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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174915
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】熱成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 51/12 20060101AFI20221117BHJP
   B29C 51/10 20060101ALI20221117BHJP
   B29C 51/16 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B29C51/12
B29C51/10
B29C51/16
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080958
(22)【出願日】2021-05-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】304050369
【氏名又は名称】株式会社浅野研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺本 一典
(72)【発明者】
【氏名】高井 章伍
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AC03
4F208AD16
4F208AG03
4F208AG07
4F208AH58
4F208AR06
4F208AR12
4F208MA01
4F208MB01
4F208MB11
4F208MC01
4F208MC10
4F208MH06
(57)【要約】
【課題】
繊維成形体に対する樹脂シートの接着を安定して行うことが可能な熱成形装置を提供すること。
【解決手段】
成形空間Rを備え、成形空間Rにおいて、ロール状に巻き取られたロールシートから巻き出された樹脂シート4を成形基材に接着する熱成形装置1において、成形空間Rに成形基材を載置するための載置面521を有する基台52と、基台52の樹脂シート4を挟んだ上方において、樹脂シート4に密着して樹脂シート4を加熱する加熱面61を有する上熱板6と、成形空間Rにおいて、少なくとも成形基材と樹脂シート4の間を真空吸引する第1真空ポンプ7と、を備えること、樹脂シート4の厚みは100μm未満であること、成形基材はパルプモールド10であること。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形空間を備え、前記成形空間において、ロール状に巻き取られたロールシートから巻き出された樹脂シートを成形基材に接着する熱成形装置において、
前記成形空間に前記成形基材を載置するための載置面を有する基台と、
前記基台の前記樹脂シートを挟んだ上方において、前記樹脂シートに密着して前記樹脂シートを加熱する加熱面を有する熱板と、
前記成形空間において、少なくとも前記成形基材と前記樹脂シートの間を真空吸引する減圧手段と、
を備えること、
前記樹脂シートの厚みは100μm未満であること、
前記成形基材は繊維成形体であること、
を特徴とする熱成形装置。
【請求項2】
請求項1に記載の熱成形装置において、
前記成形基材は通気性を有すること、
前記載置面は、前記減圧手段に接続された真空通気口を備えること、
前記減圧手段は、前記載置面に載置された前記成形基材の前記通気性によって、真空通気口を通じて、前記真空吸引を行うこと、
を特徴とする熱成形装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の熱成形装置において、
前記基台は、載置面の周囲に、前記樹脂シートの表面と平行な平坦面を備えること、
前記平坦面は、前記成形基材が接着された後の前記樹脂シートの、前記成形基材の周囲に、前記成形基材を保持する保持部を形成すること、
前記成形基材は、前記保持部に保持された状態で、熱成形装置の外部に送り出されること、
を特徴とする熱成形装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の熱成形装置において、
前記樹脂シートのガラス転移温度は摂氏200度以上であること、
を特徴とする熱成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形空間を備え、成形空間において、加熱された樹脂シートを成形基材に接着する熱成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品用の包装用容器として、従来プラスチック製の容器が用いられているが、プラスチック製の容器は、廃棄された場合に自然分解されないため、環境汚染の原因になると考えられている。そのような中、廃棄されたとしても自然分解されるパルプモールド等の繊維成形体が、環境汚染を抑えることが出来るとして期待されており、食品用の包装用容器として用いられるケースが増えている。
【0003】
繊維成形体を食品用の包装容器として用いる場合、そのまま食品を充填すると、食品に含まれる水分や油分がパルプモールドに浸透して、漏れが生じるおそれがある。このため、繊維成形体の食品と接触する面に熱可塑性を有する樹脂シートを接着し、繊維成形体に耐水性や耐油性を与える処理が行われることが一般的である。また近年は、ガラス転移温度の高い樹脂シート(例えば、ガラス転移温度が摂氏200度以上の樹脂シート)が用いられ、繊維成形体の耐熱性を向上させることも行われている。
【0004】
繊維成形体への樹脂シートの接着は、一般的に以下のようにして行われる。例えば、樹脂シートの加熱を行うための加熱装置と、内部に樹脂シートと繊維成形体との接着を行う成形空間を有する熱成形装置とを並べて配置する。そして、加熱装置でガラス転移温度まで加熱した樹脂シートを、熱成形装置の成形空間に搬送し、成形空間内に配置されている繊維成形体に接着を行う。例えば、特許文献1には、成形部30とシート加熱部20とを並べ、成形対象となる樹脂成型シートSを、シート加熱部20で加熱して軟化させてから、成形部30に搬送して成形を行うことが開示されている。なお、符号は特許文献1に記載の符号を使用している。
【0005】
または、輻射加熱装置を備える熱成形装置を用いることも考えられる。この場合、まず、樹脂シートを成形空間に搬送し、成形空間内において輻射加熱装置で樹脂シートをガラス転移温度まで加熱する。その後、樹脂シートと繊維成形体を近接させ、樹脂シートを繊維成形体に接着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6852933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
樹脂シートは厚みが厚くなる分だけ製造コストが増大するため、例えば厚みが100μmのものなど、可能な限り薄いものが用いられる。このように薄い樹脂シートを、加熱装置で加熱してから熱成形装置に搬送することとすると、樹脂シートが搬送中に冷えてしまうおそれがある。樹脂シートが冷えてしまうと、繊維成形体への接着に不良が生じるおそれがあるなど、安定した接着を行うことが出来ない。
【0008】
また、成形空間内において、輻射加熱装置により樹脂シートを加熱することとすると、成形空間内の温度は、成形空間の外方ほど温度が低い傾向となり、樹脂シートを均一に加熱できないおそれがある。均一に加熱がなされていないと、接着時に樹脂シートの物性にばらつきが生じ、繊維成形体への接着に不良が生じるおそれがあるなど、安定した接着を行うことが出来ないおそれがある。
【0009】
また、ガラス転移温度の高い樹脂シート(例えば、ガラス転移温度が摂氏200度以上の樹脂シート)を用いた場合には、輻射加熱では非常に高い出力が必要となり、十分に加熱することが出来ないおそれがある。
【0010】
さらにまた、輻射加熱装置で樹脂シートをガラス転移温度まで加熱した後、樹脂シートと繊維成形体を近接させていき、樹脂シートを繊維成形体に接着することとすると、樹脂シートは、繊維成形体に接触した箇所から急激に冷めていくため、繊維成形体に接触した箇所と、繊維成形体に接触していない箇所との間に、急激な温度差が生じる。この温度差により、接着中に樹脂シートが破断し、安定した接着を行うことが出来ないおそれがある。
【0011】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、繊維成形体に対する樹脂シートの接着を安定して行うことが可能な熱成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の加熱装置は、次のような構成を有している。
【0013】
(1)成形空間を備え、前記成形空間において、ロール状に巻き取られたロールシートから巻き出された樹脂シートを成形基材に接着する熱成形装置において、前記成形空間に前記成形基材を載置するための載置面を有する基台と、前記基台の前記樹脂シートを挟んだ上方において、前記樹脂シートに密着して前記樹脂シートを加熱する加熱面を有する熱板と、前記成形空間において、少なくとも前記成形基材と前記樹脂シートの間を真空吸引する減圧手段と、を備えること、前記樹脂シートの厚みは100μm未満であること、前記成形基材は繊維成形体であること、を特徴とする。
【0014】
(1)に記載の熱成形装置によれば、熱成形装置が、樹脂シートを加熱するための熱板を有するため、従来技術のように加熱装置で加熱してから熱成形装置に搬送する必要がない。よって、樹脂シートが搬送中に冷えてしまうことを原因とした接着の不良が生じるおそれがない。厚みが100μm未満という薄い樹脂シートであっても安定して接着することが可能である。
【0015】
また、熱板は、加熱面が樹脂シートに密着して加熱するため、密着する範囲においては、樹脂シート全体を均一に加熱することができる。樹脂シートを均一に加熱することができれば、接着時に樹脂シートの物性にばらつきが生じることを防ぐことができ、成形基材(繊維成形体)への接着に不良が生じるおそれが低減される。
【0016】
さらにまた、減圧手段により成形基材(繊維成形体)と樹脂シートの間を真空吸引することが可能なため、この真空吸引により、成形基材(繊維成形体)に対して、樹脂シートを瞬時に接着することが可能となる。瞬時に接着可能なことで、樹脂シートの、成形基材(繊維成形体)に接触した箇所と、成形基材(繊維成形体)に接触していない箇所との間に温度差が生じにくく、接着中に樹脂シートが破断するおそれが低減される。
【0017】
(2)(1)に記載の熱成形装置において、前記成形基材は通気性を有すること、前記載置面は、前記減圧手段に接続された真空通気口を備えること、前記減圧手段は、前記載置面に載置された前記成形基材の前記通気性によって、真空通気口を通じて、前記真空吸引を行うこと、を特徴とする。
【0018】
(2)に記載の熱成形装置によれば、成形基材(繊維成形体)の通気性を利用して、成形基材(繊維成形体)と樹脂シートの間の真空吸引を行う。このように、成形基材(繊維成形体)を介して真空吸引を行うことで、樹脂シートは成形基材(繊維成形体)に向かって吸引されていく。よって、樹脂シートを、成形基材(繊維成形体)に対して、より確実に密着させて接着することが可能である。
【0019】
(3)(1)または(2)に記載の熱成形装置において、前記基台は、載置面の周囲に、前記樹脂シートの表面と平行な平坦面を備えること、前記平坦面は、前記成形基材が接着された後の前記樹脂シートの、前記成形基材の周囲に、前記成形基材を保持する保持部を形成すること、前記成形基材は、前記保持部に保持された状態で、熱成形装置の外部に送り出されること、を特徴とする。
【0020】
(3)に記載の熱成形装置によれば、基台が備える平坦面により、成形基材が接着された後の樹脂シートの、成形基材の周囲に、成形基材を保持する保持部が形成される。つまり、樹脂シートの接着が完了した後の成形基材は、樹脂シートに保持された状態となる。よって、樹脂シートを送り出すことで、樹脂シートの接着が完了した後の成形基材を、容易に熱成形装置の外部に送り出すことが可能である。
【0021】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の熱成形装置において、前記樹脂シートのガラス転移温度は摂氏200度以上であること、を特徴とする。
【0022】
熱板は、加熱面が樹脂シートに密着して加熱するため、樹脂シートをガラス転移点まで加熱するためには、熱板を樹脂シートのガラス転移温度と同等の温度に設定すれば足りる。よって、ガラス転移温度が摂氏200度以上と高い樹脂シートを用いる場合でも、輻射加熱を用いる場合と比べて高い出力は必要なく、樹脂シートを十分に加熱することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の熱成形装置によれば、繊維成形体に対する樹脂シートの接着を安定して行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係る熱成形装置の構成を示す断面図である。
図2図1に示す状態から、下型と上熱板とが、相互に近接し、樹脂シートを介して当接した状態を示す。
図3図2に示す状態から、第1真空ポンプと第2コンプレッサを動作させ、樹脂シートをパルプモールドに接着した状態を示す。
図4図3に示す状態から、下型と上熱板とが相互に離間し、パルプモールドが下型から離型した状態を示す。
図5図4に示すの樹脂シートを、上熱板側から見た状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態に係る熱成形装置1の構成ついて、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る熱成形装置1の構成を示す断面図である。図2は、図1に示す状態から、下型5と上熱板6とが、相互に近接し、樹脂シート4を介して当接した状態を示す。図3は、図2に示す状態から、第1真空ポンプ7と第2コンプレッサ11を動作させ、樹脂シート4をパルプモールド10に接着した状態を示す。図4は、図3に示す状態から、下型5と上熱板6とが相互に離間し、パルプモールド10が下型5から離型した状態を示す。図5は、図4に示すの樹脂シート4を、上熱板6側から見た状態を示す図である。
【0026】
本実施形態に係る熱成形装置1は、図1に示すように、下型5と、上熱板6と、からなり、下型5に載置されるパルプモールド10(繊維成形体の一例)に対して、上熱板6(熱板の一例)によって加熱されることで軟化した樹脂シート4を接着する装置である。
【0027】
パルプモールド10は、パルプ材を原料として、厚み1~3mm程度に成形された食品用の包装容器である。パルプモールド10の形状は、特に限定されないが、例えば、平面視で長円状の底部101と、底部101の周縁から立ち上がる周壁部102と、周壁部102の上端からパルプモールド10の外方に張り出すフランジ部103と、を有するものである。また、パルプモールド10の図1において上方の内面104は、パルプモールド10に充填される食品と接触する面である。なお、パルプ材としては、木材パルプの他、新聞、雑誌、又はダンボール等の古紙を使用する古紙パルプや、葦、サトウキビ等を使用する非木材パルプ等が使用される。パルプモールド10は、上記したようなパルプ材を用いた繊維の集合体であるため、通気性を有しており、樹脂シート4を接着する前においては、図1中の上面側と下面側との間を空気が通ることが出来る。
【0028】
樹脂シート4は、熱可塑性のフィルムである。素材としては、食品衛生上の基準(例えば食品衛生法に定められた基準)に合致するものであれば特に限定されないが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂;エチレン・酢酸ビニルコポリマーなどを用いることができる。
【0029】
樹脂シート4の厚みは、製造コストを抑える目的から100μm未満であることが望ましく、本実施形態においては、例えば20μmのものを用いている。なお、図面においては、樹脂シート4の厚みがパルプモールド10の厚みの半分程度であるように示しているが、これは図面を見やすくするためであり、実際の厚みとは異なる。また、樹脂シート4のガラス転移温度は、特に限定されないが、例えば摂氏200度である。ガラス転移温度が摂氏200度以上の樹脂シート4をパルプモールド10に接着することで、例えば油で揚げた高温の食品をパルプモールド10に充填することが出来るようになる。
【0030】
樹脂シート4は、巻回ロール3にロール状に巻き取られたロールシートから巻き出され、送出方向HZに沿って、熱成形装置1内に送り出される。このとき、樹脂シート4は、送出ラインFL上で、たるまないように、幅方向WD(図5参照)の両端をシートクランプ(不図示)で把持された状態である。
【0031】
樹脂シート4の、熱成形装置1内でパルプモールド10に対向する面は、パルプモールド10の内面104に接着される接着面4aである。接着面4aには、パルプモールド10との接着性を向上させるために接着層(不図示)が設けられている。この接着層は、ヒートシール剤などの熱接着性樹脂の塗布や、熱接着性樹脂を押し出しコートするなどして設けられている。
【0032】
熱成形装置1内に送り出された樹脂シート4は、熱成形装置1内において、上熱板6によってガラス転移温度まで加熱された後、図4に示すように、パルプモールド10の内面104に接着される。パルプモールド10は、樹脂シート4が接着されることで、耐水性や耐油性、耐熱性を具備する。パルプモールド10に接着された後の樹脂シート4には、図4および図5に示すように、パルプモールド10の形状に沿って賦形された成形部分41(図5においてドットを付した範囲)が形成され、さらに成形部分41の周囲に、賦形されずに残る未成形部分42(保持部の一例)が形成される。つまり、パルプモールド10の周囲に未成形部分42が形成された状態となるため、送出ラインFL上で把持された樹脂シート4は、この未成形部分42によって、図4に示すように、下型5から離型したパルプモールド10を空中で保持することが可能となる。
【0033】
次に、熱成形装置1を構成する下型5および上熱板6は、ともにエアシリンダ等の昇降手段(図示せず)によって上下方向VTに沿って移動可能となっている。図1および図4に示すのは、下型5が下限位置、上熱板6が上限位置にある状態であり、下型5と上熱板6とが、相互に離間した状態である。また、図2および図3に示すのは、下型5が上限位置、上熱板6が下限位置にある状態であり、下型5と上熱板6とが相互に近接し、樹脂シート4を介して当接した状態である。この状態において、熱成形装置1内には、密閉された成形空間Rが形成されている。そして、成形空間R内において、パルプモールド10に対する樹脂シート4の接着が行われる。
【0034】
下型5は、型枠51と、台座53と、基台52と、からなる。型枠51は、ステンレス等の金属製の部材からなっており、架台511と、架台511に立設置される周壁512とを有している。架台511は、上下方向VTに貫通する第1通気口512aを有しており、この第1通気口512aには、第1真空ポンプ7、第1コンプレッサ8が接続されている。第1真空ポンプ7は、第1通気口512aを介して、型枠51内を真空吸引可能であり、第1コンプレッサ8は、第1通気口512aを介して、型枠51内に圧空を送り込むことが可能である。架台511の上方には、周壁512に囲まれて、基台52を搭載するための台座53が固定されている。台座53は、台座53を上下方向VTに貫通する複数の連通路531を有している。台座53の上下方向VTの上側の端面には、周壁512に囲まれて、パルプモールド10を載置するための基台52が搭載されている。
【0035】
基台52は、上下方向VTの上側の端面に、パルプモールド10の形状に合わせた載置面521が穿設されている。さらに、基台52は、載置面521に開口する複数の第1真空通気口522を備える。第1コンプレッサ8によって、型枠51内に圧空が送り込まれると、連通路531および第1真空通気口522を介して、載置面521側を加圧することが出来る。図2に示す状態で、載置面521側を加圧することで、樹脂シート4を上熱板6に密着させて加熱することが可能となる。また、第1真空ポンプ7によって型枠51内が真空吸引されると、連通路531および第1真空通気口522を介して、載置面521側を真空吸引することが出来る。図2に示す状態で、載置面521側を真空吸引することで、樹脂シート4を、パルプモールド10の内面104に隙間なく接着することが可能となる。パルプモールド10は通気性を有するため、載置面521にパルプモールド10が載置されていたとしても、載置面521側の加圧および真空吸引が妨げられることがない。
【0036】
さらに、基台52は、載置面521の周囲に樹脂シート4の表面と平行な平坦面523を備えている。平坦面523は、下型5が上限位置、上熱板6が下限位置にあるときに、上熱板6とともに樹脂シート4を挟み込み、成形部分41(パルプモールド10)の周囲に未成形部分42を形成する。
【0037】
上熱板6は、下型5に、樹脂シート4を挟んで対向して位置している。下型5側の端面が、樹脂シート4を加熱するための加熱面61である。この加熱面61は、滑らかな平面とされており、樹脂シート4に密着して加熱する。上熱板6の上端部にはヒータ62が接続されている。熱成形装置1の使用中は、ヒータ62は常時動作状態にあり、このヒータ62により、加熱面61が樹脂シートのガラス転移温度(例えば摂氏約200度)まで加熱される。
【0038】
上熱板6は、第2通気口64を有しており、この第2通気口64には、第2真空ポンプ9、第2コンプレッサ11が接続されている。第2真空ポンプ9は、第2通気口64を介して、上熱板6内を真空吸引可能であり、第2コンプレッサ11は、第2通気口64を介して、上熱板6内に圧空を送り込むことが可能である。さらに、上熱板6は、加熱面61に開口する複数の第2真空通気口63を備えている。これにより、第2真空ポンプ9によって上熱板6内が真空吸引されると、第2真空通気口63を介して、加熱面61側を真空吸引することが出来る。図2に示す状態で、加熱面61側を真空吸引することで、樹脂シート4を上熱板6(加熱面61)に密着させて加熱することが可能となる。また、第2コンプレッサ11によって、上熱板6内に圧空が送り込まれると、第2真空通気口63を介して、加熱面61側を加圧することが出来る。図2に示す状態で、加熱面61側を加圧することで、樹脂シート4をパルプモールド10の内面104に瞬時に押し付け、接着することが可能となる。
【0039】
以上のような構成を有する熱成形装置1によれば、以下のようにしてパルプモールド10に樹脂シート4を接着することができる。
【0040】
まず、図1に示すように、下型5を下限位置、上熱板6を上限位置とし、下型5と上熱板6とが、相互に離間した状態で、パルプモールド10を、基台52の載置面521に載置する。このパルプモールド10を載置する作業は、作業者の手作業により行うこととしても良いし、パルプモールド10を熱成形装置1内に搬送する搬送装置を設け、当該搬送装置により、自動的に行われるものとしても良い。なお、下型5を、上下方向VTに対して垂直の方向(例えば、図1中の手前方向や奥行方向)にスライド移動が可能なものとしても良い。スライド移動可能な下型5を用いる場合には、下型5を、樹脂シート4を挟んで上熱板6と対向する位置(第1位置とする)から、下型5の上方が開放された位置(第2位置とする)にスライド移動させ、第2位置において、載置面521にパルプモールド10を載置する。その後、下型5を第1位置に戻すことで、図1に示す状態とする。このようにすることで、パルプモールド10の載置する際に、下型5と上熱板6との間に手を入れて作業する必要が無くなり、作業者の安全性が確保される。
【0041】
樹脂シート4は、巻回ロール3から巻き出された後、下型5と上熱板6との間に送り出され、載置面521に載置されたパルプモールド10の内面104に対向するように、送出ラインFL上で把持されている。なお、ヒータ62は常に動作しており、加熱面61は樹脂シート4のガラス転移温度と同等の
摂氏約200度に維持されている。
【0042】
次に、図2に示すように、下型5を上限位置、上熱板6を下限位置とすることで、下型5と上熱板6とを、相互に近接させ、樹脂シート4を介して当接させる。これにより、熱成形装置1内に密閉された成形空間Rが形成される。そして、熱成形装置1内に成形空間Rが形成された状態で、第1コンプレッサ8および第2真空ポンプ9を動作させる。第1コンプレッサ8が動作することによって、型枠51内に圧空が送り込まれ、連通路531および第1真空通気口522を介して、下型5の載置面521側が加圧される。すなわち、成形空間Rにおいて、パルプモールド10と樹脂シート4との間が加圧される。さらに、第2真空ポンプ9が動作することによって、上熱板6内が真空吸引され、第2真空通気口63を介して、上熱板6の加熱面61側が真空吸引される。すなわち、成形空間Rにおいて、加熱面61と樹脂シート4の間が真空吸引される。パルプモールド10と樹脂シート4との間が加圧されることにより、樹脂シート4が上熱板6(加熱面61)に押し付けられ、加熱面61と樹脂シート4の間が真空吸引されることにより、樹脂シート4が上熱板6(加熱面61)に隙間なく密着する。加熱面61は、ヒータ62により、樹脂シート4のガラス転移温度と同等の摂氏約200度に維持されているため、加熱面61に密着した樹脂シート4は、ガラス転移温度に達するまで加熱することが可能である。また、加熱面61が樹脂シート4に密着して加熱するため、この密着する範囲においては、樹脂シート4全体を均一に加熱することができる。
【0043】
樹脂シート4の加熱が完了すると、図3に示すように、樹脂シート4をパルプモールド10に接着する。具体的には、第1真空ポンプ7および第2コンプレッサ11を動作させる。第1真空ポンプ7が動作することによって、型枠51内が真空吸引され、連通路531および第1真空通気口522を介して、下型5の載置面521側が真空吸引される。すなわち、成形空間Rにおいて、パルプモールド10と樹脂シート4との間が真空吸引される。さらに、第2コンプレッサ11が動作することによって、上熱板6内に圧空が送り込まれ、第2真空通気口63を介して、上熱板6の加熱面61側が加圧される。すなわち、成形空間Rにおいて、加熱面61と樹脂シート4の間が加圧される。パルプモールド10と樹脂シート4との間が真空吸引されることにより、樹脂シート4を、パルプモールド10の内面104に隙間なく接着することが可能となる。さらに、加熱面61と樹脂シート4の間が加圧されることにより、樹脂シート4をパルプモールド10の内面104に瞬時に押し付け、接着することが可能となる。このように樹脂シート4を瞬時に接着可能なことで、接着中に、樹脂シート4の、パルプモールド10に接触した箇所と、パルプモールド10に接触していない箇所との間に温度差が生じにくく、接着中に樹脂シートが破断するおそれが低減される。また、加熱完了から接着までの間に、樹脂シート4またはパルプモールド10の移動がないため、樹脂シート4が冷める前に接着を完了させることが出来る。
【0044】
樹脂シート4の接着が完了すると、図4に示すように、下型5を下限位置に移動させるとともに、上熱板6を上限位置に移動させ、下型5と上熱板6とが相互に離間した状態とされる。下型5と上熱板6とが相互に離間すると、樹脂シート4は送出ラインFL上で把持されているため、樹脂シート4が接着されているパルプモールド10は、樹脂シート4の接着力によって、下型5が下降するに伴って下型5から離型される。下型5から離型されたパルプモールド10は、未成形部分42により保持されているため、樹脂シート4にぶら下がった状態となる。樹脂シート4にぶら下がった状態のパルプモールド10は、樹脂シート4が送出方向HZに沿って送り出されるに伴い、熱成形装置1の外部に送り出される。熱成形装置1の外部に送り出されたパルプモールド10は、熱成形装置1に隣接して設けられるトリミング装置(不図示)に搬送される。そして、当該トリミング装置によって、成形部分41を未成形部分42から切断することで、樹脂シート4が接着されたパルプモールド10が回収される。
【0045】
樹脂シート4が接着されたパルプモールドが送り出された後は、熱成形装置1内には、成形されていない状態の樹脂シート4が巻回ロール3から巻き出された状態となっている。よって、載置面521にパルプモールド10を載置することで、上に説明したように図1から図4に示す順で、再びパルプモールド10に対して樹脂シート4の接着を行うことが可能である。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係る熱成形装置1によれば、
(1)成形空間Rを備え、成形空間Rにおいて、ロール状に巻き取られたロールシートから巻き出された樹脂シート4を成形基材(パルプモールド10)に接着する熱成形装置1において、成形空間Rに成形基材(パルプモールド10)を載置するための載置面521を有する基台52と、基台52の樹脂シート4を挟んだ上方において、樹脂シート4に密着して樹脂シート4を加熱する加熱面61を有する熱板(上熱板6)と、成形空間Rにおいて、少なくとも成形基材(パルプモールド10)と樹脂シート4の間を真空吸引する減圧手段(第1真空ポンプ7)と、を備えること、樹脂シート4の厚みは100μm未満であること、成形基材は繊維成形体(パルプモールド10)であること、を特徴とする。
【0047】
(1)に記載の熱成形装置1によれば、熱成形装置1が、樹脂シート4を加熱するための熱板(上熱板6)を有するため、従来技術のように加熱装置で加熱してから熱成形装置に搬送する必要がない。よって、樹脂シート4が搬送中に冷えてしまうことを原因とした接着の不良が生じるおそれがない。厚みが100μm未満という薄い樹脂シート4であっても安定して接着することが可能である。
【0048】
また、熱板(上熱板6)は、加熱面61が樹脂シート4に密着して加熱するため、密着する範囲においては、樹脂シート4全体を均一に加熱することができる。樹脂シート4を均一に加熱することができれば、接着時に樹脂シート4の物性にばらつきが生じることを防ぐことができ、繊維成形体(パルプモールド10)への接着に不良が生じるおそれが低減される。
【0049】
さらにまた、減圧手段(第1真空ポンプ7)により繊維成形体(パルプモールド10)と樹脂シート4の間を真空吸引することが可能なため、この真空吸引により、繊維成形体(パルプモールド10)に対して、樹脂シート4を瞬時に接着することが可能となる。瞬時に接着可能なことで、樹脂シート4の、繊維成形体(パルプモールド10)に接触した箇所と、繊維成形体(パルプモールド10)に接触していない箇所との間に温度差が生じにくく、接着中に樹脂シート4が破断するおそれが低減される。
【0050】
(2)(1)に記載の熱成形装置1において、成形基材(パルプモールド10)は通気性を有すること、載置面521は、減圧手段(第1真空ポンプ7)に接続された真空通気口(第1真空通気口522)を備えること、減圧手段(第1真空ポンプ7)は、載置面521に載置された成形基材(パルプモールド10)の通気性によって、真空通気口(第1真空通気口522)を通じて、真空吸引を行うこと、を特徴とする。
【0051】
(2)に記載の熱成形装置1によれば、成形基材(パルプモールド10)の通気性を利用して、成形基材(パルプモールド10)と樹脂シート4の間の真空吸引を行う。このように、成形基材(パルプモールド10)を介して真空吸引を行うことで、樹脂シート4は成形基材(パルプモールド10)に向かって吸引されていく。よって、樹脂シート4を、成形基材(パルプモールド10)に対して、より確実に密着させて接着することが可能である。
【0052】
(3)(1)または(2)に記載の熱成形装置1において、基台52は、載置面521の周囲に、樹脂シート4の表面と平行な平坦面523を備えること、平坦面523は、成形基材(パルプモールド10)が接着された後の樹脂シート4の、成形基材(パルプモールド10)の周囲に、成形基材(パルプモールド10)を保持する保持部(未成形部分42)を形成すること、成形基材(パルプモールド10)は、保持部(未成形部分42)に保持された状態で、熱成形装置1の外部に送り出されること、を特徴とする。
【0053】
(3)に記載の熱成形装置1によれば、基台52が備える平坦面523により、成形基材(パルプモールド10)が接着された後の樹脂シート4の、成形基材(パルプモールド10)の周囲に、成形基材(パルプモールド10)を保持する保持部(未成形部分42)が形成される。つまり、樹脂シート4の接着が完了した後の成形基材(パルプモールド10)は、樹脂シート4に保持された状態となる。よって、樹脂シート4を送り出すことで、樹脂シート4の接着が完了した後の成形基材(パルプモールド10)を、容易に熱成形装置1の外部に送り出すことが可能である。
【0054】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の熱成形装置1において、樹脂シート4のガラス転移温度は摂氏200度以上であること、を特徴とする。
【0055】
熱板(上熱板6)は、加熱面61が樹脂シート4に密着して加熱するため、樹脂シート4をガラス転移点まで加熱するためには、熱板(上熱板6)を樹脂シート4のガラス転移温度と同等の温度に設定すれば足りる。よって、ガラス転移温度が摂氏200度以上と高い樹脂シート4を用いる場合でも、輻射加熱を用いる場合と比べて高い出力は必要なく、樹脂シート4を十分に加熱することが可能となる。
【0056】
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、熱成形装置1に隣接して設けられるトリミング装置により、成形部分41を未成形部分42から切断することとしているが、熱成形装置1にトムソン刃を設け、樹脂シート4の賦形を行うと同時にトリミングを行うこととしても良い。また、上記実施形態においては、基台52に1つのパルプモールド10を載置して、樹脂シート4の接着を行うこととしているが、複数個のパルプモールドを載置可能な基台を用い、複数個のパルプモールドに対して同時に樹脂シートの接着を行うものとしても良い。
【符号の説明】
【0057】
1 熱成形装置
4 樹脂シート
6 上熱板(熱板の一例)
7 第1真空ポンプ(減圧手段の一例)
10 パルプモールド(繊維成形体の一例)
52 基台
61 加熱面
521 載置面
R 成形空間
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-09-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
(1)成形空間を備え、前記成形空間において、ロール状に巻き取られたロールシートから巻き出された樹脂シートを成形基材に接着する熱成形装置において、前記成形空間に前記成形基材を載置するための載置面を有する基台と、前記基台の前記樹脂シートを挟んだ上方において、前記樹脂シートに密着して前記樹脂シートを加熱する加熱面を有する熱板と、前記成形空間において、少なくとも前記成形基材と前記樹脂シートの間を真空吸引する減圧手段と、前記成形空間を加圧することが可能な加圧手段と、を備えること、前記樹脂シートの厚みは100μm未満であること、前記成形基材は、通気性を有する繊維成形体であること、前記載置面は、前記減圧手段に接続された真空通気口を備えること、前記減圧手段は、前記載置面に載置された前記繊維成形体の前記通気性によって、前記真空通気口を通じて、前記真空吸引を行うこと、前記加圧手段は、前記載置面に載置された前記繊維成形体の前記通気性によって、前記真空通気口を通じて前記加圧を行い、前記樹脂シートを前記熱板に密着させて加熱することが可能であること、を特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
さらにまた、減圧手段により成形基材(繊維成形体)と樹脂シートの間を真空吸引することが可能なため、この真空吸引により、成形基材(繊維成形体)に対して、樹脂シートを瞬時に接着することが可能となる。瞬時に接着可能なことで、樹脂シートの、成形基材(繊維成形体)に接触した箇所と、成形基材(繊維成形体)に接触していない箇所との間に温度差が生じにくく、接着中に樹脂シートが破断するおそれが低減される。
さらにまた、(1)に記載の熱成形装置によれば、成形基材(繊維成形体)の通気性を利用して、成形基材(繊維成形体)と樹脂シートの間の真空吸引を行う。このように、成形基材(繊維成形体)を介して真空吸引を行うことで、樹脂シートは成形基材(繊維成形体)に向かって吸引されていく。よって、樹脂シートを、成形基材(繊維成形体)に対して、より確実に密着させて接着することが可能である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形空間を備え、前記成形空間において、ロール状に巻き取られたロールシートから巻き出された樹脂シートを成形基材に接着する熱成形装置において、
前記成形空間に前記成形基材を載置するための載置面を有する基台と、
前記基台の前記樹脂シートを挟んだ上方において、前記樹脂シートに密着して前記樹脂シートを加熱する加熱面を有する熱板と、
前記成形空間において、少なくとも前記成形基材と前記樹脂シートの間を真空吸引する減圧手段と、
前記成形空間を加圧することが可能な加圧手段と、
を備えること、
前記樹脂シートの厚みは100μm未満であること、
前記成形基材は、通気性を有する繊維成形体であること、
前記載置面は、前記減圧手段に接続された真空通気口を備えること、
前記減圧手段は、前記載置面に載置された前記繊維成形体の前記通気性によって、前記真空通気口を通じて、前記真空吸引を行うこと、
前記加圧手段は、前記載置面に載置された前記繊維成形体の前記通気性によって、前記真空通気口を通じて前記加圧を行い、前記樹脂シートを前記熱板に密着させて加熱することが可能であること、
を特徴とする熱成形装置。
【請求項2】
請求項1に記載の熱成形装置において、
前記基台は、載置面の周囲に、前記樹脂シートの表面と平行な平坦面を備えること、
前記平坦面は、前記成形基材が接着された後の前記樹脂シートの、前記成形基材の周囲に、前記成形基材を保持する保持部を形成すること、
前記成形基材は、前記保持部に保持された状態で、熱成形装置の外部に送り出されること、
を特徴とする熱成形装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の熱成形装置において、
前記樹脂シートのガラス転移温度は摂氏200度以上であること、
を特徴とする熱成形装置。