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  • 特開-除湿機 図1
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  • 特開-除湿機 図3B
  • 特開-除湿機 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174786
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】除湿機
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
B01D53/26 220
B01D53/26 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080745
(22)【出願日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】森本 直行
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA08
4D052BA04
4D052CB01
4D052DA01
4D052DA06
4D052DB01
4D052GA01
4D052GB00
4D052GB09
4D052HA03
(57)【要約】
【課題】冷却器への霜の付着を抑制することができる除湿機を提供する。
【解決手段】除湿機は、発熱するヒータと、前記ヒータと対向する部位が変化するように回転する除湿ロータと、熱交換によって空気を冷却する冷却器と、前記ヒータ及び前記除湿ロータを介して前記冷却器に流れる気流を生成するファンと、を備え、前記除湿ロータは、水分を吸収する除湿部と、前記気流が通過する方向に沿って貫通した開口部と、を有しており、前記除湿ロータの回転位置は、前記気流が前記除湿部を通過する除湿位置と、前記気流が前記開口部を通過する通気位置と、を含む。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱するヒータと、
前記ヒータと対向する部位が変化するように回転する除湿ロータと、
熱交換によって空気を冷却する冷却器と、
前記ヒータ及び前記除湿ロータを介して前記冷却器に流れる気流を生成するファンと、を備え、
前記除湿ロータは、水分を吸収する除湿部と、前記気流が通過する方向に沿って貫通した開口部と、を有しており、
前記除湿ロータの回転位置は、前記気流が前記除湿部を通過する除湿位置と、前記気流が前記開口部を通過する通気位置と、を含む、
除湿機。
【請求項2】
前記開口部は、開口面積が、前記ヒータとの対向面積よりも大きい、
請求項1に記載の除湿機。
【請求項3】
前記除湿ロータの回転を制御する回転制御部と、
前記除湿ロータの回転位置を検出する位置検出部と、を更に備え、
前記回転制御部は、前記冷却器を除霜する除霜モードにおいて、前記位置検出部の検出結果に基づいて、前記除湿ロータを前記通気位置で停止させる、
請求項1又は2に記載の除湿機。
【請求項4】
前記ヒータを制御するヒータ制御部を更に備え、
前記ヒータ制御部は、前記除霜モードにおいて、前記ヒータを稼働させる、
請求項3に記載の除湿機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド方式の除湿機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のハイブリッド型除湿装置は、ヒートポンプと、デシカントローターと、送風機と、を備えている。
【0003】
ヒートポンプは、冷媒を圧縮する圧縮機と冷媒が供給空気に放熱する放熱器と冷媒を膨張させて減圧する減圧機構と冷媒が供給空気から吸熱する吸熱器(冷却器)とを配管接続している。
【0004】
デシカントローターは、駆動手段によって回転し吸湿領域では供給空気から吸湿するとともに再生領域では加熱されて水分を放出する。
【0005】
送風機は、室内空気を前記放熱器、次に前記再生領域、次に前記吸熱器、次に前記吸湿領域の順に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-207046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
除湿機において、冷却器に霜が付着した場合、除湿効率が低下するおそれがあった。
【0008】
本開示の主な目的は、冷却器への霜の付着を抑制することができる除湿機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様に係る除湿機は、発熱するヒータと、前記ヒータと対向する部位が変化するように回転する除湿ロータと、熱交換によって空気を冷却する冷却器と、前記ヒータ及び前記除湿ロータを介して前記冷却器に流れる気流を生成するファンと、を備え、前記除湿ロータは、水分を吸収する除湿部と、前記気流が通過する方向に沿って貫通した開口部と、を有しており、前記除湿ロータの回転位置は、前記気流が前記除湿部を通過する除湿位置と、前記気流が前記開口部を通過する通気位置と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る除湿機のブロック図である。
図2図2は、同上の除湿機におけるヒータ、除湿ロータ、及び冷却器の位置関係を示す概略図である。
図3A図3Aは、回転位置が通気位置である場合における除湿ロータとヒータとの位置関係を示す概略図である。
図3B図3Bは、回転位置が除湿位置である場合における除湿ロータとヒータとの位置関係を示す概略図である。
図4図4は、変形例に係る除湿ロータ4の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0012】
本実施形態の除湿機1について、図1図3Bを参照して説明する。
【0013】
本実施形態の除湿機1は、デシカント方式とコンプレッサー方式とを併用したハイブリッド方式の除湿機である。除湿機1は、筐体10、ファン2、ヒータ3、除湿ロータ4、モータ5、位置検出部6、コンプレッサー71、冷却器72、放熱器73、水タンク8、及び処理装置9を備えている。
【0014】
ファン2は、筐体10に内蔵されており、筐体10に形成された吸込み口から吸い込んだ空気を、筐体10に形成された吹出し口から吹き出す気流を生成する。筐体10内には、ファン2が生成した気流の流路が形成されている。気流の流路には、放熱器73、ヒータ3、除湿ロータ4、冷却器72、が配置されている。
【0015】
図1、及び図2において、ファン2が生成した気流を矢印で概念的に記載している。図1に示すように、ファン2が生成した気流は、上流から放熱器73、ヒータ3、除湿ロータ4の第1部分、冷却器72、除湿ロータ4の第2部分の順に流れた後、吹出し口から吹き出される。図2に示すように、本実施形態では、除湿ロータ4は、ファン2が生成した気流が2度通過する。具体的には、除湿ロータ4は、ヒータ3を通過した直後の気流が第1部分を通過し、冷却器72を通過した直後の気流が第2部分を通過する。詳細は後述するが、除湿ロータ4は、回転するように構成されており、回転によって第1部分と第2部分とが変化する。なお、筐体10内には、放熱器73から吹出し口に流れる流路もさらに形成されていてもよい。
【0016】
ヒータ3は、発熱することによって空気を加熱するように構成されている。ヒータ3は、例えばPTCセラミックヒータ(PTC:Positive Temperature Coefficient)である。ヒータ3は、ファン2によって生成された気流が通過する。これにより、ヒータ3は、ヒータ3を通過する空気を加熱する。
【0017】
図3A、及び図3Bに示すように、除湿ロータ4は、円盤状に形成されており、除湿部41と開口部42とを有している。
【0018】
除湿部41は、乾燥剤であって、空気中の水分を吸収するように構成されている。除湿部41は、例えばゼオライト素子である。また、除湿部41は、再生可能であって、加熱されることによって、吸収した水分が気化する、言い換えれば水分を放出するように構成されている。除湿部41は、水分を放出することによって、再度、水分を吸収することができる。
【0019】
除湿部41は、円環状に形成されており、一部に開口部42が形成されている。開口部42は、除湿部41を貫通するように形成されている。開口部42は、除湿部41の径方向に沿って、除湿部41の外周縁から除湿部41の中心に向かうスリット状に形成されている。
【0020】
図2に示すように、除湿ロータ4は、厚さ方向に気流が通過するように配置されている。また、除湿ロータ4は、モータ5によって回転される。図3A、及び図3Bでは、除湿ロータ4の回転方向を矢印で記載している。除湿ロータ4の回転軸は、除湿ロータ4の中心を通り、かつ除湿ロータ4を通過する気流に沿っている。除湿ロータ4は、回転することによって、気流が通過する部分が変化する。
【0021】
また、図2図3A、及び図3Bに示すように、除湿ロータ4は、一部分(第1部分)がヒータ3と対向し、他の一部分(第2部分)が冷却器72と対向するように配置されている。ヒータ3を通過後の気流が除湿ロータ4の第1部分を通過し、冷却器72を通過後の気流が除湿ロータ4の第2部分を通過する。また、図3A及び図3Bに示すように、除湿ロータ4が回転することによって、第1部分及び第2部分が変化する。したがって、例えば、除湿ロータ4の回転位置が第1位置である場合に、冷却器72を通過した直後の気流が通過する部分は、除湿ロータ4の回転位置が第2位置である場合に、ヒータ3を通過した直後の気流が通過する。
【0022】
上述したように、開口部42は、除湿部41の周方向の一部に形成されている。開口部42は、気流が通過する方向に沿って貫通している。したがって、除湿ロータ4の回転位置は、ヒータ3を通過した直後の気流が除湿部41を通過する除湿位置(図3B参照)と、ヒータ3を通過した直後の気流が開口部42を通過する通気位置(図3A参照)と、を含む。
【0023】
また、図3Aに示すように、開口部42は、開口面積がヒータ3との対向面積よりも大きい。したがって、除湿ロータ4の回転位置が通気位置である場合、ヒータ3を通過した直後の気流が除湿部41に当たることを抑制できる。
【0024】
位置検出部6は、除湿ロータ4の回転位置を検出するように構成されている。位置検出部6は、例えば、ホール素子と磁石とを有している。ホール素子は、筐体10に固定されている。磁石は、除湿ロータ4に設けられ、除湿ロータ4とともに回転することによりホール素子との間の距離が変化する。位置検出部6は、ホール素子の出力、及び除湿ロータ4の回転速度に基づいて、除湿ロータ4の回転位置を検出する。位置検出部6は、除湿ロータ4の回転位置の検出結果を、後述する処理装置9の回転制御部91に出力する。
【0025】
なお、位置検出部6は、ホール素子及び磁石を有する構成に限らず、例えばフォトインタラプタを有する構成であってもよい。フォトインタラプタは、発光素子と受光素子との間に除湿部41が位置するように配置されている。発光素子と受光素子との間に開口部42が位置する場合、受光素子は、発光素子が出射した光を受光する。位置検出部6は、受光素子の受光状態、及び除湿ロータ4の回転速度に基づいて、除湿ロータ4の回転位置を検出する。
【0026】
冷却器72と放熱器73とコンプレッサー71とは、冷媒管で接続されており、冷凍サイクルを構成している。冷凍サイクルは、冷媒を状態変化させながら循環させることによって冷却を行う。コンプレッサー71は、冷媒の圧縮を行う。コンプレッサー71で圧縮された冷媒は、放熱器73に送られる。放熱器73は、熱交換によって空気を暖める。具体的には、放熱器73は、凝縮器であって、冷媒を凝縮することにより、凝縮熱が発生し周囲の空気を暖める。放熱器73で凝縮された冷媒は、膨張弁を介して冷却器72に送られる。冷却器72は、熱交換によって空気を冷却する。具体的には、冷却器72は、蒸発器であって、冷媒を蒸発させて、周囲の空気から蒸発熱を奪うことにより周囲の空気を冷却する。冷却器72で蒸発された冷媒は、コンプレッサー71に送られる。
【0027】
本実施形態では、放熱器73は、気流の流路におけるヒータ3の上流側に配置されている。また、冷却器72は、気流の流路における除湿ロータ4の第1部分の下流側、かつ除湿ロータ4の第2部分の上流側に配置されている。なお、放熱器73は、気流の流路における除湿ロータ4の第2部分の下流側に配置されていてもよい。
【0028】
水タンク8は、例えば樹脂製の容器であって、結露によって冷却器72に付着した水を溜める。
【0029】
処理装置9は、回転制御部91及びヒータ制御部92を備えている。処理装置9は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、処理装置9は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、回転制御部91及びヒータ制御部92として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。例えば、回転制御部91及びヒータ制御部92は、複数のマイクロコンピュータで実現されていてもよい。
【0030】
回転制御部91は、除湿ロータ4の回転を制御する。具体的には、回転制御部91は、モータ5を制御することによって、除湿ロータ4の回転を制御する。
【0031】
ヒータ制御部92は、ヒータ3を制御する。例えば、ヒータ制御部92は、ヒータ3の通電状態を制御することによって、ヒータ3の稼働、停止、及びヒータ3の温度調整を行う。
【0032】
処理装置9は、動作モードとして除湿モードと除霜モードとを有している。除湿モードは、空気中の湿気を取り除く動作モードである。除霜モードは、冷却器72を除霜する動作モードである。処理装置9は、コンプレッサー71の付近の温度、及び除湿モードでの動作時間に基づいて、除霜モードを実行する。例えば、処理装置9は、コンプレッサー71の付近の温度が閾値温度(例えば0℃など)以下であって、かつ除湿モードでの連続動作時間が閾値時間(例えば45分、1時間など)を超えた場合、除霜モードを所定時間(例えば、10分、15分など)実行する。なお、除湿機1の周囲温度、コンプレッサー71の付近の温度に基づいて、除霜モードを解除してもよい。例えば、コンプレッサー71の付近の温度が閾値温度を上回った場合、除霜モードを解除する。
【0033】
除湿モードにおいて、回転制御部91は、除湿ロータ4を回転させる。例えば、回転制御部91は、モータ5を回転駆動させることによって、除湿ロータ4を一定速度で回転させる。また、除霜モードにおいて、ヒータ制御部92は、ヒータ3を稼働させることによって、ヒータ3を発熱させる。
【0034】
除霜モードにおいて、回転制御部91は、除湿ロータ4を通気位置(図3A参照)で停止させる。具体的には、回転制御部91は、位置検出部6の検出結果に基づいて、除湿ロータ4が通気位置で停止するようにモータ5を制御する。また、除霜モードにおいて、ヒータ制御部92は、ヒータ3を稼働させることによって、ヒータ3を発熱させる。
【0035】
次に、本実施形態の除湿機1の動作例について説明する。
【0036】
まず、動作モードが除湿モードである場合について説明する。
【0037】
動作モードが除湿モードである場合、ヒータ制御部92は、ヒータ3を稼働させ、回転制御部91は、除湿ロータ4を一定速度で回転させる。また、ファン2は、気流を発生させる。また、冷凍サイクルが稼働することによって、放熱器73が熱交換によって周囲の空気を暖め、冷却器72が熱交換によって周囲の空気を冷却する。
【0038】
上記動作により、筐体10の吸込み口から吸い込まれた空気は、放熱器73、ヒータ3、除湿ロータ4の第1部分、冷却器72、除湿ロータ4の第2部分を介して、筐体10の吹出し口から吹き出される。
【0039】
具体的には、筐体10の吸込み口から吸い込まれた湿気を含む空気は、放熱器73及びヒータ3を通過する際に暖められる。ここでは、除湿ロータ4の回転位置が除湿位置である場合について説明する。より具体的には、除湿ロータ4における、ヒータ3と対向する第1部分、及び冷却器72と対向する第2部分の両方が除湿部41である場合について説明する。
【0040】
ヒータ3によって、除湿ロータ4の第1部分である除湿部41が加熱される。これにより、第1部分に含まれる水分が放出され、水分を再度吸収可能な状態になる。したがって、放熱器73及びヒータ3によって暖められた空気が、除湿ロータ4を通過することによって、冷却器72には、高温、かつ高湿の空気が供給される。
【0041】
そして、冷却器72に供給された空気は、冷却器72で冷却されることによって結露が発生し、湿気が取り除かれる。上述したように、冷却器72に供給される空気は、放熱器73及びヒータ3で暖められているので、冷却器72と空気との温度差が大きくなる。これにより、冷却器72に結露が発生しやすくなり、除湿効率が向上する。結露によって冷却器72に付着した水は、水タンク8に溜められる。
【0042】
冷却器72を通過した空気は、除湿ロータ4の第2部分である除湿部41を通過する。空気が除湿部41を通過する際に、空気中の水分が除湿部41に吸収される。これにより、冷却器72で取り除ききれなかった湿気を、取り除くことができ、乾燥した空気が筐体10の吹出し口から吹出される。また、第2部分である除湿部41が吸収した水分は、除湿ローラが回転することによってヒータ3と対向した際に加熱されて気化する。
【0043】
次に、動作モードが除霜モードである場合について説明する。
【0044】
動作モードが除霜モードである場合、ヒータ制御部92は、ヒータ3を稼働させ、回転制御部91は、除湿ロータ4を通気位置で停止させる。また、ファン2は、気流を発生させる。また、冷凍サイクルは、停止する。
【0045】
上記動作により、筐体10の吸込み口から吸い込まれた空気は、放熱器73、ヒータ3、除湿ロータ4の第1部分、冷却器72、除湿ロータ4の第2部分を介して、筐体10の吹出し口から吹き出される(図1、及び図2参照)。
【0046】
具体的には、筐体10の吸込み口から吸い込まれた空気は、ヒータ3を通過する際に暖められる。除霜モードにおいて、除湿ロータ4は、通気位置(図3A参照)で停止しており、開口部42がヒータ3と対向している。したがって、ヒータ3を通過した直後の気流が開口部42を通過する。除湿ロータ4の開口部42を通過した空気は、冷却器72に供給される。つまり、除霜モードでは、ヒータ3で暖められた空気が除湿ロータ4の開口部42を通って冷却器72に供給される。
【0047】
ここで、動作モードが除湿モードである場合、除湿ロータ4が回転している。また、除湿ロータ4の第2部分は、冷却器72を通過した直後の気流が通過するため冷やされている。そのため、除湿ロータ4の回転によって、除湿部41における冷やされた部分がヒータ3と対向して加熱されることとなる。したがって、ヒータ3を通過した直後の気流は、除湿部41を通過する際に、除湿部41に熱を奪われ温度が低下する。
【0048】
一方、除霜モードでは、除湿ロータ4が通気位置で停止しているため、ヒータ3を通過した直後の気流が除湿ロータ4の開口部42を通過することとなる。したがって、ヒータ3を通過した直後の気流は、除湿ロータ4を通過する際に除湿部41に奪われる熱量が低下するので温度低下が抑制される。これにより、冷却器72に、より高温の空気を供給することができ、冷却器72を除霜する時間の短縮を図ることができる。
【0049】
また、除湿モードにおいて、除湿ロータ4が回転しているため、除湿ロータ4の回転位置が通気位置となるタイミングが周期的に発生する。除湿ロータ4の回転位置が通気位置となっている期間は、除霜モードである場合と同様に、冷却器72にはより高温の空気が供給される。したがって、除湿モードで動作中においても、冷却器72の除霜を行うことができ、また冷却器72への霜の付着も抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態では、ヒータ制御部92は、除霜モードにおいて、ヒータ3を稼働させる。これにより、ヒータ3を停止させて送風のみで除霜を行う場合に比べて、冷却器72を除霜する時間を短縮することができる。
【0051】
また、本実施形態では、除湿ロータ4の開口部42は、開口面積が、ヒータ3との対向面積よりも大きい。これにより、ヒータ3を通過した直後の気流が、除湿ロータ4の開口部42を通過する際に除湿部41に当たることが抑制されるので、冷却器72に供給される空気の温度低下を抑制することができる。また、除霜モードにおいて、除湿ロータ4が通気位置で停止している際に、ヒータ3の熱による除湿部41の損傷を抑制することができる。
【0052】
(変形例)
上述した例では、開口部42は、除湿部41の径方向に沿って、除湿部41の外周縁から除湿部41の中心に向かうスリット状に形成されているが、これに限らない。例えば、開口部42は、除湿部41の径方向に沿って、除湿部41の内周縁から除湿部41の外周縁に向かうスリット状に形成されていてもよい。また、開口部42は、全周にわたって除湿部41で囲まれた貫通孔であってもよい。開口部42である貫通孔の開口形状は、円形であってもよいし、矩形等の多角形であってもよいし、円弧状であってもよい。
【0053】
また、図4に示すように、除湿ロータ4は、複数の開口部42を備えた構成であってもよい。図4に示す例では、除湿ロータ4は、6つの開口部42を備えている。6つの開口部42は、除湿部41の周方向に沿って、略等間隔に並んで形成されている。各開口部42は、開口形状が円形の貫通孔である。除湿ロータ4が複数の開口部42を備えることによって、除湿ロータ4の回転位置が通気位置となる期間が長くなり、除湿モードの動作中における冷却器72への霜の付着をより抑制することができる。なお、開口部42に数は、6つに限らず、6つ以外の複数であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 除湿機
2 ファン
3 ヒータ
4 除湿ロータ
41 除湿部
42 開口部
5 モータ
6 位置検出部
71 コンプレッサー
72 冷却器
73 放熱器
8 水タンク
9 処理装置
91 回転制御部
92 ヒータ制御部
10 筐体
図1
図2
図3A
図3B
図4