(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174866
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】タッチパネル付き表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04886 20220101AFI20221117BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20221117BHJP
G06F 3/0485 20220101ALI20221117BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20221117BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20221117BHJP
G06F 3/023 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G06F3/0488 160
G06F3/01 560
G06F3/0485
G06F3/0484 120
G06F3/041 600
G06F3/041 640
G06F3/023 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080874
(22)【出願日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】加納 周吾
(72)【発明者】
【氏名】木村 知洋
(72)【発明者】
【氏名】臼倉 奈留
(72)【発明者】
【氏名】杉田 靖博
(72)【発明者】
【氏名】山本 琢磨
【テーマコード(参考)】
5B020
5E555
【Fターム(参考)】
5B020AA02
5B020AA12
5B020AA15
5B020CC06
5B020DD30
5E555AA02
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5E555DC13
5E555EA11
5E555EA14
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】複数のオブジェクトが表示されるタッチパネルを備える場合に、誤操作を防止することが可能なタッチパネル付き表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置100は、複数のオブジェクトが表示される第1ディスプレイ2と、第1ディスプレイ2と平面視で重なるように配置されたタッチパネル1とを備える。タッチパネル1は、複数のオブジェクトの各々における押圧を検出する押圧センサを含む。表示装置100は、複数のオブジェクトのうちの押圧が検出されたオブジェクトの機能に応じて、第2ディスプレイ3の表示を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオブジェクトが表示されるディスプレイと、
前記ディスプレイと平面視で重なるように配置されたタッチパネルであって、前記複数のオブジェクトの各々における押圧を検出する押圧センサを含む、タッチパネルと、
前記ディスプレイ及び前記タッチパネルを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数のオブジェクトのうちの押圧が検出されたオブジェクトの機能に応じて、前記ディスプレイの表示を制御する、タッチパネル付き表示装置。
【請求項2】
前記押圧センサは、押圧の大きさを少なくとも2つのレベルで検出するように構成されており、
前記制御部は、前記タッチパネルがタッチされた位置であるタッチ位置における前記押圧の大きさに基づいて、前記タッチ位置が押圧されたか否かを判別する判別部を、さらに含む、請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判別部により前記タッチ位置が押圧されたと判別された後、前記ディスプレイにガイド画像を表示させる、請求項2に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記タッチ位置の座標に基づいて、指示体の移動量を取得する移動量取得部を、さらに含み、
前記制御部は、前記移動量に応じて、前記判別部により押圧されたと判別された前記タッチ位置に対応するオブジェクトの機能を変更させる、請求項2または3に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記押圧が検出されたオブジェクト以外の少なくとも1つのオブジェクトの表示を変更し、
表示が変更されたオブジェクトの位置が押圧されたことに応じて、当該表示が変更されたオブジェクトの変更前の機能とは異なる変更後の機能を実行する、請求項1~4のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項6】
動画又は画像のコンテンツが表示されるコンテンツ用ディスプレイをさらに備え、
前記オブジェクトは、前記コンテンツのサムネイル画像を含み、
前記制御部は、押圧が検出されたサムネイル画像に対応するコンテンツを、前記コンテンツ用ディスプレイに表示させる、請求項1~5のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項7】
前記押圧センサは、押圧の大きさを少なくとも2つのレベルで検出するように構成されており、
前記制御部は、前記タッチパネルがタッチされた位置であるタッチ位置における前記押圧の大きさに基づいて、前記タッチ位置が押圧されたか否かを判別する判別部を、さらに含み、
前記制御部は、前記タッチ位置に対応するサムネイル画像に基づくプレビュー画像を、前記コンテンツ用ディスプレイに表示させる、請求項6に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項8】
前記ディスプレイは、動画又は画像のコンテンツが表示されるコンテンツ表示領域と、前記コンテンツのサムネイル画像を前記オブジェクトの一部として表示するサムネイル画像表示領域と、を含み、
前記制御部は、押圧が検出されたサムネイル画像に対応するコンテンツを、前記コンテンツ表示領域に表示させる、請求項1~5のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項9】
前記押圧センサは、押圧の大きさを少なくとも2つのレベルで検出するように構成されており、
前記制御部は、前記タッチパネルがタッチされた位置であるタッチ位置における前記押圧の大きさに基づいて、前記タッチ位置が押圧されたか否かを判別する判別部を、さらに含み、
前記制御部は、前記タッチ位置に対応するサムネイル画像に基づくプレビュー画像を、前記コンテンツ表示領域に表示させる、請求項8に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項10】
前記押圧センサは、押圧の大きさを少なくとも2つのレベルで検出するように構成されており、
前記制御部は、前記押圧が検出されたオブジェクトの機能を、押圧の大きさに応じて決定する、請求項1~9のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項11】
前記複数のオブジェクトは、画面スクロールオブジェクトを含み、
前記制御部は、前記画面スクロールオブジェクトに対する押圧の大きさが大きい程、画面スクロールの速度を高くする、請求項10に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項12】
前記タッチパネルを振動させる振動器をさらに備え、
前記制御部は、オブジェクトに対する押圧が検出された際に前記振動器により前記タッチパネルを振動させるとともに、前記オブジェクトに対する押圧の解除が検出された際に前記振動器により前記タッチパネルを振動させる、請求項1~11のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項13】
前記押圧センサは、前記ディスプレイよりも前記タッチパネルのタッチ面側に配置されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項14】
前記ディスプレイは、可撓性を有するディスプレイである、請求項1~13のいずれか1項に記載のタッチパネル付き表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチパネル付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置が知られている。このようなタッチパネル付き表示装置は、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
上記特許文献1のタッチパネル付き表示装置は、タッチスクリーンと、制御部とを含む。制御部は、タッチスクリーンにソフトウェアキーボードを表示させる。ソフトウェアキーボードは、複数のキー(複数のオブジェクト)の表示が含まれる。そして、制御部は、タッチスクリーンに表示されたキーにユーザがタッチすることに応じて、ソフトウェアキーボードに対応する入力操作を取得する。そして、制御部は、入力操作に対応する機能を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、従来の機械式キーボードを使用する場合、ユーザが押下しようとするキー以外にもユーザの手が触れる場合が多い。また、ユーザが機械式キーボードを操作していない期間にも、ユーザの手が機械式キーボード(例えば、ホームポジション)に触れる場合がある。しかしながら、上記特許文献1に記載の従来のタッチパネル付き表示装置では、タッチスクリーンにユーザの指や手の一部が触れると、ソフトウェアキーボード(オブジェクト)に対応する機能が実行され、意図しない操作(誤操作)が発生しやすくなる。
【0006】
そこで、本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数のオブジェクトが表示されるタッチパネルを備える場合でも、誤操作を防止することが可能なタッチパネル付き表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一の態様に係るタッチパネル付き表示装置は、複数のオブジェクトが表示されるディスプレイと、前記ディスプレイと平面視で重なるように配置されたタッチパネルであって、前記複数のオブジェクトの各々における押圧を検出する押圧センサを含む、タッチパネルと、前記ディスプレイ及び前記タッチパネルを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のオブジェクトのうちの押圧が検出されたオブジェクトの機能に応じて、前記ディスプレイの表示を制御する。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、複数のオブジェクトが表示されるタッチパネルを備える場合に、誤操作を防止することが可能なタッチパネル付き表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、表示装置100の一部の構成を示す断面図である。
【
図4】
図4は、押圧センサ11の構成を示す模式図である。
【
図6A】
図6Aは、第1ディスプレイ2の表示の例を示す図である。
【
図7A】
図7Aは、キー「Back」が押圧されずにタッチされた場合の第1ディスプレイ2の部分拡大図である。
【
図7C】
図7Cは、キー「Back」が押圧された場合の第1ディスプレイ2の部分拡大図である。
【
図7D】
図7Dは、
図7Cの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例を示す図である。
【
図7E】
図7Eは、タッチを解除した場合を第2ディスプレイ3の表示の例を示す図である。
【
図7F】
図7Fは、指示体がY方向に移動した状態を示す第1ディスプレイ2の拡大図である。
【
図7G】
図7Gは、
図7Fの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、キー「Tab」が押圧された場合に表示されるガイド画像の例を示す図である。
【
図8B】
図8Bは、
図8Aの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例を示す図である。
【
図9A】
図9Aは、キー「Space」が押圧された場合に表示されるガイド画像G3の例を示す図である。
【
図9B】
図9Bは、
図9Aの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例を示す図である。
【
図10A】
図10Aは、キー「Enter」が押圧された場合に表示されるガイド画像G4の例を示す図である。
【
図11A】
図11Aは、キー「<」が押圧された場合に表示されるガイド画像G5の例を示す図である。
【
図12A】
図12Aは、文字のキー「d」が押圧された場合に表示されるガイド画像G6の例を示す図である。
【
図13】
図13は、キー「Ctrl」を押圧した場合の第1ディスプレイ2の表示の例を示す図である。
【
図14】
図14は、キー「Shift」を押圧した場合の第1ディスプレイ2の表示の例を示す図である。
【
図15】
図15は、キー「Ctrl」及びキー「Alt」を押圧した場合の第1ディスプレイ2の表示の例を示す図である。
【
図16】
図16は、タッチパネル1の押圧後における指示体の移動に応じた制御処理の例を示すフロー図である。
【
図17】
図17は、複数のオブジェクトKに対する押圧が検出された場合の制御処理の例を示すフロー図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態による表示装置200の制御部206の機能ブロック図である。
【
図19A】
図19Aは、サムネイル画像及びプレビュー画像の例を説明するための図である。
【
図19B】
図19Bは、サムネイル画像を押圧した場合の第2ディスプレイ3の表示の例を示す図である。
【
図20A】
図20Aは、画面スクロールに関する制御処理を説明するためのスクロール前の第2ディスプレイ3の画面例の図である。
【
図20B】
図20Bは、低速で画面スクロール中の第2ディスプレイ3の画面例の図である。
【
図20C】
図20Cは、高速で画面スクロール中の第2ディスプレイ3の画面例の図である。
【
図21】
図21は、コンテンツを第2ディスプレイ3に表示している場合の表示装置200における制御処理のフロー図である。
【
図22】
図22は、画面スクロールに関する表示装置200における制御処理のフロー図である。
【
図23】
図23は、第3実施形態による表示装置300の平面図である。
【
図24】
図24は、第3実施形態による表示装置300の制御部306の機能ブロック図である。
【
図25】
図25は、第4実施形態による表示装置400の一部の断面図である。
【
図26】
図26は、第1~第4実施形態の変形例による表示装置500の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
【0011】
[第1実施形態]
第1実施形態によるタッチパネル付き表示装置100(以下、「表示装置100」という)の構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、表示装置100は、タッチパネル1と、第1ディスプレイ2と、第2ディスプレイ3と、振動器4と、スピーカ5と、制御部6と、タッチパネル制御回路71と、第1表示駆動回路72と、第2表示駆動回路73と、振動駆動回路74と、音声駆動回路75と、記憶部9と、を備える。
【0013】
図2は、表示装置100の平面図である。
図2に示すように、タッチパネル1は、平面視で第1ディスプレイ2と重なる位置に配置されている。また、表示装置100は、第1筐体ユニット20と第2筐体ユニット30とを含む。第1筐体ユニット20には、タッチパネル1と第1ディスプレイ2とが配置されている。第2筐体ユニット30は、第2ディスプレイ3が配置されている。第1筐体ユニット20と第2筐体ユニット30とは、例えば、ヒンジにより機械的に接続されている。表示装置100は、これに限られないが、ノートPC、モバイルPC、スマートフォン、タブレット端末、又は電子手帳として構成されている。
【0014】
図3は、表示装置100の一部の構成を示す断面図である。
図3に示すように、表示装置100は、指示体(例えば、ユーザの指やタッチペン)が接触するカバーガラス81と、タッチパネル1とカバーガラス81とを接合する接着層82aと、タッチパネル1と第1ディスプレイ2とを接合する接着層82bとを含む。接着層82a及び82cは、OCA(Optical Clear Adhesive)を含む。
【0015】
また、
図3に示すように、タッチパネル1は、押圧センサ11と、感圧層12と、基板13a及び13bとを含む。第1実施形態では、押圧センサ11は、第1ディスプレイ2よりもタッチパネル1のタッチ面側(Z方向)に配置されている。「タッチ面」とは、指示体が接触するカバーガラス81の表面である。上記の構成によれば、押圧センサ11がタッチ面に第1ディスプレイ2よりも近い位置に配置されることにより、押圧された位置を高精細に検出することができる。
【0016】
図4は、押圧センサ11の構成を示す模式図である。
図4に示すように、押圧センサ11は、複数のトランスミッタ電極11a及び複数のレシーバ電極11bを含む。複数のトランスミッタ電極11aは、基板13aにおいてY方向に並んで形成されている。複数のレシーバ電極11bは、感圧層12を介して複数のトランスミッタ電極11aに対向して形成されている。また、複数のレシーバ電極11bは、基板13bにおいてX方向に並んで形成されている。複数のトランスミッタ電極11aは、それぞれ、X方向に延びるように帯状に形成されている。複数のレシーバ電極11bは、それぞれ、Y方向に延びるように帯状にされている。複数のトランスミッタ電極11aと複数のレシーバ電極11bとは、平面視で格子状に形成されている。また、感圧層12は、高分子材料などの弾性を有する透明な材料、または、ピエゾ素子から構成される。基板13a及び13bは、例えば、PET(polyethylene terephthalate)のフィルムから構成される。
【0017】
また、
図4に示すように、複数のトランスミッタ電極11aは、それぞれ、フレキシブルプリント基板14aを介して、タッチパネル制御回路71に接続されている。また、複数のレシーバ電極11bは、それぞれ、フレキシブルプリント基板14bを介して、タッチパネル制御回路71に接続されている。タッチパネル制御回路71は、制御部6(
図1参照)に接続されている。
【0018】
図1に示す振動器4は、例えば、第1筐体ユニット20内(
図2参照)に配置されている。振動器4は、振動駆動回路74からの駆動信号に応じて、タッチパネル1(第1筐体ユニット20)を振動させることにより、タッチパネル1にタッチするユーザに振動を伝達させる。スピーカ5は、音声駆動回路75からの駆動信号に応じて、音声を出力する。
【0019】
図1に示すタッチパネル制御回路71は、制御部6からの指令に応じて、タッチパネル1のトランスミッタ電極11aに駆動信号を供給するとともに、レシーバ電極11bから検出信号を受信する。ここで、指示体がタッチパネル1にタッチすると、指示体とトランスミッタ電極11aとが容量結合し、トランスミッタ電極11aとレシーバ電極11bとの間の電荷量が変化する。また、指示体による押圧の大きさ(圧力の大きさ)が大きい程、
図3に示すトランスミッタ電極11aとレシーバ電極11bとの距離dは、小さくなる。このため、指示体によりタッチパネル1が押圧されると、トランスミッタ電極11aとレシーバ電極11bとの間の電荷量が変化し、押圧の大きさが大きい程、電荷量の変化量は大きくなる。そして、電荷量が変化すると、検出信号の波形が変化する。タッチパネル制御回路71は、検出信号の変化に基づいて、押圧の大きさを算出する。そして、タッチパネル制御回路71は、押圧の大きさを、制御部6に出力する。タッチパネル制御回路71は、押圧の大きさを、後述する所定の閾値以上のレベルと、所定の閾値未満のレベルとの少なくとも2つのレベルのうちのいずれかで出力する。すなわち、押圧センサ11は、押圧の大きさを少なくとも2つのレベルで検出するように構成されている。また、押圧センサ11による押圧の大きさの検知(圧力検知)の方式は、静電容量方式とピエゾ方式とのうちのいずれか、又はこれらの方式の組み合わせを用いることができる。「静電容量方式」とは、トランスミッタ電極11aとレシーバ電極11bとの間の静電容量の変化による電荷量の変化に基づいて、押圧の大きさを検出する方式である。「ピエゾ方式」とは、トランスミッタ電極11aとレシーバ電極11bとの間の感圧層12がピエゾ素子を含み、ピエゾ素子における圧電効果によるトランスミッタ電極11aとレシーバ電極11bとの間の電荷量の変化に基づいて、押圧の大きさを検出する方式である。
【0020】
また、タッチパネル制御回路71は、複数のトランスミッタ電極11aの各々に、順次駆動信号を供給するとともに、複数のレシーバ電極11bの各々から検出信号を受信する。そして、タッチパネル制御回路71は、検出信号に基づいて、指示体がタッチした位置(タッチ位置の座標)と、各タッチ位置における押圧の大きさとを算出する。そして、タッチパネル制御回路71は、タッチ位置の座標と、当該座標における押圧の大きさとを、制御部6に出力する。
【0021】
また、第1表示駆動回路72は、制御部6からの指令に応じて、第1ディスプレイ2にゲート信号及びデータ信号を供給することにより、第1ディスプレイ2上に画像または映像を表示させる。また、第2表示駆動回路73は、制御部6からの指令に応じて、第2ディスプレイ3にゲート信号及びデータ信号を供給することにより、第2ディスプレイ3上に画像または映像を表示させる。振動駆動回路74は、制御部6からの指令に応じて、振動器4に駆動信号を供給して、振動器4を振動させる。音声駆動回路75は、制御部6からの指令に応じて、スピーカ5に駆動信号を供給して、スピーカ5から音声を出力させる。
【0022】
図1に示す記憶部9は、例えば、SSD(Solid State Drive)又はHDD(hard disk drive)を含む。記憶部9には、制御部6が実行するオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムを含む制御プログラムが記憶されている。アプリケーションプログラムは、文書編集、動画再生、及び写真画像表示に関するアプリケーションプログラムを含む。また、記憶部9には、映像、複数の写真及び音声を含む複数のコンテンツ(データ)が記憶されている。以下の説明では、オペレーティングシステムとして、Windows(登録商標)を用いた例として説明しているが、本開示はこれに限られない。例えば、Windows以外のオペレーティングシステムとして、MacOS(登録商標)、Linux(登録商標)、iOS(登録商標)、及びAndroid(登録商標)等の任意のオペレーティングシステムを用いることができる。すなわち、キーボード配列、キーの機能、及びショートカットキーの機能は、Windowsの例に限られず、制御部6が実行するオペレーティングシステムに応じて適宜、変形されてもよい。
【0023】
図5は、制御部6の機能ブロック図である。
図5に示すように、制御部6は、制御プログラムを実行することにより、センサ制御部61と、表示制御部62と、移動量取得部63と、振動制御部64と、音声制御部65として機能する。
【0024】
センサ制御部61は、タッチパネル制御回路71からタッチ位置の座標と、各座標における押圧の大きさとを取得する。そして、センサ制御部61は、タッチ位置における押圧の大きさに基づいて、タッチパネル1が押圧されたか否かを判別する判別部として機能する。例えば、センサ制御部61は、押圧の大きさが所定の閾値以上の場合、押圧されたと判別し、押圧の大きさが所定の閾値未満の場合、押圧されずにタッチされている(フェザータッチである)と判別する。センサ制御部61は、押圧の大きさが所定の閾値以上の状態から所定の閾値未満の状態に変化した場合、変化したタッチ位置における押圧が解除されたものと判別する。この構成によれば、閾値を適切に設定することにより、ユーザが押圧を意図せずにタッチパネル1に触れているフェザータッチと、ユーザによる特定の位置に対する意図的な押圧とを、押圧センサ11からの検出信号を用いて判別することができる。この結果、押圧センサ11とは別個にタッチ位置センサをタッチパネル1に設ける必要がないので、タッチパネル1の構成を簡素化することが可能となる。
【0025】
振動制御部64は、タッチパネル1が押圧されたとセンサ制御部61が判別した際に、振動器4によりタッチパネル1を振動させるとともに、タッチパネル1への押圧が解除されたとセンサ制御部61が判別した際に、振動器4によりタッチパネル1を振動させる。これにより、ユーザは、タッチパネルに対する押圧が表示装置100により検出されたか、または、押圧の解除が表示装置100により検出されたかを、振動により認識することができる。
【0026】
音声制御部65は、コンテンツを再生する際に、スピーカ5から音声(音楽)を出力させる。
【0027】
図6Aは、第1ディスプレイ2の表示の例を示す図である。
図6Bは、第2ディスプレイ3の例を示す図である。
図6Aに示すように、表示制御部62は、第1ディスプレイ2に、ソフトウェアキーボード(複数のオブジェクトK)及びトラックパッドの画像を表示する。そして、表示制御部62は、複数のオブジェクトKのうちの、押圧が検出されたオブジェクトK(例えば、
図6AのオブジェクトK1)の機能に応じて、第2ディスプレイ3の表示を制御する。この構成によれば、タッチパネル1がタッチされただけでなく、ユーザが意図的にタッチパネル1を押圧した場合に、オブジェクトKの機能が実行される。これにより、複数のオブジェクトKが表示されるタッチパネル1を備える場合に、ユーザによる誤操作を防止することができる。
【0028】
図6Aでは、キー「a」(オブジェクトK1)の位置が押圧されている一方、キー「z」(オブジェクトK2)の位置がタッチされているものとする。また、キー「z」は押圧されていない。この場合、表示制御部62は、キー「a」に対する押圧を検出したことに応じて、
図6Bに示すように、第2ディスプレイ3に「a」を表示させる。また、表示制御部62は、
図6Aに示すように、押圧されたキー「a」を強調表示する。例えば、「a」以外のキーとは異なる色彩(暗い色)により表示する。これにより、キーが凹んだように視認される。また、
図6Aに示すように、表示制御部62は、キー「z」には、タッチが検出されている一方、押圧が検出されていない場合には、
図6Bに示すように、第2ディスプレイ3には、「z」は表示されない(入力されない)。また、
図6Aに示すように、表示制御部62は、キー「z」を強調表示する。例えば、強調表示の方法は、押圧の有無に応じて変更されてもよい。例えば、表示制御部62は、押圧されずにタッチされたキー(オブジェクトK2)は、他のキーよりも明るい色彩により第1ディスプレイ2に表示させ、押圧されたキー(オブジェクトK1)は、他のキーよりも暗い色彩により第1ディスプレイ2に表示させる。これにより、ユーザは、第1ディスプレイ2の表示を視ることにより、自身がタッチしているキー(オブジェクトK1及びK2)が、押圧した状態であるか、又は押圧していない状態であるかを認識することが可能となる。この結果、誤入力をさらに防止することができる。
【0029】
(押圧後における指示体の移動に応じた制御処理)
次に、
図7A~
図13を参照して、ユーザによるタッチパネル1の押圧後における指示体の移動に応じた制御処理について説明する。
【0030】
〈キー「Back」の例〉
まず、
図7A~
図7Gを参照して、キー「Back」(キー「Backspace」)に関する制御部6による制御処理の例を説明する。
【0031】
図7Aは、キー「Back」が押圧されずにタッチされた場合の第1ディスプレイ2の部分拡大図である。
図7Bは、
図7Aの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例である。なお、
図7A、後述する
図7C及び
図7F中の点線は、指示体の位置を示すものとして記載している。
図7Aに示すように、キー「Back」がタッチされることにより、表示制御部62は、第1ディスプレイ2において、キー「Back」を強調表示する。例えば、
図7Bに示すように、第2ディスプレイ3には、3行の「Touch」という文字が表示された状態であり、カーソルは3行目の「Touch」の後ろに位置しているものとする。
【0032】
図7Cは、キー「Back」が押圧された場合の第1ディスプレイ2の部分拡大図である。
図7Dは、
図7Cの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例である。
図7Eは、タッチを解除した場合の第2ディスプレイ3の表示の例である。ここで、
図7Cに示すように、表示制御部62は、キー「Back」が押圧された場合に、第1ディスプレイ2にガイド画像Gを表示させる。ガイド画像Gは、指示体を移動させる方向を示す図であり、例えば、キー「Back」から左方向に延びる「矢印」の図形を含む。これにより、ユーザは、ガイド画像Gの表示に従って容易に操作することができる。
【0033】
ここで、移動量取得部63(
図5参照)は、タッチ位置の座標に基づいて、指示体の移動量を取得する。移動量取得部63は、タッチパネル1が押圧されたタッチ位置の座標から、X方向のスライド移動量(座標の変化)と、Y方向のスライド移動量(座標の変化)とを取得する。表示制御部62は、取得した移動量に応じて、オブジェクトKの機能を変更させる。例えば、
図7Cに示すように、キー「Back」が押圧された後、タッチ位置の座標が、ガイド画像Gに沿ってX方向に移動した場合、表示制御部62は、X方向の移動量が大きい程、「Back」の機能が適用される範囲(選択範囲)を大きくする。
図7Dのハッチングで示された部分が選択範囲である。例えば、X方向の移動量が小さい場合、「h」のみが選択範囲となり、X方向の移動量が大きい場合「Touch」が選択範囲となる、そして、
図7Eに示すように、表示制御部62は、タッチが解除されたこと(指示体がタッチパネル1から離れたこと)に応じて、「Back」の機能を実行して、3行目の「Touch」が削除される。
【0034】
図7Fは、指示体がY方向に移動した状態を示す第1ディスプレイ2の拡大図である。
図7Fでは、指示体がガイド画像G1に沿ってX方向に(2文字分)移動した後、Y方向に(1行分)移動した状態を示している。
図7Gは、
図7Fの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例である。すなわち、最下行の「Touch」は選択範囲となり、この選択範囲に加えて、最下行の1つ上の行では2文字「ch」が選択範囲となっている。このように、表示制御部62は、Y方向の移動量に応じて、
図7Gに示すように、「Back」の機能が適用される行の範囲(選択範囲)を変更する。これにより、指示体の移動量に応じて、押圧されたオブジェクトKの機能を変更することができるので、指示体とは別個にマウスなどの物理入力装置が不要になる。このため、指示体と物理入力装置とを持ち替える必要がなくなるので、表示装置100の操作性を向上させることができる。さらに、物理入力装置を配置するスペースが不要になる。
【0035】
〈キー「Tab」の例〉
次に、
図8A及び
図8Bを参照して、キー「Tab」に関する制御部6による制御処理の例を説明する。
図8Aは、キー「Tab」が押圧された場合に表示されるガイド画像の例を示す図である。
図8Bは、
図8Aの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例である。
図8Aに示すように、キー「Tab」が押圧されることにより、表示制御部62は、第1ディスプレイ2において、キー「Tab」を強調表示するとともに、ガイド画像G2を表示する。ガイド画像G2は、例えば、キー「Tab」から右方向に延びる「矢印」の図形を含む。そして、表示制御部62は、指示体の移動量を取得して、移動量が大きい程、キー「Tab」の機能(例えば、インデントを増やす機能)を大きくする。そして、表示制御部62は、タッチが解除されたことに応じて、3行目の「Touch」の前に、指示体の移動量に応じた大きさの空白(
図8B中ではハッチングとして図示)を挿入する。
【0036】
〈キー「Space」の例〉
次に、
図9A及び
図9Bを参照して、キー「Space」に関する制御部6による制御処理の例を説明する。
図9Aは、キー「Space」が押圧された場合に表示されるガイド画像G3の例を示す図である。
図9Bは、
図9Aの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例である。
図9Aに示すように、キー「Space」が押圧されることにより、表示制御部62は、第1ディスプレイ2において、キー「Space」を強調表示するとともに、ガイド画像G3を表示する。ガイド画像G3は、例えば、キー「Space」から左方向と右方向との各々に延びる「矢印」の図形を含む。そして、表示制御部62は、指示体の移動量を取得して、移動量が大きい程、挿入される空白の大きさを大きくする。そして、
図9Bに示すように、表示制御部62は、タッチが解除されたことに応じて、3行目の「u」と「c」との間に、指示体の移動量に応じた大きさの空白(
図9B中ではハッチングとして図示)を挿入する。
【0037】
〈キー「Enter」の例〉
次に、
図10A及び
図10Bを参照して、キー「Enter」に関する制御部6による制御処理の例を説明する。
図10Aは、キー「Enter」が押圧された場合に表示されるガイド画像G4の例を示す図である。
図10Bは、
図10Aの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例である。
図10Aに示すように、キー「Enter」が押圧されることにより、表示制御部62は、第1ディスプレイ2において、キー「Enter」を強調表示するとともに、ガイド画像G4を表示する。ガイド画像G4は、例えば、キー「Enter」から紙面下方向に延びる「矢印」の図形を含む。そして、表示制御部62は、指示体の移動量を取得して、移動量が大きい程、改行する数を大きくする。そして、
図10Bに示すように、表示制御部62は、タッチが解除されたことに応じて、改行を実行する。
【0038】
〈キー「<」の例〉
次に、
図11A及び
図11Bを参照して、キー「<」に関する制御部6による制御処理の例を説明する。キー「<」は、カーソル位置を左に移動させるためのキーである。
図11Aは、キー「<」が押圧された場合に表示されるガイド画像G5の例を示す図である。
図11Bは、
図11Aの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例である。
図11Aに示すように、キー「<」が押圧されることにより、表示制御部62は、第1ディスプレイ2において、キー「<」を強調表示するとともに、ガイド画像G5を表示する。ガイド画像G5は、例えば、キー「<」から左方向に延びる「矢印」の図形を含む。そして、表示制御部62は、指示体の移動量を取得して、移動量が大きい程、選択する位置(カーソル位置)をより左方向の位置に変更する。そして、
図11Bに示すように、表示制御部62は、タッチが解除されたことに応じて、選択する位置を変更する(例えば、「h」から「о」に変更する)。なお、キー「<」を例として挙げたが、他のキー「>」等においても、方向に応じたガイド画像が表示される。
【0039】
〈文字のキーの例〉
次に、
図12A及び
図12Bを参照して、文字のキーに関する制御部6による制御処理の例を説明する。
図12Aは、文字のキー「d」が押圧された場合に表示されるガイド画像G6の例を示す図である。
図12Bは、
図12Aの入力操作に対応する第2ディスプレイ3の表示の例である。
図12Aに示すように、文字のキー「d」が押圧されることにより、表示制御部62は、第1ディスプレイ2において、キー「d」を強調表示するとともに、ガイド画像G6を表示する。ガイド画像G6は、例えば、文字のキー「d」に対する大文字「D」の画像である。そして、表示制御部62は、文字の「d」から「D」の画像に向かう指示体の移動が検出された後、タッチが解除されたことに応じて、
図12Bに示すように、表示制御部62は、大文字「D」を第2ディスプレイ3に表示させる。なお、文字のキー「d」を例として挙げたが、他の文字キーも同様に大文字がガイド画像として表示される。
【0040】
(複数のオブジェクトに対する押圧による制御処理)
次に、
図13~
図15を参照して、複数のオブジェクトに対する押圧で実行される制御処理について説明する。
【0041】
第1実施形態では、制御部6は、特定のキーK11に対する押圧が検出された場合、他のオブジェクト(キーK12)の表示を変更する。そして、制御部6は、表示が変更されたオブジェクトが押圧されたことに応じて、当該オブジェクトの変更前の機能とは異なる変更後の機能を実行する。この構成によれば、複数のキーの組み合わせにより、タッチパネル1上で操作することが可能な機能の種類を増やすことができる。以下、例を挙げて説明する。
【0042】
〈キー「Ctrl」の例〉
図13は、特定のキーK11としてキー「Ctrl」を押圧した場合の第1ディスプレイ2の表示の例を示す図である。表示制御部62は、タッチパネル1上において、キー「Ctrl」の位置が押圧された場合、キー「Ctrl」の画像の色彩を変更するとともに、例えば、キーK12として、文字のキー「a」、「z」、「x」、「c」、「v」、「b」及び「y」の表示を、それぞれ、キー「All」、「Undo」、「Cut」、「Copy」、「Paste」、及び「Redo」に変更する。すなわち、文字のキーの一部が、ショートカットキーに変更される。そして、例えば、キー「All」が押圧された場合、制御部6は、第1ディスプレイ2に表示された全ての項目(例えば、全ての文字)を選択する。その他のショートカットキーによる操作機能は、公知のものであるため、説明を省略する。また、
図13では、キー「All」、「Undo」、「Cut」、「Copy」、「Paste」、及び「Redo」を例として挙げたが、本開示では、これらのキー以外のキー(ショートカットキー)が設定されてもよい。
【0043】
また、表示制御部62は、キー「Ctrl」、「All」、「Undo」、「Cut」、「Copy」、「Paste」、及び「Redo」以外のキーのコントラストを低下させる。これにより、機能が変更されたキー(ショートカットキー)が視認されやすくなる。また、キー「Ctrl」に対する押圧が解除されると、表示制御部62は、キー「All」、「Undo」、「Cut」、「Copy」、「Paste」、及び「Redo」は、文字のキー「a」、「z」、「x」、「c」、「v」、「b」及び「y」に戻す。
【0044】
〈キー「Shift」の例〉
図14は、特定のキーとしてキー「Shift」を押圧した場合の第1ディスプレイ2の表示の例を示す図である。表示制御部62は、タッチパネル1上において、キー「Shift」の位置が押圧された場合、キー「Shift」の画像の色彩を変更するとともに、例えば、アルファベット小文字のキーをアルファベット大文字のキーに変更し、数字のキーを記号のキーに変更する。また、キー「Shift」に対する押圧が解除されると、表示制御部62は、アルファベット大文字のキーをアルファベット小文字のキーに戻し、記号のキーを数字のキーに戻す。
【0045】
〈キー「Alt」の例〉
表示制御部62は、タッチパネル1上において、特定のキーとしてキー「Alt」の位置が押圧された場合、図示を省略するが、キー「Alt」の画像の色彩を変更するとともに、複数のキーをショートカットキーに変更する。
【0046】
〈キー「Ctrl」+「Alt」の例〉
図15は、特定のキーとして、キー「Ctrl」及びキー「Alt」を押圧した場合の第1ディスプレイ2の表示の例を示す図である。表示制御部62は、タッチパネル1上において、キー「Ctrl」の位置が押圧され、かつ、キー「Alt」の位置が押圧された場合、キー「Ctrl」及びキー「Alt」の画像の色彩を変更するとともに、例えば、複数のキーのうちの1つを、「タスクマネージャー(TM)」(アプリケーション管理用プログラム)を起動させるためのキーに変更する。
【0047】
〈その他の例〉
なお、本開示では、複数のオブジェクトKに対する押圧が検出された場合の制御処理は、上記の例に限られず、制御部6が実行するオペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムに応じて適宜変形されてもよい。
【0048】
(第1実施形態の表示装置による制御処理のフロー)
〈タッチパネルの押圧後における指示体の移動に応じた制御処理の例〉
図16は、タッチパネル1の押圧後における指示体の移動に応じた制御処理の例を示すフロー図である。第1実施形態による制御処理は、制御部6により実行される。なお、
図16では、キー「Back」に関する例を示すが、上記したキー「Tab」等についてもキー「Back」に関する例と同様に制御処理される。
【0049】
図16に示すように、ステップS1において、第1ディスプレイ2にソフトウェアキーボード(複数のオブジェクトK)が表示される。ステップS2において、タッチ位置及び押圧の大きさがタッチパネル制御回路71から取得される。
【0050】
ステップS3において、タッチ位置がキー「Back」の範囲内か否かが判断される。タッチ位置がキー「Back」の範囲内の場合、ステップS4において、キー「Back」を点灯させる。例えば、
図7Aの場合、他のキーよりも明るい色彩にキー「Back」の表示を変更する。タッチ位置がキー「Back」の範囲外の場合、ステップS12に進む。そして、キー「Back」が点灯している場合、ステップS12において、キー「Back」が消灯される。ステップS12の後、ステップS2に戻る。
【0051】
ステップS5において、押圧の大きさが所定の閾値以上か否かが判断される。押圧の大きさが所定の閾値以上の場合に、ステップS6において、ガイド画像Gを第1ディスプレイ2に表示する。押圧の大きさが所定の閾値未満の場合、ステップS2に戻る。
【0052】
ステップS7において、タッチ位置を繰り返し取得して、指示体の移動量を取得する。ステップS8において、移動量に応じて選択範囲が決定される(
図7D、及び
図7G参照)。ステップS9において、第2ディスプレイ3において、選択範囲に対応する表示が行われる。例えば、
図7D、及び
図7Gの例では、選択範囲に対応する文字の背景色が変更される(
図7D及び
図7Gではハッチングにより図示)。ステップS10において、タッチの解除が検出されたか否かが判断される。タッチの解除(指示体がタッチパネル1から離れたこと)が検出された場合、ステップS11に進み、ステップS11において、第2ディスプレイ3上において、選択範囲の文字が削除される。タッチの解除が検出されていない場合、ステップS7に戻る。その後、タッチパネル1の押圧後における指示体の移動に応じた制御処理は終了する。
【0053】
(複数のオブジェクトに対する押圧が検出された場合の制御処理のフロー)
図17は、複数のオブジェクトKに対する押圧が検出された場合の制御処理の例を示すフロー図である。なお、
図17では、特定のキーとして、キー「Ctrl」に関する例を示すが、上記したキー「Shift」等についても、キー「Ctrl」に関する例と同様に制御処理される。
【0054】
図17に示すように、ステップS21において、ソフトウェアキーボードが表示される。ステップS22において、タッチ位置及び押圧の大きさが取得される。
【0055】
ステップS23において、タッチ位置が特定のキー(キー「Ctrl」)の範囲内か否かが判断される。タッチ位置がキー「Ctrl」の範囲内の場合、ステップS24において、キー「Ctrl」を点灯させる。例えば、
図13の例の場合、他のキーよりも明るい色彩にキー「Ctrl」の表示が変更される。タッチ位置がキー「Ctrl」の範囲外の場合、ステップS31に進む。そして、キー「Ctrl」が点灯している場合、ステップS31において、キー「Ctrl」が消灯される。ステップS31の後、ステップS22に戻る。
【0056】
ステップS25において、キー「Ctrl」のタッチ位置における押圧の大きさが所定の閾値以上か否かが判断される。押圧の大きさが所定の閾値以上の場合に、ステップS26において、複数のキーの画像をショートカットキーの画像に変更する。押圧の大きさが所定の閾値未満の場合、ステップS22に戻る。
【0057】
ステップS27において、タッチ位置が変更されたキー(ショートカットキー)の範囲内か否かが判断される。タッチ位置が変更されたキー(ショートカットキー)の範囲内の場合に、ステップS28において、タッチ位置に対応するキーの表示が変更される。タッチ位置が変更されたキー(ショートカットキー)の範囲外の場合、ステップS32に進む。そして、タッチ位置に対応するキーの表示が変更されている場合、ステップS32において、タッチ位置に対応するキーの表示の変更が解除される(表示が元に戻される)。そして、ステップS32の後、ステップS22に戻る。
【0058】
ステップS29において、変更されたキー(ショートカットキー)のタッチ位置における押圧の大きさが所定の閾値以上か否かが判断される。押圧の大きさが所定の閾値以上の場合に、ステップS30に進み、ステップS30において、変更されたキー(ショートカットキー)の機能を実行する。押圧の大きさが所定の閾値未満の場合、ステップS22に戻る。その後、複数のオブジェクトKに対する押圧が検出された場合の制御処理は終了する。
【0059】
[第2実施形態]
次に、
図18~
図20Cを参照して、第2実施形態のタッチパネル付き表示装置200(以下「表示装置200」という)の構成について説明する。第2実施形態では、タッチパネル201により押圧が検出されたサムネイル画像P1に対応するコンテンツを、第2ディスプレイ3に表示させる。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ符号を用いる場合、第1実施形態と同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0060】
図18は、第2実施形態による表示装置200の制御部206の機能ブロック図である。
図18に示すように、制御部206は、制御プログラムを実行することにより、表示制御部262及び音声制御部265として機能する。
【0061】
図19Aは、サムネイル画像P1及びプレビュー画像P2の例を説明するための図である。
図19Bは、サムネイル画像P1を押圧した場合の第2ディスプレイ3の表示の例である。
図19Aに示すように、表示制御部262は、第2ディスプレイ3に動画コンテンツを表示させるとともに、第1ディスプレイ2のうちの第2ディスプレイ3側の部分に、オブジェクトとして動画コンテンツのサムネイル画像P1を表示させる。サムネイル画像P1とは、動画コンテンツにおける複数の場面の画像が並べて組み合わせられた画像である。また、
図19Aの画像P1aは、サムネイル画像P上において、動画コンテンツの再生位置を示す画像である。また、点線Qは、サムネイル画像P上において、指示体のタッチ位置を示している。なお、
図19Aの例では、サムネイル画像P1の例として、サムネイル画像を帯状に表示しているが、行列状(タイル状)にサムネイル画像が表示されてもよい。
【0062】
表示制御部262は、ユーザによってサムネイル画像P1が点線Qの位置においてタッチされた場合、タッチ位置に対応するサムネイル画像P1(
図19Aでは、点線Q内の星の画像)に基づくプレビュー画像P2を、第2ディスプレイ3に表示させる。例えば、表示制御部262は、第2ディスプレイ3に、画像P1aの再生位置に対応する映像(
図19Aでは、四角形の画像)を表示させる。そして、表示制御部262は、第2ディスプレイ3にプレビュー画像P2を表示させる。
【0063】
サムネイル画像P1の点線Qの位置に対応するコンテンツは、星の画像が表示される映像である。そして、
図19Bに示すように、表示制御部262は、タッチパネル1において、押圧が検出されたサムネイル画像P1の点線Qの位置に対応するコンテンツを、第2ディスプレイ3に表示させる。すなわち、表示制御部262は、動画コンテンツにおいて、星の画像が表示される映像から動画コンテンツを再生させる。また、再生位置を示す画像P1aがサムネイル画像P中において、押圧された位置に移動する。また、音声制御部265は、押圧が検出されたサムネイル画像P1の点線Qの位置に対応するコンテンツに対応する音声をスピーカ5から出力させる。これにより、サムネイル画像P1のコンテンツのうちからユーザが所望するコンテンツを、ユーザによる押圧によって容易に第2ディスプレイ3に表示させることができる。そして、ユーザはサムネイル画像P1の一部にタッチし、タッチ位置に対応したプレビュー画像P2を確認しながら、所望のプレビュー画像P2が表示された場合に、タッチパネル1を押圧すれば、ユーザの所望のコンテンツを第2ディスプレイ3に表示させることができる。なお、上記の例では、動画コンテンツを例として挙げたが、本開示では、複数の写真データにより構成された写真アルバムコンテンツに第2実施形態の内容を適用してもよい。
【0064】
図20Aは、画面スクロールに関する制御処理を説明するためのスクロール前の第2ディスプレイ3の画面例の図である。
図20Bは、低速で画面スクロール中の第2ディスプレイ3の画面例の図である。
図20Cは、高速で画面スクロール中の第2ディスプレイ3の画面例の図である。
図20Aに示すように、表示制御部262は、第1ディスプレイ2に画面スクロールを行うオブジェクト(画面スクロールオブジェクトK21)という。
【0065】
そして、表示制御部262は、画面スクロールオブジェクトK21が押圧されずにタッチされた場合、
図20Bに示すように、押圧された場合よりも低速で、第2ディスプレイ3に表示されている画像の画面スクロールを行う。そして、表示制御部262は、画面スクロールオブジェクトK21が押圧された場合、押圧されずにタッチされた場合よりも高速で、第2ディスプレイ3に表示されている画像の画面スクロールを行う。また、表示制御部262は、押圧の大きさに基づいて、画面スクロールの速度を決定する。例えば、表示制御部262は、押圧の大きさが大きい程、画面スクロールの速度を高くする。この構成によれば、ユーザの押圧する大きさに応じて、画面スクロールの速度を変更することができる。例えば、ユーザが画面スクロールの速度を高くすることを所望した場合、押圧の大きさを大きくすれば、容易に画面スクロールの速度を高くすることができる。
【0066】
(第2実施形態による表示装置の制御処理のフロー)
図21は、コンテンツを第2ディスプレイ3に表示している場合の表示装置200における制御処理のフロー図である。
【0067】
図21に示すように、ステップS41において、第2ディスプレイ3にコンテンツが表示される。ステップS42において、タッチ位置及び押圧の大きさが取得される。
【0068】
ステップS43において、タッチ位置がサムネイル画像の範囲内か否かが判断される。タッチ位置がサムネイル画像の範囲内の場合、ステップS44において、タッチされているサムネイル画像に対応するコンテンツのプレビュー画像が第2ディスプレイ3に表示される。タッチ位置がサムネイル画像の範囲外の場合、ステップS42に戻る。
【0069】
ステップS45において、サムネイル画像のタッチ位置における押圧の大きさが所定の閾値以上か否かが判断される。押圧の大きさが所定の閾値以上の場合に、ステップS46に進み、押圧の大きさが所定の閾値未満の場合に、ステップS42に戻る。そして、ステップS46において、プレビュー画像に対応するコンテンツが第2ディスプレイ3に表示される。その後、コンテンツを第2ディスプレイ3に表示している場合の表示装置200における制御処理は終了する。
【0070】
また、ステップS43においてタッチ位置がサムネイル画像の範囲外であった場合に進むステップS47において、プレビュー画像が第2ディスプレイ3に表示されているか否かが判断される。プレビュー画像が第2ディスプレイ3に表示されている場合、ステップS48においてプレビュー画像が削除される。その後、ステップS42に戻る。
【0071】
図22は、画面スクロールに関する表示装置200における制御処理のフロー図である。
【0072】
図22に示すように、ステップS61において、タッチ位置及び押圧の大きさが取得される。ステップS62において、タッチ位置が画面スクロールオブジェクトの範囲内か否かが判断される。タッチ位置が画面スクロールオブジェクトの範囲内の場合、ステップS63において、第2ディスプレイ3に表示されている画像が低速で画面スクロールされる。タッチ位置が画面スクロールオブジェクトの範囲外の場合、ステップS61に戻る。
【0073】
ステップS64において、画面スクロールオブジェクトのタッチ位置における押圧の大きさが所定の閾値以上か否かが判断される。押圧の大きさが所定の閾値以上の場合に、ステップS65に進み、押圧の大きさが所定の閾値未満の場合に、ステップS61に戻る。そして、ステップS65において、押圧の大きさに基づいて、画面スクロールの速度が決定される。例えば、押圧の大きさが大きい程、画面スクロールの速度が高く設定される。ステップS66において、第2ディスプレイ3に表示されている画像が高速(ステップS65において決定された速度)で画面スクロールされる。その後、画面スクロールに関する表示装置200における制御処理は終了する。なお、その他の構成及び効果は、第1実施形態の構成及び効果と同様である。
【0074】
[第3実施形態]
次に、
図23及び
図24を参照して、第3実施形態のタッチパネル付き表示装置300(以下「表示装置300」という)の構成について説明する。第3実施形態では、表示装置300は、単一のディスプレイ302が設けられたタブレット端末として構成されている。なお、以下の説明において、第1又は第2実施形態と同じ符号を用いる場合、第1又は第2実施形態と同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0075】
図23は、第3実施形態による表示装置300の平面図である。
図24は、第3実施形態による表示装置300の制御部306の機能ブロック図である。
図23に示すように、表示装置300には、タッチパネル301及びディスプレイ302が平面視で重ねて配置されている。
図24に示すように、制御部306は、制御プログラムを実行することにより、表示制御部362として機能する。
【0076】
表示制御部362は、
図23に示すように、ディスプレイ302のうちの一部を、オブジェクト表示領域R1としてソフトウェアキーボード及びサムネイル画像を表示させる。また、表示制御部362は、ディスプレイ302のうちの他部を、コンテンツ表示領域R2として、コンテンツを表示させる。「サムネイル画像」とは、コンテンツ表示領域R2において再生されている動画コンテンツの場面ごとに並べられた画像であり、第2実施形態において示したサムネイル画像と同様である。オブジェクト表示領域R1内には、サムネイル画像が表示されるサムネイル画像表示領域R1aが設けられている。すなわち、サムネイル画像が押圧されずにタッチされた場合、コンテンツ表示領域R2にタッチされたサムネイル画像に対応するプレビュー画像が表示される。また、サムネイル画像が押圧された場合、押圧されたサムネイル画像に対応するコンテンツが、コンテンツ表示領域R2に表示される。また、オブジェクト表示領域R1に表示されているソフトウェアキーボードは、第1実施形態において示したソフトウェアキーボードと同様に機能する。なお、その他の構成及び効果は、第1又は第2実施形態の構成及び効果と同様である。
【0077】
[第4実施形態]
次に、
図25を参照して、第4実施形態のタッチパネル付き表示装置400(以下「表示装置400」という)の構成について説明する。第4実施形態では、表示装置400には、可撓性を有するディスプレイ402が設けられている。なお、以下の説明において、第1~第3実施形態のいずれかと同じ符号を用いる場合、第1~第3実施形態のいずれかと同様の構成を示しており、特に説明がない限り先行する説明を参照する。
【0078】
図25は、第4実施形態による表示装置400の一部の断面図である。表示装置400のディスプレイ402は、例えば、タッチパネル1よりもタッチ面側(Z方向)に配置されている。ディスプレイ402は、可撓性を有し、例えば、OLED(有機発光ダイオード)、マイクロLED、QD-LED(量子ドット発光ダイオード)、及びこれらを含むディスプレイと同等の可撓性を有するディスプレイである。この構成によれば、押圧センサ11がディスプレイ402よりもタッチパネルのタッチ面とは反対側に配置されている場合でも、押圧センサ11の分解能が低下してしまうのを防止しながら、可撓性を有するディスプレイ402を介して押圧センサ11に押圧を伝達することができる。なお、その他の構成及び効果は、第1~第3実施形態のいずれかの構成及び効果と同様である。
【0079】
[変形等]
以上、上述した実施形態は本開示を実施するための例示に過ぎない。よって、本開示は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0080】
(1)上記第1~第4実施形態では、押圧センサを用いて、タッチ位置及び押圧の大きさの両方を検出する例を示したが、本開示はこれに限られない。
図26に示す変形例によるタッチパネル付き表示装置500は、ドライブ電極511a及びレシーバ電極511bを含む押圧センサ511に加えて、フローティング電極511c及びタッチ位置センサ電極511dを備える。カバーガラス81に指示体がタッチした場合、ドライブ電極511aと、フローティング電極511cとが容量結合するとともに、フローティング電極511cとタッチ位置センサ電極511dとが容量結合する。これにより、図示しないタッチパネル制御回路は、タッチ位置センサ電極511dからの検出信号に基づいて、タッチ位置を検出することが可能となる。
【0081】
(2)上記第1~第4実施形態では、押圧の大きさを閾値未満と閾値以上で2つのレベルで検出可能に押圧センサを構成する例を示したが、本開示はこれに限られない。すなわち、押圧センサを、複数の閾値を設けて3つのレベル以上で検出可能に構成してもよい。
【0082】
(3)上記第1~第4実施形態では、制御部によって押圧されたか否かを判別する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、タッチパネル制御回路により押圧されたか否かを判別してもよい。
【0083】
(4)上記第1実施形態では、ガイド画像の例として、矢印及び大文字の画像を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、三角形や円形等の図形をガイド画像として用いてもよい。
【0084】
(5)上記第2実施形態では、画面スクロールオブジェクトが押圧されずにタッチされた場合に、画面スクロールを低速で行い、画面スクロールオブジェクトが押圧された場合に、画面スクロールを高速で行う例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、画面スクロールオブジェクトが押圧されずにタッチされた場合には、画面スクロールを実行せず、画面スクロールオブジェクトが押圧された場合に、画面スクロールを実行してもよい。
【0085】
(6)上記第4実施形態では、可撓性を有するディスプレイを、タッチパネルよりもタッチ面側に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。例えば、可撓性を有するディスプレイを、タッチパネルよりもタッチ面とは反対側に配置してもよい。
【0086】
上述したタッチパネル付き表示装置は、以下のように説明することができる。
【0087】
第1の構成に係るタッチパネル付き表示装置は、複数のオブジェクトが表示されるディスプレイと、ディスプレイと平面視で重なるように配置されたタッチパネルであって、複数のオブジェクトの各々における押圧を検出する押圧センサを含む、タッチパネルと、ディスプレイ及びタッチパネルを制御する制御部と、を備え、制御部は、複数のオブジェクトのうちの押圧が検出されたオブジェクトの機能に応じて、ディスプレイの表示を制御する(第1の構成)。
【0088】
上記第1の構成によれば、タッチパネルがタッチされただけでなく、ユーザが意図的にタッチパネルを押圧した場合に、オブジェクトの機能が実行され、ディスプレイの表示に反映される。これにより、複数のオブジェクトが表示されるタッチパネルを備える場合に、誤操作を防止することができる。
【0089】
第1の構成において、押圧センサは、押圧の大きさを少なくとも2つのレベルで検出するように構成されていてもよく、制御部は、タッチパネルがタッチされた位置であるタッチ位置における押圧の大きさに基づいて、タッチ位置が押圧されたか否かを判別する判別部を、さらに含んでもよい(第2の構成)。
【0090】
上記第2の構成によれば、閾値を適切に設定することにより、ユーザが押圧を意図せずにタッチパネルに触れているフェザータッチと、ユーザによる特定の位置に対する意図的な押圧とを、押圧センサからの検出信号を用いて判別することができる。この結果、押圧センサとは別個にタッチ位置センサをタッチパネルに設ける必要がないので、タッチパネルの構成を簡素化することが可能となる。
【0091】
第2の構成において、制御部は、判別部によりタッチ位置が押圧されたと判別された後、ディスプレイにガイド画像を表示させるように構成されてもよい(第3の構成)。
【0092】
上記第3の構成によれば、ユーザは、ガイド画像の表示に従って容易に操作することができる。
【0093】
第2または第3の構成において、制御部は、タッチ位置の座標に基づいて、指示体の移動量を取得する移動量取得部を、さらに含んでもよく、制御部は、移動量に応じて、判別部により押圧されたと判別されたタッチ位置に対応するオブジェクトの機能を変更させるように構成されてもよい(第4の構成)。
【0094】
上記第4の構成によれば、指示体の移動量に応じて、押圧されたオブジェクトの機能を変更することができるので、タッチパネルとは別個にマウスなどの物理入力装置が不要になる。このため、タッチパネルと物理入力装置とを持ち替える必要がなくなるので、タッチパネル付き表示装置の操作性を向上させることができる。さらに、物理入力装置を配置するスペースが不要になる。
【0095】
第1~第4のいずれか1つの構成において、制御部は、押圧が検出されたオブジェクト以外の少なくとも1つのオブジェクトの表示を変更し、表示が変更されたオブジェクトの位置が押圧されたことに応じて、当該表示が変更されたオブジェクトの変更前の機能とは異なる変更後の機能を実行するように構成されてもよい(第5の構成)。
【0096】
上記第5の構成によれば、複数のオブジェクトに対する押圧により、タッチパネル上で操作することが可能な機能の種類を増やすことができる。また、オブジェクトの表示が他のオブジェクトに対する押圧に応じて変更するので、ユーザは変更されたオブジェクトの機能を認識することができる。
【0097】
第1~第5のいずれか1つの構成において、動画又は画像のコンテンツが表示されるコンテンツ用ディスプレイをさらに備えてもよく、オブジェクトは、コンテンツのサムネイル画像を含んでもよく、制御部は、押圧が検出されたサムネイル画像に対応するコンテンツを、コンテンツ用ディスプレイに表示させるように構成されてもよい(第6の構成)。
【0098】
上記第6の構成によれば、サムネイル画像に対応するするコンテンツを、ユーザによる押圧によって容易にコンテンツ用ディスプレイに表示させることができる。
【0099】
第6の構成において、押圧センサは、押圧の大きさを少なくとも2つのレベルで検出するように構成されていてもよく、制御部は、タッチパネルがタッチされた位置であるタッチ位置における押圧の大きさに基づいて、タッチ位置が押圧されたか否かを判別する判別部を、さらに含んでもよく、制御部は、タッチ位置に対応するサムネイル画像に基づくプレビュー画像を、コンテンツ用ディスプレイに表示させるように構成されてもよい(第7の構成)。
【0100】
上記第7の構成によれば、ユーザはタッチパネルにタッチし、タッチ位置に対応したプレビュー画像を確認しながら、所望のプレビュー画像が表示された場合に、タッチパネルを押圧すれば、ユーザの所望のコンテンツをコンテンツ用ディスプレイに表示させることができる。
【0101】
第1~第5のいずれか1つの構成において、ディスプレイは、動画又は画像のコンテンツが表示されるコンテンツ表示領域と、コンテンツのサムネイル画像をオブジェクトの一部として表示するサムネイル画像表示領域と、を含んでもよく、制御部は、押圧が検出されたサムネイル画像に対応するコンテンツを、コンテンツ表示領域に表示させるように構成されてもよい(第8の構成)。
【0102】
上記第8の構成によれば、サムネイル画像に対応するするコンテンツを、ユーザによる押圧によって容易にコンテンツ表示領域に表示させることができる。
【0103】
第8の構成において、押圧センサは、押圧の大きさを少なくとも2つのレベルで検出するように構成されていてもよく、制御部は、タッチパネルがタッチされた位置であるタッチ位置における押圧の大きさに基づいて、タッチ位置が押圧されたか否かを判別する判別部を、さらに含んでもよく、制御部は、タッチ位置に対応するサムネイル画像に基づくプレビュー画像を、コンテンツ表示領域に表示させるように構成されてもよい(第9の構成)。
【0104】
上記第9の構成によれば、ユーザはタッチパネルにタッチし、タッチ位置に対応したプレビュー画像を確認しながら、所望のプレビュー画像が表示された場合に、タッチパネルを押圧すれば、ユーザの所望のコンテンツをコンテンツ表示領域に表示させることができる。
【0105】
第1~第9のいずれか1つの構成において、押圧センサは、押圧の大きさを少なくとも2つのレベルで検出するように構成されていてもよく、制御部は、押圧が検出されたオブジェクトの機能を、押圧の大きさに応じて決定するように構成されてもよい(第10の構成)。
【0106】
上記第10の構成によれば、ユーザの押圧する大きさに応じて、オブジェクトの機能を変更することができるので、タッチパネル上に設けられるオブジェクトの機能を増加させることができる。
【0107】
第10の構成において、複数のオブジェクトは、画面スクロールオブジェクトを含んでもよく、表示制御部は、画面スクロールオブジェクトに対する押圧の大きさが大きい程、画面スクロールの速度を高くするように構成されてもよい(第11の構成)。
【0108】
上記第11の構成によれば、ユーザが画面スクロールの速度を高くすることを所望した場合、押圧の大きさを大きくすれば、容易に画面スクロールの速度を高くすることができる。
【0109】
第1~第11のいずれか1つの構成において、タッチパネルを振動させる振動器をさらに備えてもよく、制御部は、オブジェクトに対する押圧が検出された際に振動器によりタッチパネルを振動させるとともに、オブジェクトに対する押圧の解除が検出された際に振動器によりタッチパネルを振動させるように構成されてもよい(第12の構成)。
【0110】
上記第12の構成によれば、ユーザはタッチパネルに対する押圧が検出されたか、または、押圧の解除が検出されたかを、振動により認識することができる。
【0111】
第1~第12のいずれか1つの構成において、押圧センサは、ディスプレイよりもタッチパネルのタッチ面側に配置されていてもよい(第13の構成)。
【0112】
上記第13の構成によれば、押圧センサがタッチ面にディスプレイよりも近い位置に配置されることにより、押圧された位置を高精細に検出することができる。
【0113】
第1~第13のいずれか1つの構成において、ディスプレイは、可撓性を有するディスプレイである(第14の構成)。
【0114】
上記第14の構成によれば、押圧センサがディスプレイよりもタッチパネルのタッチ面とは反対側に配置されている場合でも、押圧センサの分解能が低下してしまうのを防止しながら、可撓性を有するディスプレイを介して押圧センサに押圧を伝達することができる。
【符号の説明】
【0115】
1,201,301…タッチパネル、2,402…第1ディスプレイ、3,302…第2ディスプレイ、4…振動器、6,206,306,406…制御部、11,511…押圧センサ、61…センサ制御部、62,262…表示制御部,63…移動量取得部,64…振動制御部、65,265…音声制御部、71…タッチパネル制御回路、100,200,300,400,500…タッチパネル付き表示装置