。ある実施形態で、細長い部品は1つ又はそれ以上のベントスロットを有する。ある実施形態で、1つ又はそれ以上のベントスロットは流体を放出するように構成される。ある実施形態で、流路は蒸気と空気を混合するように構成されたディフューザを有する。ある実施形態で、流路は蒸気をチャンバへ放出するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留めるように構成されたバッフルを有する。ある実施形態で、アトマイザは蒸気をチャンバに放出するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留めるように構成されたバッフルを有する。ある実施形態で、バッフルは1つ又はそれ以上の抜け穴を有する。ある実施形態で、抜け穴は約0.01インチ以下である。ある実施形態で、抜け穴は約0.006インチ以下である。ある実施形態で、流路は蒸気をチャンバに放出するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留めるように構成された多孔質フィルタを有する。ある実施形態で、アトマイザは蒸気をチャンバに放出するが、蒸発しない流体はアトマイザ内部に留めるように構成された多孔質フィルタを有する。ある実施形態で、多孔質フィルタは1つ又はそれ以上の細穴を有する。ある実施形態で、1つ又はそれ以上の実質的な細穴の部分は約0.01インチ以下である。ある実施形態で、1つ又はそれ以上の細穴の平均的な大きさは約0.01インチ以下である。ある実施形態で、1つ又はそれ以上細穴の実質的な部分は約0.006インチ以下である。ある実施形態で、1つ又はそれ以上の細穴の平均的な大きさは約0.006インチ以下である。ある実施形態で、蒸発器は使用者の吸入に反応してアトマイザを作動させるように構成された1つ又はそれ以上のプロセッサをさらに有する。ある実施形態で、蒸発器は流路を通る流体を能動的に汲み出すように構成された流体ポンプをさらに有する。ある実施形態で、蒸発装置は使用者の吸入に反応してベンチュリチューブののど部の内側で大きな真空を作るように構成されたベンチュリチューブをさらに有する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
加熱部品120は、(例えば、スイッチ124を経て)バッテリユニット122と作動可能なように接続され得る。スイッチ124が作動させられると、加熱部品120を介して電流が流れ、熱が発生する。スイッチ124は、1つ又はそれ以上の方法、例えば、使用者のボタン押下、使用者のマウスピースからの吸い込み、センサに基づいた方法等によって作動させられる。例えば、使用者が蒸発装置から吸入し、圧力センサが吸入を感知して、加熱部品が高熱になるようにスイッチを作動させる。ある例で、蒸発装置は、センサの反応に対応してスイッチ124を作動させるように構成された1つ又はそれ以上のプロセッサを有する。ある例で、1つ又はそれ以上のプロセッサは加熱部品120に加えられた力を調節し、加熱部品120の抵抗を測定すること及び間接的に加熱部品120の温度を測定するように働き、使用者の入力(ボタン、動き、容量等)を感知し、装置の作動状態又はパラメータを変更する。ヒータを作動させて制御する又はそのどちらか一方をする典型的な方法は、2014年12月23日に出願された「蒸発装置システムと方法」と題する米国特許出願15/053,927に記載されている。その出願は現在、米国特許出願公開2016-0174611-A1であり、その全内容を本明細書の一部を構成するものとして援用する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウスピースを有する細長い本体と、
気化性流体を含むように構成されたリザーバと、
前記気化性流体から蒸気を生成するように構成された、前記細長い本体内部のアトマイザと、
を有する自浄式手持ち蒸発装置であって、
前記アトマイザは、
加熱部品と、
使用者が前記マウスピースで吸うことを感知するように構成された吸入感知器と、
使用者が前記マウスピースを吸っていることを前記吸入感知器が感知しないときに前記加熱部品を制御し自浄サイクルを開始するように構成された制御部であって、前記自浄サイクルは約30秒より長い自浄期間の間に前記加熱部品を約300℃より高い自浄温度まで加熱するように制御することを含む、制御部と、
を有する、蒸発装置。
【請求項2】
前記自浄温度は約400℃より高い、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項3】
前記自浄温度は約500℃より高い、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項4】
前記自浄期間は約1分から約10分の間である、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項5】
前記自浄期間は10分より長い、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項6】
前記制御部は、予め決められた回数の前記マウスピースでの吸入の後に、前記自浄サイクルを開始する、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記蒸発装置が使用される予め決められた継続時間後に、前記自浄サイクルを開始する、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項8】
前記制御部は、予定された時間に、前記自浄サイクルを開始する、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記蒸発装置の充電の間に、前記自浄サイクルを開始する、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記蒸発装置の先の作動に基づいて、前記自浄サイクルを開始する、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項11】
前記蒸発装置は、前記自浄サイクルが予定されている及び/又は実行中であることを示す表示を提供する、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項12】
前記表示は、照明表示器、画面に表示されたメッセージ、及び/又は使用者の装置への信号の伝達のうちの1つ以上を含む、
請求項11に記載の蒸発装置。
【請求項13】
前記アトマイザは芯を有さない、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項14】
前記リザーバと前記加熱部品との間に伸び、前記リザーバから前記加熱部品へ前記気化性流体のバルク流を可能にするように構成されたチューブと、
前記リザーバから前記加熱部品へ、前記チューブを通る前記気化性流体のバルク流を調節するように構成された流動調節器と、
をさらに有する、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項15】
前記流動調節器はバルブ及び変形するもののうちの1つ以上を有する、
請求項14に記載の蒸発装置。
【請求項16】
前記加熱部品はコイルを有する、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項17】
前記加熱部品は抵抗のある加熱部品である、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項18】
前記チューブは、吸入用の蒸気を放出するが、前記気化性流体の蒸発しなかった部分を前記アトマイザ内部に保持するように構成された多孔質フィルタを有する、
請求項14に記載の蒸発装置。
【請求項19】
前記アトマイザは、吸入用の蒸気を放出するが、前記気化性流体の蒸発しなかった部分を前記アトマイザ内部に保持するように構成された多孔質フィルタを有する、
請求項1に記載の蒸発装置。
【請求項20】
手持ち蒸発装置を使用する自浄方法であって、前記方法は、
使用者が前記蒸発装置のマウスピースを介して吸っていないときを決定する工程と、
30秒より長い予め決められた自浄時間の間に前記蒸発装置の蒸発温度より高い自浄温度まで加熱部品を加熱する工程と、
前記加熱部品が前記自浄温度にある間、前記蒸発装置の流体リザーバから前記加熱部品まで通る気化性流体の流れを妨げる工程と、
を有する、方法。
【外国語明細書】