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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174747
(43)【公開日】2022-11-24
(54)【発明の名称】支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20221116BHJP
【FI】
G06Q10/06 328
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022095134
(22)【出願日】2022-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新谷 圭右
(72)【発明者】
【氏名】野口 貴之
(72)【発明者】
【氏名】浦田 昌裕
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA01
(57)【要約】
【課題】ESGに関する報告者の負担を軽減する。
【解決手段】支援システム100は、各種の情報処理を実行可能な第1装置110と、コンピュータ(サイト管理装置112b)、端末装置112aおよびセンサ装置112cのうち少なくともいずれかを含み、第1装置110と通信可能な第2装置112と、を備え、第1装置110は、第2装置112から所定の種類の元データを取得し、取得した元データに基づいて、ESG報告に用いられる、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含むユーティリティデータを生成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の情報処理を実行可能な第1装置と、
コンピュータ、端末装置およびセンサ装置のうち少なくともいずれかを含み、前記第1装置と通信可能な第2装置と、
を備え、
前記第1装置は、
前記第2装置から所定の種類の元データを取得し、
取得した前記元データに基づいて、ESG報告に用いられる、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含むユーティリティデータを生成する、支援システム。
【請求項2】
前記第2装置は、エネルギーおよび水のうち少なくともいずれかを供給する企業のポータルサイトを管理するコンピュータであり、
前記第1装置は、
前記第2装置から、前記ポータルサイトのページのうち、エネルギーおよび水のうち少なくともいずれかの供給を受ける建築物に関連するページを示すページデータを前記元データとして取得し、
前記元データとして取得した前記ページデータに基づいて、前記建築物に関する前記ユーティリティデータを生成する、請求項1に記載の支援システム。
【請求項3】
前記第2装置は、エネルギーの消費量を計測する計測器、水の消費量を計測する計測器、温室効果ガスの排出量を計測する計測器および廃棄物の排出量を計測する計測器のうち少なくともいずれかを含む計測機器に対応付けられ、前記計測機器から計測データを取得し、前記計測データを前記第1装置に送信可能なセンサ装置であり、
前記第1装置は、
前記第2装置から、前記計測データを前記元データとして取得し、
前記元データとして取得した前記計測データに基づいて、前記第2装置に対応する前記計測機器が設置されている建築物に関する前記ユーティリティデータを生成する、請求項1に記載の支援システム。
【請求項4】
前記第2装置は、電子化された請求書を示す請求書データを、前記第1装置に送信可能な端末装置であり、
前記第1装置は、
前記第2装置から、前記請求書データを前記元データとして取得し、
前記元データとして取得した前記請求書データに基づいて、前記請求書による請求の対象となる建築物に関する前記ユーティリティデータを生成する、請求項1に記載の支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ESGなどの報告書の作成に関する支援を行う支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ESG経営を支援するためのシステムが開示されている。かかるシステムでは、ESGデータおよび財務データを分析して可視化することで、ESG経営を支援している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6866054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、企業は、当該企業のESGに関する取り組みを様々なステークホルダーに伝えることなどを目的として、ESG報告書を作成することがある。また、不動産部門のESGとしては、GRESBというものがある。例えば、建築物の所有者(オーナー)は、所有する建築物の格付けを取得するために、GRESB報告書を作成することがある。これらの報告書を作成するには、各種のデータを収集して纏める必要があり、報告者の負担になっていた。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑み、ESGに関する報告者の負担を軽減することが可能な支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の支援システムは、各種の情報処理を実行可能な第1装置と、コンピュータ、端末装置およびセンサ装置のうち少なくともいずれかを含み、第1装置と通信可能な第2装置と、を備え、第1装置は、第2装置から所定の種類の元データを取得し、取得した元データに基づいて、ESG報告に用いられる、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含むユーティリティデータを生成する。
【0007】
また、第2装置は、エネルギーおよび水のうち少なくともいずれかを供給する企業のポータルサイトを管理するコンピュータであり、第1装置は、第2装置から、ポータルサイトのページのうち、エネルギーおよび水のうち少なくともいずれかの供給を受ける建築物に関連するページを示すページデータを元データとして取得し、元データとして取得したページデータに基づいて、建築物に関するユーティリティデータを生成するようにしてもよい。
【0008】
また、第2装置は、エネルギーの消費量を計測する計測器、水の消費量を計測する計測器、温室効果ガスの排出量を計測する計測器および廃棄物の排出量を計測する計測器のうち少なくともいずれかを含む計測機器に対応付けられ、計測機器から計測データを取得し、計測データを第1装置に送信可能なセンサ装置であり、第1装置は、第2装置から、計測データを元データとして取得し、元データとして取得した計測データに基づいて、第2装置に対応する計測機器が設置されている建築物に関するユーティリティデータを生成するようにしてもよい。
【0009】
また、第2装置は、電子化された請求書を示す請求書データを、第1装置に送信可能な端末装置であり、第1装置は、第2装置から、請求書データを元データとして取得し、元データとして取得した請求書データに基づいて、請求書による請求の対象となる建築物に関するユーティリティデータを生成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ESGに関する報告者の負担を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、従来のGRESB報告書の作成手順を説明する図である。
図2図2は、本実施形態にかかる支援システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、入力テーブルの一例を示す図である。
図4図4は、第1装置の演算装置の動作の流れを説明するフローチャートである。
図5図5は、データ収集部によるユーティリティデータの収集方法を説明する図である。
図6図6は、請求書によるユーティリティデータの収集の流れを説明するシーケンス図である。
図7図7は、ポータルサイトによるユーティリティデータの収集の流れを説明するシーケンス図である。
図8図8は、センサ装置によるユーティリティデータの収集の流れを説明するシーケンス図である。
図9図9は、入力テーブルの参照および編集の流れを説明するシーケンス図である。
図10図10は、第1報告書作成部による報告書の作成の流れを説明するシーケンス図である。
図11図11は、第1報告書作成部により作成されたGRESB報告書の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
(ESGおよびGRESBについて)
ESGは、持続可能な世界の実現のために、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の3つの観点に配慮した取り組みを行うことを意味している。企業は、ESGに関する取り組みをどのように行っているかなどを、様々なステークホルダーに伝えることなどを目的として、ESG報告書を作成することがある。
【0014】
ここで、不動産部門におけるESGとしては、GRESB(グレスビーまたはグレスブ)というものがある。GRESBは、建築物の格付けを行う公益団体による、建築物の格付けシステムである。GRESBでは、建築物、および、建築物を所有または運営する企業の少なくともいずれかの格付けの審査が行われる。
【0015】
建築物は、例えば、ビル、マンション、オフィス、商業施設、宿泊施設、工場、倉庫、病院、各種施設などである。なお、建築物は、例示したものに限らず、土地に定着している種々の不動産であってもよい。
【0016】
建築物の運営に関与する者は、自身が関与する建築物についてESGに配慮していることを示すために、GRESBによる格付けを取得することを望むことがある。以後、説明の便宜のため、建築物の運営に関与する者を、運営者という場合がある。ここでの運営者は、建築物の所有者(オーナー)、建築物のデベロッパー、建築物のアセットマネージャ、建築物の運営管理者などである。
【0017】
建築物の運営者は、自身が関与する建築物に係る格付けを取得したい場合、GRESB報告書を作成してGRESB本部に提出する。GRESB報告書は、例えば、1年に1回提出される。GRESB報告書には、「エネルギー」、「水」、「温室効果ガス」および「廃棄物」の項目があり、運営者が関与する建築物に関して、これら各項目のデータが記載される。
【0018】
GRESB本部は、提出されたGRESB報告書を参照して、GRESB報告書で示された建築物を審査し、当該建築物の格付けを行う。これにより、運営者が関与する建築物に、GRESBによる格付けが与えられる。建築物の運営者は、GRESBによる格付けを取得することで、自身が関与する建築物がESGに配慮されていることを、様々なステークホルダーに示すことができる。以下では、ESGに関する報告書の一例として、GRESB報告書を例に挙げて説明する。なお、説明の便宜のため、GRESB報告書を、単に、報告書という場合がある。
【0019】
(従来のGRESB報告書の作成手順)
図1は、従来のGRESB報告書の作成手順を説明する図である。従来、GRESB報告書を作成する際、運営者10は、自身が関与する建築物12に関するユーティリティデータを収集する(S1)。
【0020】
ユーティリティデータは、ESG報告、具体的には、GRESB報告書の作成および提出に用いられる。ユーティリティデータは、建築物12のエネルギーの消費量、建築物12の水の消費量、建築物12の温室効果ガスの排出量および建築物12の廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含む。エネルギー消費量は、電力の消費量およびガスの使用量のうち少なくともいずれかを含む。
【0021】
建築物12は、実際には、施設管理者やテナント管理者などによって個々に管理されていることがある。このような場合、建築物12を実際に管理している管理者が、管理下の建築物12に関するユーティリティデータを把握している。運営者10は、自身が運営に関与している建築物12に関するユーティリティデータを、当該建築物12を実際に管理している管理者から収集する。
【0022】
運営者10は、多数(例えば、80件など)の建築物12の運営に関与していることがある。そうすると、運営者10は、運営に関与している建築物12ごとに、当該建築物12に関するユーティリティデータを収集することになる。
【0023】
ユーティリティデータの収集後、運営者10は、収集したユーティリティデータを、GRESB報告書のフォーマットに則した形式でまとめて、GRESB報告書を作成する(S2)。GRESB報告書のフォーマットは、複数のセルが行列状に配置された表計算ソフトウェアのシートのようなフォーマットであり、所定のセルに所定の種類のユーティリティデータが入力されるようになっている。
【0024】
GRESB報告書の作成後、運営者10は、GRESB報告書の記載に誤りがあるかを自己チェックする(S3)。また、運営者10は、監査法人などの第3者機関によるチェックを受けることもある(S4)。このようなチェック後、運営者10は、GRESB報告書をGRESB本部に提出する(S5)。
【0025】
(実施形態)
ここで、運営者10が多数の建築物12の運営に関与していると、多数の建築物12からユーティリティデータを収集することになるため、ユーティリティデータを収集することは、運営者10にとって負担が大きい。また、ユーティリティデータの収集に限らず、ユーティリティデータの収集からGRESB報告書の作成までを行うことは、運営者10にとって負担が大きい。
【0026】
そこで、本実施形態では、GRESB報告書などのESGに関する報告書を、運営者10が作成する際に、ユーティリティデータの収集および報告書の作成を支援する。
【0027】
図2は、本実施形態にかかる支援システム100の構成を示すブロック図である。支援システム100は、第1装置110、第2装置112および通信ネットワーク114を含む。
【0028】
第1装置110は、支援システム100を管理するシステム管理者に属する。第1装置110は、各種の情報処理を実行可能なコンピュータである。第1装置110は、例えば、システム管理者が管理するクラウドサーバである。以降、第1装置110を、クラウドサーバあるいはサーバという場合がある。
【0029】
第2装置112は、コンピュータ、端末装置およびセンサ装置のうち少なくともいずれかを含み、第1装置110と通信可能な装置である。図2の例では、第2装置112は、端末装置112aである。端末装置112aは、支援システム100のユーザ、すなわち、建築物12の運営者10に属する。
【0030】
第1装置110は、通信部120、ユーザインターフェース122、記憶部124および演算装置126を備える。通信部120は、通信ネットワーク114を通じて有線または無線により各種の装置と通信することができる。
【0031】
ユーザインターフェース122は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなど、各種の情報を表示する表示装置を含む。なお、ユーザインターフェース122は、表示装置の他、例えば、スピーカなど、ユーザに各種の情報を提示する出力装置を含んでもよい。また、ユーザインターフェース122は、例えば、タッチパネル、キーボードまたはマウスなど、ユーザの操作を受け付ける入力装置を含む。
【0032】
記憶部124は、不揮発性の記憶素子で構成される。なお、不揮発性の記憶素子は、フラッシュメモリなどの電気的に読み書き可能な不揮発性の記憶素子などを含んでもよい。記憶部124には、データベース130および入力テーブル132が記憶されている。
【0033】
データベース130は、支援システム100のユーザである運営者10が関与する建築物12に関する各種のデータの集合である。データベース130には、過去に取得されたユーティリティデータが含まれる。すなわち、記憶部124は、ユーティリティデータを蓄積する。
【0034】
データベース130には、運営者10が関与する建築物12の基本情報が含まれてもよい。建築物12の基本情報には、例えば、建築物12の名称などの建築物12に固有の情報、建築物12の住所、建築物12の建築面積、運営者10が建築物12を取得した取得日などが含まれてもよい。
【0035】
図3は、入力テーブル132の一例を示す図である。入力テーブル132は、建築物12のユーティリティデータおよび建築物12の基本情報を管理するためのテーブルである。例えば、入力テーブル132は、複数のセルが行列状に配置された表計算ソフトのシートのようなフォーマットとなっている。
【0036】
入力テーブル132は、ユーティリティデータの種類およびユーティリティデータの収集タイミングにより入力位置が区分されている。より詳細には、入力テーブル132では、「電力の消費量」、「ガスの使用量」、「水の使用量」、「温室効果ガスの排出量」および「廃棄物の排出量」の各々のユーティリティデータの入力位置が決まっている。また、入力テーブル132では、同一種類のユーティリティデータでも、ユーティリティデータの収集タイミングごとに入力位置が決まっている。収集タイミングは、ユーティリティデータを過去に取得したタイミングだけではく、ユーティリティデータを将来取得する予定のタイミングを含んでもよい。
【0037】
図3の例では、1つの行が、1つの建築物12に対応し、各列が、ユーティリティデータの種類およびユーティリティデータの収集年月に対応している。
【0038】
また、入力テーブル132は、建築物12の基本情報の種類によっても入力位置が区分されていてもよい。図3の例では、ユーティリティデータの列とは別の列において、建築物12の名称、住所、建築面積および取得日の入力位置が決まっている。
【0039】
後述するが、収集されたユーティリティデータは、入力テーブル132における収集されたユーティリティデータにより特定される入力位置に関連付けて記憶部124に記憶される。
【0040】
なお、入力テーブル132には、収集タイミングがまだ到来していない入力位置が含まれてもよい。収集タイミングがまだ到来していない入力位置には、例えば、空白のように、ユーティリティデータがまだ何も関連付けられていないことになる。
【0041】
図2に戻って、演算装置126は、1つまたは複数のプロセッサ140と、プロセッサ140に接続される1つまたは複数のメモリ142とを備える。メモリ142は、プログラム等が格納されたROMおよびワークエリアとしてのRAMを含む。プロセッサ140は、メモリ142に含まれるプログラムと協働して、第1装置110の各部の制御および各種の情報処理を行う。
【0042】
プロセッサ140は、プログラムを実行することで、データ収集部150、データ入力部152、チェック部154、第1報告書作成部156、第2報告書作成部158および対策生成部160としても機能する。
【0043】
データ収集部150は、所定の第1トリガーが発生した場合に、ユーティリティデータを収集する。所定の第1トリガーは、例えば、毎月の予め決められた日時が到来した場合など、任意に設定することができる。ユーティリティデータの収集方法については、後に詳述する。
【0044】
データ入力部152は、ユーティリティデータが収集される都度、収集されたユーティリティデータを、入力テーブル132における収集されたユーティリティデータにより特定される入力位置に関連付けて記憶部124に記憶させる。例えば、データ収集部150によって20XX年1月の電力の消費量が収集された場合、データ入力部152は、入力テーブル132における「電力の消費量」の項目の20XX年1月の入力位置に、収集されたデータを入力する。データ入力部152は、データが入力された入力位置を示す入力テーブル132内の位置データ(例えば、行列の座標)と、入力されたデータとを関連付けて記憶部124に記憶させる。
【0045】
また、入力テーブル132には、電力の消費量とガスの使用量とを合計したエネルギーの総消費量の項目が設けられてもよい。データ入力部152は、収集された電力の消費量と、収集されたガスの使用量とを合計して、エネルギーの総消費量を導出し、入力テーブル132のエネルギーの総消費量の入力位置に関連付けて記憶部124に記憶させてもよい。また、データ入力部152は、エネルギーの総消費量に温室効果ガスの排出係数を乗算して、温室効果ガスの排出量を導出し、入力テーブル132における温室効果ガスの排出量の入力位置に関連付けて記憶部124に記憶させてもよい。
【0046】
チェック部154は、入力テーブル132における特定された入力位置に関連付けられているデータの妥当性をチェックする。データの妥当性のチェックとは、当該データが、異常値であるか否かを判定することを示すが、誤りであるか否かなどを判定することを含んでもよい。例えば、チェック部154は、特定された電力の消費量の入力位置に関連付けられたデータが、○○MWと入力すべきところ、○○GWと入力されていたら、その入力位置をハイライトするなどによって注意喚起を行うようにしてもよい。
【0047】
第1報告書作成部156は、所定の第2トリガーが発生した場合、記憶部124に蓄積されたユーティリティデータに基づいてGRESB報告書(第1報告書)を作成する。所定の第2トリガーは、例えば、毎年の予め決められた日時が到来した場合など、任意に設定することができる。また、所定の第2トリガーは、予め設定された日時に限らず、例えば、端末装置112aなどから、報告書の出力を要求する出力要求があった場合としてもよい。
【0048】
第1報告書作成部156は、入力テーブル132の入力位置ごとのユーティリティデータに基づいて、ユーティリティデータの種類ごとに、所定期間分のユーティリティデータを導出する。第1報告書作成部156は、導出されたユーティリティデータが記載されたGRESB報告書を作成する。
【0049】
例えば、20XX年1月までのユーティリティデータが記憶部124に蓄積された状態で、所定の第2トリガーが発生したとする。この場合、第1報告書作成部156は、入力テーブル132を参照し、20XX年1月を含む直近1年間分の各月のユーティリティデータを記憶部124から読み出す。例えば、第1報告書作成部156は、報告書の作成に必要なユーティリティデータの種類および期間に基づいて、入力データの入力位置を特定する。入力テーブル132では、入力位置とユーティリティデータが関連付けられているため、第1報告書作成部156は、入力位置を特定することで、報告書の作成に必要なユーティリティデータを容易に特定して読み出すことができる。
【0050】
特定のユーティリティデータを読み出した後、第1報告書作成部156は、「電力の消費量」について、20XX年1月を含む直近1年間分の合計値(換言すると、現時点から遡って1年分の電力の消費量)を導出する。第1報告書作成部156は、直近1年間分の「電力の消費量」の合計値を、GRESB報告書の「電力の消費量」の欄に記載する。
【0051】
第1報告書作成部156は、「電力の消費量」と同様に、他の種類のユーティリティデータについても、20XX年1月を含む直近1年間分の合計値を導出し、GRESB報告書の当該他の種類のユーティリティデータに対応する欄に記載する。第1報告書作成部156は、報告に必要なすべての種類のユーティリティデータについて、所定期間分のユーティリティデータを、当該ユーティリティデータの種類に対応する特定の位置に格納する。このような処理が、建築物12ごとに行われることで、最終的に、所定期間分のユーティリティデータが建築物12ごとに記載されたGRESB報告書が作成される。
【0052】
第2報告書作成部158は、記憶部124に蓄積されたユーティリティデータに基づいて、第1報告書作成部156により作成されるGRESB報告書(第1報告書)とは異なる種類の他の報告書(第2報告書)を作成する。他の報告書は、例えば、エネルギーの仕様の合理化に関する法律(省エネ法)に係る報告書であってもよいし、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に係る報告書であってもよい。他の報告書も作成されることで、支援システム100のユーザは、報告書を作成する負担を、より軽減することができる。
【0053】
対策生成部160は、第1報告書作成部156で作成されたGRESB報告書を分析し、今後の審査の評価を高めるための対策を示す情報を生成する。対策を示す情報が提示されることで、支援システム100のユーザである運営者10は、建築物12の運営を、より具体的に見直すことができる。
【0054】
なお、チェック部154、第2報告書作成部158および対策生成部160は、省略されてもよい。また、チェック部154は、GRESB報告書の作成前の入力テーブル132に対して行ってもよいし、作成されたGRESB報告書に対して行うようにしてもよい。
【0055】
第2装置112は、通信部170、ユーザインターフェース172、記憶部174および演算装置176を備える。通信部170は、通信ネットワーク114を通じて有線または無線により各種の装置と通信することができる。例えば、通信部170は、第1装置110と通信することができる。
【0056】
ユーザインターフェース172は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなど、各種の情報を表示する表示装置を含む。なお、ユーザインターフェース172は、表示装置の他、例えば、スピーカなど、ユーザに各種の情報を提示する出力装置を含んでもよい。また、ユーザインターフェース172は、例えば、タッチパネル、キーボードまたはマウスなど、ユーザの操作を受け付ける入力装置を含む。
【0057】
記憶部174は、不揮発性の記憶素子で構成される。なお、不揮発性の記憶素子は、フラッシュメモリなどの電気的に読み書き可能な不揮発性の記憶素子などを含んでもよい。
【0058】
演算装置176は、1つまたは複数のプロセッサ180と、プロセッサ180に接続される1つまたは複数のメモリ182とを備える。メモリ182は、プログラム等が格納されたROMおよびワークエリアとしてのRAMを含む。プロセッサ180は、メモリ182に含まれるプログラムと協働して、端末装置112aの各部の制御および各種の情報処理を行う。プロセッサは、プログラムを実行することで、端末制御部190としても機能する。
【0059】
端末制御部190は、例えば、報告書の出力を要求する操作がユーザインターフェース172を通じて入力されると、報告書の出力を要求する情報を、通信部170を通じて第1装置110に送信することができる。これに応じて報告書の表示データが端末装置112aに送信されると、端末制御部190は、ユーザインターフェース172の表示装置に報告書を表示させることができる。
【0060】
端末制御部190は、入力テーブル132を端末装置112aで表示することを要求する操作がユーザインターフェース172を通じて入力されると、入力テーブル132の表示を要求する情報を、通信部170を通じて第1装置110に送信することができる。これに応じて入力テーブル132の表示データが端末装置112aに送信されると、端末制御部190は、ユーザインターフェース172の表示装置に入力テーブル132を表示させることができる。
【0061】
また、端末制御部190は、表示されている入力テーブル132対する編集操作がユーザインターフェース172を通じて入力されると、その入力テーブル132の表示を変更することができる。また、端末制御部190は、入力テーブル132の保存操作がユーザインターフェース172を通じて入力されると、入力テーブル132の更新を要求する情報を第1装置110に送信して、入力テーブル132を上書き更新させることができる。
【0062】
図4は、第1装置110の演算装置126の動作の流れを説明するフローチャートである。演算装置126は、所定の周期で訪れる所定の割込みタイミングごとに、図4の一連の処理を繰り返す。
【0063】
演算装置126のデータ収集部150は、第1トリガーが発生したか否かを判定する(S10)。第1トリガーが発生しなかった場合(S10におけるNO)、データ収集部150は、ステップS14の処理に進む。
【0064】
第1トリガーが発生した場合(S10におけるYES)、データ収集部150は、ユーティリティデータを収集するデータ収集処理(S11)を行う。データ収集処理(S11)については、後に詳述する。
【0065】
データ収集処理(S11)の後、データ入力部152は、データ収集部150により収集されたユーティリティデータを入力テーブル132の入力位置に関連付けて記憶部124に記憶させるデータ入力処理(S12)を行う。
【0066】
データ入力処理(S12)の後、チェック部154は、入力テーブル132の特定の入力位置のデータが妥当であるかを判定するチェック処理(S13)を行い、ステップS14の処理に進む。特定の入力位置は、例えば、データ入力処理(S12)が行われた入力位置とするが、入力テーブル132の任意の入力位置としてもよい。
【0067】
ステップS14において、第1報告書作成部156は、第2トリガーが発生したか否かを判定する(S14)。第2トリガーが発生しなかった場合(S14におけるNO)、第1報告書作成部156は、一連の処理を終了する。
【0068】
第2トリガーが発生した場合(S14におけるYES)、第1報告書作成部156は、記憶部124に蓄積されたユーティリティデータに基づいてGRESB報告書を作成する報告書作成処理(S15)を行い、一連の処理を終了する。報告書作成処理(S15)において、第1報告書作成部156は、作成したGRESB報告書を記憶部124に記憶させる。
【0069】
第1報告書作成部156は、作成したGRESB報告書を端末装置112aに送信して、端末装置112aでGRESB報告書が表示されてもよい。また、第1報告書作成部156は、作成したGRESB報告書を、第3者機関に電子メール等により送信して第3者チェックを依頼してもよいし、GRESB本部に電子メール等により送信してGRESB報告書を提出してもよい。
【0070】
図5は、データ収集部150によるユーティリティデータの収集方法を説明する図である。データ収集部150は、第2装置112から所定の種類の元データを取得する。データ収集部150は、取得した元データに基づいて、当該元データに対応するユーティリティデータを生成する。つまり、元データは、ユーティリティデータを収集するための、ユーティリティデータの元となるデータである。
【0071】
データ収集部150によるユーティリティデータの収集方法としては、例えば、「請求書による収集」、「ポータルサイトによる収集」および「センサ装置による収集」がある。
【0072】
「請求書による収集」では、後述するが、データ収集部150は、電子化された請求書を示す請求書データを元データとして取得する。「ポータルサイトによる収集」では、後述するが、データ収集部150は、ポータルサイトのページを示すページデータを元データとして取得する。「センサ装置による収集」では、後述するが、データ収集部150は、センサ装置が取得した計測データを元データとして取得する。
【0073】
「請求書による収集」では、支援システム100は、第2装置112として端末装置112aを有する。端末装置112aは、運営者10が利用するパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0074】
端末装置112aは、紙媒体の請求書を電子化することができる構成となっている。請求書は、例えば、「電力料金請求書」など、ユーティリティの使用によりユーティリティごとに発生する料金の請求書である。請求書は、例えば、1か月ごとに毎月発生する。
【0075】
図6は、請求書によるユーティリティデータの収集の流れを説明するシーケンス図である。運営者10が、紙媒体の請求書を、ユーザインターフェース172を通じてスキャンする操作を行うと、端末制御部190は、スキャンされた請求書に基づいて、PDF等の電子化された請求書データを生成する(S20)。
【0076】
端末制御部190は、運営者10の入力操作に応じて、電子化された請求書データを、通信部170を通じて第1装置110(サーバ)に送信する(S21)。
【0077】
第1装置110のデータ収集部150は、端末装置112aから請求書データを受信することで、請求書データを元データとして取得する(S22)。つまり、「請求書による収集」では、第1トリガーは、請求書データを受信したことに相当する。データ収集部150は、取得した請求書データを記憶部124に記憶させる(S23)。
【0078】
データ収集部150は、元データとして取得した請求書データに基づいて、請求書による請求の対象となる建築物12に関するユーティリティデータを生成する(S24)。
【0079】
例えば、データ収集部150は、所定の建築物12における20XX年1月の「電力料金請求書」の請求書データを取得したとする。この場合、データ収集部150は、PDFなどの請求書データに対してOCR(Optical Character Reader)処理を行い、請求書データをテキストデータに変換する。データ収集部150は、テキストデータに変換された請求書データの中から、電力の消費量を示す数値データを抽出する。データ収集部150は、抽出した数値データを、所定の建築物12における20XX年1月の「電力の消費量」のユーティリティデータとする。
【0080】
図5に戻って、「ポータルサイトによる収集」では、支援システム100は、第2装置112としてサイト管理装置112bを有する。サイト管理装置112bは、エネルギーおよび水のうち少なくともいずれかを供給する企業のポータルサイトを管理するコンピュータである。ここでのエネルギーは、電力およびガスのうち少なくともいずれかを含む。サイト管理装置112bは、図示を省略するが、通信ネットワーク114を通じて第1装置110と通信可能な通信部を備える。
【0081】
ポータルサイトは、ポータルサイトを管理する企業からエネルギーおよび水のうち少なくともいずれかの供給を受ける建築物12に関連するページを、建築物12ごとに提供する。例えば、電力を供給する企業のポータルサイトは、当該企業から電力の供給を受ける建築物12ごとに、当該建築物12における月ごとの受電電力量の履歴を提供する。
【0082】
また、ポータルサイトにおいて、建築物12に関連するページは、建築物12ごとに、所定の識別子(ID)およびパスワードによって管理されている。ここで、支援システム100を利用する運営者10は、運営者10が関与する建築物12に関するページの当該識別子およびパスワードを、第1装置110に開示することを許可しているものとする。
【0083】
図7は、ポータルサイトによるユーティリティデータの収集の流れを説明するシーケンス図である。第1装置110のデータ収集部150は、所定の日時が到来すると、サイト管理装置112bと通信し、運営者10の代わりに、ログインを要求するログイン要求処理(S30)を行う。つまり、「ポータルサイトによる収集」では、第1トリガーは、所定の日時が到来したことに相当する。ログイン要求処理では、運営者10から許諾されている識別子(ID)およびパスワードを含むログイン情報が、サイト管理装置112bに送信される。
【0084】
サイト管理装置112bは、ログイン情報を受信すると、ログイン情報に含まれる識別子(ID)およびパスワードを用いて認証するログイン処理(S31)を行う。ログイン処理(S31)においてログインが成功すると、サイト管理装置112bは、運営者10が関与する建築物12に関するページにアクセスすることを許可するアクセス情報を第1装置110に送信する。
【0085】
データ収集部150は、ポータルサイトのページのうち、運営者10に関与する建築物12に関するページを要求するページ要求処理を行う(S32)。ページ要求処理では、ページを要求するページ要求情報が、サイト管理装置112bに送信される。
【0086】
サイト管理装置112bは、ページ要求情報を受信すると、ページ要求情報により要求されたページを示すページデータを第1装置110に送信する(S33)。
【0087】
データ収集部150は、ページデータを受信することで、元データとして、運営者10が関与する建築物12に関するページを示すページデータを取得する(S34)。データ収集部150は、取得したページデータを記憶部174に記憶させる(S35)。
【0088】
データ収集部150は、元データとして取得したページデータに基づいて、運営者10が関与する建築物12に関するユーティリティデータを生成する(S36)。例えば、ポータルサイトが電力を供給する企業のポータルサイトであれば、データ収集部150は、取得したページデータの中から、直近1か月の受電電力量を示すデータを抽出する。データ収集部150は、抽出した直近1か月の受電電力量を、最新の月における電力の消費量のユーティリティデータとする。
【0089】
図5に戻って、「センサ装置による収集」では、支援システム100は、第2装置112としてセンサ装置112cを有する。センサ装置112cは、計測機器200に対応付けられている。センサ装置112cは、計測機器200に外付け設置されてもよいし、計測機器200に内蔵されてもよい。
【0090】
計測機器200は、建築物12ごとに設けられる。計測機器200は、エネルギーの消費量を計測する計測器、水の使用量を計測する計測器、温室効果ガスの排出量を計測する計測器および廃棄物の排出量を計測する計測器のうち少なくともいずれかを含む。ここでのエネルギーは、電力およびガスのうち少なくともいずれかを含む。計測機器200は、例えば、電力メータ、ガスメータ、水道メータなどである。計測機器200は、スマートメータであってもよい。
【0091】
センサ装置112cは、計測機器200から計測データを取得することができる構成となっている。例えば、計測機器200がスマートメータであれば、センサ装置112cは、計測機器200から電気的に計測データを取得してもよい。計測機器200がアナログメータであれば、センサ装置112cは、例えば、計測機器200の指針値を撮像装置により撮像して、撮像した画像によって計測データを取得してもよい。
【0092】
センサ装置112cは、図示を省略するが、第1装置110と通信可能な通信部を備えている。例えば、センサ装置112cは、通信ネットワーク114の中継器202と無線通信を行い、中継器202および通信ネットワーク114を通じて第1装置110と通信してもよい。
【0093】
図8は、センサ装置112cによるユーティリティデータの収集の流れを説明するシーケンス図である。センサ装置112cには、例えば、計測データの取得タイミングが予め設定されている。計測データの取得タイミングは、例えば、毎日の所定時刻に設定されるが、この例に限らず、任意のタイミングに設定されてもよい。
【0094】
センサ装置112cは、所定の周期で訪れる所定の割込みタイミングとなると、計測データの取得タイミングが到来したか否かを判定する(S40)。計測データの取得タイミングが到来していない場合(S40におけるNO)、センサ装置112cは、今回の処理を終了する。
【0095】
計測データの取得タイミングが到来した場合(S40におけるYES)、センサ装置112cは、当該センサ装置112cに対応する計測機器200から計測データを取得する(S41)。センサ装置112cは、取得した計測データを第1装置110に送信する(S42)。
【0096】
第1装置110のデータ収集部150は、センサ装置112cから計測データを受信することで、計測データを元データとして取得する(S43)。つまり、「センサ装置による収集」では、第1トリガーは、計測データを受信したことに相当する。データ収集部150は、取得した計測データを記憶部に記憶させる(S44)。
【0097】
データ収集部150は、元データとして取得した計測データに基づいて、センサ装置112cに対応する計測機器200が設置されている建築物12に関するユーティリティデータを生成する(S45)。
【0098】
例えば、データ収集部150は、アナログの電力メータに対応するセンサ装置112cから、電力メータの指針値を示す画像データである計測データを取得したとする。この場合、データ収集部150は、計測データを画像解析し、計測データの画像の中から指針値の数値を抽出する。データ収集部150は、前回取得した指針値の数値と、今回抽出した指針値の数値との差分値の絶対値を導出する。データ収集部150は、導出した差分値の絶対値を、直近1か月の「電力の消費量」のユーティリティデータとする。
【0099】
このようにして、データ収集部150は、建築物12ごと、および、ユーティリティの種類ごとに、定期的に(例えば、1か月ごとに)、ユーティリティデータを収集し、記憶部124にユーティリティデータが蓄積される。
【0100】
データ収集部150によってユーティリティデータが取得されると、上述のように、データ入力部152は、取得されたユーティリティデータを入力テーブル132に入力する。運営者10は、ユーティリティデータが反映された入力テーブル132を、端末装置112aを操作して参照および編集することができる。
【0101】
図9は、入力テーブル132の参照および編集の流れを説明するシーケンス図である。運営者10は、入力テーブル132を参照する場合、ユーザインターフェース172を通じて入力テーブル132の出力を要求する操作を行う。端末装置112aの端末制御部190は、入力テーブル132の出力を要求する操作に応じて、入力テーブル132の出力を要求する出力要求情報を第1装置110に送信する入力テーブル出力要求処理(S50)を行う。
【0102】
第1装置110のデータ入力部152は、入力テーブル132の出力要求情報を受信すると、入力テーブル132を端末装置112aで表示させるための入力テーブル情報を端末装置112aに送信する入力テーブル出力処理(S51)を行う。
【0103】
端末装置112aの端末制御部190は、入力テーブル情報を受信すると、入力テーブル132をユーザインターフェースの表示装置に表示させる(S52)。
【0104】
また、端末制御部190は、ユーザインターフェース172を通じて入力テーブル132を編集する各種の操作が入力されると、それら各種の操作に応じて入力テーブル132を編集する入力テーブル編集処理(S60)を行う。
【0105】
端末制御部190は、入力テーブル132の保存を示す操作がユーザインターフェース172を通じて入力されると、入力テーブル132の更新を要求する更新要求情報を送信する入力テーブル更新要求処理(S61)を行う。
【0106】
第1装置110は、更新要求情報を受信すると、入力テーブル132を更新要求情報で示される内容に変更して記憶部124に上書きして更新する入力テーブル更新処理(S62)を行う。
【0107】
このように、支援システム100では、第1装置110の記憶部124に記憶されている入力テーブル132によって、各種のユーティリティデータが一元管理されるため、ユーティリティデータの管理を容易にすることができる。
【0108】
図10は、第1報告書作成部156による報告書の作成の流れを説明するシーケンス図である。運営者10は、報告書を出力したい場合、報告書の出力を要求するソフトウェアスイッチをクリックするなどの操作を、ユーザインターフェース172を通じて行ってもよい。端末装置112aの端末制御部190は、報告書の出力を要求する操作に応じて、報告書の出力を要求する出力要求情報を第1装置110に送信する報告書出力要求処理(S70)を行う。
【0109】
第1装置110の第1報告書作成部156は、報告書の出力要求情報を端末装置112aから受信すると、記憶部124に蓄積されているユーティリティデータに基づいて報告書を作成する報告書作成処理(S71)を行う。図10の報告書作成処理(S71)は、図4の報告書作成処理(S15)に対応する。つまり、図10の例では、第2トリガーは、報告書の出力要求情報を受信したことに相当する。作成された報告書は、記憶部124に記憶される。第1報告書作成部156は、作成した報告書を端末装置112aに出力する報告書出力処理(S72)を行う。
【0110】
端末装置112aの端末制御部190は、第1装置110から報告書を受信すると、受信した報告書をユーザインターフェース172の表示装置に表示させる報告書表示処理(S73)を行う。これにより、運営者10は、作成された報告書を確認することができる。
【0111】
図11は、第1報告書作成部156により作成されたGRESB報告書の一例を示す図である。図11で示すように、GRESB報告書では、建築物12ごとに、建築物12の基本情報およびユーティリティデータが記載されている。また、GRESB報告書では、ユーティリティの種類ごとに、報告書作成時点から遡って1年分のユーティリティデータが記載されている。
【0112】
以上のように、本実施形態の支援システム100では、第1装置110が、第2装置112から所定の元データを取得し、取得した元データに基づいて、ESG報告に用いられるユーティリティデータを生成する。これにより、本実施形態の支援システム100では、報告書の報告者がユーティリティデータを収集する負担を軽減することができ、その結果、ESGに関する報告者の負担を軽減することが可能となる。また、本実施形態の支援システム100では、ESG報告に用いられるユーティリティデータを、運営者10が収集する場合と比べ、効率的収集することができる。
【0113】
また、本実施形態の支援システム100では、第1装置110が、ユーティリティデータの収集、ユーティリティデータの蓄積、および、報告書の作成を行う。このため、本実施形態の支援システム100では、報告書の作成負担を軽減することが可能となる。
【0114】
なお、本実施形態では、GRESB報告書を作成する例を説明していた。しかし、作成する報告書は、GRESB報告書に限らず、ESGに関する任意の報告書であってもよい。
【0115】
また、本実施形態では、データ収集部150がユーティリティデータを収集し、第1報告書作成部156が、ユーティリティデータに基づいて報告書を作成していた。しかし、運営者10がユーティリティデータを収集し、第1報告書作成部156が、ユーティリティデータに基づいて報告書を作成してもよい。
【0116】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0117】
12 建築物
100 支援システム
110 第1装置
112 第2装置
112a 端末装置
112b サイト管理装置
112c センサ装置
124 記憶部
132 入力テーブル
150 データ収集部
152 データ入力部
154 チェック部
156 第1報告書作成部
158 第2報告書作成部
160 対策生成部
200 計測機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-09-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の情報処理を実行可能な第1装置と、
エネルギーおよび水のうち少なくともいずれかを供給する企業のポータルサイトを管理するコンピュータであり、前記第1装置と通信可能な第2装置と、
を備え、
前記ポータルサイトのページのうち、エネルギーおよび水のうち少なくともいずれかの供給を受ける建築物に関連するページは、前記建築物ごとに所定の識別子およびパスワードによって管理されており、
前記第1装置には、前記所定の識別子および前記パスワードが予め開示されており、
前記第1装置は、
予め開示されている前記所定の識別子および前記パスワードを用いて前記ポータルサイトの前記建築物に関連するページにアクセスし、
前記第2装置から、前記建築物に関連するページを示すページデータを元データとして取得し、
前記元データとして取得した前記ページデータに基づいて、ESG報告に用いられる、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含むユーティリティデータであって、前記建築物に関する前記ユーティリティデータを生成する、支援システム。
【請求項2】
各種の情報処理を実行可能な第1装置と、
エネルギーの消費量を計測する計測器、水の消費量を計測する計測器、温室効果ガスの排出量を計測する計測器および廃棄物の排出量を計測する計測器のうち少なくともいずれかを含む計測機器に対応付けられ、前記計測機器から計測データを取得し、前記計測データを、通信ネットワークを通じて前記第1装置に送信可能なセンサ装置である第2装置と、
を備え、
前記第1装置は、
前記第2装置から、前記計測データを元データとして取得し、
前記元データとして取得した前記計測データに基づいて、ESG報告に用いられる、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含むユーティリティデータであって、前記第2装置に対応する前記計測機器が設置されている建築物に関する前記ユーティリティデータを生成する、支援システム。
【請求項3】
各種の情報処理を実行可能な第1装置と、
電子化された請求書を示す請求書データを、前記第1装置に送信可能な端末装置である第2装置と、
を備え、
前記第1装置は、
前記第2装置から、PDF形式の前記請求書データを元データとして取得し、
前記元データとして取得したPDF形式の前記請求書データに対してOCR処理を行って前記請求書データをテキスト形式に変換し、
前記テキスト形式の前記請求書データの中から、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含む数値データを抽出することで、ESG報告に用いられる、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含むユーティリティデータであって、前記請求書による請求の対象となる建築物に関する前記ユーティリティデータを生成する、支援システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の支援システムは、各種の情報処理を実行可能な第1装置と、エネルギーおよび水のうち少なくともいずれかを供給する企業のポータルサイトを管理するコンピュータであり、第1装置と通信可能な第2装置と、を備え、ポータルサイトのページのうち、エネルギーおよび水のうち少なくともいずれかの供給を受ける建築物に関連するページは、建築物ごとに所定の識別子およびパスワードによって管理されており、第1装置には、所定の識別子およびパスワードが予め開示されており、第1装置は、予め開示されている所定の識別子およびパスワードを用いてポータルサイトの建築物に関連するページにアクセスし、第2装置から、建築物に関連するページを示すページデータを元データとして取得し、元データとして取得したページデータに基づいて、ESG報告に用いられる、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含むユーティリティデータであって、建築物に関するユーティリティデータを生成する。
上記課題を解決するために、本発明の支援システムは、各種の情報処理を実行可能な第1装置と、エネルギーの消費量を計測する計測器、水の消費量を計測する計測器、温室効果ガスの排出量を計測する計測器および廃棄物の排出量を計測する計測器のうち少なくともいずれかを含む計測機器に対応付けられ、計測機器から計測データを取得し、計測データを、通信ネットワークを通じて第1装置に送信可能なセンサ装置である第2装置と、を備え、第1装置は、第2装置から、計測データを元データとして取得し、元データとして取得した計測データに基づいて、ESG報告に用いられる、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含むユーティリティデータであって、第2装置に対応する計測機器が設置されている建築物に関するユーティリティデータを生成する。
上記課題を解決するために、本発明の支援システムは、各種の情報処理を実行可能な第1装置と、電子化された請求書を示す請求書データを、第1装置に送信可能な端末装置である第2装置と、を備え、第1装置は、第2装置から、PDF形式の請求書データを元データとして取得し、元データとして取得したPDF形式の請求書データに対してOCR処理を行って請求書データをテキスト形式に変換し、テキスト形式の請求書データの中から、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含む数値データを抽出することで、ESG報告に用いられる、エネルギーの消費量、水の消費量、温室効果ガスの排出量および廃棄物の排出量のうち少なくともいずれかを含むユーティリティデータであって、請求書による請求の対象となる建築物に関するユーティリティデータを生成する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】