(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174743
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】表示装置の製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20221116BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20221116BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20221116BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20221116BHJP
【FI】
G09F9/00 338
G09F9/33
G09F9/30 349Z
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022078149
(22)【出願日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0060842
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】韓 政 ▲ウォン▼
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA43
5C094BA03
5C094BA25
5C094CA19
5C094FB14
5C094GB01
5F142BA32
5F142CB05
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD13
5F142CD16
5F142CD17
5F142FA31
5F142GA02
5G435AA17
5G435BB04
5G435CC09
5G435HH13
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】本発明は表示装置の製造方法及び製造装置に関する。
【解決手段】表示装置の製造方法は、ステージ上に第1及び第2電極が形成された画素領域を含む基板を配置する段階と、上記画素領域に発光素子を提供する段階と、上記画素領域に表面弾性波(surface acoustic wave)を印加して上記発光素子を上記基板から離隔させる段階と、上記第1及び第2電極に整列信号を印加して上記第1及び第2電極の間に上記発光素子を整列させる段階と、上記表面弾性波の発生を中断して上記発光素子を上記基板上に据え付ける段階と、を含む。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステージ上に第1及び第2電極が形成された画素領域を含む基板を配置する段階と、
前記画素領域に発光素子を提供する段階と、
前記画素領域に表面弾性波(surface acoustic wave)を印加して前記発光素子を前記基板から離隔させる段階と、
前記第1及び第2電極に整列信号を印加して、前記第1及び第2電極の相互間に前記発光素子を整列させる段階と、
前記表面弾性波の発生を中断して前記発光素子を前記基板上に据え付ける段階と、を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記発光素子を整列させる段階において、前記表面弾性波が印加された状態で前記整列信号が印加されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記発光素子を据え付ける段階において、前記整列信号が印加された状態で前記表面弾性波の発生が中断されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記ステージと前記基板の間に配置され、前記表面弾性波を発生させる振動発生部を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項5】
前記振動発生部は前記画素領域と重なり合うことを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記画素領域は第1画素領域と第2画素領域を含み、
前記振動発生部は前記第1画素領域に前記表面弾性波を印加して前記第1画素領域の前記発光素子を前記基板から離隔させることを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1画素領域の前記発光素子を前記基板から離隔させた状態で、前記第1画素領域の前記第1及び第2電極に前記整列信号を印加して前記発光素子を整列させることを特徴とする請求項6に記載の表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1画素領域の前記発光素子を整列させた状態で、前記表面弾性波の発生を中断して前記第1画素領域の前記発光素子を前記基板上に据え付けることを特徴とする請求項7に記載の表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1画素領域の前記発光素子を前記基板上に据え付けた後、前記振動発生部は前記第1画素領域から前記第2画素領域に移動することを特徴とする請求項8に記載の表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記振動発生部は前記第2画素領域に前記表面弾性波を印加して前記第2画素領域の前記発光素子を前記基板から離隔させることを特徴とする請求項9に記載の表示装置の製造方法。
【請求項11】
前記発光素子は、発光素子インク内に分散されて前記画素領域に提供されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記発光素子は、前記表面弾性波によって前記発光素子インク内で前記基板から離隔されることを特徴とする請求項11に記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記発光素子を据え付けた状態で、前記発光素子インクの溶媒を除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記発光素子を据え付けた状態で、前記発光素子上に連結電極を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
ステージと、
前記ステージの少なくとも一方の側に備えられる少なくとも1つの電界印加部と、
前記ステージ上に備えられ、表面弾性波を発生させる少なくとも1つの振動発生部と、を含むことを特徴とする表示装置の製造装置。
【請求項16】
前記振動発生部は微細電極を含むことを特徴とする請求項15に記載の表示装置の製造装置。
【請求項17】
前記微細電極は、交流信号の印加を受けて前記表面弾性波を発生させることを特徴とする請求項16に記載の表示装置の製造装置。
【請求項18】
前記微細電極は、互いに分離されて交互に配置される第1微細電極及び第2微細電極を含むことを特徴とする請求項16に記載の表示装置の製造装置。
【請求項19】
前記振動発生部は、前記第1微細電極と電気的に連結された第1電極端子、及び、前記第2微細電極と電気的に連結された第2電極端子をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の表示装置の製造装置。
【請求項20】
前記電界印加部は、少なくとも1つのプローブピンを備えたプローブヘッドを含むことを特徴とする請求項15に記載の表示装置の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報ディスプレイに関する関心が高まることにより、表示装置に対する研究開発が持続的に行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2020-0124195号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2020-0034905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、発光素子の整列度を向上させることができる表示装置の製造方法及び製造装置を提供することである。
【0005】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されない。言及されていない更なる技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための一実施例による表示装置の製造方法は、ステージ上に第1及び第2電極が形成された画素領域を含む基板を配置する段階と、上記画素領域に発光素子を提供する段階と、上記画素領域に表面弾性波(surface acoustic wave)を印加して上記発光素子を上記基板から離隔させる段階と、上記第1及び第2電極に整列信号を印加して上記第1及び第2電極の相互間に上記発光素子を整列させる段階と、上記表面弾性波の発生を中断して上記発光素子を上記基板上に据え付ける段階と、を含む。
【0007】
上記発光素子を整列させる段階において、上記表面弾性波が印加された状態で上記整列信号が印加されうる。
【0008】
上記発光素子を据え付ける段階において、上記整列信号が印加された状態で上記表面弾性波の発生が中断されうる。
【0009】
上記ステージと上記基板との間に配置されて、上記表面弾性波を発生させる、振動発生部を含むことができる。
【0010】
上記振動発生部は上記画素領域と重畳する(重なり合う)ことができる。
【0011】
上記画素領域は第1画素領域と第2画素領域を含み、上記振動発生部は、上記第1画素領域に上記表面弾性波を印加することで、上記第1画素領域の上記発光素子を上記基板から離隔させることができる。
【0012】
上記第1画素領域の上記発光素子を上記基板から離隔させた状態で、上記第1画素領域の上記第1及び第2電極に上記整列信号を印加することで、上記発光素子を整列させることができる。
【0013】
上記第1画素領域の上記発光素子を整列させた状態で、上記表面弾性波の発生を中断することで、上記第1画素領域の上記発光素子を上記基板上に据え付けることができる。
【0014】
上記第1画素領域の上記発光素子を上記基板上に据え付けた後、上記振動発生部は、上記第1画素領域から上記第2画素領域に移動することができる。
【0015】
上記振動発生部は、上記第2画素領域に上記表面弾性波を印加することで、上記第2画素領域の上記発光素子を上記基板から離隔させることができる。
【0016】
上記発光素子は、発光素子インク内に分散されて上記画素領域に提供されうる。
【0017】
上記発光素子は、上記表面弾性波によって上記発光素子インク内で上記基板から離隔されうる。
【0018】
上記表示装置の製造方法は、上記発光素子を据え付けた状態で、上記発光素子インクの溶媒を除去する段階をさらに含むことができる。
【0019】
上記表示装置の製造方法は、上記発光素子を据え付けた状態で、上記発光素子上に連結電極を形成する段階をさらに含むことができる。
【0020】
上記課題を解決するための一実施例による表示装置の製造装置は、ステージと、上記ステージの少なくとも一側に備えられる少なくとも1つの電界印加部と、上記ステージ上に備えられ、表面弾性波を発生させる少なくとも1つの振動発生部と、を含む。
【0021】
上記振動発生部は微細電極を含むことができる。
【0022】
上記微細電極は、交流信号の印加を受けて上記表面弾性波を発生させることができる。
【0023】
上記微細電極は、互いに分離されて交互に配置される第1微細電極及び第2微細電極を含むことができる。
【0024】
上記振動発生部は、上記第1微細電極と電気的に連結された第1電極端子、及び、上記第2微細電極と電気的に連結された第2電極端子をさらに含むことができる。
【0025】
上記電界印加部は、少なくとも1つのプローブピンを備えたプローブヘッドを含むことができる。
【0026】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例によると、発光素子を整列させる過程において、各画素領域に表面弾性波を印加して発光素子を基板から離隔させることができる。これにより、発光素子は、基板から離隔された状態で容易に整列され、整列が完了した状態で基板上に据え付けられうる。即ち、発光素子が整列されていない状態で、発光素子インク内にて沈降して基板上に据え付けられることを防止することができるため、発光素子の整列度を向上させることができる。
【0028】
実施例による効果は、以上で例示された内容により制限されず、更なる多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】一実施例による発光素子を示す斜視図である。
【
図2】一実施例による発光素子を示す断面図である。
【
図3】一実施例による表示装置を示す平面図である。
【
図7】一実施例による表示装置の製造装置を概略的に示す断面図である。
【
図8】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図9】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図10】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図11】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図12】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図13】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図14】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図15】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図16】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図17】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【
図18】一実施例による表示装置の製造方法を説明する工程段階別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の利点及び特徴、そしてこれを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述する実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下に開示される実施例に限定されず、異なる多様な形態で具現されることができる。本実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に説明するために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇により定義される。
【0031】
本明細書に用いられる用語は実施例を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数形は特に言及しない限り、複数形も含む。明細書に用いられる「含む(comprises)」及び/または「含んでいる(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作及び/または素子に1つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/または素子が、存在するかまたは追加されることを排除しない。
【0032】
また、「連結」または「接続」は、物理的及び/または電気的な連結または接続を包括的に意味することができる。また、これは直接的または間接的な連結または接続、及び一体型または非一体型の連結または接続を、包括的に意味することができる。
【0033】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」にというときには、他の素子の真上または中間に他の層または他の素子を介在した場合をすべて含む。明細書の全体にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を指す。
【0034】
第1、第2などが様々な構成要素を説明するために用いられるが、当該構成要素はこの用語によって制限されない。これらの用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別するためだけに用いられる。従って、以下に言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素であってもよいことは言うまでもない。
【0035】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明する。
【0036】
図1及び
図2は一実施例による発光素子を示す斜視図及び断面図である。
図1及び
図2には柱型発光素子LDを示したが、発光素子LDの種類及び/または形状はこれに限定されない。
【0037】
図1及び
図2を参照すると、発光素子LDは、第1半導体層11、活性層12、第2半導体層13、及び/または電極層14を含んでもよい。
【0038】
発光素子LDは、一方向に沿って延長された柱状に形成されてもよい。発光素子LDは、第1端部EP1と第2端部EP2を有することができる。発光素子LDの第1端部EP1には、第1及び第2半導体層11、13の何れか1つが配置されてもよい。発光素子LDの第2端部EP2には第1及び第2半導体層11、13の残り1つが配置されてもよい。例えば、発光素子LDの第1端部EP1には第1半導体層11が配置され、発光素子LDの第2端部EP2には第2半導体層13が配置されるのでありうる。
【0039】
実施例に応じて、発光素子LDは、エッチング方式などにより柱状に製造された発光素子であってもよい。本明細書において、柱状とは円柱または多角柱などの、縦横比(アスペクト比=径方向寸法÷長さ方向寸法)が1より大きい、ロッド状(rod-like shape)、またはバー状(bar-like shape)を包括し、その断面の形状は限定されない。
【0040】
発光素子LDは、ナノメートルスケール乃至マイクロメートルスケール(nanometer scale to micrometer scale)の程度に小さなサイズあってもよい。例えば、発光素子LDはそれぞれナノメートルスケール乃至マイクロメートルスケールの範囲の直径D(または、幅)及び/または長さLであってもよい。但し、発光素子LDのサイズはこれに制限されず、発光素子LDを用いた発光装置を光源として利用する各種の装置、例えば、表示装置などの設計条件に応じて発光素子LDのサイズは多様に変更されてもよい。
【0041】
第1半導体層11は第1導電型半導体層であってもよい。例えば、第1半導体層11はp型半導体層を含んでもよい。例えば、第1半導体層11は、InAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InNのうちの少なくとも1つの半導体材料を含み、Mgなどの第1導電型ドーパントがドープされたp型半導体層を含んでもよい。但し、第1半導体層11を構成する物質はこれに限定されず、その他にも様々な物質が第1半導体層11を構成することができる。
【0042】
活性層12は、第1半導体層11と第2半導体層13との間に配置され、単一量子井戸(single-quantum well)または多重量子井戸(multi-quantum well)構造で形成されてもよい。活性層12の位置は、発光素子LDの種類に応じて多様に変更されてもよい。実施例に応じて、AlGaN、InAlGaNなどの物質が活性層12を形成するのに用いられてもよく、その他にも様々な物質が活性層12を構成することができる。活性層12の上部及び/または下部には、導電性ドーパントがドープされたクラッド層(不図示)が形成されてもよい。例えば、クラッド層は、AlGaNまたはInAlGaNで形成されることができる。
【0043】
第2半導体層13は、活性層12上に配置され、第1半導体層11と異なるタイプの半導体層を含んでもよい。第2半導体層13はn型半導体層を含んでもよい。例えば、第2半導体層13は、InAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlN、InNのうちの何れか1つの半導体材料を含み、Si、Ge、Snなどの第2導電型ドーパントがドープされたn型半導体層を含んでもよい。但し、第2半導体層13を構成する物質はこれに限定されず、その他にも様々な物質で第2半導体層13を構成することができる。
【0044】
発光素子LDの両端に、しきい値電圧以上の電圧を印加すると、活性層12で電子-正孔対が結合して発光素子LDが発光するようになる。このような原理を利用して発光素子LDの発光を制御することで、発光素子LDを表示装置の画素を始めとする様々な発光装置の光源として利用することができる。
【0045】
電極層14は発光素子LDの第1端部EP1及び/または第2端部EP2上に配置されてもよい。
図2には第1半導体層11上に電極層14が形成される場合を例示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、第2半導体層13上に別の電極層がさらに配置されうる。
【0046】
電極層14は、透明な金属または透明な金属酸化物を含んでもよい。例えば、電極層14は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、及び亜鉛スズ酸化物(ZTO)のうちの少なくとも1つを含むことができるが、必ずしもこれに限定されない。このように、電極層14が透明な金属または透明な金属酸化物からなる場合、発光素子LDの活性層12で生成された光が、電極層14を通って発光素子LDの外部に放出されうる。
【0047】
発光素子LDは表面に形成された絶縁膜INFをさらに含んでもよい。絶縁膜INFは、第1半導体層11、活性層12、第2半導体層13、及び/または電極層14の表面上に直接配置されてもよい。絶縁膜INFは、異なる極性を有する発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2を露出することができる。実施例に応じて、絶縁膜INFは、発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2に隣接する電極層14及び/または第2半導体層13の側部を露出することができる。
【0048】
絶縁膜INFは、アルミニウム酸化物(AlOx)、アルミニウム窒化物(AlNx)、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、及びチタン酸化物(TiOx)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。例えば、絶縁膜INFは二重層からなり、上記二重層を構成する各層は互いに異なる物質を含んでもよい。この場合、絶縁膜INFの二重層を構成する各層は異なる工程によって形成されてもよい。一実施例において、絶縁膜INFは、アルミニウム酸化物(AlOx)層と、シリコン酸化物(SiOx)層とからなる二重層で構成されてもよいが、必ずしもこれに限定されない。実施例に応じて、絶縁膜INFは省略されてもよい。
【0049】
発光素子LDの表面上に絶縁膜INFが提供される場合、活性層12が少なくとも1つの電極(例えば、発光素子LDの両端に連結される電極のうちの少なくとも1つの電極)などと短絡することを防止することができる。これにより、発光素子LDの電気的安定性を確保することができる。また、発光素子LDの表面欠陥を最小化して、寿命及び効率を向上させることができる。
【0050】
上述した発光素子LDを含む発光装置は、表示装置をはじめ、光源を必要とする様々な種類の装置に利用することができる。例えば、表示パネルの各画素内に発光素子LDを配置し、発光素子LDを各画素の光源として利用することができる。但し、発光素子LDの適用分野は、上述した例に限定されない。例えば、発光素子LDは、照明装置などの光源を必要とする他の種類の装置にも利用することができる。
【0051】
図3は、一実施例による表示装置を示す平面図である。
【0052】
図3では、
図1及び
図2の実施例で説明した発光素子LDを、光源として利用することができる電子装置の一例として、表示装置、特に表示装置に備えられる表示パネルPNLを図示する。
【0053】
表示パネルPNLの各画素ユニットPXU及びこれを構成する各画素は、少なくとも1つの発光素子LDを含んでもよい。説明の便宜上、
図3では、表示領域DAを中心として表示パネルPNLの構造を簡単に示す。但し、実施例に応じて図示されていない少なくとも1つの駆動回路部(例えば、走査駆動部及びデータ駆動部のうち少なくとも1つ)、配線、及び/または、パッドが、表示パネルPNLにさらに配置されてもよい。
【0054】
図3を参照すると、表示パネルPNLは、基板SUB及び基板SUB上に配置された画素ユニットPXUを含んでもよい。画素ユニットPXUは、第1画素PXL1、第2画素PXL2及び/または第3画素PXL3を含んでもよい。以下では、第1画素PXL1、第2画素PXL2及び第3画素PXL3のうちの少なくとも1つの画素を任意で指す場合や、2種類以上の画素を包括的に指す場合に、「画素PXL」または「複数の画素PXL」という。
【0055】
基板SUBは、表示パネルPNLのベース部材を構成するもので、硬性または軟性の基板やフィルムであってもよい。例えば、基板SUBは、ガラスまたは強化ガラスからなる硬性基板、プラスチックまたは金属材質の軟性基板(または、薄膜フィルム)からなってもよく、基板SUBの材料及び/または物性は特に限定されない。
【0056】
表示パネルPNL及びこれを形成するための基板SUBは、映像を表示するための表示領域DA及び表示領域DAを除いた非表示領域NDAを含んでもよい。表示領域DAには画素PXLが配置されてもよい。非表示領域NDAには、表示領域DAの画素PXLに連結される各種の配線、パッド及び/または内蔵回路部が配置されうる。画素PXLは、ストライプ(stripe)またはペンタイル(PENTILETM)の配列構造などに応じて規則的に配列されてもよい。但し、画素PXLの配列構造はこれに限定されず、画素PXLは、様々な構造及び/または方法でもって表示領域DAに配列されうる。
【0057】
実施例に応じて、表示領域DAには、異なる色の光を放出する2種類以上の画素PXLが配置されてもよい。例えば、表示領域DAには、第1色の光を放出する第1画素PXL1、第2色の光を放出する第2画素PXL2、及び第3色の光を放出する第3画素PXL3が配列されることができる。互いに隣接するように配置された少なくとも1つの第1~第3画素PXL1、PXL2、PXL3は、様々な色の光を放出することができる1つの画素ユニットPXUを構成することができる。例えば、第1~第3画素PXL1、PXL2、PXL3は、それぞれ所定の色の光を放出するサブ画素であってもよい。実施例に応じて、第1画素PXL1は赤色の光を放出する赤色画素であり、第2画素PXL2は緑色の光を放出する緑色画素であり、第3画素PXL3は青色の光を放出する青色画素であってもよいが、これに限定されない。
【0058】
一実施例において、第1画素PXL1、第2画素PXL2及び第3画素PXL3は、同じ色の光を放出する発光素子を備えるが、それぞれの発光素子上に配置された互いに異なる色のカラー変換層及び/またはカラーフィルタを含むことで、それぞれ第1色、第2色及び第3色の光を放出することができる。他の実施例において、第1画素PXL1、第2画素PXL2及び第3画素PXL3は、それぞれ第1色の発光素子、第2色の発光素子及び第3色の発光素子を光源として備えることで、それぞれ第1色、第2色及び第3色の光を放出することもできる。但し、それぞれの画素ユニットPXUを構成する画素PXLの色、種類、及び/または数などは特に限定されない。即ち、それぞれの画素PXLが放出する光の色は多様に変更されうる。
【0059】
画素PXLは、所定の制御信号(例えば、走査信号及びデータ信号)及び/または所定の電源(例えば、第1電源及び第2電源)によって駆動する、少なくとも1つの光源を含んでもよい。一実施例において、上記光源は、
図1及び
図2の実施例のうちの何れか1つの実施例による少なくとも1つの発光素子LD、例えば、ナノメートルスケールないしマイクロメートルスケールの程度に小さいサイズの超小型柱型発光素子LDを含んでもよい。但し、必ずしもこれに限定されるものではなく、その他にも様々な種類の発光素子LDが画素PXLの光源として利用されてもよい。
【0060】
一実施例において、それぞれの画素PXLは能動型画素からなってもよい。但し、表示装置に適用できる画素PXLの種類、構造、及び/または駆動方式は特に限定されない。例えば、それぞれの画素PXLは、多様な構造及び/または駆動方式が受動型または能動型の発光表示装置の画素で構成されてもよい。
【0061】
【0062】
実施例に応じて、
図4に示された画素PXLは、
図3の表示パネルPNLに備えられた第1画素PXL1、第2画素PXL2及び第3画素PXL3のうちの何れか1つであってもよい。第1画素PXL1、第2画素PXL2及び第3画素PXL3は、実質的に互いに同一または類似する構造であってもよい。
【0063】
図4を参照すると、画素PXLは、データ信号に対応する輝度の光を生成するための発光部LSUと、発光部LSUを駆動するための画素回路PXCと、を含んでもよい。
【0064】
発光部LSUは、第1電源VDDと第2電源VSSの間に連結された少なくとも1つの発光素子LDを含んでもよい。例えば、発光部LSUは、画素回路PXC及び第1電源線PL1を経由して第1電源VDDに連結される第1電極ELT1と、第2電源線PL2を介して第2電源VSSに連結される第2電極ELT2と、第1及び第2電極ELT1、ELT2の間に電気的に連結される複数の発光素子LDと、を含んでもよい。一実施例において、第1電極ELT1はアノード電極で、第2電極ELT2はカソード電極であってもよい。
【0065】
発光素子LDのそれぞれは、第1電極ELT1及び/または画素回路PXCを介して第1電源VDDに連結される第1端部と、第2電極ELT2を介して第2電源VSSに連結される第2端部と、を含んでもよい。即ち、発光素子LDは、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に、順方向に連結されうる。第1電源VDDと第2電源VSSの間に順方向に連結された各発光素子LDは、それぞれの有効光源を構成し、当該有効光源が集まって画素PXLの発光部LSUを構成することができる。
【0066】
第1電源VDDと第2電源VSSとは、発光素子LDが発光できるように異なる電位を有することができる。例えば、第1電源VDDは高電位電源に設定され、第2電源VSSは低電位電源に設定されることができる。ここで、第1電源VDDと第2電源VSSとの電位差は、少なくとも画素PXLの発光期間の間、発光素子LDのしきい値電圧以上に設定されうる。
【0067】
それぞれの発光部LSUを構成する発光素子LDの一端部は、発光部LSUの一電極(例えば、各画素PXLの第1電極ELT1)を介して画素回路PXCに共通して連結され、画素回路PXC及び第1電源線PL1を介して第1電源VDDに連結されるのでありうる。発光素子LDの他端部は、発光部LSUの他の電極(例えば、各画素PXLの第2電極ELT2)及び第2電源線PL2を介して第2電源VSSに共通して連結されうる。
【0068】
発光素子LDは、該当画素回路PXCを介して供給される駆動電流に対応する輝度で発光することができる。例えば、それぞれのフレーム期間の間、画素回路PXCは該当フレームで表現する階調値に対応する駆動電流を発光部LSUに供給することができる。発光部LSUに供給された駆動電流は、順方向に連結された発光素子LDに分けられて流れうる。これにより、それぞれの発光素子LDがそれに流れる電流に相応する輝度で発光しながら、発光部LSUが駆動電流に対応する輝度の光を放出することができる。
【0069】
画素回路PXCは、第1電源VDDと第1電極ELT1の間に連結されうる。画素回路PXCは、該当画素PXLの走査線Si及びデータ線Djに連結されうる。例えば、画素PXLが表示領域DAのi(iは自然数)番目の水平ライン(行)及びj(jは自然数)番目の垂直ライン(列)に配置される場合、画素回路PXCは、表示領域DAのi番目の走査線Si及びj番目のデータ線Djに連結されうる。
【0070】
実施例に応じて、画素回路PXCは、複数のトランジスタT1、T2、T3と、少なくとも1つのストレージキャパシタCstと、を含んでもよい。
【0071】
第1トランジスタT1は、第1電源VDDと発光部LSUの間に連結されうる。例えば、第1トランジスタT1の第1電極(例えば、ドレイン電極)は第1電源VDDに連結され、第1トランジスタT1の第2電極(例えば、ソース電極)は第1電極ELT1に連結されるのであってもよい。第1トランジスタT1のゲート電極は第1ノードN1に連結されうる。当該第1トランジスタT1は、第1ノードN1の電圧に対応して発光部LSUに供給される駆動電流を制御することができる。即ち、第1トランジスタT1は、画素PXLの駆動電流を制御する駆動トランジスタであってもよい。
【0072】
第2トランジスタT2は、データ線Djと第1ノードN1の間に連結されうる。例えば、第2トランジスタT2の第1電極はデータ線Djに連結され、第2トランジスタT2の第2電極は第1ノードN1に連結されるのでありうる。第2トランジスタT2のゲート電極は走査線Siに連結されうる。当該第2トランジスタT2は走査線Siからゲートオン電圧(例えば、ローレベルの電圧)の走査信号SSiが供給されると、ターンオンされて、データ線Djと第1ノードN1を電気的に連結することができる。
【0073】
それぞれのフレーム期間毎に、該当フレームのデータ信号DSjがデータ線Djに供給され、データ信号DSjは、ゲートオン電圧の走査信号SSiが供給される期間の間にターンオンされた第2トランジスタT2を介して、第1ノードN1に伝達されうる。即ち、第2トランジスタT2は、それぞれのデータ信号DSjを画素PXLの内部に伝達するためのスイッチングトランジスタであってもよい。
【0074】
第3トランジスタT3は、第1トランジスタT1とセンシング線SLjの間に連結されうる。例えば、第3トランジスタT3の一電極は第1電極ELT1に連結された第1トランジスタT1の第2電極(例えば、ソース電極)に連結され、第3トランジスタT3の他の電極はセンシング線SLjに連結されるのでありうる。一方、センシング線SLjが省略される場合、第3トランジスタT3の他の電極はデータ線Djに連結されてもよい。
【0075】
第3トランジスタT3のゲート電極は、センシング制御線SCLiに連結されることができる。センシング制御線SCLiが省略される場合、第3トランジスタT3のゲート電極は走査線Siに連結されてもよい。当該第3トランジスタT3は、所定のセンシング期間の間センシング制御線SCLiに供給されるゲートオン電圧(例えば、ハイレベルの電圧)のセンシング制御信号SCSiによってターンオンされてセンシング線SLjと第1トランジスタT1を電気的に連結することができる。
【0076】
実施例に応じて、センシング期間は、表示領域DAに配置された画素PXLのそれぞれの特性(例えば、第1トランジスタT1のしきい値電圧など)を抽出する期間であってもよい。上記センシング期間の間、データ線Dj及び第2トランジスタT2を介して、第1ノードN1に第1トランジスタT1がターンオンできる所定の基準電圧を供給するか、それぞれの画素PXLを電流源などに連結することで、第1トランジスタT1をターンオンさせることができる。また、第3トランジスタT3にゲートオン電圧のセンシング制御信号SCSiを供給して第3トランジスタT3をターンオンさせることで、第1トランジスタT1をセンシング線SLjに連結することができる。その後、センシング線SLjを介してセンシング信号SENjを獲得し、センシング信号SENjを利用して第1トランジスタT1のしきい値電圧などを含む各画素PXLの特性を検出することができる。各画素PXLの特性に対する情報は、表示領域DAに配置された画素PXLの間の特性偏差が補償されるように映像データを変換するのに利用することができる。
【0077】
ストレージキャパシタCstの一電極は第1トランジスタT1の第2電極に連結され、他の電極は第1ノードN1に連結されることができる。ストレージキャパシタCstは、それぞれのフレーム期間の間第1ノードN1に供給されるデータ信号DSjに対応する電圧を充電することができる。
【0078】
また、
図4には、それぞれの発光部LSUを構成する有効光源、即ち、発光素子LDがすべて並列に連結された実施例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、各画素PXLの発光部LSUは少なくとも2段の直列構造を含むように構成されてもよい。この場合、各直列段を構成する発光素子は、少なくとも1つの中間電極によって互いに直列連結されることができる。
【0079】
図5及び
図6は一実施例による画素を示す断面図である。
【0080】
図5及び
図6では、画素回路(
図4のPXC)を構成する様々な回路素子のうちの第1トランジスタT1を図示し、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2を区別して明記する必要がない場合には「トランジスタT」と包括して称する。一方、トランジスタTの構造及び/または層別の位置などは
図5及び
図6に示された実施例に限定されるものではなく、実施例に応じて多様に変更されてもよい。
【0081】
図5及び
図6を参照すると、一実施例による画素PXL及びこれを備えた表示パネルPNLの基板SUB上には、画素回路PXCを構成する回路素子(例えば、トランジスタT及びストレージキャパシタCst)、及びこれに連結される各種の配線を含む回路層PCLが配置されてもよい。回路層PCL上には、発光部LSUを構成する第1及び第2電極ELT1、ELT2、発光素子LD、及び/または第1及び第2連結電極CNE1、CNE2が配置されうる。
【0082】
基板SUBは、ベース部材を構成するもので、硬性または軟性の基板やフィルムであってもよい。例えば、基板SUBは、ガラスまたは強化ガラスからなる硬性基板、プラスチックまたは金属材質の軟性基板(または、薄膜フィルム)、または少なくとも一層の絶縁層であってもよい。基板SUBの材料及び/または物性は特に限定されない。一実施例において、基板SUBは実質的に透明であってもよい。ここで、実質的に透明とは、所定の透過度以上に光を透過させることができることを意味することができる。他の実施例において、基板SUBは半透明または不透明であってもよい。また、基板SUBは、実施例に応じて反射性物質を含んでもよい。
【0083】
基板SUB上にはトランジスタTが配置されてもよい。トランジスタTは、それぞれ半導体パターンSCP、ゲート電極GAT、及び、第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2を含んでもよい。
【0084】
基板SUB上にはバッファ層BFLが配置されてもよい。バッファ層BFLはそれぞれの回路素子に不純物が拡散するのを防止することができる。バッファ層BFLは、単一層からなってもよいが、少なくとも2重層以上の多重層からなってもよい。バッファ層BFLが多重層からなる場合、各層は同じ材料または異なる材料からなってもよい。
【0085】
バッファ層BFL上には半導体パターンSCPが配置されてもよい。例えば、半導体パターンSCPは、それぞれ第1トランジスタ電極TE1に接触される第1領域と、第2トランジスタ電極TE2に接触される第2領域と、上記第1及び第2領域の間に位置するチャネル領域と、を含んでもよい。実施例に応じて、上記第1及び第2領域のうち1つはソース領域で、残り1つはドレイン領域であってもよい。
【0086】
実施例に応じて、半導体パターンSCPはポリシリコン、アモルファスシリコン、酸化物半導体などからなってもよい。また、半導体パターンSCPのチャネル領域は不純物がドープされていない半導体パターンであって真性半導体であってもよく、半導体パターンSCPの第1及び第2領域はそれぞれ所定の不純物がドープされた半導体であってもよい。
【0087】
半導体パターンSCP上にはゲート絶縁層GIが配置されてもよい。例えば、ゲート絶縁層GIは半導体パターンSCPとゲート電極GATの間に配置されることができる。ゲート絶縁層GIは単一層または多重層からなってもよく、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)を含む様々な種類の無機物質を含んでもよい。
【0088】
ゲート絶縁層GI上にはゲート電極GATが配置されてもよい。ゲート電極GATはゲート絶縁層GI上において半導体パターンSCPと第3方向(Z軸方向)に重畳するように配置されることができる。
【0089】
ゲート電極GAT上には第1層間絶縁層ILD1が配置されてもよい。例えば、第1層間絶縁層ILD1は、ゲート電極GATと、第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2との間に配置されてもよい。第1層間絶縁層ILD1は、単一層または多重層からなってもよく、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)を含む様々な種類の無機物質を含んでもよい。
【0090】
第1層間絶縁層ILD1上には、第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2が配置されてもよい。第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2は、半導体パターンSCPと第3方向(Z軸方向)に重なり合うように配置されてもよい。第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2は、半導体パターンSCPと電気的に連結されうる。例えば、第1トランジスタ電極TE1は、第1層間絶縁層ILD1及びゲート絶縁層GIを貫通するコンタクトホールを介して、半導体パターンSCPの第1領域と電気的に連結されてもよい。第2トランジスタ電極TE2は、第1層間絶縁層ILD1及びゲート絶縁層GIを貫通するコンタクトホールを介して、半導体パターンSCPの第2領域と電気的に連結されてもよい。実施例に応じて、第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2のうちの、何れか1つはソース電極で、残り1つはドレイン電極であってもよい。
【0091】
第1層間絶縁層ILD1上には電源線PLが配置されてもよい。電源線PLは、第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2と同じ層に配置されうる。即ち、電源線PLは第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2と同じ導電層からなってもよい。例えば、電源線PLは第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2と同じ工程で同時に形成されてもよいが、必ずしもこれに限定されない。
【0092】
第1及び第2トランジスタ電極TE1、TE2と電源線PL上には、第2層間絶縁層ILD2が配置されてもよい。第2層間絶縁層ILD2は、単一層または多重層からなってもよく、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)を含む様々な種類の無機物質を含んでもよい。
【0093】
トランジスタTを含む回路素子の上部には保護層PSVが配置されてもよい。保護層PSVは、下部段差を平坦化するために有機物質からなるのでありうる。例えば、保護層PSVは、アクリル系樹脂(acrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides resin)、ポリエステル系樹脂(polyesters resin)、ポリフェニレンスルファイド系樹脂(polyphenylenesulfides resin)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene、BCB)などの有機物質を含んでもよい。但し、必ずしもこれに限定されるものではなく、保護層PSVはシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)を含む様々な種類の無機物質を含んでもよい。
【0094】
回路層PCLの保護層PSV上には、パターンBNP、第1及び第2電極ELT1、ELT2、発光素子LD、及び/または第1及び第2連結電極CNE1、CNE2を含む表示層DPLが提供されてもよい。
【0095】
パターンBNPは保護層PSV上に配置されてもよい。パターンBNPは、実施例に応じて多様な形状を有することができる。一実施例において、パターンBNPは、基板SUB上において第3方向(Z軸方向)に突出した形状であってもよい。また、パターンBNPは、基板SUBに対して所定の角度で傾いた傾斜面を有するように形成されてもよい。但し、必ずしもこれに限定されず、パターンBNPは、曲面または階段状などの側壁を有することができる。例えば、パターンBNPは、半円または半楕円状などの断面を有することができる。
【0096】
パターンBNPの上部に配置される電極及び絶縁層は、パターンBNPに対応する形状を有することができる。例えば、パターンBNP上に配置される第1及び第2電極ELT1、ELT2は、パターンBNPの形状に相応する形状の斜面または曲面を含んでもよい。これにより、パターンBNPは、上部に提供された第1及び第2電極ELT1、ELT2とともに発光素子LDから放出される光を画素PXLの前面方向、即ち、第3方向(Z軸方向)に誘導して表示パネルPNLの出光効率を向上させる反射部材として機能することができる。
【0097】
パターンBNPは、少なくとも1つの有機物質及び/または無機物質を含んでもよい。例えば、パターンBNPは、アクリル系樹脂(acrylates resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides resin)、ポリエステル系樹脂(polyesters resin)、ポリフェニレンスルファイド系樹脂(polyphenylenesulfides resin)またはベンゾシクロブテン(benzocyclobutene、BCB)などの有機物質を含んでもよい。但し、必ずしもこれに限定されず、パターンBNPは、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)を含む様々な種類の無機物質を含んでもよい。
【0098】
保護層PSVとパターンBNP上には第1及び第2電極ELT1、ELT2が配置されてもよい。第1及び第2電極ELT1、ELT2は、画素PXL内において互いに離隔されるように配置されてもよい。第1及び第2電極ELT1、ELT2は上述したように発光素子LDの整列段階において整列信号の供給を受けることができる。これにより、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に電界が形成され、各画素PXLに供給された発光素子LDが、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に整列されうる。
【0099】
第1及び第2電極ELT1、ELT2はそれぞれ少なくとも1つの導電物質を含んでもよい。例えば、第1及び第2電極ELT1、ELT2は、それぞれ銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)などを含む様々な金属物質のうち少なくとも1つの金属またはこれを含む合金、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、亜鉛スズ酸化物(ZTO)、またはガリウムスズ酸化物(GTO)などの導電性酸化物、及びPEDOTのような導電性高分子のうち少なくとも1つの導電物質を含んでもよいが、必ずしもこれに限定されない。
【0100】
第1及び第2電極ELT1、ELT2上には、第1絶縁層INS1が配置されてもよい。第1絶縁層INS1は単一層または多重層からなってもよく、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)を含む様々な種類の無機物質を含んでもよい。
【0101】
第1絶縁層INS1上には、一連の発光素子LDが配置されうる。一連の発光素子LDは、第1絶縁層INS1上において、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に配置されうる。一連の発光素子LDは、発光素子インク内に分散された状態で用意され、インクジェットプリント方式などにより各画素PXLに供給されうる。例えば、一連の発光素子LDは、揮発性溶媒に分散されて各画素PXLに提供されてもよい。次いで、第1及び第2電極ELT1、ELT2を介して整列信号を供給すると、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に電界が形成されて第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に掛け渡されるように、一連の発光素子LDが整列されるのでありうる。発光素子LDが整列された後には、溶媒を揮発させるか、それ以外の方法で除去して、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に一連の発光素子LDを安定的に配列することができる。
【0102】
一方、発光素子LDを整列させる過程において、各画素PXLを含む画素領域に、表面弾性波を印加して、発光素子LDを基板SUBから離隔させることができる。これにより、発光素子LDは、基板SUBから離隔された状態で容易に整列され、整列が完了した状態で基板SUB上に据え付けられうる。即ち、発光素子LDが、整列されていない状態で、上記発光素子インク内にて沈降して基板SUB上に据え付けられるということを防止することができるため、発光素子LDの整列度を向上させることができる。これに対する詳細な説明は
図8~
図18を参照して後述する。
【0103】
発光素子LD上には第2絶縁層INS2が配置されてもよい。第2絶縁層INS2は、発光素子LD上に部分的に配置されうる。発光素子LDの整列が完了してから発光素子LD上に第2絶縁層INS2を形成すると、発光素子LDが、整列された位置から離脱することを防止することができる。第2絶縁層INS2は、発光素子LD上に配置されるが、発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2を露出することができる。
【0104】
第2絶縁層INS2は、単一層または多重層からなるのであってもよく、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)を含む様々な種類の無機物質を含んでもよい。
【0105】
第2絶縁層INS2によって露出された発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2上には、第1及び第2連結電極CNE1、CNE2がそれぞれ配置されてもよい。第1及び第2連結電極CNE1、CNE2はそれぞれ発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2上に直接配置され、発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2と接することができる。
【0106】
一実施例において、第1及び第2連結電極CNE1、CNE2は、互いに同じ層に配置されうる。即ち、第1及び第2連結電極CNE1、CNE2は、互いに同じ導電層からなるのでありうる。第1及び第2連結電極CNE1、CNE2は、互いに同じ工程で同時に形成されてもよいが、必ずしもこれに限定されない。
【0107】
他の実施例において、第1及び第2連結電極CNE1、CNE2は、互いに異なる層に配置されてもよい。例えば、
図6に示したように、第1連結電極CNE1上に第3絶縁層INS3が配置され、第1連結電極CNE1上に第2連結電極CNE2が配置されるのであってもよい。このように、第1及び第2連結電極CNE1、CNE2が、互いに異なる導電層からなる場合、第1連結電極CNE1と第2連結電極CNE2の間には、第3絶縁層INS3がさらに配置されうる。第3絶縁層INS3は、第1連結電極CNE1をカバーするとともに、発光素子LDの第2端部EP2を露出させるのでありうる。第3絶縁層INS3によって露出された発光素子LDの第2端部EP2上には、第2連結電極CNE2が配置されうる。このように、異なる導電層からなる連結電極CNE1、CNE2の相互間に第3絶縁層INS3が配置される場合、第3絶縁層INS3によって連結電極CNE1、CNE2が安定的に分離されうるため、発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2の相互間の電気的安定性を確保することができる。これにより、発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2の相互間でショート欠陥が発生することを効果的に防止することができる。
【0108】
第1及び第2連結電極CNE1、CNE2は、それぞれ様々な透明導電物質からなるのであってもよい。例えば、第1及び第2連結電極CNE1、CNE2は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムスズ亜鉛酸化物(ITZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、亜鉛スズ酸化物(ZTO)、またはガリウムスズ酸化物(GTO)を含む、様々な透明導電物質のうちの少なくとも1つを含み、所定の透光度を満たすように実質的に透明または半透明に具現されることができる。これにより、発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2から放出された光は、第1及び第2連結電極CNE1、CNE2を通過して表示パネルPNLの外部に放出されうる。
【0109】
第3絶縁層INS3は、単一層または多重層からなるのであってもよく、シリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、アルミニウム窒化物(AlNx)、アルミニウム酸化物(AlOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、またはチタン酸化物(TiOx)を含む様々な種類の無機物質を含んでもよい。
【0110】
続いて、上述した一実施例による表示装置の製造装置について説明する。
【0111】
図7は、一実施例による表示装置の製造装置を概略的に示す断面図である。
図7には、
図1~
図6を参照して説明した表示装置を製造するための対象基板SUBa上に発光素子LDを供給するとともに発光素子LDを整列させることができる製造装置の実施例を示す。
【0112】
図7を参照すると、表示装置の製造装置は、ステージST、プリントヘッドPU、電界印加部EU、及び/または振動発生部SUを含んでもよい。
【0113】
ステージSTは、対象基板SUBaが配置される空間を提供することができる。ステージSTの上部にはプリントヘッドPUが配置されうる。即ち、プリントヘッドPUは、ステージSTから第3方向(Z軸方向)に離隔して配置されうる。プリントヘッドPUは、対象基板SUBaに発光素子インクINKを供給する役割をすることができる。プリントヘッドPUは、インクカートリッジといったインク提供部(不図示)と連結され、上記インク提供部から供給された発光素子インクINKは、プリントヘッドPUの内部のノズルNZを介して、対象基板SUBa上に噴射または吐出がなされうる。
【0114】
発光素子インクINKは溶液状態で提供されうる。例えば、発光素子インクINKは、溶媒中に分散された発光素子LDを含み、インクジェットプリント方式で対象基板SUBaに提供されうる。実施例に応じて、プリントヘッドPUは、水平移動及び垂直移動の両方ができるように構成されうる。例えば、プリントヘッドPUは、第1方向(X軸方向)または第2方向(Y軸方向)に沿った水平移動と、第3方向(Z軸方向)に沿った垂直移動の全てができるように構成されてもよい。一方、図面には1つのプリントヘッドPUが例示されているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、対象基板SUBaに複数の種類の発光素子インクINKを提供する工程の場合、発光素子インクINKの種類と同じ数のプリントヘッドPUが備えられうる。
【0115】
ステージSTの少なくとも一方の側には、発光素子LDの整列のための電界印加部EUが配置されうる。例えば、電界印加部EUは、複数個備えられ、それぞれステージSTの一方の側と他方の側とに配置されてもよい。複数の電界印加部EUは、互いに独立して駆動されるか、または互いに連動して駆動されるのでありうる。例えば、複数の電界印加部EUは、同時に駆動されるか、順次または交互に駆動されるのであってもよい。
【0116】
電界印加部EUは、少なくとも1つのプローブピンPPを備えたプローブヘッドPHを含んでもよい。プローブヘッドPHは、駆動部(不図示)に結合されて水平方向または垂直方向に移動することができる。例えば、プローブヘッドPHは、第1方向(X軸方向)または第2方向(Y軸方向)に沿った水平移動と、第3方向(Z軸方向)に沿った垂直移動との全てができるように構成されうる。
【0117】
プローブピンPPは、電源供給部(不図示)に連結され、上記電源供給部から所定の電源または電圧の供給を受けることができる。プローブピンPPは、対象基板SUBaに形成されたパッド(不図示)に接触され、上記パッドを介して各画素PXLの第1及び第2電極ELT1、ELT2に整列信号を印加することができる。例えば、第1電極ELT1には交流信号を供給し、第2電極ELT2にはグランド電位の直流信号を供給してもよいが、必ずしもこれに限定されない。第1及び第2電極ELT1、ELT2に所定の整列信号が印加されると、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に電界が形成されて、各画素PXLに供給された発光素子LDが、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に整列されうる。
【0118】
ステージST上には振動発生部SUが配置されうる。振動発生部SUはステージSTと対象基板SUBaとの間に配置されうる。振動発生部SUは、複数個備えられ、それぞれが、ステージSTと対象基板SUBaとの間に配置されうる。複数の振動発生部SUの相互の間隔は、画素PXL同士の間隔のk(kは自然数)倍となるように配置されてもよいが、必ずしもこれに限定されない。
【0119】
振動発生部SUは、交流信号の印加を受けて表面弾性波を発生させることができる。振動発生部SUから発生した上記表面弾性波が対象基板SUBaに印加されると、対象基板SUBa上に提供された発光素子インクINK内の発光素子LDが対象基板SUBaの上部方向、即ち、第3方向(Z軸方向)に移動することができる。即ち、上記表面弾性波によって発光素子LDが対象基板SUBaから離隔されうる。これにより、発光素子LDは基板SUBから離隔された状態で容易に整列され、整列が完了した状態で基板SUB上に据え付けられうる。即ち、発光素子LDが整列されていない状態で、上記発光素子インク内にて沈降して基板SUB上に据え付けられるということを防止することができるため、発光素子LDの整列度を向上させることができる。これに対する詳細な説明は
図8~
図18を参照して後述する。
【0120】
続いて、上述した一実施例による表示装置の製造方法について説明する。
【0121】
図8~
図18は、一実施例による表示装置の製造方法を説明するための工程段階別の断面図である。
【0122】
図8~
図18では、
図5を参照して説明した画素PXLが備えられる画素領域PXA1、PXA2を中心として、表示装置の製造方法を説明し、
図5と実質的に同じ構成要素に対しては同じ符号で示し、詳細な符号は省略する。
【0123】
図8を参照すると、まず、ステージST上に、画素領域PXA1、PXA2を含む対象基板SUBaを配置する。画素領域PXA1、PXA2は、第1画素領域PXA1と第2画素領域PXA2を含んでもよい。第1及び第2画素領域PXA1、PXA2は、それぞれ、任意の位置に存在する画素PXLが備えられる領域を意味することができる。
【0124】
対象基板SUBaは、
図5を参照して説明した基板SUBと回路層PCLを含んでもよい。対象基板SUBaの第1及び第2画素領域PXA1、PXA2には、それぞれパターンBNP、第1及び第2電極ELT1、ELT2、及び第1絶縁層INS1が形成されてもよい。
【0125】
次に、
図9を参照すると、第1及び第2画素領域PXA1、PXA2にそれぞれ発光素子LDを提供する。発光素子LDは、発光素子インクINK内に分散された形態で、互いに離隔したパターンBNPの間に供給されることができる。例えば、発光素子LDは、発光素子インクINKの溶媒中に分散されて、プリントヘッド(
図7のPU)の内部のノズル(
図7のNZ)を介して、対象基板SUBa上へと提供されうる。
【0126】
図10を参照すると、第1画素領域PXA1に表面弾性波Sを印加して、第1画素領域PXA1の発光素子LDを対象基板SUBaから離隔させる。このため、ステージSTと対象基板SUBaとの間には、表面弾性波Sを発生させる振動発生部SUが配置されうる。振動発生部SUで発生した表面弾性波Sが第1画素領域PXA1に伝達されるようにするために、振動発生部SUは、第1画素領域PXA1と少なくとも部分的に重なり合うのでありうる。但し、振動発生部SUの位置は必ずしもこれに限定されず、表面弾性波Sを印加しようとする地点に応じて、振動発生部SUの位置は多様に変更されてもよい。
【0127】
振動発生部SUは交流信号の印加を受けて表面弾性波Sを発生させることができる。一実施例において、振動発生部SUは微細電極E1a、E2aと電極端子E1、E2を含んでもよい。微細電極E1a、E2aは、電極端子E1、E2から交流信号の印加を受けて表面弾性波Sを発生させることができる。
【0128】
微細電極E1a、E2aは、互いに分離されて交互に配置される第1微細電極E1aと第2微細電極E2aを含んでもよい。電極端子E1、E2は、第1微細電極E1aに電気的に連結された第1電極端子E1と、第2微細電極E2aに電気的に連結された第2電極端子E2と、を含んでもよい。第1微細電極E1aと第1電極端子E1は一体に形成されてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、第1微細電極E1aと第1電極端子E1とはそれぞれ別体(非一体)に形成され、少なくとも1つの導電パターンにより互いに連結されてもよい。また、第2微細電極E2aと第2電極端子E2とは一体に形成されてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、第2微細電極E2aと第2電極端子E2とはそれぞれ別体(非一体)に形成され、少なくとも1つの導電パターンにより互いに連結されてもよい。例えば、第1及び第2微細電極E1a、E2aは圧電基板(不図示)上に蒸着されてもよいが、必ずしもこれに限定されない。
【0129】
振動発生部SUの微細電極E1a、E2aから発生した表面弾性波Sが対象基板SUBaの第1画素領域PXA1に印加されると、第1画素領域PXA1の発光素子LDは、発光素子インクINK内にて、対象基板SUBaの上方、即ち、第3方向(Z軸方向)へと移動することができる。即ち、表面弾性波Sによって第1画素領域PXA1の発光素子LDが対象基板SUBaから離隔されうる。これにより、発光素子LDは、対象基板SUBaから離隔された状態で容易に整列され、整列が完了した状態で対象基板SUBa上に据え付けられることができる。即ち、発光素子LDが整列されていない状態で、発光素子インクINK内にて沈降して対象基板SUBa上に据え付けられることを防止することができるため、発光素子LDの整列度を向上させることができる。一実施例では、表面弾性波Sの波長が25μm以下で、パワーが10dB以上の場合、2μm以上の発光素子LDが移動することができる。また、表面弾性波Sの波長が28μm以下で、パワーが2.5dB以上の場合、3μm以上の発光素子LDが移動することができるが、必ずしもこれに限定されない。
【0130】
次いで、
図11を参照すると、第1画素領域PXA1の第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に発光素子LDを整列させる。発光素子LDを整列させる過程で、第1画素領域PXA1の第1及び第2電極ELT1、ELT2に整列信号が印加されうる。例えば、第1電極ELT1には交流信号を供給し、第2電極ELT2にはグランド電位の直流信号を供給してもよいが、必ずしもこれに限定されない。第1及び第2電極ELT1、ELT2に所定の整列信号が印加されると、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に電場Eが形成されて、第1画素領域PXA1に供給された発光素子LDが、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に整列されうる。例えば、発光素子LDは、電場Eによって第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に方向性を持って整列されうる。例えば、発光素子LDは、第1端部EP1が第1電極ELT1と対向し、第2端部EP2が第2電極ELT2と対向するように、偏向されて整列されうる。
【0131】
一実施例では、発光素子LDを対象基板SUBaから離隔させた状態で、第1画素領域PXA1の第1及び第2電極ELT1、ELT2に整列信号を印加して、発光素子LDを整列させることができる。即ち、振動発生部SUを稼動して第1画素領域PXA1に表面弾性波Sが印加された状態で、第1画素領域PXA1の第1及び第2電極ELT1、ELT2に整列信号を印加することができる。この場合、発光素子LDは、対象基板SUBaから離隔された状態であって容易に回転できるため、整列度が向上しうる。
【0132】
そして、
図12を参照すると、表面弾性波Sの発生を中断して第1画素領域PXA1の発光素子LDを対象基板SUBa上に据え付ける。第1画素領域PXA1の発光素子LDを据え付ける段階において、第1画素領域PXA1の第1及び第2電極ELT1、ELT2に整列信号が印加された状態で表面弾性波Sの発生が中断されることができる。これにより、第1画素領域PXA1の発光素子LDは整列が保持された状態で対象基板SUBa上に据え付けられることができる。即ち、発光素子LDが整列されていない状態で発光素子インクINK内にて沈降して対象基板SUBa上に据え付けられるということを防止することができるため、発光素子LDの整列度を向上させることができる。
【0133】
図13を参照すると、第1画素領域PXA1の発光素子LDを対象基板SUBa上に据え付けた後、振動発生部SUが第1画素領域PXA1から第2画素領域PXA2に移動する。例えば、振動発生部SUの数が画素領域PXA1、PXA2の数より少ないのであり得、この場合、振動発生部SUは、第1画素領域PXA1の発光素子LDの整列が完了した後、第2画素領域PXA2に移動して第2画素領域PXA2の発光素子LDの整列工程を行うことができる。
【0134】
図14を参照すると、第2画素領域PXA2に表面弾性波Sを印加して、第2画素領域PXA2の発光素子LDを対象基板SUBaから離隔させる。振動発生部SUは、交流信号の印加を受けて表面弾性波Sを発生させることができる。振動発生部SUから発生した表面弾性波Sが対象基板SUBaの第2画素領域PXA2に印加されると、第2画素領域PXA2の発光素子LDは、発光素子インクINK内にて対象基板SUBaの上方、即ち、第3方向(Z軸方向)に移動することができる。即ち、表面弾性波Sによって第2画素領域PXA2の発光素子LDが対象基板SUBaから離隔されることができる。これにより、発光素子LDは対象基板SUBaから離隔された状態で容易に整列され、整列が完了した状態で対象基板SUBa上に据え付けられうる。即ち、発光素子LDが、整列されていない状態で発光素子インクINK内にて沈降して対象基板SUBa上に据え付けられることを防止することができるため、発光素子LDの整列度を向上させることができる。
【0135】
図15を参照すると、第2画素領域PXA2における第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に発光素子LDを整列させる。発光素子LDを整列させる過程で、第2画素領域PXA2の第1及び第2電極ELT1、ELT2に整列信号が印加されうる。例えば、第1電極ELT1には交流信号を供給し、第2電極ELT2にはグランド電位の直流信号を供給してもよいが、必ずしもこれに限定されない。第1及び第2電極ELT1、ELT2に所定の整列信号が印加されると、第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に電場Eが形成されて、第2画素領域PXA2に供給された発光素子LDが第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に整列されうる。例えば、発光素子LDは電場Eによって第1及び第2電極ELT1、ELT2の相互間に、方向性を持って整列されることができる。例えば、発光素子LDは、第1端部EP1が第1電極ELT1と対向し、第2端部EP2が第2電極ELT2と対向するように偏向されて整列されることができる。
【0136】
一実施例では、発光素子LDを対象基板SUBaから離隔させた状態で、第2画素領域PXA2の第1及び第2電極ELT1、ELT2に整列信号を印加して発光素子LDを整列させることができる。即ち、振動発生部SUを稼動して第2画素領域PXA2に表面弾性波Sが印加された状態で、第2画素領域PXA2の第1及び第2電極ELT1、ELT2に整列信号を印加することができる。この場合、発光素子LDは、対象基板SUBaから離隔された状態で容易に回転できるため、整列度が向上することができる。
【0137】
図16を参照すると、表面弾性波Sの発生を中断して第2画素領域PXA2の発光素子LDを対象基板SUBa上に据え付ける。第2画素領域PXA2の発光素子LDを据え付ける段階において、第2画素領域PXA2の第1及び第2電極ELT1、ELT2に整列信号が印加された状態で表面弾性波Sの発生が中断されることができる。これにより、第2画素領域PXA2の発光素子LDは整列が保持された状態で対象基板SUBa上に据え付けられることができる。即ち、発光素子LDが、整列されていない状態で発光素子インクINK内にて沈降して対象基板SUBa上に据え付けられることを防止することができるため、発光素子LDの整列度を向上させることができる。
【0138】
図17を参照すると、発光素子LDを対象基板SUBa上に据え付けた状態で発光素子インクINKの溶媒を乾燥して除去する。一方、
図17では、第1画素領域PXA1と第2画素領域PXA2の溶媒乾燥工程が同時に行われることを例示したが、必ずしもこれに限定されない。例えば、第1画素領域PXA1と第2画素領域PXA2の溶媒乾燥工程は、それぞれ第1画素領域PXA1と第2画素領域PXA2の発光素子LDの整列が完了した直後に順次行われてもよい。
【0139】
次いで、
図18を参照すると、整列された発光素子LDの上に、第2絶縁層INS2と第1及び第2連結電極CNE1、CNE2を形成する。
【0140】
第2絶縁層INS2は、発光素子LDの上方に、それぞれ形成されるが、発光素子LDの第1及び第2端部EP1、EP2を露出するように形成されうる。
【0141】
第1連結電極CNE1は、第2絶縁層INS2によって露出された発光素子LDの第1端部EP1上に形成されうる。第2連結電極CNE2は、第2絶縁層INS2によって露出された発光素子LDの第2端部EP2上に形成されうる。
【0142】
一実施例において、第1及び第2連結電極CNE1、CNE2は、互いに同じ工程で同時に形成されてもよいが、必ずしもこれに限定されない。実施例に応じて、発光素子LDの第1端部EP1上に第1連結電極CNE1を先に形成し、第1連結電極CNE1上に第3絶縁層(
図6のINS3)を形成した後、発光素子LDの第2端部EP2上に第2連結電極CNE2を形成することもできる。
【0143】
上述した表示装置の製造方法によると、発光素子LDを整列させる過程で、各画素領域PXA1、PXA2に表面弾性波を印加して発光素子LDを対象基板SUBaから離隔させることができる。これにより、発光素子LDは、対象基板SUBaから離隔された状態で容易に整列され、整列が完了した状態で対象基板SUBa上に据え付けられうる。即ち、発光素子LDが整列されていない状態で発光素子インクINK内にて沈降して対象基板SUBa上に据え付けられるということを防止することができるため、発光素子LDの整列度を向上させることができるのは上述した通りである。
【0144】
本実施例に関する技術分野における通常の知識を有する者は、上記内容の本質的な特性から外れない範囲内で変形された形態で具現できることが理解できるだろう。よって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮すべきである。本発明の範囲は上述した説明ではなく、請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にある全ての相違点は本発明に含まれると解釈すべきである。
【0145】
具体的な好ましい一実施形態によると、下記のとおりである。
【0146】
本件の背景及び課題は下記(i)~(v)のとおりである。
【0147】
(i) 微細なロッド状の発光素子(LD)を、マトリクス表示の情報ディスプレイに用いることが検討されている(特許文献1~2)。
この発光素子(LD)は、一例において、長さが100nm~10μmまたは500nm~10μmで、アスペクト比(L/D)が1.2~100または2~50である。この発光素子(LD)は、一種のLED素子であり、発光を行う活性層が、軸方向の両側から導電性半導体により挟まれており、端部に必要に応じて電極層が形成されている。発光を行う活性層は、INGaN(特許文献1の実施例)などで形成することもできるが、好ましくは、量子井戸構造のものを用いることができる(本願特許文献2の[0040])。
【0148】
(ii) ロッド状の発光素子(LD)は、画素ごとの2つの電極(ELT1及びELT2)の間の隙間に、これら電極間に掛け渡されるように配置される必要がある。
これら2つの電極(ELT1及びELT2)が互いに重ね合わされる方式では接続工程などに困難があるので、IPSなどの横電界方式の液晶表示装置と同様に、画素ドットごとの2つの電極(ELT1及びELT2)について、線状に形成して、基板に水平の方向にて、互いに対向するように構成することができる。ここで、特には、画素ドットごとの2つの電極(ELT1及びELT2)について、IPSなどと同様に、櫛(くし)歯状ないしフォーク状に形成することができる。
【0149】
(iii) 微細なロッド状の発光素子(LD)を用いたディスプレイ装置を製造するためには、有機発光表示装置を製造するのと同様に、スイッチング素子及び配線を形成したアレイ基板上に、まず、画素ドットごとに区画するバンプパターン(BNP)を形成するとともに、画素ドットごとの2つの電極(ELT1及びELT2)を形成しておく。
そして、発光素子(LD)をアセトンなどの溶媒に分散させて、画素ドットごとの窪(くぼ)んだ領域に、所定の色表示のための分散液を、インクジェット方式などで吐出して載せる。
【0150】
(iv) 各画素ドットにて、微細なロッド状の発光素子(LD)が、2つの電極(ELT1及びELT2)間に掛け渡されるとともに、電極間のギャップが延びる方向に沿って、均等に分散されるようにする必要がある。
【0151】
(v) このような整列を実現するためには、分散液の溶媒が蒸発する前に、画素ドットごとの2つの電極(ELT1及びELT2)間に電圧を掛けるという方式が考えられていた(特許文献1~2)。ところが、この方式で実際に生産を試みた場合、整列が不十分な場合が往々にして生じていた。
【0152】
上記の問題に鑑み、本件発明者らは、検討を続けた結果、分散液が蒸発して乾燥が行われる前にも、微細なロッド状の発光素子(LD)が、沈降して、基板に貼り付いてしまうなどのことから、整列が不十分になりうることを見出した。そして、その解決手段として、画素ドットの箇所に局所的に、比較的強い振動を加えるとの着想を得て、さらに検討を続けた結果、本件発明を完成するに至った。
【0153】
好ましい具体的な一実施形態によると、下記A1~A6のとおりとすることができる。
【0154】
A1 発光素子(LD)を分散させた分散液をインクジェット式に塗布するのに用いる、基板を載せ置くステージに、電界印加部(EU)とともに、画素領域(PXA1, PXA2)ごとに局所的に表面弾性波を印加するための振動発生部(SU)を設置する(
図7)。
【0155】
A2
図9のように、「プリントヘッド(
図7のPU)」から画素ドットの箇所に分散液を塗布し、次いで、
図10のように、局所的に表面弾性波を印加する。
この際、例えば、
図10中に模式的に示すように、画素ドットごとの2つの電極(ELT1及びELT2)間のギャップの近傍に振動のピークが来るように、表面弾性波を印加することができる。
【0156】
A3 次いで、表面弾性波の印加を続けつつ、
図11のように、画素ドットごとの2つの電極(ELT1及びELT2)に交流電圧を印加する。この際、例えば、一方の電極に交流電圧を印加し、他方の電極はグランド電位とすることができる。
【0157】
A4 この後、
図12のように、交流電圧の印加を続けつつ、表面弾性波の印加を止める。すると、微細なロッド状の発光素子(LD)が、所定の箇所にて沈降する。すなわち、各発光素子(LD)が、2つの電極(ELT1及びELT2)間に掛け渡されるように配置される。また、発光素子(LD)同士が、互いに、適当な間隔をなすように、ある程度均等に分散されて配置される。
【0158】
A5
図13に示すように、一の画素領域(PXA1)における上記A3~A4の処理が終わった後、振動発生部(SU)を、隣の一の画素領域(PXA1)に移動させて、同様に上記A3~A4の処理を行う。このように移動させて順次処理する操作を適宜に繰り返す。
【0159】
A6 画素ドットごとの2つの電極(ELT1及びELT2)について、櫛状とし、各画素ドットに、一連の発光素子(LD)を配置することもできる。しかし、例えば、2つの電極(ELT1及びELT2)の間のギャップが一つの直線状で、画素ドットごとに、一つまたは複数の比較的大きな発光素子(LD)(例えば、長さが1~10μm)とすることもできる。
【0160】
なお、振動発生部(SU)について、具体的には、下記B1~B3のとおりとすることができる。
【0161】
B1 振動発生部(SU)は、
図7のように、インクジェット式に分散液の塗布を行うための装置にて、X-Yステージと、表示パネルの基板(SUBa)との間に、X方向に、またはX方向及びY方向に移動可能に備えられる。このように移動可能とするために、振動発生部(SU)は、例えば、サーボモーターなどの移動機構とともに、扁平な筐体の中に収納され、この筐体が、X-Yステージ(ST)と、表示パネルの基板(SUBa)との間に挟み込まれる。
【0162】
B2 各振動発生部(SU)は、効率的に表面弾性波を発生させることができるように、左右のバルク状導電体の間には、上方へ向かってすぼまるテーパー状の隙間空間が形成されている。そして、この隙間空間に向かって、左右のバルク状導電体から、湾曲した櫛状の微細電極(E1a, E2a)が突き出している。この左右の櫛状の微細電極(E1a, E2a)が、微細な一定の間隔を維持しつつ、互いに噛み合うように組み合わさっている。
【0163】
B3 表面弾性波の印加は、例えば、波長が25μm以下でパワーが10dB以上とするか、または、波長が28μm以下でパワーが2.5dB以上とすることができる。但し、適宜に、20~35μmまたは20~30μmの波長の表面弾性波を、2~20dBのパワーで印加することができる。
【符号の説明】
【0164】
ST ステージ
ELT1 第1電極
ELT2 第2電極
PXA1 第1画素領域
PXA2 第2画素領域
SUBa 対象基板
LD 発光素子
SU 振動発生部
S 表面弾性波