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特開2022-174954アプリケーション作成画面の表示制御方法、プログラムおよび情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174954
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】アプリケーション作成画面の表示制御方法、プログラムおよび情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20221117BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G06F3/0481 170
G06F3/12 308
G06F3/12 352
G06F3/12 353
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081023
(22)【出願日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】島野 衛
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA02
5E555AA09
5E555AA79
5E555BA06
5E555BA27
5E555BB02
5E555BB04
5E555BB27
5E555BC04
5E555CA02
5E555CB07
5E555CB34
5E555CC11
5E555DB18
5E555DB56
5E555DC21
5E555DD09
5E555EA09
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アプリケーションの画面遷移を含めた動作を視覚的に認識しながら、容易に印刷処理を含むアプリケーションの作成を行う。
【解決手段】アプリケーション作成画面の表示制御方法は、アプリケーション作成画面内の作成領域300でユーザー操作に基づき、デバイスに表示される第1のアイコンを配置し、デバイスにおいて第1のアイコンから遷移する第2のアイコンを、ユーザー操作に基づき作成領域に配置し、第1のアイコンとともに表示される操作部を作成領域に配置する。操作部に対する特定のユーザー操作を、デバイスにおける第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移するための条件として設定する。ユーザー操作に基づき、第1のアイコン又は第2のアイコンから遷移する、デバイスに接続される外部プリンタにおける印刷を実行する印刷処理アイコン4100を配置し、印刷レイアウトを構成するアイテムを選択することで、印刷レイアウトを設定する。
【選択図】図41
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデバイスで動作するアプリケーションを作成することを補助するアプリケーショ
ン作成画面の表示制御方法であって、
前記アプリケーション作成画面内の作成領域においてユーザー操作に基づき前記デバイ
スに表示されることになる第1のアイコンを配置するステップと、
前記デバイスにおいて前記第1のアイコンから遷移する第2のアイコンをユーザー操作
に基づき前記作成領域に配置するステップと、
操作部であって、前記操作部に対する特定のユーザー操作が前記デバイスにおける前記
第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移するための条件として設定される当該操作
部に対応する操作領域を、前記作成領域に前記第1のアイコンとともに配置するステップ
と、
前記操作領域から前記第2のアイコンに対するドラッグ操作に応じて、前記第1のアイ
コンと前記第2のアイコンとを結ぶ線を前記作成領域に配置するステップと、
ユーザー操作に基づき、前記第1のアイコンまたは前記第2のアイコンから遷移する、前記デバイスに接続される外部プリンタにおける印刷を実行する印刷処理アイコンを配置するステップと、
前記印刷の印刷レイアウトを構成するアイテムを選択することで、前記印刷レイアウトを設定するステップと
を有することを特徴とするアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項2】
前記アイテムは、ラベル、データリスト、バーコード、線、矩形、図の挿入のいずれか、または組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項3】
さらに、
前記印刷レイアウトに基づいて、テスト印刷を前記外部プリンタに指示するステップと
を有し、
前記テスト印刷は、印刷内容にデータを印刷しない、または印刷内容に所定のデータを印刷することを特徴とする請求項1または2に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項4】
さらに、
前記外部プリンタに接続しているか否かを判定するステップと
を有し、
前記判定するステップにて、接続していないと判定された場合、前記テスト印刷の指示ができないことを特徴とする請求項3に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項5】
前記テスト印刷は、前記印刷レイアウトを遷移させることで、テスト印刷を指示する印刷レイアウトを指定できることを特徴とする請求項3または4に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項6】
さらに、
前記印刷レイアウトの設定は、印刷する用紙の長さを指定するステップと
を有し、
前記用紙の長さは、固定の長さ、または印刷データに基づく長さであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のアプリケーション作成画面の表示制御方法を
情報処理装置に実行させるプログラム。
【請求項8】
所定のデバイスで動作するアプリケーションを作成することを補助するアプリケーショ
ン作成画面を表示する情報処理装置であって、
前記アプリケーション作成画面内の作成領域において、ユーザー操作に基づき、前記デ
バイスに表示されることになる第1のアイコンを配置する手段と、
前記デバイスにおいて前記第1のアイコンから遷移する第2のアイコンを、ユーザー操
作に基づき、前記作成領域に配置する手段と、
前記デバイスに設けられた操作部であって、前記操作部に対する特定のユーザー操作が
前記デバイスにおける前記第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移するための条件
として設定される当該操作部に対応する操作領域を、前記作成領域に前記第1のアイコン
とともに配置する手段と、
前記操作領域から前記第2のアイコンに対するドラッグ操作に応じて、前記第1のアイ
コンと前記第2のアイコンとを結ぶ線を前記作成領域に配置する手段と、
ユーザー操作に基づき、前記第1のアイコンまたは前記第2のアイコンから遷移する、前記デバイスに接続される外部プリンタにおける印刷を実行する印刷処理アイコンを配置するステップと、
前記印刷の印刷レイアウトを構成するアイテムを選択することで、前記印刷レイアウトを設定するステップと
を有することを特徴とする情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイスで実行されるアプリケーションを作成するツールにおけるアプリケーション作成画面の表示制御方法、プログラムおよび情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デバイス(例:バーコード読み取り用のハンディターミナル)で動作する所望のアプリケーションを作成しようとした場合、ユーザーは、予め決められたXML(eXtensible Markup Language)やHTML(HyperText Markup Language)などの言語でアプリケーションを記述しなければならない。記述作業には言語について高度の習熟が必要である。そのため、ユーザー自身がアプリケーションの作成することは困難であった。ユーザーは、アプリケーションを他の業者に外注して作成してもらうことになるが、多数のデバイスを使用するユーザーであれば外注費が問題とならない。しかし、少数のデバイスを使用するユーザーにとっては外注費が問題となり、デバイスの購入意欲を削いでいた。一方で、特許文献1によれば、画像などの編集ツールとして、表示した画像に対して所望の処理を施すことができるツールが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-62797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーにとってデバイス用のアプリケーションを簡単に作成することができれば、外注費を削減でき、デバイスの購入意欲が増す。また、プログラミング言語に習熟したユーザーであっても、プログラムの開発作業が容易になることは好ましい。とりわけ、デバイスで動作するアプリケーションの画面遷移を含めた動作をユーザーが視覚的に認識しながら、容易に印刷処理を含むアプリケーションの作成を行えることができれば、ユーザーにとって便利である。そこで、本発明は、デバイスで動作するアプリケーションの画面遷移を含めた動作をユーザーが視覚的に認識しながら、容易に印刷処理を含むアプリケーションの作成を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を鑑み、本発明に係るアプリケーション作成画面の表示制御方法は、
所定のデバイスで動作するアプリケーションを作成することを補助するアプリケーショ
ン作成画面の表示制御方法であって、
前記アプリケーション作成画面内の作成領域においてユーザー操作に基づき前記デバイ
スに表示されることになる第1のアイコンを配置するステップと、
前記デバイスにおいて前記第1のアイコンから遷移する第2のアイコンをユーザー操作
に基づき前記作成領域に配置するステップと、
操作部であって、前記操作部に対する特定のユーザー操作が前記デバイスにおける前記
第1のアイコンから前記第2のアイコンへ遷移するための条件として設定される当該操作
部に対応する操作領域を、前記作成領域に前記第1のアイコンとともに配置するステップ
と、
前記操作領域から前記第2のアイコンに対するドラッグ操作に応じて、前記第1のアイ
コンと前記第2のアイコンとを結ぶ線を前記作成領域に配置するステップと、
ユーザー操作に基づき、前記第1のアイコンまたは前記第2のアイコンから遷移する、前記デバイスに接続される外部プリンタにおける印刷を実行する印刷処理アイコンを配置するステップと、
前記印刷の印刷レイアウトを構成するアイテムを選択することで、前記印刷レイアウトを設定するステップと
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザーは、アプリケーションの画面遷移を容易に把握しながら印刷処理を含むアプリケーションの作成を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態にかかるシステムを示す図。
図2】情報処理装置を説明する図。
図3】アプリケーション作成画面を説明する図。
図4】デバイスにおけるページの表示例を説明する図。
図5】ページを説明する図。
図6】ページ追加メニューを説明する図。
図7】詳細設定を説明する図。
図8】遷移表示線を説明する図。
図9】レイアウトメニューを説明する図。
図10】ラベルとテキストボックスの配置を説明する図。
図11】チェックメニューを説明する図。
図12】条件分岐を説明する図。
図13】データメニューを説明する図。
図14】ファイル操作を説明する図。
図15】オプション選択部を説明する図。
図16】通知設定を説明する図。
図17】自己回帰型の遷移を説明する図。
図18】データ転送の設定を説明する図。
図19】遷移表示線の色と操作オブジェクトの色との関係を説明する図。
図20】プロジェクトデータの作成処理を示すフローチャート。
図21】XMLファイルへの変換処理を説明するフローチャート。
図22】デバイスを説明する部。
図23】デバイスの表面を説明する図。
図24】デバイスの背面を説明する図。
図25】遷移表示線の他の例を説明する図。
図26】自己回帰型の遷移の他の例を説明する図。
図27】データ転送の設定などの他の例を説明する図。
図28】印刷を設定する処理を示すフローチャート。
図29】印刷レイアウトを設定する処理を示すフローチャート。
図30】印刷処理を設定する処理を示すフローチャート。
図31】オプション選択部を説明する図。
図32】プリンタ選択を説明する図。
図33】印刷レイアウト設定を説明する図。
図34】印刷レイアウト設定を説明する図。
図35】印刷レイアウト設定を説明する図。
図36】テスト印刷を説明する図。
図37】印刷レイアウトの登録を説明する図。
図38】ページ追加を説明する図。
図39】印刷処理設定を説明する図。
図40】印刷処理設定を説明する図。
図41】印刷処理を説明する図。
図42】印刷処理を説明する図。
図43】プリンタの詳細設定を説明する図。
図44】バーコード設定を説明する図。
図45】アイテムを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態が詳しく説明される。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一または同様の構成には同一の参照番号が付され、重複した説明は省略される。
【0009】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図を用いて詳細に説明する。図1には、本実施形態におけるアプリケーション作成ツールがインストールされる情報処理装置500と、作成されたアプリケーションをインストールして実行するデバイス400(例:情報読取装置など)によって構成される情報処理システムの一例を示している。このように、情報処理装置500は、情報処理装置500上で動作するアプリケーション作成ツールによって作成されたアプリケーションをXMLなどの形式で出力し、サーバS経由もしくは直接的にデバイス400に送信する。デバイス400はアプリケーションのXMLファイルを実行することにより、アプリケーションを動作させる。
【0010】
<アプリケーション作成ツールを動作させる情報処理装置の説明>
図2に示すように、情報処理装置500がアプリケーション作成ツール506を実行することによってユーザーはアプリケーション作成ツール506の補助を受けながらアプリケーションの作成が可能となる。
【0011】
CPU(中央演算処理装置)501は、記憶装置505に記憶されたアプリケーション作成ツール506を実行する。記憶装置505は、RAM、ROM、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどを含んでもよい。記憶装置505はアプリケーション作成ツール506、アプリケーションのプロジェクトデータ507、アプリケーションのXMLファイル508を記憶する。プロジェクトデータ507は、アプリケーションの作成を管理するためのデータである。XMLファイル508は、アプリケーションそのものであり、デバイス400に転送され、デバイス400において実行される。
【0012】
入力装置502は、キーボードやマウス、タッチパネルなど、ユーザー操作を受け付ける装置である。表示装置503は、液晶表示装置などである。通信装置504は、有線LAN(Local Area Network)通信、無線LAN通信、近距離無線通信を実行して、サーバSやデバイス400と通信する通信回路を有している。
【0013】
<アプリケーション作成画面>
図3には、本実施形態におけるアプリケーション作成ツール506のアプリケーションの作成画面1の一例を示している。なお、上述したように、本実施形態におけるアプリケーション作成ツール506は、情報処理装置500にインストールされて使用される。ただし、クラウドサーバにネットワーク接続された情報処理装置500において、WEBブラウザなどを介してクラウドサーバ上で動作するアプリケーション作成ツールを表示、制御可能なように構成してもよい。いずれの場合においても、アプリケーション作成ツールのアプリケーション作成画面は、情報処理装置500の表示装置503に表示される。
【0014】
図3は、CPU501がアプリケーション作成ツール506にしたがって表示装置503に表示する、アプリケーションの作成途中の作成画面1を示している。CPU501は、入力装置502から入力されるユーザー操作にしたがって様々な画面オブジェクトを作成画面1に配置していく。CPU501は配置された画面オブジェクトの位置や、遷移条件などの制御情報をプロジェクトデータ507に格納する。CPU501は、プロジェクトデータ507が完成し、ユーザーによるXMLファイル508への変換指示が入力されると、プロジェクトデータ507をXMLファイル508へ変換する。
【0015】
図3に示された作成画面1には、ユーザー操作に基づき、ページ10、11、12、13が配置されている。ページ10、11、12、13は、図4に示されるように、デバイス400の表示装置に表示される表示画面である。ページ10、11、12、13は、アイコンやページアイコン、ページオブジェクトと呼ばれてもよい。
【0016】
図3において、遷移表示線20は、デバイス400の表示装置に表示されるページが、ページ11からページ12に遷移することを視覚的にユーザーに理解させるための線オブジェクトである。
【0017】
分岐アイコン30は、ページ10の遷移先がページ12とページ13とに分岐することが設定されると共に、それを視覚的にユーザーに理解させるためのオブジェクトである。デバイス400においてページ10が表示されているときに第一条件が満たされると、ページ12へ遷移し、第二条件が満たされると、ページ13へ遷移する。第一条件、第二条件は分岐アイコン30に関連付けて設定が記憶される。
【0018】
分岐表示線31aは、分岐アイコン30とページ13とを結ぶ線オブジェクトである。ファイル操作アイコン40は、ページ11からページ12へ遷移する際に、ファイル操作を実行することを指示すると共に、それをユーザーに理解させるためのアイコンである。
【0019】
作成画面1の画面下部には、点線で囲われた領域にコマンド選択部100が表示されている。作成画面1の画面右部には、点線で囲われた領域にオプション選択部200が表示されている。
【0020】
図5は、ページ10の詳細を示している。ページ10は、後述するラベルLB、テキストボックスTBなどが配置される配置領域19を有している。また、操作領域21は、デバイス400に設けられたLキー、F1キー、F2キーおよびRキーに対応して設けられた四つの操作オブジェクトを有している。デバイス400にハードキーとして設けられたLキー、F1キー、F2キーおよびRキーの色と、四つの操作オブジェクトの色とはそれぞれ対応している。たとえば、Lキーと、Lキーに対応した操作オブジェクトは同一または類似の色であってもよい。操作領域21における各オブジェクトの配置と、デバイス400における各キーの配置とが、相似していてもよい。つまり、デバイス400における複数のハードキーの形状と配置をそのまま摸した画像が、操作領域21に表示されてもよい。
【0021】
なお、デバイスの機種ごとにハードキーの数、色、配置は異なることもある。CPU501は、デバイスの機種を示す識別情報の指定をオプション選択部200やそれ以外の部分から選択可能にされたメニューより受け付けることで、識別情報に対応するハードキーの数、色、配置を有した操作領域21を表示してもよい。
【0022】
さて、図3において表示されている各パーツの意味についてさらに詳細に説明する。まず、ページ10では、その上部に、アプリケーションが動作するデバイス上の表示画面で実際に表示される表示画面部である配置領域19が表示され、その下部に、デバイス400が有する操作部に対応する操作領域21が表示されている。この操作領域21に表示される操作部は、デバイス400やその周辺機器に設けられたタクトキーなどのハードキーに対応するものであり、また、表示画面に表示されるソフトキーであってもよい。
【0023】
ページ11においては、その最上部にページ番号PG、その下部にページタイトルPT、その下部にテキスト入力部TBとそれに対応するラベルLBが表示されていることを示している。CPU501は、ユーザーによりページが作成画面1に配置された時点でページ番号を自動付与する。つまり、ページ番号は通し番号であってもよい。ページタイトルPTとラベルLB、テキスト入力部TBはコマンド選択部100内に用意されたコマンドを利用して、後述する方法でページ11に対して割り当てられる。
【0024】
作成画面1においては、ページ11からページ12に向かって遷移表示線20が延びている。この遷移表示線20は、ページ11内に配置されたRボタン11aからページ12の中心まで延びるように、ページ11の端部を始点、ページ12の端部を終点として描画されており、ページ11に設けられたRボタン11aからページ12に遷移することが視覚的に理解可能なように、矢印などの図形が付与されている。このRボタン11aを含む操作領域21はデバイス400に設けられた有色のハードキーに対応する表示をデバイス400の表示画面に表示する表示画面部と共にその下部に表示したものである。遷移表示線20は、そのRボタン11aの色と同じ色の線で描画されていてもよい。これによって、ユーザーは、デバイス400のどのボタンを押すとどの画面に遷移するかを直観的に把握することができる。
【0025】
なお、本実施形態においては、ページ11にはRボタン11a以外にも、F2ボタン11b、F1ボタン11c、Lボタン11dが設けられている。これらのボタンは、デバイス400に設けられたハードキーに対応しており、ハードキーと同じ色で表示された有色のボタンとして色つきで表示されている。
【0026】
本実施形態においては、Rボタン11aは黄色、F2ボタン11bは緑色、F1ボタン11cは青色、Lボタン11dは赤色に設定されている。これは、アプリケーションが動作するデバイスとして予めアプリケーション作成ツール上で設定されたデバイス400が有するハードキーを参照して表示されている。すなわち、CPU501は、アプリケーション作成ツール506のオプション設定機能においてデバイス400の種類や機種名の入力を受け付け、入力されたデバイス400の種類や機種名に対応する操作オブジェクトを操作領域21に配置する。したがって、操作オブジェクトの数や色は、デバイス400の種類や機種名に依存して異なってもよい。アプリケーション作成ツール506は、デバイス400の種類や機種名と対応付けて、操作オブジェクトの数や色の情報を有している。なお、デバイス400の種類や機種名と対応付けた操作オブジェクトに関する情報は、外部装置から取得しても良い。
【0027】
CPU501は、対応付けられるハードキーの色と同じ色で遷移表示線20を表示する。図3の例であれば、黄色のRボタン11aからページ12に向かって延びる遷移表示線20は黄色に表示される。
【0028】
その遷移表示線20の途中には、分岐アイコン30が表示されており、設定された分岐条件に従って、遷移先が異なることを示している。図3では、ページ11のテキスト入力部TBに対し、ユーザーによってテキストが入力されていればページ12に遷移し、テキストが入力されていなければページ13に遷移するように設定されており、分岐アイコン30によって、何かしらの分岐条件が設定されていることを示している。なお、ユーザーが分岐アイコン30を選択すると、CPU501は、条件分岐の内容をポップアップ表示し、内容の変更を受け付けてもよい。これにより、ユーザーは、分岐条件を確認および変更できる。
【0029】
また、遷移表示線20における分岐アイコン30の先には、ファイル操作アイコン40が表示されている。このファイル操作アイコン40は、この時点で所定のファイルを操作するように設定されていることを示している。たとえば、所定のファイルパスと書き込むデータの設定などを指定することで、指定されたファイルに対して所定のデータを書き込んだりすることを指定できる。書き込むデータとしては、たとえばデバイス400のバーコードリーダーで読み取った結果などを設定可能である。
【0030】
ファイル操作アイコン40によりデータ転送を実行することが設定されてもよい。たとえば、F1キーが押されると、デバイス400が、画像またはコードをスキャンしてそのまま所定のパスにスキャン結果を転送し、同じ画面に戻ったり、別の画面に遷移したりすることが設定されてもよい。
【0031】
また、作成画面1の下部にはコマンド選択部100が表示されている。図3に示すものはその一例である。丸で囲まれたアイコンにカーソル(マウスポインタ)を合わせたり(例:マウスオーバーなど)、指定したりすると、CPU501は、それぞれのアイコンに含まれるメニューを表示する。ユーザーがそれをさらに選択することによってコマンドが選択される。また、作成画面1の右部にはオプション選択部200が表示されている。図3に示すものは一例であり、デバイス本体に内蔵されたLEDの制御指示やバーコードリーダーの動作設定、デバイスの本体設定機能が割り当てられており、それらを選択することによってオプション動作を指定することができる。具体的には、以降の説明の中で説明する。
【0032】
<新規ページ配置>
図3のコマンド選択部100における左端の「page」にカーソルを合わせると、図6に示すように、CPU501は、「page」アイコン110に含まれるメニュー111を「page」アイコン110を取り囲むように表示してもよい。ここでは、メニュー111は、「L」で示される「レイアウトページ機能」のみを有している。なお、図6においては、メニュー111において、「レイアウトページ機能」を示すレイアウトページアイコンにカーソルを合わせて選択した状態である。この時、CPU501は、「page」アイコン110に表示する文字である「page」を、選択されたコマンドの説明文、つまり「レイアウトページ」に切り替えてもよい。
【0033】
この「レイアウトページ機能」を示すレイアウトページアイコン「L」を選択して、上部の作成領域300にドラッグし、ドロップしたことを検知すると、CPU501は、新規ページとしてページ10を配置して表示する。なお、新規ページが配置される位置は、ドロップした場所であってもよいし、図6が示すように、自動的に画面左上などを基準にして整列されるようにしてもよい。なお、図3はこの操作を作成領域300に対して複数回行った状態を示しており、ページ10に加えて、ページ11、ページ12、ページ13が配置されている。
【0034】
<ページ同士のつなぎ方>
次に、ページ同士のつなぎ方について説明する。図7には、作成領域300に配置されたページ11のRボタン11aを選択した状態を示している。Rボタン11aがユーザーにより選択されると、CPU501は、動作パラメータ11eを表示する。動作パラメータ11eは、デバイス400でページ11を表示している状態においてRボタン11aが押下された際に、デバイス400が実行すべき内容を定義している。
【0035】
図8は、この状態でRボタン11aからページ12に向けてドラッグアンドドロップした状態を示している。図8において、CPU501は、Rボタン11aの中心座標からページ12の中心座標に向けて遷移表示線20を表示する。このように、ページ11の下部に表示された操作領域21におけるいずれかの操作オブジェクト(ボタン)等から、任意のページに対するドラッグアンドドロップを検知すると、CPU501は、そのボタンに対応するハードキー等を押下(指示)された場合に遷移すべきページが指定されたものと認識し、この遷移条件をプロジェクトデータに格納する。つまり、ユーザーは、ドラッグアンドドロップによりページの遷移を指定することができる。なお、遷移表示線20の始点と終点は上述の通りRボタン11aの中心座標とページ12の中心座標である。ただし、遷移表示線20のうち、実際に描画されているのはページ11の端部(縁)からページ12の端部の部分のみであってもよい。あるいは、Rボタン11aの中心座標とページ12の中心座標まで遷移表示線20が描画された上に、Rボタン11aとページ12が重畳されて表示されてもよい。いずれも見た目は同じである。
【0036】
遷移表示線20には、Rボタン11aからページ12に向く複数の矢印が所定間隔で表示されてもよい。これは、画面遷移の方向が分かりやすくなる効果をもたらす。特に、図3で示すように分岐アイコン30やファイル操作アイコン40が遷移表示線20上に表示される場合、遷移方向の視認性が向上する。また、本実施形態においては、遷移表示線20を配置する例として、上述した動作パラメータ11eが表示された状態でRボタン11aからページ12に向けてドラッグアンドドロップすると説明したが、動作パラメータ11eが非表示の状態で同操作をした場合でも遷移表示線20を配置可能にして良い。
【0037】
<各ページの表示レイアウト選択方法>
次に、各ページの表示レイアウトを選択する方法について説明する。図9に示すように、コマンド選択部100に含まれる「layout」アイコン120にカーソルを合わせると、CPU501は、「layout」アイコン120に含まれる「L:ラベル」121、「T:テキストボックス」122、「C:キャプション」123を含むメニューを表示する。この中から所望の機能を選択して、設定したいページにドロップすることによって表示レイアウトを選択することができる。なお、Lは、ラベルLBを配置するためのコマンドである。TはテキストボックスTBを配置するためのコマンドである。CはページタイトルPTを配置するためのコマンドである。ラベルLBとページタイトルPTとには任意のテキストを設定可能である。
【0038】
図10には、図9に示す「L:ラベル」を示すラベルアイコン121と「T:テキストボックス」を示すテキストボックスアイコン122をページ11にドロップした状態を示している。CPU501はこのユーザー操作に応じてラベルLBとテキストボックスTBをページ11に追加して表示している。これによって、たとえば、ページ11のRボタン11aを押下した際に、テキストボックス内の入力状態に対応して分岐条件を設定し、その結果に応じた画面遷移を設定することなどが可能となる。なお、CPU501は、ページ11におけるラベルLBの位置とテキスト内容(文字列)、および、テキストボックスTBの位置についてプロジェクトデータ507に格納する。
【0039】
<チェック(分岐)機能の設定の仕方>
次に、チェック(分岐)機能の設定の仕方について説明する。図11が示すように、コマンド選択部100に含まれる「check」130にカーソルを合わせると、CPU501は、「check」メニューを表示する。「check」メニューは、「I:入力有無チェック」131、「D:データ検索」132、「T:テキストサイズチェック」133を含む。「I:入力有無チェック」131は、テキストボックスTBにテキストが入力されているか否かを判定するコマンドである。「D:データ検索」132は、テキストボックスTBに入力されたテキストを別のテキストボックスTBに対して検索して存在するかチェックするコマンドである。あるいは、「D:データ検索」132は、指定されたファイルに所定のデータが存在するかどうかをチェックしてもよい。「T:テキストサイズチェック」133は、テキストボックスTBに入力されたテキストのサイズ(文字数)が規定サイズ以内かどうかをチェックするコマンドである。この中から所望の機能を選択して、設定したい箇所(テキストボックスTB)にドロップすることによってチェック機能を設定することができる。たとえば、CPU501は、選択されたチェック機能をテキストTBに関連付けてプロジェクトデータ507に格納する。チェック機能のドロップ位置は、チェック機能のトリガーとなる操作オブジェクトであってもよい。
【0040】
一例として、条件分岐を設定する例について説明すると、図11において、「D:データ検索」を示すデータ検索アイコン132が選択されてページ11のRボタン11aに対してドロップされたと仮定する。CPU501は、このユーザー操作を検知すると、図12が示すように、Rボタン11aから延びる遷移表示線20上に分岐アイコン30を配置する。
【0041】
この分岐アイコン30がクリックされて選択されると、CPU501は、条件分岐するための条件設定についてのユーザー入力を受け付ける。この場合、「D:データ検索」が指定されているため、所定のファイル内に所定のデータが存在することが条件として設定されている。つまり、デバイス400においてRボタン11aが押下された際に分岐アイコン30に設定された条件を満たす場合に、デバイス400はページ12に遷移することが設定されている。条件を満たさない場合には、ページ11から遷移しない状態となっている。
【0042】
図3が示すように、分岐アイコン30の条件を満たさない場合の遷移先をページ11以外に設定することもできる。図12の状態で新規ページ13を追加し、分岐アイコン30からページ13に向けてドラッグアンドドロップすることによって、図3に示す分岐表示線31aが表示される。このように設定すると、分岐アイコン30における条件を満たさない場合には、ページ13に遷移することを設定できる。CPU501は、分岐アイコン30における条件を満たさない場合には、ページ13に遷移することをプロジェクトデータ507に格納する。
【0043】
なお、チェック機能を設定する際に所望の機能を示すアイコンをドロップする場所は、上述したRボタン11aなどに限らず、遷移表示線20に対してドロップすることで登録できるようにしてもよい。分岐表示線31aなどに対しても登録できるようにすることができ、分岐アイコン30で条件を満たさない場合などに、別の条件判断をさせてその結果で遷移する画面が変わるように設定することも容易に行える。
【0044】
<ファイル操作の設定の仕方>
次に、ファイル操作の設定の仕方について説明する。コマンド選択部100に含まれる「data」140にカーソルが合わせられると、図13が示すように、CPU501は、「data」メニューに含まれる「S:データ保存」コマンドに対応したデータ保存アイコン141を表示する。この「S:データ保存」を設定したい箇所にデータ保存アイコン141をドロップすることによって、ドロップされた位置でデータ保存を実行することをデバイス400に設定することができる。この「データ保存」メニューはファイル操作の一例であり、それ以外のファイル操作を設定可能に構成されてもよい。
【0045】
図13において、Rボタン11aに対してデータ保存アイコン141がドロップされたことを検知すると、図14が示すように、CPU501は、Rボタン11aから延びる遷移表示線20に対してファイル操作アイコン40を配置する。
【0046】
このファイル操作アイコン40がクリックされ選択されると、CPU501は、ファイル操作の内容設定についてのユーザー入力を受け付ける。この場合、「S:データ保存」が指定されているため、所定のファイルパスに所定のデータを保存することが設定されてもよい。所定のファイルパスは、たとえば、デバイス400の記憶装置におけるファイルパスであってもよいし、ネットワークドライブのファイルパスであってもよいし、ファイルの送信アドレスであってもよい。
【0047】
なお、ファイル操作機能を設定する際に所望の機能を示すアイコンをドロップする場所は、上述したRボタン11aなどに限らず、遷移表示線20上であってもよい。
【0048】
<オプション機能の設定の仕方>
次に、オプション機能の設定の仕方について説明する。上述したように、作成画面1の画面右部には、オプション選択部200が表示されている。この中には、「本体設定」、「外部プリンタ印字」、「LED制御」、「バーコード読み取り設定」などのメニューが含まれている。「本体設定」とはデバイス400の動作設定を意味する。「外部プリンタ印字」とは、デバイス400に接続された外部プリンタにおける印刷設定(例:印刷レイアウトの設定など)を意味する。「LED制御」はデバイス400に設けられた発光ダイオードの点灯制御の設定を意味する。「バーコード読み取り設定」は、デバイス400に設けられたバーコードリーダーの読み取り設定(例:1次元、2次元など)を意味する。
【0049】
その中の一例として、「LED制御」機能について説明する。図15が示すように、オプション選択部200から「LED制御」機能を示すLED制御メニュー210がマウスオーバー等により選択されると、CPU501は、さらに追加アイコン211を表示する。追加アイコン211がクリックされると、CPU501は、LEDアイコン212を追加して表示する。
【0050】
図15の例においては、Rボタン11aに対してLEDアイコン212がドロップされたことを検知すると、CPU501は、図16が示すように、Rボタン11aから延びる遷移表示線20に対して通知アイコン51を配置する。この通知アイコン51には、デバイス400に設けられたLEDを点灯させて、ユーザーに各種の通知を行う動作が設定されている。
【0051】
LEDアイコン212がドロップされた直後にはデフォルト設定が採用されているが、通知アイコン51がクリックされて選択されると、CPU501は、デフォルト設定の変更を受け付ける。これにより、デバイス400に設けられたLEDを点灯させる点灯条件の変更が可能になっている。LEDアイコン212をクリックすることで、どのようにLEDを動作させるかの詳細な設定を行うためのポップアップが表示されてもよい。
【0052】
なお、LEDアイコン212をRボタン11aにドロップすることで、遷移表示線20における先頭側(Rボタン11a側)に通知アイコン51が配置されているが、これは一例に過ぎない。通知アイコン51を遷移表示線20の別の場所、たとえばファイル操作アイコン40の後ろ側にドロップし直すことで、LEDが動作するタイミングを変更することができる。また、通知設定機能を設定する際に所望の機能を示すアイコンがドロップされる場所は、上述したRボタン11aなどに限らず、遷移表示線20であってもよい。これにより、所望のタイミングで通知が実行されるようになる。
【0053】
以上のように、Rボタン11aに対して各アイコンをドロップすることでいろいろな動作を設定できることについて説明したが、追加で、他のボタンに対する動作を設定することができる。その際に、上述したように画面遷移を示す遷移表示線を各ボタンと同色の線で示すことにより、プログラムに基づく動作を視覚的に容易にユーザーに認識させることができる。なお、「線」と表現しているが、必ずしも遷移表示線は線でなくともよく、円などの他の形状を連続させたような図形の集合でもよく、ページ11からページ12に遷移することが視認可能なように表示するものがすべて含まれる。
【0054】
図17が示すように、Rボタン11aを自分自身に対してドラッグアンドドロップすることで、遷移表示線27が配置されてもよい。この例では、デバイス400に設けられた、Rボタン11aに対応するハードキーが押されても、ページ(画面)の遷移が発生しないことを意味している。この遷移表示線27に対し、上述したファイル操作アイコン40やオプション設定に関するアイコンをドロップして所望の機能を追加すれば、デバイス400に対し、画面の遷移はせずに所望の機能のみを実行させることを設定できる。
【0055】
図18が示すように、Lボタン10dをデータ転送アイコン52にドラッグアンドドロップすることで、CPU501は、Lボタン11dからデータ転送アイコン52に向けて遷移表示線22を配置してもよい。なお、このデータ転送アイコン52は事前にオプション選択部200から選択されて作成画面1に追加されている。この遷移表示線22およびデータ転送アイコン52は、デバイス400に設けられた、Lボタン11dに対応するハードキーが押下されると、デバイス400がデータ転送を実行することを意味する。なお、図18では、データ転送が成功すると成功通知(例:LEDの点灯など)を実行するための通知アイコン51も配置されている。このケースでは、データ転送が成功すると、ページ10に遷移することが遷移表示線23によって示されている。
【0056】
図19が示すように、Lボタン10dをデータ転送アイコン52にドラッグアンドドロップすることで、Lボタン10dからデータ転送アイコン52に向かって遷移表示線22が配置される。Lボタン10dの色と遷移表示線22の色はともに同一色(例:赤)であることが好ましい。F1ボタン10cをページ13にドラッグアンドドロップすることで、F1ボタン10cからページ13に向かって遷移表示線24が配置される。F1ボタン10cの色と遷移表示線24の色はともに同一色(例:青)であることが好ましい。F2ボタン10bをページ12にドラッグアンドドロップすることで、F2ボタン10bからページ12に向かって遷移表示線25が配置される。F2ボタン10bの色と遷移表示線25の色はともに同一色(例:緑)であることが好ましい。Rボタン10aをページ11にドラッグアンドドロップすることで、Rボタン10aからページ11に向かって遷移表示線26が配置される。Rボタン10aの色と遷移表示線26の色はともに同一色(例:黄)であることが好ましい。これらの色はデバイス400に設けられたハードキーの色と同一または類似していてもよい。
【0057】
なお、本実施形態においては、Lボタン10dにはデータ転送を意味する「送信」の文字が表示されており、Lボタン10dの上に「L」という文字が表示されている。F1ボタン10cには棚卸を意味する「棚卸」の文字が表示されており、F1ボタン10cの上に「F1」という文字が表示されている。F2ボタン10bには返却を意味する「返却」の文字が表示されており、F2ボタン10bの上に「F2」という文字が表示されている。Rボタン10aには貸出を意味する「貸出」の文字が表示されており、Rボタン10aの上に「R」という文字が表示されている。また、ラベルLBによって、各ボタンの意味がより大きな文字によって表示されてもよい。なお、これらの文字は、各ボタンを選択することで表示されるダイアログにおいて編集可能になっている。このような本実施形態における表示は一例であり、これらに限られない。
【0058】
<アプリケーション作成ツールのフローチャート>
●プロジェクトデータの作成
図20はCPU501がアプリケーション作成ツール506にしたがって実行するプロジェクトデータの作成処理を示している。各処理の順番は矛盾がない限り、かつ、技術的な矛盾が生じない限り、自由に入れ替え可能である。アプリケーション作成ツール506が起動すると、コマンド選択部100やオプション選択部200、作成領域300を含む作成画面1を表示装置503に表示する。
【0059】
S1でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示がページの追加指示であるかどうかを判定する。「page」アイコン110がクリックまたはマウスオーバーされ、メニュー111における「レイアウトページ機能」が選択されると、CPU501はページの追加指示が入力されたと判定し、S2に進む。「レイアウトページ機能」が選択されていなければ、CPU501はS3に進む。
【0060】
S2でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示にしたがってページを追加する。ここでは、複数のページが追加されてもよい。CPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示にしたがって、作成領域300におけるページの位置を移動させてもよい。
【0061】
S3でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示が操作ボタン(操作オブジェクト)のドラッグアンドドロップであるかどうかを判定する。たとえば、あるページの操作領域21におけるいずれかの操作オブジェクト(ボタン)等が他のページなどにドラッグアンドドロップされると、CPU501は、S4に進む。図17に示されたように、同一のページ内でのドラックアンドドロップも可能である。操作ボタン(操作オブジェクト)のドラッグアンドドロップでなければ、CPU501は、S5に進む。
【0062】
S4でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示にしたがってあるページの操作オブジェクトから他のページまで延在する遷移表示線20を配置する。
【0063】
S5でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示がコマンド選択部100におけるいずれかのコマンドのドラッグアンドドロップであるかどうかを判定する。コマンドは、たとえば、「layout」アイコン120におけるコマンドである「L:ラベル」121や「T:テキストボックス」122、「C:キャプション」123であってもよい。あるいは、「check」130におけるコマンドである「I:入力有無チェック」131、「D:データ検索」132、「T:テキストサイズチェック」133であってもよい。「data」140におけるコマンドであるデータ保存アイコン141であってもよい。あるいは、オプション選択部200におけるいずれかのコマンドであってもよい。ユーザー指示がコマンド選択部100におけるいずれかのコマンドのドラッグアンドドロップであれば、CPU501はS6に進む。オプション選択部200におけるいずれかのコマンドの場合も同様である。コマンドのドラッグアンドドロップでなければ、CPU501はS7に進む。
【0064】
S6でCPU501はユーザーにより選択されたコマンドのアイコンを、コマンドがドロップされた位置に配置する。たとえば、分岐アイコン30やファイル操作アイコン40、通知アイコン51などが遷移表示線20上に配置されてもよい。
【0065】
S7でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示が詳細設定の指示であるかどうかを判定する。詳細設定とは、ラベルに対する文字の設定や、分岐条件の設定、通知設定の詳細な条件などである。詳細設定の指示であれば、CPU501はS8に進む。詳細設定の指示でなければ、CPU501はS9に進む。
【0066】
S8でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示にしたがって詳細設定を受け付ける。
【0067】
S9でCPU501は入力装置502から入力されるユーザー指示がプロジェクトデータ507の保存であるかどうかを判定する。プロジェクトデータ507の保存でなければ、CPU501は、S1に戻る。プロジェクトデータ507の保存であれば、CPU501は、作成領域300に配置された各ページの設定内容と、各操作ボタンの遷移内容とを含むプロジェクトデータ507を作成し、記憶装置505に保存する。なお、プロジェクトデータ507の保存は任意のタイミングで実行されてもよい。ページの設定内容は、ページ内でのラベルの位置、ラベルの文字、ラベルの色、テキストボックスの位置とサイズ、条件分岐の条件、各操作オブジェクトに対する遷移先のページなどを含む。いずれにしても、各ページをXML形式で記述するために必要な情報のすべてがプロジェクトデータ507に格納される。
【0068】
●XMLファイルへの変換
図21はCPU501がアプリケーション作成ツール506にしたがって実行するプロジェクトデータ507からXMLファイル508への変換処理を示している。
【0069】
S11でCPU501はプロジェクトデータ507をXMLファイル508に変換する。
【0070】
S12でCPU501はXMLファイル508がデバイス400において正常に実行可能かどうかをテストする。たとえば、CPU501はデバイス400において正常に実行できないような不適切なページ遷移やコマンドの実行などの有無を検知する。また、すべてのページやオプション間での遷移が正しく実行可能であるかどうかが検証される。
【0071】
S13でCPU501はテスト結果に基づきXMLファイル508が実行可能かどうかを判定する。XMLファイル508が実行可能であれば、CPU501はS14に進む。S14でCPU501は、XMLファイル508をあらかじめ指定されたフォルダに保存するとともに、デバイス400に対してXMLファイル508を転送してもよい。XMLファイル508が実行可能でなければ、CPU501はS15に進む。S15でCPU501はエラーをユーザーに通知する。CPU501は、どのページにエラーが存在するか、または、どのコマンドの設定にエラーが存在するか、を示す通知を表示装置503に表示してもよい。
【0072】
<その他>
上述された実施形態では、アプリケーション作成ツールにおいては各ページに対してその下方に操作領域が表示されていた。しかし、これは一例に過ぎない。デバイス400が有するハードキーに対して各ボタンが割り当てられた場合、デバイス400の表示画面上では操作領域が表示されないように設定されたXMLファイル508が生成されてもよい。
【0073】
このように、視覚的なアイコンなどを利用して一連の画面遷移をユーザーが設定可能である。そのため、ユーザーは従来のようなテキスト入力によるプログラミングを必要とせずにデバイスで動作するアプリケーションを設定可能となる。これは、ユーザーのプログラムの作成に関する利便性を向上させることができる。
【0074】
また、作成領域300にすべてのページやアイコンが配置されているが、レイヤー機能が採用されてもよい。レイヤー機能を採用することで、ユーザーはレイヤーごとにページやアイコンを配置することが可能となる。CPU501は、ユーザーにより指定されたレイヤーをアクティブにし、アクティブになっているレイヤーにページやアイコンを配置する。例えば、レイヤーに名称や属性を設定可能とし、指定されたそれぞれの名称や属性に含まれるページやアイコンのみをアクティブとし、表示するようにしても良い。この場合、CPU501は、アクティブになっていないレイヤーに配置されたオブジェクトも表示するものの、ユーザーによるそのオブジェクトの配置を禁止してもよい。
【0075】
<アプリケーションを動作させるデバイスの説明>
図22図23および図24を用いて、アプリケーション作成ツールで作成されたアプリケーションが動作するデバイス400について説明する。デバイス400は、一例として、1次元または2次元コード等のコードを読み取る情報読取装置であるとして説明する。デバイス400は、たとえば、バーコードリーダーや、携帯電話(スマートフォン)、タブレット端末、ハンディターミナル等であり、コードを読み取り可能な情報端末が対象となる。
【0076】
図22に示すように、CPU(中央演算処理装置)401は、記憶装置405に記憶されているコード読取プログラム411とアプリケーションプログラム(XMLファイル508)を実行する。記憶装置405は、RAMに加え、ハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュROM等不揮発性の記憶媒体を有していてもよい。
【0077】
入力装置402は、操作領域21に配置された操作オブジェクトに対応したハードキーなどを含む。図23が示すように、入力装置402は、Rキー480a、F2キー480b、F1キー480c、Lキー480dなどを含む。
【0078】
表示装置403は液晶表示装置などである。CPU401がXMLファイル508を実行することで、表示装置403に各種のページを表示する。また、入力装置402におけるいずれかのキーが押されると、CPU501は、そのキーに関連付けられている遷移先であるページを表示装置403に表示する。
【0079】
通知装置409は、LEDなどの発光素子や音を出力するスピーカなどである。CPU501は、通知アイコン51にしたがった点灯条件が満たされると、通知装置409の一例である図23に示すLEDを点灯させる。
【0080】
通信装置404は、デバイス400がサーバSや情報処理装置500と通信するための通信回路を含む。通信装置404は、たとえば、WLAN(Wireless Local Area Network)コントローラ、近距離無線通信回路、公衆回線と接続するモデム、5GもしくはIoTのための無線通信回路などを有している。
【0081】
スキャナ装置410は、不図示のLED等によるマーカー光照射手段および照明手段を備え、CCD等の撮像素子を用いて光学的にコードを読み取る。図24に示すように、スキャナ装置410の読み取り窓は、デバイス400の背面側に設けられていてもよい。
【0082】
<まとめ>
[観点1]
上述された実施形態によれば、所定のデバイス400で動作するアプリケーションをユーザーが作成することを補助するアプリケーション作成画面(例:作成画面1)の表示制御方法で提供される。CPU501は、アプリケーション作成画面内の作成領域300に、ユーザー操作に基づきデバイス400に表示されることになる配置領域19を含む第1のアイコン(例:ページ11など)を配置する。CPU501は、デバイス400において第1のアイコンから遷移する第2のアイコン(例:ページ12など)を、ユーザー操作に基づき作成領域300に配置する。CPU501は、デバイス400の操作部に対応する操作オブジェクトを含む操作領域を第1のアイコンと共に表示する。ここで、操作部に対する特定のユーザー操作は、第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移するための条件として設定される。CPU501は、操作オブジェクトから第2のアイコンに対するドラッグ操作(例:ドラッグアンドドロップ)に応じて、第1のアイコンと第2のアイコンとを結ぶ線(例:遷移表示線20)を表示する。これにより、デバイス400で動作するアプリケーションの画面遷移を含めた動作をユーザーが視覚的に認識しながら、容易にアプリケーションの作成を行えるようになる。
【0083】
[観点2、3]
線(例:遷移表示線20)は、第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移することをユーザーが認識可能な態様で表示されてもよい。たとえば、線は、第1のアイコンから第2のアイコンへ向かう矢印を含んでもよい。これにより、遷移元のアイコンと遷移先のアイコンとの関係がユーザーにとって視覚的に理解しやすくなろう。
【0084】
[観点4~6]
線の始点は、作成領域300における操作オブジェクトであってもよい。線の始点は、作成領域300における操作オブジェクトの中心座標であってもよい。線の終点は、作成領域における第2のアイコンの中心座標であってもよい。線のうち、操作オブジェクトと重なっている部分は表示されず、第2のアイコンと重なっている部分も表示されなくてもよい。これにより、遷移のトリガーとなる操作オブジェクトがユーザーにとって視覚的に理解しやすくなる。また、遷移先のアイコンもユーザーにとって視覚的に理解しやすくなる。さらに、線がアイコンや操作オブジェクトと重ならないようになるため、アイコンや操作オブジェクトをユーザーにとって見やすくすることができる。
【0085】
[観点7]
線の色と操作部の色とは同色であってもよい。これにより、遷移のトリガーとなる操作オブジェクトと、遷移先と遷移元との関係とがユーザーにとって視覚的に理解しやすくなる。
【0086】
[観点8]
デバイスに設けられた操作ボタンの色と、操作部の色とが同一または類似した色であってもよい。これにより、ユーザーはGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)におけるオブジェクトと、デバイス400における実際の操作ボタンとの関係を視覚的に理解しやすくなる。
【0087】
[観点9]
CPU501は、作成領域300において、ユーザー操作に基づきデバイスに表示されることになる第3のアイコン(例:ページ13)を配置してもよい。CPU501は、線の途中に、第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移するか、または、第3のアイコンへ遷移するかの条件分岐を示す分岐アイコン(例:分岐アイコン30)を配置してもよい。この場合、CPU501は、分岐アイコンと第3のアイコンとを結ぶ第2の線(例:分岐表示線31a)を表示してもよい。これにより、どの遷移タイミングで条件分岐が発生するかを、ユーザーは視覚的に理解しやすくなる。
【0088】
[観点10]
CPU501は、ユーザー操作に基づき、線の途中に、デバイスにおいて第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移する際にファイル操作を実行することを指示するファイル操作アイコン(例:ファイル操作アイコン40)を配置してもよい。これにより、どの遷移タイミングでファイル操作が発生するかを、ユーザーは視覚的に理解しやすくなる。
【0089】
[観点11]
CPU501は、ユーザー操作に基づき、線の途中に、デバイスにおいて第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移する際に通知を表示することを指示する通知アイコン(例:通知アイコン51)を配置してもよい。これにより、どの遷移タイミングで通知が発生するかを、ユーザーは視覚的に理解しやすくなる。
【0090】
[観点12]
CPU501は、ユーザー操作に基づき、線の途中に、デバイスにおいて第1のアイコンから第2のアイコンへ遷移する際にデータ転送を実行することを指示するデータ転送アイコン(例:データ転送アイコン52)を配置してもよい。これにより、どの遷移タイミングでデータ転送が発生するかを、ユーザーは視覚的に理解しやすくなる。
【0091】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、その構成の多くが第1の実施形態と共通である。従って、以下の説明においては、共通する構成については同じ符号を用い、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0092】
図25には、遷移先のページが作成領域300において配置されている位置によって、遷移表示線20がページ下部以外からも表示される様子を示している。
【0093】
遷移元のページ611から遷移先のページ612に対し、Rボタン611a、F2ボタン611b、F1ボタン611c、Lボタン611dの4つに対応して、4つの遷移表示線20で接続されている。本実施形態においては、4つのボタンに対応して、遷移元のページ611における遷移表示線20の始点が含まれる辺(図25では右側の辺)を4つの領域に分割して、それぞれの領域に遷移表示線20の始点が位置するように遷移表示線20が配置されている。なお、図25においては遷移元のページ611の右側の辺の上方から下方に向けて、Lボタン611d、F1ボタン611c、F2ボタン611b、Rボタン611aの順、すなわち、遷移元のページ611の下部において左から右の方向に対応している。従って、例えばLボタン611dからの遷移表示線20が、遷移元のページ611の右側の辺における最上部の領域に始点が含まれるように配置される。
【0094】
なお、本実施形態とは逆の順になるように設定しても良く、すなわち、Lボタン611d、F1ボタン611c、F2ボタン611b、Rボタン611aの順に、遷移元のページ611の右側の辺において下から順に遷移表示線20が配置されるようにしても良い。また、隣接するページ同士の右側の辺と左側の辺および上側の辺と下側の辺ではそれぞれ同じ順にすることが好ましく、その場合、複数の領域を結ぶ遷移表示線が配置される場合でも、線同士が交わらないようにすることができる。一例として、図25におけるページ613の右側の辺とページ614の左側の辺を結ぶ遷移表示線がそのように配置されており、視認性が向上できていることが分かる。
【0095】
また、本実施形態においては、遷移先のページ612が遷移元のページ611に対して相対的に上下左右の4つの領域のいずれの領域に含まれるかに応じて遷移表示線20を引き出す始点の位置(遷移元のページ611における縁)が動的に切り替わるように制御される。
【0096】
図25においては、遷移先のページ612が遷移元のページ611に対し右側の領域に含まれるため、遷移元のページ611の右側の縁から遷移表示線20が引き出されている。このようにすることで、遷移表示線20上に分岐アイコン30やファイル操作アイコン40などが配置された場合であっても、遷移元のページ611に隠れてしまうことを防ぐことができる。
【0097】
他の状態の例として、図25において、遷移先のページ617は遷移元のページ615に対し上の領域に含まれるため、遷移表示線20が遷移元のページ615の上側の辺から表示されるようにすることで、遷移表示線20自体の視認性を向上することができる。図25では、遷移元のページ615に対して上下左右に遷移先のページを配置しており、上述した通り遷移表示線20が引かれている。なお、遷移表示線20が遷移元のページにおける上下左右のどの辺から引き出されるかは、遷移元のページまたは遷移先のページの移動に伴う相対位置の変化によって動的に切り替わるように制御される。
【0098】
また、2つのページの間で操作領域21における同じボタンの選択で相互に遷移するように設定されている場合には、遷移先のページと遷移元のページを結ぶ2つの遷移表示線20の位置が一定間隔となるように配置してもよい。これによって、同じ位置から遷移表示線20が表示された場合でも、遷移表示線20同士が重なり合ってしまうことを防ぐことができ、視認性を向上できる。
【0099】
例えば、図25におけるページ613とページ614について、上から順に、ページ613のLボタン選択時にページ614に遷移することを示す遷移表示線621、ページ614のLボタン選択時にページ613に遷移することを示す遷移表示線622を示している。操作領域21の各ボタンに対応して、残りの6つの遷移表示線も同様に配置されている。
【0100】
この遷移表示線621と622は、上述した法則に基づき、ページ613の右側の縁における最上部の領域と、ページ614の左側の縁における最上部の領域との間に結ばれている。この2つの遷移表示線の始点と終点が、それぞれが配置される領域内において所定の距離を空けて配置されるように制御されている。
【0101】
なお各ページ間を結ぶ遷移表示線が1本の場合には遷移表示線が配置される各ページの辺における中央に始点や終点を配置しても良く、各ページの辺における分割された領域に遷移表示線が1本しか配置されない場合には、各領域における中央に始点や終点を配置しても良い。
【0102】
また、図26の遷移表示線627に示すように、同一のページへの遷移は、遷移元のボタン上から出た線が遷移元のボタン上に戻るように円形に遷移表示線627を配置することにより、視認性が向上する。なお、このような同一のページへの遷移(ループ遷移)を表す遷移表示線においては、遷移表示線628に示すように、線上にファイル操作アイコン40などを配置した場合と、遷移表示線627に示すように、何も配置されていない場合とで、環状(円形)に表示される遷移表示線の半径や大きさを変更することが好ましい。図26に示すように、線上にファイル操作アイコン40などが何も配置されていない状態の遷移表示線627の半径を小さくすることにより、ループ遷移すること自体は認識し易く、他のオブジェクトの視認性の低下を防ぐことが可能となる。
【0103】
また、図27にはページ遷移以外においても同様に表示制御されることを示している。
【0104】
図27において、Lボタン610dをデータ転送アイコン652にドラッグアンドドロップすることで、Lボタン610dからデータ転送アイコン52に向かって遷移表示線629が配置された状態を示している。この状態において、遷移元のページ610に対し下の領域に配置されたデータ転送アイコン652に対し、遷移元のページ610の下側の辺とデータ転送アイコン652の上側の辺のいずれも左側から順に領域が分けられており、Lボタン610dに対応する左端の領域に遷移表示線629の始点と終点が配置されていることが分かる。
【0105】
同様に、遷移元のページ610と遷移先のページ620とを結ぶ遷移表示線630についても、始点と終点がそれぞれRボタン610aに対応する下端の領域に配置されている。
【0106】
説明を省略するが、他のページへの遷移表示線や領域の分け方についても同様である。
【0107】
このように、本実施形態においては、遷移表示線が接続された2つのページの相対的な位置関係に基づいて、遷移表示線が各ページにおけるどこから引かれるか(どこに始点と終点が配置されるか)が動的に変更される。この構成により、作成画面の視認性を向上すると共に、ページを移動させて遷移表示線の始点や終点の位置が変更されることを確認しながらページの配置を決定することができ、ユーザーが所望の表示を選択することができる。
【0108】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【0109】
例えば、ラベルとテキストボックスとは異なるオブジェクトとを別のオブジェクトとして配置するように構成しているが、ラベル付きのテキストボックスとして一度に配置できるように構成しても良い。
【0110】
また、第1の実施形態と第2の実施形態との組み合わせても良く、例えば遷移元のページに接続された遷移表示線の数によって表示を変更するように制御しても良い。例えば、遷移元のページに接続された遷移表示線が1つの場合には第1の実施形態のように操作領域におけるボタンから遷移表示線が延びるように始点を配置し、遷移元のページに接続される遷移表示線が複数の場合には第2の実施形態のように遷移元のページの遷移先のページ側の辺から遷移表示線が延びるように始点を配置するように制御しても良い。また、これに限られず、何らかの条件によって第1の実施形態による表示制御と第2の実施形態による表示制御とを切り替えるように構成しても良い。
【0111】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、その構成の多くが第1の実施形態と共通である。従って、以下の説明においては、共通する構成については同じ符号を用い、第1の実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0112】
第1の実施形態では、オプション機能の設定の仕方の一例として「LED制御」機能について説明した。第3の実施形態では、「外部プリンタ印字」機能について説明する。なお、「外部プリンタ印字」とは、デバイス400に接続された外部プリンタにおける印刷処理(例:印刷レイアウトの設定など)を意味する。
【0113】
図28は、CPU501がアプリケーション作成ツール506にしたがって実行する印刷処理(外部プリンタ印字)を設定する処理を示している。
【0114】
S2801にて、図31に示すように、オプション選択部200から「印刷レイアウト」機能を示す印刷レイアウトメニュー220がマウスオーバー等により選択されると、CPU501は、さらに追加アイコン221を表示する。追加アイコン221がクリックされると、CPU51は、図32に示すような外部プリンタを選択する画面を表示する。
【0115】
S2802にて、ユーザーは外部プリンタを選択する。なお、ここでは予め外部プリンタが登録されているものとして説明する。外部プリンタを選択し、チェックボタン3200を押すことで外部プリンタの選択が確定する。なお、後述する説明では、チェックボタンを押すことで機能の確定をするものとして説明するが、チェックボタンは一例に過ぎず、機能を確定するものであれば、ボタンなどでもよい。
【0116】
S2803にて、例えば図33に示す画面を表示して印刷レイアウトの設定を行う。印刷レイアウト設定の処理については、図29にて後述する。
【0117】
S2804にて、例えば図39に示す画面を表示して印刷処理の設定を行う。印刷処理を設定する処理については、図30にて後述する。
【0118】
図29は、CPU501がアプリケーション作成ツール506にしたがって実行する印刷レイアウトを設定する処理を示している。
【0119】
外部プリンタの選択が確定すると、図33に示す印刷レイアウト設定画面が表示される。詳細設定欄に表示された用紙長選択部3300にて、用紙の長さを「印刷データによって変更」(可変長)または「固定の長さ」(固定長)を選択することができる。プレビュー領域を示すプレビュー3310には、選択した用紙の長さに応じた印刷プレビューが表示される。
【0120】
図34は、用紙の長さとして「印刷データによって変更」を選択した場合、図35は「固定の長さ」を選択した場合の一例を示す図である。プレビュー3310に示すように、同じレイアウト構成であっても表示される用紙の長さが異なることがわかる。
【0121】
S2901にて、CPU501は、用紙の長さについて可変(印刷データによって変更)が選択されているか否かを判定する。可変と判定した場合(S2901のYES)、S2903に進む。
【0122】
可変ではないと判定した場合(S2901のNO)、S2902にて、用紙の幅や長さを設定し(例えば、図35)、S2903に進む。
【0123】
S2903にて、図33に示すアイテム表示領域3340から、図45に示すような、印刷レイアウトを構成するアイテム(ラベル4510、データリスト4520、バーコード4530、線4540、矩形4550など)を選択し、印刷エリア3320をクリックすることで、選択したアイテムを印刷レイアウトに追加する。なお、図45のアイテムは一例であって、例えば、図の挿入(画像の挿入・写真の挿入など)などでもよく、これに限定されない。
【0124】
図45に示すラベル4510は、外部プリンタで印刷するラベル(文字列)を追加することができるアイコンである。具体的には、背景色、文字色、枠線、枠線の太さ、枠線の色、文字サイズ、文字の印刷方法(標準・太字・傾斜など)、ラベルの種類(テキスト、シリアル番号、日付、時刻、バージョン情報、ファイルデータ参照、テキストボックス参照など)、文字列の表示位置、サイズ、位置などを設定することができる。
【0125】
データリスト4520は、ファイルからデータを読み込んでリスト表示を行うデータリストを追加することができるアイコンである。具体的には、データリストが参照するファイルのファイル名、印刷設定(先頭から・指示文字がある行・列数など)、最大印刷行数、フォントサイズ、行をどこまで印刷するか(印刷行数を固定・データ分印刷など)、項目表示(ファイル名に指定したファイルの項目名の変更)、文字サイズ、最大行数、データリストの印刷位置などを設定することができる。
【0126】
バーコード4530は、外部プリンタで印刷するバーコードを追加することができるアイコンである。具体的には、バーコード種類(Code39・QRCode(登録商標)など)、バーコードデータ(データ指定・テキストボックス参照・ファイル参照・最長データ長・検索対象のファイル・検索する列・置き換える列など)を設定することができる。
【0127】
線4540は、外部プリンタで印刷する線を追加することができるアイコンである。具体的には、線の太さ、線の色、開始位置、終了位置などを設定することができる。
【0128】
矩形4550は、外部プリンタで印刷する矩形を追加することができるアイコンである。具体的には、線の太さ、線の色、塗りつぶし色、塗りつぶしの有無、サイズ、位置など設定することができる。
【0129】
S2904にて、CPU501は、データ(テキストボックス・ファイルなど)を参照するか否かを判定する。例えば、S2903にてバーコード4530を選択した場合、図44に示すようなバーコード設定画面が表示される。バーコードデータ4410にて、「データ指定」、「テキストボックス参照」、「ファイル参照」を選択することができ、チェックボタン4400を押すことでバーコード設定が確定する。「テキストボックス参照」、「ファイル参照」が設定された場合、CPU501は、データを参照すると判定する。
【0130】
データを参照しないと判定した場合(S2904のNO)、S2905にて、データ4420にデータの入力を行い、S2907に進む。
【0131】
データを参照すると判定した場合(S2904のYES)、S2906にて、データの参照設定(印刷するバーコードのデータを取得するテキストボックス・コンボボックスを設定・バーコードデータを参照するファイルの指定など)を行い、S2907に進む。
【0132】
S2907にて、図33のチェックボタン3330が押されたか否かを判定する。チェックボタンが押されたと判定した場合(S2907のYES)、S2908にて、CPU501は、印刷レイアウトとして登録する。なお、複数の印刷レイアウトを識別するために、印刷レイアウト毎に名前(例えば、printPage1、printPage2など)を付してもよい。
【0133】
チェックボタンが押されていないと判定した場合(S2907のNO)、S2901に戻り一連の処理を繰り返す。また、チェックボタンを押さずに印刷レイアウト設定画面が閉じられたと判断した場合は、処理を終了する。
【0134】
なお、S2901乃至S2908の処理の順序は、これに限定されず、どのような順序でもよい。また、S2901、S2904、S2907の処理を各々並列に実行してもよい。
【0135】
図37は、印刷レイアウトが登録された図の一例であり、印刷レイアウトメニュー220に、印刷レイアウトが3個(printPage1、printPage2、printPage3)登録されている状態を示している。また、印刷レイアウトのアイコンをクリックすることで詳細設定が表示され、印刷レイアウトを再編集することも可能である。図37には、「printPage1」の印刷レイアウトが選択され、その下部に詳細設定が表示された状態を示している。
【0136】
また、印刷レイアウト設定として、例えば、図34の印刷エリア3320内の点線が示すように、印刷終端を示す切り取り線の位置を設定できるようにしてもよい。また、線や文字列などの色を選択した場合でも、指定した外部プリンタがカラー非対応な場合は、プレビュー3310や印刷エリア3320には、グレースケール化して表示をするようにしてもよい。また、印刷レイアウト設定として予めサンプルデータ(例えば、入庫情報・出庫情報など)を登録しておいてもよい。
【0137】
図30は、CPU501がアプリケーション作成ツール506にしたがって実行する印刷処理を設定する処理を示している。
【0138】
印刷レイアウトを一つ以上設定登録すると、図38に示すように、コマンド選択部100に含まれる「ページ」アイコン110にカーソルを合わせると、CPU501は、「ページ」アイコン110に、「P:印刷ページ」3800のメニューを表示することができる。
【0139】
「P:印刷ページ」3800を選択すると、図39に示すように、印刷処理を設定する画面3900が表示される。「レイアウト一覧」の枠内には設定登録済みの印刷レイアウトが表示されている。
【0140】
S3001にて、「レイアウト一覧」の枠内に表示された印刷レイアウトから印刷を行いたいレイアウトを選択し、S3002にて、選択された印刷レイアウトをドラッグアンドドロップにて「印刷を行うレイアウト」の枠内に表示された領域に移動させる。なお、印刷を行いたいレイアウトは、図40(a)に示すように、一つでもよいし、図40(b)に示すように、レイアウトを組み合わせた複数とすることも可能である。また、「印刷を行うレイアウト」に印刷レイアウトを移動させることで、チェックボタン4000が有効化され、チェックボタン4000を押すことができる。図40(a)に示すチェックボタン4000を押すことで、印刷処理の設定を確定することができる。
【0141】
S3003にて、CPU501は、アプリケーション作成ツール506が実行される情報処理装置500に外部プリンタが接続されているか否かを判定する。接続されていない場合(S3003のNO)、S3009に進む。
【0142】
外部プリンタが接続されている場合(S3003のYES)、「テスト印刷」ボタン4100が有効化され、「テスト印刷」ボタンを押すことができる。S3004にて、CPU501は、印刷処理を設定する画面3900上にある「テスト印刷」ボタンが押されたか否かを判定する。押されていない場合(S3004のNO)、S3009に進む。
【0143】
「テスト印刷」ボタンが押されると、テスト印刷画面(図36(a))が表示され、テスト印刷を行う方法として、「データなし」または「仮データ」を選択することができる(図36(b))。「データなし」を選択すると、データなしにてテスト印刷する。例えば、印刷内容に実績データなどが含まれる場合、データなしを選択することで不用意な印刷を防ぐことができる。また、「仮データ」を選択すると(図36(c))、印刷内容に仮データ(例えば、abcdef・・・などの文字列)を入れてテスト印刷を行う。仮データを選択することで、実際に印刷した際に表示される桁数を確認することができる。
【0144】
S3005にて、CPU501は、テスト印刷を行う方法にて「仮データ」が選択されたか否かを判定する。仮データが選択されていない場合(S3005のNO)、S3007に進む。仮データが選択されたと判定された場合(S3005のYES)、S3006にて、CPU501は、印刷内容に仮データを設定し、S3007に進む。
【0145】
S3007にて、CPU501は、印刷ボタン3600が押されたか否かを判定する。印刷ボタン3600が押されていない場合(S3007のNO)、S3009に進む。印刷ボタンが押されたと判定した場合(S3007のYES)、S3008にて、選択したプリンタにおいてテスト印刷を実行する。
【0146】
S3009にて、CPU501は、チェックボタン4000を押されたか否かを判定する。チェックボタンを押されたと判定した場合(S3009にてYES)、印刷処理設定として登録する。
【0147】
チェックボタンが押されていないと判定した場合(S3009のNO)、S3001に戻り一連の処理を繰り返す。また、チェックボタンを押さずに印刷処理設定画面が閉じられたと判断した場合は、処理を終了する。
【0148】
なお、S3003乃至S3010の処理の順序は、これに限定されず、どのような順序でもよい。また、S3003、S3004、S3005、S3007、S3009の処理を各々並列に実行してもよい。
【0149】
印刷処理設定画面3900のチェックボタン4000を押すと、印刷処理の設定が完了し、図41に示すように、作成領域300に印刷処理アイコン4100が配置される。つまり、印刷処理アイコン4100は、事前にオプション選択部200から選択され、作成画面1に追加される。なお、遷移表示線4110および印刷処理アイコン4100は、ページ2において、デバイス400に設けられたRボタンに対応するハードキーが押下されると、デバイス400に接続された外部プリンタにおける印刷処理を実行することを意味する。また、Rボタンを印刷処理アイコン4100にドラッグアンドドロップすることで、CPU501は、Rボタンから印刷処理アイコン4100に向けて遷移表示線4110を配置してもよい。
【0150】
印刷処理アイコン4100をクリックすると、図42に示すように、詳細設定が表示され、印刷の成功、失敗時の画面遷移先や印刷結果の表示の有無などを設定してもよい。
【0151】
また、図43に示すように、プリンタの詳細設定を表示し、外部プリンタ本体の詳細を設定してもよい。
【0152】
上述したように、印刷レイアウトを構成するアイテム(ラベル4510、データリスト4520、バーコード4530、線4540、矩形4550など)を選択することで、印刷レイアウトを自由に設定することができる。
【0153】
また、アプリケーション作成ツール506が実行される情報処理装置500に外部プリンタを接続することによって、デバイス400を介さずに、テスト印刷を行えるので、ユーザーが簡便にテスト印刷を行うことができる。また、「データなし(印刷内容にデータを印刷しない)」または「仮のデータ(印刷内容に所定のデータを印刷する)」をテスト印刷することができるので、ユーザーの利便性がよい。なお、外部プリンタが接続していなければ、テスト印刷ボタンが有効化されないので、ユーザーの視認性がよい。
【0154】
また、レイアウト一覧から印刷レイアウトを、ドラッグアンドドロップする(遷移させる)ことで印刷を行うレイアウトを指定することができるので、ユーザーの利便性がよい。
【0155】
また、印刷する用紙の長さ(固定長または可変長)を指定することができる。例えば、固定の長さ(固定長)を指定した場合、印刷データが長いとプレビューにて印刷範囲に収まっていないことがわかり、ユーザーの視認性がよい。
【符号の説明】
【0156】
10:ページ、20:遷移表示線、30:分岐表示アイコン、40:ファイル操作アイコ
ン、100:コマンド選択部、200:オプション選択部

図1
図2
図3
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