IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 国立大学法人 新潟大学の特許一覧

特開2022-174924患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム
<>
  • 特開-患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム 図1
  • 特開-患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム 図2
  • 特開-患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム 図3
  • 特開-患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム 図4
  • 特開-患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム 図5
  • 特開-患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム 図6
  • 特開-患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム 図7
  • 特開-患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174924
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20221117BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20221117BHJP
【FI】
G16H10/60
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021080973
(22)【出願日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】304027279
【氏名又は名称】国立大学法人 新潟大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】須田 剛士
(72)【発明者】
【氏名】今成 洋彰
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】電子カルテ内で患者情報と基本情報を一元管理し、医療スタッフの負担を軽減できる患者情報集約システム等を提供する。
【解決手段】患者情報集約システムが備える医療機関サーバ30は、項目別に設けられた患者への質問及び質問に対する回答を示す基本情報を取得する。医療機関サーバ30は、基本情報が示す回答に基づいて算出したスコアに基づき医療機関における対象患者の対応の必要度を評価する。医療機関サーバ30は、対象患者の電子カルテに、患者情報D1と関連付けて、基本情報と必要度とを含む関連情報D2を記録する。医療機関サーバ30は、情報端末20に、患者情報D1と関連した態様で関連情報D2を表示させることが可能である。医療機関サーバ30は、回答の内容に応じた点数と、基本情報が有する項目毎に設定された重み係数とに基づきスコアを算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
項目別に設けられた患者への質問及び前記質問に対する回答を示す基本情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記基本情報が示す前記回答に基づき、前記基本情報の対象患者の状態を示すスコアを算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記スコアと、予め定めた閾値とに基づき、医療機関における前記対象患者の対応の必要度を評価する評価手段と、
前記対象患者の電子カルテに、前記対象患者を特定するための情報を含む患者情報と関連付けて、前記基本情報と前記必要度とを含む関連情報を記録する電子カルテ管理手段と、を備え、
前記電子カルテ管理手段は、前記医療機関で使用される情報端末に、前記患者情報と関連した態様で前記関連情報を表示させることが可能であり、
前記算出手段は、前記回答の内容に応じた点数と、前記基本情報が有する項目毎に設定された重み係数とに基づき前記スコアを算出する、
患者情報集約システム。
【請求項2】
前記基本情報が有する項目、前記重み係数、及び前記閾値を含む基本条件を設定する設定手段をさらに備え、
前記基本条件は、前記必要度によって前記対応が必要であると示される前記対象患者の数が、目標患者数内に収まるように設定される、又は、前記必要度によって前記対応が必要であると示される前記対象患者の特定期間における前記医療機関への入院患者数に対する割合が目標割合に収まるように設定される、
請求項1に記載の患者情報集約システム。
【請求項3】
前記電子カルテ管理手段は、前記電子カルテに、前記対象患者に対して実際に前記医療機関で対応を行ったか否かを示す実対応情報を含む前記関連情報を記録するとともに、前記関連情報の履歴を記録し、
前記設定手段は、前記評価手段によって評価された前記必要度と、前記実対応情報とに基づき、前記基本条件を再設定可能である、
請求項2に記載の患者情報集約システム。
【請求項4】
前記設定手段は、
前記基本情報に設ける候補項目として予め用意した所定数の項目から複数の項目を選択するとともに、選択した前記複数の項目毎に前記重み係数を設定する第1設定手段と、
ROC曲線に基づいて定められたカットオフ値を前記閾値として設定する第2設定手段と、を備え、
前記第1設定手段は、病態を呈した症例と呈さなかった症例との間で行った単変量解析の結果に基づいて前記所定数の項目から有意項目を抽出し、抽出した有意項目を用いた多変量解析の結果に基づいて前記複数の項目を選択するとともに前記重み係数を設定する、
請求項2又は3に記載の患者情報集約システム。
【請求項5】
前記電子カルテ管理手段は、前記対象患者に対して行う手順を示す複数のステップ画像を、前記患者情報と関連した態様で前記情報端末に表示させることが可能であり、
前記複数のステップ画像は、それぞれの表示態様の変化により前記手順の進捗状況を把握させ、前記基本情報を取得したか否かを報知可能な第1画像と、前記評価手段によって評価された前記必要度を報知可能な第2画像とを含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の患者情報集約システム。
【請求項6】
前記手順は、診療報酬の加算要件を満たすために必要な手順を含む、
請求項5に記載の患者情報集約システム。
【請求項7】
前記基本情報を得るための質問票は、紙のマークシート、又は、携帯端末で回答可能なデータとして回答者に提供され、
前記取得手段は、前記マークシートをスキャンして得られる電子データ、又は前記携帯端末に表示された識別情報をスキャンして得られる電子データに基づき、前記基本情報を取得する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の患者情報集約システム。
【請求項8】
前記電子カルテ管理手段は、過去に前記医療機関を受診したことがある前記対象患者に対しては、項目別に設けられた前記質問のうち前回と変更点がないと想定される質問については回答済の態様の前記質問票を前記電子カルテに基づいて作成して出力可能である、
請求項7に記載の患者情報集約システム。
【請求項9】
項目別に設けられた患者への質問及び前記質問に対する回答を示す基本情報を取得するステップと、
取得した前記基本情報が示す前記回答に基づき、前記基本情報の対象患者の状態を示すスコアを算出する算出ステップと、
算出された前記スコアと、予め定めた閾値とに基づき、医療機関における前記対象患者の対応の必要度を評価するステップと、
前記対象患者の電子カルテに、前記対象患者を特定するための情報を含む患者情報と関連付けて、前記基本情報と前記必要度とを含む関連情報を記録するステップと、
前記医療機関で使用される情報端末に、前記患者情報と関連した態様で前記関連情報を表示させるステップと、を備え、
前記算出ステップでは、前記回答の内容に応じた点数と、前記基本情報が有する項目毎に設定された重み係数とに基づき前記スコアを算出する、
患者情報集約方法。
【請求項10】
コンピュータを、
項目別に設けられた患者への質問及び前記質問に対する回答を示す基本情報を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した前記基本情報が示す前記回答に基づき、前記基本情報の対象患者の状態を示すスコアを算出する算出手段、
前記算出手段によって算出された前記スコアと、予め定めた閾値とに基づき、医療機関における前記対象患者の対応の必要度を評価する評価手段、
前記対象患者の電子カルテに、前記対象患者を特定するための情報を含む患者情報と関連付けて、前記基本情報と前記必要度とを含む関連情報を記録する電子カルテ管理手段、として機能させるプログラムであって、
前記電子カルテ管理手段は、前記医療機関で使用される情報端末に、前記患者情報と関連した態様で前記関連情報を表示させることが可能であり、
前記算出手段は、前記回答の内容に応じた点数と、前記基本情報が有する項目毎に設定された重み係数とに基づき前記スコアを算出する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、医療機関内のネットワークに接続された患者情報登録端末が、患者情報を蓄積する複数のデータベースサーバーに対して予め定められた優先順位に基づいて順次、患者情報の有無を問い合わせる構成の患者情報取得システムが記載されている。特許文献1に記載の患者情報は、患者の氏名、性別、生年月日、ID番号等の患者を特定するための情報であり、電子カルテの作成時に入力される。
【0003】
また、特許文献2には、電子カルテを取り扱うシステムと連動し、処方情報を中心とする医療情報をネットワークを介して提供する医療情報提供システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-21767号公報
【特許文献2】特開2006-209400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
患者に関する情報として、単に患者を特定するだけの情報でなく、例えば、高齢者の総合機能評価(CGA:Comprehensive Geriatric Assessment)等の患者の機能を評価した情報(以下、基本情報と言う。)の有用性が高まっている。しかしながら、前述のように、患者情報の取り扱いを容易にする技術は提案されているものの、電子カルテ内において患者情報と基本情報を一元管理するシステムは未だ実現されていない。また、医療機関における患者の対応の必要性をシステムの制御により知ることができれば、医療スタッフの負担を軽減でき有用である。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電子カルテ内で患者情報と基本情報を一元管理し、医療スタッフの負担を軽減できる患者情報集約システム、患者情報集約方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る患者情報集約システムは、
項目別に設けられた患者への質問及び前記質問に対する回答を示す基本情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記基本情報が示す前記回答に基づき、前記基本情報の対象患者の状態を示すスコアを算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記スコアと、予め定めた閾値とに基づき、医療機関における前記対象患者の対応の必要度を評価する評価手段と、
前記対象患者の電子カルテに、前記対象患者を特定するための情報を含む患者情報と関連付けて、前記基本情報と前記必要度とを含む関連情報を記録する電子カルテ管理手段と、を備え、
前記電子カルテ管理手段は、前記医療機関で使用される情報端末に、前記患者情報と関連した態様で前記関連情報を表示させることが可能であり、
前記算出手段は、前記回答の内容に応じた点数と、前記基本情報が有する項目毎に設定された重み係数とに基づき前記スコアを算出する。
【0008】
前記患者情報集約システムは、前記基本情報が有する項目、前記重み係数、及び前記閾値を含む基本条件を設定する設定手段をさらに備え、
前記基本条件は、前記必要度によって前記対応が必要であると示される前記対象患者の数が、目標患者数内に収まるように設定される、又は、前記必要度によって前記対応が必要であると示される前記対象患者の特定期間における前記医療機関への入院患者数に対する割合が目標割合に収まるように設定される、ようにしてもよい。
【0009】
前記電子カルテ管理手段は、前記電子カルテに、前記対象患者に対して実際に前記医療機関で対応を行ったか否かを示す実対応情報を含む前記関連情報を記録するとともに、前記関連情報の履歴を記録し、
前記設定手段は、前記評価手段によって評価された前記必要度と、前記実対応情報とに基づき、前記基本条件を再設定可能であってもよい。
【0010】
前記設定手段は、
前記基本情報に設ける候補項目として予め用意した所定数の項目から複数の項目を選択するとともに、選択した前記複数の項目毎に前記重み係数を設定する第1設定手段と、
ROC曲線に基づいて定められたカットオフ値を前記閾値として設定する第2設定手段と、を備え、
前記第1設定手段は、病態を呈した症例と呈さなかった症例との間で行った単変量解析の結果に基づいて前記所定数の項目から有意項目を抽出し、抽出した有意項目を用いた多変量解析の結果に基づいて前記複数の項目を選択するとともに前記重み係数を設定してもよい。
【0011】
前記電子カルテ管理手段は、前記対象患者に対して行う手順を示す複数のステップ画像を、前記患者情報と関連した態様で前記情報端末に表示させることが可能であり、
前記複数のステップ画像は、それぞれの表示態様の変化により前記手順の進捗状況を把握させ、前記基本情報を取得したか否かを報知可能な第1画像と、前記評価手段によって評価された前記必要度を報知可能な第2画像とを含んでいてもよい。
【0012】
前記手順は、診療報酬の加算要件を満たすために必要な手順を含んでもよい。
【0013】
前記基本情報を得るための質問票は、紙のマークシート、又は、携帯端末で回答可能なデータとして回答者に提供され、
前記取得手段は、前記マークシートをスキャンして得られる電子データ、又は前記携帯端末に表示された識別情報をスキャンして得られる電子データに基づき、前記基本情報を取得してもよい。
【0014】
前記電子カルテ管理手段は、過去に前記医療機関を受診したことがある前記対象患者に対しては、項目別に設けられた前記質問のうち前回と変更点がないと想定される質問については回答済の態様の前記質問票を前記電子カルテに基づいて作成して出力可能であってもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る患者情報集約方法は、
項目別に設けられた患者への質問及び前記質問に対する回答を示す基本情報を取得するステップと、
取得した前記基本情報が示す前記回答に基づき、前記基本情報の対象患者の状態を示すスコアを算出する算出ステップと、
算出された前記スコアと、予め定めた閾値とに基づき、医療機関における前記対象患者の対応の必要度を評価するステップと、
前記対象患者の電子カルテに、前記対象患者を特定するための情報を含む患者情報と関連付けて、前記基本情報と前記必要度とを含む関連情報を記録するステップと、
前記医療機関で使用される情報端末に、前記患者情報と関連した態様で前記関連情報を表示させるステップと、を備え、
前記算出ステップでは、前記回答の内容に応じた点数と、前記基本情報が有する項目毎に設定された重み係数とに基づき前記スコアを算出する。
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
項目別に設けられた患者への質問及び前記質問に対する回答を示す基本情報を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した前記基本情報が示す前記回答に基づき、前記基本情報の対象患者の状態を示すスコアを算出する算出手段、
前記算出手段によって算出された前記スコアと、予め定めた閾値とに基づき、医療機関における前記対象患者の対応の必要度を評価する評価手段、
前記対象患者の電子カルテに、前記対象患者を特定するための情報を含む患者情報と関連付けて、前記基本情報と前記必要度とを含む関連情報を記録する電子カルテ管理手段、として機能させるプログラムであって、
前記電子カルテ管理手段は、前記医療機関で使用される情報端末に、前記患者情報と関連した態様で前記関連情報を表示させることが可能であり、
前記算出手段は、前記回答の内容に応じた点数と、前記基本情報が有する項目毎に設定された重み係数とに基づき前記スコアを算出する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電子カルテ内で患者情報と基本情報を一元管理し、医療スタッフの負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る患者情報集約システムの構成を示す図である。
図2】同上実施形態に係る医療機関サーバの構成を示す図である。
図3】同上実施形態に係るマークシート式の質問票の一部を抜粋した図である。
図4】同上実施形態に係る電子カルテ管理処理のフローチャートである。
図5】同上実施形態に係る患者評価処理のフローチャートである。
図6】(a)は同上実施形態に係る条件設定処理のフローチャートであり、(b)は同上実施形態に係る再設定処理のフローチャートである。
図7】同上実施形態に係る情報端末で表示可能な患者情報一覧票の一例を示す図である。
図8】同上実施形態に係る情報端末で表示可能な手順管理画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1に示す患者情報集約システム1は、病院、医院などの医療機関に設けられ、当該医療機関の患者に関する情報を集約し、集約した情報の閲覧及び管理を可能とする。患者情報集約システム1は、医療機関内(以下、院内と言う)に設けられたローカルネットワーク10と、ローカルネットワーク10を介して互いに通信可能な情報端末20及び医療機関サーバ30と、後述のマークシート式の質問票を読み取るための専用端末40と、を備える。この実施形態に係る専用端末40は、ローカルネットワーク10には接続されない、情報端末20とは独立した端末である。
【0021】
情報端末20は、複数あり、医師、看護師、医療事務などの医療スタッフが院内で使用するPC(Personal Computer)から構成される。複数の情報端末20は、医師が使用する端末、看護師が使用する端末、レセプトコンピュータ(レセコン)等を含む。複数の情報端末20は、タブレットPC、スマートフォン等を含んでいてもよい。
【0022】
情報端末20は、ローカルネットワーク10を介して通信を行う通信部に加え、少なくとも、制御部、記憶部、表示部及び操作部を備える。制御部は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成される。表示部は、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diodes)等から構成される。操作部は、キーボード、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイスから構成される。
【0023】
なお、制御部、記憶部といった用語の意味は、以下でも同様である。例えば、制御部は、周知のメモリからなる記憶部に格納されたプログラムに従って、各種の制御を実行する周知のプロセッサを示す。
【0024】
複数の情報端末20のうち任意の情報端末20には、後述の携帯端末で回答された質問票の内容を読み取るためのコードスキャナ21が接続されている。情報端末20と独立した専用端末40は、医療スタッフが院内で使用するPCから構成される。専用端末40には、図3にその一部を抜粋して示すマークシート式の質問票を読み取るためのスキャナ41が接続されている。専用端末40には、マークシート自動読み取りソフトがインストールされている。
【0025】
質問票は、複数の項目を有し、項目別に患者への質問が設けられると共に、各項目に応じた回答欄が設けられている。本例では、質問票は、総合機能評価(CGA)を基軸とした入退院支援に必要となる基本情報を収集するためのものである。つまり、基本情報は、質問票において項目別に設けられた患者への質問と、質問に対する回答を示す。なお、入退院支援や、後述の診療報酬の加算(入退院支援加算など)の内容については、例えば、厚生労働省のウェブサイトにある「https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00027.html」等のウェブページに開示されている。
【0026】
質問票は、図3に例示する紙のマークシート、又は、携帯端末で回答可能なデータとして回答者に提供される。なお、携帯端末で回答可能な質問票については図示しないが、マークシート式の質問票と同じ内容で構成される。回答者は、患者に限られず、患者の家族、後見人などであってもよい。なお、一部の質問は、医療スタッフによって回答されてもよい。携帯端末は、回答者が所持するスマートフォン、タブレットPC等である。なお、携帯端末は、医療機関から回答者に提供されてもよい。例えば、携帯端末は、当該医療機関から示されるURL(Uniform Resource Locator)によって質問票のデータをダウンロード可能である。質問票の回答欄は、選択形式で回答可能に構成される。なお、図示しないが、質問票は、文字入力による回答を求める項目を有していてもよい。
【0027】
回答者が携帯端末で質問票に対する回答を行う場合、回答後の質問票は、当該携帯端末の画面に表示可能な識別情報(コード)に変換可能となっている。識別情報は、例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードである。例えば、携帯端末において質問票に対する回答を可能にするとともに、回答後の質問票の内容をコードに変換するためのプログラムは、質問票と共にダウンロード可能であればよい。なお、携帯端末に表示可能な識別情報の画像は、二次元コードに限られず任意であり、一次元バーコード、暗号化された文字配列を示す画像などであってもよい。
【0028】
コードスキャナ21は、回答者の携帯端末に表示されたコードをスキャンし、スキャンして得られた電子データを接続元の情報端末20に供給する。情報端末20は、予めダウンロードされた、又は、医療機関サーバ30への要求に応じて実行されるアプリケーションプログラムに従って、受信した電子データから基本情報を生成する。なお、コードスキャナ21の代わりに、カメラを有する任意の情報端末20が備えるスキャナ機能によって、当該情報端末20は基本情報の元となる電子データを得ても良い。
【0029】
スキャナ41は、マークシート式の質問票をスキャンし、スキャンして得られた電子データを接続元の専用端末40に供給する。専用端末40は、予めインストールされたマークシート自動読み取りソフトウェアに従い、受信した電子データから基本情報を生成する。専用端末40で生成された基本情報は、例えば、暗号化USB(Universal Serial Bus)メモリ等のPCに着脱可能な記憶手段を用い、医療スタッフの手動作業によって情報端末20に移される。
【0030】
医療機関サーバ30は、図2に示すように、ウェブサーバ31と、データベース(DB)サーバ32と、管理サーバ33とを備える。
【0031】
ウェブサーバ31は、ローカルネットワーク10を介して通信を行う通信部に加え、少なくとも制御部及び記憶部を備える。ウェブサーバ31は、例えば、ワークステーションなどの情報処理装置から構成される。ウェブサーバ31の記憶部には、例えばCGI(Common Gateway Interface)などの動作機構を構成するプログラム(以下、CGIプログラムと言う)が記憶されており、制御部がこのプログラムを実行することで、管理サーバ33を動作させるプログラムが実行される。これにより、ローカルネットワーク10を介して受信された情報に基づいて、管理サーバ33がDBサーバ32から必要な情報を適宜取得し、ウェブサーバ31に提供する。
【0032】
DBサーバ32は、例えば、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)ハー等の記憶装置を備えて構成される。DBサーバ32は、電子カルテデータベース(DB)32aと、条件設定用データベース(DB)32bと、を有する。
【0033】
電子カルテDB32aは、当該医療機関で受診している患者のカルテ情報(電子カルテ)を患者別に蓄積している。電子カルテは、患者情報D1及び関連情報D2を含む。
【0034】
患者情報D1は、患者を特定するための患者特定情報の他、診療文書、各種オーダー及び実施の状況、検査結果や画像、支払い請求などに関する情報を含む。つまり、患者情報D1は、従来の電子カルテで管理可能であった情報である。なお、患者特定情報は、患者の氏名、性別、生年月日、ID番号等の情報である。
【0035】
関連情報D2は、電子カルテ内に患者情報D1と関連付けられて記憶される情報である。関連情報D2は、前述の基本情報を含むと共に、評価情報、実対応情報、及び手順情報を含む。「評価情報」は、基本情報が示す回答に基づき算出された対象患者のスコアと、医療機関における対象患者の対応の必要度とを示す情報である。この実施形態で「対応」とは、当該医療機関において主病態とは直接関連しない点に関して支援、介入を行うことを示す。なお、「対応」は、医療機関において対象患者に実施する行為であれば任意であり、患者情報集約システム1の使用目的に応じて任意に変更可能である。「実対応情報」は、対象患者に対して実際に医療機関で対応を行ったか否かを示す情報である。「手順情報」は、対象患者に対して行うべき手順と、手順が実行されたか否かを示す情報である。例えば、手順情報は、診療報酬の加算要件を満たすために必要な手順を含む情報である。これらの情報については、後にまた述べる。
【0036】
条件設定用DB32bは、後述の条件設定部33cによる解析に必要となるデータ、解析結果を示すデータを蓄積する。
【0037】
管理サーバ33は、少なくとも制御部および記憶部を備えた、例えば、ワークステーションなどの情報処理装置から構成される。管理サーバ33は、DBサーバ32に格納されている種々の情報に基づいて医療業務の各種管理を行うためのアプリケーションソフトを情報端末20に提供する。
【0038】
管理サーバ33は、機能部として、電子カルテ管理部33aと、患者評価部33bと、条件設定部33cと、を備える。
【0039】
電子カルテ管理部33aは、電子カルテDB32aを制御し、蓄積されている情報の入力、更新、読み出し等を行う。電子カルテ管理部33aは、対象患者の電子カルテに患者情報D1を記録すると共に、患者情報D1と関連付けて関連情報D2を記録する。また、電子カルテ管理部33aは、対象患者の電子カルテに患者情報D1及び関連情報D2の履歴も記録する。電子カルテ管理部33aは、任意の情報端末20からの要求に応じて、後述の電子カルテ管理処理(図4参照)を実行可能である。
【0040】
患者評価部33bは、電子カルテDB32aに格納されている基本情報に基づき、当該医療機関における対象患者の対応の必要度を評価する。患者評価部33bは、任意の情報端末20からの要求に応じて、後述の患者評価処理(図5参照)を実行可能である。
【0041】
条件設定部33cは、条件設定用DB32bに格納されている情報に基づき、患者評価部33bが患者評価処理を実行する際に必要となる基本条件を設定する。条件設定部33cは、任意の情報端末20からの要求に応じて、後述の条件設定処理及び再設定処理(図6参照)を実行可能である。
【0042】
患者情報集約システム1の構成は以上である。続いて、患者情報集約システム1の動作を説明する。まず、電子カルテの管理及び閲覧を可能とする電子カルテ管理処理について図4を参照して説明する。
【0043】
(電子カルテ管理処理)
医師等の医療スタッフは、電子カルテの閲覧又は管理を行う際、情報端末20を操作し、ローカルネットワーク10に接続されている医療機関サーバ30に電子カルテを要求する情報を送信する。
【0044】
医療機関サーバ30は、ウェブサーバ31で情報端末20からの電子カルテの要求を受信すると(ステップS101;Yes)、ウェブサーバ31のCGIプログラムによって管理サーバ33の電子カルテ管理部33aを動作させるプログラムが起動され、電子カルテを示すウェブページデータを生成する。そして、医療機関サーバ30は、生成したデータをウェブサーバ31から要求元の情報端末20に送信する(ステップS102)。これにより、当該情報端末20には、電子カルテ画面が表示される。なお、医療機関サーバ30は、電子カルテの要求がない場合(ステップS101;No)、待機する。
【0045】
医療スタッフは、情報端末20を操作し、電子カルテ画面に患者情報及び関連情報の少なくともいずれかを構成する各種情報を入力し、医療機関サーバ30にローカルネットワーク10を介して送信する。
【0046】
図7図8は、情報端末20において表示可能な電子カルテ画面の一例である。図7図8に示す電子カルテ画面は、情報端末20の求めに応じて動作する電子カルテ管理部33aの制御によって表示される。
【0047】
図7は、患者情報に加え、患者情報と関連した態様で関連情報が表示された「患者情報一覧票」と、各種操作を受け付けるボタン画像2とを示す。患者情報一覧票の表示中には、患者情報一覧票の印刷を指示するための「患者情報一覧票印刷」、既に質問票への回答経験がある対象患者用の質問票の印刷を指示するための「再入院時質問票印刷」等からなる複数のボタン画像2が電子カルテ管理部33aの制御によって表示される。ここで、電子カルテ管理部33aは、過去に当該医療機関を受診したことがある患者に対しては、項目別に設けられた質問のうち前回と変更点がないと想定される質問については回答済の態様の質問票を当該患者の電子カルテに基づいて作成して出力可能である。この態様の質問票は、「再入院時質問票印刷」を示すボタン画像2を操作することによって出力可能である。「前回と変更点がないと想定される質問」とは、例えば、性別、利き手、連絡先、過去の罹患、過去に治療を受けた医療機関、要介護認定などに関する質問である。この態様の質問票を出力可能なことにより、複数回の診療、入院に際して変更点のみの回答を求めればよいことになり、回答者(患者を含む)の負担が軽減されるだけでなく、質問票を回収する医療スタッフの作業負担も軽減される。
【0048】
図8は、対象患者に対して行う手順を示す複数のステップ画像3と、ボタン画像4とを有する「手順管理画面」を示すページである。例えば、ボタン画像4は、患者情報一覧票に表示を切り替えるための「患者情報一覧票へ」という操作を受付可能に構成されている。なお、手順管理画面の使用法については後述する。
【0049】
医療スタッフは、情報端末20の操作部を用いて、所望のボタン画像2,4をクリック、タップ等することで必要な操作を行う。また、患者情報一覧票、手順管理画面の各々は、文字等による情報入力が可能に構成される。
【0050】
図4に戻って、医療機関サーバ30は、情報端末20から入力された情報を受信すると(ステップS103;Yes)、電子カルテ管理部33aの制御でDBサーバ32に入力された情報を登録する(ステップS104)。ステップS103でNoの場合、又はステップS104に続いて、医療機関サーバ30は、情報端末20から電子カルテ画面の更新指示があるか否かを判別する(ステップS105)。更新指示がある場合(ステップS105;Yes)、医療機関サーバ30は、ステップS102に戻って処理を実行する。これにより、登録された情報が反映された電子カルテが情報端末20に表示される。更新指示がない場合(ステップS105;No)、医療機関サーバ30は、情報端末20から電子カルテの閲覧終了指示があるか否かを判別する(ステップS106)。医療機関サーバ30は、閲覧終了指示がない場合(ステップS106;No)にはステップS103に戻って処理を実行する一方で、閲覧終了指示があると(ステップS106;Yes)、電子カルテ管理処理を終了する。
【0051】
例えば、任意の情報端末20が得た基本情報は、上記の電子カルテ処理と同様の手順によってDBサーバ32の電子カルテDB32aに登録されればよい。なお、コードスキャナ21に接続された情報端末20は、携帯端末の画面に表示されたコードをコードスキャナ21で読み取ることで基本情報を得たことを契機に、自動的に電子カルテDB32aに基本情報を登録してもよい。
【0052】
続いて、基本情報に基づいて当該医療機関における対象患者の必要度を評価する患者評価処理について図5を参照して説明する。
【0053】
(患者評価処理)
医療機関サーバ30は、情報端末20から患者評価処理の開始要求を受信すると患者評価処理を開始し、まず、評価対象の患者(対象患者)の基本情報がDBサーバ32内にあるか否かを判別する(ステップS201)。DBサーバ32内に対象患者の基本情報がない場合(ステップS201;No)、医療機関サーバ30は、処理を終了する。一方、DBサーバ32内に対象患者の基本情報がある場合(ステップS201;Yes)、医療機関サーバ30の管理サーバ33(患者評価部33b)は、DBサーバ32から対象患者の基本情報を取得する(ステップS202)。
【0054】
続いて、管理サーバ33は、取得した基本情報が示す回答に基づき、対象患者の状態を示すスコアSを算出する(ステップS203)。例えば、管理サーバ33は、S=W・X+W・X+・・・+W・Xの式によりスコアSを算出する。ここで、「n」は質問票に設けられた項目の数である。「X」はn番目の質問項目に対する回答の内容に応じて設定された点数である。この点数は、周知の総合機能評価の手法に従って予め定められていればよい。「W」はn番目のXに乗算される重み係数である。なお、スコアSは、加重平均によって算出されてもよい。
【0055】
続いて、管理サーバ33は、算出したスコアSと、予め定めた閾値Cとに基づき、医療機関における対象患者の対応の必要度を評価する(ステップS204)。例えば、前述の「X」は、患者の自立度が高い程、高い点数が与えられるように設定されており、スコアSが閾値C以上の場合(S≧C)、管理サーバ33は、医療機関で対応が不要と判別する。一方、スコアSが閾値Cより小さい場合(S<C)、管理サーバ33は、医療機関で対応が必要と判別する。なお、「X」は、患者の自立度が低い程、低い点数が与えられるように設定されてもよく、必要度を判別する際のスコアSと閾値Cの大小関係は、上記の関係と逆であってもよい。
【0056】
なお、点数X、重み係数W、閾値Cは、DBサーバ32の条件設定用DB32bに予め記憶されている。また、重み係数W及び閾値Cの設定手法については後述する。
【0057】
続いて、管理サーバ33は、DBサーバ32の電子カルテDB32a内における対象患者の電子カルテに、スコアSと、対応要否を示す必要度とを含む評価情報を登録し(ステップS205)、患者評価処理を終了する。
【0058】
以上の患者評価処理を経て、電子カルテDB32aには関連情報D2に含まれる評価情報が登録される。これにより、各医療スタッフは、自身が操作する情報端末20において、対象患者の患者情報D1だけでなく関連情報D2の評価情報が記された電子カルテを閲覧することができる。医療スタッフは、評価情報が示す必要度を参考として、実際に対象患者に対応するか否かを判断する。そして、医師は自身の判断で対応の要否を決定すると、任意の情報端末20を介して前述の電子カルテ管理処理を実行させることにより、対象患者に対して実際に当該医療機関で対応を行ったか否かを示す実対応情報を、対象患者の電子カルテに記録する。つまり、評価情報が示す必要度はあくまで参考であり、当該必要度が「対応不要」を示していても実対応情報が「対応あり」となることもあれば、その逆になることもある。以後、各医療スタッフは、関連情報D2として、基本情報及び評価情報だけでなく、実対応情報も記された電子カルテを閲覧することができる。また、ある患者が再受診、再入院等をし、回答者から新たに質問票を回収する毎に、電子カルテ管理処理及び患者評価処理が実行されることで、当該患者の電子カルテには、患者情報D1だけでなく、関連情報D2の履歴が蓄積されていく。
【0059】
続いて、基本情報が有する項目、重み係数W、及び閾値Cを含む「基本条件」を設定する条件設定処理について図6(a)を参照して説明する。
【0060】
(条件設定処理)
医療機関サーバ30は、情報端末20から条件設定処理の開始要求を受信すると、管理サーバ33の条件設定部33cの機能で条件設定処理を開始し、まず、要求元の情報端末20から目標患者数又は目標割合の入力があったか否かを判別する(ステップS301)。ここで、目標割合は、例えば、特定期間における当該医療機関への入院患者数に対する患者数の割合である。この特定期間の設定は任意であり、例えば、数ヶ月、半年といった期間であればよい。
【0061】
目標患者数は、例えば、医療機関の医療資源、医療機関の理念・指針、医療機関が位置する地域の医療・福祉条件などを示すパラメータ(以下、医療機関パラメータと言う)を勘案して設定可能である。医療資源は、例えば、医療機関が有する医療スタッフの数、病床数、設備等である。理念・指針は、例えば、療養型病院を標榜する医療機関であれば一定の年齢以上の患者をできる限り受け入れる、といったものである。地域の医療・福祉条件は、例えば、当該医療機関の近隣における医療施設、福祉施設などの状況である。情報端末30の操作者は、医療機関パラメータを勘案して、目標患者数又は目標割合を設定し、設定した目標患者数又は目標割合を入力する。なお、後述の再設定処理を繰り返し実行することで、目標患者数又は目標割合の最適化が可能である。したがって、例えば、目標割合の初期値は50%に設定されていてもよい。また、例えば、目標患者数の初期値は、目標割合が50%の場合に相当する値に設定されていてもよい。また、医療機関パラメータに各種情報を入力すると、入力に応じて目標患者数を算出するアルゴリズムを設け、管理サーバ33の演算により目標患者数又は目標割合を算出してもよい。
【0062】
条件設定部33cは、目標患者数又は目標割合の入力が所定期間内になかった場合(ステップS301;No)には処理を終了する一方で、目標患者数又は目標割合の入力があった場合(ステップS301;Yes)、ステップS302に処理を進める。
【0063】
条件設定部33cは、ステップS301で目標患者数が入力された場合、必要度によって医療機関での対応が必要であると示される対象患者の数が、ステップS301で入力された目標患者数内に収まるように、統計学を用いた解析処理を実行し、基本条件を設定する(ステップS302)。また、条件設定部33cは、ステップS301で目標割合が入力された場合、必要度によって医療機関での対応が必要であると示される対象患者の特定期間における医療機関への入院患者数に対する割合が目標割合に収まるように、統計学を用いた解析処理を実行し、基本条件を設定する(ステップS302)。
【0064】
ステップS302を実行して基本条件を設定する条件設定部33c(設定手段の一例)は、以下に説明する、第1設定手段及び第2設定手段の機能を備える。なお、これらの各機能の全てが条件設定部33cの自動制御によって発揮されなくともよく、これらの各機能を発揮するまでの過程には、情報端末20を操作する操作者による判断、選択、調整などが含まれていてもよい。
【0065】
第1設定手段は、基本情報(つまり、質問票)に設ける候補項目として予め用意した所定数の項目から複数の項目を選択するとともに、選択した複数の項目毎に重み係数Wを設定する。具体的に、第1設定手段は、病態を呈した症例と呈さなかった症例との間で行った単変量解析の結果に基づいて所定数の項目から有意項目を抽出する。なお、第1設定手段は、患者毎の症例を電子カルテDB32aから取得可能である。例えば、単変量解析は、以下の手順で行われる。まず、ログランク検定(Log-rank test)で単変量解析を実行し,変数(項目)ごとのP値を算出し、P値に基づき有意項目を抽出する。なお、ここで用いる統計学的手法は任意に変更可能であり、t検定、Mann-Whitney検定などの他の手法を用いてもよい。続いて、第1設定手段は、抽出した複数の有意項目を用いて多変量解析を行うことで、項目毎の有意度(有意確率)を算出し、算出した有意度に基づいて複数の項目(つまり、基本情報に設ける項目)を選択するとともに重み係数Wを設定する。例えば、多変量解析を行う際、例えば、選択手段によって選択された各項目を独立変数xとし、スコアS、対応の要否、実対応情報などを従属変数yとし、従属変数yに対する独立変数xの影響を解析する。多変量解析としては、例えば、Cox回帰分析(比例ハザード分析)、ロジスティック回帰分析、重回帰分析等を用いることができる。なお、解析対象のサンプル数が充分になるまでは、例えば、重み係数W~Wの全ての初期値は「1」であってもよい。
【0066】
第2設定手段は、ROC(Receiver Operating Characteristic)曲線に基づいて定められたカットオフ値を閾値Cとして設定する。ここで、評価情報が示す対応の要否を「対応要」又は「対応否」とし、実対応情報が示す実対応の有無を「実対応有り」又は「実対応無し」とする。また、「対応要」且つ「実対応有り」を真陽性aとし、「対応要」且つ「実対応無し」を評価情報で偽陽性bとし、「対応否」且つ「実対応有り」を偽陰性cとし、「対応否」且つ「実対応無し」を真陰性dとする。こうした場合、縦軸に「感度(真陽性率)」=a/(a+c)をとり、横軸に「偽陽性率」=1-d/(b+d)=b/(b+d)をとり、カットオフ値を連続的に変化させることでROC曲線が描かれる。なお、d/(b+d)は特異度であり、(偽陽性率)=1-(特異度)が成り立つ。そして、Youden Indexを最大とする値(つまり、「感度+特異度-1」を計算して、その最大値となるポイント)をカットオフ値の初期値とする。なお、ROC曲線が描かれる座標系において、左上の隅の座標「(1-特異度,感度)=(0,1)」との距離が最小となる点をカットオフ値の初期値としてもよい。また、カットオフ値は、感度あるいは特異度を犠牲にして、医学的な判断に基づいて定めてもよい。このように定めた初期値をステップS301で入力された目標患者数に応じて調整したカットオフ値を、第2設定手段は閾値Cとして設定する。なお、統計学を用いた上記の各種分析は、例えば、IBM(登録商標)社のSPSS(登録商標)Staticsなどの統計ソフトを用いて行うことが可能である。
【0067】
続いて、条件設定部33cは、設定した基本条件をDBサーバ32の条件設定用DB32bに登録し(ステップS303)、処理を終了する。
【0068】
続いて、電子カルテDB32aに記憶されたログ情報に基づいて基本条件を再設定する再設定処理について図6(b)を参照して説明する。
【0069】
(再設定処理)
医療機関サーバ30は、情報端末20から再設定処理の開始要求を受信すると、条件設定部33cの機能で再設定処理を開始し、まず、電子カルテDB32aからログ情報(患者情報D1及び関連情報D2の履歴を示す情報)を抽出し、解析を行う(ステップS401)。例えば、条件設定部33cは、患者毎の評価情報、実対応情報、症例等を抽出し、評価情報が示す対応の要否と実対応情報が示す実対応の有無とを比較して、基本情報及び基本条件に基づいて評価された必要度が適切であったかを解析する。また、条件設定部33cは、評価情報が対応要と示した患者の数と、設定した目標患者数を比較して、基本情報及び基本条件に基づいて評価された必要度が適切であったかを解析する。
【0070】
条件設定部33cは、ステップS401での解析結果に基づき、基本条件の調整が必要か否かを判別する(ステップS402)。例えば、必要度が示す対応の要否と実対応の有無とに相関性が認められない場合や、評価情報が対応要と示した患者の数が目標患者数を一定値以上、上回っている又は下回っている場合に、条件設定部33cは基本条件の調整が必要と判別し(ステップS402;Yes)、再び条件設定処理(ステップS403)を実行する。ステップS401の解析及びステップS402の判別では、公知の統計学的手法を適宜用いることができる。ステップS403の実行後、又は、ステップS420でNoの場合、条件設定部33cは処理を終了する。
【0071】
なお、再設定処理は、予め定めた期間(例えば、数ヶ月)の経過毎に実行されてもよい。また、ステップS402の基本条件の調整が必要か否かの判別は、医師等の判断に因ってもよい。
【0072】
続いて、図8に示す手順管理画面の使用法について説明する。
【0073】
(手順管理画面)
手順管理画面が有する複数のステップ画像3は、電子カルテの対象患者に対して行う手順を示す。この実施形態では、当該手順は、診療報酬の加算要件を満たすために必要な手順を含む。
【0074】
複数のステップ画像3は、質問票を回収したかを示す「質問票回収」、入退院支援の要否を示す「入退院支援要否」、計画書を説明の上で交付したかを示す「計画書説明・交付」、入退院支援を実施の上で実施内容を記録したかを示す「支援実施・記録」、診療報酬の算定内容を確認し算定を行ったかを示す「算定内容確認」の各手順を示す画像から構成される。
【0075】
複数のステップ画像3の各々は、医療スタッフによる情報端末20を介してのクリック、タップ等の入力操作に応じて表示態様が変化する。例えば、ステップ画像3は、当該画像が示す手順が未了の場合はデフォルト色(白又はグレー)で表示され、手順が終了した場合は「青」で表示され、手順に関して注意事項がある場合は「赤」で表示される。ステップ画像3は、このような色の変化と共に、記された文字内容も変化する。
【0076】
「質問票回収」を示すステップ画像3は、質問票を回収したか否か(つまり、基本情報を取得したか否か)を報知可能な第1画像の一例である。「質問票回収」を示すステップ画像3は、電子カルテDB32aに基本情報が新たに記録されたことを契機に、電子カルテ管理部33aの制御によってデフォルト色の「質問票回収」から、青色の「質問票回収済」に表示態様が変化する。
【0077】
「入退院支援要否」を示すステップ画像3は、患者評価部33bによって評価された必要度を報知可能な第2画像の一例である。「入退院支援要否」を示すステップ画像3は、電子カルテDB32aに評価情報が新たに記録されたことを契機に、電子カルテ管理部33aの制御によってその表示態様が変化する。例えば、評価情報が含む必要度が医療機関における対応が必要と示している場合にはデフォルト色の「入退院支援要否」から赤色の「入退院支援対象」に表示態様が変化し、当該必要度が医療機関における対応が不要と示している場合にはデフォルト色の「入退院支援要否」から青色の「入退院支援不要」に表示態様が変化する。
【0078】
なお、「質問票回収」及び「入退院支援要否」の各々を示すステップ画像3は、医療スタッフの入力操作に応じて表示態様が変更されてもよい。つまり、ある患者の質問票を回収する必要があるか否かや、ある患者に対して入退院支援(当該医療機関における患者の対応の一例)を行うか否かは、最終的には人的判断で決定される。
【0079】
また、例えば、デフォルト色の「入退院支援要否」を示すステップ画像3に対して入力操作を実行すると、当該画像は、青色の「入退院支援対象」に表示態様が変化したり、青色又は赤色の「入退支援不要」に表示態様が変化したりする。例えば、デフォルト色の「算定内容確認」を示すステップ画像3に対して入力操作を実行すると、当該画像は、青色の「算定対象外」に表示態様が変化したり、青色の「指導料算定済」に表示態様が変化したりする。このように、複数のステップ画像3は、それぞれの表示態様が情報端末20への入力操作に応じて変更されることで、手順の進捗状況を医療スタッフに把握させる。
【0080】
なお、複数のステップ画像3の少なくともいずれかの画像は、所定の入力操作に応じて、当該画像が示す手順に関しての文字入力が可能に構成されてもよい。また、ステップ画像3の表示態様が入力操作に応じてどのように変化するか、ステップ画像3の配列などの設計事項は目的に応じて任意に変更可能である。また、手順管理画面においては、複数のステップ画像3の各々が示す手順に関連する指示(例えば、当該手順を実行する際に必要な外部処理)を医療スタッフに報知するポップアップ画像が表示可能であってもよい。
【0081】
手順管理画面は、複数のステップ画像3に加え、備考を表示する備考画像5を有する。例えば、備考画像5は、入退院支援加算の他に、更なる診療報酬の加算要件を満たしている否かを医療スタッフに把握させる画像である。例えば、備考画像5は、入院時支援を行ったか否かを示す「入院時支援欄」と、総合機能評価を行ったか否かを示す「総合機能欄」とを有する。入院時支援を行った場合、例えば、入院時支援欄には、支援の有無、算定の可否等の情報が表示される。また、総合機能評価を行った場合、例えば、総合機能評価欄には、評価の有無、算定の可否等の情報が表示される。備考画像5が表示可能な情報は、電子カルテ管理部33aの制御により自動的に更新されてもよいし、医療スタッフの情報端末20を介した入力操作により登録されてもよい。
【0082】
手順管理画面において入力された各種の情報である手順情報は、前述の電子カルテ管理処理に従ってDBサーバ32の電子カルテDB32aに登録される。以後、各医療スタッフは、手順情報が反映された電子カルテを閲覧することができる。なお、管理サーバ33は、手順管理画面において算定済の診療報酬がある場合、レセコンを構成する情報端末20に算定済の診療報酬を示す情報を送信してもよい。
【0083】
(効果)
以上に説明した本実施形態の効果を以下に説明する。
【0084】
患者情報集約システム1は、下記の取得手段、算出手段及び評価手段として機能する患者評価部33bと、下記の電子カルテ管理手段として機能する電子カルテ管理部33aとを備える。取得手段は、基本情報を取得する。算出手段は、基本情報が示す回答に基づき、基本情報の対象患者の状態を示すスコアを算出する。評価手段は、算出されたスコアSと閾値Cとに基づき、医療機関における対象患者の対応の必要度を評価する。電子カルテ管理手段は、対象患者の電子カルテに、患者情報D1と関連付けて関連情報D2を記録する。電子カルテ管理手段は、医療機関で使用される情報端末20に、患者情報D1と関連した態様で関連情報D2を表示させることが可能である。算出手段は、回答の内容に応じた点数と、基本情報が有する項目毎に設定された重み係数Wとに基づきスコアSを算出する。
また、患者情報集約システム1を利用した患者情報集約方法は、基本情報を取得するステップと、基本情報が示す回答に基づき、基本情報の対象患者の状態を示すスコアSを算出する算出ステップと、算出されたスコアSと閾値Cとに基づき、医療機関における対象患者の対応の必要度を評価するステップと、対象患者の電子カルテに、患者情報D1と関連付けて関連情報D2を記録するステップと、医療機関で使用される情報端末20に、患者情報D1と関連した態様で関連情報D2を表示させるステップと、を備える。算出ステップでは、回答の内容に応じた点数と、基本情報が有する項目毎に設定された重み係数Wとに基づきスコアSを算出する。
また、患者情報集約システム1においては、コンピュータ(例えば、管理サーバ33)を、前記の取得手段、算出手段、評価手段及び電子カルテ管理手段として機能させるプログラムが実行される。
これらの構成によれば、電子カルテ内で患者情報と基本情報を一元管理することができ、各医療スタッフは、院内のローカルネットワーク10に接続された情報端末20を利用して、基本情報だけでなく、対象患者の対応の必要度も知ることができる。したがって、医療スタッフの負担を軽減することもできる。
【0085】
また、患者情報集約システム1は、基本情報が有する項目、重み係数W、及び閾値Cを含む基本条件を設定する設定手段(例えば、条件設定部33cに相当)をさらに備える。基本条件は、必要度によって対応が必要であると示される対象患者の数が、目標患者数内に収まるように設定される、又は、必要度によって対応が必要であると示される対象患者の特定期間における前記医療機関への入院患者数に対する割合が目標割合に収まるように設定される。
この構成によれば、システムの制御により、医療機関で対応すべき患者数の目安を感じつつ、医師等の医療スタッフが患者への対応を行えるため、医療スタッフの負担をより軽減することができる。
【0086】
また、電子カルテ管理手段は、電子カルテに、対象患者に対して実際に医療機関で対応を行ったか否かを示す実対応情報を含む関連情報D2を記録するとともに、関連情報D2の履歴を記録する。また、設定手段は、評価手段によって評価された必要度と、実対応情報とに基づき、基本条件を再設定可能である。
この構成によれば、システムによる評価と実際の対応とのフィードバックを行うことができ、より適切な基本条件に更新していくことができる。
【0087】
具体的な一例として、設定手段は、基本情報に設ける候補項目として予め用意した所定数の項目から複数の項目を選択するとともに、選択した複数の項目毎に重み係数を設定する第1設定手段と、ROC曲線に基づいて定められたカットオフ値を閾値Cとして設定する第2設定手段と、を備えていてもよい。第1設定手段は、病態を呈した症例と呈さなかった症例との間で行った単変量解析の結果に基づいて所定数の項目から有意項目を抽出し、抽出した有意項目を用いた多変量解析の結果に基づいて複数の項目を選択するとともに重み係数Wを設定する。
【0088】
また、電子カルテ管理手段は、対象患者に対して行う手順を示す複数のステップ画像3を、患者情報D1と関連した態様で情報端末20に表示させることが可能である。複数のステップ画像3は、それぞれの表示態様の変化により手順の進捗状況を把握させ、基本情報を取得したか否かを報知可能な第1画像と、評価手段によって評価された必要度を報知可能な第2画像とを含む。具体的な一例として、複数のステップ画像3が示す手順は、診療報酬の加算要件を満たすために必要な手順を含む。
ここで、従来の電子カルテでは閲覧者が該当ページを逐一調べることで手順及びその進捗状況を把握せざるを得なかった。しかしながら、上記の電子カルテ管理手段によれば、各医療スタッフは、情報端末20により閲覧可能な電子カルテにおいて、複数のステップ画像3により手順及びその進捗状況を容易に把握できる。
【0089】
また、基本情報を得るための質問票は、紙のマークシート、又は、携帯端末で回答可能なデータとして回答者に提供される。そして、取得手段は、マークシートをスキャンして得られる電子データ、又は携帯端末に表示された識別情報をスキャンして得られる電子データに基づき、基本情報を取得する。
この構成によれば、基本情報を院内のシステムで取得することができるため、患者の個人情報が外部へ漏洩することを抑制できる。また、診察や入院の度に、患者等の回答者が質問票に回答する際も、回答方法が容易であるため、回答者の負担を軽減することもできる。
【0090】
また、電子カルテ管理手段は、過去に医療機関を受診したことがある患者に対しては、項目別に設けられた質問のうち前回と変更点がないと想定される質問については回答済の態様の質問票を当該患者の電子カルテに基づいて作成して出力可能である。
この構成によれば、部署毎に同様の情報収集が複数回なされることを回避でき、複数回の診療、入院に際して変更点のみ回答すればよいので、回答者(患者を含む)及び医療スタッフの双方の負担を軽減することができる。
【0091】
本発明は以上の実施形態、変形例及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態に適宜の変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0092】
(変形例)
以上に示した、質問票、患者情報一覧票、及び手順管理画面の構成は、あくまで一例であり、目的に応じて適宜変更可能である。以上では、患者情報一覧票において、患者情報D1とともに関連情報D2も閲覧可能な例を示したが、関連情報D2は電子カルテの患者情報D1の閲覧ページから遷移可能な他のページに表示されてもよい。つまり、電子カルテ管理手段が情報端末20に患者情報D1と関連した態様で関連情報D2を表示させるとは、患者情報D1及び関連情報D2が電子カルテの同一ページで表示されることと、電子カルテにおいて互いに異なるページに表示されることとを含む。同様に、電子カルテ管理手段が複数のステップ画像3を患者情報D1と関連した態様で情報端末20に表示させるとは、複数のステップ画像3及び患者情報D1が電子カルテの同一ページで表示されることと、電子カルテにおいて互いに異なるページに表示されることとを含む。
【0093】
以上では、複数のステップ画像3が診療報酬の加算要件を満たすために必要な手順を含む例を示したが、複数のステップ画像3が示す手順は、医療業務を遂行するために必要な他の手順を示してもよい。例えば、複数のステップ画像3は、投薬手順などを含んでいてもよい。
【0094】
以上では、医療機関サーバ30が互いに協働する3つのサーバから構成される例を示したが、医療機関サーバ30の構成は、発明の目的を達することができる限りにおいては任意に変更可能である。また、マークシート式の質問票を読み取るための専用端末40がローカルネットワーク10に接続可能であってもよいし、任意の情報端末20にマークシート式の質問票を読み取るためのスキャナ41が接続されていてもよい。また、個人情報の流出を避ける対策が施されていれば、情報端末20と医療機関サーバ30の少なくともいずれかは専用回線、インターネット等に接続されて、他の医療機関と通信可能に構成されていてもよい。
【0095】
以上の説明では、評価情報が示す必要度が対応要か対応不要かで示される例を示したが、これに限られない。患者評価処理において互いに異なる値の複数の閾値Cを設定して、必要度を段階的に評価してもよい。こうした場合、対応の必要度は、「高」「中」「低」などの段階を示すものであればよい。
【0096】
以上では、対象患者が高齢者である例を説明したが、患者情報集約システム1は高齢者以外の患者に関しても適用可能である。
【0097】
以上では、電子カルテ管理処理、患者評価処理、条件設定処理及び再設定処理が、医療機関サーバ30に記憶されたプログラムに従って実行される例を示した。しかしながら、これら各処理の少なくとも一部は、院内の情報端末20にダウンロードされたプログラムによって実行されてもよい。また、条件設定処理及び再設定処理は、人工知能AIや深層学習によって実行されてもよい。なお、患者評価処理、条件設定処理及び再設定処理は、院内で使用される複数の情報端末20のうち、特定の端末にのみ実行が許可されてもよい。
【0098】
以上に説明した各処理を実行するプログラムは、着脱自在の記録媒体により配布・提供されてもよい。また、プログラムは、医療機関サーバ30と接続された他の機器からダウンロードされるものであってもよい。また、また、医療機関サーバ30は、他の機器と電気通信ネットワークなどを介して各種データの交換を行うことによりプログラムに従う各処理を実行してもよい。
【0099】
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
【0100】
この発明は、この発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明の範囲を限定するものではない。すなわち、この発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0101】
1…患者情報集約システム
10…ローカルネットワーク
20…情報端末、21…コードスキャナ
30…医療機関サーバ
31…ウェブサーバ
32…DBサーバ、D1…患者情報、D2…関連情報
32a…電子カルテDB、32b…条件設定用DB
33…管理サーバ
33a…電子カルテ管理部、33b…患者評価部、33c…条件設定部
40…専用端末、41…スキャナ
2,4…ボタン画像、3…ステップ画像、5…備考画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8