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特開2022-174809鍵管理装置、鍵管理システムおよび鍵管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174809
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】鍵管理装置、鍵管理システムおよび鍵管理方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
E05B19/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080784
(22)【出願日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501079875
【氏名又は名称】グローリーAZシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 弘之
(57)【要約】
【課題】交換を行うべき条件をより柔軟に設定可能とする鍵管理装置を提供する。
【解決手段】鍵20を保持する複数のホルダ21と、ホルダ21をそれぞれ保持する複数の鍵保持部31と、ホルダ21に保持された鍵20を交換可能にする解除部36と、解除部36を利用した鍵交換処理を実行させる制御部と、外部端末から送信された情報を受信する通信部と、を備える。制御部は、通信部により受信した情報に基づき、鍵交換処理を実行可能なホルダ21を設定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍵を保持する複数のホルダと、
前記ホルダをそれぞれ保持する複数の鍵保持部と、
前記ホルダに保持された前記鍵を交換可能にする解除部と、
前記解除部を利用した鍵交換処理を実行させる制御部と、
外部端末から送信された情報を受信する通信部と、
を備え、
前記制御部は、前記通信部により受信した前記情報に基づき、前記鍵交換処理を実行可能な前記ホルダを設定する
ことを特徴とする鍵管理装置。
【請求項2】
前記通信部により受信した前記情報には、前記鍵交換処理の実行可否を特定する情報を含み、
前記制御部は、前記情報にて前記鍵交換処理の実行が可能とされた前記ホルダについて、前記鍵交換処理を実行可能な状態に設定する
ことを特徴とする請求項1記載の鍵管理装置。
【請求項3】
前記通信部により受信した前記情報には、前記鍵交換処理の実行可否を特定する情報を含み、
前記制御部は、前記情報にて前記鍵交換処理の実行が不可とされた前記ホルダについて、前記鍵交換処理を実行不可な状態に設定する
ことを特徴とする請求項1または2記載の鍵管理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記鍵交換処理が実行された前記ホルダについて、前記鍵交換処理が実行不可な状態に設定する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の鍵管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記鍵交換処理が実行された前記ホルダについて、前記通信部により受信した情報に基づき、再び前記鍵交換処理を実行可能な前記ホルダを設定するまで、前記鍵交換処理が実行不可な状態に設定する
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の鍵管理装置。
【請求項6】
鍵交換メニューを選択可能とする操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記操作部による鍵交換メニューの選択後に前記鍵交換処理が実行可能となっており、前記操作部による鍵交換メニューが選択された際に前記通信部により前記外部端末に前記情報を問い合わせる
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の鍵管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記通信部により定期的に前記外部端末に前記情報を問い合わせる
ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の鍵管理装置。
【請求項8】
報知部をさらに備え、
前記通信部により受信した前記情報には、交換情報を含み、
前記報知部は、前記ホルダの前記鍵交換処理時に前記交換情報を報知する
ことを特徴とする請求項1ないし7いずれか一記載の鍵管理装置。
【請求項9】
前記通信部により受信した前記情報には、担当者情報を含み、
前記制御部は、前記担当者情報の担当者にのみ、前記鍵交換処理を実行可能とする
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一記載の鍵管理装置。
【請求項10】
前記通信部により受信した前記情報には、前記鍵交換処理を実行可能な日時情報を含み、
前記制御部は、前記日時情報の日時のみ、前記鍵交換処理を実行可能とする
ことを特徴とする請求項1ないし9いずれか一記載の鍵管理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記鍵交換処理が完了した際に、前記通信部により受信した前記情報に紐付けたうえで前記鍵交換処理の完了情報を前記外部端末に送信する
ことを特徴とする請求項1ないし10いずれか一記載の鍵管理装置。
【請求項12】
鍵を保持する複数のホルダと、
前記ホルダをそれぞれ保持する複数の鍵保持部と、
前記ホルダを交換するホルダ交換処理を実行させる制御部と、
外部端末から送信された情報を受信する通信部と、
を備え、
前記制御部は、前記通信部により受信した前記情報に基づき、前記ホルダ交換処理を実行可能なホルダを設定する
ことを特徴とする鍵管理装置。
【請求項13】
前記通信部により受信した前記情報には、前記ホルダ交換処理の実行可否を特定する情報を含み、
前記制御部は、前記情報にて前記ホルダ交換処理の実行が可能とされた前記ホルダについて、前記ホルダ交換処理を実行可能な状態に設定する
ことを特徴とする請求項12記載の鍵管理装置。
【請求項14】
前記通信部により受信した前記情報には、前記ホルダ交換処理の実行可否を特定する情報を含み、
前記制御部は、前記情報にて前記ホルダ交換処理の実行が不可とされた前記ホルダについて、前記ホルダ交換処理を実行不可な状態に設定する
ことを特徴とする請求項12または13記載の鍵管理装置。
【請求項15】
鍵を管理する鍵管理システムであって、
前記鍵を保持する複数のホルダと、
前記ホルダをそれぞれ保持する複数の鍵保持部と、
前記ホルダに保持された前記鍵を交換可能にする解除部と、
前記解除部を利用した鍵交換処理を実行させる制御部と、
外部端末から送信された情報を受信する通信部と、
を備え、
前記制御部は、前記通信部により受信した前記情報に基づき、前記鍵交換処理を実行可能な前記ホルダを設定する
ことを特徴とする鍵管理システム。
【請求項16】
鍵を保持する複数のホルダをそれぞれ鍵保持部に保持して前記鍵を管理するとともに、前記ホルダに保持された前記鍵を交換可能にする解除部を利用した鍵交換処理を実行可能とする鍵管理方法であって、
外部端末から送信された情報を受信するステップと、
受信した前記情報に基づき、前記鍵交換処理を実行可能な前記ホルダを設定するステップと、
を備えることを特徴とする鍵管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍵を管理する鍵管理装置、鍵管理システムおよび鍵管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、鍵をホルダに保持して管理する鍵管理装置が知られている。この鍵管理装置では、ホルダから鍵を取り外して交換する交換処理が行われている。
【0003】
鍵交換装置での交換処理は、不正防止の観点からセキュリティを厳重にする必要があり、交換を行うべき適切な条件下でのみ交換処理を実行可能とすることが望まれている。
【0004】
そして、特許文献1では、特定の権限が付与された担当者にのみ交換モードを許可し、かつ、入力された担当者識別番号に対して鍵管理装置に登録済みの鍵類識別番号を有する鍵保持部の鍵ホルダの鍵のみを交換可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-163692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した交換を行うべき適切な条件というのは刻々と変化するものであり、特許文献1のように、鍵管理装置に登録済みの条件に基づいて対応するだけでは不十分なことがある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、交換を行うべき条件をより柔軟に設定可能とする鍵管理装置、鍵管理システムおよび鍵管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の鍵管理装置は、鍵を保持する複数のホルダと、前記ホルダをそれぞれ保持する複数の鍵保持部と、前記ホルダに保持された前記鍵を交換可能にする解除部と、前記解除部を利用した鍵交換処理を実行させる制御部と、外部端末から送信された情報を受信する通信部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により受信した前記情報に基づき、前記鍵交換処理を実行可能な前記ホルダを設定する。
【0009】
また、前記通信部により受信した前記情報には、前記鍵交換処理の実行可否を特定する情報を含み、前記制御部は、前記情報にて前記鍵交換処理の実行が可能とされた前記ホルダについて、前記鍵交換処理を実行可能な状態に設定する。
【0010】
また、前記通信部により受信した前記情報には、前記鍵交換処理の実行可否を特定する情報を含み、前記制御部は、前記情報にて前記鍵交換処理の実行が不可とされた前記ホルダについて、前記鍵交換処理を実行不可な状態に設定する。
【0011】
また、前記制御部は、前記鍵交換処理が実行された前記ホルダについて、前記鍵交換処理が実行不可な状態に設定する。
【0012】
また、前記制御部は、前記鍵交換処理が実行された前記ホルダについて、前記通信部により受信した情報に基づき、再び前記鍵交換処理を実行可能な前記ホルダを設定するまで、前記鍵交換処理が実行不可な状態に設定する。
【0013】
また、鍵交換メニューを選択可能とする操作部をさらに備え、前記制御部は、前記操作部による鍵交換メニューの選択後に前記鍵交換処理が実行可能となっており、前記操作部による鍵交換メニューが選択された際に前記通信部により前記外部端末に前記情報を問い合わせる。
【0014】
また、前記制御部は、前記通信部により定期的に前記外部端末に前記情報を問い合わせる。
【0015】
また、報知部をさらに備え、前記通信部により受信した前記情報には、交換情報を含み、前記報知部は、前記ホルダの前記鍵交換処理時に前記交換情報を報知する。
【0016】
また、前記通信部により受信した前記情報には、担当者情報を含み、前記制御部は、前記担当者情報の担当者にのみ、前記鍵交換処理を実行可能とする。
【0017】
また、前記通信部により受信した前記情報には、前記鍵交換処理を実行可能な日時情報を含み、前記制御部は、前記日時情報の日時のみ、前記鍵交換処理を実行可能とする。
【0018】
また、前記制御部は、前記鍵交換処理が完了した際に、前記通信部により受信した前記情報に紐付けたうえで前記鍵交換処理の完了情報を前記外部端末に送信する。
【0019】
本発明の鍵管理装置は、鍵を保持する複数のホルダと、前記ホルダをそれぞれ保持する複数の鍵保持部と、前記ホルダを交換するホルダ交換処理を実行させる制御部と、外部端末から送信された情報を受信する通信部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により受信した前記情報に基づき、前記ホルダ交換処理を実行可能なホルダを設定する。
【0020】
また、前記通信部により受信した前記情報には、前記ホルダ交換処理の実行可否を特定する情報を含み、前記制御部は、前記情報にて前記ホルダ交換処理の実行が可能とされた前記ホルダについて、前記ホルダ交換処理を実行可能な状態に設定する。
【0021】
また、前記通信部により受信した前記情報には、前記ホルダ交換処理の実行可否を特定する情報を含み、前記制御部は、前記情報にて前記ホルダ交換処理の実行が不可とされた前記ホルダについて、前記ホルダ交換処理を実行不可な状態に設定する。
【0022】
本発明の鍵管理システムは、鍵を管理する鍵管理システムであって、前記鍵を保持する複数のホルダと、前記ホルダをそれぞれ保持する複数の鍵保持部と、前記ホルダに保持された前記鍵を交換可能にする解除部と、前記解除部を利用した鍵交換処理を実行させる制御部と、外部端末から送信された情報を受信する通信部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により受信した前記情報に基づき、前記鍵交換処理を実行可能な前記ホルダを設定する。
【0023】
本発明の鍵管理方法は、鍵を保持する複数のホルダをそれぞれ鍵保持部に保持して前記鍵を管理するとともに、前記ホルダに保持された前記鍵を交換可能にする解除部を利用した鍵交換処理を実行可能とする鍵管理方法であって、外部端末から送信された情報を受信するステップと、受信した前記情報に基づき、前記鍵交換処理を実行可能な前記ホルダを設定するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、交換を行うべき条件をより柔軟に設定可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施の形態を示す鍵管理装置の使用例を示す説明図である。
図2】同上鍵管理装置の斜視図である。
図3】同上鍵管理装置のブロック図である。
図4】同上鍵管理装置の鍵交換処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、鍵管理装置10の使用例を示す説明図であって、建物内に設けられるトランクルーム11の間取り図を含む説明図である。トランクルーム11はロビーエリア12とトランクルームエリア13とに区画され、これらロビーエリア12とトランクルームエリア13との間には扉によって開閉される出入口14が設けられている。トランクルームエリア13内には複数の部屋15が設けられ、各部屋15に開閉可能な扉が設けられている。各部屋15の扉には、鍵で施錠、解錠可能なシリンダ錠などの錠前が設けられている。
【0028】
鍵管理装置10は、トランクルームエリア13内に設置され、各部屋15の鍵をホルダに保持した状態で管理する。鍵管理装置10は、トランクルーム11を管理する管理センターに設置されるサーバーなどの外部端末16と通信可能とする。
【0029】
図1には、例えば同一の建物内の異なる階、または異なる場所の2箇所のトランクルーム11を示し、各トランクルーム11に鍵管理装置10が設置され、各鍵管理装置10が外部端末16により管理される。これら鍵管理装置10と外部端末16とにより鍵管理システム17が構成されている。
【0030】
そして、トランクルーム11を使用する場合、トランクルーム11の部屋15の使用契約を結んだ契約者である使用者は、出入口14からトランクルームエリア13内に入り、鍵管理装置10を操作して契約している部屋15の鍵を取り出し、その鍵で部屋15の扉を開け、部屋15を使用する。部屋15の使用後は、鍵で部屋15の扉を施錠し、鍵を鍵管理装置10に戻し、出入口14から出る。
【0031】
また、トランクルーム11の運用では、使用契約が終了または解約された部屋15については、セキュリティ性の向上のために、扉の錠前および鍵を交換している。錠前および鍵の交換に伴って、鍵管理装置10で管理する鍵の鍵交換処理が所定の担当者によって行われる。担当者には、トランクルーム11の管理者や、鍵交換を委託された委託者などが含まれる。
【0032】
外部端末16では、使用者の認証情報とこの使用者が使用契約した部屋15の鍵を保持するホルダとが紐付けられて登録され、その登録情報を鍵管理装置10が通信して取得可能としている。また、外部端末16では、使用契約が終了または解約された部屋15について、鍵交換のための所定の情報が登録され、その情報を鍵管理装置10が通信して取得可能としている。この鍵交換のための所定の情報には、鍵を交換するホルダを特定するための特定情報が少なくとも含まれ、加えて、使用契約の終了や解約による交換であることなどの鍵の交換目的および新たに連結される交換用の鍵の番号などの備考情報を含む交換情報や、鍵の交換を行う担当者情報や、例えば早朝や夜間あるいは営業時間外などの鍵の鍵交換処理を実行する日時情報などが含まれていてよい。
【0033】
なお、出入口14の扉を顔認証による自動開閉扉とし、かつ部屋15の鍵を保持するホルダと使用者の顔情報とを予め紐付けて登録しておくことにより、鍵を保持するホルダを鍵管理装置10に戻さないと出入口14の自動開閉扉が開かないように制御してもよい。この場合、使用者が鍵を鍵管理装置10に戻し忘れて持ち帰り、紛失したり、複製されるのを防止でき、また、使用者以外の人がトランクルームエリア13に入るのを防止できる。
【0034】
次に、図2に鍵管理装置10を示す。鍵管理装置10は、複数の鍵20を、これら鍵20をそれぞれ保持する複数のホルダ21を用いて管理する。
【0035】
ホルダ21には、リングなどの連結部22を介して鍵20が間接的に保持されている。なお、ホルダ21には、鍵20が直接的に保持されてもよい。ホルダ21は、連結部22を介して連結された鍵20が外れないようにロックが掛けられているが、所定の鍵交換処理により、ロックが解除されて鍵20を交換可能な状態となり、鍵20の交換が可能となっている。また、ホルダ21は、このホルダ21に対応した固有情報や連結される鍵20の情報などを含む情報を読み書き可能に記憶するRFIDタグなどのICタグを備えている。
【0036】
鍵管理装置10は、本体25、この本体25の前面側を開閉する表扉26、本体25の上部に設けられた表示操作部27、および本体25の側部に配設されたプリンタ部28などを備えている。
【0037】
本体25は、この本体25の前面側に、鍵20を保管して管理する鍵管理部30を備えている。鍵管理部30には、ホルダ21を着脱可能に保持する複数の鍵保持部31が設けられている。鍵保持部31は、鍵管理部30の前面側に、上下方向に複数段に設けられているとともに、各段の左右方向に複数列に並んで設けられている。鍵保持部31は、鍵管理部30の前面側に開口する孔状に設けられ、前方からホルダ21を挿入および取り出し可能とする。
【0038】
鍵保持部31には、収納されたホルダ21を施解錠する錠機構32(図3参照)、鍵保持部31に対してホルダ21の挿入(収納)および取り出しを検知する検知部33(図3参照)、ホルダ21のICタグに対して情報を読み書きするリーダライタ34(図3参照)、および鍵保持部31から取り出し可能なホルダ21を表示するホルダ表示部35などが設けられている。なお、リーダライタ34は、ホルダ21のICタグから情報を読み出すリーダであってもよい。また、ホルダ表示部35は、鍵保持部31の孔の周囲に設けられた導光体、およびこの導光体に光を入射する例えばLEDなどの光源を有している。そして、ホルダ表示部35は、光源が発する光により導光体が発光して鍵保持部31に収納されているホルダ21の場所を表示するものであり、鍵保持部31にホルダ21が収納状態にあっても鍵管理部30の前方から視認可能となっている。ホルダ表示部35は、点灯、点滅が可能となっているとともに、例えば青色や黄色などの光色の変更が可能となっている。
【0039】
さらに、鍵管理部30には、ホルダ21に対して鍵20の交換あるいは取り外しを行うための解除部36が設けられている。解除部36は、開閉可能とするカバーで覆われ、内部にホルダ21を挿入する解除孔が設けられている。解除部36は、解除部36に挿入されたホルダ21のICタグに対して情報を読み書きするICタグ用リーダライタまたは情報を読み出すICタグ用リーダを備えている。そして、解除部36は、鍵交換の権限を有する担当者の操作による鍵交換処理に基づき、解除部36に挿入されたホルダ21のロックを解除して交換可能な状態とし、鍵20の交換あるいは取り外しを可能とする。
【0040】
また、表扉26は、本体25の前面側の鍵管理部30を開閉可能で、鍵管理部30の閉鎖時には本体25に対して施錠可能とし、鍵管理部30の開放時にはプリンタ部28とは反対側となる本体25の側部に折り畳んで配置可能とする。
【0041】
また、表示操作部27には、タッチパネルディスプレイが用いられている。したがって、表示操作部27は、使用者に対して鍵取出メニューや鍵返却メニューなどの操作メニューを表示したり、担当者に対して鍵交換メニューやホルダ交換メニューなどを表示する表示部27aと、使用者や担当者による操作を受け付ける操作部27bとを有している。
【0042】
また、プリンタ部28は、ホルダ21の取り出し履歴および返却履歴、各種の履歴などをロール紙などの用紙に印字する。印字された用紙は、プリンタ部28内の巻き取り部に巻き取られるか、プリンタ部28の前面側から導出される。なお、プリンタ部28は、必須ではなく、鍵管理装置10に選択的に付加可能とする。
【0043】
次に、図3に鍵管理装置10のブロック図を示す。
【0044】
鍵管理装置10では、外部端末16との通信により、外部端末16に登録されている使用者の認証情報とこの使用者が使用契約した部屋15の鍵20を保持するホルダ21のICタグの情報とが紐付けられた登録情報を取得可能としている。また、登録情報は、担当者が鍵管理装置10に直接入力して登録することもできる。そして、鍵管理装置10は、使用者が鍵管理装置10に対して認証してログインすることにより、使用者が使用契約した部屋15の鍵20を保持するホルダ21の取り出しまたは返却を可能としている。
【0045】
鍵管理装置10は、鍵管理装置10を制御する制御部40を有している。制御部40には、表示操作部27と、各鍵保持部31の錠機構32、検知部33、リーダライタ34およびホルダ表示部35と、解除部36と、各種の情報を記憶する記憶部41と、外部端末16と通信する通信部42とが接続されている。
【0046】
制御部40は、使用者や担当者のログイン時に、使用者や担当者を認証する認証部43と、表示操作部27の表示部27aやホルダ表示部35での表示による報知やスピーカなどでの音や音声などによる報知をさせる報知部44とを備えている。認証部43は、表示操作部27でのID番号やパスワードの入力や、カードリーダを用いて使用者に貸し出されたIDカードの読み取りなどにより認証してもよく、あるいは使用者の生体情報で認証してもよい。
【0047】
通信部42は、所定のネットワークを通じて外部端末16と通信し、外部端末16から送信された情報を受信したり、外部端末16に対して情報を送信する。通信部42により受信する情報には、使用者の認証情報とこの使用者が使用契約した部屋15の鍵20を保持するホルダ21のICタグの情報とが紐付けられた登録情報や、鍵交換に関する情報などが含まれる。鍵交換に関する情報には、鍵交換処理の実行可否を特定する情報や、鍵20を交換するホルダ21を特定するための特定情報が少なくとも含まれ、加えて、使用契約の終了や解約による交換であることなどの鍵20の交換目的および新たに連結される交換用の鍵20の番号などの備考情報を含む交換情報や、鍵20の交換を行う担当者情報や、鍵20の鍵交換処理を実行する日時情報などが含まれていてもよい。
【0048】
そして、制御部40は、通信部42により受信した鍵交換に関する情報に基づき、鍵交換処理を実行可能なホルダ21を設定し、設定したホルダ21について解除部36を利用した鍵交換処理を担当者に実行させるように制御する。
【0049】
制御部40は、通信部42により受信する情報にて鍵交換処理の実行が可能とされたホルダ21について、鍵交換処理を実行可能な状態に設定し、また、通信部42により受信する情報にて鍵交換処理の実行が不可とされたホルダ21について、鍵交換処理を実行不可な状態に設定する。
【0050】
制御部40は、鍵交換処理が実行されたホルダ21については、鍵交換処理が実行不可な状態に設定するように制御する。例えば、通信部42により受信した鍵交換に関する情報に基づき、再び鍵交換処理を実行可能なホルダ21を設定するまでの間は、鍵交換処理が実行不可な状態に設定するように制御する。
【0051】
制御部40は、鍵交換処理時において、表示操作部27の表示部27aに鍵交換メニューを表示させ、操作部27bによる鍵交換メニューの選択後に、鍵交換処理を実行可能とするように制御する。制御部40は、操作部27bによる鍵交換メニューが選択された際に、通信部42により外部端末16に鍵交換に関する情報を問い合わせるとともに外部端末16からの鍵交換に関する情報を受信するように制御する。なお、制御部40は、例えば日に1回、月に1回、トランクルーム11の営業時間帯がある場合には営業後や営業前など、定期的に通信部42により外部端末16に情報を問い合わせるように制御してもよい。
【0052】
また、制御部40は、ホルダ21の鍵交換処理時に、通信部42により受信した交換情報、つまり使用契約の終了や解約による交換であることなどの鍵20の交換目的や、新たに連結される交換用の鍵20の番号などの備考情報を報知部44により報知するように制御する。報知部44は、例えば、表示操作部27の表示部27aにより交換情報や備考情報を表示させて報知する。
【0053】
また、制御部40は、通信部42により受信した担当者情報の担当者にのみ、鍵交換処理を実行可能とするように制御する。さらに、制御部40は、通信部42により受信した日時情報の日時のみ、鍵交換処理を実行可能とするように制御する。
【0054】
また、制御部40は、鍵交換処理が完了した際に、通信部42により受信した鍵交換に関する情報に紐付けたうえで、通信部42により鍵交換処理の完了情報を外部端末16に送信するように制御する。
【0055】
次に、トランクルーム11の使用について説明する。
【0056】
使用者は、鍵管理装置10の場所に行き、鍵管理装置10の表示操作部27で鍵20の取出メニューを選択する。
【0057】
鍵管理装置10は、取出メニューが選択された際に、通信部42により外部端末16に登録情報を問い合わせ、外部端末16から送信される登録情報を受信してもよい。あるいは、例えば日に1回、月に1回、トランクルーム11の営業時間帯がある場合には営業後や営業前など、定期的に通信部42により外部端末16に登録情報を問い合わせ、外部端末16から送信される登録情報を受信してもよい。登録情報には、使用者の認証情報とこの使用者が使用契約した部屋15の鍵20を保持するホルダ21のICタグの情報とが紐付けられている。
【0058】
鍵管理装置10は、取出メニューが選択されることで、通信部42により受信した登録情報に基づき、使用者の認証処理を実行し、使用者が認証されると、使用者が使用契約した部屋15の鍵20を保持するホルダ21を収納する鍵保持部31について、錠機構32を解錠するとともにホルダ表示部35を点滅表示する。
【0059】
使用者は、ホルダ表示部35が点滅する鍵保持部31からホルダ21を取り出す。鍵保持部31からホルダ21が取り出されると、そのホルダ21の取り出しを検知部33で検知し、使用者の情報、取り出されたホルダ21の情報などを含む取り出し履歴を記憶部41に記憶する。
【0060】
そして、使用者は、取り出したホルダ21が保持する鍵20を使用して部屋15の扉を解錠し、部屋15に物品を入れたり、部屋15から物品を取り出す。
【0061】
また、部屋15の使用を終えた使用者は、鍵20で部屋15の扉を施錠し、ホルダ21を鍵管理装置10に返却する。ホルダ21を返却する場合には、認証有の場合と、認証無の場合とがある。
【0062】
認証有の場合、使用者が表示操作部27で返却メニューを選択することで、通信部42により受信した登録情報に基づき、使用者の認証処理を実行し、使用者が認証された後、ホルダ21を返却すべき鍵保持部31のホルダ表示部35を点滅表示する。使用者によりホルダ21が該当する鍵保持部31に挿入されることにより、検知部33でホルダ21の返却を検知するとともにリーダライタ34でホルダ21のICタグの情報を読み取り、ホルダ21の返却を受け付け、ホルダ21を鍵保持部31の錠機構32で施錠する。
【0063】
認証無の場合、使用者が表示操作部27で返却メニューを選択することで、通信部42により受信した登録情報に基づき、ホルダ21を返却すべき鍵保持部31のホルダ表示部35を点滅表示する。使用者によりホルダ21が該当する鍵保持部31に挿入されることにより、検知部33でホルダ21の返却を検知するとともにリーダライタ34でホルダ21のICタグの情報を読み取り、ホルダ21の返却を受け付け、ホルダ21を鍵保持部31の錠機構32で施錠する。なお、返却メニューの選択なしに、ホルダ21が該当する鍵保持部31に挿入されることにより、ホルダ21の返却を受け付けるようにしてもよい。
【0064】
そして、ホルダ21の返却を受け付けると、使用者の情報(認証有の場合)、返却されたホルダ21の情報などを含む返却履歴を記憶部41に記憶する。
【0065】
次に、鍵管理装置10の鍵交換処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0066】
トランクルーム11の部屋15の使用契約の終了や解約により、その部屋15の錠前および鍵20を別の交換用の錠前および鍵20に交換する。それに伴い、その部屋15と紐付けられているホルダ21に対して交換用の鍵20に交換する鍵交換処理が行われる。
【0067】
外部端末16では、管理者によって鍵交換に関する情報が登録される。この鍵交換に関する情報には、鍵交換処理の実行可否を特定する情報や、鍵20を交換するホルダ21を特定するための特定情報が少なくとも含まれ、加えて、使用契約の終了や解約による交換であることなどの鍵20の交換目的および新たに連結される交換用の鍵20の番号などの備考情報を含む交換情報や、鍵20の交換を行う担当者情報や、鍵20の鍵交換処理を実行する日時情報などが含まれていてもよく、ここではこれらが含まれているものとして説明する。
【0068】
鍵交換処理を行う担当者は、鍵管理装置10の場所に行き、表示操作部27を操作して鍵交換メニューを選択する(ステップS1のYES)。
【0069】
制御部40は、鍵交換メニューが選択されると、通信部42により、外部端末16に鍵交換に関する情報を問い合わせるとともに、外部端末16から送信される鍵交換に関する情報を受信する(ステップS2)。通信部42により受信する鍵交換に関する情報には、上述した鍵交換処理の実行可否情報、特定情報、交換目的および備考情報を含む交換情報、担当者情報、日時情報などが含まれる。そして、制御部40は、通信部42により受信した鍵交換に関する情報に基づき、鍵交換処理の実行が可能とされたホルダ21については鍵交換処理を実行可能な状態に設定し、また、鍵交換処理の実行が不可とされたホルダ21については鍵交換処理を実行不可な状態に設定する。
【0070】
制御部40は、担当者の認証処理を実行し、認証された担当者の情報を通信部42により受信した担当者情報と照合し、さらに、現在の日時が、通信部42により受信した日時情報の期間内にあるかなど、鍵交換条件を満たしているか判断する(ステップS3)。
【0071】
制御部40は、例えば、担当者が異なっていたり、鍵交換処理を行う日時が異なるために、鍵交換条件が満たされない場合(ステップS3のNO)、鍵交換処理を中止する。この際、鍵交換条件が満たされない理由を表示操作部27に表示してもよい。
【0072】
制御部40は、鍵交換条件が満たされている場合(ステップS3のYES)、担当者に対して鍵交換処理を実行させる(ステップS4)。鍵交換処理では、表示操作部27にて、使用契約の終了や解約による交換であることなどの鍵20の交換目的や、新たに連結される交換用の鍵20の番号などの備考情報など、通信部42により受信した交換情報を報知する。さらに、通信部42により受信した鍵20を交換するホルダ21を特定するための特定情報に基づき、鍵交換処理を実行可能な状態に設定されたホルダ21を収納する鍵保持部31について、錠機構32を解錠するとともにホルダ表示部35を点滅表示する。このとき、鍵交換処理を実行不可な状態に設定されたホルダ21を収納する鍵保持部31については、錠機構32を施錠状態とするとともにホルダ表示部35を消灯状態とする。
【0073】
そして、担当者は、ホルダ表示部35が点滅するホルダ21を鍵保持部31から取り出す。
【0074】
ここで、担当者は、鍵交換する部屋15の場所に行き、取り出したホルダ21の鍵20で該当する部屋15の扉を解錠し、扉に取り付けられている以前の錠前を外し、新たな交換用の錠前に交換し、新たな交換用の鍵20で施錠した後、鍵管理装置10の場所に戻るようにしてもよい。
【0075】
その後、担当者は、解除部36のカバーを開けてホルダ21を挿入する。
【0076】
解除部36にホルダ21が挿入されると、解除部36のリーダライタによりホルダ21のICタグの情報を読み取る。制御部40は、読み取ったホルダ21のICタグの情報から、通信部42により受信した特定情報のホルダ21か否かを確認する。
【0077】
制御部40は、仮に、通信部42により受信した特定情報のホルダ21でない場合、つまり鍵交換処理を実行可能な状態に設定されたホルダ21ではなく、鍵交換処理を実行不可な状態に設定されたホルダ21である場合には、例えば、表示操作部27にて、通信部42により受信した特定情報のホルダ21を解除部36に挿入するように促す。
【0078】
制御部40は、通信部42により受信した特定情報のホルダ21である場合、つまり鍵交換処理を実行可能な状態に設定されたホルダ21である場合、解除部36によりホルダ21のロックを解除して鍵20を交換可能な状態とする。
【0079】
そして、担当者は、交換可能な状態となったホルダ21を解除部36から取り出し、ホルダ21に対して、以前の鍵20を外し、新たな交換用の鍵20に交換し、ホルダ21をロック状態に戻し、ホルダ21で新たな交換用の鍵20を保持する状態とする。この鍵20の交換の際、担当者は、表示操作部27に表示された交換情報から新たに連結される交換用の鍵20の番号を見て、交換しようとする鍵20の番号が一致しているか確認することができ、鍵20の交換間違いを防止できる。
【0080】
なお、部屋15の錠前の交換は、上述した鍵交換するホルダ21を鍵保持部31から取り出した時点でなく、交換可能な状態となったホルダ21を解除部36から取り出した後に行ってもよい。この場合、以前の鍵20および新たな交換用の鍵20を持って鍵交換する部屋15の場所に行き、以前の鍵20で該当する部屋15の扉を解錠し、扉に取り付けられている以前の錠前を外し、新たな交換用の錠前に交換し、新たな交換用の鍵20で施錠した後、鍵管理装置10の場所に戻るようにすればよい。
【0081】
その後、担当者は、鍵交換したホルダ21を、ホルダ表示部35が点滅表示されている元の鍵保持部31に挿入して戻す。
【0082】
鍵保持部31にホルダ21が挿入されると、鍵保持部31の検知部33でホルダ21の挿入を検知するとともにリーダライタ34でホルダ21のICタグの情報を読み取る。制御部40は、鍵交換処理されたホルダ21が挿入されたことを確認することにより、錠機構32によりホルダ21を施錠し、鍵交換処理を完了する(ステップS5のYES)。
【0083】
その後、通信部42により受信した鍵交換に関する情報に紐付けたうえで、通信部42により鍵交換処理の完了情報を外部端末16に送信する(ステップS6)。外部端末16では、鍵管理装置10から送信される鍵交換処理の完了情報を受信し、登録情報を更新する。
【0084】
この鍵交換処理時において、鍵保持部31から鍵交換するホルダ21が取り出された際、解除部36に鍵交換するホルダ21が挿入された際および鍵交換後のホルダ21が取り出された際、鍵保持部31に鍵交換後のホルダ21が挿入された際、これらを検知し、担当者の情報や日時情報などを含む履歴を記憶部41に記憶する。
【0085】
そして、以上のように構成された鍵管理装置10では、通信部42により外部端末16から受信した情報に基づき、鍵交換処理を実行可能なホルダ21を設定するため、鍵交換を行うべき適切な条件の変化にも対応でき、鍵交換を行うべき条件をより柔軟に設定可能とすることができる。これにより、他の使用者が使用契約中の鍵20を誤って交換してしまうのを防止できる。
【0086】
また、通信部42により受信する情報にて鍵交換処理の実行が可能とされたホルダ21について、鍵交換処理を実行可能な状態に設定するため、鍵交換を行うべきホルダ21の鍵交換処理ができる。
【0087】
また、通信部42により受信する情報にて鍵交換処理の実行が不可とされたホルダ21について、鍵交換処理を実行不可な状態に設定するため、鍵交換が不要なホルダ21の鍵交換処理を誤って行ってしまうのを防止できる。
【0088】
また、鍵交換処理が実行されたホルダ21については、鍵交換処理が実行不可な状態に設定する。例えば、通信部42により受信した情報に基づき、再び鍵交換処理を実行可能なホルダ21を設定するまでの間は、鍵交換処理が実行不可な状態に設定する。これにより、必要のないホルダ21が鍵交換処理されるのを防止できる。
【0089】
また、操作部27bによる鍵交換メニューが選択された際に、通信部42により、外部端末16に情報を問い合わせ、外部端末16からの情報を受信するため、鍵交換処理の前に最新の情報を取得することができ、鍵交換を行うべき条件をより柔軟に設定可能とすることができる。
【0090】
この通信部42による外部端末16への情報の問い合わせは、例えば日に1回、月に1回、トランクルーム11の営業時間帯がある場合には営業後や営業前など、定期的に外部端末16に情報を問い合わせてもよく、定期的に最新の情報に更新でき、鍵交換を行うべき条件をより柔軟に設定可能とすることができる。
【0091】
また、ホルダ21の鍵交換処理時に、通信部42により受信した交換情報、つまり使用契約の終了や解約による交換であることなどの鍵20の交換目的や、新たに連結される交換用の鍵20の番号などの備考情報を報知部44により報知するため、鍵交換処理を行う担当者は交換目的を理解し、鍵20の交換間違いを防止できる。
【0092】
また、通信部42により受信した担当者情報の担当者にのみ、鍵交換処理を実行可能とするため、例えば、担当者が誤って別のトランクルーム11に行って鍵交換処理してしまうのを防止できる。
【0093】
さらに、通信部42により受信した日時情報の期間のみ、鍵交換処理を実行可能とするため、例えば、早朝や夜間、営業時間外などの期間とすれば、使用者の少ない時間帯や使用者のいない時間帯に鍵交換処理ができる。
【0094】
また、鍵交換処理が完了した際に、通信部42により受信した情報に紐付けたうえで、通信部42により鍵交換処理の完了情報を外部端末16に送信するため、外部端末16においてホルダ21の鍵交換処理の完了情報を取得し、管理できる。
【0095】
また、例えば、使用者が鍵20を持ち帰るなどして、ホルダ21ごと紛失した場合、トランクルーム11を管理する管理センターなどで使用者からの紛失申請を受け付けることにより、紛失したホルダ21に代えて新たな交換用のホルダ21に交換するホルダ交換処理が行われる。
【0096】
この場合、外部端末16では、管理者によってホルダ交換に関する情報が登録される。ホルダ交換に関する情報には、ホルダ交換処理の実行可否を特定する情報や、新たな交換用のホルダ21のICタグの情報と鍵保持部31の情報とが紐付けられた情報が含まれる。
【0097】
制御部40では、通信部42により受信する情報にてホルダ交換処理の実行が可能とされたホルダ21について、ホルダ交換処理を実行可能な状態に設定し、また、通信部42により受信する情報にてホルダ交換処理の実行が不可とされたホルダ21について、ホルダ交換処理を実行不可な状態に設定する。
【0098】
そして、担当者は、鍵管理装置10の場所に行き、表示操作部27を操作してホルダ交換メニューを選択する。
【0099】
制御部40は、ホルダ交換メニューが選択されると、通信部42により、外部端末16にホルダ交換に関する情報を問い合わせるとともに、外部端末16から送信されるホルダ交換に関する情報を受信する。受信した情報に基づき、ホルダ交換するホルダ21を設定するとともに、このホルダ21を保持する鍵保持部31のホルダ表示部35を点滅表示する。
【0100】
担当者は、ホルダ21をホルダ表示部35が点滅する鍵保持部31に挿入する。
【0101】
鍵保持部31に挿入された新たなホルダ21のICタグの情報をリーダライタ34で読み取り、受信したホルダ交換に関する情報と照合し、合致すれば、つまりホルダ交換処理を実行可能な状態に設定されたホルダ21である場合、ホルダ21を鍵保持部31に施錠する。
【0102】
仮に、鍵保持部31に挿入された新たなホルダ21のICタグの情報をリーダライタ34で読み取り、受信したホルダ交換に関する情報と照合し、合致しなければ、つまりホルダ交換処理を実行可能な状態に設定されたホルダ21以外のホルダ交換処理を実行不可な状態に設定されたホルダ21である場合、ホルダ21を鍵保持部31に施錠する。
【0103】
したがって、通信部42により受信する情報にてホルダ交換処理の実行が可能とされたホルダ21について、ホルダ交換処理を実行可能な状態に設定するため、ホルダ交換を行うべきホルダ21のホルダ交換処理ができる。
【0104】
さらに、通信部42により受信する情報にてホルダ交換処理の実行が不可とされたホルダ21について、ホルダ交換処理を実行不可な状態に設定するため、ホルダ交換が不要なホルダ21のホルダ交換処理を誤って行ってしまうのを防止できる。
【0105】
このホルダ21の交換の場合、鍵管理装置10は「鍵を保持する複数のホルダと、前記ホルダをそれぞれ保持する複数の鍵保持部と、前記ホルダを交換するホルダ交換処理を実行させる制御部と、外部端末から送信された情報を受信する通信部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により受信した前記情報に基づき、前記ホルダ交換処理を実行可能なホルダを設定することを特徴とする鍵管理装置。」という構成を備えればよい。
【0106】
この構成により、通信部42により外部端末16から受信した情報に基づき、ホルダ交換処理を実行可能なホルダ21を設定するため、ホルダ交換を行うべき適切な条件の変化にも対応でき、ホルダ交換を行うべき条件をより柔軟に設定可能とすることができる。これにより、他のホルダ21を誤って交換してしまうのを防止できる。
【0107】
また、鍵管理装置10では、ホルダ21に関する履歴を検索して確認することができる。この際、ホルダ21の番号を検索条件として検索した場合、該当番号のホルダ21について、使用者や担当者などの操作者、操作日時、取り出しや返却あるいは交換などの操作内容の履歴を抽出することができる。ただし、関連する複数のホルダ21を検索しようとした場合には、全てのホルダ21の番号を入力しなければならないため、履歴の確認が煩雑になる。
【0108】
そこで、ホルダ21には番号とともに名称を設定する。そして、履歴を検索する際には、ホルダ21の番号の他、名称の少なくとも一部の文字を検索条件とすることにより、検索文字を含む名称が設定されたホルダ21の履歴を抽出することができ、つまり関連して名称が設定されている複数のホルダ21の履歴を一括して抽出することが可能となり、履歴の確認を容易にできる。
【0109】
また、鍵管理装置10では、外部端末16からの遠隔操作で任意のホルダ21の施錠を解除して取り出すことが可能となっている。例えば、使用者または担当者が鍵管理装置10の場所に行き、取り出したいホルダ21を電話連絡にて管理者に伝えることにより、管理者の操作で外部端末16を通じてホルダ21の遠隔解除が可能となっている。ただし、管理者が不在の場合、ホルダ21の遠隔解除ができない。
【0110】
そこで、管理者が、ホルダ21の特定情報、使用者または担当者の情報および日時情報などの使用予約情報を外部端末16に登録する。外部端末16は、解除ID(二次元コードでもよい)を記載した内容をメールで使用者または担当者に通知する。なお、メールには、鍵管理装置10の設置場所の地図情報リンク、フロアマップなどを含めてもよい。地図情報リンクがあることで使用者または担当者が初めて行く場所でもわかりやすく、フロアマップがあることで広い場所でも鍵管理装置10の場所を特定しやすくできる。
【0111】
使用者または担当者は、鍵管理装置10の場所に移動し、メールで通知された解除IDを入力する。
【0112】
鍵管理装置10は、入力された解除IDを外部端末16に問い合わせ、登録されている解除IDである場合、解除IDに紐付けされて登録されているホルダ21を解錠し、使用者または担当者がホルダ21を取り出し可能とする。
【0113】
この場合、管理者が不在で遠隔解除ができない場合でもホルダ21を使用でき、例えば期間限定でホルダ21の使用を可能とする運用にも対応できる。
【0114】
なお、鍵20は、物理鍵に限らず、カードキーや、デジタルキーでもよい。
【0115】
また、解除部36は鍵管理装置10と別体に構成されていてもよく、鍵管理システム17として解除部36を備えていればよい。
【0116】
また、本発明の鍵管理装置10は、トランクルーム11の運用に限らず、他の鍵を使用する運用にもセキュリティ性の向上のため適用してもよい。例えば、空港の個室ラウンジ、無人カラオケ店舗、無人ネットカフェ、あるいは建設機器のレンタル会社(工事期間中だけ自由にレンタルできる)など、似たような運用に本発明の鍵管理装置10を適用してもよい。
【0117】
また、鍵20を扱う鍵管理装置10に限らず、ハンコや、USBメモリおよびメモリカードなどのメモリ媒体などの物品を扱う物品管理装置でもよい。この場合、物品管理装置は「物品を保持する複数のホルダと、前記ホルダをそれぞれ保持する複数の物品保持部と、前記ホルダに保持された前記物品を交換可能にする解除部と、前記解除部を利用した物品交換処理を実行させる制御部と、外部端末から送信された情報を受信する通信部と、を備え、前記制御部は、前記通信部により受信した前記情報に基づき、前記物品交換処理を実行可能な前記ホルダを設定することを特徴とする物品管理装置。」という構成を備えればよい。
【0118】
以上、本発明の実施の形態およびその変形例について説明したが、種々の構成の組み合わせ、一部の省略、置き換えおよび変更も可能である。
【符号の説明】
【0119】
10 鍵管理装置
16 外部端末
17 鍵管理システム
20 鍵
21 ホルダ
27b 操作部
31 鍵保持部
36 解除部
40 制御部
42 通信部
44 報知部
図1
図2
図3
図4