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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174643
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】入退管理装置及び入退管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20221116BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20221116BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20221116BHJP
   G07C 9/37 20200101ALI20221116BHJP
   G07C 9/38 20200101ALI20221116BHJP
【FI】
G06Q10/00
G08B25/00 510M
G08B25/04 F
G07C9/37
G07C9/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080581
(22)【出願日】2021-05-11
(71)【出願人】
【識別番号】510239118
【氏名又は名称】株式会社サクシード
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】関 仙一郎
(72)【発明者】
【氏名】関 浩佑
(72)【発明者】
【氏名】藤島 綾二
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 伸行
(72)【発明者】
【氏名】杉山 秀朋
【テーマコード(参考)】
3E138
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138BA02
3E138JA01
3E138JA03
3E138JB16
3E138JD05
5C087AA02
5C087AA25
5C087AA44
5C087DD05
5C087DD06
5C087DD20
5C087EE14
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG02
5C087GG10
5C087GG30
5C087GG84
5L049AA20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】感染症の対策をしたうえで、認証の対象者が有する権限に応じた制限が可能な入退管理装置及び入退管理方法を提供する。
【解決手段】扉で仕切られた空間に入出する利用者を管理する入出管理方法であって、所定の期間において入出する利用者の体温を検出するとともに、利用者の入出管理用画像を取得する入退管理装置6は、入出管理用画像に基づいて利用者が第1のグループに属する旨を判別した場合には当該利用者の出勤時間及び退勤時間を取得する出退勤管理部と、入出管理用画像に基づいて利用者が第1のグループに属さない旨を判別した場合には当該利用者の入出を受け付ける受付業務部と、所定の期間外において、監視用画像を取得することで、不審者の前記空間への入出を監視する監視する監視業務部と、出退勤管理部、受付業務部又は監視業務部から受信した内容を出力する出力部と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉で仕切られた空間に入出する利用者を管理する入出管理装置であって、
所定の期間において、入出する前記利用者の体温を検出するとともに、前記利用者を撮像することで入出管理用画像を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属する旨を判別した場合には、当該利用者の出勤時間及び退勤時間を取得する出退勤管理部と、
前記情報取得部により取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属さない旨を判別した場合には、当該利用者の入出を受け付ける受付業務部と、
所定の期間外において、監視用画像を取得することで、不審者の前記空間への入出を監視する監視する監視業務部と、
出退勤管理部、受付業務部又は監視業務部から受信した内容を出力する出力部と、を備えることを特徴とする入出管理装置。
【請求項2】
扉で仕切られた空間に入出する利用者を管理する入出管理装置であって、
所定の期間において、入出する前記利用者の体温を検出するとともに、前記利用者を撮像することで入出管理用画像を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属する旨を判別した場合には、当該利用者の入出時間を取得する入出管理部と、
前記情報取得部により取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属さない旨を判別した場合には、当該利用者の入出を受け付ける受付業務部と、
所定の期間外において、監視用画像を取得することで、不審者の前記空間への入出を監視する監視する監視業務部と、
入出管理部、受付業務部又は監視業務部から受信した内容を出力する出力部と、を備えることを特徴とする入出管理装置。
【請求項3】
前記入出管理部は、前記第1のグループに属する利用者がマスクを着用しているか否かを判定し、
前記第1のグループに属する利用者がマスクを着用している際は、マスク着用時用の照合データを使用し、前記第1のグループに属する利用者がマスクを着用していない際は、マスク未着用時用の照合データを使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の入出管理装置。
【請求項4】
扉で仕切られた空間に入出する利用者を管理する入出管理方法であって、
所定の期間において、入出する前記利用者の体温を検出するとともに、前記利用者を撮像することで入出管理用画像を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップにより取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属する旨を判別した場合には、当該利用者の出勤時間及び退勤時間を取得する出退勤管理ステップと、
前記情報取得ステップにより取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属さない旨を判別した場合には、当該利用者の入出を受け付ける受付業務ステップと、
所定の期間外において、監視用画像を取得することで、不審者の前記空間への入出を監視する監視する監視業務ステップと、
出退勤管理ステップ、受付業務ステップ又は監視業務ステップから受信した内容を出力する出力部と、を有すること
を特徴とする入出管理方法。
【請求項5】
扉で仕切られた空間に入出する利用者を管理する入出管理方法であって、
所定の期間において、入出する前記利用者の体温を検出するとともに、前記利用者を撮像することで入出管理用画像を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップにより取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属する旨を判別した場合には、当該利用者の入出時間を取得する入出管理ステップと、
前記情報取得ステップにより取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属さない旨を判別した場合には、当該利用者の入出を受け付ける受付業務ステップと、
所定の期間外において、監視用画像を取得することで、不審者の前記空間への入出を監視する監視する監視業務ステップと、
入出管理ステップ、受付業務ステップ又は監視業務ステップから受信した内容を出力する出力部と、を有すること
を特徴とする入出管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染症の対策をしたうえで、認証の対象者が有する権限に応じた制限をかける上で好適な入退管理装置及び入退管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、個人認証を行うとともに、感染症に感染、発病し高熱となった者を制限する認証装置が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-219539号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に記載されたような従来の手法は、認証の対象者が有する権限に応じた制限に関しては考慮していない。
【0005】
本発明の実施の形態の一態様は、感染症の対策をしたうえで、認証の対象者が有する、例えば会社の組織の一員として認められた権限に応じた制限が可能な入退管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
扉で仕切られた空間に入出する利用者を管理する入出管理装置であって、所定の期間において、入出する前記利用者の体温を検出するとともに、前記利用者を撮像することで入出管理用画像を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属する旨を判別した場合には、当該利用者の出勤時間及び退勤時間を取得する出退勤管理部と、前記情報取得部により取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属さない旨を判別した場合には、当該利用者の入出を受け付ける受付業務部と、所定の期間外において、監視用画像を取得することで、不審者の前記空間への入出を監視する監視する監視業務部と、出退勤管理部、受付業務部又は監視業務部から受信した内容を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
扉で仕切られた空間に入出する利用者を管理する入出管理装置であって、所定の期間において、入出する前記利用者の体温を検出するとともに、前記利用者を撮像することで入出管理用画像を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属する旨を判別した場合には、当該利用者の入出時間を取得する入出管理部と、前記情報取得部により取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属さない旨を判別した場合には、当該利用者の入出を受け付ける受付業務部と、所定の期間外において、監視用画像を取得することで、不審者の前記空間への入出を監視する監視する監視業務部と、入出管理部、受付業務部又は監視業務部から受信した内容を出力する出力部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
扉で仕切られた空間に入出する利用者を管理する入出管理方法であって、所定の期間において、入出する前記利用者の体温を検出するとともに、前記利用者を撮像することで入出管理用画像を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップにより取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属する旨を判別した場合には、当該利用者の出勤時間及び退勤時間を取得する出退勤管理ステップと、前記情報取得ステップにより取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属さない旨を判別した場合には、当該利用者の入出を受け付ける受付業務ステップと、所定の期間外において、監視用画像を取得することで、不審者の前記空間への入出を監視する監視する監視業務ステップと、出退勤管理ステップ、受付業務ステップ又は監視業務ステップから受信した内容を出力する出力部と、を有することを特徴とする。
【0009】
扉で仕切られた空間に入出する利用者を管理する入出管理方法であって、所定の期間において、入出する前記利用者の体温を検出するとともに、前記利用者を撮像することで入出管理用画像を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップにより取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属する旨を判別した場合には、当該利用者の入出時間を取得する入出管理ステップと、前記情報取得ステップにより取得された入出管理用画像に基づいて、前記利用者が第1のグループに属さない旨を判別した場合には、当該利用者の入出を受け付ける受付業務ステップと、所定の期間外において、監視用画像を取得することで、不審者の前記空間への入出を監視する監視する監視業務ステップと、入出管理ステップ、受付業務ステップ又は監視業務ステップから受信した内容を出力する出力部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
体温測定などの感染症の対策をしたうえで、認証の対象者が有する役員や社員といった権限に応じた制限と来客への対応や不審者の監視などが可能な入退管理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本形態による入退管理装置が含まれる入退管理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本形態による入退管理装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、本実施の形態による入退管理装置が含まれる入退管理システムにおけるサーバに記憶される情報を示す図である。
図4図4は、本実施の形態による入退管理装置における状態の繊維を示す状態遷移図である。
図5図5は、本実施の形態による入退管理装置が備える入室管理機能の説明に供するシーケンス図である。
図6図6は、本実施の形態による入退管理装置が備える退室管理機能の説明に供するシーケンス図である。
図7図7は、本実施の形態による入退管理装置が備える警備機能の説明に供するシーケンス図である。
図8図8は、本実施の形態による入退管理装置によって提示される画面を示す図である。
図9図9は、本実施の形態による入室時提示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面を用いて、本発明の実施の形態の一態様を詳述する。
【0013】
(本実施の形態)
図1を用いて扉1で仕切られた例えば室内などの空間に入出する利用者を管理する装置である入退管理装置6が含まれる入退管理システムについて説明する。図1は、本形態による入退管理装置6が含まれる入退管理システムの構成を示すブロック図である。
【0014】
入退管理システムは、入退管理装置6の他に、例えば、扉1と、錠2と、入室用カメラ3と、サーモセンサ4と、入室用提示装置5と、退室用カメラ7と、退室用提示装置8と、サーバ9と、を備える。
【0015】
扉1は、空間を室内と室外とに区切り、例えば扉1が開いているか閉じているかの状態が入退管理装置6に通知される。錠2は、扉1が閉じている際に施錠されることで開けられない状態とする。なお錠2は、電子錠や電気錠とし、例えば利用者による入退管理装置6を介した認証結果が正常であった場合に解錠される。
【0016】
入室用カメラ3及び退室用カメラ7は、例えばCOMSセンサを用いるようなカメラとする。なお例えば扉1の上部に隙間がある場合は、入室用カメラ3と退室用カメラ7とは画角が人間の視野角よりも広いような1つのカメラであってもよい。入室用カメラ3は、利用者の認識を、人工知能を利用して行うようにしてもよい。
【0017】
サーモセンサ4は、感染症の対策をするための機器であって、例えば赤外線センサなどであって、利用者の体温を測定する。入退管理装置6は、サーモセンサ4による測定結果を参照して利用者に異常があると判定した場合、異常があると判定した利用者に対して室内への入出を許可しない。
【0018】
入室用提示装置5及び退室用提示装置8は、扉1の近辺に設置されディスプレイやスピーカなどであって、利用者に対して、例えば音や画像などによって認証結果を提示する。例えば扉1の近辺とは利用者が扉1と入室用提示装置5又は退室用提示装置8とを同時に視認できるような範囲とする。
【0019】
なお入室用提示装置5の他に、不審者に対して警報を鳴らすような図示せぬ警報装置が設置されていてもよい。例えば警報装置は、ディスプレイやスピーカや警報器などとする。来客者報知装置は、図1における室内でも室外でもないような警備員室などの空間に設置されていてもよい。
【0020】
また退室用提示装置8の他に、室外から利用者が来たことを知らせるような図示せぬ来客者報知装置が別に設置されていてもよい。例えば来客者報知装置は、ディスプレイやスピーカや報知器などとする。来客者報知装置は、図1における室内でも室外でもないような警備員室などの空間に設置されていてもよい。
【0021】
サーバ9は、認証するための情報や認証に使用した情報などを保存するコンピュータであって、後述する認証情報テーブルTB1、認証情報履歴テーブルTB2及び画像情報テーブルTB3などを図示せぬROM(Read Only Memory)などに記憶する。なお画像情報テーブルTB3は、後述の人物画像や顔画像や合成画像などを保存するテーブルとする。
【0022】
次に入退管理装置6の詳細について図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態による入退管理装置6の構成を示すブロック図である。入退管理装置6は、期間判定部61、入出管理部62、出退勤管理部63、受付業務部64、監視業務部65及び出力部66を備える。
【0023】
例えば期間判定部61、入出管理部62、出退勤管理部63、受付業務部64、監視業務部65及び出力部66は、入退管理装置6が備える図示せぬRAM(Random Access Memory)に保存されたプログラムであり、入退管理装置6が備える図示せぬCPU(Central Processing Unit)から呼び出されることで実行されるものとする。
【0024】
期間判定部61は、例えば時刻情報を図示せぬ時刻サーバなどから取得して所定の期間か否かを判定する。例えば第1のグループ含まれる人によって運営される会社の営業時間である9:00~18:00を所定の期間とすると、18:01~8:59が所定の期間外となる。また第1のグループに含まれる人は、一般的にその会社組織を構成する役員、社員、従業員であるが、これについては、ユーザ側、又はシステム側において自在に設定してもよく、その会社組織以外の関係者や関連企業のスタッフ等、任意に含めるようにしてもよい。
【0025】
入出管理部62は、所定の期間において、サーモセンサ4により測定された利用者の体温を取得することで、利用者の空間への入出を検知する。このとき、入出管理部62は、入出管理用画像を取得し、人物が検出されていることを画像解析を通じて判別することで、利用者の入出を検知するようにしてもよい。入出管理用画像は、利用者の全体画像である人物画像からさらに顔部分を抽出した画像とする。
【0026】
第1のグループに含まれる人についてその人物画像から抽出した顔部分の画像を予め登録しておき、サーバ9に格納しておくようにしてもよい。そして、新たに取得した入出管理用画像と、予め登録されている第1のグループに含まれる人の顔画像とを照合する。その結果、新たに取得した入出管理用画像が、予め登録されている第1のグループに含まれる人の顔画像と同一又は類似している場合には、第1のグループに含まれる人である旨を判別することができる。これに対して、新たに取得した入出管理用画像が、予め登録されている第1のグループに含まれる人の顔画像と非類似の場合には、第1のグループ以外の人であることを判別することができる。
【0027】
仮にサーモセンサ4の撮像範囲が利用者のおでこ周辺等のような表面温度が高い領域とする場合であり、入室用カメラ3の撮像範囲が利用者の頭部である場合には、入室用カメラ3の撮像範囲とサーモセンサ4の撮像範囲とが重複する。このため、入出管理部62は、利用者の入出を確認すると共に、利用者の体温を確認することができる。
【0028】
出退勤管理部63は、入出管理部62から前記情報を受信し、受信した前記情報に基づいて第1のグループに属する利用者の入出を受け付ける。第1のグループに属する利用者であるか否かの判別は上述した通りである。
【0029】
なお第1のグループにおいてはサブグループなどがあってもよく、例えば第1のサブグループに属する利用者は入退管理装置6が設置されている事業所に主に勤務している利用者であり、第2のサブグループに属する利用者は入退管理装置6が設置されている事業所とは別の事業所に主に勤務している関係者等のように分類するようにしてもよい。
なお、本発明を適用した入退管理装置6は、会社に設置される場合に限定されるものでは無く、老人ホームや福祉施設、学校や幼稚園、保育園、更には住宅にも設置可能とされている。かかる場合には、出退勤管理部63の構成は必須ではなく、入出管理部62のみで構成してもよい。一方、本発明を適用した入退管理装置6を会社に設置する場合には、出退勤管理部63の構成が必須となるが、かかる場合において出退勤管理部63は、入出管理部62において検出される入室時や退室時を、出勤時、退勤時としてそれぞれ検出することとなる。
【0030】
受付業務部64は、出退勤管理部63から情報を受信し、受信した前記情報に基づいて第1のグループに属さない利用者の入出を受け付ける。第1のグループに属する利用者であるか否かの判別は上述した通りである。
【0031】
監視業務部65は、所定の期間以外の時間帯において、監視用画像を取得する。この監視用画像は図示しない監視カメラ等を介して撮像することで取得するようにしてもよい。この監視用画像を画像解析することにより、人物が検出されていることを画像解析を通じて判別することで、所定の期間以外の時間帯において不審者などが空間への入出をしないように監視する。
【0032】
次に図3を用いてサーバ9に記憶される情報である認証情報テーブルTB1、認証情報履歴テーブルTB2について説明する。図3は、本実施の形態による入退管理装置6が含まれる入退管理システムにおけるサーバ9に記憶される情報を示す図である。
【0033】
認証情報テーブルTB1は、認証情報を記憶するテーブルであって、社員番号と就労日と出勤時間と退勤時間と表面温度と退室時間と入室時間とを紐づけて記憶する。退室時間と入室時間は複数ある場合は、退室時間1や退室時間2や入室時間1や入室時間2といったように番号を付けて管理する。なお、朝の出勤時、昼食による外出時、出張時、夕方の退勤時等、出勤時及び退勤時以外に、入室又は退室がなされる場合がある。このため、認証情報テーブルTB1中の入室時間1や退室時間1は、入室又は退室の都度、更新されるものであってもよいし、入室又は退室がなされる都度、そのログをそれぞれ入室時間1、2、3、・・・、n、退室時間1、2、3、・・・・、nと羅列するようにしてもよい。
【0034】
認証情報履歴テーブルTB2は、過去の認証に関する履歴を記憶するテーブルであって、社員番号と就労日と出勤時間と退勤時間と表面温度と休憩時間と稼働時間とを紐づけて記憶する。認証情報履歴テーブルTB2には、さらに削除フラグや作成者や作成時間最終更新者や最終更新時間や備考が紐づけて記憶される。
【0035】
第1のグループに属している人は、この認証情報テーブルTB1や認証情報履歴テーブルTB2にそれぞれ登録されている。サーバ9にアクセスした結果、この認証情報テーブルTB1や認証情報履歴テーブルTB2において登録されていれば第1のグループに属していることを照合することができる。これに対して、サーバ9にアクセスした結果、この認証情報テーブルTB1や認証情報履歴テーブルTB2において登録されていなければ第1のグループに属していることを照合することができる。
【0036】
出力部66は、ディスプレイ装置やスマートフォン等の液晶画面等で構成されており、出退勤管理部63、受付業務部64又は監視業務部65から受信した情報を出力する。例えば出力部66は、出退勤管理部63から情報を受信した場合、入室用提示装置5や退室用提示装置8に認証結果の出力をする。
【0037】
例えば出力部66は、受付業務部64から情報を受信した場合、来客者報知装置に来客があった旨の出力をする。例えば出力部66は、監視業務部65から情報を受信した場合、警報装置に警報情報を出力する。
【0038】
次に図4を用いて入退管理装置6における各状態について説明する。図4は、本実施の形態による入退管理装置6における状態の遷移を示す状態遷移図である。入退管理装置6は、電源OFF中状態、初期化状態、システムダウン中状態、待機中状態、警備中状態、顔検出中状態、顔認証中状態及び入退室中状態の8つの状態となる。
【0039】
入退管理装置6は、電源OFF中状態の際に電源ON通知を受信すると初期化状態となる(S1)。電源ON通知は例えば入退管理装置6が備える図示せぬ電源ボタンが押下されることで発行される。入退管理装置6は、正常に初期化処理が終了すると初期化状態から待機中状態へと移行する(S2)。初期化状態から待機中状態に移行する際に、入退管理装置6は、施錠通知を発行する。例えば錠2は、施錠通知を受けて施錠を行う。
【0040】
入退管理装置6は、待機中状態の際に終了通知を受信するとシステムダウン中状態へと移行する(S3)。例えば待機中に電源ボタンが押下されることで終了通知は発行される。またシステムダウン中状態においてシステムダウン処理が正常に終了すると入退管理装置6は、電源OFF状態へと移行する(S4)。
【0041】
待機状態の際に例えば、18:00から18:01になるなど所定の期間から所定の期間外になると、警備開始通知が発行され、警備開始通知を受信すると、入退管理装置6は、警備中状態へと移行する(S5)。
【0042】
また警備中状態の際に例えば、8:59から9:00になるなど所定の期間外から所定の期間になると、警備終了通知が発行され、警備終了通知を受信すると、入退管理装置6は、待機状態へと移行する(S6)。なお警備開始通知や警備終了通知は、サーバ9から発行されてもよいし、入退管理装置6自身が発行してもよい。
【0043】
入退管理装置6は、待機中状態において、状態を遷移するような通知を受信するまでは待機中状態となり(S7)、当該ステップS7を繰り返し実行することになる。状態を遷移するような通知とは、例えば終了通知や警備開始通知を指す。後述の解錠通知や人物検知通知も状態を遷移するような通知に含むものとする。
【0044】
入退管理装置6は、待機中状態や顔検出中状態や顔認証中状態の際に解錠通知を受信すると入退室中状態となる(S8,S12,S16)。例えば待機中状態の際に解錠通知を受信するような場合は、マスターキーなどで管理者が錠2を解錠した際などとする。マスターキーなどで管理者が扉1を開いた際は、扉1が解錠通知を発行する。
【0045】
入退管理装置6は、待機中状態の際に人物検知通知を受信すると顔検出中状態となる(S9)。人物検知通知は、入室用カメラ3や退室用提示装置8から受信する画像において、入退管理装置6が人物を検知した際に、入退管理装置6によって発行される。
【0046】
入退管理装置6は、顔検出中状態において人物画像を保存する(S10)。例えば入退管理装置6は、人物画像をサーバに保存してもよいし、入退管理装置6自身に保存してもよい。人物検知通知は、入室用カメラ3や退室用カメラ7から受信する画像において、入退管理装置6が人物を検知した際に、入退管理装置6によって発行される。
【0047】
入退管理装置6は、顔検出中状態の際に顔検出失敗通知を受信すると待機中状態へと移行する(S11)。なお例えば入退管理装置6は、人物画像から顔画像の認識に失敗すると、顔検出失敗通知を発行する。
【0048】
入退管理装置6は、顔検出中状態の際に顔検出成功通知を受信すると顔認証中状態へと移行する(S13)。なお例えば入退管理装置6は、人物画像から顔画像の認識に成功すると、顔検出成功通知を発行する。
【0049】
入退管理装置6は、顔認証中状態において顔画像を保存することを繰り返し実行する(S14)。例えば入退管理装置6は、顔画像をサーバに保存してもよいし、入退管理装置6自身に保存してもよい。人物検知通知は、入室用カメラ3や退室用カメラ7から受信する画像において、入退管理装置6が人物を検知した際に、入退管理装置6によって発行される。
【0050】
入退管理装置6は、顔認証中状態の際に顔認証失敗通知を受信すると顔検出中状態へと移行する(S15)。なお入退管理装置6は、検出した顔画像と所定の顔画像とを照らし合わせ、同一のものか否かを判定する顔画像の認証に失敗すると、顔認証失敗通知を発行する。
【0051】
入退管理装置6は、顔認証中状態の際に顔認証成功通知を受信すると入退室中状態へと移行する(S17)。なお例えば入退管理装置6は、検出した顔画像と所定の顔画像とを照らし合わせ、同一のものか否かを判定する顔画像の認証に成功すると、顔認証成功通知を発行する。
【0052】
入退管理装置6は、入退室中状態において、施錠通知を受信するまでは入退室中状態となる(S18)。入退管理装置6は、入退室中状態において、施錠通知を受信すると、待機中状態となる(S19)。例えば施錠通知は、解錠通知又は顔認証成功通知が発行されてから一定時間が経過した後に、入退管理装置6によって発行される。
【0053】
次に図5を用いて入退管理装置6が備える入室管理機能について説明する。図5は、本実施の形態による入退管理装置が備える入室管理機能の説明に供するシーケンス図である。
【0054】
入退管理装置6は、待機中状態又は顔検出中状態において入室用カメラ3から人物画像(以下、これをカメラ画像と呼んでもよい)を取得する(S21)。次に入退管理装置6は、待機中状態又は顔検出中状態において入室用提示装置5に提示指示を行う(S22)。次に入退管理装置6は、顔検出中状態において例えばサーバ9に人物画像を送信する(S23)。次に入退管理装置6は、待機中状態又は顔検出中状態において熱情報取得要求をサーモセンサ4に対して行う(S24)。
【0055】
サーモセンサ4は、要求待機中又は顔検出中状態の入退管理装置6から熱情報取得要求を受信すると、熱情報を入退管理装置6に送信する(S25)。入退管理装置6は、熱情報を受信すると、例えば体温を提示するための提示指示を入室用提示装置5に送信する(S26)。
【0056】
顔検出が成功した場合入退管理装置6は、顔認証中状態において例えば顔検出が成功した旨を提示するための提示指示を入室用提示装置5に送信する(S27)。次に入退管理装置6は、顔認証中状態において認証情報をサーバ9に送信する(S28)。次に入退管理装置6は、顔認証中状態において顔画像をサーバ9に送信する(S29)。次にサーバ9は、認証応答を顔認証中状態における入退管理装置6に送信する(S30)。
【0057】
入退管理装置6は、入退室中状態において解錠指示を錠2に送信する(S31)。入退管理装置6は、入退室中状態において扉1及び錠2から状態変化通知(S32~S35)を受信する。例えばステップS32においては、錠2が解錠通知を送信する。例えばステップS33においては、扉1が解扉通知を送信する。例えばステップS34においては、扉1が閉扉通知を送信する。例えばステップS35においては、錠2が施錠通知を送信する。
【0058】
顔検出が失敗した場合入退管理装置6は、顔検出中状態において例えば顔検出が失敗した旨及び利用者に対する指示を提示するための提示指示を入室用提示装置5に送信する(S41,S42)。次に入退管理装置6は、退室用提示装置8に対して受付業務などに関する提示指示を送信してもよい(S43)。なお顔認証が失敗した場合、入退管理装置6は、顔認証が失敗した旨の通知を入室用提示装置5に送信する(S44)。
【0059】
次に図6を用いて入退管理装置6が備える退室管理機能について説明する。図6は、本実施の形態による入退管理装置が備える退室管理機能の説明に供するシーケンス図である。
【0060】
入退管理装置6は、待機中状態又は顔検出中状態において退室用カメラ7からカメラ画像を取得する(S51)。次に入退管理装置6は、待機中状態又は顔検出中状態において退室用提示装置8に提示指示を行う(S52)。次に入退管理装置6は、顔検出中状態において例えばサーバ9に人物画像を送信する(S53)。
【0061】
顔検出が成功した場合、入退管理装置6は、顔認証中状態において例えば顔検出が成功した旨を提示するための提示指示を退室用提示装置8に送信する(S54)。次に入退管理装置6は、顔認証中状態において認証情報をサーバ9に送信する(S55)。次に入退管理装置6は、顔認証中状態において顔画像をサーバ9に送信する(S56)。
【0062】
入退管理装置6は、入退室中状態において解錠指示を錠2に送信する(S57)。入退管理装置6は、扉1及び錠2から状態変化通知(S58~S61)を受信する。例えばステップS58においては、錠2が解錠通知を送信する。例えばステップS59においては、扉1が解扉通知を送信する。例えばステップS60においては、扉1が閉扉通知を送信する。例えばステップS61においては、錠2が施錠通知を送信する。
【0063】
次に図7を用いて入退管理装置6が備える警備機能について説明する。図7は、本実施の形態による入退管理装置が備える警備機能の説明に供するシーケンス図である。まず通常時について説明する。入退管理装置6は、警備中状態において入室用カメラ3からカメラ画像を取得する(S81)。
【0064】
次に入退管理装置6は、警備中状態においてサーモセンサ4に対して熱情報取得要求を行う(S82)。サーモセンサ4は、警備中状態の入退管理装置6から熱情報取得要求を受信すると、熱情報を入退管理装置6に送信する(S83)。入退管理装置6は、熱情報を受信すると、カメラ画像と熱情報とを合成して合成画像を生成し、生成した合成画像をサーバ9に送信する(S84)。
【0065】
次に、入退管理装置6が警備中状態において、マスターキーなどで管理者が錠2を解錠するような異常時について説明する。入退管理装置6は、警備中状態において扉1及び錠2から状態変化通知(S86~S89)を受信する。
【0066】
例えばステップS86においては、錠2が解錠通知を送信する。例えばステップS87においては、扉1が解扉通知を送信する。例えばステップS88においては、扉1が閉扉通知を送信する。例えばステップS89においては、錠2が施錠通知を送信する。
【0067】
次に入退管理装置6は、警備中状態において入室用カメラ3からカメラ画像を取得する(S90)。次に入退管理装置6は、警備中状態においてサーモセンサ4に対して熱情報取得要求を行う(S91)。
【0068】
サーモセンサ4は、警備中状態の入退管理装置6から熱情報取得要求を受信すると、熱情報を入退管理装置6に送信する(S92)。入退管理装置6は、熱情報を受信すると、カメラ画像と熱情報とを合成して合成画像を生成し、生成した合成画像をサーバ9に送信する(S93)。
【0069】
次に図8を用いて入退管理装置6によって提示される管理のための画面について説明する。図8は、本実施の形態による入退管理装置6によって提示される画面を示す図である。
【0070】
管理のための画面は、例えば温度管理ウィンドウ11と認識情報管理ウィンドウ12と利用者顔画像管理ウィンドウ13とが提示される。例えば温度管理ウィンドウ11のように、出退勤管理部63は、第1のグループに属する利用者の月ごとの体温を第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値及び第4の閾値によって利用者の月ごとの体温を管理する。
【0071】
例えば第1の閾値は下限を示す下限値、第2の閾値は警告を発する際の目安となる警告値、第3の閾値は注意を促す目安となる注意値、第4の閾値は上限を示す上限値とする。また体温の測定を複数回の測定とする際の回数の設定を平均回数によってしてもよいものとする。
【0072】
認識情報管理ウィンドウ12には、画像ファイル、氏名、役職、社員番号、解錠可否及び音声メッセージを設定する欄を設けてもよい。また利用者顔画像管理ウィンドウには、利用者の顔画像が設定される。
【0073】
利用者顔画像管理ウィンドウ13には、例えばマスク着用時の利用者の顔画像やマスクを着用していない際の利用者の顔画像が設定される。入出管理部62は、第1のグループに属する利用者がマスクを着用しているか否かを判定し、第1のグループに属する利用者がマスクを着用している際は、マスク着用時用の照合データを使用し、第1のグループに属する利用者がマスクを着用していない際は、マスク未着用時用の照合データを使用するようにしてもよい。マスク着用時用の照合データは、実際にマスクを着用している際の画像を予め撮像しておいて記憶しておき、またマスク未着用時用の照合データは、実際にマスクを着用している際の画像を予め撮像しておいて記憶しておく。そして、実際の照合時において、これら記憶させた照合データを読み出して照合を行う。
【0074】
次に図9を用いて入退管理装置6が備える退室管理機能について説明する。図5は、本実施の形態による入退管理装置が備える退室管理機能の説明に供するシーケンス図である。
【0075】
入退管理装置6は、表面温度が下限値より大きいか否かを判定する(S11)。ステップS11で肯定結果となると(S11:YES)、入退管理装置6は、表面温度が警告値より大きいか否かを判定する(S12)。
【0076】
ステップS12で肯定結果となると(S12:YES)、入退管理装置6は、表面温度が注意値より大きいか否かを判定する(S13)。ステップS13で肯定結果となると(S13:YES)、入退管理装置6は、表面温度が上限値より大きいか否かを判定する(S14)。
【0077】
入退管理装置6は、ステップS11で否定結果となると(S11:NO)、入退管理装置6は、下限値用提示を指示する(S15)。入退管理装置6は、ステップS12で否定結果となると(S12:NO)、入退管理装置6は、正常測定用提示を指示する(S16)。
【0078】
入退管理装置6は、ステップS13で否定結果となると(S13:NO)、入退管理装置6は、警告値用提示を指示する(S17)。入退管理装置6は、ステップS14で否定結果となると(S14:NO)、入退管理装置6は、注意値用提示を指示する(S18)。入退管理装置6は、ステップS14で肯定結果となると(S14:YES)、入退管理装置6は、上限値用提示を指示する(S19)。
【0079】
以上のように本実施の形態における入退管理装置6によれば、体温測定などの感染症の対策をしたうえで、認証の対象者が有する役員や社員といった権限に応じた制限と来客への対応や不審者の監視などが可能となる。
【0080】
なお上述の実施の形態においては、期間判定部61、入出管理部62、出退勤管理部63、受付業務部64、監視業務部65及び出力部66がプログラムの場合について述べたが、本実施の形態はこれに限らない。例えば期間判定部61、入出管理部62、出退勤管理部63、受付業務部64、監視業務部65及び出力部66は集積回路によって実装されてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 扉
2 錠
3 入室用カメラ
4 サーモセンサ
5 入室用提示装置
6 入退管理装置
7 退室用カメラ
8 退室用提示装置
9 サーバ
11 温度管理ウィンドウ
12 認識情報管理ウィンドウ
13 利用者顔画像管理ウィンドウ
61 期間判定部
62 入出管理部
63 出退勤管理部
64 受付業務部
65 監視業務部
66 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9