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  • 特開-組織の核の分離方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174877
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】組織の核の分離方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/071 20100101AFI20221117BHJP
【FI】
C12N5/071
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080888
(22)【出願日】2021-05-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】521559935
【氏名又は名称】上住 聡芳
(71)【出願人】
【識別番号】521559946
【氏名又は名称】上住 円
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】上住 聡芳
(72)【発明者】
【氏名】上住 円
【テーマコード(参考)】
4B065
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065BD04
4B065BD22
4B065CA60
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、高品質の核を筋組織から分離する方法を提供することである
【解決手段】前記課題は、本発明の組織をタンパク質沈殿剤で処理する工程、及び前記組織を低張液に浸漬し、ホモジナイズする工程、を含む、細胞の核の分離方法によって解決することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織をタンパク質沈殿剤で処理する工程、及び
前記組織を低張液に浸漬し、ホモジナイズする工程、
を含む、細胞の核の分離方法。
【請求項2】
前記タンパク質沈殿剤が硫酸アンモニウムである、請求項1に記載の細胞の核の分離方法。
【請求項3】
前記ホモジナイズが、ビーズ式ホモジナイザー又はポリトロンホモジナイザーによるホモジナイズである、請求項1又は2に記載の細胞の核の分離方法。
【請求項4】
前記組織が筋組織、脂肪組織、神経系組織、肝臓、腎臓、及び膵臓からなる群から選択される1つ以上の組織である、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞の核の分離方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の分離方法によって製造された細胞の核。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織の核の分離方法に関する。本発明によれば、高品質の組織の核を分離することができる。
【背景技術】
【0002】
従来の生体の臓器又は組織の遺伝子発現解析は、多数の種類の細胞が混在した臓器又は組織を解析するものであった。図1に示すように、近年、多数の種類の細胞をFACS(fluorescence-activated cell sorting)によって、細胞の種類ごとに取得し、細胞種ごとの遺伝子発現解析が可能となった(非特許文献1)。更に、最近では1つの細胞の遺伝子を解析するシングルセル解析が可能となっている(非特許文献2)。前記シングルセル解析技術は、臓器又は組織の細胞集団から、細胞を単一細胞に分離する必要があり、臓器又は組織からの単一細胞の分離は、酵素を処理することによって行われている(図1)。
一方、筋線維(筋細胞)、脂肪細胞、神経系細胞は大型のため、単一細胞に分離することが困難であった。肝臓細胞、腎臓細胞、膵臓細胞などは脆弱で酵素処理によって損傷されやすい。更に、最近、酵素処理自体が細胞に刺激を与え遺伝子発現を変化させることが明らかとなってきた(非特許文献3)。
また、筋細胞特有の問題として、多数の核を有するため、単一の筋細胞に分離しても、単一の核の遺伝子解析をすることが不可能である点が挙げられる。これらの問題を解決するために、細胞膜を溶解して、核を分離する方法が報告されている(非特許文献4;図2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ステム・セルズ(STEM CELLS)」2007年(米国)第25巻、p2448-2459
【非特許文献2】「モリキュラー・セル(Molecular Cell)」(米国)第74巻、p609-621
【非特許文献3】「セル・ステム・セル(Cell Stem Cell)」2021年(米国)第28巻、p1-11
【非特許文献4】「ネイチャー・コミュニケーションズ(nature COMMUNICATIONS)」2020年(英国)第11巻、p5102
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、非特許文献3に従って、筋組織を低張液で処理し、細胞膜を溶解して、核を分離した。しかしながら、分離した核のRNAの品質は低いものであった。
従って、本発明の目的は、高品質の核を筋組織から分離する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、高品質の核の分離方法について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、組織をタンパク質沈殿剤で処理することにより、高品質の核が分離できることを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]組織をタンパク質沈殿剤で処理する工程、及び前記組織を低張液に浸漬し、ホモジナイズする工程、を含む、細胞の核の分離方法、
[2]前記タンパク質沈殿剤が硫酸アンモニウムである、[1]に記載の細胞の核の分離方法、
[3]前記ホモジナイズが、ビーズ式ホモジナイザー又はポリトロンホモジナイザーによるホモジナイズである、[1]又は[2]に記載の細胞の核の分離方法、
[4]前記組織が筋組織、脂肪組織、神経系組織、肝臓、腎臓、及び膵臓からなる群から選択される1つ以上の組織である、[1]~[3]のいずれかに記載の細胞の核の分離方法、及び
[5][1]~[4]のいずれかに記載の分離方法によって製造された細胞の核、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の組織の核の分離方法によれば、高品質の核を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】従来の細胞種ごとの遺伝子発現解析、及びシングルセル解析を模式的に示した図である。
図2】従来の筋組織の核を分離する方法を模式的に示した図である。
図3】従来法(比較例1)によって筋組織から分離した核の電気泳動及びRIN値を示した図である。
図4】本発明の方法(実施例1)により筋組織から分離した核の電気泳動及びRIN値を示した図である。
図5】ピペッティング、ダウンス型ホモジナイザー、ビーズ式ホモジナイザー及びポリトロンホモジナイザーを用いたホモジナイズの違いによる筋組織から分離した核のDAPI核染色をフローサイトメトリーによって解析した図である。
図6】前処理の有無及び処理時間の違いによる筋組織から分離した核の電気泳動及びRIN値を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の組織の核の分離方法は、組織をタンパク質沈殿剤で処理する工程、及び前記組織を低張液に浸漬し、ホモジナイズする工程、を含む。
【0009】
《タンパク質沈殿剤処理工程》
前記タンパク質沈殿剤処理工程においては、組織をタンパク質沈殿剤で処理する。使用するタンパク質沈殿剤は、本発明の効果が得られる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば塩析に用いる硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、又は硫酸ナトリウムなどのコスモトロープの塩が挙げられる。
タンパク質沈殿剤処理工程においては、組織をコスモトロープの溶液に浸漬することによって処理する。コスモトロープ溶液の濃度は、タンパク質が沈殿される限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば下限は1M以上であり、好ましくは1.5M以上であり、より好ましくは2M以上であり、更に好ましくは2.5M以上である。上限は飽和溶液であるが、例えば5.5M以下であり、好ましくは5M以下であり、より好ましくは4.5M以下であり、更に好ましくは4M以下である。前記下限及び上限は、適宜組み合わせることができる。前記範囲であることにより、高品質の核を得ることができる。
【0010】
本発明の組織の核の分離方法に用いる組織は、特に限定されるものではないが、例えば筋組織、脂肪組織、神経系組織、肝臓、腎臓、又は膵が挙げられる。
本発明の筋組織の核の分離方法に用いる筋組織は、特に限定されるものではなく、例えば骨格筋、心筋、又は平滑筋が挙げられるが、単核である心筋又は平滑筋よりも、多核である骨格筋に適用することによって、本発明の効果が得られる。
組織を取得する由来としては、哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類、又は両生類が挙げられる。哺乳類としては、ヒト又はサルなどの霊長類、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウス等が挙げられる。鳥類としては、ニワトリ、ウズラ、アヒル、ガチョウ、ダチョウ、又はホロホロチョウが挙げられる。爬虫類としては、ワニ、カメ、又はトカゲが挙げられる。両生類としては、カエル、及びイモリが挙げられる。
【0011】
組織の処理時間は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは24時間以上であり、より好ましくは36時間以上であり、更に好ましくは48時間以上であり、更に好ましくは50時間以上である。処理時間の上限は、特に限定さないが、例えば4週間以内である。前記範囲であることにより、高品質の核を得ることができる。
処理温度も特に限定されるものではないが、例えば-20~4℃であり、ある態様では1~25℃であり、ある態様では1~20℃であり、ある態様では1~15℃であり、ある態様では1~10℃である。前記範囲であることにより、高品質の核を得ることができる。
【0012】
《ホモジェナイズ工程》
ホモジナイズ工程においては、前記処理された筋組織を低張液に浸漬し、ホモジナイズする。
前記低張液としては、筋細胞内の浸透圧よりも低い液であれば、特に限定されるものではなく、具体的な低張液としては、例えば下記の組成の低張液を用いることができる。
低張液1:250 mM sucrose, 10 mM KCl, 5 mM MgCl2, 10 mM Tris-HCl pH 8.0, 25 mM HEPES, 0.1 mM DTT, 0.1% Triton X-100, cOmplete ULTRA tablets Mini (Roche #05892970001, 1 tablet/10 mL), and 0.2 U/μL RNaseOUT (Invitrogen #10777019)
低張液2:Tris-HCl(10mM、pH7.5)、NaCl(10mM)、MgCl(3mM)、及びNonidetP40(0.1%)
【0013】
低張液の容量は、組織(例えば、骨格筋)を十分に破砕できる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば組織の体積に対して、10倍以上の容量であり、好ましくは、15倍以上の容量であり、より好ましくは18倍以上の容量であり、更に好ましくは20倍以上の容量である。低張液の容量の上限は、特に限定されないが、作業効率の観点から好ましくは50倍以下であり、より好ましくは40倍以下であり、更に好ましくは30倍以下である。
組織(例えば、骨格筋)に浸漬した後に、細切することが好ましい。細切の大きさは、特に限定されるものではないが、1~5mm立方体、好ましくは2~4mm立方体程度に細切すればよい。
【0014】
前記ホモジナイズ工程におけるホモジナイズ用器具は、特に限定されるものではないが、例えばダウンス型ホモジナイザー、ビーズ式ホモジナイザー、又はポリトロンホモジナイザーが挙げられるが、核の収率を考慮するとビーズ式ホモジナイザー、又はポリトロンホモジナイザーが好ましい。
【0015】
ダウンス型ホモジナイザーは、ガラス又はステンレス製のホモジナイザーであり、組織(例えば、骨格筋)を入れて、手動でホモジナイズする。ホモジナイズの回数は、限定されるものではないが、例えば5~60回であり、好ましくは5~30回であり、より好ましくは5~20回である。
【0016】
ビーズ式ホモジナイザーは、セラミック製、スチール製、又はガラス製などのビーズ入りのバイアルに筋細胞(例えば、骨格筋)を入れて、攪拌することによりホモジナイズする。ビーズの粒子径は、特に限定されるものではないが、例えば0.5~5mmであり、例えば0.6mm又は3mmの粒子径のビーズを用いることができる。攪拌の回数も適宜決定することができるが、例えば1000~10000rpmであり、好ましくは2000~8000rpmであり、更に好ましくは3000~6000rpmである。また、攪拌時間も特に限定されるものではないが、例えば5~30秒であり、好ましくは5~20秒である。
【0017】
ポリトロンホモジナイザーによるホモジナイズは、固定刃及び高速回転刃による機械的ひきちぎり(ローター・ステーター方式)、並びに高周波パルスエネルギーの相乗作用によるホモジナイズである。
回数数も適宜決定することができるが、例えば500~30000rpmであり、好ましくは1000~10000rpmであり、更に好ましくは1500~5000rpmである。また、回転時間も特に限定されるものではないが、例えば5~30秒であり、好ましくは5~20秒である。
【0018】
ホモジナイズされた試料は、フィルター(例えば40μm)でデブリスを除去し、核を精製する。
【0019】
精製された核は、DAPI(4´,6-diamidino-2-phenylindole)による核染色を行い、フローサイトメトリーによって確認することができる。DAPIによる核染色及びフローサイトメトリーによる確認は、例えば以下のように実施することができる。単離された核をDAPIを添加したバッファー(2μg/mL)に懸濁し、核を染色する。DAPIの蛍光をフローサイトメーター(例えば、SORP FACSAria II(BD Biosciences))によって励起・検出し、DAPI陽性の核を分取する。
【0020】
得られた核の品質は、例えばRIN(RNA integrity number)値によって測定することができる。具体的には、RNA試料を電気泳動して得られる泳動パターンを正規化し、いくつかの特徴量をニューラルネットワークに入力することで計算する。この特徴量は、客観的なデータマイニングによって選抜及び最適化されたものである。特徴量としては、Total RNA ratio(全RNAに対する18Sおよび28SrRNAの割合)、28S peak height(28SrRNAの存在量)、Fast area ratio(全RNAに対するfast area RNAの割合;fast areaは5S、5.8SrRNA、tRNAなどの低分子RNAと18SrRNAとに挟まれた比較的小さなRNA)、Marker height(数十塩基程度の非常に小さなRNA)が挙げられる。簡単には、28Sと18Sの2本のピークが明確で、18Sよりも低分子のRNAが少なければ、RIN値は大きくなる。
ソフトウエアによるRIN値の計算は、rRNAのピーク(18S及び28S)を認識し、28S/18S比を計算する。そして前記の特徴量を考慮し、1~10の数値でRIN値を決定する。例えば、RIN値を計算するソフトウエアとして、2100Bioanalyzer(Agilent社)に添付のソフトウエアが挙げられる。
【0021】
本発明の筋組織の核の分離方法によって得らえる核のRIN値は、限定されるものではないが、好ましくは3以上であり、より好ましくは3.5以上であり、更に好ましくは4以上であり、更に好ましくは4.5以上である。
【実施例0022】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
《比較例1》
本比較例では、骨格筋の筋細胞から従来法によって、骨格筋の核を分離した。
マウスから骨格筋(Sample1~6)を摘出し、低張液(Nuclei EZ Lysis Buffer;Sigma)中で氷上にて細切した。その後、ジルコニアビーズによって4600rpm,10secホモジネートした。氷上で5分インキュベート後、40mmfilterに通し、濾過液を500g,5min,4℃で遠心した。ペレットをDAPI(Dojindo,1:5000)添加のwashing buffer(2%BSA,0.2U/mL RNase inhibitor in RNase-free PBS)に懸濁し、フローサイトメーターを用いてDAPI陽性の核を分取した。
なお、Sample7は陽性コントロールであるが、核を分離せずに、骨格筋組織をlysis bufferで溶解し、精製したRNAを用いた。
【0024】
得られた核のRIN値を、以下の方法に従って測定した。単離核からtotal RNAをQiagen社のRNeasy micro kitを用いて単離・精製した。得られたRNAのRIN値をAgilent社のRNA 6000 pico kitを用いて、2100 Bioanalyzerによって測定した。
図3に記載の核のRIN値は全て1であり、高品質の核は得られなかった。
【0025】
《実施例1》
本実施例では、タンパク質沈殿剤として、硫酸アンモニウムを用いて、骨格筋の核を分離した。
マウスから骨格筋を摘出し、氷上で冷却した安定化液(3.6M ammonium sulfate,0.028M sodium citrate,0.028M EDTA,pH5.2)に浸漬させ、4℃で3日間保存した。安定化液から筋を取り出し、低張液中で氷上にて細切した。以後は比較例1と同様。
【0026】
得られた核のRIN値を、比較例1の方法に従って測定した。図4に示すように、RIN値は5.4であり、高品質の核が取得できた。なお、PCは陽性コントロールであり、比較例1の陽性コントロールと同じ方法で調製した。
【0027】
《実施例2》
本実施例では、ホモジナイズの検討を行った。ビーズ式ホモジナイザーに加えて、ピペッティング、ダウンス型ホモジナイザー、及びポリトロンホモジナイザーによるホモジナイズを行ったこと、及び硫酸アモニウム溶液に代えて、RNA Laterを用いたことを除いては、実施例1の操作を繰り返して、骨格筋の核を得た。
ピペッティング、ダウンス型ホモジナイザー、及びポリトロンホモジナイザーによるホモジナイズは以下の通り行った。ピペッティング法では、ワイドチップを用いて細切した組織を低張液中で20回ピペッティングした。ダウンス型ホモジナイザーを用いて、細切した組織を低張液中で20ストローク、ホモジネートした。ポリトロンホモジナイザーを用いて、細切した組織を低張液中で10secホモジネートした。
【0028】
得らえた核について、以下のようにDAPIによる核染色し、フローサイトメトリーによって、骨格筋の核を確認した。比較例1に記載の通り、単離核をDAPI添加washing bufferに懸濁することで核染色した。DAPIの蛍光をSORP FACSAria II(BD Biosciences)によって励起・検出し、DAPI陽性の核を分取した。
図5に示すようにピペッティングでは、ほとんど核を取得できなかった。ダウンス型ホモジナイザー、ビーズ式ホモジナイザー、及びポリトロンホモジナイザーによって、核を取得できたが、ビーズ式ホモジナイザーが最も収率が高く、ついでポリトロンホモジナイザー、そしてダウンス型ホモジナイザーの順であった。
【0029】
《実施例3》
本実施例では、前処理の検討を行った。ビーズ式ホモジナイザー及びポリトロンホモジナイザーによるホモジナイズを行ったこと、及びRNA Laterによる未処理、1日の処理、又は3日の処理を行ったことを除いては、実施例2の操作を繰り返して、骨格筋の核を得た。
得られた核について、比較例1の方法に従って、RIN値を測定した。図6に示すように、未処理の物と比較して、1日又は3日の処理によって、核のRIN値が向上した。また、1日の処理よりも3日の処理によって、核のRIN値が向上した。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の筋細胞の核の分離方法によれば、筋細胞の単一の核の遺伝子発現懐石を効率的に実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6